グラフはzakzakより(少し前のものなので、数字が最新の発表とは若干異なります) これまでに、次のように指摘してきました。 (転載開始)一部分かりやすいように加筆訂正しています 『2010年の幕開けに 新たなる黒き10年代の始まり 世界株式と金利・為替の未来』 ・実体経済を大きく上回る仮想経済の肥大化 ・金融資産(デリバティブ)バブル崩壊 ・リスクマネー縮小、不況入り ・各国による積極財政、景気刺激 ・資金を税収で賄えず、国債発行 ・景気悪化により、税収減少 ・各国政府の借金が増大、維持可能性懸念 ← 今ここ ・リスクマネーの消滅、金融資産の減価 ・ペーパーマネーの減価、悪性インフレ ・何かのきっかけで、連鎖的な国家破綻が引き起こされる ・富の一方的移転が、合法的・世界的に行われる ・(一部の世界権力者が絶対権力を持つ、新世界秩序の誕生) 上の表の「今ここ」付近をもう少し詳しく書くと、 ・国家財政の維持可能性リスクは、すでにアメリカ、EU主要国、日本において存在する ・現在、それが顕在化していくステージにある ・リスクが顕在化すると、リスクマネーの巻き戻し・信用縮小・金融資産の減価により、金融危機がスケールを大きくして再来する ・有事には、世界株安、債権安(=金利上昇)、ラスト・レパトリとして、実はドル高になる(ドル以外の通貨安)、加えて円高、ゴールド高 --- 『(再掲)国家破綻に至る6ステージ』 (1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】 → 中央銀行による流動性供給 (2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】 → 公的資金注入 (3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~】 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済 (4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【(追記)2010/1~? ギリシャ問題を皮切りに】 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖 (5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発 (6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用 (転載終了) 「国家破綻に至る6ステージ」の初出は2008年10月であることにご留意ください。残念ながら、現在、リスクシナリオ4に入りつつあるステージと理解しています。着々と、リスクシナリオに沿って進んでいるように見えます。(予想屋ではないので、当たった当たったと喜ぶつもりはありません) さて、先日も述べましたが、日本国政府の財政状況が日増しに悪化しています。 2013年度の試算は、景気回復が順調に進むというシナリオの元に作成されており、より深刻な事態となる可能性もあるとされています。 --- 国債、借入金、政府短期証券の合計 2008年度末 846兆4970億円 ・国債全体 680兆4482億円 ・借入金 57兆5661億円 ・政府短期証券 108兆4826億円 2009年度末 882兆9235億円(▲36兆4265億円)過去最大を更新 新規国債53.5兆円発行 ・国債全体 720兆4890億円 ・普通国債 593兆9717億円(▲48兆360億円) ・財投債 122兆2253億円(△8兆8248億円) ・交付国債等 4兆2920億円 ・借入金 56兆4063億円(△1兆1598億円) ・政府短期証券 106兆281億円(△2兆4545億円) ※借換債の前倒し発行が予定より減少し、借金の合計は当初見込んでいた約900兆円をやや下回った 2010年度末 973兆1626億円(財務省試算)新規国債44.3兆円発行予定 2011年度末 >1000兆円(確実な見通し) 2013年度 (財務省の試算) ・新規国債発行額 55兆3千億円 ・税収 40兆7千億円(2010年度 37兆4千億円) ・社会保障費 30兆5千億円(2010年度 27兆3千億円) ・国債費 27兆9千億円(2010年度 20兆6千億円)※利払いなどに充てる (引用開始) 「国の借金」最悪の883兆円 財政悪化止まらず 2010/5/10 22:28 日本経済新聞 財務省は10日、2009年度末の国債や借入金などをあわせた「国の借金」総額が882兆9235億円に達したと発表した。08年度末に比べて36兆4265億円増え、過去最大を更新した。