テスト

テストです
[PR]
# by kanconsulting | 2016-01-01 20:38 | 業務連絡

政治災害・経済災害・自然災害にはご注意ください

私は、約5年ほど前から、「2012年12月」に注目していました。

これは、「マヤ暦の終わり」や「フォトンベルト(?)」といった、「またぞろノストラダムス的終末論」とは、まったく異なったものです。(中国では、昨日が「世界の終わり」だったようですが、別に何もなかったようですね)

「政治災害・経済災害・自然災害には、ある一定のサイクルがあり、それらは連動することがある」という観点からです。

政治災害 ・・・ 日中紛争
経済災害 ・・・ アベ・ショック
自然災害 ・・・ 近畿大震災・中部大震災

自民党政権に戻ったことについては、別に何も批判的に申し上げることはありません。ですが、これで「政治トップ層・経済トップ層・所得の低い一般市民層」が「戦争をやりたい」という方向に向かっていくことでしょうし、「ブロック経済で囲い込んで自国を守り、ついでに大型の景気浮揚もやりたい」という世界のトレンドにも合致しているのでしょう。

「政治と経済が連動するというのは、わかる。でもそれらと、自然災害は、関係ないのでは?」と思われることと思います。これについては、

「この中では、「自然災害」が、最初に起こるべき、トリガーイベントとなる」

という可能性がある、ということを申し上げておきたいと思います。

何もなければ良いのですが、くれぐれも、ご注意ください。
[PR]
# by kanconsulting | 2012-12-22 10:16 | 経済状況

2012年明けましておめでとうございます

皆様

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

昨年は、「世界同時多発デフォルト元年」と書きました。デフォルトに該当したのはギリシャだけ(選択的デフォルトはデフォルトに該当しないというのは、一種の詭弁でしょう)でしたが、ポルトガルは実質上再建不可能となってしまいました。

今年は、「世界同時多発デフォルト本格年」と、宣言いたします。世界は、瀬戸際に来ているのだと、そう実感します。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
[PR]
# by kanconsulting | 2012-01-01 01:58 | 業務連絡

総員、衝撃に備えよ Brace for impact 通貨安競争の後にブロック経済に向かう世界と、戦争の予感

読者様

更新が遅くなって、ご心配をおかけしているとしましたら失礼します。

長年使っておりましたパソコンが故障し、バックアップ機で運用しているような状態が、半年以上続いております。バックアップ機は軽量小型のネットブックですので、容量も小さく、多量のデータを参照しながら何かを考察するのには向いていません。事実、これまで蓄積したデータについては、バックアップ機ではまったくといっていいほど活用できていません。しかし、再来週には新型機が納品される予定ですので、その後はスムーズな記事作成が出来るのではないかと期待しています。

更新を意図的に遅くしているという事情もありますが、その理由については、繰り返しません。

前の記事は、私が自信を持って書いたものですので、何度か読み返していただけると、幸いです。

---

さて

今年の始めに、

『今年は、世界同時多発デフォルトの元年になる』

と予見しました。その通りになりつつありますが、全く嬉しくありません。私は当物屋ではないのです。

ギリシャは「選択的デフォルト」を選び、現在はイタリアに飛び火しています。もともとイタリアは、ストック面はともかく、フロー面ではデフォルトする予定ではなかったはずです。売り崩し(パニック売りとの区別がつきにくいですが)がなければ、このような事態は起こらなかったかも知れません。しかしながら、大規模な信用収縮においては、文字通り「何が起こっても不思議ではない」と考えるべきでしょう。

疑心暗鬼が、さらなる信用収縮と、「売り逃げ(売り崩し)」へのドライビングフォースとなります。「自分さえよければ良い」は、マクロで見ると成り立たないこと、まさに合成の誤謬でしょう。

一喜一憂させながら、相場が乱高下を繰り返し、その過程で確実に世界の信用余力を奪っていく様子は、あたかも、ダイエットとリバウンドを繰り返す中で、基礎体力や必要な筋肉まで損ない、脂肪がつきやすくなり、健康を失っていく様子にも似ています。

このような、振幅を繰り返すようなリワインドは、中間層の資産を削り、富の偏在を促進させます(そして、それによって儲ける存在があることも、忘れてはなりません)。国を支えるべき中間層の貧困化は、国全体としての安定度を大きく下げ、戦争の要因のひとつになります。

---

タイトルの話です。「ハドソン川の奇跡」の機長による名セリフですが、ここでは、私が読者様に望ましくない未来を警告します。警告の内容は、戦争の可能性です。

「またか。21世紀の世界で、大規模戦争はもう起こらない。戦争厨は、いい加減にしろ。」と思われたとしましたら、非常に残念なことです。歴史を振り返っていただきたいのです。

「通貨安競争」を経て、今、世界は、急速に「ブロック化(ブロック経済)」へと進んでいます。信用収縮と、大きな需給ギャップは、有望市場の囲い込み(アジア)へのインセンティブとなります。TPPも、ブロック化の文脈で理解すると、どなたにも理解しやすいものと思います。

(大きな需給ギャップは、超過需要の喚起を渇望するインセンティブとなります。そして、戦争が「過剰設備と不良在庫を廃棄し、超過需要を喚起する」そのひとつの手段であることは、これまでに何度も述べています。)

TPPは、非常にラフな理解で言うと、「アメリカ主導のブロック経済圏を作るための仕組み」と言っても、それほど間違いではありません。

そして、EUは、私の理解では、「EU連邦国」とならざるを得ないでしょう。別の国は見捨てても、同じ国の同胞は見捨てられません。EUが、空中分解を免れて、新しい時代に生き残るためには、通貨だけではなく、経済全体(国の債券発行を含む)、もちろん政治を統合する必要があります。EUにとって、今のピンチは(おそらく最後の)チャンスでもあります。

とはいえ、世界はそれほど単純ではありません。まだ、お膳立てが整っていないのです。あと1発か2発、きつい衝撃がないと、人類は同じ過ちを繰り返さないのです。

---

強欲なものがカネに困れば、自分よりカネを持っているものから巻き上げるか、自分より弱いものから搾り取る方法を考えるのが普通です。カネを持っていて(対外債権が多い)、かつ、弱い(政治的発言力、軍事的イニシアチブが乏しい)国。それは何だと思いますか?読者様にも、容易にお分かりと思います。

特に、債務者が債権者を相続した場合には、その債権は混同により消滅することと同様に、債務国が債権国を滅ぼし、あるいは支配下に置いた場合には、その債権は実質上意味のないものとなること、これも容易にお分かりと思います。歴史上、軍事力で借用証書を焼かれた国がどれほどあったのか、多すぎて私には判りません。

今、EU情勢が一喜一憂を繰り返しているのは、ある意味、「演出された揺さぶり」でもあるのです。ずっと危機的状況が続くのではなく、時々はほっとさせ、安心もさせる。そして「やっぱり厳しい」と落としてみる。これを繰り返す。そして、カネを持っているものを心理的に揺さぶるのは、何も「オレオレ詐欺(振り込め詐欺)」のような末端のチンピラだけのテクニックではないのです。EUの首脳たちは、日本と中国を横目でチラ見して、「どのようにカネを引っ張るか」という話をしているに違いありません。

---

このように、今の世界は、戦争が起こりやすい状態になりつつあります。

・中間層の貧困化、不満の増加、国の将来安定性ダウンのため
・過剰生産設備と、過剰在庫の処分による、デフレ脱却を望む産業界の声
・超過需要の喚起に対する、各方面の声
・債務消滅(借金の棒引き)に対する渇望の声
・ブロック経済への傾斜

では、どうすれば良いのでしょうか?そのご質問に対して、私は、短く一言でお答えしたいと思います。

『総員、衝撃に備えよ(Brace for impact)』
[PR]
# by kanconsulting | 2011-11-11 02:54 | 経済状況

原発事故による汚染の急拡大 成長の限界が急速に前倒し

先日のエントリーで、

『日本においては、福島第一原発事故による「汚染」の急拡大により、「成長の限界」が急速に前倒しになり、前提条件が大きく変わってきた(生き延びるためのリソースの奪い合いになる)』

と書きました。これはデマや風説ではありません。

「成長の限界」という文脈で「汚染」と言いますと、その汚染を除去するのにもリソース(エネルギー、金属や石油などの有形資源、工数)が必要ですし、放置すると農業生産が停滞したり/直接間接に人類の健康を損なうことで、どちらにしてもリソースを損なううえに、成長の限界を前倒しする厄介な存在であるというニュアンスがあります。

特に、食物連鎖を通じて体内に取り込まれる汚染物質の恐ろしさは、日本は何度も経験しているはずです(水俣病、その他)。放射能(放射性物質)は、体内の生体組織の内部から直接に遺伝子を破壊するという性質があるため、可能な限り内部被爆を避けるべきであるというのが常識です。

それを担保するために、法律で認められた一般国民の年間被爆量は、1ミリシーベルト/年です(外部被爆+内部被爆)。ちなみに、放射線被爆による白血病発病が労災と認められた最低線量は、5.2ミリシーベルト/年ですから、5倍ほどの安全値を見ていると考えて良いでしょう。

今ここに、「多少は汚染されているかもしれないが、被災地の農産物を買うことで応援しよう」「多少の放射能は日本国民全員で負担しよう」という風潮があります。それに加えて、「検査すると多少の放射能が検出され、忌避されてしまうので、検査自体を拒否しよう」「これくらいなら多分大丈夫だろうし、知らなかったことにして、こっそり出荷してしまおう」という意図があってもおかしくありません。

福島県の小学校で、「今こそ地産地消」「風評被害の解消」「地元産の野菜が安全であることを全国にアピールするため」として、福島県産の野菜が学校給食に提供されていたことも記憶に新しいところです。

放射能が検出されているのは、各種の野菜、牛乳、小型の魚、茶葉、そして新たに肉牛ですが、これも特段に驚くべきことではありません。肉牛はトレサビリティがあるので追跡が容易ですが、「牛乳」のようにブレンドしてしまえるものはどうでしょう?畜肉であっても、ミンチなどに加工してしまえば?

ご存知のように、国は「放射能の除染」には、あまり乗り気ではありません。

そして、おそらく国には「内部被爆は、できるだけ認めない」という方針がある以上、「将来にガン・白血病などが増えたとしても、個々のケースで因果関係を証明することはできず、国は知ったことではないし、当然補償もしない」というストーリーがあるものと思います。

長々と放射能の話を書いたのは、『国(政府)が国民を十分には守らない/守れない』というひとつのケースとして、納得いただけると思ったからです。

上のほうに書いた成長の限界におけるトレードオフから言いますと
・汚染を除去するのにはリソースが必要 ・・・ お金と人手がかかるので、消極的に実施
・農業生産について出荷停止の場合は補償するが、禁止しない ・・・ 規制値以上を出荷しても罰則なし
・やむなく、国民の健康を「薄く・広く」犠牲にする ・・・ 消去法で、この選択肢が残る

今後、食料自給率の低い日本で、エネルギーと食料の輸入がダブルで増えることで、世界の中での日本を巡るマネーフローが、かなり異なった風景となることが予想されます。

(このエントリーは、2011年7月ころに記載していたものですが、長い間、公表をためらっていました。しかし、いつまでたっても良心的な解決策が見られず、逆に「食べて応援」「ガレキ拡散」などの、悪魔的といっても良い方針のみが実施されているところ、もはや救いようがないとして、公表に踏み切るものです。)
[PR]
# by kanconsulting | 2011-07-13 02:28 | 経済状況

未来新聞 国家破綻は「残余のリスク」 国民の生命・財産に直ちに影響はありません

未来新聞より

『今回の経済的事象は、国民の財産には、ただちには影響はありません。不要不急の預金は銀行から下ろさないでください。不要不急の株式・債券は、売却せずに保有してください』(某国政府報道官のコメント)

『このような事象は、現在のギリシアや、過去の外国のデフォルト事例と比べても低いレベルにとどまる。・・・想定外である。銀行団により国債が順調に消化され、リスクプレミアムと金利が急騰することがなければ、このような爆発的事象は起こることはなかった』(某国政府報道官のコメント)

『国家の財政が破綻するというリスクは、もしそれが実現した場合には国富の大半が失われることになるが、「異常に巨大な経済的変動」がなければありえないものとして、通常の国家運営においては「残余のリスク」とみなして問題ない』(某国の政府内部資料)

『国の財政が破綻するなどという「風説」は、国債などの金融商品に対する「風評被害」をもたらすため、取り締まられなければならない』(某国の経済警察)

明かに事故なのに「事象」。影響が出ることは明白なのに、観測期間より短いスパンで「ただちには影響はない」。「不要不急」って何ですか。他の事例と比べて「低いレベル(マシ)」という甘めの自己評価(後に評価替え)。想定外を想定するべき職務の人間がいとも簡単に言う「想定外」。想定外が重なったから自分には責任はないという責任逃れ。「残余のリスク」とは、それが起こったら対象範囲の国民はあきらめてね、という意味。「風評」とは、リスク感受性の高い国民層の本音の評価。

---

『日本国政府が、国民の生命・健康・安全を守らない/守れない、ということが(この大震災の対応を経て)明らかとなった。であれば、生命の次に大切な国民の金融資産を守るはずがないではないか。』(国家破綻研究ブログ管理人kanconsulting)

『1000年に1度の巨大地震・巨大津波を想定すべきであるとすれば、日本国内でわずか70年前、世界に目を転じれば10年に1度は起こっている「デフォルト」を想定しないのは、都合の悪い想定を「起こるはずがない」「前提条件が異なる」「パニックを引き起こす」などとして黙殺している人間がいるからです』(国家破綻研究ブログ管理人kanconsulting)

---

読者様

最近は、意図的にエントリーの数を落としております。それにはいくつかの理由があります。

・もはや警鐘を鳴らす時期は終わり、ポイント・オブ・ノーリターンをすでに越えてしまったから
・すでに一定水準の情報統制がひかれており(ご存知ですよね?)、今後は監視・規制がさらに厳しくなるため
・「その時」をどう生き延びるかを、緊急に提案しなければならないが、将来の不確定要素を踏まえた上での確実な提案はなく、また、誤解を招きやすいことから明言はできないため
・東日本大震災で傷つき/苦しむ人が多い中で、決してハッピーとは言えない未来を語り、さらなる覚悟を求めるのは、余りに酷であることから

そして最大の理由は、

・エントリーを書き、世の人々に訴えたい気持ちはあるのだが、悲観的な内容にならざるを得ず、筆(キーボード)が進まないから

です。

---

私は、日本のどこにおられようとも、「その時」を生き延びられるための有効な対策を、必死で考えています。しかし、次の理由により、困難な作業となっています。

・日本だけではなく、世界同時多発的に財政状況が逼迫してきているため(単純に海外に逃がせばよいわけではないため)
・日本においては、福島第一原発事故による「汚染」の急拡大により、「成長の限界」が急速に前倒しになり、前提条件が大きく変わってきたため(生き延びるためのリソースの奪い合いになるため)
・金融資産を守ればよいだけではなく、エネルギー・安全な食料といった「生命に直結した実物資源」をコンスタントに手に入れる現実的な方法もセットで必要なため(お金で買えない時代になるため)
・これから起こるであろう「失業率の大幅増加」「戦争・紛争」の影響が大きすぎて、万人向けの回避策が存在しないため(「津波てんでんこ」であり、家族全部・地域全部・国全部が助かるようなオールマイティーな対策は不可能なため)

---

私は、2004年にこのブログを始めたときには、あくまで警鐘としての位置づけであり、
「自分ではこのような予測を立てているが、世の中は平和であり、人心はまだ荒廃していない。マネーフローも回っている。予想のような悪夢は、可能性として存在するだけであり、警鐘を理解する人も多いであろうから、現実になることはないだろう。」
と、楽観的に考えておりました。しかしながら、その予想はあまりに楽観的過ぎた、と言いますか、裏切られた思いでいるのが現実です。

なぜこうなったのか?ある一定のドライビングフォースを仮定することでうまく説明が付くことはこれまでに何度も書いていますが、証拠が不十分であることから、推測の域を出ません。

何度も書いていますが、もはや警鐘を鳴らす時期は終わりました。国家破綻の大津波はそこまで迫っています。であれば、私の精一杯の予測を示すことで、皆様のお役に立つことが出来ればと願っています。

「大津波がそこまで?俺にはそうは見えない。風説も大概にしろ。」と思われるかも知れません。それはそれでかまいません。資本主義は自己責任が原則ですが、それ以前の問題として、「自分の生命と財産は、自分で守る」が、人類の歴史を貫くサバイバルの鉄則です。人はどうしても、身近に迫ったリスクを過小評価する傾向があるようです。ヒトラーの侵攻が明日に迫ったパリで、パリ市民がいつもと変わらぬ楽しい夜を過ごしたのは、情報が不足していたからだけではないでしょう。まして、当時と比べると様々な情報過多の現代では、「知らなかった」ことは言い訳にもなりません。

冒頭にも書きましたが、国が国民を十分には守らない(守りたいという意思は一部にはあるのかも知れないが、リソースかリーダーシップが不足しているため、結果として守れない)時代にあることを、ご理解ください。

誤解のないように書きますが、私は決して日本国の財政破綻を願っている訳ではありません。それは過去のエントリーを読んでいただければ容易に分かることと思います。

---

端的に書きます。来年以降に起こることは、

・通貨の減価
・失業率の上昇
・食糧危機 
・戦争(紛争)

です。それぞれの項目がなぜ起こるかは、過去のエントリーで何度も書いています。

加えて、日本国全体のリソース(対応余力)が不足することにより、原発事故のような人災が再び起こらないとも限りません。

回避方法は、残念ながら今の時点では見出すことが出来ません。綱渡りの財政政策を、祈るような気持ちで見つめるのみです。ICUで家族がまんじりともせずにバイタルモニタを見つめるように、長期金利とリスクプレミアムを見つめています。

市民レベルで影響を減らす方法はあります。簡単に書くと、「影響を受けにくいアセットクラスにシフトすること」。シフトできないならヘッジすること。アクティブに攻めるなら、ショートポジションを持っても良いでしょう。

何よりも大切なアセットは、「健康」「家族」であり、加えて今の仕事で「オンリーワン」になることです。

皆様のご多幸をお祈りしております。
[PR]
# by kanconsulting | 2011-07-05 02:56 | 経済状況

足し算・引き算で歴史に学ぶ 関東大震災・昭和東南海地震・チェルノブイリ原発事故

金持ち爺さんは、時々ではありますが、「歴史は繰り返す。歴史に学べ」と言っていました。また、簡単な歴史年表(学校で使うような)を見せて、なぜ似たような出来事が周期的に起こるのか、ということを何度か教えてくれました。学ぶということは真似から始まりますので、まずは真似からスタートいたします。

もちろんその時代背景・力学関係が異なるため、単なる数字の遊びであるとの非難はあるものと思いますが、一つの思考実験として、以下のストーリーを考えております。

関東大震災(1923)周辺の出来事と、このたびの東日本大震災(2011)を重ね合わせると、「大震災からの復興半ばで、まだその傷が癒えきらない間に、世界的な経済的ショックが発生する。各国において、過剰在庫を処分し、超過需要を喚起するため、地政学的ショックが引き起こされる。」というストーリーが見えてきます。

1912 バルカン事件
1914 第一次世界大戦
1923 関東大震災
1929 世界恐慌
1937 シナ事変
1939 第二次世界大戦
1945 原爆投下・無条件降伏

2001 世界同時多発テロ
2011 東日本大震災
2017 第二次世界恐慌?
2025 第二次日中戦争?
2027 第三次世界大戦?
2033 核兵器の使用による終焉?

あくまでひとつのストーリーです。

地震に着目するのなら、太平洋戦争中の東南海地震(1944)と、今回の大震災(2011)を重ね合わせると、「もともと苦境にあったところに、大地震が発生する。その翌年に、原子力に関係したアクシデントがもとで、国家システムが停止する。さらにその翌年に、誘発大地震が発生する。」のストーリーも見えてきます。

1944 昭和東南海地震
1945 原爆投下・無条件降伏
1946 昭和南海地震
1951 サンフランシスコ講和条約

2011 東日本大震災
2012 福島第一原発爆発事故?、日本国デフォルト宣言・IMF管理下?
2013 関東直下型地震?
2018 新生日本国再独立?中国・ロシアに併合?

というストーリーもあるでしょう。(個人的には、これが一番実感に近いように思います。)

他方、原子力事故ということに着目すると、同じレベル7である「チェルノブイリ原発事故(1986)」を基準にすると、「大規模原発事故の翌年に大規模な経済的ショック、そして次々と、その当時の前提条件が崩れていく」、というストーリーも、見えてきます。

1971 ドルショック
1973 オイルショック
1979 スリーマイル島原発事故
1986 チェルノブイリ原発事故
1987 ブラックマンデー
1989 ベルリンの壁崩壊
1991 バブル崩壊

1999 JCO臨界事故
2007 新潟県中越沖地震・柏崎刈羽原発事故
2007 サブプライムショック
2008 リーマンショック
2011 東日本大震災
2012 スタグフレーション・ショック?
2014 いくつかの国家システム崩壊?
2016 資本主義体制崩壊?各国通貨の廃止と世界通貨導入?

