来るべきドルの減価(1) 金価格と原油(WTI)価格 ユーロ建てとドル建て ドルにペグした円は道連れ

このブログでは、以前から、
「通貨の減価は、貨幣経済において不可避である。」
「円とドルの減価がありうる。注意しなければならない。」
と、述べてきました。

その、ドルの減価の日が、近づいているように思います。

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「ビジネス知識源」に、つぎのような記事が掲載されました。

(引用開始)

■2.秘密は「ドル安(=円安)」だった

・・・ここ数年、NYの物価は、感覚ではすべてが50%は高い。ふと気が付いたのですが、米ドルは、2000年以降の7年で、ユーロに対し50%~60%も下げています。これは、当たり前のことの実感です。
2000年以降は「50%から60%のユーロ高(=ドル安・円安・元安)」でした。
為替の交換レートは相対的です。ユーロの実質価値(=購買力)を一定と見れば、米ドル側が価値を減らしたことになります。日本と中国は、経常収支の黒字で、米ドルを買っているので、ドルと連れて安くなっています。
あぁ、そうだ。「モノとの関係では、ドルが50%安くなった」
米ドルに連れ、円の国際的な実質価値、言い換えれば「海外での購買力」が低下した。
(中略)
ユーロ高ではなく、本当は、ドル安・円安だったと実感しました。そのため、資源・エネルギー価格も、大きく上がったように見える。
ユーロを中心に見れば、50%の資源価格の高騰分が、ゼロになります。もっと言えば、2倍になったゴールド〔金〕の価格を基準にすれば、世界の資源も、米国の物価もさほど上げていません。
国際商品(貿易対象になる商品)の価格が、実質的な価値(購買力)下げた米ドルで表示されるから、円で見ると高くなったように見える。円とドルはほぼ同じ動きをしています。
(中略)
世界経済の実体は、以下のような関係でしょう。
・ユーロ=購買力が一定
・米ドル=購買力が50%低下
       →NYのホテルの料金や物価は50%高騰
・日本円=米ドルに連れ国際的な購買力が50%低下
       →NYの諸物価が高く見える
(中略)
2000年代に1年で8%~10%も上がり、7年で約2倍になっているからです。(1.1の7乗≒2倍) 住宅価格も、年10%で上げています。

■3.貨幣錯覚
(中略)
ドルの価値(購買力)が下落した理由は、ドル債券の増発のためです。1年に約100兆円分、世界に向かって増刷されています。
肝心な点は、ドルの通貨の増発でなく、$債券(国債・社債・株)の増発である点です。国債・社債・株も、換金性の高い通貨の一種です。
過去の通貨のようにM1やM2(預金統計)で計ることはできない。預金ではなく、それに加えるべき債券(国債・株・社債・ファンド)の総額をみなければならない。経済統計が遅れているのです。
例えば、世界の不動産価格と資源価格は、元本で200兆円を超え、レバレッジ(信用借り)でその数倍(600兆円)に膨らんで投機するヘッジファンドの動きで見なければならない。
これは預金統計には含まれない、事実上の通貨です。世界の預金+債券総額(国債・社債・株・ファンド)は1京5000兆円を超え、世界のGDP(4400兆円)の4倍にもなっています。
今、史上空前の、債券バブルがある。大会社の数兆円のM&Aが起こる理由でもある。株式交換ですから現金は要らない。企業の発行する株券が現金と同等に扱われます。

(引用終了)

直感的にはそうですが、少しデータで検証してみることにしましょう。

たとえば、金価格を見てみると、円・ドル建てと、ユーロ建てでは、景色が違って見えることが分かると思います。(グラフは三井物産フューチャーズより)

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また、原油(WTI)価格においても、ドル建てWTIと、EUR/USDはここ数年同じような動きを見せており、ユーロ建てのWTIは、あまり変動していないことを表しています。(グラフは三菱UFJより)

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もちろん、ユーロだからといって、すべてが磐石というわけではありません。この本質は、
・ドル(債権)を刷りすぎた
・実質的にドルにペグした円も、道連れ
ということです。

参考までに、2006年の、各国のアメリカ国債券の所有残高を示します。

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ドルの減価に関連した、過去の記事を転載します。

(転載開始)

「では、どのファンドがいいのか(8) 最後に」

・日本円は刷りすぎた。インフレを警戒し、円貯金と国公債からは距離を置く。
・円の減価はありうる。実物資産をポートフォリオに組み入れる。
・ドルの減価もありうる。多様な外貨ベースで運用する。

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「ブッシュ再選」

アメリカの輸出品の中でもっとも利益率が高いのは「USドル」です。アメリカの強大な軍事力・豊かな資源・広い国土などを背景にした信認があるため、ドルは世界中で通用する紙幣です。国際決済に使う限りにおいてはいくら刷っても通貨減価(インフレ)にはなりにくいと考えられています。つまり「借りた金は返さなくてもいい」のです。さすがにドルが紙切れになるとは考えにくいのですが、価値の修正はあるかもしれません。

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「読者様のメールの転載(1)」

じゃあアメリカ(ドル)は大丈夫なのか?と言われますと、アメリカも決して安心はできない赤字債務国です。ドルの減価があってもなんら不思議ではありません。

(転載終了)
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by kanconsulting | 2007-06-05 01:40 | 経済状況
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