国債を長期保有する傾向が強い国内投資家の比率が高いことなどから、市場で国債が投げ売りされるような危機に陥る可能性は低いものの、財政再建を急ぐべきだとの指摘は年々高まっている。 国の借金は国債、借入金、政府短期証券の合計で、財務省が四半期ごとに公表している。リーマン・ショックを受けた経済対策や税収減を補うために09年度に新規国債を53.5兆円発行したのが響いた。4月時点の人口推計(概算値)で計算すると、国の借金を1人あたりの借金は約693万円に達する。債務危機に陥ったギリシャは300万円程度(債務には地方分も含む)とみられる。 10年度予算では新規政策の財源不足を補うため44.3兆円の新規国債発行を予定しており、財務省は10年度末に国の借金が973兆円に達するとみている。数年内に1000兆円の大台に乗せるのは確実な情勢だ。 国際通貨基金(IMF)によると、国の借金に地方債などを加えた日本の公的債務残高の国内総生産(GDP)比率は09年末で218.6%。米国(84.8%)や英国(68.7%)を大きく上回る。 ただ、日本の場合、財政状況が悪化しているにもかかわらず、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは1.3%台と低位安定している。背景として指摘されるのが、国内投資家による保有比率が突出して高いこと。日銀によると日本国債の国内保有比率は09年末時点で94.8%で、国債を増発しても、カネ余りを背景に銀行や生保など機関投資家や公的機関が購入するため、金利が上がりにくい市場構造になっている。 ただギリシャ問題を受けて、日本のソブリン・リスク(財政の信認問題)を警戒する声も出始めた。国債が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクを売買するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、日本国債の保証料率が0.76%程度。2月下旬以来の高い水準だ。 政府は6月に中長期の財政再建目標を含む財政運営戦略や、今後3年間の予算編成指針となる中期財政フレームを策定する予定。そこで財政再建に向けた道筋を描けなければ、国債の格付けなどに影響を及ぼす可能性も指摘される。 財政構造の改革には消費税率引き上げを含む税制の抜本改革が避けられないとの見方が強い。財務省によると、欧州諸国で消費税に相当する付加価値税の税率は25%のスウェーデンを筆頭に英国が17.5%、ドイツが19%、フランスが19.6%。日本の税率5%はカナダと並び主要国で最低水準だ。 UPDATE1: 来年度新規国債発行、今年度当初の44.3兆円以下に抑制へ=菅財務相 2010年 05月 11日 11:58 JST[東京 11日 ロイター] 菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は11日、閣議後の会見で、2011年度新規国債発行額について、今年度当初予算の44.3兆円を超えないよう全力を挙げる必要があるとの認識を示した。ギリシャの財政危機に端を発した世界的な金融市場の混乱が一連の措置で安定化に向かいつつあることを歓迎する一方で、市場がソブリンリスクに注目し敏感に反応する状況のなか、「マーケットが信認しなくなったときには、、財政(状況)が厳しくなることを超えて国民生活が極めて大きな打撃を受ける」と述べ、来年度新規国債発行額を今年度以下に抑制する決意を表明した。 来年度予算編成では「中長期にわたり持続可能な財政を考えなければならない」と強調。国債発行に上限を設定することで予算規模が制約される側面もあるが、菅財務相は緊縮財政のイメージにつながるものではないと否定した。 ただ、11年度予算では、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた新規政策の実施や社会保障関係費の自然増、埋蔵金の枯渇などで10兆円前後の追加財源が必要な情勢とみられている。菅財務相は「無駄なものは大いに削る」と強調したが、国債発行抑制策の具体策への言及は避け、焦点の税制改革についても専門家委員会で議論中であると述べるにとどめた。 また子ども手当の満額実施など新規政策の実現について「当然マニフェストについて努力することは当然だと、一般的に思っている」と述べるにとどめる一方、政府・民主党間で検討中の参院選マニフェストの議論では、「財政健全化にしっかり取り組むようにとの指摘が、党からも声が強くなっている」とも語り、財源論での一体感を強調し始めたようだ。 (ロイターニュース 吉川 裕子) (引用終了)
by kanconsulting
| 2010-05-14 15:51
| 経済状況
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