世界金融危機(7) 投資銀行の終焉 バフェットはゴールドマン 野村はリーマン MUFGはモルガン

何人かの識者が指摘しているように、投資銀行というモデルは、もはや終焉したと見るべきでしょうか。

ベアー・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチという、アメリカ3~5位の投資銀行が、破綻もしくは吸収により消滅するという異常事態は、投資銀行そのものが、急激な信用収縮に対して非常に弱い、場合によっては一撃で撃沈してしまうほどの、脆弱なビジネスであったことの証左だと思います。

クウォンツ(量子物理学者?)やロケットサイエンティスト(宇宙工学博士?)と言われるほどの、数学のエリートを多数投入しておきながら、リスクが上昇し流動性が損なわれた日には、文字通りオフィスをたたんで夜逃げするしかないという投資銀行や証券会社の状況は、まさに、ノーベル賞学者のドリームチームを擁するLTCMの破綻を、そのままなぞっているように思えます。

(なぜ歴史は繰り返すのでしょうね)

ところが、投資銀行の自己資本は、決して薄くはありません。

たとえば、リーマンブラザーズは、6月の増資の影響もありますが、8月末時点では
・株主資本:284億ドル
・長期資本:1430億
・総資産:6000億ドル
・TierⅠ(中核的自己資本)比率:11%
東洋経済オンライン

Lehman's Tier 1 capital ratio, a measure of capital strength, rose 0.3 percentage point 14 the third quarter to 11%. It had $42 billion in liquid assets, including cash and equivalents.
"Huge Lehman Loss On Sour Real Estate Sends It Scrambling"

(参考)
・東京三菱UFJ:7.6%
・みずほ:7.4%
・SMBC:6.9%

と、数字だけ見ると、日本の銀行よりも優れています。

「そんなのはおかしい。何かトリックがあるんじゃないか。」と思われれば、それは優れた直感だと思います。

さて、

皆様もご存知かと思いますが、ウォーレン・バフェットによる、ゴールドマン・サックス(GS)への出資のニュースです。

同じく、ゴールドマン・サックスは
・TierⅠ(中核的自己資本)比率:11.6%

Goldman said its Tier 1 capital ratio at Sept. 30 was 11.6%.
"Goldman, Morgan Become Bank Holding Companies, Ending Era"

となっており、決して自己資本が薄いわけではありません。簡単に言うと、いわゆる資産のうち、借金による水増し部分は、それほど多くない、というわけです。では、なぜでしょうか。

先ほどの「直感」の答えは、非常に簡単に言うと、「自己勘定(自分のリスク)で行う現物やデリバティブの取引に、レバレッジをかけすぎた」となります。と書くと、単純化しすぎているのですが、それほど外してはいないと思います。

リスクコントロールは、普通は逆指値などによる、ロスカット(損失限定)により行います。ですが、流動性が不足していると正常な決済ができないこと、それにより気配値が大きく動き、損失を拡大させてしまうことも、このブログの読者様ならご存知のことと思います。また、もう少し複雑な自動取引システムを組んでいる場合でも、「100年に一度の市場変動」(そう言う割には、5~10年に一度の割合で来ているようですが)に対しては、「プログラムの想定外」となり、システムが機能しなくなってしまうことも、IT技術の進歩の割には変わらないようです。

(もちろん、リスクコントロール技術も進歩しているでしょう。ですが、IT技術の進歩は、「より儲かる」高度なシステム開発に注力されるため、それに見合ったリスクコントロールが追いついていない、という理解のほうが近いのかもしれません。車で言うと、エンジンの研究開発により、加速度・最高速度が飛躍的に向上した、同時にブレーキなども進歩したが、どうしてもエンジンの開発が先行するため、トータルの安全度は変わらないか、むしろ落ちる、という感じでしょう。)

短期間でより儲けるためにレバレッジをかけて、儲かっているときはこの世の春を謳歌するものの、想定外の市場変動で思惑がはずれ、自滅する。「LTCMの轍(わだち)を踏んだ」と言われても仕方ない、という感じです。

こう書くと、まるでレバレッジが悪いようですが、必ずしもそうではありません。少額の手持ち資金で、高額のヘッジを可能とすることは、資産の有効活用、リスクコントロールによる損失の限定、ひいては経済の安定化につながります。少し違いますが、保険で言えば、保険の掛け金が安くなるようなものです。あくまで、「両刃の剣」なのです。

さて、イベントドリブン(出来事を予想して、値動きの方向性に賭ける)にしろ、マーケットニュートラル(裁定取引により、市場のひずみから儲けを出す)にしろ、多くのプレイヤーが同じ考えを実行すれば、儲けは薄くなるのが、自然の摂理です。

