「ワイロ・カルテル・談合」はなぜ悪いのか? ~日本の「公共事業支出/GDP比」は他国の2倍~

「ワイロ」「カルテル」「談合」による価格操作が悪いのはなぜだと思いますか?考えてみてください。

(法律で規制されているから、というのは本質的理由になりません。)

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正解は、株主・消費者・納税者・社会全体に損失を与えるからです。

価格には、需給バランスを伝える情報という、重要な側面があります。

なんらかの圧力で価格を操作することは、市場に誤った情報を伝え、そのために、過剰なリソースがその業界に集まることになります。その維持のために、リソースがムダに浪費されることになります。このムダは、株主・消費者、ひいては納税者、最終的には社会全体が負担するものです。

逆に言えば、他の業界はリソースが不足することで、社会全体の適切な産業構造が歪みます。すなわち、経済効率の悪化を通じて、社会全体に損失を与えます。

このあたりは、「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ(3)/安間伸」にくわしく掲載されています。

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これまで、このブログでは、
「国家予算(一般会計+特別会計+地方)がGDPの半分に到達しており、正常な財政運営とは言えない
「日本の公共投資は、投資に見合ったリターンが得られておらず、ムダが多すぎる
「予算を使い切ることが目的となっており、国民の税金を扱っているというモラールが崩壊している
などと指摘してきました。

たとえば、公共事業支出/GDP比は、日本:6~10%、先進国(アメリカ含む):2%程度、とされています。総額ベースにおいても、アメリカの2倍は使っていることになります。(図は、「国、自治体の未曾有の財政危機/青山貞一」より引用)

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具体的には、以下の引用のような記述が見受けられます。ですので、全銀協(全国銀行協会)は、基礎的財政収支の改善を達成するための具体的な手段のうち、歳出削減のトップ項目に「公共事業支出を他国並みに削減(GDP比で半減)」をあげています。

(引用開始)

公共投資(政府固定資本形成費。国と地方の公共事業費の合計から用地費を除き、、施設費を加えた額に相当する)のGDPに占める割合を、主要先進諸国と比べてみると、日本の公共投資/GDP比は異常に高く、80年代半ば以降、増大傾向のまま推移している。99年度の政府建設投資は、政府投資の約89%、GDP全体の約7.1%を占めた。

97年3月1目付の「ニューヨーク・タイムス」は、「日本の破産への道は公共事業によって舗装されている」という見出しで「日本は、ペンタゴン(米国防省)が支出している国防費よりも多い3,000億ドノレを公共の建設事業に支出している」という準トップ記事を掲載した。政府は、公共投資の生産誘発効果・乗数効果を重視しており、景気刺激策として、3年連続(99・00・01年度)で国家予算の中に、9兆4,O00億円規模を確保、使途を定めない公共事業予備費も3,000億円確保している。

(引用終了:釜ヶ崎における福祉型自立の障壁と課題

また、以下の参考図書に見られるように、「日本は、過度の統制経済国家」とする指摘もあります。
「特別会計への道案内―387兆円のカラクリ/松浦武志」
「日本が自滅する日―官制経済体制が国民のお金を食い尽くす/石井紘基」
「官僚天国日本破産/石井紘基」

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小職はこのブログにおいて、「単に穴を掘って埋めるだけでも、乗数効果がある」とするケインジアン的発想を、「もはやそのような時代ではない」と厳しく否定してきました。

なぜならば、そのような「統制経済」の行き着く先は、国全体の終焉であるからです。そのことは、ソビエト連邦を含む共産圏諸国のたどってきた道、あるいは北朝鮮の現状を見ればわかるはずです。
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by kanconsulting | 2006-05-31 00:19 | 経済状況
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