「買いを急がせるものにロクなものはない」 投資には見送りの三振はない ファイナンシャル・リテラシー

たとえば、次のような質問のメールをいただくことがあったとします。

「資産を守るために、○○に投資しないとダメでしょうか。締め切りが迫っているので、今すぐに決めないといけません。」

結論から言うと、「今すぐに決める必要はありません。どうしても今すぐに判断せよということなら、今回は見送るほうが賢明です」ということです。

それはなぜでしょうか?

まず、申し上げたいのは、「買いを急がせるものにロクなものはない」ということです。

・なぜ、そんなに締め切りが早いのか
・似たファンドは、半年~1年に1回は設定されており、今回でなければならない理由は何か
・そもそも、その○○に投資することで、資産を守れると言っているのは誰か、その理由は何か
・○○の投資家が保護される仕組みは何か?(信託制度?)
・○○の信用リスクはどうか?(公式な目論見書を読んだか?評判をインターネットで検索してみたか?)
・すべての前提として、自分自身のポートフォリオは健全か?全体としてリスクを低減できるようになっているか?

そして、「締め切りで焦らせて、正常な判断力を奪う」というのは、詐欺の常套手段なのです。よく観察し、よく考えることは、詐欺にあう確率を減らす点でも重要です。

世界三大投資家のひとり、ウォーレンバフェットはこう言います。

「投資の世界には、見送りの三振はない。

投資家が、バットを持ってバッターボックスに立つと、市場という名のピッチャーが、ボールをど真ん中に投げ込んで来る。もし買う決心がつかなければ、バッターはそのチャンスを見送ればいい。野球であれば、ここで審判が、ストライク!と言うが、投資の世界では誰も何も言わないのだ。

(だから、自分が打ちたいと思えるボールが来るまで、待ち続けていいのだ。)

ウォーレン・バフェット

特に、「国家破産・財政破綻でハイパーインフレだ!」というような煽りには、いつにも増して、注意深く、ボールを見なければならないのだと思います。

重要なことなので、似たケースに遭遇した場合は、もう一度、よくご自身で考えてみてください。

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関連した過去のエントリーも参考にしてください。

(引用開始)

「財政破綻と、キャピタルフライトにおける合成の誤謬」

何度も書きますが、このブログでは、「財政破綻が絶対来る!」とは一言も書いておりません。あくまでも、「財政破綻のリスクが気になる人とともに、その原因や対応策を考える」ことがメインテーマなのです。

同時に、「危機感を煽るような商品は、破綻商法・詐欺商法の可能性があり、くれぐれもご注意ください」と書いているのです。

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【ご注意】 「国家破産・財政破綻対策」系の情報商材への注意喚起

最近、「国家破産・財政破綻対策」系の情報商材が増加しているようです。小職が確認しているだけでも、相当な数の有料情報が出回っています。

内容を確認しますと、

・FX(外国為替取引)で、指標などをもとにトレードするもの、複数通貨に分散投資するもの
・株式で、指標などをもとにトレードするもの
・マンインベストメント(英国系商社)などのヘッジファンドに投資するもの
・海外銀行を使うもの

などが多いようです。中には良心的なものもあるようですが、いたずらに危機感をあおる割に中身の薄い、悪質な商材も多いようです。

小職が確認したところ、以下のような問題があるように思います。

危機感をあおって「これなら対策になる!」と書く割には、対策として十分ではない
・情報の価値が薄いことが多い(単なるファンドの紹介が多い)
・トレード系は、一般的に言って、リスクが高い方法を紹介している
・内容の割には情報の値段が高い(これは個々の感受性にもよる思いますが)

読者の皆様におかれては、くれぐれも、悪質な情報をつかまされたり、それだけでは済まずに大きな損失を出されることのないように、お願いします。

特に、キングスレーキャピタル・アンカーポートなどへのスキームがはっきりしていない投資、MLM・マルチ商法を勧めるものは要注意です。

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「新年ご挨拶」

2006年がどのような年になるのか、小職には判りません。小職は予言者でも超能力者でもなく、ましてや予想を生業にするエコノミストでも、強気予想をもとに顧客にババ株をつかませる証券会社の営業でも、弱気予想をもとも顧客に変な海外ファンドを買わせるブローカーでもありません。どんな1年になってもいいように、事前に備えておくことが重要なのです。

いずれにしましても、「予想を生業にするエコノミスト」「強気予想をもとに顧客にババ株をつかませる証券会社の営業」「弱気予想をもとも顧客に変な海外ファンドを買わせるブローカー」などの『外野』の意見に惑わされること無く、冷静な行動をお願いします。

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誰がカモか? ~日本株は投資か?投機か?

