経団連、法人税、日本版ホワイトカラーエグゼンプション(自律的労働時間制度)

経団連が、政府に圧力をかけて来ていることは、皆様ご存知と思います。現在の法人税の実効税率は39.54%です。高いでしょうか、それとも妥当でしょうか?

法人税は、経費を引いた後の「利益」にかけられる税金です。

サラリーマン 納税額=(給与-控除)*税率 控除はほぼ固定されており、自由度は少ない
法人(会社) 納税額=(売上-経費)*税率 経費の自由度は非常に大きい

小職は、
・企業は、現在の法人税率だと、企業の活力が削がれる、と主張している
・要するに、企業利益のために、納税額を下げたいと言っているだけ
・税率が高いから国際競争力が低い、というのは経営の言い訳に過ぎない
と考えます。

事実として、『税率の低下、法人税優遇は投資を活性化する。法人税の廃止は究極の規制緩和』です。

特に、法人の設立において、いくつかの条件を満たせば、事実上法人税を納めなくても良い「オフショア国・地域」が存在します。(一般的には)狭い国土に、多くの海外資本の本社・財団法人・ファンドの登録地になっています。

ですが、オフショア国でも、税金が優遇されるのは「外国から資金を持ち込んで、オフショア国外向けの商売で、オフショア国で法人登録をする」場合であり、オフショア国内向けの商売には税金がかかるのです。

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しかしながら、『重税国家からは、余力のあるものから逃げ出す』というのも、歴史を鑑みると説得力があるというのも事実です。

これまでも、総額人件費の抑制(成果主義による固定パイの配分)、派遣などの非正規雇用の増加による人件費の圧縮などにより、日本企業の利益水準は回復してきました。行き過ぎた企業は、偽装請負などの違法行為まで手を染めたというのも事実です。

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小職は、日本の労働環境について、以下のように予測します。
・ホワイトカラーの海外アウトソーシングの進行
・日本版ホワイトカラーエグゼンプションの導入※
・二極化の更なる進行
・最低賃金の低下

※ホワイトカラーエグゼンプションとは、自律的労働時間制度とも言います。正確には、White Collar exemption=ホワイトカラー労働時間規制撤廃制度となります。一定の事務・技術労働者を対象に、労働時間に関する法規制から除外する制度です。簡単に言うと、残業という概念をなくし、残業代を支給しなくても良い制度です。アメリカで導入され、日本でも経団連が強く要求しています。経団連は、対象者として、年収400万円以上のホワイトカラーをイメージしているようです。

この件に関して、日本より10年は進んでいるアメリカのケースを見ると、日本の10年後がわかろうと言うものです。

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法人税引き下げに関して、以下のニュースを見てみましょう。

(引用開始)

自民党の安倍晋三新総裁は22日午前、党本部で日本経団連の御手洗冨士夫会長と会談した。安倍氏が自民党総裁に就任後、御手洗氏と会談するのは初めて。御手洗氏は法人税率の引き下げや規制緩和など経済活性化に向けた政策の実現を要請した。

ニッケイネット

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日本経団連の御手洗冨士夫会長は10日の記者会見で、政府が決定した「骨太方針2006」について「企業の成長力を維持する切り口から税制改革の議論を進めてほしい」と強調し、法人税率の引き下げを求めていく考えを示した。
御手洗会長は「日本の法人税率は高い。(アジアの)近隣諸国や欧州でも法人税率を下げて国際競争力をつけようという明確な流れがある」と指摘。骨太方針が掲げた名目経済成長率3%を達成するためにも、法人減税が必要との認識を示した。消費税の社会保障目的税化は「国民にわかりやすく、透明性が高まる」と評価した。

ニッケイネット

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日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は、・・・、持続的成長を維持する上で、「活力を失わないために直接税と間接税の直間比率の是正を求めていく」と述べ、政府に対し消費税の引き上げと法人税の引き下げを求めていく考えを改めて示した。

ニッケイネット(2006/8/28)

(引用終了)

自律的労働時間制度・ホワイトカラー・エグゼンプションについて、関連したブログを紹介します。
「新小児科医のつぶやき 自律的労働時間制度について考える」
「新小児科医のつぶやき ホワイトカラーエグゼンプションにもう少しこだわる」
「新小児科医のつぶやき ホワイトカラー・エキザンプションにまだこだわる」

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by kanconsulting | 2006-10-02 23:44 | 経済状況
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