郵便貯金と郵貯からの預託金 年金からの預託金 ともに減少 財投債で支える構造に

皆様ご存知のように、郵貯残高が確実に減少してきています。以下のニュースをご覧ください。

(引用開始)

郵貯残高、190兆円割れ・12年ぶり

日本郵政公社が30日発表した「郵便貯金速報」によると、29日時点の郵便貯金の残高が189兆8869億円と、1994年10月13日以来、約12年ぶりに190兆円を下回った。郵便貯金を引き出して比較的金利の高い投資信託や個人向け国債で運用する動きが広がっていることなどが背景にあるとみられる。
ピークは2000年2月15日の260兆7206億円。当時は民間銀行の間で金融システム不安が広がっており、郵貯に資金を預け替える動きが加速した。だがその後は長引く低金利で郵貯の魅力は薄れ、預け入れから半年たてばいつでも引き出すことができる定額貯金を中心に残高が減り続けた。
第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「投信など個人向けの金融商品が多様化しており、個人マネーを郵貯にとどめるのは難しくなっている」と指摘する。

日本経済新聞2007/01/30

(引用終了)

そして、当然のことですが、財政投融資資金の財源としての、郵貯からの預託金も、確実に減少しています。以前の記事では、「預託金の残高が底をつくのは2008年3月である」と書きましたが、多少の前後はあるものの、そのシナリオは変わらないでしょう。

(開始)

「郵貯・簡保の自然縮小と国家財政基盤の崩壊」について

・郵貯・簡保の本質は、民間の資金を政府機関が吸い上げることにある。
・郵貯・簡保に集まった資金を財政投融資に投入してきたが、そもそも採算性がないために、巨大な不良債権を生み出している。
・郵貯・簡保にとっての最大の債務者は政府であるが、債務があまりに巨大であるので、まともに返済することも、切り捨てることも、金融危機につながる。
・同じ理由で、郵政公社は、十分な自己資本を有する金融機関になることは不可能。
・同じ理由で、郵政の保有する国債に自由な処分を認めると、金融危機につながる。
・預託金も、財務省によって実質的に食いつぶされつつある。預託金の残高が底をつくのは2008年3月である。
・郵貯・簡保は純減時代に入り、財政を下支えする能力を急速に失っている。
・まとめると、郵政民営化は、政府の資金欠乏と、国債の消化困難を引き起こし、財政破綻の危機を高める。

(終了)

さて、郵便貯金からの預託金・年金からの預託金が減少を続ける中、財投債(財務省の資金運用部が政府の保証付で発行する債券、実質的には国債と同じ)の発行額は年々増加してきています。2005年には、財投債が31兆円となり、新発債(新規発行の国債)と同程度まで膨れ上がっています。

こういった現状を見るにつけ、『郵貯や年金が、財投の資金として期待できないことを見越して、財投債を作ったのではないか』とかんぐりたくなります。

財投債については、過去の記事もご覧ください。

(開始)

「郵貯・簡保の自然縮小と国家財政基盤の崩壊」について

『政府保証債』は 政府が保証している財投機関債で
『財投機関債』は 政府保証は受けていません。
『財投債』は 呼び方だけを変えた国債そのものと考えてよいと思います。

(終了)
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by kanconsulting | 2007-02-28 01:46 | 経済状況
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