株式からのリターンの根源~なぜ株式で資産が殖えるのか?

Q なぜ株式(長期株式投資)で資産が殖えるのでしょうか?

皆様は、上の質問に答えることができるでしょうか?

「良い株は、多くの人が買って値が上がるから」「安く買って高く売ることができれば儲かるから」などは、本質をついた答えではありません。

株式は、短期的にはランダムに値動きするものかもしれませんが、長期的にはそうではありません。株式とは、その会社の経営権の切り売りであり、その会社の上げえた利益の分け前にあずかる権利だからです。

株式からのリターンは、その会社の上げる利益が価値の究極の源泉です。ですので、長期的には、株式からのリターンは、ROEに近くなります。

もう少し詳しく説明すると、

株式からの期待リターン=配当利回り+ROE*(1-配当性向)
(実質株式期待リターン=配当利回り+ROE*(1-配当性向)-インフレ率)

です。

ROE:株主利益率、税引利益が自己資本の何倍か
ROE=(税引利益/売上高)×(売上高/総資本)×(総資本/自己資本)

バフェットは「ROEが高く、株主資本が増加している株に、長期投資する」ことを勧めています。今後も継続してROEが高い株式や、今後ROEが高くなる株式に長期投資することは、十分すぎる意味があるといえるでしょうね。

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また、リスクプレミアムという観点からは、次のような解釈も可能です。

株式からの期待リターン=短期金利+株式リスクプレミアム

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グラフ 日本とアメリカの株式リスクプレミアム(60ヶ月移動平均、月次リターン)



以下のヒストリカルデータをご覧ください。

<1975~99年のヒストリカル分析>
(1)短期金利からの国内株式の超過リターン
25年平均3.91%
10年平均 78~87年12.07%→90~99年-6.94%
(2)短期金利からの米国株式の超過リターン(~99年) :
10年平均14.05%
20年平均11.02%
40年平均4.50%
(3)ROEの水準:
日本 78年10.2%→98年0.9%
米国 78年14.5%→99年18.9%

多少の数字の違いはありますが、おおむね、株式リスクプレミアムとROEが対応していることが分かります。

以上より、
・株式リスクプレミアムとROEとの長期的傾向は対応しています。
・株式リスクプレミアムとROEは、両者とも低下傾向にあります。
・ROEと超過リターンの最近の傾向からは、アメリカ株式市場のリスクプレミアムは3.0~5.0%程度と予想

ただし、アメリカにおける株式リスクプレミアムの妥当な水準については諸説があり、決着が付いていません。
・4%程度(Ibbotson&Chen)
・(現在5%程度だが)今後は低下して2~3%になる(Siegel)
・0.5%程度(Mehra&Prescot)
・ゼロ、場合によってはマイナス(Arnott&Bernstein)

小職は、Arnott&Bernstの意見である「株式が債券に比べて大きなリターンを達成するには、きわめて高い経済成長や、企業の利益成長が必要だ」に同意します。そして、そのような「きわめて高い経済成長と企業の利益成長」は、エマージング諸国にて達成されるだろうと考えます。

(参考:ニッセイ基礎研究所 「株式リスクプレミアムは低下したか?」2003/7 図もここから引用)

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by kanconsulting | 2005-09-14 00:23 | 経済状況
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