となると、次はヘッジファンドに注目が集まることでしょう。

皆様におかれては、「市場が荒れているときは、レバレッジを低く抑える」ことに留意されると良いと思います。

以下、バークシャーによるゴールドマン出資のニュースです。バフェットは、相当お得な条件で、ゴールドマンを買ったようです。7年ホールドすれば、配当だけで元本が回収できてしまいます。ここまで屈辱的?な条件でないと、買っていただけなかった、というほうが本当かもしれません。

(バークシャー)
・50億ドルの出資
・永久優先株を引き受け、配当利回りは10%
・50億ドル相当の普通株を1株115ドルで買い取る権利のあるワラントを受け取り
・ワラントの行使期限は5年
(バークシャー以外)
・少なくとも25億ドル相当の普通株発行による公募増資


(引用開始)

バークシャー、ゴールドマンに50億ドル出資などで合意

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米証券大手ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)は23日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ(NYSE:BRKA)(NYSE:BRKB)から50億ドルの出資を受けることで合意したと発表した。今月に入り信用危機が深刻さを増して以来、金融システムへの信頼感を示す最も大きな動きの1つとなった。
この50億ドルの出資では、バークシャーが永久優先株を引き受ける。配当利回りは10%。
ゴールドマンはこのほか、少なくとも25億ドル相当の普通株発行による公募増資をする。
バークシャーは、さらに50億ドル相当の普通株を1株115ドルで買い取る権利のあるワラントを受け取る。行使期限は5年。
バフェット氏の動きは、世界の有力投資家の1人が、ウォール街で強く求められていた、信頼感を示す行動をとったことを意味する。同氏はこれまで、米金融大手への資金投入を控えてきた。米金融大手のほとんどは、不動産関連の見込み違いで数十億ドルの不良資産を抱え、身動きが取れなくなっている。
リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEHMQ)は15日に米連邦破産法11条の適用を申請したほか、メリルリンチ(NYSE:MER)はバンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)に買収されることで合意した。米政府は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(NYSE:AIG)を政府の管理下に置く代わりに最大850億ドルを融資することで合意した。政府はさらに、ほかの金融各社を支えるために7000億ドル規模の金融安定化策を打ち出したものの、懐疑的な見方もあり、議論が続いている。
ゴールドマンは、リーマンやメリルとは異なり、今のところ住宅ローン関連の大打撃を何とか回避している。信用危機の発生以降も、四半期決算で赤字を出していない。ただ、利益は減少してきており、信用危機と無縁なわけではない。
ゴールドマンはここ1週間、自己資本増強のためのさまざまな選択肢を検討してきた。ロイド・ブランクファイン会長兼最高経営責任者(CEO)は「水泳のオリンピック選手でも小さな子供でも、津波が襲ってきたときに海岸にいればおぼれてしまう」と語っていた。
同氏は23日、声明で「世界で最も称賛され成功している投資家であるに違いないバフェット氏が、われわれの長年の関係を前提に、このような多額の出資を決断してくれたことは喜ばしい。われわれはこのことを、顧客からの高評価と将来の明るい見通しを強く示す証しととらえている」と述べた。
バフェット氏は「ゴールドマンはたぐいまれな企業だ。世界的な評判は並ぶものがない。実績と深い洞察力のある経営陣、知的財産と金融資本は、他社に勝る状態が続くだろう」と語った。
バークシャーによる出資の発表は米株式市場の取引終了後だった。ゴールドマン株の通常取引終値は、前日比4.27ドル(3.54%)高の125.05ドル。その後の時間外取引では一段高となり、終値比7.76%高の134.75ドルで取引されている。

日本経済新聞

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米ゴールドマン:75億ドル増資 25億ドルは公募

【ワシントン斉藤信宏】米証券大手ゴールドマン・サックス(GS)は23日、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が経営する投資会社バークシャー・ハザウェー社などを引受先とする75億ドル(約8000億円)の増資計画を発表した。バークシャー社が優先株50億ドルを購入するほか、GSが普通株25億ドルの公募増資を実施し、銀行の持ち株会社への移行に伴って資本不足に陥るとの見方が高まる中、市場の懸念をぬぐい去る。これとは別に、バークシャー社は1株あたり115ドルで最大50億ドル分の普通株を購入する権利を取得した。
GSは、証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)をきっかけにした米金融システム危機で、今月に入って株価が急落、18日までの10日間で約35%も値下がりするなど市場の不信感が増幅していた。米証券大手5社の中では、今年3月にベア・スターンズが事実上破綻し、JPモルガン・チェースに救済合併されたほか、メリルリンチもリーマンの破綻と同日にバンク・オブ・アメリカに買収されており、存続しているのは既にGSとモルガン・スタンレーの2社だけ。モルガン・スタンレーは22日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)から最大9000億円の出資を受けると発表しており、残されたGSの動向に注目が集まっていた。
GSは、モルガン・スタンレーとともに証券専業としての存続を断念、今後は銀行持ち株会社として米連邦準備制度理事会(FRB)の監督下で経営安定化を図ることが決まっている。