もちろん、ひとつのストーリーですし、「似たようなイベントが、その原因・背景を加味することなく、単純に足し算・引き算で、繰り返し起こると計算できる」という理論的根拠はありません。

しかしながら、「今回だけは特別だ。過去の過ちは繰り返されない。」という甘い期待が常に裏切られてきた人類の歴史を鑑みるに、「単なる計算に過ぎない」という単純な指摘を上回る示唆を得られるものと思います。
[PR]
# by kanconsulting | 2011-04-13 22:02 | 経済状況

国家破綻の撃鉄は起こされた

東日本大震災から1ヶ月が経過いたしました。あらためて、数多くの犠牲者様の冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の方々へのお見舞いを謹んで申し上げます。

私は、以前より、「国家破綻は、直線的に起こるのではない。なにかの突発的なアクシデント・天災をきっかけに、ポイント・オブ・ノーリターンをあっさりと越えることになるだろう。」と考えておりました。以前に書いていたかどうかは、定かではありませんが、不謹慎なので書いていなかったかも知れません。

---

1ヶ月前の金曜日。私は関西地方の仕事場で、尋常ではない長周期振動を感じたことから、「遠くで、大きな地震が起こった。」と直感いたしました。ワンセグで見ていても、震源に近いと思われる東北太平洋岸の情報が全く報道に入ってこなかったことから、阪神大震災の記憶がよぎり、同等クラスの震災が発生したであろうことは想像に難くありませんでした。「ああ。とうとう始まった。ビジョンより、1~2年も早い。神よ、どうして、もう少し時間を下さらなかったのですか。」と感じました。

それから1ヶ月、この大災厄が、日本の国家破綻に対してどのような影響をもたらすのか、よくよく考えてまいりました。そして、先日の「福島第一原発 低濃度放射能汚染水の大放出」によって、それが確定的なものとなったと感じました。(放射能汚染水の海洋放出は、すべきではありませんでした。)

「日本が一致団結して臨むべきときに、破綻を語るとは、不謹慎である。流言蜚語(デマ)である。」とのご批判を承知の上で、その結果を申し上げると、

『東日本大震災をきっかけに、需給・物価・為替を支配するマテリアルフロー・マネーフローが明らかに変わった。誰が見ても、日本の財政破綻の可能性が高まった。今は統制が効いているが、これ以上は騙しようがない。』

『「巨額の公的債務」「超低金利・金融緩和」という【火薬】、
火薬の爆発力を集中させる「金融規制」「政府の強制力」である【薬莢】。
単独では爆発しにくい火薬の着火役となる「信用に対する恐怖」「マネーのショート」が【雷管】。
その雷管を起動させるための【撃鉄】が、今、起こされた。
あとは【引き金】を動かす、小さな力があればよい』

『この撃鉄は、

大規模なショック、たとえば、
・ロシア・中国の日本領土侵攻、
・北朝鮮の大型ミサイル発射と着弾
などの地政学的アクシデント、
・関東直下型大地震、
・東海=中部大地震、
・東南海南海=関西大地震、
・中央構造帯=中部近畿大地震、
などの天災、そしてそれら地震によって引き起こされる
・浜岡原発大事故、
・高速増殖炉大事故
などの人災、にとどまらず、

・それらより規模の小さな各種アクシデント、
・国内政治に関するアクシデント
などの中規模のショック、

あるいは
・取り付け騒ぎや
・ある種のデマ
といった小規模なショックでも、十分にその引き金(トリガー)となる』

となります。

---

「イメージの話はもういい。具体的にどうなると言うのか。どうすれば良いと言うのか。」というご質問もあろうかと思います。それに対しては、エントリーを改めたいと思います。

ただ一つ確実に言える事は、

・一定方向に起こるその方向性には逆らえない(生物の寿命がよい例でしょう)
・周期的に起こるそのサイクルには逆らえない(四季が良い例でしょう)

という簡単な真理について、

・国家体制、通貨には寿命があり、永遠に体制を維持したり、通貨の価値を保つことは出来ない
・特に通貨・負債の歴史は、通貨の減価と廃止、負債の棒引きが定期的に繰り返されてきたというサイクルがある

という事実を直視するならば、日本だけがその例外となりうるという主張は、空手形としか言えないのです。

"This time is different"(今回は例外だ。人類は同じ過ちを繰り返さない程度に成熟した。資本主義、国家体制、国債と通貨の信認、債権の価値は永遠に保たれる。人類は永遠の繁栄を手にする。)が、反語であることは、ケネス・ロゴフの日本語版を待つまでもないでしょう。
[PR]
# by kanconsulting | 2011-04-11 22:28 | 経済状況

船場商人 4つの予言と5つの教え

東日本大震災(東北・関東大震災)で命を落とされた多くの方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました方に心よりのお見舞いを申し上げます。被災地に住まわれている方は、これから本当に大変な時期を過ごされることと思いますが、助け合い、励ましあい、支えあいまして、一日も早い復旧を願っております。

さて

なぜこの大事な時期に、2週間もエントリーを控えておりましたのか、説明いたします。いくつか理由がありますが、私の祖父に当たります船場商人(これまでのエントリーでは「金持ち爺さん」のように書いていたと思います)のこれまでの言葉を反芻し、頭の中でまとめていたのです。

今を遡ること約16年、1995.1.17に、神戸沖を震源とする、いわゆる阪神大震災が起こりました。私のもう一人の祖父である「貧乏爺さん」(実際にはそれほど貧乏ではありませんでしたが、良い対義語が見当たらなかったものですから)は、この阪神大震災で亡くなりました。私はその時は学生でしたので、しばらく被災地入りをしまして、関西に帰ってきたときのことです。

貧乏爺さんは、もとは技師(エンジニア)のような仕事をしており、戦争から帰ってきてからゴムの会社を興して仕事をしていました。よく、宇宙の始まりや、最初の生命の誕生などの話を聞かせてくれ、子供心を躍らせていたものです。

---

「ぼん。この度は、残念やったな。」太平洋戦争の焼夷弾を奇跡的にまぬがれた築100年の木造屋敷の内玄関で、金持ち爺さんが、被災地から帰ってきた私を、すまさなそうに出迎えてくれました。

地震発生直後は、余りに悲惨な現実に神も仏もあるものか、と思っていたのですが、それから何週間も経っていて、私も多少は心の整理がついていたものですから、被災地で見たこと、聞いたことなどを話したように思います。たとえば、

・家が崩れてガレキとなり、失うものも多かったが、無事に生き延びた人は、本当に大事なものは何かを語ることが多かったこと。
・マイセンの食器は割れてしまったが、町内会の炊き出しの紙コップのほうが暖かかったというような話。かざりのない、ただの一人の人間として生きていくのに必要なのは、高価な家や家具ではなく、人のつながりであったというような話。
・在庫商品を、足元を見て、高く売ろうとした店のこと。逆に、タダもしくはタダ同然で配った店のこと
・自衛隊の給水・物資の配給には、みな並んで、荒れた感じは余りなかったこと
・日ごろ当たり前と思っていること、電気、水、トイレ、暖かい食事、食器、風呂、プライバシー、など多数が、実は多くの前提条件に支えられており、全然当たり前ではなかったこと

身内が亡くなった恨み辛みではなく、そういった、見聞きした事実を話したように思います。

金持ち爺さんは、歴史は繰り返す、という話をしたあと、

「ええか、ぼん。今から、大事なことを言わなあかん。時代の変わり目に、天変地異いうんは、かならず起こる。そうゆうことは、60年単位、100年単位、700年単位で、考えんとあかん。これから地震が起きる時期になったと思て、準備せなあきませんで」
「神戸の地震は、そんな所で起こる思てへんかった。これからも、そんなことあれへん(=あるはずない)思てることが、仰山起こてくるで」
「これから、間違いなくそういう時代になっていく。でも、地震や津波があっても、神様を恨んだら、あかん。何があっても、世を拗ねたり恨んだりしたらあかんねんで。生きているからこそ、与えられる試練やと、思いや。」
「(地震のあとの状況・人の振る舞いを)よう、見ときや。人の真価いうんはな、こういう時に問われるんやで。自分やったらどうするか、よう考えや」

などということを言われたように思います。

そして、別の機会に、「12月の晴れた日曜日。また大きな地震が来る。」とのビジョンを託されました。時期や場所についても話がありましたが、趣旨が違いますので割愛します。

タイトルに4つの予言と書きましたが、そのうちの一つが、この「地震に関する予言」です。残りは「食糧危機」「国債と紙幣(お金)の無価値化」「戦争」です。金持ち爺さんの日々の話の中で、過去に学び未来を警告した言葉をあらためて再整理すると、大きなものはだいたいこの4つのカテゴリーに分かれるというくらいの意味で、最初から明確に「4つの予言」があった訳ではありませんが、分かりやすさを考えて4つに分けました。

以前にも書いたかもしれませんが、金持ち爺さんには多少の霊感というか予知能力のようなものがあったのだと思います。優れた経営者には、多少なりともそういった神がかった部分があるものですが、そういった能力があったから、戦争で生き延び、帰ってきてから商売で成功を収めたのかも知れません。

---

「何だよ。オカルトかよ。それなら、東日本大震災も当ててから言えよ。」と思われるかもしれません。

そうではありません。こういった天変地異は、人知をもって計ることが出来ないが、超長期スパンで見ると必ず周期的に起こるという前提の下で、常に備える、ということが大切だ、という趣旨です。決して、「当て物」が先に来るのではないのです。

5つの教えについては時間がありませんので、機会を改めます。

最後に、このたびの大震災で被災されました方には、心よりのお見舞いを申し上げます。くれぐれもお体を大切にされますよう。
[PR]
# by kanconsulting | 2011-03-27 02:14 | 経済状況

2011年 明けましておめでとうございます 今年は「世界同時デフォルト元年」

皆様

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の夏以降、本業があまりに多忙で、睡眠時間を削っておりましたところ、体調を崩しまして、さりとて仕事を休むことも出来ず、半年ほどブログのお休みをいただいておりました。
もしご心配をおかけしましたとしたら、失礼いたしました。

さて、「過剰流動性の終焉」「世界同時国債増刷」「流動性の注入と中央銀行へのリスク移転」の年が終わり、今年は

「世界同時デフォルト元年」

となると予見いたします。文字通り、世界の複数の国でデフォルトが起こる、そんな年になるように思います。もちろんデフォルトといっても、金利支払いの減免要請や元本支払い繰延べ(いわゆるリスケジュール)を含みますので、文字通りの「破綻」とは一定の距離感があるかもしれません。私の考えでは、今年のデフォルト予定国には、日本は含まれておりません。

私は、2004年にこのブログを始めてから、6年間以上にわたって世界経済をウォッチしてまいりましたが、その中で、

「2012年前後に、日本経済が多額の国家債務により破綻をきたす可能性がある」
「対策が打てるのは2006年までであり、2007年以降は徐々に世界経済の中で混乱を深めていく」
「膨張した国家債務は、最終的には、インフレ、金利暴騰、為替による調整、あるいはその組み合わせで洗い流すしかない」
「その場合、日本国民の多くが、資産の消滅、購買力の減価、増税により、涙を流すことになる」

と繰り返し主張してきました。簡単ではありますが、本年の冒頭にあたり、この言葉を繰り返すことで、ご挨拶に代えたいと思います。

国家破綻研究ブログ 管理人 kanconsulting
[PR]
# by kanconsulting | 2011-01-01 11:11 | 経済状況

ユーロは最後の試練を迎える IMFが日本の消費税増税勧告 (ドイツ:EU)=(日本:世界)の比例式

祇園祭です。梅雨は峠を越えましたが、ユーロ危機は峠を越えたのでしょうか?

私は、これまでに「ほとんどの人が『ユーロはもうダメだ』と思うところまで売り込まれる。そこでオプションなどによる『投げ』により投資家は損失を計上する。もしくは、ドイツなど余力がある(と思われている)国家はEUの維持のために戦争並みの損失負担を強いられることとなる。しかし、損失処理と為替による競争力回復効果と相俟って、そこからがユーロ再生となる。」と述べてきました。

そろそろ「投資家、あるいは国家、もしくはその両方による『投げ』」があり、ユーロの底は近い気がします。それは即ち、投資家あるいは/および国家が損失を被るということを意味します。何度も書いているように、「誰かが投げない限り、底は来ない」のです。

(引用開始)

ユーロ崩壊防ぐ隣国救済、ドイツは犠牲払う価値-将来離脱否定できず
7月14日(ブルームバーグ):

ユーロ防衛のための隣国救済は、ドイツにとって犠牲を払う価値がある-。それが明確に示されつつある。
ドイツではギリシャ救済費用の負担に尻込みし、ドイツ・マルクの復活を求める有権者もいる。しかし、高級車のBMWや総合電機メーカー、シーメンスの株価上昇と国外の売り上げ増加を見れば、なぜユーロを導入し続ける価値があるのか、その理由が示唆されている。
1999年のユーロ導入がもたらした通貨の安定と労働コスト低下が輸出企業に恩恵を与え、失業は18年ぶりの水準近くまで低下。ドイツのDAX指数のパフォーマンスは今年、ユーロ圏16カ国の主要株価指数の中で最も優秀だ。
こうした状況は、ユーロ圏という鎖の弱いつなぎ目としてではなく、ユーロ安定の柱としてのドイツの立場を強める。米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授(経済学)ら学識経験者は、ギリシャ危機がユーロ圏の崩壊につながりかねないと警告し、著名投資家のジョージ・ソロス氏はユーロ圏経済の緊張を和らげるため、ドイツにさらなる行動を迫っている。
バークレイズ・キャピタルの欧州担当チーフエコノミスト、ジュリアン・キャロー氏は「ユーロ崩壊はドイツ経済にとって極めて大きな問題になるだろう。他の大半の国よりも大問題である公算が大きい」と指摘。「ドイツの産業界はこれまでに欧州市場で非常に大きなシェアを獲得した。ドイツにはどちらに転んでも不利な状況だ」と話す。

「否定し難い可能性」
ユーロ圏諸国を救済する包括的な金融支援枠で欧州連合(EU)が負担する5000億ユーロ(約56兆6000億円)と、ギリシャ向け緊急融資1100億ユーロを合わせた6100億ユーロのうち、ドイツは最大1700億ユーロの負担を求められる可能性がある。これは、DAX指数構成銘柄の時価総額合計のほぼ5倍に相当する。
コメルツ銀行のチーフエコノミスト、イエルク・クレーマー氏が、ユーロ離脱は「議題に上っていない」と述べているのに対し、モルガン・スタンレーの共同主任グローバルエコノミスト、ヨアヒム・フェルス氏は、投資家が財政規律を順守する各国政府の姿勢に疑いを持てば、インフレ期待の上昇が加速し、ドイツにユーロ圏参加の再考を促す恐れがあると警告する。
フェルス氏は5月18日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ドイツのユーロ圏離脱は「明らかに差し迫った可能性ではない」としながらも、「長期的には否定し難い可能性だ」との見方を示している。
更新日時: 2010/07/14 13:04 JST

東京外為市場・正午=ドル88円後半で堅調、ユーロは2カ月ぶりの高値圏
2010年 07月 14日 12:20 JST
[東京 14日 ロイター]
前日の欧米株高に加え、日経平均を含むアジア株高を受け、リスクオンの流れが続いている。株高の背景として、ギリシャの短期国債入札が無難な結果となったことや、欧州銀行のストレステスト(健全性審査)の暫定結果でテスト対象となったドイツの14行がいずれも無事に通過する見通しとなったことなどがあがっている。
アルコア、インテルINTC.0と好決算が続く米企業だが、今週からはじまる米金融機関の決算に対する懸念も浮上している。「4─6月期は半導体や周辺産業が世界的に好調だったので、グーグルも好決算となるだろう。だが、これから発表される米金融機関の決算は弱い結果を予想する。米企業の好決算がけん引する株高や、株高を受けたユーロ高もそう長くは続かないだろう」(信託銀)との声も聞かれる。
米連邦準備理事会(FRB)が13日に発表した、証券を担保とした融資や店頭(OTC)デリバティブ市場の状況に関する新たな四半期調査によると、ヘッジファンドやプライベート・エクイティー(PE)など一部の借り手に対する大手金融機関の与信状況は過去3カ月間で緩和した。 同調査は一部参加者の間で話題を呼んだ。

 <欧州銀行のストレステスト>
この日ユーロは2カ月ぶりの高値水準となったが、市場では、欧州銀行のストレステスト(健全性審査)はユーロ売り材料としての存在感が薄れたとの声が上がっている。「ストレステストに関しては、当初予定から大幅に対象行を拡大し、ドイツでは州立銀行も含め、自己資本不足と判断された金融機関には段階的資本増強のフレームワークを整えているもようだ。このため潜在的なユーロ売り材料としての存在感は薄れている」と三菱UFJモルガンスタンレー証券投資情報部・シニア投資ストラテジストの服部隆夫氏は指摘する。
ストレステストを無事通過する見通しになったドイツの14行の中には州立銀行も含まれるという。関係筋によると、ドイツの銀行の中で中核的自己資本比率(Tier1)が6%を下回っていた銀行はなかったとしている。
「ユーロ売りは峠を越えた感触がある。1.27ドル台は行き過ぎかもしれないが、1.2ドル台前半は購買力平価でみても穏当な水準だ」と服部氏は言う。
(ロイター 森佳子記者)

(引用終了)

さて、私は、これまでに何度も、

「信用収縮は世界を瞬く間に一巡する。アメリカの過剰住宅ローンが、アメリカの金融機関を破綻させ、それがまるでヨーロッパにガン細胞のように転移・増殖し、リスクの中央銀行への移転と各国国債増発という形で信用を蝕んでいった。これは、『過剰流動性』すなわち『実体経済を上回る過剰信用』によるものである。それが正しいとすると、収縮する信用をさらなる信用創造で補うことは出来ず、最後には『世界の過剰流動性の源』である日本国に還って来ることとなる」

と述べてきました。

もはや消費税がどうこうで済まされる問題ではありません。もし日本の税金が問題になるとすれば、

『日本国民が、世界(その内容は、カネを使い切ってしまい他人のカネを無心したい寄生者や、すでにカネを持っているのにもっと欲しがる強欲な者たちでしょう)のために血税を提供するかどうか。あたかも、ドイツ国民が、EU全体(その内容は、身の丈を超えた放漫財政のギリシャなどの国や、放漫経営のスペインなどの金融機関ですが)のために血税を提供したように。』

となるはずです。これが表題の(ドイツ:EU)=(日本:世界)の比例式の意味です。

IMFが、日本に対する年次審査報告で、先進国で最悪の水準となっている日本の財政状況について、「2011年度から段階的に消費税率を引き上げ、財政再建を進めるべき。純債務残高のGDP比の伸びを2015年から低下させるために、消費税率を14~22%に引き上げる必要がある」と指摘していますが、名目上は

「日本国の財政が破綻して長期金利が急騰する事態になれば、世界経済に深刻な影響を及ぼす」

となっているところ、その本音は

「日本国民の資産を確実に収奪して世界全体に『再分配』するためには、確実な税収が必要だから」

といったところでしょう。

a0037933_17594266.jpg

グラフは読売新聞より

(それにしても、寄生者が使ってしまったカネや強欲な者たちが蓄財したカネは、どこに行ってしまったのでしょうね。)

(引用開始)

日本の財政健全化困難に、格下げリスク高まる恐れ=フィッチ
2010年 07月 13日 13:57 JST
[香港 13日 ロイター]
格付け機関のフィッチ・レーティングスは13日、参議院選挙で民主党が低迷したことを受け、日本の財政再建が一段と困難になるとの見方を示したうえで、年末までに信頼に足る対策が策定できなければ格下げリスクが高まる恐れがある、と指摘した。
フィッチの日本担当ソブリンアナリスト、Andrew Colquhoun氏は「今年末までに信頼できるプランが作成されなければ、格付けにとってネガティブなシグナルとなり、信用格付けに対する圧力が高まることになる」と述べた。
ただ同氏は、プランを策定する政府の能力について悲観はしていないと指摘、「選挙結果により、日本政府がそのようなプランを策定および実行することは一段と難しくなるだろうが、それほど悲観的には考えていない。選挙結果は、財政健全化が否定されたことを意味するものではないためだ」と述べた。
フィッチは現在、日本の外貨建て格付けを「AA」、現地通貨建て格付けを「AAマイナス」としている。格付け見通しはどちらも「安定的」。

欧米で財政再建計画相次ぐ、日本は軸足定まらず
2010.7.11 21:38

参院選最大の争点となった消費税の増税問題などで菅政権の財政健全化への取り組みが問われる中、欧州の信用不安をきっかけとした欧米各国の財政再建が今後、本格化する。6月の20カ国・地域(G20)首脳会議で合意した「2013年に財政赤字半減」という目標達成に向けた動きで、消費税の方向性などで軸足の定まらない日本は出遅れが目立つ形となっている。
欧州の財政再建計画の柱は、金融危機以降の積極的な財政支出で膨らんだ財政赤字を減らす歳出削減だ。

「財政赤字の削減が持続的な成長に寄与する」
11~14年の財政計画案を7日に閣議決定したドイツのショイブレ財務相は会見で、財政再建へ決意を強調した。長期失業者への手当てといった社会保障費の削減などで、戦後最大の820億ユーロ(約9兆円)の歳出削減を行う。
英国は、62億ポンド(約8300億円)に及ぶ10年の緊急予算削減策を発表。オズボーン財務相は「問題を解決しなければ国民は職を失う」と指摘。邦銀の欧州担当エコノミストは「歳出削減は各国の喫緊の課題」と指摘する。
一方、財源確保のための税制改革機運も高まっている。英国が消費税に相当する付加価値税を引き上げるほか、英独仏3カ国は、金融機関に破綻(はたん)時のコスト負担を求める銀行税を導入し、財政再建にも活用したい考えだ。
ただ、急激な財政の引き締めは、金融危機の傷がまだ癒えていない世界経済にショックを与えかねず、クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「各国でデフレを招くおそれがある」と懸念する。
欧州連合(EU)の銀行監督当局が23日に発表する健全性審査の結果も影響が大きい。内容次第では、欧州の大手銀行に公的資金が注入され、各国の財政負担が増すからだ。
一方、失業率が高止まりするなど景気の先行きに不透明感が漂う米国は、今秋に中間選挙が控えていることもあって「雇用創出が最優先」(オバマ大統領)とされ、どこまで財政再建に踏み込めるかは不透明だ。
さらに難しい舵取りを迫られているのが日本。先進国中、公的債務が突出する日本はG20の目標からも例外扱いを受けた。ただ、消費税をめぐる菅直人首相の発言は迷走。財政再建への取り組みも参院選後の政治情勢次第で、どこまで踏み込めるか不透明だ。(柿内公輔)

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2010-07-16 17:52 | 経済状況

ユーロは消滅するのか(2) 0.5兆ユーロオペの期日 世界同時国債増刷の果て 中銀マネーのジプシー化

a0037933_19135081.jpg


グラフは毎日新聞より

ユーロ安、株安、金利安(債券高)がクライマックスとなっています。

これまでに、「リスクは各国の中央銀行に移転され、いわば壮大な『飛ばし』となっている」と指摘してきましたが、昨年6月末にECB(EUの中央銀行は、約5000億ユーロ足らずという莫大な額の1年物オペ(簡単に言うと資金供給)を実施していました。昨日はその期日到来ということで、それに向けて市場から莫大なマネーが回収されたことにより、ユーロ安と世界株安となったと解釈できます。

何度も述べていますが、中央銀行が供給したマネーは、本来意図した実需(設備投資など)ではなく、仮需(短期株式投資(インデックス先物)、短期現物投資(ゴールドや原油の先物)、債券投資)に向かいます。なかでも、リスク回避という観点では各国の国債にマネーが流れ込みやすくなっています。(中央銀行が供給したマネーが国債消化に向かうとは、皮肉な限りです。)それを回収すれば、マーケットが下げるのは当然です。

このように、世界の中でのマネーフローについて、注視が必要です。

「財政信認が低下しているという割には、金利はしっかり下がっているではないか。国債をいくら増刷しても金利は上がらない。まだまだ国際を増刷しても大丈夫だ。ソブリンリスクなどというのは虚構の存在だ。」

というご意見あるかと思いますが、それに対しては、

「マネーが中銀→銀行→国債購入、と循環(フロー)しているうちだけの花見酒であり、永遠には続かない。ストックがなくなったところから破綻する。」

と指摘します。

何度も書きますが、金融危機の引き金は「過剰流動性の終焉」でした。そしてこれも何度も書きますが、ポスト金融危機のキーワードは「リスクの押し付け合い」と「中央銀行へのリスク移転(中央銀行による節操のないマネー供給)」です。そして「ペーパーマネーの連鎖的減価(マネーが、価値が劣化する資産クラスから逃避し続ける、ジプシーマネーになる)」に至ります。

(引用開始)

米金融・債券市場=株価下落で国債価格が上昇、2年債利回りは過去最低更新
2010年 06月 30日 06:28 JST 記事を印刷する
[ニューヨーク 29日 ロイター]
29日の米金融・債券市場では、国債価格が上昇し、2年債利回りは過去最低を更新した。ユーロ圏の債務問題への懸念から世界的に株価が下落したこと、また米経済が二番底に陥るとの懸念が台頭したことが背景。(中略)
こうした動きのなか、イールドカーブはフラット化している。2年債と10年債の利回り格差は235ベーシスポイント(bp)と、2009年10月以来の水準に縮小した。(中略)
BNPパリバの国債トレーディング部門のマネジング・ディレクター、リック・クリングマン氏は(中略)「欧州中央銀行(ECB)の1年物資金供給オペが近く期日を迎えることに対する不安感もある(中略)」と指摘した。
ECBが昨年6月に実施した1年物オペ(4420億ユーロ)は7月1日に期日を迎える。(中略)
RBS証券の米国債部門を統括するウィリアム・オドンネル氏は、過去3年以上にわたって続いていたイールドカーブのスティープ化のトレンドの変化は28日に現れたと指摘。
期間が長めの国債の利回りは今後さらに低下するとの見通しを示し「フラット化への扉が開かれた今、10年債利回りは少なくとも2.75%まで低下する」と予想した。(後略)

