日本の本当のGDPは? ~民間活力の相当分は公表値の半分程度?

日本の本当のGDPはどれほどか、皆様はご存知でしょうか?(GDP=国内総生産とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額を意味します。)

日本のGDPは、500兆円程度(H17・名目)です。

その中で、政府活動支出・公的資本形成による、いわゆる「公的資金の寄与」が、120兆円程度あるとされています(H12)。この中には、政府が間接的に関与する事業、つまり、第3セクターや事業法人、特殊法人(建設・設備投資を除く)の寄与分は、算入されていません。

つまり、GDPのうち、120兆円+アルファ(3セク・特殊法人など)は、非民間の数字なのです。これらの数字は、税金を再分配しているに過ぎず、新たな活力と付加価値を生み出しているとは言いがたいと考えます。

「+アルファ」の額は不明ですが、特別会計の規模が250兆円(単年度)であることを考えると、やはりそれなりの数字なのではないでしょうか。控えめに、10兆円~50兆円と仮定しましょう。

さらに、帰属家賃の問題があります。

一般の賃貸住宅の家賃は、GDP統計に反映されています。持ち家の場合は、貸主と借主が同じであるとみなした上で、これもGDP統計に反映されています。後者を帰属家賃と呼び、家計最終消費支出に「持ち家の帰属家賃」が含まれます。もちろんこれは、統計上の処理のための架空の家賃であり、実際の家賃ではありません。帰属家賃に似たものとして「農家の自家消費」もあり、これらの額は合計80兆円あるとされています。

これらを考えると、

『日本のGDPのうち、「民間の活力」相当分は、250~300兆円程度』

として、公表値の半分程度であることがわかります。

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「だから何だ。何か問題があるのか?中国の統計よりマシだ。」とお思いの方もおいででしょう。ですが、公的資金の寄与分が大きいということは、日本は「統制経済国家」であることを意味します。

(引用開始)

「「ワイロ・カルテル・談合」はなぜ悪いのか? ~日本の「公共事業支出/GDP比」は他国の2倍~」

これまで、このブログでは、
「国家予算(一般会計+特別会計+地方)がGDPの半分に到達しており、正常な財政運営とは言えない」
「日本の公共投資は、投資に見合ったリターンが得られておらず、ムダが多すぎる」
「予算を使い切ることが目的となっており、国民の税金を扱っているというモラールが崩壊している」
などと指摘してきました。

小職はこのブログにおいて、「単に穴を掘って埋めるだけでも、乗数効果がある」とするケインジアン的発想を、「もはやそのような時代ではない」と厳しく否定してきました。

なぜならば、そのような「統制経済」の行き着く先は、国全体の終焉であるからです。そのことは、ソビエト連邦を含む共産圏諸国のたどってきた道、あるいは北朝鮮の現状を見ればわかるはずです。

(引用終了)

参考図書もご覧ください。

「特別会計への道案内―387兆円のカラクリ/松浦武志」

言わずと知れた、特別会計についての金字塔です。日本の国家予算は、特別会計を抜きにして語ることは出来ません。小泉改革においても、特別会計を改革するといいながらその試みは遅々として進んでいない(進めたいと思っていない?)のが現状です。

「日本が自滅する日―官制経済体制が国民のお金を食い尽くす/石井紘基」

日本が「資本主義ではなく、社会主義的な計画経済」の国であることを明らかにした書籍です。著者は国会議員でしたが、2002年に刺殺されています。この事件には不審な点が多く、このような事実を公表されることを嫌った勢力による計画的な暗殺だったとする声もあるほどです。

「官僚天国日本破産/石井紘基」

上の書籍の内容を、マンガで分かりやすく公開したものです。
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by kanconsulting | 2006-08-22 21:19 | 経済状況
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