毎日新聞 2008年9月24日 11時16分(最終更新 9月24日 12時23分)

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ゴールドマン、8千億円超増資へ 著名投資家ら引き受け
2008年9月24日10時24分

【ニューヨーク=都留悦史】米金融大手ゴールドマン・サックスは23日、総額75億ドル(約8千億円)を上回る規模の増資計画を発表した。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが50億ドル分の優先株を引き受け、少なくとも25億ドル分の普通株を一般投資家向けに新規発行する。
これとは別にバフェット氏側は、5年間の期限付きながら50億ドル分の普通株をいつでも買うことができる権利(ワラント)も手にする。 サブプライム危機で米証券大手の経営は急速に悪化。大手5社のうち下位3社は破綻(はたん)などで姿を消し、最大手のゴールドマンと2位のモルガン・スタンレーは21日、銀行持ち株会社への業態転換を発表した。銀行は証券会社より厚めの資本が必要で、すでにモルガンが三菱UFJフィナンシャル・グループと最大9千億円超の出資受け入れで合意したことから、ゴールドマンの動向が注目されていた。
サブプライム危機が表面化した当初こそ好調だったゴールドマンも、最近は業績が低迷している。08年6~8月期決算は不動産関連の資産に絡んで損失を計上したため、当期利益は前年同期比70%減と大きく落ち込んでいた。

朝日新聞

(引用終了)

次は、野村によるリーマンのアジア部門買収のニュースです。

「野村はリーマンのアジア業務をアセットベースで約2億2500万ドル(約238億円、106円で換算)と見込んでおり、これに加えて人材流出を防ぐ人件費(リテンションフィー)が上乗せになる見込みで、買収総額は総額500億円を超える可能性がある」とのことです。

リーマンの入れ物だけを買っても、あまり意味がありません。特に、金融技術を有する人材がないと、どんなシステムもただの箱です。野村は、これまでも海外事業展開に失敗を重ねており、今回も二の舞、という予感もします。

(ロックフェラーセンター買収のように、変な条文が入っていないでしょうね)

バフェットの買い叩きと比べると、まだまだ交渉が下手、という印象を受けたニュースでした。

(引用開始)

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欧米大手 射程圏内
野村、リーマン部門買収 中東、欧州に足がかり

国内証券最大手の野村ホールディングスが、経営破綻(はたん)した米リーマン・ブラザーズからアジア太平洋部門に続いて欧州・中東部門も買収することは、野村にとって欧米の大手金融機関と肩を並べるという悲願に大きく近づいたことになる。ただ、リーマンの米国本体から切り離された各部門をどこまで生かしていけるかなど、課題も多い。国内では、野村の積極策をきっかけに証券業界の新たな再編圧力が高まるのも必至だ。(東直人)
野村の渡部賢一社長は9月初旬の読売新聞のインタビューで、リーマンを含む海外証券会社への出資や買収を検討していることを明らかにしていた。「野村は日本株に関する能力は高いが、インドやロシアなど外国株には強くない」と述べていた。リーマンの部門買収は、正にその弱点を補完できることになる。
野村が日本からアジア、中東を経て欧州に至るリーマンのネットワークを足場に世界市場で台頭できれば、これまで米国勢が席巻してきた世界の証券業界に大きなくさびを打ち込むことになる。
野村と、今回買収するリーマンのアジア太平洋、欧州・中東両部門を単純に合算すると、2007年度の営業収益(売上高)は約2兆6000億円。国内2位の大和証券グループ本社とは約3倍の開きとなる。
野村の渡部賢一社長は9月初旬の読売新聞のインタビューで、リーマンを含む海外証券会社への出資や買収を検討していることを明らかにしていた。「野村は日本株に関する能力は高いが、インドやロシアなど外国株には強くない」と述べていた。リーマンの部門買収は、正にその弱点を補完できることになる。
野村が日本からアジア、中東を経て欧州に至るリーマンのネットワークを足場に世界市場で台頭できれば、これまで米国勢が席巻してきた世界の証券業界に大きなくさびを打ち込むことになる。
野村と、今回買収するリーマンのアジア太平洋、欧州・中東両部門を単純に合算すると、2007年度の営業収益(売上高)は約2兆6000億円。国内2位の大和証券グループ本社とは約3倍の開きとなる。
しかし、証券界には「リーマンの米本社から切り離された部門を買収しても、うまく機能しない。優秀な人材もアメリカに帰国してしまう」(大手幹部)といった疑問の声もある。高度な技能を持ち、「自尊心も報酬も高い」(業界関係者)と言われる外国の人材を野村がコントロールしきれるかどうかが、買収の成否のカギを握るというのが一致した見方だ。
さらに、野村は海外事業で何度も辛酸をなめた歴史を持つ。米国では1998年と2007年に巨額損失を出し、そのたびに事業の縮小・一部撤退に追い込まれた。今回の買収で、野村が国内の「ガリバー」から、渡部社長が口にする「ワールドクラス」に脱皮するのは容易ではない。
一方、国内では、これまでの「3大証券」時代から、野村が1強体制を強めると見られる。野村が、リーマンのノウハウを駆使した魅力的な投資商品を国内で投入できれば、シェア(市場占有率)争いが激化し、大和証券グループ本社や日興シティホールディングスなどライバルの危機感が高まりそうだ。
欧米で急展開している業界再編が、日本に飛び火することも現実味を帯びる。