ユーロが下落、対円で8年半ぶり安値=NY市場
2010年 06月 30日 07:21 JST
[ニューヨーク 29日 ロイター]
ニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落した。欧州の銀行の資金調達懸念が圧迫材料となり、対スイスフランで最安値をつけたほか、対円で8年半ぶり安値をつけた。弱い経済指標を受け世界経済の回復をめぐる不透明感が高まり、ドルと円が買われた。
欧州の銀行間金利は8カ月ぶり高水準を記録した。欧州中央銀行(ECB)の1年物オペが今週期日をむかえ、市場から0.5兆ユーロ近くの資金が吸収されることから、一部の銀行が資金調達難に直面するとの警戒感がある。
6月の米消費者信頼感指数が大幅に低下したことや、中国の景気先行指数が下方修正されたことに加え、日本の失業率が予想外に悪化したことから、世界経済の先行きに対する不安が高まった。
リスク回避の動きから、豪ドルやニュージーランドドルなどの高金利通貨は売りが優勢となった。
HiFXのシニア為替ストラテジスト、ガレス・シルベスター氏は「株式市場はきょう、大幅に下げた。これがある程度ドル高につながった。カナダドルや豪ドル、ニュージーランドドルのようなリスク通貨は米ドルに対してかなり売り込まれた」と語った。 
(中略)ユーロ/円は1.6%安の107.91円。一時2001年末以来の低水準となる107.33円をつけた。
ロイターのデータによると、ユーロ/スイスフランは1.3167スイスフランと、ユーロ導入以来の安値をつけた。(後略)

長期金利は7年ぶり低水準を連日更新、一時1.08%-世界景気懸念受け
6月30日(ブルームバーグ):
債券相場は続伸し、長期金利は一時1.08%と連日で約7年ぶりの低水準を更新した。前日の米国市場で、世界的な景気鈍化懸念から主要株価指数が急落し、米債相場が上昇した流れを継続して、買いが優勢となっている。
(中略)現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の308回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.09%で始まった。その後も水準を徐々に切り下げ、一時は1.5bp低い1.08%と、新発10年債利回りとして2003年8月半ば以来の低水準を更新した。その後は1.085%で推移している。
欧州の信用不安や株安などで安全資産とされる国債に資金が流れ込んでおり、金利先高観は高まっていない。しかし、日本の長期金利は前日からの低下幅が7bp程度にも及んでおり、金利低下への警戒感から買いが鈍くなる可能性がある。ドイツ証の山下氏は、「現物市場も売り材料が乏しい中で金利低下基調が続くが、さらに買い進むには10年債利回りの1%割れを視野に入れる必要がある」と話した。
(中略)一方、米国債相場は上昇。米10年債利回りは約1年ぶりに3%を下回り、7bp低下の2.95%と、09年4月28日以来の低水準となった。

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2010-07-01 19:26 | 経済状況

日本経済の行く末 財政健全化目標、景気堅調でも達成できず 連鎖破綻の時代に生きる

a0037933_1314192.jpg


グラフは毎日新聞より

少し前の数字になりますが、今後の日本の財政運営について、2011年度予算編成の概要は次の通りです。

・新規国債発行額
 44.3兆円(2010年度実績)以下に抑制
・国と地方を合わせたプライマリーバランス
 2015年度までに赤字を半減(2010年度を基準)
 2020年度までに黒字化
 2021年度以降 国と地方を合わせた長期債務残高をGDP比で安定的に低下
・国の一般会計から国債の利払い費などを除いた経費(歳出の大枠)
 2011年度から3年間は71兆円(2010年度実績)程度を上限

しかし、次のように指摘されています。

・2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長を実現した場合、国・地方を合わせたプライマリーバランス 
 2015年度 ▲15兆円   2010年度の30.8兆円の赤字からは半減
 2020年度 ▲13.7兆円 黒字化は達成できない

このような財政状況を放置すれば、国債の信認が低下し、急激な金利上昇を招くとも指摘されています。(現在は、逆に「質への逃避バブル」ということで、国債の金利は下がってきていますが)

・「現在の危機的な財政状況を放置すれば、国債の信認低下や金利の急激な上昇を招き、財政がさらに悪化して政策の自由度が制限されるだけでなく、社会保障をはじめとする公共サービスの実施が不可能になるという最悪のシナリオも想定しうる」(中間報告)
・「現在の財政状況を放置すれば、欧州の一部で生じているような市場を通じた国債の信認低下や金利の急激な状況を招き、財政がさらに悪化する」

そのため、相当程度の増収に結び付く税制の抜本的な改革(=増税)が必要と結論付けています。

・「相当程度の増収に結び付くよう、税制全般にわたる税制の抜本的改革を行い、『支え合う社会』の実現に必要な費用を国民の間で広く分かち合う必要がある」
・消費税 現行5%の税率引き上げは不可避
・所得税 現在40%の所得税の最高税率引き上げも念頭に見直し
・法人税 税率引き下げを行う場合、課税ベースの拡大と併せて実施すべき

ですが、「増税で回復する景気は存在しない」という、厳然たる事実を直視する必要がありそうです。(税金の話は、詳しくはエントリーを改めたいと思います)

管首相が「増税と景気回復は両立可能」と考えるその根拠を一言で言うと『上手に財政運営すれば、増税のマイナス分を補ってあまりある乗数効果も可能だ』ということであり、常識と反します。特に消費税増税のようなフラット税を引き上げた場合のマイナス効果は計り知れません。加えて、トリクルダウン効果を期待する根拠が弱いところで、消費税増税分を法人税減税の財源としたならば、景気回復って何?という話になることでしょう。

(このように書くと、「お前のブログでは、財政規律を尊重し、増税もやむなしという論調ではなかったのか?」と思われる方もいるかもしれません。そうではありません。このブログは「国の財政が破産するリスクがあり、その確実性・根拠と回避方法を研究する」という趣旨になっています。)

さて、上で「多少の増税では、政府の借金は減らない」と指摘しましたが、加えて「国は国民の財産を収奪するつもりである」という指摘をしたいと思います。後者の指摘も、私はこのブログで何年も前から繰り返しているところですので、特に目新しさはありませんが、最近になって真実味を増してきたのではないか?と考えています。

政府債務 約1000兆円 中央+地方 注:国民年金負債はカウントせず

民間資産 約1400兆円 注:ローン等考慮せず(負債を差し引いた純資産ではない)
 現預金 約 800兆円
 株式等 約 200兆円 株式+投資信託+国債
 保険等 約 400兆円 保険+年金

そして、国は国民の財産を収奪するなら、

・数字で分かりやすく、抵抗も強い増税
・インフレ・金利アップ(・為替安)による実質減価

のどちらがスムーズに進められるか、分かりそうなものです。つまり、消費税増税の議論は、ダミーの可能性があります。(財務省は本気で消費税を上げたいと思っていると思いますが)

(引用開始)

〔焦点〕目標達成への道筋なき財政運営戦略、試金石の11年度予算編成
2010年 06月 22日 10:57 JST
[東京 22日 ロイター]
菅直人首相が「財政再建の道筋を示す」と宣言し、22日の閣議で決定された「財政運営戦略」は、高い目標とは裏腹に、目指す「頂上」への道筋が不明確で、早くも達成が疑問視されている。具体的な歳出削減策や歳入改革は踏み込み不足で、試金石となる2011年度予算編成において、菅首相が打ち出した新規国債発行額を10年度の44.3兆円以下に抑制するとの課題がクリアできなければ、財政再建はいきなり挫折しかねない厳しい状況に直面している。
(中略)だが、この枠組み設定だけで、目標達成を実現することは「相当に難しい」(政府関係者)という声が、政府部内にも根強くある。財政健全化目標と同時に政府が公表した「経済財政の中長期試算」によると、18日に閣議決定した新成長戦略を実行し「2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長」を実現しても、財政健全化目標は達成できない。国・地方を合わせたプライマリーバランスは15年度に15兆円の赤字となり、10年度の30.8兆円の赤字から半減を達成するものの、20年度は13.7兆円の赤字で目標の黒字化には程遠い。
(中略)民主党幹部は、こうした歳出・歳入の取り組みについて「今後の予算編成作業、税制調査会の議論で明らかにしていく」としているが、11年度予算は、税収の大幅増が見込めない中、消費税率の引き上げも間に合わない現実の下で、相当に苦しい編成作業になりそうだ。10年度に過去最大規模で計上した「霞が関埋蔵金」の活用が難しいうえ、新規国債発行額を44.3兆円以下にすることを努力目標にしているためだ。市場からは「到底、達成は難しい」(邦銀関係者)と早くも大幅な国債増発の見通しが出かねない情勢だ。参院選終了後にスタートする11年度予算編成作業で早速、財政再建に向けた菅政権の「本気度」が試されることになる。

歳出や国債発行に歯止め設定、経済堅調でも健全化目標は達成できず=財政運営戦略
2010年 06月 22日 10:54 JST
[東京 22日 ロイター]
政府は22日の閣議で、中長期的な財政健全化目標と今後3年間の歳出・歳入の取り組みなどを示した「財政運営戦略」を閣議決定した。財政健全化目標には、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の15年度までの赤字半減、20年度までの黒字化を掲げ、21年度以降に公的債務残高の対国内総生産(GDP)比の安定的な低下をめざす。目標達成に向け、11年度から13年度の3年間は国債費などを除いた「基礎的財政収支対象経費」(一般歳出と地方交付税)について10年度当初予算の71兆円程度を上回らないとしたほか、11年度の新規国債発行額を10年度当初の約44兆円以下にするよう「全力をあげる」ことなどを盛り込んだ。ただ、18日に決定した新成長戦略を実行して経済が堅調に推移しても、財政健全化目標は達成できないと試算している。
(中略)財政健全化目標では、収支(フロー)目標として、国・地方を合わせたプライマリーバランスを「2015年度までに対GDP比の赤字を2010年度から半減」させ、「2020年度までに黒字化」すると設定。その上で、残高(ストック)目標を「2021年度以降において、国・地方の公債残高の対GDP比を安定的に低下させる」と明記した。
(中略)歳出面においては、国の一般会計歳出のうち、国債費などを除いた「基礎的財政収支対象経費」を「歳出の大枠」と定め、10年度当初の71兆円程度を「実質的に上回らない」こととした。一方、新たな制度改正で恒久的な財源が確保された場合には、歳入増の範囲内で「歳出の大枠」に加算できるとし、財源が一時的な場合は「国債発行額の抑制」に活用する。
歳入面では「財政健全化目標の達成に向けて、必要な歳入を確保していく」としながら、菅直人首相が言及した消費税増税の取り扱いに対して「税制の抜本的な改革を行うため、早急に具体的内容を決定する」との指摘にとどめた。こうした歳出・歳入の取り組みで、2011年度の新規国債発行額について「10年度予算の水準(約44兆円)を上回らないよう、全力をあげる」と明記した。各年度の予算編成にあたっては「各閣僚別の概算要求枠」を設定。毎年半ばごろをメドに翌年度以降3年間の新たな中期財政フレームに改訂する。
もっとも、政府が併せて公表した試算によると、こうした取り組みを行うとともに、新成長戦略を実行して「2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長」を実現しても財政健全化目標は達成できない。試算では、経済が堅調に推移する「成長戦略シナリオ」の場合、国・地方を合わせたプライマリーバランスは15年度に15兆円の赤字となり、10年度の30.8兆円の赤字から半減を達成するものの、20年度は13.7兆円の赤字と目標である黒字化には大きな開きが生じている。(後略)

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2010-06-25 08:51 | 経済状況

ユーロは消滅するのかしないのか 作られたユーロ安 またしてもイベントドリブン

a0037933_15194824.jpg


チャートはyahooで作成

最近の業界コメントとして、たとえば、

(引用開始)

「ユーロが消滅する日」

経済専門家の中には、「いずれ、ユーロが消滅する日が来るだろう」と指摘する悲観的な見方があります。(中略)・・・しかし、これらはいずれも緊急対策であり、中・長期的に、財政の悪化に苦しむ南欧諸国が抱える問題を根本的に解決するものではありません。(中略)そうなると、ユーロ問題が、世界経済に与えるマイナスの影響、さらには金融市場にもたらす懸念は、これからも続く可能性は高いと考えた方がよいと思います。最悪のケースでは、一部の経済専門家が指摘するように、ユーロが消滅する日がやって来るかもしれません。

「市場は金融危機直前の様相=スパークスAM・秋山氏」

スパークス・アセット・マネジメントのオルタナティブ投資戦略部ファンド・マネージャー、秋山史人氏は25日、「マネーマーケットは(2008年の)リーマンショック直前の様相を呈しており、市場が思っている以上に危ない所にいるのかもしれない」との見方を(中略)都内で開催されたヘッジファンド・インベストメントジャパン会議で語った。(略)当面はユーロ安・円高が一段と進むとの見方を示した。具体的な水準としては「ユーロ/円が100円を一瞬割れることがあってもおかしくない」と述べた。(中略)このため、同ファンドの運用としては「株をショートし、円をロングするなどリスク回避モードを見据えたポジションにしている」ことを明らかにした。

(引用終了)

のように、ユーロに対する懸念を、色濃く物語る内容となっています。

結論から言うと、今般のユーロ安は、イベントドリブンとして作られた相場であると思います。確かにユーロのファンダメンタルズは悪かったですが、こういった相場材料は循環的にハイライトが当たることはあっても、全てを勘案して合理的に相場が形成される訳ではありません。つまり、何を材料にして相場を動かして、リアルマネー(実需筋)のマクロトレンドを方向付けるかについては、相場形成力のあるビッグプレイヤーの胸先三寸、というところなのです。(仕手筋は、ファンダメンタルとはあまり関係なく、値動きが大きい銘柄(薄商い)を相場操縦しますので、イベントドリブンとは性質が違います)

これまでに書いてきたことを整理すると、

・ビッグプレイヤー(おそらく大手ヘッジファンド)は、以前からEUの悪いファンダメンタルと相場・金利のギャップに着目しており、いくつかの国の政権交代のタイミングを狙い、ユーロ弱小国の国債CDS買い※+ユーロ売りを仕込む
・CDS上昇により、リスクプレミアム上昇として、ギリシャ国債金利上昇として反映(債券価格は低下)
・PIIGSなどEUの財政赤字・脆弱性にハイライト
・その影響が無視できなくなり、実需筋により、債券売り・ヘッジによるユーロ安
・空売り規制により、空売りの代替としてさらなるユーロ売り
・信用懸念、株安・ユーロ安、さらに信用懸念を誘発、という疑心暗鬼のスパイラルに落ち込んだ

※国債売りの代替手段として。株式でも、実物マーケットではなく、先物やCFDでヘッジすることはよくありますが、そのようなものと思ってください

何度も書いていますが、相場の特性として、こういった「隠された損失額がどんどん拡大していく」「誰かのマネーで損失処理をする」というステージが十分に進むまでは、底は打たない、という理解が正しいと思います。

さて、ユーロの未来について、これまでに次のように述べてきました。

(転載開始)

「信用創造は神の御業か悪魔の仕業か ユーロ底値でオプション爆弾が起爆」

・ユーロは準基軸通貨として扱われていたが、ユーロ高は、過剰流動性による一種のブームであった
・今般のユーロ危機は、信用拡大期には見えなかった脆弱性が、信用縮小期に顕わになっただけ
・結論から言うと、ユーロは消滅しない。ユーロ圏内は運命共同体として、身内を守らざるを得ない
・しかしながら、その対価は高くつき、カネを持っているEU加盟国は、戦争コスト並みの損失負担を強いられる
ということになります。「本当に、EUはダメなのではないか?」というところまで売り込まれ、文字通り底値からの再出発ということになるかと思います。

---

「大きすぎてつぶせない「国」はない ヘッジファンドのユーロ売り崩し」

このビッグイベントを、投機筋が見逃すはずがない、というところです。
これまでに何度も、ヘッジファンドの投機にイベントドリブンという手法があり、ある一定のシナリオに沿って金融イベントを演出し、そのイベントに加速度をつけて儲けに変換するということと、加えてマッチポンプ=自作自演の側面があることは否定できない、と何度も指摘しているところです。
今回も、ヘッジファンドが影の主役なのでしょう。そして、ドイツとしては、「彼らに意図を読まれては負けだ。救済するにしろしないにしろ、彼らに付け入られるスキを見せてはならない」として、意図的に情報をコントロールしているのではないでしょうか。
(中略)ヘッジファンドは、なによりも価値のある商品「情報」をカネに変える商売です。そのため、彼ら自身が呼び水となって、リアルマネーの流れを変えてしまうということも、また事実だと思います。

---

「国際分散投資は信用比較 連鎖破綻はあり得るリスク 連鎖破綻を生き残るのは」

国家連鎖破綻のリスクが笑い事ではなく(中略)現実のものとなった今日、『連鎖破綻はあり得る。問題はその順番だけだ』という認識でいるほうが真っ当であると考えます。であるとするならば、世界的な債務(デフォルトリスク)の持ち合いとCDSというリスクの押し付け合いがどのようなグローバル構造になっているのか、把握することが急務でしょう。
一般には、ヨーロッパの金融機関は、新興国向け貸し出し全体の半分のシェアを負担していると言われており、ヨーロッパの債務構造は根深いものがありそうです。このあたり、不安心理が実際のリスクを高めるという負のスパイラルが働いているため、「誰かが投げる(全部損切りをして損失処理する)」までは、大底は来ないのだと思っています。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、のうち、どの順番でクラッシュが来るのかについては、これまで何度も考察を重ねてきましたが(主に日本とアメリカのどちらが先かという話でしたが)、明確な結論は出ていません。しかしながら、『その順番をコントロールすることが出来たとしたら、巨万の富を得ることが出来る』ということだけは明らかです。

(転載終了)

しかしながら、ユーロが安くなることは、(金利はさておき)実質的に、ユーロ建て対外借金の減少と、輸出競争力の増加をもたらします。実際、ユーロ諸国からは「現状の為替水準は、妥当である」などのコメントが出ています。何にせよ、一方的な暴落は、「そうしなければならない実需筋」に、「この機に乗じた仮需筋」が拍車をかけるものであり、一般的には必ず反発します。

大きなくくりで言いますと、これまで何度も指摘しているように、「マネーの本質は信用創造」にあり、「振り返れば、通貨価値の減価こそが通貨の歴史」であり、過大な借金は「インフレ、金利、為替によって、ペーパーマネーの価値を減価することでしか、解決できない」のだと思います。
[PR]
# by kanconsulting | 2010-06-06 15:52 | 経済状況

日本を襲う【国家債務の呪い】は70年間続く IMDレポート 放漫財政のツケと金融戦争の敗戦処理

a0037933_8202468.jpg


グラフはfinancialpostより

スイスのIMDから、国際競争力ランキングが発表されました。評価分野は「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基盤」の4分野です。

1位  シンガポール(前年3位→1位)「ビジネスの効率性」「経済状況」が高評価
2位  香港(2位→)
3位  米国(1位→)「政府の効率性」↓財政赤字の膨張で
8位  台湾(23位→)「ビジネスの効率性」が高評価
18位 中国(20位→)
22位 英国(21位→)
23位 韓国(27位→)
27位 日本(17位→)

その他 5位:オーストラリア、10位:マレーシア、31位:インド、36位:スペイン、37位:ポルトガル、38位:ブラジル、46位:ギリシャ

日本の評価を下げた理由
・「経済状況」↓ 成長率の低下や対内直接投資の低迷など
・「社会基盤」↓ 少子高齢化に伴う労働力人口の減少
・「政府の効率性」↓ 財政赤字の膨張

ニュースではあまり注目されていませんが、注目すべきIMDのコメントとして『公的債務を一般的に健全とされる国内総生産(GDP)比の60%に圧縮するのに必要な期間を国別に算出したところ、日本は2084年までかかる見通しで最長となった。IMDは放漫財政を改めない国の筆頭に日本を挙げた』があります。

(引用開始)

日本の競争力、27位に急落 中韓台下回る スイスの有力ビジネススクールまとめ

2010/5/20 1:02
スイスの有力ビジネススクールのIMD(経営開発国際研究所)が19日発表した「2010年世界競争力年鑑」で、日本の総合順位は58カ国・地域で27位で、前年の17位から急低下した。中国、韓国、台湾などに抜かれ、02年以来8年ぶりの低位に沈んだ。金融・経済危機で打撃を受けたうえ、少子高齢化や財政の厳しさが評価を一段と悪化させた。
IMDは主要国・地域の「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基盤」の4分野で、約300項目の統計や独自調査の結果を分析し順位を発表している。評価の基準は一部異なるが、日本は調査を始めた1989年から93年まで首位だった。
今年はシンガポールが初の首位。「ビジネスの効率性」や「経済状況」の評価が高く、前年の3位から2つ順位を上げた。94年から09年まで首位を維持してきた米国は、財政赤字の膨張などで「政府の効率性」の評価が下がり、3位に転落した。
2位は前年と同じ香港。アジア勢は台湾が「ビジネスの効率性」が高く評価され23位から8位に躍進したほか、中国が20位から18位、韓国が27位から23位にそれぞれ順位を上げた。
日本は成長率の低下や対内直接投資の低迷などを映し「経済状況」が大幅に悪化。少子高齢化に伴う労働力人口の減少で「社会基盤」の評価も下がった。「政府の効率性」では財政赤字の膨張が足を引っ張った。
各項目をみると、日本は法人税の高さに関して、全58カ国・地域で最悪の評価となった。外国人労働者や外国企業の受け入れ態勢も評価が低く、調査に関係したエコノミストは「このままでは国際企業は活動場所として日本を選ばなくなる」と警告する。
公的債務を一般的に健全とされる国内総生産(GDP)比の60%に圧縮するのに必要な期間を国別に算出したところ、日本は2084年までかかる見通しで最長となった。IMDは放漫財政を改めない国の筆頭に日本を挙げた。(ジュネーブ=藤田剛)

(引用終了)

ブルームバーグニュースの原文を見てみましょう。

Japan will struggle under a 'debt curse' for the next seven decades

として、日本は、あと70年間【借金の呪い】に苦しめられる、とあります。

EU基準(これが本当に守られていたのかどうかが問題になっているのですが)でもある、国家債務の認容レベルであるGDP比60%を基準におくと、その水準まで健全化するのには(成長率は2000-2009平均、GDPの1%を債務返済に充てるとして)

ギリシャ   2031年以降
アイスランド 2032年以降
アメリカ   2033年以降
ベルギー   2035年以降
ポルトガル  2037年以降
イタリア   2060年以降
日本     2084年以降

の見込みだということです。ギリシャ問題が大きく取り上げられていますが、雑魚キャラのような順位であることが分かります。

IMDでは、政府債務の大きさだけではなく、それを返済能力で割った『期間』も重視すべきであるとして、このような研究をしているようです。言うまでもなく、過大な債務が問題となった国は、競争力を落とすこともさることながら、政府の増税・歳出削減などのために国民の生活水準も落ちてしまうという事情があります。それはあたかも、【戦争に敗れた】かのような姿でもあります。

何度も指摘していますが、不況を緩和するために多量のマネーを刷り散らかした後には、敗戦処理が待っているのだと思います。ユーロ圏(イタリアもEU連帯負担でしょう)、アメリカは、いち早く身軽になり、景気回復を謳歌する、そのようなシナリオになっているのでしょう。

(なぜいつも日本がカネを巻き上げられるストーリーになるのでしょうね)
[PR]
# by kanconsulting | 2010-06-01 09:21 | 経済状況

最近のコメント欄より(3) 国際分散投資は信用比較 連鎖破綻はあり得るリスク 連鎖破綻を生き残るのは

a0037933_12483758.jpg


グラフ 2009年度の国際収支(速報) 財務省発表 日本経済新聞(5/13)より

経常収支 △15兆6545億円 (△26・9%)前年度比
 貿易収支 △6兆6088億円 (△470%)
 所得収支 △11兆9553億円(▲17・9%)
 貿易・サービス収支 △4兆7784億円

