「非市場性国債(満期保有前提国債)」の発行へ

国債管理政策上、マーケットに(需給バランスを超えた)多量の国債が流出すると、市場が不安定になることは直感的に理解していただけると思います。

国公債を多量に保有している機関(日銀・地方公共団体・特殊法人・公的年金・郵貯・簡保などの公的機関・準公的機関、銀行・保険・証券などの機関投資家)は、今後の金利上昇によって、債券の評価損をこうむります。特に機関投資家は、ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)でもカバーできない債券については、市場で売却することになるでしょう。

この『国公債の投売り』が、国家財政破綻の口火となることは、これまで何度も指摘している通りです。

それを回避するのには、大きく2つの方向があることがわかると思います。

①国公債を、マーケットで売却させないこと
②国公債を、売却しない公的機関にもっと保有させること

いずれも、その動きが見られます。

①については、量的緩和解除・ゼロ金利脱出を踏まえた、破綻回避のための奇策でしょう。
主なターゲットは、すでに多量の国債を保有している準公的機関が、金利上昇による評価損を計上せずに、国債を保有し続けることが狙いのように思います。

②については、要するに「日銀による国債引受を、積極的に行う」ということを意味します。
危険な手段だと思います。

(引用開始)

① 満期保有前提の国債、財務省検討

財務省は満期までの保有を前提とする「非市場性国債」の発行に向けた検討に入った。市場での売買を通じ価格が変動する通常の国債と異なり、購入後に金利が上昇した場合に生じる会計上の損失を回避できるのが特徴。需要動向を踏まえたうえで、銀行などの機関投資家向けに2―3年後にも発行できるよう詰める。
財務省が21日に開いた国の債務管理の在り方に関する懇談会で、今後の検討課題として示した。投資家からは新型国債について償還までの期間が5年程度の商品を要望する声が上がっている。満期保有を条件に時価会計を適用しないルールとするため、何らかの譲渡制限を設けて売買を規制する仕組みなどを検討する。

(NIKKEI・NET 2006/06/22 07:00)

---

② 財務省、FB発行者として日銀と今後も緊密に連絡=幹部

財務省は21日に開かれた国の債務管理のあり方に関する懇談会(座長=本間正明・大阪大学大学院教授)の席上、政府短期証券(FB)の発行者として日銀とは緊密に連絡をとり情報交換している、とし、今後ともこうしたことを続けていく、との考えを述べた。
懇談会終了後、同省幹部が明らかにした。
日銀の出席者からも市場をよく注視している、との趣旨の発言があった、という。
同懇談会で、ある出席者から「FBの発行額は多額に上るため、FBの発行によって短期市場を不安定化すべきでない」との意見が出され、これに財務省出席者が応じた。
また、出席者からは「現在、日銀の国債買い入れ対象になっていない30年国債を対象に入れてほしい」との声が出され、日銀からは「対象にしないと決めているわけではなく、引き続き、検討課題だ」との説明があった、という。
このほか、同懇談会では、50年債や20年物価連動債の新規発行など商品性の多様化などが今後の検討課題として示された。ただ、同省幹部は「実施するかしないかを含めて現段階ではまったくの白紙」としている。

[東京 21日 ロイター] アサヒ・コム

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2006-06-23 23:45 | 経済状況
<< 閲覧数 7/1 国家債務残高(国の借金)は20... >>