来年度予算(2005年度国家予算案)

来年度予算については、諸論あると思いますが、国家予算を家計にたとえるのも、国民にとっては分かりやすいのでしょう。

【引用開始 2004年12月24日 読売新聞】

国の税収(44兆70億円)とその他の収入(3兆7859億円)の合計を、月収の52万4500円に置き換えてみた。

夫婦が苦労して稼いだ収入は、住宅ローンなどの返済(国の予算では国債費)と田舎への仕送り(地方交付税など)で3分の2以上が消え、家族が生活費(一般歳出)に使える分は14万5500円しか残らない。

支出を切り詰めようとしても、医療費(社会保障関係費)の伸びが止まらず、子供の授業料(文教・科学振興費)や台所のリフォーム費(公共事業費)などが加わって、出費額は月収を37万7400円も超えた。

不足分はカードローン(国債の新規発行)で賄うことにするが、ローン残高(国債発行残高)は計7090万円に膨らむ。

月収が52万円あっても、3分の2は過去の借金の返済と仕送りに消え、毎月40万円近くを新たに借金し続ける。

24日に決まった2005年度予算政府案の歳入と歳出を、平均的な勤労者世帯(年収629万4000円)の毎月の家計に当てはめると、国の財政が、通常の家計では考えられない危機的な状況にあることがよく分かる。

【引用終了】

これにつきましては、確かに危機的は危機的なのですが、これまでブログでも述べてきましたように

①国家経済と家計は意味合いが大きく異なり、単純に比較できない
②国家には徴税権と通貨発行権があり、国債に代表される借金を帳消しにすることも可能である
③増税、支出削減により単純に借金を減らすのでは、より不景気になる可能性もある
④長期公的債務残高は巨額になりすぎ、このままいけば国民とマーケットの信認を失う可能性もある
⑤景気の底上げとプライマリバランスの黒字化を両立できる国債管理政策が必要である

そして

⑥円と国債に対する信認が失われた場合には、マーケットによる調整が働き、国家財政破綻というべき状態になるであろう。大きな社会的損失が発生するために、国はそれを回避すべく、増税・通貨政策などで最大限の努力をするであろう。

と主張します。

憲法に定めた「公共の福祉」とは、国や国民全体のためには、国民の一部の権利や財産を制限することも合法として許される、ということです。すなわち、国家破綻という緊急事態の前には、より多くの国民の痛みを回避するために、国民の財産権の一部を制限し徴用することも合法として解釈されうる可能性がある、ということになります。むしろ当然のことでしょう。

そして、国家の借金は、認める認めないにかかわらず、そもそも主権者である国民と不可分であり、いやおう無く負担させられるべき性質のものです。日本国民である以上、法律の網、税金の網、通貨の網をくぐることはできず、負担から完全に逃れることはできません。資産については、世界分散投資することである程度のリスクヘッジはできますが、自分の生活そのものに対してリスクヘッジすることは、PT・海外移住・日本国籍離脱しかありえないためです。

さらに、国が国家破綻の回避策として「増税」「歳出カット」を取り続ける限り、もともと既定事項である出生率の低下とあいまって、日本の国力低下は避けられません。
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by kanconsulting | 2004-12-25 13:34 | 経済状況
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