小職は、このブログなどで、「日本株は長期投資に向かない。正しいやり方を身につけない内は、日本株に手を出してはならない」と主張してきました。また、昨年に日本株が加熱してきたときには、「危険水準に入ったので、日本株からはいったん撤退してください」と申し上げました。

「ポーカーを30分したとして、もし誰がカモか分からなければ、カモはあなただ。/ウォーレン・バフェット」

この鉄則を知らない限り、仮に儲かったとしても、その儲けを吐き出す日が来るのだと指摘します。

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会計監査のはらむリスク ~日本市場にひそむ悪

・・・「資本市場の取引は企業の経営内容の正しい開示が前提」なのです。この前提が裏切られている以上、「財務諸表を信じない」「日本株では長期株式投資をしない」というのが、適切な自己防衛です。

どうしても株式投資をしたいと考える場合は、
・自分で、財務諸表の正当性や、粉飾を見抜く分析力を身につけること
・財務諸表の監査が日本より厳しい、アメリカやヨーロッパ上場の株式に投資すること
・個別株のリスクが事実上存在しない、ETF投資をすること
が必要なのだと考えます。

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投資本の9割はクズ~「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(4)

結論から言いますと、投資に関する書籍のうち、9割はクズです。しかも悪いことに、ある程度経験を踏まないと「投資本の9割はクズ」ということがわからないのです。

ではなぜ「良書は1割」なのでしょうか?ホンネの本は、どうしても「一般投資家を食い物にする利益構造、そういった構造からの脱出(売買技術を磨く)」に触れますので、業界から敬遠されるということがあるのでしょう。

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「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(3)

残念なことに、本屋には「どうしようもないクズ同然の、投資本、株式本、外貨本」がたくさん積まれています。そして、それを買う人には、それが「どうしようもないクズ同然」であることが分からないのです。

これまでの、投資に対する先入観を捨て去ること。「儲かる株式投資の本」「儲かる外貨取引の本」といったハウツー本を捨てること。「世の中には、儲かる限定情報・早耳情報がある」という考えを捨て去ること。「一発当ててやろう」という射幸心を捨て去ること。

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「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(2)

小職は以前より、「ファイナンシャルリテラシーを磨くためには、世に出ている投資本のほとんどはクズだ」と思っていました。

・・・『資料について、もし、あなたの身になって選べば、日経の綴じ込み、「月足20年」「四季報」「会社情報」「株価総覧」以外は、不必要どころか有害だから、即刻捨てるようにと言った。』

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「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意

「あなたもこうすれば株式(外貨)で丸儲け!」系の本は、毒です。今すぐ捨ててください。なぜ毒なのか?それは、あなたから「自分で投資について考える能力を奪う可能性が高い」からです。どの銘柄がお勧めかを知るより、最優先でまず、自分で考える能力=ファイナンシャル・リテラシーを身に付けることです

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ライブドアショック ~すべての皆様に

小職は、以前より主張しているように、以下のような考えを持っています。

・日本株式は、外国株式に比べて、長期投資に向かない
・特に、二部、新興市場には、素人は手を出してはいけない
・どうしても日本株式で利益を上げたいと考える場合は、「正しい投資」を行う必要がある
・信用買いは禁止。信用買いで担保に株式を差し入れるのはもってのほか。

・・・一般的には、「投売り」は、買いです。ですが、世界を見渡してみると、「多少ディスカウントになったからといって、あえて日本株を買う必要はない」のです。

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「日本株式投資の真実」

小職は、以前から次のように考えていました。

①日本株式は、人口動態などから、今後長期での成長が期待できない。
②日本株式は、外国株式に比べて、株価の割に利益が少ない。(PERが高い=長期投資は不利)
③日本株式は、投資家への還元姿勢が弱い上に、投資家を損させるような姿勢が見られる。
④特に、今後の日本が財政破綻を迎えた場合には、日本株式は紙くずとなる可能性がある。

また、日本株式では額面発行増資が廃止され、すべて時価発行増資となったことから、長期投資を日本株式で行うのは難しいと言えるでしょうね。

(投資家を損させるような姿勢が見られる)
・エクイティファイナンス・IPOで、多量の株式が供給されている。(株主価値が希薄化している)
・MSCBなどの、既存の株主利益を損なう手段が安易に取られすぎている

・・・よく見てみると、『今の日経平均はバブル時のピークの4割ですが、日本株式の時価総額はピークの8割に達している』のです。・・・これをバブルの再来と言わずして、何をバブルの再来と言うのでしょうか?

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「IPO(新規公開株式)の注意点」

②「(IPOの株式を公開で)売るほうは、会社が将来利益を上げなくても、プレミアムで高くなったPER分の将来利益を手にすることができる」

これは、「株式公開すれば、オーナー・ストックオプション保持者は爆発的に儲かる」ということの裏返しなのです。また、将来有望そうに粉飾した会社が新規公開していることからもわかるように、「合法的な詐欺まがい」のようなIPOがあることも注意しなければいけません。

(引用終了)

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海外銀行を使うテクニックは「国家破綻に勝つ資産保全 オフショア編」
海外ヘッジファンドへの投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ヘッジファンド編」
海外証券会社を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ETF編」
外国為替取引(FX)を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 FX編」
を参照ください。
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by kanconsulting | 2006-10-06 20:28 | 資産保全一般
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