「近未来通信」営業停止 詐欺的商法の「甘い言葉と派手な広告」とファイナンシャル・リテラシー

IP電話サービス事業の「近未来通信」が営業を停止しました。

これまで、営業妨害となる可能性がなるためコメントを控えてきましたが、「有名人※を使った派手な新聞広告」「高い配当金」をうたう近未来通信は、ファイナンシャル・リテラシーのある方なら、「君子危うきに近寄らず」として避けるでしょう。そもそも、一般人から出資金を募る時点で、「マトモな資金調達が出来ないのでは?」と疑ったほうが良いかも知れません。

※巨人の宮本和知選手、大地真央だったと思います

思い起こせば、豊田商事、ベルギーダイヤモンド、オレンジ共済、その他の詐欺的商法には、「甘い言葉と派手な広告」がつきものでした。平成電電もこのカテゴリーに入れても良いかも知れません。

さて、うたい文句は以下のとおりでした。
・IP電話の中継局のオーナーになることで、労働しなくて副収入を得られる
・具体的には、投資家に通信用サーバーを購入してもらい、電話利用料から配当する
・投資には複数のタイプがあり、最低1100万円
・一説には、1000万円出資すると、月80万円配当があり、1年で出資額が戻るとのこと

問題点は複数ありました。
・法律で義務づけられた決算の公告を全く行っていない
・貸借対照表・損益計算書は、閲覧を認めるだけで、コピーは渡さない
・しかも、「流動資産」「流動負債」「営業利益」の内訳は明かしていない

入口(勧誘資料)は豪華でも、出口(決算書)が見せられないというのは、詐欺的商法の必然です。タコ足操業ならば、入口から入ってくるお客が増えなくなれば、自動的に破綻するからです。

何度も書きますが、『どのような投資がお得であるかを探す前に、まず最優先で、ファイナンシャル・リテラシーを身につけること』です。

過去の記事から転載します。

「【詐欺にご注意】「株でもFXでもない海外投資で日5-10%の利益を出す」というハイプ(HYIP)に潜む甘い罠」

ファイナンシャルリテラシーの重要な項目に、
「理解できるものに投資をする = 理解できないものに投資をしてはならない」
「リスクとリターンを比較し、冷静に判断する。投資しないのも判断のうち」
があります。

リターンが過度に大きい場合は、
・なぜリターンが大きいのか
・儲けを生み出す仕組みは何か、詐欺的ではないのか
・それに見合ったリスクか
を十分に考える必要があります。

・・・

「「買いを急がせるものにロクなものはない」 投資には見送りの三振はない」

「資産を守るために、○○に投資しないとダメでしょうか。締め切りが迫っているので、今すぐに決めないといけません。」

結論から言うと、「今すぐに決める必要はありません。どうしても今すぐに判断せよということなら、今回は見送るほうが賢明です」ということです。

それはなぜでしょうか?

まず、申し上げたいのは、「買いを急がせるものにロクなものはない」ということです。

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関連するニュースを掲載します。

(引用開始)

近未来通信、見せぬ経営実態…決算公告1度もなし

投資家から資金を募ってIP電話事業を行う「近未来通信」(東京都中央区)が、旧商法(現会社法)で義務づけられた決算の公告を全く行っていないことが分かった。
同社は、電話事業が実態を伴っていない恐れがあると読売新聞が報道した後になって、事業の「共同事業者」と位置づける投資家にも決算書の一部を閲覧できるようにしたが、具体的な記述に乏しくコピーもできない。企業財務に詳しい公認会計士は「この決算書では、実際に電話事業が行われているのか投資家に分からない」と指摘している。
旧商法では、株式会社の決算は、定時株主総会で承認を受け、貸借対照表かその要旨を公告する義務がある。公告を怠ったり不正な公告をしたりすれば、100万円以下の過料となる。
近未来通信は、法人登記簿で公告を「官報に掲載する」としているが、官報に公告されたことはない。また、ホームページで売上高の推移は紹介しているが、資産や負債の状況は一切明らかにしていない。
今年8月末、同社の電話事業には実態が乏しく、投資家への配当の大半は別の投資家から集めた資金が充てられていることを読売新聞が報じると、投資家から、経営状況を示す貸借対照表や損益計算書の公表を求める声が相次いだ。
このため、同社は9月、2005年7月期の貸借対照表と損益計算書を本社と各支店に配布したが、希望する投資家に閲覧を認めるだけで、コピーは渡していない。しかも、この決算書では、保有する預金などを示す「流動資産」、借入金を示す「流動負債」、本来の事業に伴う「営業利益」などについて、それぞれの総額は記してあるが、内訳は明かしていない。
元大手監査法人の公認会計士は、「資産と負債の内訳が分からず、この決算書では何をやっているか分からない」と指摘。別の会計士も「投資家が共同事業者なら、その資金でどれだけ売り上げがあるのか明示しなければならない。極めて不親切な決算書だ」と批判している。
同社代理人の弁護士は、「閲覧で、情報開示の責任は必要最小限度、足りている。(開示方法とその内容は)当社は不都合と考えていない」としている。