何度も指摘していますが、「経済状態の段階的発展説」の考え方からは、日本をめぐるマネーフローが、大きな変化を迎える局面に差し掛かっています。これは構造的変化であり、人が年を取るように、避けられない変化です。黄昏は永遠には続かないものです。

(花見酒(=国債の中央銀行引き受け)も永遠には続きません)

---

日本国財政破綻Safety Netさんの「809.国が国民の資産を没収~国がたくらむ日本の財政破綻回避策~/大前研一さんのメールマガジンより」に記載した私のコメントを転載して、補足したいと思います。

(転載開始)

Commented by kanconsulting at 2010-05-15 22:10 x
(略)大前氏のメルマガは私も読んでおりますが、国際分散投資については難しいところがあると思っています。と言いますのは、各市場の株式、債券とも、信用比較のようなところがあり、分散したからといって100%(元本)以上の期待値になるとは言えないと思うからです。連鎖破綻が現実となると、マネーはそれぞれの市場を逃げ回ることとなり、どれが生き残るかという予想が非常に困難になると思います。これは、いったん破綻させた方が身軽になって再生が容易になる(信用が回復しやすくなる)という現象の効果もあります(だから、ギリシャをデフォルトさせてしまえという議論にも一定の説得力があります)。全滅を避ける、ということであるなら、分散投資もありかと思いますが、一番いいのは、「普段から様子を見ておき、経済動乱が起きれば、底値で買い叩く」ことに尽きます。

Commented by kanconsulting at 2010-05-15 22:19 x
不動産投資については、一言で言うと、「利益(たとえば賃貸に出したときにそれなりの利回りが取れる)を産まない不動産への投資はお勧めできない」と思います。
日本ですと、各県ごとに人口動向の予測が出ていますので、それを参考にしていますが、確実に人口が減る地域での不動産投資は避けたほうが賢明でしょう。これも、「普段からウォッチしておき、混乱に乗じて買い叩く」のが一番良いと思います。
私もいろいろ不動産を見ていますが(実需)、最近では「ゆとりローン破綻(任意売却含む)」案件をよく見ます。驚くべきことにというか当然というか、5年以上返済をしていたはずなのに、元本がほとんど減っていないのです。まさに日本版サブプライムローンです。中古物件が当初価格で売れるはずも無いので、なかなか苦しい思いをしているようです。

Commented by kanconsulting at 2010-05-15 22:27 x
世界同時国債多発テロ(?)は、一言で言うと、「為替などによる強制調整により、カネを持っているところに負担させるしかない」という結論になります。子供のいす取ゲームのように、またプロレスのバトルロワイヤルのように、弱いものから脱落していきますが、ゲームやプロレスと違うのは、生き残ったものにその分の負担がのしかかるのです。従って、日本国の財政にハイライトが当たって円安になるのは、世界連鎖破綻の最終ステージとなります。それまでは円高圧力がかかると思っても不思議ではありません。
何度も書いていますが、金利と為替によって、日本からカネを引き出す準備は出来ていると見るべきです。日本がIMFに出したカネでギリシャは一息つきましたが、今後も直接間接の金融支援要請(命令)があるはずです。そして、出したカネは満足には帰ってこないと思ったほうがよいでしょうね。アメリカに貸したカネが帰ってこないように。

Commented by kanconsulting at 2010-05-15 22:46 x
世界にはMZM10000ビリオンドル(約1000兆円)というすさまじい量のドルが滞留しています。日本円でもM3は同程度でしょう。ユーロのM3も10000ビリオンユーロ程度でしょう。為替にもよりますが、ケタとしては同程度です。では、体力(経済規模)に比べて一番カネが存在する(信用創造の程度が大きい)のはどこでしょうか?私は日本だと思います。ですので、世界同時に信用が収縮すると、日本円が日本に還流するため、急激な円高になるのだと見ています。(為替はファクターが多いので一概には言えないが、昨今の円高は「損切り・レパトリ」にしか見えない局面も多かった)

(転載終了)

補充コメントは以下の通りです。

「国際分散投資については難しいところがあると思っています。と言いますのは、各市場の株式、債券とも、信用比較のようなところがあり、分散したからといって100%(元本)以上の期待値になるとは言えないと思うからです。連鎖破綻が現実となると、マネーはそれぞれの市場を逃げ回ることとなり、どれが生き残るかという予想が非常に困難になると思います。」

国家連鎖破綻のリスクが笑い事ではなく(そんなことはあり得ないと一笑に付していた経済学者・エコノミストは、今どのような顔でいるのでしょうか?)現実のものとなった今日、『連鎖破綻はあり得る。問題はその順番だけだ』という認識でいるほうが真っ当であると考えます。であるとするならば、世界的な債務(デフォルトリスク)の持ち合いとCDSというリスクの押し付け合いがどのようなグローバル構造になっているのか、把握することが急務でしょう。

一般には、ヨーロッパの金融機関は、新興国向け貸し出し全体の半分のシェアを負担していると言われており、ヨーロッパの債務構造は根深いものがありそうです。このあたり、不安心理が実際のリスクを高めるという負のスパイラルが働いているため、「誰かが投げる(全部損切りをして損失処理する)」までは、大底は来ないのだと思っています。

日本、アメリカ、ヨーロッパ、のうち、どの順番でクラッシュが来るのかについては、これまで何度も考察を重ねてきましたが(主に日本とアメリカのどちらが先かという話でしたが)、明確な結論は出ていません。しかしながら、『その順番をコントロールすることが出来たとしたら、巨万の富を得ることが出来る』ということだけは明らかです。

何度も書いていますが、「日本国の財政にハイライトが当たって円安になるのは、世界連鎖破綻の最終ステージとなります。それまでは円高圧力がかかると思っても不思議ではありません。何度も書いていますが、金利と為替によって、日本からカネを引き出す準備は出来ていると見るべきです」だと思います。

最終ステージの後に生き残るのは、債務帳消しを強行したアメリカか、はたまた損失を処理して身軽になったヨーロッパか、金融商人の疎開地となる中国か。つまり、ロックフェラー(アメリカ、中国)か、ロスチャイルド(ユーロ圏)か。少なくとも、カネを出させられる(ことになっている)日本ではなさそうです。
[PR]
# by kanconsulting | 2010-05-25 13:00 | 経済状況

日本の財政状況は悪化 政府債務(国債・借入金・政府短期証券)2009年度末882兆9235億円 過去最大を更新

a0037933_10471189.jpg

グラフはzakzakより(少し前のものなので、数字が最新の発表とは若干異なります)

これまでに、次のように指摘してきました。

(転載開始)一部分かりやすいように加筆訂正しています

『2010年の幕開けに 新たなる黒き10年代の始まり 世界株式と金利・為替の未来』

・実体経済を大きく上回る仮想経済の肥大化
・金融資産(デリバティブ)バブル崩壊
・リスクマネー縮小、不況入り
・各国による積極財政、景気刺激
・資金を税収で賄えず、国債発行
・景気悪化により、税収減少
・各国政府の借金が増大、維持可能性懸念 ← 今ここ
・リスクマネーの消滅、金融資産の減価
・ペーパーマネーの減価、悪性インフレ
・何かのきっかけで、連鎖的な国家破綻が引き起こされる
・富の一方的移転が、合法的・世界的に行われる
・(一部の世界権力者が絶対権力を持つ、新世界秩序の誕生)

上の表の「今ここ」付近をもう少し詳しく書くと、

・国家財政の維持可能性リスクは、すでにアメリカ、EU主要国、日本において存在する
・現在、それが顕在化していくステージにある
・リスクが顕在化すると、リスクマネーの巻き戻し・信用縮小・金融資産の減価により、金融危機がスケールを大きくして再来する
・有事には、世界株安、債権安(=金利上昇)、ラスト・レパトリとして、実はドル高になる(ドル以外の通貨安)、加えて円高、ゴールド高

---

『(再掲)国家破綻に至る6ステージ』

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【(追記)2010/1~? ギリシャ問題を皮切りに】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用

(転載終了)

「国家破綻に至る6ステージ」の初出は2008年10月であることにご留意ください。残念ながら、現在、リスクシナリオ4に入りつつあるステージと理解しています。着々と、リスクシナリオに沿って進んでいるように見えます。(予想屋ではないので、当たった当たったと喜ぶつもりはありません)

さて、先日も述べましたが、日本国政府の財政状況が日増しに悪化しています。
2013年度の試算は、景気回復が順調に進むというシナリオの元に作成されており、より深刻な事態となる可能性もあるとされています。

---

国債、借入金、政府短期証券の合計

2008年度末 846兆4970億円
・国債全体 680兆4482億円
・借入金 57兆5661億円
・政府短期証券 108兆4826億円


2009年度末 882兆9235億円(▲36兆4265億円)過去最大を更新 新規国債53.5兆円発行
・国債全体 720兆4890億円
 ・普通国債  593兆9717億円(▲48兆360億円) 
 ・財投債   122兆2253億円(△8兆8248億円) 
 ・交付国債等 4兆2920億円
・借入金 56兆4063億円(△1兆1598億円)
・政府短期証券 106兆281億円(△2兆4545億円)

※借換債の前倒し発行が予定より減少し、借金の合計は当初見込んでいた約900兆円をやや下回った

2010年度末 973兆1626億円(財務省試算)新規国債44.3兆円発行予定
2011年度末 >1000兆円(確実な見通し)

2013年度 (財務省の試算)
・新規国債発行額 55兆3千億円
・税収      40兆7千億円(2010年度 37兆4千億円)
・社会保障費   30兆5千億円(2010年度 27兆3千億円)
・国債費     27兆9千億円(2010年度 20兆6千億円)※利払いなどに充てる

(引用開始)

「国の借金」最悪の883兆円 財政悪化止まらず
2010/5/10 22:28 日本経済新聞
財務省は10日、2009年度末の国債や借入金などをあわせた「国の借金」総額が882兆9235億円に達したと発表した。08年度末に比べて36兆4265億円増え、過去最大を更新した。国債を長期保有する傾向が強い国内投資家の比率が高いことなどから、市場で国債が投げ売りされるような危機に陥る可能性は低いものの、財政再建を急ぐべきだとの指摘は年々高まっている。
国の借金は国債、借入金、政府短期証券の合計で、財務省が四半期ごとに公表している。リーマン・ショックを受けた経済対策や税収減を補うために09年度に新規国債を53.5兆円発行したのが響いた。4月時点の人口推計(概算値)で計算すると、国の借金を1人あたりの借金は約693万円に達する。債務危機に陥ったギリシャは300万円程度(債務には地方分も含む)とみられる。
10年度予算では新規政策の財源不足を補うため44.3兆円の新規国債発行を予定しており、財務省は10年度末に国の借金が973兆円に達するとみている。数年内に1000兆円の大台に乗せるのは確実な情勢だ。
国際通貨基金(IMF)によると、国の借金に地方債などを加えた日本の公的債務残高の国内総生産(GDP)比率は09年末で218.6%。米国(84.8%)や英国(68.7%)を大きく上回る。
ただ、日本の場合、財政状況が悪化しているにもかかわらず、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは1.3%台と低位安定している。背景として指摘されるのが、国内投資家による保有比率が突出して高いこと。日銀によると日本国債の国内保有比率は09年末時点で94.8%で、国債を増発しても、カネ余りを背景に銀行や生保など機関投資家や公的機関が購入するため、金利が上がりにくい市場構造になっている。
ただギリシャ問題を受けて、日本のソブリン・リスク(財政の信認問題)を警戒する声も出始めた。国債が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクを売買するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、日本国債の保証料率が0.76%程度。2月下旬以来の高い水準だ。
政府は6月に中長期の財政再建目標を含む財政運営戦略や、今後3年間の予算編成指針となる中期財政フレームを策定する予定。そこで財政再建に向けた道筋を描けなければ、国債の格付けなどに影響を及ぼす可能性も指摘される。
財政構造の改革には消費税率引き上げを含む税制の抜本改革が避けられないとの見方が強い。財務省によると、欧州諸国で消費税に相当する付加価値税の税率は25%のスウェーデンを筆頭に英国が17.5%、ドイツが19%、フランスが19.6%。日本の税率5%はカナダと並び主要国で最低水準だ。

UPDATE1: 来年度新規国債発行、今年度当初の44.3兆円以下に抑制へ=菅財務相
2010年 05月 11日 11:58 JST[東京 11日 ロイター]
 
菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は11日、閣議後の会見で、2011年度新規国債発行額について、今年度当初予算の44.3兆円を超えないよう全力を挙げる必要があるとの認識を示した。ギリシャの財政危機に端を発した世界的な金融市場の混乱が一連の措置で安定化に向かいつつあることを歓迎する一方で、市場がソブリンリスクに注目し敏感に反応する状況のなか、「マーケットが信認しなくなったときには、、財政(状況)が厳しくなることを超えて国民生活が極めて大きな打撃を受ける」と述べ、来年度新規国債発行額を今年度以下に抑制する決意を表明した。
来年度予算編成では「中長期にわたり持続可能な財政を考えなければならない」と強調。国債発行に上限を設定することで予算規模が制約される側面もあるが、菅財務相は緊縮財政のイメージにつながるものではないと否定した。
ただ、11年度予算では、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた新規政策の実施や社会保障関係費の自然増、埋蔵金の枯渇などで10兆円前後の追加財源が必要な情勢とみられている。菅財務相は「無駄なものは大いに削る」と強調したが、国債発行抑制策の具体策への言及は避け、焦点の税制改革についても専門家委員会で議論中であると述べるにとどめた。
また子ども手当の満額実施など新規政策の実現について「当然マニフェストについて努力することは当然だと、一般的に思っている」と述べるにとどめる一方、政府・民主党間で検討中の参院選マニフェストの議論では、「財政健全化にしっかり取り組むようにとの指摘が、党からも声が強くなっている」とも語り、財源論での一体感を強調し始めたようだ。
(ロイターニュース 吉川 裕子)

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2010-05-14 15:51 | 経済状況

最近のコメント欄より(2) 日本国の財政維持可能性は 膨張したマネーで債務をカバーできるか

2.日本国の財政維持可能性(=国家財政破綻可能性)について

遅くなりましたが、続きということで、日本の財政について簡単に述べたいと思います。
まず、関連したコメントを転載します。

(転載開始)

Commented by kanconsulting at 2010-03-05 20:30 x
(日本国の財政維持可能性について)危機感ばかりが先行していますが、まだまだノラリクラリと持ちこたえそうな印象を受けています。ご指摘のように、国債のロールオーバーが出来ているうちは延命可能なのでしょう。それが、なにかのきっかけで前提条件が崩れると意外と脆いというのは、「磐石の自転車操業」が存在しないことと同じです。
(中略)日本の場合は売り崩しのタイミングではないと見ています。
ヘッジファンドから「売り崩し・空売りを含むショートポジション」を取り除けば、ほとんど身のある内容は残らないというほど、「売りで儲ける」ことが、過去の相場で生き残る必要条件となっていたのですが、「(皆が永遠に上がると信じている)資産の価値は、必ず減価する」ことを意味していると思います。
日本の場合については、あれこれと大義名分をつけられ、これからツケを払わされる番が回ってくるでしょう。

Commented by kanconsulting at 2010-03-14 23:58 x
(略)これまでは隠すことが出来ていたリスクが、少しずつ明らかになっていく現状は、まさに、バブル崩壊後のたとえば住専問題で損失額がどんどん膨らんでいった様子にも、また、リーマンショック後の各金融機関の損がどんどん膨らんでいった様子にも似ています。似ているのもそのはず、いずれもマネーの膨張と収縮にともなう現象であるからと理解できます。
日本の場合は、破綻の火付け役は、国内での国債消化未達ではなく、たとえば仕組み債権のようなデリバティブ爆弾が、最初の直撃弾となるでしょう。

(転載終了)

まず、政府の借金が巨額になった場合の対応について、大きな前提を確認しておきたいと思います。それは、何度も述べていますが、

・発行体の消滅を含む、債券のデフォルト
・通貨価値の減価による実質的踏み倒し

がほとんどで、

・まじめに長い時間をかけて返したという例もないではないが(たとえばイギリス)、珍しい

です。政府の借金(起債)そのものや、それのみを裏づけにした紙幣印刷が、広義の信用創造に含まれることも見落としてはなりません。

次に、政府の借金(起債)やマネープリントがどのような局面で必要かと言うと

・経済の成長に応じて、潤滑剤として
・景気後退局面で、再成長を喚起するため
・不況局面で、信用危機を防止するため

ということで、経済局面のどのステージであっても結論は同じです。昨今においては、信用危機ステージの深刻化を防止するために、異様とも言うべき巨額のマネーが注ぎ込まれたことは記憶に新しいところです。

---

さて、この議論をする場合には、ストックとフローを分けることはもちろん、政府債務(いわゆる国の借金)と、マネー(円紙幣・信用創造された見掛けのマネー)の量を分けて考えなくてはなりません。

荒っぽい記述になりますが、公的債務としては

ストック 国と自治体の長期債務は総額▲約900兆円
フロー  ▲約40兆円/年(除く:借り換え分・特別会計分)

今年一年の、長期債務残高の増加幅を見ますと
21年度末 ▲825兆円
 国    ▲628兆円
 地方   ▲197兆円

22年度末 ▲862兆円(▲38兆円) (見込み)
 国    ▲663兆円(▲36兆円)
 地方   ▲199兆円(▲2兆円)

となっていることから、文字通り際限がない状態となっています。

最近、週刊誌では、これらの数字をあげて「日本経済は破綻する!」という特集記事をよく見ますが、警鐘としては理解できるものの、いずれも考察の底が浅く、読み物以上の文献的価値は見出せませんでした。

さて、この債務の膨張を上回る速度で(少なくとも同じ速度で)マネーを膨張させ、債務に注ぎ込むことが出来れば、資金ショートによる破綻は回避できるもくろみです。ところが、実際には、公的支出の抑制により公的信用も頭打ちになり、もちろん民間貸し出しは減少を続けています(貸し出しに回らなかった分が国債に向かうので結果オーライかも知れません)。

日本銀行発表 3月マネーストック(昔のマネーサプライ)
M2     766兆円 +2.6%(前年比、以下同じ)
広義流動性 1440兆円 +1.0%


ロイター発表(予想) 4月マネーストック(昔のマネーサプライ)
M2    +2.5%(前年比、以下同じ)
M3    +1.9%
広義流動性 +1.0%

マネーの膨張は、高々15~20兆円/年、というところですし、それも全て国債などの債券購入に使えるわけではありません。日銀が引き受けるしかないところまで、あともう少しです。
[PR]
# by kanconsulting | 2010-04-20 12:52 | 経済状況

信用創造は神の御業か悪魔の仕業か ユーロ底値でオプション爆弾が起爆 最近のコメント欄より(1)

これまでに、次のように指摘してきました。

・マネーの本質は信用創造にある
・歴史を振り返れば、通貨価値の減価こそが通貨の歴史であった
・マネーの膨張(信用拡大)と縮小(信用収縮)は、さまざまなタイムスパンで繰り返されてきた
・マネーは、儲かる投資先を求めて大きな奔流となり、その時々で異なった資産クラスに流入することで、ブーム(いわゆるバブル)とバースト(いわゆるバブル崩壊)を繰り返してきた
・めざとくブームに乗ったり、人為的にブーム(とバースト)を形成させることで、富を築いた者もいたが、その反面、持ち金を根こそぎ収奪される国民のほうが多いというのが歴史的事実であった
・国は、戦争・無駄遣い(景気対策)で借金漬けとなり、徴税権を担保に取られ、利用価値がなくなればデフォルトさせられてきた歴史的事実がある
・借金に関しては、棒引き(デフォルト=踏み倒し・徳政令)か、カネを持っている者・弱いものから奪うことが歴史の常であった
・このように、信用創造の悪魔に翻弄されてきたのが、経済的に見た人類の歴史とも言える

この基本スタンスに立てば、「世界経済奥の院」の意図が分からなくても、「だいたいこういう感じで決着するのでは?」というビジョンが見えてきます。

最近のコメント欄の私の記載を転載し、補足という形で今後の予想を述べたいと思います。

1.ユーロについて

(転載開始)

Commented by kanconsulting at 2010-03-05 20:14 x
(略)ご指摘のように、ユーロ各国の国債にはスプレッド(リスクプレミアム)が発生しているのに、通貨政策は各国ごとのカスタマイズができないのは、なかなか苦しいと思います。ですが、それを乗り越えることが出来なければ、EUは景気の良いときだけ可能な幻想であり「ある意味で終わり」なのでしょう。病める時も健やかなる時も運命を共にすることが出来るかどうか。
ヘッジファンドは「EUは持たない」と言っているフシがありますが、それもポジショントークなのでしょう。ほとんどの人が「EUはもうダメだ」と思ったときから、ユーロは回復するのだと思います。

Commented by kanconsulting at 2010-03-06 17:17 x
ユーロ紙幣は消えてなくなりはしないと考えています。結局は身内を救済せざるを得ない、そんなオチなのです。
一種の通貨ペグ制度のようなもので、その歪み(の解消)に着目した投機から身を守れなければ、ユーロも「その程度の共同幻想」に過ぎなかった、ということになるでしょう。しかし、私は、先日も述べたように、ほとんどの人が「EUはもうダメだ」と思ったときから、ユーロは回復するのだと思います。

(転載終了)

何度も述べていますが、

・ユーロは準基軸通貨として扱われていたが、ユーロ高は、過剰流動性による一種のブームであった
・今般のユーロ危機は、信用拡大期には見えなかった脆弱性が、信用縮小期に顕わになっただけ
・結論から言うと、ユーロは消滅しない。ユーロ圏内は運命共同体として、身内を守らざるを得ない
・しかしながら、その対価は高くつき、カネを持っているEU加盟国は、戦争コスト並みの損失負担を強いられる

ということになります。「本当に、EUはダメなのではないか?」というところまで売り込まれ、文字通り底値からの再出発ということになるかと思います。

なぜ「底値」なのでしょうか?その秘密は「実需の損切と、仮需のオプション」にあります。

実需の損切りについては、あまり多くを語る必要はないでしょう。たとえば、事前に設定しておいた「緊急避難ライン(損失確定の指値)」に到達することで、さらに売りが膨れて暴落に繋がるというケースも良く見ます。また、最近では、これまでに何度も指摘したグロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)において、ギリシャの格付けが設定を下回ったことにより、自動的に換金売りとなったというようなケースもあるでしょう(記事)。

デリバティブについては、これまで多数のエントリーにて、オプションを使った投資商品について述べてきました。たとえば、(悪名高い)仕組み債券、(これも悪名高い)仕組み預金などがあるでしょう。また、オプションとは違いますが、旧長銀(新生銀行)の瑕疵担保条項、MSCB(転換価格修正条項付転換社債)などもあるでしょう。

一昔前に流行ったマーフィーの法則のように言えば、「仕組み債券は必ずノックインする。」になるでしょう。

ユーロの話に戻ると、これまでに「ユーロがそこまで下落することはありえない」として売られてきた「ユーロの底値で発動するオプションを組み込んだ投資商品」が一定量あると見ています。そして、このイベントを機に、「ユーロの底値で発動するオプション爆弾」が、いっせいに起爆するところまで売り込まれるのだと思います。

日本人の外貨投資(FX)による、ユーロロング(買い持ち)ポジションが多量に残っているとも言われており、厳密に言うとオプションではありませんが、一定水準までユーロが売り込まれると証拠金を飛ばして強制ロスカットになることから、これも一種のオプションに似たものと言えるかも知れません。

