チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる

またしても、エマージングを引き金にした、世界株式の急落(調整)がありました。

チャイナ・インドといえば、日本からのファンドによる投資もあり、そうでなくても低金利の円に遠くは由来する過剰流動性で膨れていた状態です。これが調整したということは、非常に簡単に言うと、『一般投資家は、トレンドに尻馬で乗って、結局損をさせられた』ということになります。ですので、『イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある』のです。

何度も同じことを書きますが、BRICSは、あくまでもエマージングであり、それ相応のリスクを背負った投資になります。年に一度や二度の調整(急落)は当たり前です。今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。FAI投資法で知られる株式投資のプロは、次のように言います。『結局誰かが投げないと、相場は上がらないんだよ。』

エマージングは、中~長期的には、
・ファンダメンタルズが良い
・成長率が先進国よりも高い
・PERが低い
であることより、長期保有が報われることになります。

ですので、「自分の買い場面が来るまで待つ。押し目買い」が重要な手法となります。難しそうですが、ファンダメンタルで割安と思ったETFを、さらに安くなるまで待って買うだけですので、それほど難しくありません。

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さて、このブログでは、以前から、円ショートのキャリートレードの副作用を指摘してきました。『機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている』のです。過去の記事から、再度転載したいと思います。

(開始)

「円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる」

キャリートレードは仮需ですので、必ず「反対売買・決済」を迎えます。これを、巻き戻し(アンワインド)と言います。大きなアンワインドが起こると、仮需で膨らんだ市場が縮小(シュリンク)します。それは、「本来の状態に戻っただけ」なのですが、イケイケになってしまった市場参加者は困ってしまうわけなのです。いきおい、他の資産クラスを処分するなど、経済全体に影響が出ることになります。

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「購買力平価と為替レートの関係~キャリートレードのブームとバースト」

キャリートレードの関係にある通貨は、高金利通貨への資金流入でじわじわとブーム(高金利通貨高)を形成し、一定のターニングポイントを迎えると一気にバースト(高金利通貨急落)することが特徴でもあります。そして、長期的に見ると、為替レートは購買力平価の上下を行き来しているだけという見方も可能です。これは、キャリートレードを大掛かりに行っている機関投資家(ヘッジファンドなど)が、「もうそろそろ」と利益確定の為に反対売買(買っていた高金利通貨を売り、借りていた低金利通貨を返す)をすることがきかっけで、一気に低金利通貨高に逆転するためです。

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「量的緩和の解除(2) 経済成長率と物価上昇率で考える、インフレの足音」

機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレード(だぶついた日本円を使った裁定取引)が、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている可能性も指摘されています。

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「投資の基本と、BRICSへの姿勢 キャリートレードの解消・投売りが一巡するまで調整は続く」

今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。

(終了)

(引用開始)

NY株、一時546ドル暴落 米中の景気先行き懸念で

27日のニューヨーク株式市場は米国、中国の景気先行き不透明感から暴落し、ダウ工業株30種平均は一時、前日比546.20ドル安の1万2086.06ドルをつけた。同日の上海株式市場で約10年ぶりの大幅下落となったのをきっかけにニューヨーク、欧州に加え、南米など新興市場国の相場が軒並み急落し世界同時株安の様相。世界経済をけん引してきた米中経済の先行き懸念が強まった。
この影響で同日のニューヨーク外国為替市場ではドルが急落。円相場は午後5時現在、前日比2円72銭円高ドル安の1ドル=117円89-99銭と、約2カ月ぶりに117円台をつけた。
ダウ平均は終値で前日比416.02ドル安の1万2216.24ドルと、2001年3月12日(436.37ドル)に次ぐ過去7番目の下げ幅。ハイテク株主体のナスダック総合指数も大幅続落し、前日比96.66ポイント安の2407.86で取引を終えた。
中国株の急落が投資家心理の冷え込みを誘い、朝方からほぼ全面安の展開。住宅市場の動向などの懸念材料に加え、イランの核開発問題も米経済の先行き不安を増幅し、下げ幅を広げた。1月の米耐久財受注も予想以上に減少、午後3時すぎには数分間で一気に約200ドル下げるなど投資家のろうばい売りも招いた。(共同)

産経新聞2007/02/28

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株全面安 一時737円下げ 中国急落引き金 世界同時安の様相