(2006年11月14日3時5分 読売新聞)

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近未来通信が電話収入かさ上げ?投資家に過少説明

投資家に通信用サーバーを購入してもらい、電話利用料から配当するとうたっているIP電話会社「近未来通信」(東京都中央区)が、サーバー売上高について実際は4か月間だけで70億円あるのに年間39億円と、投資家に対して過少に説明していたことが分かった。
全売上高に占めるサーバー売上高を少なく見せることで、「配当の原資」と称する電話利用料など他の売上高を大幅にかさ上げしていた形だ。
サーバー売上高には、サーバー販売代金名目で集めた投資金を計上している。投資には複数のタイプがあり、最低1100万円。
同社を巡っては、うたい文句と異なり、投資家への配当の大半は電話利用料ではなく、別の投資家からの資金を充てていたことが判明。読売新聞が8月末に報道すると、同社には投資家から経営状況を示す貸借対照表や損益計算書のほか、売上高の内訳についても説明を求める声が相次いだ。
このため、同社では役員が営業担当の社員に対し、「2006年7月期の売上高245億円のうち、サーバーの売り上げは39億円、ランニングコスト56億円、通信の売り上げなど150億円」と説明した上で、「売上高の内訳を示して投資家を納得させるように」と指示。一部の投資家には、実際にこうした売上高を挙げて説明していた。
しかし、内部資料によると、サーバー売上高は投資家からの入金ベースで、4月分が約20億1000万円、5月分約16億4000万円、6月分約11億1000万円、7月分約22億6000万円。4か月間だけで、同社の説明を大幅に超える約70億円に上っていた。
同社関係者によると、同社は毎月、サーバー販売を担当する営業社員を集め、サーバー販売の契約金額や投資家からの入金状況について成績を報告させている。集計すると、サーバー売上高は毎月15億円前後あり、少なくとも年間百数十億円に達するという。
同社関係者は、「会社の説明は月々の営業成績と食い違っている」と証言。245億円としている年間の全売上高は「実態に近い金額」といい、56億円のランニングコストや少なくとも百数十億円のサーバー売上高を差し引くと、電話利用料を含む通信売り上げなどは、実際には150億円を大きく割り込む計算だ。

(2006年11月14日14時35分 読売新聞)

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資金回収したい…「近未来通信」への苦情300件以上

投資家から事業資金を募りながら、配当が滞ったまま20日に本社を閉鎖したIP電話会社「近未来通信」(東京都中央区)について、各地の消費者センターや弁護士会に300件以上の苦情、相談が寄せられていることがわかった。
一方、菅総務相は21日の会見で、「まだサービスが行われている状況だと思っており、今後、事業廃止の事実が確認されれば、利用者保護の観点から対応したい」と述べた。
国民生活センター(港区)によると、同社への苦情、相談は全国の消費者センターにこれまで223件。
東京、第1東京、第2東京の3弁護士会が21日に実施している無料電話相談「金融商品被害110番」にも、同社について「投資したが配当がない」「投資した資金を回収したい」などと、午前10時の受け付け開始から午後1時までの3時間だけで81件の相談が寄せられた。
一方、総務省には20日夜、同社役員から「ご迷惑をかけた。社内的な問題があり、20日は臨時休業した。21日には通常通り営業する」というメールが届いた。
21日、本社には社員が出勤したが、事務所前に「当分の間、アポイントのないお客様の対応を控えさせていただきます」との紙が張り出され、ドアは閉じられたまま。
午前11時すぎになって、社員が事務所の外に姿を見せ、「1時間後をめどに幹部が会見し、お客様への対応を報道陣に説明する」と話したが、しばらくすると、同じ社員が「幹部の到着が遅れている。会見の場所などが決まり次第、連絡するのでいったん帰ってほしい」と言い直すなど、混乱した様子だった。
投資金約4000万円の返還を求めている埼玉県内の男性(55)は、「会社には先週から電話しているのに、誰も出ない。連絡がつかなければ、アポイントメントの取りようがない。腹立たしい」と話していた。

