大阪商人の知恵~金持ち爺さんの教え(1)「生きガネを使う」

これから何回かのシリーズで、小職のメンター(精神的指導者)の話を書きたいと思います。

小職は、大阪の「船場」といわれる、昔からの商店が立ち並ぶ町で育ちました。小職の祖父は、戦前に化粧品会社を興し、「東の資生堂、西の○○」と言われるほどだったと聞きます。しかし、太平洋戦争で徴兵され、化粧品会社は贅沢禁止令で廃業になりましたが、戦後は再び化粧品ビジネスを再開し、その後、反物問屋を営んでいました。

小職は、小さいころから祖父の家に入り浸っていました。孫は多かったのですが、その中でもかわいがってもらい、折に触れていろいろなことを教えてくれました。この祖父が、小職のメンターです。

船場の大阪弁は上品で、テレビの漫才などで見る「うるさい大阪弁」ではなく、どちらかというと京都言葉にも近い印象がありました。

小学生のころだったと思います。何かの折に、お小遣いの話になりました。祖父は、お年玉以外では、お小遣いをくれませんでした。

「ぼん、お金の使い方、知らんやろ。」
「お金はな、世の中を回るもんなんや。そやから、生きガネを使わな、あかんのや。」

生きガネ?何日か、その言葉が頭の中を回りました。貯めるだけでは、ダメなのか?単にケチ(締めるところは締める)では、ダメなのか?

ある日、たまらず、聞いてみました。

「生きガネ言うんわな、ヒトが喜んで、自分が喜んで、おカネも喜ぶ、そおゆう、おカネの使い方のことや。」

おカネを使って自分が喜ぶのは理解できますが、ヒトが喜ぶとは?ましてや、単なるモノである「おカネ」が喜ぶとは、どういうことなのか?さっぱり、わかりませんでした。

「ぼんには、まだ早いな。もう少し、大きゅう(大きく)なったら、教えたる。」

この続きを教えてもらうのは、ずいぶん先のことになるのです。この短い一言の中に、「ビジネスの真髄」と「投資の真髄」が含まれているとは、そのときは思いもよらなかったことなのです。

(今日の大阪弁)
ぼん 本来は丁稚の意味、転じて商人の息子などの愛称(?) 「ぼんぼん」とも言う
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by kanconsulting | 2006-02-24 22:18 | 大阪商人の知恵
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