全てとは言いませんが、実需と仮需の両方があいまって底値まで売り込まれた後、「ユーロの不良債権処理は目処が付いた」として回復するのだと思います。その実は、「吸える汁は全て吸った。祭り(ユーロイベント)は終わりだ。」ということになろうかと思います。

(どこかで聞いたような話ですね。歴史は繰り返すのですが、それには理由があったのです。)

---

この続きとなります「2.日本国の財政維持可能性(=国家財政破綻可能性)について」は、文字数が多くなりましたので、分けて掲載します。
[PR]
# by kanconsulting | 2010-03-15 17:50 | 経済状況

大きすぎてつぶせない「国」はない ギリシャはリーマンか ヘッジファンドのユーロ売り崩し

ギリシャ問題で、EU加盟国のうち特にドイツが財政支援を行うかどうかについて、二転三転しています。これには、いくつもの理由があると思います。

1.最初に挙げたいのが、ドイツ国民の感情的な問題です。ドイツ国民の世論としては、「自分たちの血税を、放漫な財政運営をしてきたギリシャのために使わないで欲しい」ということでしょう。これは気持ちとしては理解できるところです。

たとえば

ロイター
14日付の独紙ビルト日曜版に掲載された世論調査によると、(略)、67%が、ドイツなどEU加盟国によるギリシャ支援に反対すると回答した。

ブルームバーグ
ドイツの世論調査によると、ギリシャの債務問題によって欧州単一通貨ユーロの安定が脅かされる場合には、同国にユーロ圏離脱を迫るべきだと考えるドイツ人の割合は53%。独紙ビルト(オンライン版)が報じており、世論調査機関エムニドが同紙の委託で行った調査では、ドイツや他のEU加盟国がギリシャに対して金融支援を行うべきではないとの回答が503人中67%に達した。

というところです。

2.次に、「大き過ぎて潰せない(too big to fail)」問題は、すでに金融機関レベルではなく、国レベルに移行した、ということです。

繰り返しになりますが、これまで何度も、「目の前の金融危機は端的に言うと『壮大な借金の飛ばし』であり、そのレベルはすでに銀行ではなく、国レベルの話である」と指摘してきました。であるとするならば、その借金は誰かが涙を飲んで損をかぶらなければなりません。そして、それは「カネを持っている、弱い存在」であることは、歴史を見ても明らかです。

つまり

・国民の納める税金は、世界のためと称して、使われてしまう
・それを拒んだ場合には、金融資産の減価(増税、インフレ、通貨安、株安・債券安)として、強制的に使われてしまう

ということです。

懸命な読者はすでにお気づきと思いますが、これは、「アメリカ国民が、税金による金融機関救済に反対した」ことと同じような構図です。アメリカの場合は、金融システムを保護するという、反対できにくい大義名分のもと、国民の税金を注入しました。足かせを外して自由になったとたん業績が急回復をとげた金融機関もあり、逆に破綻させられた金融機関の影響によりアメリカ国民に大きな負担を強いて「やっぱり救済したほうが良かったでしょ?」と恐怖で説得するというオマケ付でした。

ギリシャのような独立国は、リーマン・ブラザーズやAIGのような金融機関のように、明確に破綻させることは出来ませんが、その資産を処分させられたり、また将来にわたる負担を約束させられることが普通です。加えて、ジョージソロスがポンドを売り崩したように、金融攻撃の対象にもなります。
これまで、「国家破綻に関しては、国際的な法制がなく、誰かが破綻させることも出ないため、成り行きに任せるしかない」と指摘して来ましたが、まさにその通りだと思います。

そのような問題意識の中で、ドイツの多くの有権者が「問題なのはギリシャだけではない。次から次へと債務国を救済しなければならないとしたら、ドイツの国も共倒れとなり滅びてしまう。第一次大戦の巨額賠償の痛みと、その後の第二次大戦の焦土の苦しみを繰り返してはならない」と思うのも、無理ないことと思います。

3.最後に、このビッグイベントを、投機筋が見逃すはずがない、というところです。

これまでに何度も、ヘッジファンドの投機にイベントドリブンという手法があり、ある一定のシナリオに沿って金融イベントを演出し、そのイベントに加速度をつけて儲けに変換するということと、加えてマッチポンプ=自作自演の側面があることは否定できない、と何度も指摘しているところです。

先ほど述べたクオンタムファンドによるイギリスポンドの売り崩しが有名ですが、アジア通貨危機などその他のイベントにおいても「投機筋による通貨売り崩し」は何度も見られます。(その通貨危機により、各国は基軸通貨ドルの準備高を増やさざるを得ず、それがアメリカの延命と、今回の金融危機の遠因となったことは皮肉なことですが)

今回も、ヘッジファンドが影の主役なのでしょう。そして、ドイツとしては、「彼らに意図を読まれては負けだ。救済するにしろしないにしろ、彼らに付け入られるスキを見せてはならない」として、意図的に情報をコントロールしているのではないでしょうか。

(引用開始)

米司法省、ヘッジファンドにユーロ取引記録の保存を指示-関係者
3月2日(ブルームバーグ)
米司法省はヘッジファンドに対し、ユーロに関する取引記録を破棄しないよう通達した。通達を見た関係者1人が明らかにした。
同関係者が匿名を条件に語ったところでは、ニューヨークに本拠を置く調査・証券会社モネス・クレスピ・ハルトが2月8日に主催した夕食会に幹部を出席させたヘッジファンドの一部には少なくとも通達が送られていたという。
ブルームバーグ・ニュースが入手した夕食会での議題一覧によると、23の議題の一つはユーロの対ドルでの下落を見込んだ取引だった。この夕食会にはSACキャピタル・アドバイザーズの幹部、アーロン・カウエン氏やグリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーン社長、ブリゲード・キャピタル・マネジングを経営するドン・モーガン氏のほか、ソロス・ファンド・マネジメントの代表らも出席していたと米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は2月25日に報じている。
アイオワ大学で反トラスト法(独禁法)を専門とするハーバート・ホベンカンプ教授は「大きな問題は、この夕食会が情報のやり取りを目的としたものだったかどうかだ」とし、「参加者が特定の価格での売買やユーロを下落させようと集中した売りを浴びせることに合意するものであるなら違法だ」と指摘した。
これらのヘッジファンドの広報担当者に電話取材を試みたが、回答は得られていない。モネス・クレスピのニール・クレスピ社長にも連絡が取れていない。司法省のジーナ・タラモナ報道官はコメントを控えた。通達は米経済ニュース専門局CNBCが2日に報じていた。
ユーロはギリシャの債務不安を背景に昨年11月25日以来11%下落している。ニューヨーク時間2日午後6時25分(日本時間3日午前8時25分)現在は、1ユーロ=1.3610ドル。
更新日時: 2010/03/03 11:13 JST

米司法省、ヘッジファンドのユーロ売りポジションの調査開始-関係筋
2010年 3月 3日 17:39 JST
米司法省は、通貨ユーロの引き下げを目的にヘッジファンドが結束していた可能性について調査を開始した。関係筋が明らかにした。
司法省は先月26日、SACキャピタル・アドバイザーズやグリーンライト・キャピタル、ソロス・ファンド・マネジメント、ポールソンといったヘッジファンドに対し、ユーロに関する取引記録や電子メールを保管するよう要請する書簡を送付した。
この日は大手ヘッジファンドが過去数週間に大量にユーロを売り建てたとする記事をウォール・ストリート・ジャーナルが1面に掲載した日だ。本紙は、ファンドのこうした動きは、金融危機の最中にリーマン・ブラザーズなど経営が行き詰まった企業に対して取られた行動に類似している、と指摘した。
大量のユーロ売りは、SACやグリーンライト、ソロスなど多くのファンドが参加した「アイデア・ディナー」を含む一連の会合で浮上した、と本紙は報道した。こうした会合で、あるトレーダーは、ユーロの対ドル相場が1ドルの「等価」にまで下落する可能性がある、との見方を示した。現在は1.3609ドル前後で取引されている。
当局が調査する問題の1つは、こうした情報共有が「共謀」の構成要件に該当するかどうかだ、と関係筋は指摘する。ただ、大手金融機関が共謀で起訴されるケースは稀だ。共同で売買を行うことを協議し、実行したと証明するのが困難なためだ。
記者: Susan Pulliam and Kate Kelly

米司法省、ヘッジファンドのユーロ売りで調査開始
2010年 03月 4日 10:56 JST
[ワシントン 3日 ロイター]
米司法省は、ヘッジファンドが集団で共謀してユーロを売り仕掛けたかどうかをめぐり調査を開始した。関係筋が3日、明らかにした。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋の話として報じたところによると、司法省はSACキャピタル・アドバイザーズLP、グリーンライト・キャピタル、ソロス・ファンド・マネジメントLLC、ポールソン・アンド・カンパニーなどのヘッジファンドに対し、ユーロに関する取引記録や電子メールなどすべての書類を保管するよう求めた。
ユーロはギリシャの債務問題を背景に売り圧力に見舞われ、昨年11月以降、10%超下落している。WSJ紙は、ユーロについて話し合われたヘッジファンド関係者の会合に関する同紙の記事と司法省の書類保管要請の時期が一致していると指摘している。
同紙は2月25日、一部の大手ヘッジファンドがギリシャの債務危機を理由にユーロ売りのポジションを膨らませていると報じた。報道によると、SAC、ソロスなどの大手ヘッジファンドの関係者が2月8日にニューヨークで開かれた夕食会に参加し、その際、一部の参加者は、ユーロが1ユーロ=1ドルまで下落する可能性が高いとの見方を示したという。
WSJは関係筋の話として、司法省反トラスト局は送付した書簡で「ユーロの取引契約をめぐる複数のヘッジファンド間の合意に関する調査を開始した」と通達した、と伝えている。
関係筋によると、その書簡は「すべての書類を保管」するとともに、ユーロや通貨取引に関する合意をめぐるやり取りの電子記録などをすべて保存するよう指示する内容だった。
反トラスト法を専門とするハーバード大学のアンドリュー・ギャビル教授は、関係筋が語った書簡の内容は、書類の保管を求める司法省の文言に一致しており、司法省はこれらの書類から、ヘッジファンドが共謀してユーロを売り仕掛ける計画があったのか、もしくは実際に売り仕掛けたのかを判断するとの見方を示し、「どちらにしても非常に不利で、刑事告発に発展する可能性がある」と述べた。
米著名投資家ジョージ・ソロス氏が率いるソロス・ファンド・マネジメントの広報担当は、いかなる不正行為も行っていないと否定。「為替相場が話題になるたびにジョージ・ソロスに関心が集るのは当然のことになっている。報道により注目が集っているユーロ取引やそれに関する政府の関心も認識している」とした上で、「報道で示唆されているような、ソロス・ファンドが不正行為を行ったとする指摘は根拠を欠く。政府の要請に全面的に協力する所存だ」と言明した。
SAC、グリーンライト、ポールソンはコメントを拒否。また司法省も同様にコメントを拒否した。

(引用終了)

仮需筋が動いただけであれば、騒動が終われば相場は元に戻るのが普通です。しかしながら、今回の騒動でユーロの持っていた脆弱性が顕わになったと理解するならば、実需筋は「撤退」を判断することでしょう。

ヘッジファンドは、なによりも価値のある商品「情報」をカネに変える商売です。そのため、彼ら自身が呼び水となって、リアルマネーの流れを変えてしまうということも、また事実だと思います。

---

読者の皆様は

・これではまるで、有無を言わせない一種の全体主義(金融ファシズム)だ

というご感想とともに、

・マネーはどこにいったのか?勝ち逃げは誰か?

という疑問をお持ちのことと思います。

この疑問に一言で答えるとすると、「失われたマネーは、大きなマネーフローの奔流、すなわち、金融経済と実体経済の比、そのギャップの狭間に消えた」ということになります。これも、過去のエントリーで、何度も、何度も指摘していることです。
[PR]
# by kanconsulting | 2010-03-05 11:06 | 経済状況

各国政府のソブリンリスク 機関投資家の逃避行動 自らの足元を売り崩す合理的行動

a0037933_1232304.jpg


The CDR Government Risk Index(TM)
グラフはCredit Derivatives Researchより

ソブリン債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)指数は、昨年9月のボトムから、2倍近くに上昇しています。9月から1月末の時点での上昇幅の大きい順に、

・ギリシャ  △250%+
・ポルトガル △217%
・フランス  △122%
・スペイン  △111%
・アメリカ  △100%
・日本    △ 95%

となっています(指数そのものではありません)。これは、ヘッジファンドなどの短期筋の動きではなく、長期機関投資家の実需売りとの観測です。つまり、

『機関投資家が、各国の国債を、実際にリスクあるものとして捉え始めた』

ことを意味します。昨日の記事「2010年の幕開けに 新たなる黒き10年代の始まり 世界株式と金利・為替の未来」にて、以下

年金資金などの長期機関投資家(略)の場合、株式がダメなら債券にアセットアロケートするのが普通ですが、現在のような低金利で、しかも国債のリスクプレミアム上昇(債券価格は低下)が見込まれている中では、(編注:債券を売って、)キャッシュで握りこんでおくか、金地金(ゴールド)への逃避が合理的行動となります。

のように述べました。実需筋が大規模に債券を手放す、これほど破綻を早める行動はありません。なにしろ、彼らに買ってもらわない限り、維持可能性はあり得ないからです。個別に見ると合理的なのですが、合成の誤謬としか言いようがありません。しかしながら彼らは責められません。一義的には、「債務を積み上げて、市場の信用を失いつつある、各国政府自身」に責任があります。もちろん、もっとも責任があるのは、各国を借金漬けにして、手数料で儲け、流動性で儲け、最後には売り崩しで儲ける「何らかの存在」なのですが、それが表に出ることはありません。

まさに、壮大なババヌキ・椅子取りゲームが「すでに」始まっているのだと思います。

(引用開始)

Credit risk growing most in Greece, Portugal, France
Fri Jan 29, 2010 11:35am ESTNEW YORK, Jan 29 (Reuters) -

Sovereign credit risk has grown most sharply for Greece, Portugal and France since September because of investor sales of various government debt, according to a report by Credit Derivatives Research on Friday.

A widely tracked sovereign credit default swap index shows that 16 of the top 81 countries have shown credit risk increasing by more than 50 percent, with Greece's sovereign credit default swap levels rising by more than 250 percent since September.
Portugal's CDSs rose the second most, by 217 percent, followed by France (122 percent), Spain (111 percent), the United States (100 percent) and Japan (95 percent) as the countries where risk is rising the most.
The report found so-called "real money investors," those holding investments for longer than short term, hedge-fund traders trying to take advantage of high volatility, may be large sellers of government debt, accounting for the wider spreads and increased risk in developed nations' credit profiles.
"We believe the dramatic rise in CDS spreads of many sovereign nations is rising due to arbitrage-free pricing with the cash bond markets and not in any way driven by a cabal of ancient and mysterious CDS traders," Tim Backshall, chief strategist at Credit Derivatives Research, wrote in the report.
Among countries with the biggest tightening moves in five-year credit default swaps since September 2009, Costa Rica narrowed 56 percent, followed by Pakistan (-55 percent), El Salvador (-54 percent) and Estonia (-30 percent), the report found. (Reporting by Walden Siew; Editing by Padraic Cassidy)

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2010-02-04 12:57 | 経済状況

2010年の幕開けに 新たなる黒き10年代の始まり 世界株式と金利・為替の未来

a0037933_1247281.jpg


画像は産経MSNより

皆様

あけましておめでとうございます。本年も変わらぬご愛顧をお願いいたします。

本年は、残念ながら、本格的な破綻の幕開けになります。見せ掛けの景気回復はありえるでしょう。そして「世界的な景気底打ち宣言」「金融危機解除の安全宣言」もあるかもしれません。しかしながら、それらはすべて仮の姿に過ぎず、世界全体がリセットされ、安心安全というものがシステム崩壊を起こす、そんな2010年代の幕開けになるのだと思います。

なぜそのように思うか、順次、述べます。

---

これまでに、何度も次のように指摘してきました。

・金融危機対策として流動性を供給し、経済対策を実施するために、各国はこぞって国債を発行してきた
・軽視されているが、国債は無限に発行できるわけではなく、各国にもデフォルトリスクが存在する
・つまり、各国による金融機関・企業の債務の肩代わりは、壮大な「飛ばし」と言える
・実際に、財政状況が悪くなり、信用リスクが悪化した国が複数あると指摘されている

この財政状況が悪化した国としては、ユーロ圏で言うならたとえば、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインなどがあるでしょう。ギリシャの格付け下落は記憶に新しいところです。それ以外にも、中欧や東欧諸国、ドバイなど産油国など、話題には事欠きません。

ドバイショックは、金融市場にパニックを引き起こしたものの、実質的には世界全体には影響を及ぼさない、たんなる一地方の話だと思われています。しかし私は、こういった事故(?)は、国を変え資産クラスを変え、今後も発生すると思います。

何度も書いているように、こういった国レベルでの信用リスク悪化は、その国にとどまらず容易に世界全体に波及し、世界全体の信用リスクをさらに悪化させることは、言うまでもありません。これは、非常に簡単に書くと世界全体のレバレッジが大きいためであり、たとえば、地球の裏側のリスクプレミアム上昇が、容易に金融価値の下落につながるためです。つまり、これからの金融危機は、もはや金融機関のレベルではなく、各国そのものの生き残りをかけた競争レベルになってきたということです。

簡単に書くと、次のようになります。

・実体経済を大きく上回る仮想経済の肥大化
・金融資産(デリバティブ)バブル崩壊
・リスクマネー縮小、不況入り
・各国による積極財政、景気刺激
・資金を税収で賄えず、国債発行
・景気悪化により、税収減少
・各国政府の借金が増大、維持可能性懸念 ← 今ここ
・リスクマネーの消滅、金融資産の減価
・ペーパーマネーの減価、悪性インフレ
・何かのきっかけで、連鎖的な国家破綻が引き起こされる
・富の一方的移転が、合法的・世界的に行われる
・(一部の世界権力者が絶対権力を持つ、新世界秩序の誕生)

---

このブログでは、当初から、国家債務と税収のバランスに着目してきました。その観点から書くと、

・税収=企業負担(法人税)+家計負担(所得税+消費税)と考えると、税収が増える余地はなく、返済計画が立たない
・そこで、現在の税収ではなく、潜在的担税力で考える
・国の経済規模(GDP)の30%を潜在的担税力と見ると、国家債務/国の経済規模(GDP)>150%だと、レシオが5倍となり、民間人だと返済困難となるゾーン
・潜在的担税力をGDPの50%に設定しても、250%が限界

国家の借金の額が、概念的な返済能力を超えてしまい、デフォルトを起こすなどという事態は、これまで一笑に付されてきました。確かに、世界同時国債増発が常識となったこの数年においては、流動性を潤沢に供給することが第一優先であり、国家財政の維持可能性は二の次でした。加えて、「そもそも、国内向け自国通貨建てであれば、事実上必要なだけ発行できる。そうでなくても、国債増発はどの国もやっていて、相互依存的な関係※なのだから、相対的に突出しなければ問題ない。」などという楽観論が大勢を占めていました。

(どの市場もそうですが、市場参加者が楽観的なときが、後から振り返って「天井だった」「あのときに売っておけばよかった」というタイミングなのです。)

※ 相互依存的な関係ということは、持ちつ持たれつ・持ち合い、ということです。これも何度も書きますが、それを運転資金に使ってしまうということは、中小企業の社長どうしが、相互の延命のためにお互いの手形を交換するというくらいの、まさに自転車操業としか言えません。

何度も指摘しますが、上の表の一部

・(略)
・各国政府の借金が増大、維持可能性懸念 ← 今ここ
・リスクマネーの消滅、金融資産の減価
・(略)

をもう少し詳しく書くと、

・国家財政の維持可能性リスクは、すでにアメリカ、EU主要国、日本において存在する
・現在、それが顕在化していくステージにある
・リスクが顕在化すると、リスクマネーの巻き戻しと信用縮小により、株式・為替・債券市場が大きく混乱する
・現在、プレミアムリスク、デフォルトスワップ、VIXが上昇してきており、冗談ではすまない可能性がある
・金融資産の減価により、金融危機がスケールを大きくして再来する


では、リスクマネーはどこに行くのでしょうか?リスクマネーの源は、大きく分けて2種類あると思います。1つには年金資金などの長期機関投資家。もう1つは過剰流動性を得た短期機関投資家。

長期の場合、株式がダメなら債券にアセットアロケートするのが普通ですが、現在のような低金利で、しかも国債のリスクプレミアム上昇(債券価格は低下)が見込まれている中では、キャッシュで握りこんでおくか、金地金(ゴールド)への逃避が合理的行動となります。つまり、金融市場で売り手ばかりになり、買い手がいなくなる、特別売り気配のみで売買が成立しない、市場が機能しなくなるということもあり得ます。
このような場合、その歪の解消に着目した短期投資家が動くのが普通ですが、どうでしょうか?