27日に中国の上海、深セン両株式市場で株価が急落したことをきっかけに、世界経済の先行きに対する懸念が強まり、世界同時株安の様相となっている。「中国ショック」はアジアや欧州の主要市場、ブラジルなど新興市場国に広がり、27日のニューヨーク市場では、ダウ平均株価(工業株30種)の下げ幅は史上7番目を記録した。28日の東京株式市場も朝から全面安の展開となり、日経平均株価(225種)の下げ幅は一時、700円以上に拡大し、市場には世界経済への悪影響を懸念する声が出ている。
中国の上海、深センの両株式市場は27日、株価が9%前後と大幅に下落し、1日の下落幅は過去10年で最大となった。上海市場の総合指数は前日比8・8%安の2771・79、深セン市場の成分指数は同9・3%安の7790・82で取引を終えた。
アジアの主要市場でも軒並み株価が下落し、欧米市場でもドイツ株式指数やパリ市場の株価指数が約3%の急落となった。ブラジルなど新興市場国やニューヨーク市場にも急落が波及し、「世界の主要市場が一斉に調整局面に入った」(ドイツ銀行首席投資責任者のベン・ペース氏)など、弱気な見方が広がった。
ニューヨーク株の大幅安を受けた28日の東京株式市場では、外国人投資家を中心に一斉に売りを加速させ、ほぼ全面安の展開となった。同日のアジア主要市場でも急落が続いている。
日経平均株価の下げ幅は一時、737円13銭に達し、午前の終値は、前日終値比644円85銭安の1万7475円7銭と5営業日ぶりに1万8000円を割り込んだ。東証株価指数(TOPIX)は同70・36ポイント低い1740・97、第1部の午前の出来高は約20億株だった。午後1時現在、日経平均は同591円18銭安の1万7528円74銭、TOPIXは同62・94ポイント低い1748・39。
株価の先高観や業界再編期待を背景に最近の上昇相場を支えてきた証券株や鉄鋼株にも、当面の利益を確定する売りが殺到している。
TOPIXの先物取引の下落幅が一時規定を超えたため、東京証券取引所の規則に従って先物取引を午前9時7分から15分間一時停止した。

読売新聞2007年2月28日

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【東京 28日 ロイター】 前場の東京株式市場は大幅続落となった。日経平均は、世界的な同時株安現象を受けて、一時前日比737円13銭安と、2001年9月12日の同時多発テロ攻撃時の直後に記録したザラ場の前日比下落幅を上回り、2006年1月18日のいわゆるライブドアショック時の746円43銭に迫る下げ幅となった。東証が日興コーディアルグループ<8603.T>株について上場廃止の方向で最終調整していると一部で報道されたことや、来週9日のSQ(特別清算指数)算出を前に、裁定解消売りや先物のヘッジ売り懸念が強まったことも圧迫要因となった。
TOPIX先物取引は、一時中断され、TOPIX100は全銘柄が下落した。
前場の東証1部騰落数は、値上がり4銘柄に対して、値下がりが1700銘柄と99%を占めた。変わらずは11銘柄となった。
SBI証券投資調査室長の鈴木英之氏は「米国株を初め世界的な株安の影響で、資金配分上の理由から海外機関投資家の売りは避けられない」と説明した。 
ベアー・スターンズ証券マネージング・ディレクターの倉持宏朗氏は「世界同時株安に、日興コーディアルグループの上場廃止報道ショックが加わった。来週のSQ前に、裁定解消売りや先物ヘッジ売りの懸念が強まった」と述べた。
朝方発表された鉱工業生産は前月比1.5%低下となり、市場予想を上回ったものの、株価は反応薄。「米株急落などなければ、株式市場は好感する材料になったと思う」(SMBCフレンド証券投資情報室次長の松野利彦氏)との声も出ていたが、影響は限定的だった。
ただ、上海株式市場が安寄り後、上昇に転じたことを受けて「米株の動向を見極めたいところだが、発端となった上海株式市場が落ち着けば好感される材料になりそうだ」(中堅証券ディーラー)との見方も出ている。

世界日報2007/02/28

(引用終了)

大事なことなので何度も書きますが、このブログをご覧になっている方は、

・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
・イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある


ということをご理解いただいていると思います。
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by kanconsulting | 2007-03-01 08:39 | 経済状況
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