(2006年11月21日14時53分 読売新聞)

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近未来通信 投資家に虚偽の利用実績伝達か<11/21 13:22>

「IP電話の中継局のオーナーになることで、労働しなくて副収入を得られる」などのうたい文句で、多額の事業資金を募ったまま、20日に突然本社を閉鎖したIP電話会社「近未来通信」が、投資家に虚偽の利用実績を伝えていた疑いのあることが日本テレビの取材で明らかになった。
20日に閉鎖された近未来通信の本社には21日朝、「アポイントのない人には対応できません」と書かれた紙が新たに張られた。社員も数人しか出社しておらず、事実上、閉鎖されたままだが、この後、役員が投資家に対して説明を行うという。
複数の投資家によると、近未来通信から投資家あてに毎月送られていた明細書を分析したところ、1件あたりの通話時間が毎月全く同じだったことがわかった。ある投資家によると、1件あたりの利用時間が8.50分で、1年以上全部一緒だったという。1件あたりの通話時間が毎月同じというのは不自然で、近未来通信が投資家に虚偽の利用実績を伝えていた疑いが出ている。
ところで、菅総務相は21日、近未来通信に対して、IP電話の利用状況などについて、今月24日までに提出するよう電気通信事業法に基づく報告命令を出していることを明らかにした。その上で、「事態の推移を注視している」と述べた。

日テレNEWS24

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弁護士会や消費者センターに苦情殺到 近未来通信

IP電話事業を口実に「近未来通信」(東京都中央区)が全国の投資家から資金を集めていた問題で、東京の弁護士会が21日行った「金融商品被害110番」には、全国からの相談がひっきりなしに続いた。1日で177件と予想以上に多かったこともあり、弁護士会では弁護団をつくる方向で検討を始めた。全国の消費生活センターにもこれまでに、223件の苦情が寄せられている。会社側が返金に応じないことから、投資家らが同社の破産を申し立てる可能性が高まっている。
「金融商品被害110番」は、東京、第一東京、第二東京の3弁護士会が毎年実施している。今回は、近未来通信に絡む苦情や相談が、全体の8割に当たる177件寄せられた。「お金が戻ってくるかどうか不安」といった声が多かったという。相談は全国から集まり、5000万円以上投資した人もいた。
弁護士会では「弁護団を結成した場合、相談者に連絡する」としている。東京以外の弁護士会でも相談はあり、全国的な弁護団ができる見通しだ。
近未来通信の内部関係者によると、同社の支払資金や資産は大幅に減少しており、返金に応じられない状態に陥っている、という。経営再建へ向けた動きもみえないため、投資家が弁護団を通じて破産申し立てや刑事告訴をする可能性が高くなっている。
同社は、本社や支店を20日に閉鎖したが、21日は本社に一部の社員が出社した。しかし「当分の間、予約のないお客様の応対を控える」として、詰めかけた投資家に十分な対応をせず、報道陣の取材にも応じていない。
本社に詰めかけた男性(65)は、今年2月に1400万円を投資。返金してもらえず、「営業の担当者の携帯も通じない」と嘆いた。別の投資家は「これは詐欺だと思う。経営陣をいずれ告訴する」と話した。
通信事業の実態が不透明として報告命令を出している総務省は、24日の期限までに回答することを引き続き求めており、「(通信事業の)利用者保護の観点から適切に対処したい」(菅総務相)としている。

アサヒ・コム 2006年11月21日20時57分

(引用終了)
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by kanconsulting | 2006-11-21 22:47 | 経済状況
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