短期の場合、低金利で借り入れを起こすことが出来るメリットを生かして、たいていレバレッジがかかっています※。その負債部分は、「金融安定化のため」としてジャブジャブに注ぎ込まれた過剰流動性です。資本部分を負担する投資家が多量に解約すると、資産部分を換金売りすることになるのですが、負債部分を返済した行く先は、その源、発行国です。つまり、「マネーが行く」のではなく、「マネーは還る」というほうが正確なのだと思います。
そして、世界全体に長年にわたって過剰流動性を供給してきたのは「アメリカのドル」であることは、ユーロダラーに関する過去のエントリ(記事)などで、何度も指摘していることです。(その次に通貨をばら撒いているのは日本ですね。)

※資産(機関投資家が使えるマネー)=資本(出資者が投資したマネー)+負債(どこからか借りてきたマネー)
 レバレッジ=資産/資本

このような仮定が正しければ、有事には

・世界株安
・債権安(=金利上昇)
・ラスト・レパトリとして、実はドル高になる(ドル以外の通貨安)、加えて円高
・ゴールド高

となりえます。これが上の表で書いた

・ペーパーマネーの減価、悪性インフレ

の正体です。そしてその次には、

・何かのきっかけで、連鎖的な国家破綻が引き起こされる

が待ち受けているのだと思います。

---

私は、決して財政破綻を望んでいるわけではありません。そのことは、長くの読者様にはご理解いただいていることと思います。そして、破綻を回避する方法があるのなら、それを提案するということも目的のひとつにあったのですが、結論としては「個人レベルで破綻を回避する方法や、そのための意味のある提案はない」ということです。

今後とも、おつきあい頂ければ幸いです。
[PR]
# by kanconsulting | 2010-02-03 12:40 | 経済状況

日本の財政状況 すでに財政危機は限界点を超えた 長期金利の近未来

a0037933_12582775.jpg

グラフは毎日新聞より

これまでに、次のように指摘してきました。

・金融危機による世界同時金融破綻を避けるため、各国は低金利と金融緩和により、流動性を供給する
・その原資は国公債であり、世界同時国債増刷とも呼べる
・国債の返済原資はあまり当てがなく、破綻の先送りとも言える
・流動性を回収すると世界経済が突然死するため、回収も出来ない
・インフレ、金利、為替によって、ペーパーマネーの価値を減価することでしか、解決できない

最近、IMFは、次のような報告書を出しています

(引用開始)

G20の先進国の債務残高、2014年にGDP比118%に拡大=IMF
2009年 11月 4日 08:32 JST
[ワシントン 3日 ロイター] 
国際通貨基金(IMF)は3日、主要20カ国(G20)のうち先進国の政府債務残高が2014年に対国内総生産(GDP)比で118%に達するとの見通しを示した。
その一方で、財政支出による景気支援策を縮小するのは時期尚早と強調した。
債務の水準を安定させるために、世界的に金利が最大2%ポイント上昇する必要があると指摘した。
IMFのコッタレリ財政局長は電話会見で「(財政)支援は引き続き適切かつ極めて重要だ。世界経済は回復しつつあるとしても、今回の回復はぜい弱だ」と述べた。
同局長は、2010年を通して先進諸国は景気支援のための財政政策を継続する公算が大きいとする一方で、成長のペースがより速い新興市場国では2010年に財政の引き締めが開始されるとの見通しを示した。
IMFは2009年のG20の財政赤字が平均でGDP比7.9%となり、10年は6.9%に低下すると予想。米国で金融セクター支援から発生する損失が減少することが主因としている。ただ、こうした要因を除けば、G20の先進国の赤字は10年に拡大する公算が大きいとの見方を示した。
最も大きな財政上の調整が必要な国として、英国、アイルランド、スペイン、日本を挙げた。デンマーク、韓国、ノルウェー、オーストラリア、スウェーデンは債務を適切な水準に維持するための取り組みが不要か、ほとんど必要ないとの見方を示した。

日本の財政赤字は悪化見通し、先進国平均も上回る-IMF
2009年11月04日 07:34更新
国際通貨基金(IMF)が3日に発表した世界の財政調査報告によると、日本の2009年度財政赤字見通しは7月発表の前回報告に比べ0.2ポイント悪化し、国内総生産(GDP)比10.5%とされた。世界の主要先進国の平均である同8.2%を上回る結果となった。
同報告によると、2010年度の日本財政赤字は前回発表時と変わらず10.2%、2014年度には前回見通しより0.4ポイント悪化の8.0%と予想された。
また一般債務の見通しについて、日本の2014年度は前回発表時より6.4ポイント改善されたものの、GDP比で245.6%となり、調査対象19か国のうち最大かつ先進国全体の平均118.4の約2倍となった。日本は社会保障支出の増大が、金融危機後も財政を圧迫すると指摘された。

IMF:先進国の財政赤字削減、刺激策の解消だけでは不十分-報告書
11月3日(ブルームバーグ):
国際通貨基金(IMF)は3日公表した報告書で、インフレ調整後の実質金利の上昇リスクに直面する先進国が債務を削減するには、財政・金融面での刺激策を解消するだけでは不十分との見解を示した。
この四半期報告書はIMFの財政局がまとめた。それによると、IMFは現在、20カ国・地域(G20)の今年と来年の財政赤字が7月時点の見通しより小さくなると予想しているものの、この見通し修正は米金融業界支援向けの支出が少なくなることを主に反映しているという。金融支援を除いたベースでは、社会保障関連の支出が増える一方で税収が減るため、財政赤字は拡大する見込みとしている。
報告書は「財政見通しの悪化に対する金融市場の反応は、これまでのところ控えめなものとなっているが、それで安心してはならない」とし、「単に刺激策を期限切れとするだけでは、多くの先進国で政府債務が膨張への道をたどり続けることになる」と指摘した。

更新日時: 2009/11/04 08:34 JST

(引用終了)

このように、

・G20の財政赤字(平均・GDP比) 
 2009年 7.9%
 2010年 6.9%
・G20のうち先進国の政府債務残高(GDP比) 
 2014年 118.4%
・「アメリカでの金融セクター支援による損失が減少」という要因を除けば、G20の先進国の赤字は2010年に拡大
・英国、アイルランド、スペイン、日本は、最大の財政調整が必要

その日本に関してみると

・財政赤字見通し(GDP比)
 2009年度 日本 10.5% (世界主要先進国平均 8.2%)
 2010年度 日本 10.2%
 2014年度 日本 8.0%
・一般債務見通し(GDP比)
 2014年度 日本 245.6% (先進国全体の平均 118.4%)
 >調査対象19か国のうち最大
 >社会保障支出の増大が、金融危機後も財政を圧迫

となります。国際的に日本を見ると、金融危機で直撃弾を食らっていない割には、ダメージが大きすぎるという印象です。これは、日本がもともと持っていた財政的脆弱性が、今般の世界同時金融危機であらわになった、という理解の方が近いのかもしれません。

さて

皆様ご存知のように、来年度予算においては、税収<国債発行額、となり、財政非常事態となっています。

税収    約38兆円
国債発行 約44兆円

すでに、日本の国家債務は、維持可能性がありません。可能性としては、長短金利を低金利に抑えつけて金利支払いを抑制し、流動性を供給して国債を買わせるという、「花見酒」、つまり先送りをするしかないのです。

最近、「事業仕分け」が、弁護人不在のまま進められる刑事裁判のようだとして話題になっています(にしても、満足な自己弁護できない被告側にも問題がありそうです)が、2010年度予算の一般会計歳出総額は90兆円を超え、過去最大の規模になる見込みです。

さて、以下の問題についてはどうでしょうか?

①実際に、国や地方の資金繰りがつかなくなり、大きな混乱を引き起こすこと
②国債の信認の度合いである、国債長期金利が上昇すること
③それ以前に、パニック的な逃避行動により、取り付け騒ぎが起きること

---

①については、何度も述べていますように、ロシアや昔の中国(清)のような、国債の紙切れ化は起こらないと考えています。日本の場合は、それを回避するために、金融緩和・低金利によるロールオーバー(借金の延期)や、最悪のケースとして徴税権による穴埋めが可能だからです。
皮肉なことに、低金利を続ける限り、個人向け国債のような個人向け債券は売れ行きが芳しくありません。個人の貯金を取り込み、悪く言えば人質にとり、最悪のケースとして徴税権と相殺したいと考える国にとっては、頭の痛い事態でしょう。

ただし、国債デフォルトをなりふりかまわず回避するその過程で、物価・金利・為替による、通貨と国債の価値調整が行われることは、避けられないと見ています。

②については、ふたたび、じわじわと長期金利が不気味な上昇を見せています。これが、ずっと続くトレンドなのかは分かりません。

③については、そのリスクは常に存在します。

まさにこれからの数年は、ポストサブプライムとして、考えられない異常事態が発生する可能性があります。冷静に事態を把握し、落ち着いて行動されることをお勧めします。

(引用開始)

長期金利上昇を危惧、財政悪化懸念の是正に努める=財務相
2009年 11月 10日 12:06 JST

[東京 10日 ロイター] 藤井裕久財務相は10日の閣議後の会見で、国債市場で長期金利が上昇傾向にあることを非常に危惧(きぐ)しているとし、市場に広がっている財政悪化懸念を何としても是正しなければならないと語った。
その上で、2010年度予算の編成にあたっては長期金利が上昇傾向にあることを最も重視し、麻生政権が決定した2009年度の新規国債発行額の約44兆円をめどに国債市場の信頼を得るよう努力すると語った。

 <10年度予算編成、長期金利上昇傾向を重要視>
藤井財務相は、1.4%台後半に上昇している長期金利を「非常に危惧している」と述べるとともに、足もとの長期金利上昇は財政悪化懸念を反映しており、「それに対する是正を何としてもしなければならない。歳出のカットは、全てそこに目的があるという気持ちでやっている」と強調した。
これを踏まえ、2010年度予算編成について「一番大事なことは金利が上昇傾向にあることだ」と繰り返し、「国債市場の信頼を一番大事にしている。信頼を失うと国益を損なう」と指摘。
マニフェスト(政権公約)に掲げた政策の実行と国債発行との関係では「マニフェストの政策は公約であることは間違いない。それをやり、国債市場の信頼を得ることは、ある程度、やれると確信している」としながら、前政権が決めた補正予算を含めた2009年度の国債発行額である「44兆円をめどに置き、極力、国債市場の信頼を維持できるよう頑張る」と語った。
(ロイターニュース 伊藤純夫)


長期金利、一時1.485%に上昇 財務相「非常に気にしている」

10日の債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債利回りが一時、前日比0.010%高い1.485%に上昇した。6月16日以来、約5カ月ぶりの高水準。株価の上昇に加え、来年度予算編成や国債増発への不透明感が意識され、売りが先行した。ただ、藤井裕久財務相が歳出削減を徹底することなどを改めて強調。その後は買い戻しも入った。
藤井裕久財務相は10日の閣議後の記者会見で、長期金利の上昇について「非常に気にしている。国債市場の信頼を失うと国益を損なう」と述べた。背景には財政悪化への懸念があると指摘したうえで、2010年度予算編成に関し「(財政悪化の)是正は何としてもやる。歳出を切るのはそれが目的だ」と強調。10年度予算の新規国債発行額を44兆円以内に抑える考えを改めて強調した。(12:19)


長期金利:4カ月ぶり高水準 終値1.475%

週明け9日の東京債券市場で、長期金利が一段と上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りの終値は、前週末終値より0.025ポイント高い1.475%と、直近の高値だった8月の1.46%を突破、約4カ月半ぶりの高水準となった。
週末に英国で開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、金融危機の原因とされる「世界経済の不均衡」の是正に取り組むことで合意。内需拡大を迫られた日本の財政健全化が遅れるとの見方が強まった。また、峰崎直樹副財務相が7日の講演で、10年度の国債発行額が政府目標の44兆円を超える可能性に言及したと報じられたことも、需給悪化懸念による国債売却の動きにつながった。
上昇幅は4営業日で0.1ポイントに達し、みずほ証券の上野泰也氏は「財政拡張に傾斜している政府への市場の警告、という意味合いがある」と指摘している。【山本明彦】

毎日新聞 2009年11月9日 20時10分(最終更新 11月9日 21時30分)

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-11-12 12:59 | 経済状況

金(ゴールド)の価格と未来 ドルの信認とドル高 またしても過剰流動性

金地金(きんじがね、いわゆるゴールド)が過去最高値をつけています。

その背景としては、

・アメリカの超低金利政策が長期化するとの観測から、ドル安が進行
・ドル安を受けて、アメリカではインフレ懸念が台頭
・ドル建て資産の目減りを避けるため、安全資産である金に資金が流入

でしょう。そのドル安の背景ですが、

・オーストラリアでの利上げ
・超低金利のドルを売って、高金利の資源国通貨や金など商品先物に投資する「ドル・キャリー取引」
・イギリスのメディア※が「湾岸産油国と中国や日本などが、石油取引の決済をドル建てからユーロや円など複数の通貨を組み合わせた『通貨バスケット』に移行する方向で協議している」と報じたことも拍車

ということです。

(もともとドル体制への揺さぶりを考えてきた中国のみならず、日本も「通貨バスケットへの移行を検討」とは、「そうだったのかw」と思ってしまうところですが、現在の国際的常識が「ドルの信認はそれほど続かない」であること、民主党政権が「アメリカ離れ」を意図していることから、選択肢の検討段階としてはあり得なくはない、と思います。フランス・クウェートなどは公式に否定しているとのことですが、日本が公式に否定しているかどうかは不明です。)

※ The Independent had reported on Tuesday that Gulf states, together with China, Russia, Japan and France, were considering replacing the dollar as the pricing currency for oil by a so-called basket of currencies.
This would include the yen, the yuan, the euro, gold and a future common currency in the Gulf region.
However, the report has been denied by a host of countries, including France, Kuwait, Qatar and Russia.
"Despite the denials, there are probably all sorts of discussions going on about how to reduce dependence on the dollar and diversify reserves," said Hufton.
"But they are hardly likely to be confirmed given that it would only serve to cut the value of the very reserves countries are seeking to diversify out of."

"Dollar on weak footing; gold strikes new record" (AFP) – Oct 7, 2009

(余談ですが、世界同時利下げ・世界同時金融緩和の中、オーストラリアの利上げはまっとうな判断だったと思います。世界からマネーを集めて生き残るためには、利下げではなく利上げが必要なのです。しかし、アメリカや日本でそれをするのは、もはや自殺的行為となるでしょう。)

---

関連した記事を引用します。

(引用開始)

NY金:過去最高値を更新 ドル先安観の目減り対策で

【ワシントン斉藤信宏】6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物相場は、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の利上げなどをきっかけにドル安が進行したことを受けて急伸、指標となる12月渡しは電子取引で一時、1オンス=1045.00ドルまで上昇し、昨年3月につけた取引時間中の過去最高値(1033.90ドル)を更新。終値でも前日終値比21.90ドル高の1039.70ドルと9月中旬につけたばかりの過去最高値を塗り替えた。
オーストラリアでの利上げに加えて、一部の英メディアが「湾岸産油国と中国や日本などが、石油取引の決済をドル建てからユーロや円など複数の通貨を組み合わせた『通貨バスケット』に移行する方向で協議している」と報じたことでドルの先安観が強まった。ドル安を受けて、米国ではインフレ懸念が台頭、ドル建て資産の目減りを避けるため「安全資産」の金を買う動きが加速した。

毎日新聞 2009年10月7日

---

金先物相場:NY 最高値更新、金市場に資金流入 安いドルから転換

金の価格が急上昇している。6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物相場は、指標となる12月渡しが一時、1トロイオンス=1045・00ドルまで上昇し、08年3月につけた取引時間中の最高値(1033・90ドル)を、約1年7カ月ぶりに更新した。ドル安の進行と表裏一体的な動きで、当面はドル安基調が続くとの見方が強いことから、金価格は一段の上値をうかがう展開も予想される。
金価格が上昇基調にあるのは、米国の超低金利政策の長期化観測からドル安=ドルの価値低下が進行し、安全資産である金に資金が流入しているためだ。金価格は08年3月、商品価格の上昇を受けて一時1000ドルを突破。金融危機でいったん下落したが、最近は超低金利のドルを売って、高金利の資源国通貨や金など商品先物に投資する「ドル・キャリー取引」が広がっているとされる。
6日は、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が利上げしたこともドル売りに拍車をかけた。アラブ諸国などが石油取引のドル決済の中止を検討しているとの英紙報道が流れるなど、基軸通貨としてのドルの地位への懸念も強まっている。
金の宝飾品需要は世界的に低迷しており、買い主体は投資ファンドなどの投機筋が多い。このため、高値では利益確定の売りが出やすく、金価格はいったん調整局面に入る可能性が高いが、「ドル安が続けば、1100ドルをにらんだ展開になるだろう」(日興コーディアル証券の上西晃氏)との見方もある。【田畑悦郎、小倉祥徳】

毎日新聞 2009年10月8日

---

最高値更新する金相場、中国ファクターでさらなる上値も
2009年 10月 8日

[北京/上海 7日 ロイター
ほとんどの人々にとって、金は不況時には無くても構わない単なるぜいたく品かもしれない。しかし慎重な中国の投資家にとっては、金は必需品となりつつある。
金価格が最高値を更新するなか、中国でも貴金属の売り上げが打撃を受ける可能性があるものの、景気の先行きには不透明さが残っており、投資先としては金を選好する動きが根強いという。
また、外貨準備の安全な投資先を探している中国政府も、現在1054トンとされる金準備を積み増す可能性が高い。ロングゴールド・アセット・マネジメントのYao Haiqiao社長は「中国での金消費量はインフレ期待を背景に伸びると予想され、政府も金準備を増やすとみられる」と述べた。
中国黄金協会のSun Zhaoxue会長によると、同国の外貨準備のうち金は全体の約1.6%に過ぎず、その比率は今後増えることが見込まれている。
金相場は足元、世界経済の先行き懸念と米ドル安を受けて最高値を更新。一部で調整を警戒する声もあるが、中国の投資家は引き続き金投資を積極的に行うと予想される。
上海中期期貨経紀のアナリスト、Zoe Wang氏は「消費者は価格に敏感であり、金価格の上昇はインドや中国での金購入に間違いなく打撃を与える。今年前半にインドの貴金属消費量が急激に落ち込んでおり、同様のことが中国でも起きるかもしれない」と指摘。その上で「しかし投資に関して言えば、金をヘッジのツールとして使う人が増えており、金の購入は拡大している。こうした動きは中国では明らかに増えている」と述べた。
中国はすでに世界最大の金生産国であり、2009年前半には貴金属の消費量でもインドを抜いて世界1位になった。ただ、中国でも宝飾品の売り上げは落ち込むとみられ、金相場を今後も押し上げるのは投資目的の金購入となる。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の極東担当マネージングディレクター、Albert Cheng氏によると、中国で投資としての金購入は2008年に過去最高の70トンに達した。
ロングゴールドのYao氏は「インドでは多くの人が宝飾品を買う一方、中国では銀行に金の延べ棒を預ける人が増えている」と述べた。

<一段の上値を追う可能性>
1オンス=1000ドルの水準は長続きしないと警戒する投資家もいる一方、中国では多くの人が金相場の先行きに楽観的な見方を示す。
中国黄金協会の副会長、Hou Huimin氏は「価格が上がったからというだけで人々が急に売り始めることはないだろう。中国では投資行動に大きな変化は出ていない」と述べた。
また、スタンダード銀行(香港)のEllison Chu氏は、需要が引き続き供給を大幅に上回っており、さらなる上値の余地があると指摘。「この価格水準が市場にどう影響するか注視していくが、個人的にはさらに上昇する可能性があると思う。市場がこの水準に慣れれば、上振れの可能性があるだろう」と語った。
さらに「過去数カ月間の株式市場を見てみると、乱高下や色々なうわさがあった。人々はより安定的な投資先を探している。投資家は金に継続的な成長を期待できる」としている。
「中国の投資市場では群集心理が大きな役割を果たす」と指摘するロングゴールドのYao氏は、金以外に魅力的な代替投資先がない以上、投資家は「途中下車」したがらないとの見方を示す。
Yao氏は、中国政府がいずれ金準備を増やすとみられ、それが金相場のさらなる支援材料になる可能性があるとしている。

(引用終了)

さて、気になるのは、

・ゴールドが高いのは、実質なのか?それともバブル的なものなのか?
・世界不況の中、需要が減退しているのに、ゴールド高が、中長期にわたって続くのか?
・ゴールド高の裏表となる、ドルはどうなるのか?

それを簡単に言いますと、

・今の世界は、超低金利のマネーが、量的緩和によって潤沢にある
・しかし、それに見合う実需的な投融資(事業資金、設備投資)がない
・投機資金となり、実物資産マーケットに流れ込んだ
・その流れに、年金基金などが相乗りした
 
その後の流れは自明です。

・キャリートレードは、必ず巻き返す
・商品は、かならず一度は下落する
・皆がドル安と思っていたが、実はドル高になる
・アメリカ国債の信認や持続可能性は別問題

関連した記事を引用します。

(引用開始)

インフレリスク過小評価すべきでない=米セントルイス地区連銀総裁
2009年 10月 12日

[セントルイス 11日 ロイター
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は11日、米経済の緩みは多くの人が予想するほど大きくないかもしれず、これにより中期的なインフレリスクが高まる可能性があるとの見解を示した。
同総裁は、経済会議でのプレゼンテーションで、需給ギャップを正確に測ることは困難と指摘。
「需給ギャップについてよく使われる説明に関して懸念している。それはリセッション(景気後退)がこれほど深刻なのだから需給ギャップは大きいに違いなく、従って中期的なインフレリスクは異例の金融緩和政策の中でさえ無視し得る規模だというものだ」と述べ、「このような説明は需給ギャップについて誇張し過ぎていると思う」との見解を示した。
さらに、需給ギャップの測定を目的とした計算は資産価値のバブルを考慮しないとし、現在の生産の落ち込みの大半が住宅バブルの崩壊に関連しているとすれば「現在の需給ギャップは見掛けよりも小さいだろう」と指摘。これはインフレリスクが高まることを意味すると述べた。
同総裁はまた、1991年と2001年に終わった過去2回のリセッション時には、FRBはリセッション終了後2年半から3年経つまで利上げしなかったと指摘。今回このパターンを踏襲するとすれば、最初の利上げは2012年になると述べた。
そのうえで、この10年間の始めの時期にFRBが長い間金利を低過ぎる水準に維持した結果、住宅市場のにわか景気と不況につながったという議論が、今度の連邦公開市場委員会(FOMC)に重くのしかかる可能性があると語った。

---

次にバブルが崩壊するのは米国債市場=ジム・ロジャーズ氏
2009年 10月 9日

[ニューヨーク 8日 ロイター
米著名投資家のジム・ロジャーズ氏は8日、借り入れ規模が持続不可能な水準に及んでいるとして、次にバブルが崩壊するのは米国債市場との見方を示すとともに、農作物、貴金属に投資妙味があると指摘した。
また株式市場に関しては、最近の大幅上昇を受けて調整局面を迎えるとの見方を示した。
同氏はロイター・テレビジョンとのインタビューで「調整への機は十分熟している。6カ月間に及ぶほぼ一本調子の上昇局面の後、値固めがあっても驚きではない」と指摘。株式市場は今後、長期にわたって上昇する可能性があるとの見方を示した。
同氏はまた、ロイターとのインタビューの後開催されたETFセキュリティーズ主催のセミナーで「次にバブルが形成されているのは、米国債市場だ。金利3─6%で米政府に30年間もお金を貸す人がいるなんて理解できない」と指摘。「いずれバブルははじける。米国債を保有している人がいたらひどく心配する。私なら手放すことを検討する」と述べた。
商品(コモディティ)への強気な投資で知られる同氏だが、コモディティに関しては、農作物・貴金属・原油が依然として同氏の好む投資対象だと明言。「農作物の在庫水準は過去数十年間で最も低い水準にある」として、特に最近28年半ぶりの高値を付けた砂糖は、向こう10年間で一段の上昇余地があるとの見方を示した。
貴金属については、割安感からパラジウムと銀が魅力的と指摘。ただ、長期では歴史的にも実物資産とされる金を投資対象に挙げた。
また原油相場に関しては、枯渇懸念から強気相場の流れで、バレル当たり最大200ドルまで上昇する可能性があるとの見方を示した。

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-10-28 12:43 | 経済状況

アメリカの財政赤字

アメリカの財政赤字が拡大することは当然のこととして何度も述べていますが、戦後最大の規模となることが判明しました。

(引用開始)

【10月8日 AFP】
米議会予算局(Congressional Budget Office、CBO)は7日、9月末で終了した2009会計年度の財政赤字が、前年より9500億ドル増の約1兆4000億ドル(約125兆円)に拡大し、1945年以来最大となるとの見通しを発表した。
歳入の落ち込みに、金融機関への公的資金の投入と長引く不況からの脱却をめざした財政出動が加わったためとCBOは説明している。歳入は08年度から約4200億ドル(17%)減少し、過去50年以上で最低。一方、歳出は過去50年で最高の5300億ドル(18%)増だった。
正式な09年度の財政収支は今月半ばに財務省が発表する。

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-10-08 12:56 | 経済状況

リーマンショック1周年 何が明らかになり、何が変わったのか 変わらない強欲

魔の9月です。そして、あのリーマンショックから、1年が経過しました。

元リーマンブラザーズの社員は、バークレイズなどにシステム付きで再雇用され、引き続き「強欲」システムを動かしているようです。この、1秒に300回の株式取引が可能で、「毎日利益が出る、損を出す日はほとんどない」と言わしめるようなITシステムは、前回「カマボコ(中抜き、ピンハネ)のIT化 またしてもゴールドマン・サックス 断固たるNOを」で指摘した、「フラッシュオーダー」と似たようなものなのかも知れません。

それに対して、「短期的な利益を最大化するための強欲を正当化するような、金融機関の巨額ボーナスはおかしい」という意見も多数出ていますが、「資本主義で、利益に応じた対価を与えることに何の問題がある?」という真っ当な反論の前には、それほどのインパクトはないようです。

(余談ですが、民主党政権は、当初から、「アメリカ的な市場原理主義が、世界に格差と不幸をもたらした」という姿勢で、早速アメリカの反感を買っています。それはそれでかまわないですし、むしろ自民党には不可能な行動なので差別化のためにも是非やってもらいたいのですが、あまりに戦術が幼稚なので、見ていて痛いのです。たとえば、スティグリッツなどの有識者を起用して、しっかりと世界経済戦略を立ててPRすることが必要なのだと思います。そうでなければ、思いつきで何か言っているというレベルをなかなか越えられません。)

この1年間、何が明らかになり、何が謎のままで、そして、何が変わり、何が変わらなかったのでしょうか?

