「コインゲート事件」~希少硬貨投資の危うさ

皆様は、希少硬貨投資というものをご存知でしょうか。簡単に言うと、プレミアムの付いた昔の硬貨、たとえば、古いものですといわゆるローマコインや、金貨ですとUSハイレリーフなどが知られていますね。

コインゲート事件とは、オハイオ州労災補償局が、共和党の政商であるコイン商トマス・ノー氏に基金5000万ドルの運用を委託し、このうち1300万ドル(約14.3億円)が使途不明になっているという事件です。州知事が有罪となるなどの政治的な意味合いから、ニクソン大統領が失脚したウォーターゲート事件にちなんで名づけられています。この事件は、政治的な意図があって、資金運用をコイン商に委託したということです。

しかしながら、希少硬貨投資は、以下のようにも指摘されています。

(引用開始)

トレド・ブレード紙は、労災補償にあてる資金をコインに投資すること自体が「前代未聞」と批判。1998年に2500万ドルの運用を委託したが、2000年の監査でコイン投資の危うさが指摘されたにもかかわらず、2001年に再び2500万ドルの運用を任せたことに注目し、委任自体に政治的意図があったとの疑惑を指摘している。

(引用終了:朝日新聞 2005年08月20日

「労災補償にあてる資金をコインに投資すること自体が前代未聞」「監査でコイン投資の危うさが指摘された」などとあるように、安全・確実が求められる運用には、希少硬貨投資は不適なのです。政治的意図がなくても、あるいは、紛失が無くても同じことです。それは、以下の理由によります。

・マーケットが小さく、流動性が不安
・実物資産にしてはプレミアムが大きすぎる
・価格形成が不透明で、価格が適切かどうか判断しにくい
・真贋の見極め、グレードの見極めが必要など、ハードルが高い

一種の美術品かコレクションとして割り切る分には、小職は希少硬貨への投資を否定しません。しかし、「希少硬貨の価値は将来必ず上がる」という勧誘には、「そんな保証はどこにもない」と指摘します。くれぐれもご注意ください。
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by kanconsulting | 2005-08-23 22:47 | 貴金属・現物
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