月1兆2000億円の長期国債買い入れ 日銀法の精神は?

日銀は、ゼロ金利政策を解除しても、「長期国債を月額1兆2000億円ずつ買い入れる現行の措置」を続ける方針だということです。この措置は、「市場に必要以上の資金を供給する量的緩和策」には不可欠でした。2001年3月の開始当時は、月4000億円でした。

一般的には、いったん市場に出回った国債を買い付ける「買いオペ」とされていますが、手続き上の迂回操作であり、実質的には「日銀による国債引受け」と変わりありません。「中央銀行(日銀)による国債直接引き受け」を禁止した日銀法の精神に違反していると考えます。

日銀が長期国債を月額1兆2000億円、年間14兆円も買い続ける理由は
・買い入れ額を減らせば国債市場の需給が悪化し長期金利が急上昇する懸念がある
・長期金利の過度の変動を防ぐ
・金融市場の動揺と、景気への悪影響を抑える
ということです。

大事なことなので、もう一度書きます。

『(日銀による)買い入れ額を減らせば、国債市場の需給が悪化し、長期金利が急上昇する懸念がある』

あっさりと書いていますが、この意味を、良く考えてみてください。

『日銀が国債を買わなければ、国債は余る。日銀に代わる、多量の国債を買える主体はいない』

ということを示唆しています。

(引用開始)

ゼロ金利解除へ日銀あすから会合 長期国債購入は堅持

日銀は13、14の両日、政策委員会・金融政策決定会合を開き、市場動向を最終的に確認した上で、ゼロ金利政策の解除に踏み切る見通しだ。利上げは6年ぶり。さらに、会合後の発表文で極めて低い金利を当面維持する考えを表明することを検討。現在行っている月1兆2000億円の長期国債買い入れも堅持する方針だ。解除後も、景気下支えに努める姿勢を強調する。

日銀は景気の先行きについて、設備投資の過熱が抑えられる一方、消費が堅調に推移して牽引(けんいん)役となるシナリオを描く。しかし、6月の景気ウオッチャー調査や消費動向調査がいずれも悪化するなど、消費の鈍さを示す指標がこのところ目立っており、企業経営者は「最終消費者に近い企業ほど、強気一辺倒ではなくなってきた」(大手生保首脳)と指摘する。

ゼロ金利解除によって長期金利が上昇すると、景気に悪影響が生じるとの懸念も出ており、谷垣禎一財務相は11日の会見で「長期金利の動向は大変な関心事。そのあたりも(日銀は)見て判断してほしい」と強調。長期金利が急上昇しないよう、日銀に月1兆2000億円の長期国債の買い入れを継続するよう求めた。

一方、日銀は「企業部門から家計部門へのバトンタッチが多少遅れているだけだ」(幹部)と分析し、消費のもたつきがゼロ金利解除の障害にはならないとみている。

ただ、米経済減速などのリスク要因も残っており、解除後も一定の景気下支えは必要と判断。長期金利の急上昇に対しては日銀も強く警戒しており、長期国債買い入れは現在の規模を継続する考えだ。

(引用終了 FujiSankei Business i. 2006/7/12
[PR]
by kanconsulting | 2006-07-12 23:50 | 経済状況
<< 閲覧数 7/16 「2009年、中国の攻撃で日中... >>