(明らかになったこと)
・過剰流動性が世界金融市場を膨らましていたこと
・不明なリスクを取って、それをキャッシュに換えるという錬金術は、虚構であったこと
・職や持ち家を失うという形で、一般市民が割を食ったこと

(謎のままのこと)
・世界経済奥の院は、何をどうしたいのかということ
・これからの儲けの道具となる、過剰流動性に代わる紙切れは何かということ (世界各国の国債だとは思いますが)
・いつまで「先送り」が続けられるのかということ

(変わった事)
・世界政治のエージェント
・資産価値が上がり続けるという前提
・一般市民の将来設計

(変わらないこと)
・政権が代わっても、それらを動かす奥の院は変わらないということ
・結局、ペーパーマネーを刷るしかないと言う事
・強欲さ

---

1年前の関連記事も参照ください。

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(1) 流血の日曜日 来るべき終わりの只中
世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(2) なぜリーマンは見捨てられAIGは救済されたか
世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(3)
日米欧の中央銀行が流動性供給 解決になるのか

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛
世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円
世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(6) まとめ 終わりの只中に

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

終わりの見えぬリーマン残務処理、顧客資産もいまだ凍結
2009年9月11日19時25分

[ロンドン/ニューヨーク 8日 ロイター]
ニューヨークのタイムライフビル。リーマン・ブラザーズ本社があったタイムズスクエアにほど近い場所で、600人に上るスタッフが膨大な資料のヤマと格闘を続けている。
リーマンが約1年前の9月15日に連邦破産法の適用を申請し、世界的な金融危機の引き金を引いて以来、残ったリーマンのスタッフや外部のコンサルタントが、複雑に絡み合ったデリバティブや不動産など無数の契約を解き明かすべく、今なお終わりの見えない作業に取り組んでいる。
リーマン破綻から1年経った今も、顧客やカウンターパーティーなどの資産は凍結され、資産や債権の返還請求も受け付けられずにいる。
残務処理に取り組んでいるスタッフらは、債権者の資産価値を最大化すべく、少なくとも彼らに自分たちの資産がどの程度の価値がつくかを示すべく、懸命の努力を続けている。
欧州におけるリーマンの共同管財人を務めるプライスウォーターハウスクーパーズのビジネス・リカバリー・サービス部門の責任者トニー・ロマス氏は、リーマンの複雑な資産や債務の関係は口では説明できないとした上で、「6000件余りあるリーマンの顧客ファンドのうち、半分以上の投資家から自分の資産がどれだけあるか申告されていない。債権者に配分できる資産は90億ドル近くあるかもしれないが、それをどれだけの債権者に渡す必要があるのかを把握しなければならない」と語る。
状況はニューヨークでも同じことだ。リーマンのデリバティブ契約を通じて債権を保有する投資家は今のところ返還請求を行うことができず、来月になっても債権に関する追加情報は得られそうにない。
リーマンの事業が日本からケイマン諸島に至るまで16カ国に渡り、破産手続きが世界中の76カ所で行われていることも問題を複雑にしている。
リーマン本体が破産申請した後、4000に上る関連会社の一部も破綻しているため、リーマンが破産処理を完結させるためには、各地の司法管轄の間で複雑な債務関係を整理したり、債権額をいつの時点で計算するかなど、数多くの問題を解決する必要がある。

<上向き始めた債権価格>
ロマス氏のカウンターパートとして債務関係の整理に当たっているコンサルタント会社アルバレス&マーサルのアン・ケアンズ氏によると、同社は2010年末までに、リーマンの債務処理作業の大半を終えたいと考えている。
リーマンの資産は1年前に比べ大幅に増加している。アルバレスによると、破綻時点ではわずか35億ドルの現金しか保有していなかったのに対し、今年6月末時点では120億ドルを上回る水準まで回復した。ローンポートフォリオの時価も回復している。
債権者の間にも、債権回収の成果を上げるため組織を作ろうとする動きが出ている。ポールソン、エリオット・マネジメント、キングストリート・キャピタル・マネジメントなどの投資ファンドは「リーマン・ブラザーズ債権者グループ」を結成し、6月以降、リーマンに対する125億ドルに上る債権請求額を集めた。
破綻会社の債権者向けに債権を取引する市場を運営しているセカンドマーケット社によると、リーマンに対する債権の市場価格は最近になって急上昇。リーマンの持ち株会社が破綻した際には額面の10%でしか取引されなかった債権は、現在では20%近い水準で取引されている。
セカンドマーケットによると、リーマンのデリバティブの多くを保有するリーマン・ブラザーズ・スペシャル・ファイナンシングや、リーマンの商品取引契約の多くを保有するリーマン・ブラザーズ・コモディティ・サービシスの債権価格も、額面の40%前後で推移している。
だが、欧州ではリーマンの顧客ファンドの多くが複雑な商品を含んでいるため、ほとんど価値がないとみなされているものも多い。

<リーマン破綻処理が1つの産業に>
ロマス氏は先月、英サンデー・タイムズ紙に対し、リーマン処理は「それ自体で1つの産業」になるとコメントし、全世界で破綻処理に関わる2000人のスタッフに支払われる手数料が40億ドルを上回ると明らかにした。
ロマス氏やケアンズ氏によると、規制当局は「第2のリーマン」が現れるのを防ぐ手段を編み出すため、リーマンの破綻処理を見守っている。
その一つとして検討されているのは、銀行に破綻した場合の処理を記した「生前遺言」の提出を義務づける案だという。
しかし、リーマンや元従業員にとってそれ以上の関心事は、リーマンを破綻に追い込んだ「犯人」を特定できるかどうかという点だ。
裁判所から審査官として指名されたアントン・バルカス氏は、数多くの銀行やリーマンの元幹部を対象に、誰が嘘をつき、誰が会社運営を誤り、誰が詐欺行為を働いたかを特定する作業を進めている。彼の報告は来年初めにも提出される見込みだ。
リーマン自身も、決済銀行や預託信託機関、連邦準備理事会(FRB)の行動を提訴できないかどうか調査するグループを結成している。
リーマン破綻を受けてブローカー部門を17億5000万ドルで取得し、早々に42億ドルの利益を得たバークレイズに対しても、当時の行為が「良心にかなった」ものだったかどうか調査する承認を受けている。

---

投信残高はリーマン破たん以前に戻らず、個人は依然慎重
2009年9月11日20時5分

[東京 11日 ロイター]
リーマン破たんから1年が経過し、個人投資家マネーの有力な受け皿に成長してきた「投資信託」の残高が、破たん以前の水準を回復していない。
足元の資金フロー(ETFを除く)は6カ月連続の純流入となっているが、06年から07年にかけて毎月1兆円を超える資金が流入していた当時とは投資環境も様変わり。「個人マネーは戻りつつあるように見えるが、投資家の気持ちが以前のように投資に向かうには、さらに時間がかかるのではないか」(大手投信)との声もある。

<投信残高ピークは07年10月、ボトムは09年1月>
追加型投信の残高は、サブプライム問題の深刻さが表面化して以降、2007年10月をピークにすでに減少トレンドに入っていた。リーマンの破たんからさらに約1年さかのぼった時点だ。
背景には、サブプライム問題を発端とした株式相場下落と為替要因があった。残高全体のほぼ4分の3が海外資産に投資するファンド(海外証券型ファンド)であるため、為替の影響は無視できない。07年10月から08年8月までに円は対ドルで約6%、対ユーロで約4%、対豪ドルで約13%の円高が進んだ。
リーマンが破たんした08年9月、米市場の下落を発端として世界の株式市場の大幅下落が始まるが、国内投信市場の残高がボトムとなるのは09年1月。残高はピーク(07年10月)時から約44%減少。リーマン破たん前の08年8月時点との対比では約35%落ち込んだ。足元の09年8月末残高は、戻ってきたもののピーク時から約3割減の状態。リーマン破たん前と比べると、約2割減の水準だ。
一方、外為市場の動向を見ると、投信残高がボトムとなった09年1月の水準と、ピークだった07年10月時点を比較すると、円は対ドルで約22%、対ユーロで31%、対豪ドルで約47%の円高が進行。世界的な株式相場の下落に、円高進行が拍車をかけて投信残高にマイナス圧力をかけたことがわかる。反対に残高がボトムとなった09年1月から足元の8月までは円安傾向にある。円は対ドルで3%、対ユーロで約16%、対豪ドルで約38%とそれぞれ円安方向に振れた。

<リーマン破綻後1年の総決算は1兆1875億円の純流入>
トムソン・ロイター傘下の投信情報会社リッパーによると、国内追加型株式投資信託(ETFを除く)の純流出入額(設定額から解約額と償還額を引いたもの)は、同社がデータ提供を開始した2003年1月から米リーマン破たん直前の08年8月まで、5年8カ月間にわたって流入超が続いた。
しかし、リーマン破たんの08年9月以降、09年2月までの6カ月間に計4カ月で資金流出となり、その額は合わせて7758億円に上った。ただ、08年9月から09年8月までの直近1年間をみると、8カ月間は流入超で純流入額は計1兆9633億円。リーマン破たん後1年の総決算としては、1兆1875億円の純流入となった。
しかし、リーマン破たん前の1年間(07年9月から08年8月まで)の純流入額は計4兆8834億円に達し、07年1─12月の純流入額は14兆4024億円に上っていた。足元の資金動向が6カ月連続で流入超になっているとはいえ、純流入額は1兆8646億円。「数字だけをみるなら回復基調ともとれるが、あくまで推測の域を出ない。地方をまわると個人は生活防衛にまわっている感じをうける」(国内投信)との声もある。
運用会社で銀行担当の販売支援部隊からは「投資家も販売員もサブプライムでは震度2程度だったが、リーマンショックでは震度6か7の大打撃だったのではないか。残高減のダメージだけでなく、目に見えない心理的な部分への打撃が大きかった」との声もある。銀行経由の投資家が以前のような投資行動に戻るにはかなり時間を要するとの声も出ている。
足元ではREITファンドやハイ・イールド債券や新興国債券などの高利回り債券に投資し、為替によるヘッジプレミアム(金利差収入)も期待できる高額分配投信が、投信市場をけん引しているが、こうした投信の主な投資家は、大方が証券系の投資家といわれている。銀行経由の投資家のマネーが本格的に再参入してこない限り、リーマン破たん以前の活況に戻るのは難しそうだ。

(ロイター日本語ニュース 岩崎 成子記者;編集 田巻 一彦)

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-09-17 13:01 | 経済状況

Xデーはいつか 長期金利の行く末 壮大な自転車操業か

「財源の話になると、増税か歳出減かの二者択一になる。なぜ、国債発行を財源の選択肢に入れないのか。日本全体で見れば借金はない。国債は有力な財源だ。国債の長期金利は今、1・45%で決して高くない。これから20兆、30兆円を追加発行しても、10年債で2%は超えないだろう。日本には国債を追加発行する余力がある。1000兆円程度まで行っても、そこで止まれば問題ない」(榊原英資)

「国債の発行は、将来の増税だ。景気がいい時に増税せず、悪い時に財政出動したら、常に増税できない。その結果が、今の800兆円の財政赤字だ。インフレの度合いや金利政策にもよるが、景気が良くなれば、利払いにも影響する。長期金利は1%上がれば、利払いが1・6兆円増える。景気が好転すれば増税しないで済むという理屈は破綻している。」(石弘光)

---

日本国財政破綻Safety Netさんの、「728.Xデーに備える(その1)」にて、次のような提議をいただいております。

(遅くなりすみません)

(ここから)

私はAさんに以下のようなメールの返事をお送りいたしました。

財政破綻は今年、後半にも起こっても不思議はない、と考えます。マンのヘッジファンドについては、現金化した場合、税金対策がネックです。信頼できる代理店をとおして購入していても税金対策までは面倒みてくれないと思います。マンのファンドを長期保有する、マタギ氏のところには税務署から照会の手紙が来て、あわてて税理士を探していました。ご参考になさって下さい。

預金封鎖は一番厄介だと思います。従って、国内の金融機関に円で保有するのは、生活にさしさわりのない必要最小限でよろしいのではないでしょうか。あとは、インフレを想定した対策を考えておく必要があると思いますので、金の保有はインフレ対策には有効と思います。

個人の財産権を侵すような露骨なことはさすがの財政当局もやらない可能性もあります。外貨預金よりは外貨MMFがベターです。ある程度のリスクヘッジにはなると思いますが、いったん円高になった際に減価するので、集中投資は危険ではないでしょうか。


さて、kanコンサルティングのかんさんは、Xデーの時期と現時点での対応策について、どのようにお考えになりますか?

(ここまで)

「Xデー」とは、いろいろな受け止めがあると思いますが、取り急ぎ、国債の需給バランスが悪化したり、国債の信任が低下し、その結果として長期金利が急上昇する局面、と解釈したいと思います。

2009年度 国債発行額 (WBS調べ)

日本 約150兆円 前年度比1.2倍
アメリカ 約180兆円 同2.5倍
イギリス 約 35兆円  同2.8倍
ドイツ 約 47兆円  同1.6倍

長期金利 (8月上旬ころ)

日本 1.445%
アメリカ 3.631%
イギリス 3.876%

本日(8/13)の長期金利は、1.415%となっています。このところ、1.4%~1.5%のレンジで推移しているように見えます。

この長期金利ですが、需給バランスの悪化で、そのうち上昇するのではないかと見られています。代表的なものは、「今後の国債を持続的に消化するのは難しいため、長期金利が上昇するリスクがある」ですが、政策金利については、「日本の財政規律が崩れているため、日銀は金利を上げるに上げられない」と、真逆の方向となります。

しかし、日本も含め各国とも、多量のマネー(流動性)を供給しているため、それが債券消化に向かう限りにおいては、それほど心配ないのでは、とする意見もあります。

私は、「国がマネーをばら撒いて国債を消化させるのは、結局は壮大な飛ばしであり、何の解決にもならない。そのうちに行き詰まる」と、何度も指摘しています。

たとえば、

(引用開始)

「不透明な民主党マクロ政策、日銀出口戦略に影響も」

政策実現や高齢化の進展に伴う社会保障費の増大などを考えれば、当面は国債増発が継続する可能性が高く、長期金利上昇懸念が強まると予想される。そうした中での日銀による国債買い入れをめぐって「政治からの圧力が強まることは確実」(菅野氏)とみられている。
熊野氏は「今後、市場が次々と発行される国債を持続的に消化するのは難しいのではないか」とし、「長期金利の上昇懸念は引き続き強く、その面からも景気への不安がある」と指摘している。

他方、政権交代の可能性や実体経済の弱さに引きずられ、過剰流動性の供給が長期化することを懸念する声も多い。日銀短観からもうかがえるように、大企業を中心に資金繰りや借り入れ環境は改善傾向にあり、日本国内における金融システムの状況は、危機を脱したとの見方が政策当局から出ている。
野村総研の井上氏は「現在は世界中の中央銀行が大量の資金を供給している状況。超金融緩和からの出口が遅れ、過去の教訓が生かされないという懸念もある」と指摘する。
熊野氏も「金余り」の状況は徐々に強まっていると述べ、「過剰流動性供給が続く一方で、経済活動には結びつきにくい状況。企業の資金需要は弱含み傾向が続くため、金融機関は運用難に直面している」として「バブルの予兆」に警鐘を鳴らしている。
国内では、だぶついたマネーは再び債券市場に向かっているように見える。国債増発シーズンを迎えても長期金利が抑制されており、「一種の国債バブルが始まっている」(菅野氏)との見方もある。
海外では、米国やEU(欧州連合)などを中心に、中央銀行が非伝統的手段を駆使して大量の流動性を供給しており、原油や商品市場などに再びマネーが流入しやすい環境にある。水面下でマネーのゆがみが進行している可能性に対し、市場の警戒感が足元で急速に強まっている。 

(引用終了)

などの指摘です。

---

「言っていることは分かるが、単に国債消化に懸念があったり、需給バランスがミスマッチで長期金利が多少上がったりすることと、国債デフォルト(それに準じるような国債信任の低下)や、いわゆる『Xデー』とは、かなり距離があるのではないか?」

という指摘もあると思います。それに応えるためには、

(1)世界のマネーストック、世界の中でのマネーフロー
(2)日本の国債消化余力

について考える必要があります。これまでは、「経済状態の段階的発展説」や「世界同時国債多発」などの内容で(1)について考えてきました。本日は、(2)について整理したいと思います。

---

本日はデータ不足のため、おおざっぱな話になってしまいます。

現在、長期金利は安定しているように見えます。国債の需給バランスにも特に危険な兆候は見られません。たとえば、「債券相場は堅調、20年債入札無難の見方(ブルームバーグ)」などです。

では、日本全体のマネーはどうなっているのでしょうか?

7月のM3(現金・預貯金の合計) 1057兆円 (前年同月比+1.9%)

数字では、潤沢に見えます。倒産が減らず、雇用も圧縮を続けており、現実に食うに困っている人が何百万人単位で存在する今日、ミスマッチなほどの巨額のマネーに見えます。一言で言うと、マネーが鬱血しているのでしょう。

M3が増加を続けている理由として、「金融市場が不安定化したのに伴い、個人が資金を定期預金に預ける傾向が引き続き強まっているのに加え、企業も手元資金を預金に積み増す傾向を強めているため。定期預金などの「準通貨」は同3.0%増と99年1月以来の高い伸びを示した(毎日新聞)」などとされています。
それ以外にも、政府から供給される救済的資金もあり、水ぶくれ状態になっているのだと推察します。その資金の財源も、国債なのでしょうから、巨大なネズミ講のようで、なんだか意味が分かりません。

経済成長(による将来の自然税収増)は、不確かな希望的観測だと思います。少子高齢化が進む国で、経済成長が安易に期待できないことは、これまでに何度も指摘しています。

逆に、国の思い通りになるマネーとして、たとえば郵貯があげられます。過去の記事「郵便貯金と郵貯からの預託金 年金からの預託金 ともに減少 財投債で支える構造に」では、それまでの財政投融資資金の財源であった、郵貯からの預託金は、確実に減少し続けていると書きましたが、現時点で、すでに底をついている可能性がある、と考えています。

民間、機関投資家は、株式などのリスクマネーから、国内債券に振り向ける動きが顕著でした。そのため、「景気が悪い時期ほど、債券消化は順調で、金利は上がらない」ということになっていたのでしょう。債券消化が順調であれば、国はマネーを流し続けることが出来るので、自転車操業は延命、となります。

何度も指摘していることですが、「国債など債券を多量に保有している機関投資家は、国債を売り逃げることが出来ない。国と一蓮托生だ。」ということになります。

また、支出面では、何度も指摘しているように、
・高齢化などのため、社会保障費は年に約1兆円ずつ増加

つまり、

・景気の悪いうちは、各国(日本含む)政府による、潤沢な資金供給は続く
・それを財源としたり、リスクマネーの債券振り向けにより、当面は国債消化は順調
・しかし、それが自縄自縛となり、機関投資家は国債投資から大規模な資金を引き上げることが出来ない
・そのため、クラウディングアウト的な投資資金枯渇により、景気回復は遠ざかる
・「将来の先食い」である国債発行だが、その「(景気・利益水準・担税力が回復した)将来」が来ないため、現在発行された国債が償還されるべきタイミングで、破綻をきたす
・国民の資産(預貯金の価値減少であるインフレ、債券の価値減少である金利上昇、国際的な日本円の価値減少である円安、年金を受け取る権利の削減、レガシーコストの圧縮など含む)の毀損で、国債償還の財源充てるしかない

のように考えます。しかし、それがいつか、という議論については、定量的なデータが不足しているため、結論を出すことが出来ません。

ただ、冒頭の発言引用で、「日本には国債を追加発行する余力がある。1500兆とか2000兆とか、どんどん増えたら問題だが、1000兆円程度まで行っても、そこで止まれば問題ない」とありますが、国公債あわせて1000兆円はすでに突破しており、年金債務をあわせると1500兆円は超えているはずですので、すでに危険ゾーンには来ているのだと思います。

(なぜ1000兆円は大丈夫で、1500兆円は危険なのでしょうね?)

---

まとめると、

・現在、国債需給バランスは悪くなく、長期金利の動向は安定しているように見える
・直感的には、少子高齢化・国力低下のため、国債消化は自転車操業で、壮大な飛ばし
・その結果、国債を消化すればするほど、マネー面からの景気回復は遠ざる
・Xデーがいつかという結論は、このデータだけでは出ない、継続調査する

ということになります。
[PR]
# by kanconsulting | 2009-08-27 10:12 | 経済状況

アメリカと中国 これがG2 アメリカ国債と、壮大な振り込め詐欺

「米中関係が21世紀を形作る。この事実がパートナーシップを支える」(オバマ大統領)

「(今回のSEDで)米中関係の新たな枠組みを。米中のみで解決できる国際的問題はほぼ皆無だが、米中なしで解決できる問題もほぼ皆無」(クリントン長官・ガイトナー長官、ウォール・ストリート・ジャーナル)

---

これまで、中国については次のように指摘してきました。

「世界金融危機(10) アメリカの覇権はゴールドマンとともに中国に移動 流動性の枯渇と救済」

中国は、ゴールドマンサックス(GS)と密接な関係があります。もともとBRICsを言い出したのはGSです。そしてGSとアメリカ政府のつながりも明らかです。・・・寄生虫が宿主を渡り歩くように、金融資本にも新しい体が必要です。中国は、独裁国ですし法律も未整備ですので、そこから金融支配を進めるにはちょうど良いのかもしれません。

「アメリカドルのレパトリ(本国還流)はいつまで続くのか アメリカと中国の出来レースと振り込め詐欺」

・日本などの対米債権国が、保有するアメリカ国債(米債)を売れば、債券価格が下落するため、大量に売却できないというジレンマがある
・しかし、中国はアメリカ国債を交渉カードにしているなど、ずっと米国債を持ち続ける保証はない

私はさらに踏み込んで、「中国とアメリカは、アメリカ国債の扱いや為替レートの調整に関して、すでに何らかの合意がなされている。中国とアメリカのコメントは、出来レースだ。最後には日本の資金が使い込まれる、壮大な振り込め詐欺だ。」と指摘します。

「SDR2500億ドルのバラマキ 信用創造の悪魔 ゴールドの奪い合いか」

最近、SDRが話題になっています。たとえば、

・SDRをアメリカドルに代わる基軸通貨にすべき (中国人民銀行 周小川総裁)
・SDRの通貨バスケットに中国人民元を加えるべき (ノーベル経済学賞 ロバート・マンデル)
・SDRの構成資産にルーブルや人民元、金などを含めるべき (ロシア政府)

「日本人2人が13兆円のアメリカ国債をスイスに密輸未遂で逮捕・押収 実は米国債は偽造 笑えない話」

・特に最近、アメリカ国債の過剰発行が問題になっている (アメリカだけではありませんが)
・そのため、アメリカ国債とドルの下落がささやかれている
・中国、ロシアを中心として、「ドル外し」を主張したり、実行する国が増えてきている
・日本は表立ってはアメリカ国債を売ることが禁じられており(橋本龍太郎事件)、こっそりと売ろうと思ったとしてもおかしくはない

---

また、アメリカについては、

・アメリカは、若くて優秀な労働力に恵まれており、潜在成長率が高い
・しかし、対外債務国であり、継続的な資本のファイナンスが必要
・ファイナンスが困難になった時点で、自国借金の棒引き・帳消しを迫る可能性もある
・特に、10年に一度は戦争をして景気浮揚をするような体質であり、注意が必要


などと指摘してきました。

こんなアメリカと中国は、一見、仲が悪いようにも見えますが、実は共通する利害を有する「仲良し」なのだと理解しています。例えて言うと、トムとジェリーのような感じでしょうか(どちらがトムなのでしょうか)?

さて

7月末に行われた米中戦略・経済対話(SED)では、この2カ国が世界の趨勢を決定するような、2大国対話(G2)のような感じになっていると指摘されています。

・06年に始まったSEDでは、従来、米国が中国に人民元相場の切り上げを迫る場だった
・今回、中国が米国に財政再建を迫るなど、内政問題に口を出している
・一方、米国からの中国への人民元の切り上げ要求は強調されていない
・米国から中国への配慮が目立ち、立場が逆転した形

しかしながら、何度も指摘していますが、これもポジショントークであり、すでに結論が決まっていることなのだと思います。歴史を振り返ると、戦争や覇権の移動に伴う国債の売り崩しは珍しくないですし、その過程で新興勢力が大きな資金を得たということも歴史的事実です。

また、価値が下がると分かっている場合は、ヘッジをするのが普通でしょう(これほどの巨額の国債をヘッジする現実的方法があるかどうかは不明ですが)。ヘッジをしない場合には、「アメリカをまるごと買ってやろう」などといった、大きな意図があると思います。

これからの金利上昇を迎え、ドルの強制減価(切り下げ)、新ドル切り替え、ゴールド部分兌換通貨発行、アメリカの切り売り、などの奇手が用意されているのかも知れません。

繰り返しますが、『中国とアメリカは、アメリカ国債の扱いや為替レートの調整に関して、すでに何らかの合意がなされている。最後には日本の資金が使い込まれる、壮大な振り込め詐欺だ』と指摘します。

(引用開始)

攻守逆転 債権握る中国が米に注文、米は気配り 朝日新聞
2009年7月28日11時31分

【ワシントン=尾形聡彦】27日始まった米中戦略・経済対話(SED)で、米国に財政再建を迫る中国側の攻勢が目立っている。従来のSEDは、米国が中国に人民元相場の切り上げを迫る場だったが、今回は中国への配慮が目立ち、「攻守」が逆転した形だ。米国側は、オバマ大統領をはじめ主要閣僚が勢ぞろいし、2大国対話(G2)の様相もみせている。
「米国側とマクロ経済の問題について深い議論をした。米国の財政赤字が今後年々縮小していくことを希望している」
27日の経済対話の内容を、中国政府の幹部はこう説明した。具体的なやりとりは明かさないものの、米国に財政の改善を求めたことを示唆するものだ。米国の内政問題に中国が口を出すのは、米国が財政赤字を埋めるために発行している米国債の保有で、中国が昨年秋に日本を抜いて世界一になったためだ。米国の09会計年度(08年10月~09年9月)の財政赤字は過去最大に上る見込みだ。米財政の悪化が続けば、米国債の価値が下がって中国に損が出かねない。
中国側の27日午後の記者会見でも、中国メディアの記者から「米国債を大量保有して大丈夫なのか」という質問が続出。中国政府幹部は「オバマ大統領は経済が安定すれば、財政赤字減らしに注力する意向だ」と強調した。
一方で、06年に始まったSEDで定番だった米国側からの中国への人民元の切り上げ要求は影をひそめている。別の中国政府幹部は27日夜の会見で「今回は、米国は人民元相場については強調していない」と満足げに話した。
米国側からは、オバマ大統領が冒頭の演説で「米中の2国間関係が21世紀を形作る」と発言するなど、中国への配慮がにじむ。オバマ氏は「山の小道は、使えばすぐに道になるが、使わなければ、やはりすぐに雑草に覆われてしまう」と孟子の言葉まで引用してみせ、2国間の対話の継続を訴えた。今回の対話にはガイトナー財務長官、バーナンキ連邦準備制度理事会議長、サマーズ国家経済会議議長、カーク通商代表ら主要閣僚が顔をそろえ、力の入れようが目立っている。

--

e株リポート:特集 米国債暴落 毎日新聞

◇史上最大の米国債大量発行
◇マーケットは「危うい」と見始めた
米国の長期金利が急上昇している。財政悪化への「懸念」は根強く、積極財政による景気刺激と低金利政策による住宅市場回復を目論むオバマ政権にとって、長期金利上昇は命取りとなりかねない。政府とFRBの綱渡りの政策運営が続く。【週刊エコノミスト編集部・濱條元保】
「米国債の洪水をFRB(米連邦準備制度理事会)は、オフセット(埋め合わせ)できない」
米ダラス連銀のフィッシャー総裁は6月15日、地元メディアのインタビューで国債大量発行が足元の長期金利上昇の要因になっている可能性に懸念を示した。

◇赤字の「垂れ流し」
米国の赤字垂れ流し--。世界の金融市場がここに注目し始めた。
オバマ政権はブッシュ前政権が総額7000億ドル(約66兆円)で作った不良資産救済プログラム(TARP)と政権発足直後に決めた総額7800億ドル(約74兆円)の景気対策をフル活用している。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)やシティグループなど大手金融機関への公的資金注入で金融システム安定化に努め、さらには経営破綻したゼネラル・モーターズ(GM)を事実上国有化し、政府丸抱えで再建に取り組む。減税や住宅ローンの借り換えなど個人向け支援策も打ち出した。
大盤振る舞いの原資は国債だ。米政府は不況に伴う税収減も加わり、2009会計年度(08年10~09年9月)に1・8兆ドル、対国内総生産(GDP)比13%という戦後最大の財政赤字となる。財政赤字は10年度も1・3兆ドル、11年度も0・9兆ドルと高水準で続く見通しだ(表)。
巨額財政赤字に対する市場の疑念が国債価格下落(長期金利上昇)の背景にある。2%台前半に低下していた長期金利は5月以降3%台半ばをつけ、6月10日には一時4%を超えた。「09年度1・8兆ドルという史上最大の財政赤字ファイナンスをどうするか」(高島修・三菱東京UFJ銀行チーフアナリスト)が、問われているのだ。
リーマン・ショックに至るまでの米国は、まったく違う経済状況にあった。01年のITバブル崩壊後、短期金利のフェデラルファンド(FF)レートを1%まで引き下げたFRBは、04年6月から06年6月までに5・25%まで段階的に引き上げたにもかかわらず、長期金利がこれにまったく反応しない状況が続いた。グリーンスパンFRB議長(当時)は05年2月の議会証言で、これを「Conundrum(謎)」と語った。中国やロシアなどの新興国の経済発展、そして原油高で潤う中東産油国が、貿易黒字で積み上がる外貨準備で米国債を購入することが原因だと、謎の解説がなされた。
しかし、当時と現在では決定的に米国債の発行額が異なる。グリーンスパンの「謎」発言のあった05年度の米国債発行総額(ネット)は2387億ドル。それに対して、09年度は5月までに約5倍の1兆2182億ドルに達する(図1)。
そして、足元の国債発行額(ネット)は、08年第3四半期(7~9月)に5395億ドル、第4四半期に5616億ドルと急増、09年に入っても第1四半期に4684億ドルに達した。通常、所得税など税収増に伴い、ネットベースではマイナスになる第2四半期も5月までで1881億ドルと高水準の発行が続いている(図2)。

◇米国債の「サブプライム化」
米国債は、日本国債とは対照的に高い流動性とドル資産という基軸通貨国の特権を武器に世界に売りさばかれてきた。民間から流入する資金とともに、それが過剰消費に伴う巨額の経常赤字を補い、米国は高い経済成長を謳歌してきた。経済成長のための原資だったのだ。
ところが、昨年以降は違う。サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題で大きな損失を被り、自力では立ち行かなくなった大手金融機関や大企業、そして過剰債務で破綻状態の個人を救済するための原資と化した。
三菱UFJ証券の水野和夫チーフエコノミストは、投資の失敗のよるキャピタルロス(損失)の穴埋めという視点から、「米国債のサブプライムローン化が始まった」と指摘する。米国債への投資は、成長のためではなくキャピタルロスの穴埋めに過ぎず、従来のような成長は期待できない。それは米国債の減価を余儀なくさせるというのだ。
米国債は、サブプライムローン担保証券と違って、税収で償還される。しかし、「米国民の約3割が生活資金を借金に頼っている状況で、増税はおろか現状の税金すら徴収することが難しくなっている。米国債の償還は一層、厳しくなる」(水野氏)。
米国債のロスは、ドルの減価で調整せざるを得なくなる。つまり、米国債下落分をドル安という為替調整で穴埋めするということだ。ここにドル安不安もある。

◇BRICsがIMF債購入
投資家は、すでに米国債下落リスク回避に向けて行動している。
大量発行されている国債の中身に注目すると、長期国債よりも短期国債を投資家が志向していることがわかる。米財務省の資料によると、08年4月までの1年間は、短期国債発行額1106億ドルに対して長期国債は3092億ドルと長期が短期の約3倍となっていた。それが09年4月までの1年間では、短期国債4535億ドルと長期国債2689億ドルの1・7倍と逆転した(図3)。
「外貨準備で運用している各国政府が下落リスクを避けようと、米国債投資を短期化させたのが原因」(嶌峰義清・第一生命経済研究所主席エコノミスト)という。その“首謀者”と推測されているのが中国だ。
中国は欧米向け製品輸出の急増で、積み上がった外貨準備は3月末で世界最大の1兆9537億ドル。米国債保有額も4月末で7635億ドルとトップである。ガイトナー米財務長官は5月末に訪中し、最大の「お得意先」に、今後の購入について協力を求めた。
しかし、ガイトナー長官が面談した中国人民銀行元政策委員の余永定氏からは「中国は米国債を当然のように購入し続けるわけではない」とクギを刺された。実は毎月、米国債保有額を増加させていた中国が、4月は前月比44億ドル減少していた(図4)。
さらに6月5日には、中国が外貨準備でIMF債を最大で500億ドル購入することが明らかとなった。債券は準備資産であるSDR(IMF特別引き出し権)建ての発行になるとみられている。ドルに偏重した外貨準備の運用を多様化させる狙いと市場は受け止めた。
こうした中国の対応にロシアとブラジルが間髪を入れずに呼応する。
ロシア中央銀行のウリュカエフ副総裁が6月10日、保有する米国債を売却してドル資産での運用を引き下げる方針を示すと同時に、IMF債100億ドルを引き受けると発表。同じ日、ブラジルのマテンガ財務相がIMF債100億ドルを引き受ける意向を明らかにした。インドも近くこれに追随する模様で、BRICs4カ国で総額700億ドル超のIMF債を購入することになる。

◇市場からのしっぺ返し
検討されているSDR建てについても、現状はドル、ユーロ、ポンド、円の4通貨構成だが、中国事情に詳しいエコノミストの田代秀敏氏は「中国は現状のGDPでの構成比の見直しを求め、世界第2位目前の中国人民元をSDRに加えるように迫るだろう」と予想する。
政府の積極財政で需要を作る一方で、低金利継続で住宅市場を回復させ、米国経済を復活させる--。オバマ政権の景気対策の大前提は、低金利にある。3月以降、その大前提が狂い始めた。そこでFRBが力ずくでこれを抑え込もうと異例の行動に出た。3月18日、9月までに国債購入枠3000億ドルを設定したのだ。6月中旬までに約1600億ドル分を購入。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、「資産担保証券(MBS)まではやむを得なかったが、米国債購入は危うい」とみる。
直後こそ長期金利は低下したが、その後はそれ以上に上昇している。「FRB自らが(国債を買って金利を押し下げるという)歪みを作ったのだから、市場はその是正に動くのは当然」(加藤氏)。
バブル崩壊後の長く、出口のないデフレ不況に苦しみ抜いた日本を反面教師にする米国。住宅バブル崩壊後、デフレ回避にリフレ政策をとる以上、一定のインフレリスクは織り込み済みのはずだが、「とにかく国債発行額が多過ぎて、本当にこなせるのか」(第一生命経済研究所の嶌峰氏)と市場は身構える。3月はFRBが国債買い取り枠設定で乗り切ったが、中央銀行が買い続けることはできない。財政規律が失われると市場が読み出したら、危険だ。

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-08-04 12:37 | 経済状況

カマボコ(中抜き、ピンハネ)のIT化 またしてもゴールドマン・サックス 断固たるNOを

皆様は、「カマボコ」をご存知でしょうか?

白身魚(タラ)のすり身を練って焼いたものではありません。株式の成り行き取引で、顧客の注文をマーケットに取り次ぐ際に、その注文の中抜きをすることです。「株の裏」(現在は休止中のようですが)さんに詳しい説明が出ていますので、簡単に引用したいと思います。

(引用開始)

東証で一日の出来高がせいぜい数千株といったほとんど商いのない或る銘柄が、朝200円で寄り付いたとします。そして202円で千株だけ売り注文が出ていて、その後30分ほど見ていても売りも買いも新たな注文が入ってきません。
そこで担当係員に千株成り行き買いの注文を出しました。
店頭のクイックを見ていると間もなく202円で千株できたので、当然約定したものと思ってましたが、すぐに特買の気配が出てるのです。
念のため、担当に確認したところ「私の注文はできてない。一足違いで誰かが買って、今の買い気配が私の注文だ」との事。慌てて注文を取り消しました。
そしてクイックを見ているとすぐに205円の売り注文が千株だけ出てきて、その後しばらく様子をみていても、やはり他に注文が入ってきません。改めて千株成り行き注文を出しました。
すると、さきほどと同じく205で出来た後買い気配になっているのです。担当に聞くとやはり約定してないとのことで、再度注文を取り消しました。
出来高の多い銘柄ならともかく超閑散としたこんな状況で、しかも二回も続けてたまたま・・というようなことは絶対あるはずもなく、これは明らかに私の注文をみて、それに割り込んで自分でその売り板を払ってから私の注文を通したということに他なりません。
そしてそういった芸当ができるのは証券会社以外考えられません。つまり、私の成り行き注文をみて、まずその売り板を自分で買って、その後私の買い気配が少し上がったところでその株を売れば差額が丸々儲けになるとということです。

・・・

我々個人が注文を出すと、すぐに取引所に通ると思ってるだろうけど、それは間違いで、皆は知らないだろうけど「かまぼこ(サヤトリ)」というのが間にいて、そいつが、証券会社に「こういう注文がきてるけどどうしましょう?」と伺いをたてるんだそうです。
そしてディーラーが「ちょっと待たせておけ」と言ったら、そのまま何分でもほっといたりするらしいです。
そういえば、過去にも数え切れないくらいそういう場面があったけど、これで納得できました。

(引用修了)

ということです。現在の日本株式市場で、このような「成り行き発注の中抜き・ピンハネ」があるかどうかは不明です。

最近では、超高速演算によって可能となった、「他人の注文に、30マイクロ秒早く割り込んで、中抜きをする」ことが流行っているそうです。そもそも、異市場での価格裁定取引などから発生したアービトラージですが、現在では情報通信・情報処理の高速化により、単純なアービトラージはあり得ません。リスクの数値化(数学)を高度活用した方向に進化したことは皆様ご存知と思いますが、このケースは、スピードのみで勝負する「本家」アービトラージと思えなくもありません。

その前提となっているのが、取引所(胴元)が、特定のトレーダー(越後屋)に、便宜を図るという構図です。簡単に言うと、素人をカモるための出来レース、ということになります。

・米国の一部取引所は、一定の料金で、特定のトレーダーに0・03秒ほど早く市場情報を提供
・取引所とは、ナスダック市場など
・特定のトレーダーとは、ゴールドマンなど
・このトレーダーは他の投資家を出し抜く形での取引が可能、一般投資家には不可能なため、

サヤとしては、微々たる額でしょうが、市場でのすべての取引に関与できるとしたら、巨額になることは容易に想像できます。

(期待利益/日)=(市場出来高/日)*(サヤ率)

これを回避するためには、市場オープン前の寄り付きでの成り行きが有効でしょうか。それとも、微々たる額なので気にしないほうが良いのでしょうか。一般投資家をカモにする構図については、断固たるNOの声をあげなくてはなりません。

株式に限らず、FXでも、「約定価格がスリップした」というのはよく聞く話です。取引が薄い、値動きが大きいなどのケースではありえる話ですが、悪質なFX業者では、顧客の発注のサヤを抜くこともありえるとの噂も聞いています。

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

米ゴールドマン・サックス:0.03秒差使い巨利 市場情報一足早く入手し取引

【ニューヨーク共同】24日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米金融大手ゴールドマン・サックスなどが高性能コンピューターを駆使し、他の投資家よりも一瞬早く市場の情報を得た上で、こうした情報を利用した株式の売買を超高速で行い、巨額の利益を上げていると報じた。
こうした取引は情報技術(IT)システムに巨額の投資を行えるゴールドマンなどに限られ、一般投資家には不可能なため、同紙は「不公正」と批判。米証券取引委員会(SEC)も調査を始めた。
ナスダック市場など米国の一部取引所は一定の料金を受け取る見返りに、特定のトレーダーに0・03秒ほど早く市場情報を与えている。ゴールドマンなどは高性能コンピューターを使ってこうした情報を分析、他の投資家を出し抜く形で取引を行っているという。
取引に当たっては、数百万単位の注文を瞬時に処理する能力を持つシステムを活用、巨額の利益に結び付けたようだ。
毎日新聞 2009年7月26日 東京朝刊

米SEC、株取引情報を一部に優先提供する「フラッシュ」を調査
2009年7月28日9時45分

[ワシントン 27日 ロイター] 米証券取引委員会(SEC)は27日、株式の売買注文状況を100分の1秒単位の差で早く一部のトレーダーに通知する「フラッシュ」と呼ばれる慣行を調査していることを明らかにした。
SECは電子メールで「最善の取引執行とすべての投資家にとって公平な情報アクセスを確保する観点からフラッシュオーダーを調査している」と表明した。
米上院のチャールズ・シューマー議員は24日、SECのシャピロ委員長に書簡を送り、フラッシュの規制を要請。SECが措置を講じなければ、法案を提出する構えをみせた。
ナスダック(米店頭株市場)を運営するナスダック・ストック・マーケットとBATS取引所は6月初めに有力ブローカーディーラーを含む会員向けにフラッシュを導入した。
フラッシュは、「ダークプール」と呼ばれる匿名性が確保された自動的に売買をマッチングさせる取引環境でも存在する。
SECの調査は、「ダークプール」にメスを入れる形で進められており、取引所や自動トレーディングシステムのフラッシュにより市場参加者の間で不公平が生じていないか調査している。シャピロSEC委員長は6月、投資家保護や市場の一貫性にダークプールがもたらす潜在的問題について規制面の対応が必要か真剣に検討していると述べていた。
(ロイター)


(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-08-03 13:00 | 株式投資

2009年上期の貿易統計 輸出・輸入ともに過去最大の減少

輸出メインの製造業の声を聞いていますと、

・ここ数箇月、アジア向けの輸出積み増しが増えている
・景気回復の実感がないのに、不思議だ
・ユーザーの原料在庫削減が一巡したため、購買が戻ってきているのでは?
・あるいは、安値で原料を確保したいという思惑か?

などと聞こえてきます。簡単に言うと、「一時的な需要回復ではないかと思っている」ということです。

さて、少し前の話になりますが、2009年上半期(1~6月)の貿易収支が発表になりました。

09年上半期
輸出額 24兆0066億円 ▲42.7%(前年同期比)
輸入額 23兆9983億円 ▲38.6%(同)

・1980年以降で最大の減少率
・円高による輸入額の減少が大きい
・原粗油の輸入減は価格低下が一因 
 (輸入原油単価 3万5869円/kL 前年比▲55.5% US$59.3/bbl 前年比▲51.3%)

貿易収支
08年下半期 ▲7662億円
09年上半期 +83億円 黒字回復

世界景気と日本景気、輸出と輸入、にタイムラグがあるため、相対的に、貿易収支が黒字化したと見られています。ですが、貿易収支黒字は永遠に続くのでしょうか?

このブログでは、繰り返し、「経済状態の発展段階説により、世界の中での日本をめぐるマネーフローが変調し、為替などの水準も立ち位置を変えていくだろう」と指摘しています。

「貿易黒字は永遠に続かない」のだと思います。

---

世界の資産クラスとして、株式、債券、不動産、原油と各種天然資源、ゴールドを考えたとします。普通は、これらは「マネーによる価値付け」が行われますが、何度も指摘しているように『余剰のマネー(過剰流動性)』の問題があり、それらの真の価値を知ることは困難です。

そのような場合に、マネーの影響を除去するためには、物理学のように、代表的なものの価格で他のものの価格を割り、無単位にすれば良いのです。たとえばゴールドを代表にすると、

株式/ゴールド
債券/ゴールド
不動産/ゴールド
原油/ゴールド

となります。しかし、この場合には、ゴールドそのものの価値を知ることは出来ません。また、ゴールドの投機的価格変動による影響を除くことが出来ません。ですので、

株式/(世界に存在するすべての資産の合計)
債券/(世界に存在するすべての資産の合計)
不動産/(世界に存在するすべての資産の合計)
原油/(世界に存在するすべての資産の合計)
ゴールド/(世界に存在するすべての資産の合計)

などとするのが理想的でしょうか。この場合にも、そもそも「世界に存在するすべての資産」をどうやって合計するのか?資産から借金を除かなくて良いのか(純資産)?などの問題があります。また、株式が下がったり、金利が上がる(債権価格低下)と、他の資産クラスが相対的に価値が上がることとなりますので、まだ難がありそうです。

(引用開始)

貿易統計:輸出入額、最大の4割減 09年上期

財務省が23日発表した09年上半期(1~6月)の貿易統計(速報)によると、輸出額は前年同期比42.7%減の24兆66億円、輸入額は38.6%減の23兆9983億円と、ともに比較可能なデータが残る1980年以降で、最大の減少率を記録した。特に輸出は、米国向け、欧州連合(EU)向け、アジア向けの3地域とも過去最大の減少率で、08年9月の金融危機で米国や欧州が急速に消費を絞り、世界規模で貿易が縮小した実態を裏付けた。
輸出額から輸入額を引いた貿易収支は、83億円の黒字だった。08年下半期は、第2次石油危機以来28年ぶりの貿易赤字(7662億円)を記録したが、2半期ぶりに黒字を回復した。企業は輸出額の減少を受けて、原料など輸入の発注を減らす傾向があり、輸出の減少と輸入の減少はタイムラグがある。先行して減り始めた輸出額に、輸入額の減少が追いついたため、黒字になった。
輸出の地域別では、米国向けが48.9%減、EU向けが48.8%減とほぼ半減、アジア向けも38.3%減だった。ただ中国向けは32.1%減で、相対的に減少幅が小さく、輸出を下支えした。
また品目別では、欧米向けを中心に、自動車が64.6%減と過去最大の減少となったほか、半導体などが38.2%減、鉄鋼が37.0%減だった。輸入額では、原油価格の暴落と円高を受けて、原粗油が63.4%減った。
同時に発表した6月の貿易収支は、前年同月比約4.9倍の5080億円の黒字となり、20カ月ぶりに前年水準を上回った。貿易黒字は2月から5カ月連続。金額も08年3月以来1年3カ月ぶりの高水準だった。
輸出額は35.7%減と9カ月連続で減少したものの、2月(49.4%)を底に持ち直し傾向を強める一方、輸入額は41.9%減と、依然4割前後の減少が続いており、この結果、貿易黒字が急増した。財務省は「中国を中心に輸出は回復傾向にあるが、金融危機以前の水準まで回復する見通しは依然立っていない」と分析している。

毎日新聞 2009年7月23日 11時25分

(引用終了)
[PR]
# by kanconsulting | 2009-07-28 12:58