(2008年9月24日 読売新聞)

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三井住友、最大3000億円出資へ 米ゴールドマンの要請受け
2008年9月24日 中日新聞夕刊

三井住友フィナンシャルグループが、関係の深い米証券最大手のゴールドマン・サックスに1000億-3000億円程度出資する方針を固めたことが24日、明らかになった。
米金融危機で経営環境が悪化したゴールドマンが実施する資本増強策に応じることで、国内外の投資銀行業務などを強化するのが狙いだ。
米証券大手に対しては、三菱UFJフィナンシャル・グループもモルガン・スタンレーに約9000億円を出資し、筆頭株主になる。損失拡大や資金調達に不安を抱える欧米金融機関に比べ比較的に傷の浅い邦銀勢が、国際金融市場で一段と存在感を強めそうだ。
三井住友はゴールドマンから非公式に出資の打診を受けているもようで、正式要請を受け次第、機関決定する見通し。具体的な出資額などは今後詰めるが、規模は数%程度になる見込みだ。
三井住友は、成長戦略の中核として海外事業の強化を位置付けている。今年夏には英大手銀バークレイズに約2%出資。ゴールドマンとは、M&A(企業の合併・買収)事業や企業の株式公開、資金調達関連など投資銀行部門で提携関係を深める方針だ。
三井住友の前身の住友銀行は、株式上場前のゴールドマンに出資。2003年には、不良債権処理に苦しむ三井住友が発行した優先株をゴールドマンが約1500億円で引き受けた。

【ゴールドマン・サックス】 1869年設立の米証券最大手。投資銀行や証券、資産運用業務を米国、欧州、アジアなどで展開する。米サブプライム住宅ローン問題では、関連の証券化商品をいち早く売却して損失を最小限に抑えた。2007年11月期決算は純利益が前期比21・6%増の115億9900万ドルと過去最高を更新。従業員数は約3万人。ポールソン米財務長官のほか、ルービン元財務長官など米政府要人を輩出した。日本には1974年に進出。

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米ゴールドマン・サックス:1000億円規模出資、三井住友も検討

GSの増資に関連して、三井住友フィナンシャルグループも1000億円規模の出資を検討していることが分かった。三井住友幹部は24日朝「要請があれば前向きに検討したい」と話した。
旧住友銀が86年にGSに775億円を出資し、三井住友は02年までに全株を売却。03年には逆にGSが不良債権処理で資本が傷ついた三井住友に優先株で1500億円を出資するなど親密な関係が続いている。
三井住友は6月、英銀大手のバークレイズに1000億円を出資したが、GSとは投資銀行業務で提携関係を続けるとしている。【斉藤望】

毎日新聞 2008年9月24日 東京夕刊

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米ゴールドマンへ出資検討=1000億円超-三井住友FG

三井住友フィナンシャルグループが米金融大手ゴールドマン・サックスへの出資を検討していることが24日、明らかになった。非公式な打診を受けているもようで、詳細は正式な要請を受けてから詰める方針だが、出資額は1000億円を超える規模となる見通し。
日本の大手金融機関は、三菱UFJフィナンシャル・グループが米モルガン・スタンレーへの出資を決め、野村ホールディングスが経営破綻(はたん)した米リーマン・ブラザーズのアジア、欧州・中東部門の買収を決定するなど、米証券界の再編で攻勢に出ている。(2008/09/24-13:02)

時事通信

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訂正:野村がリーマンアジア部門を買収、総額500億円越す可能性
2008年 09月 24日 16:24 JST

[東京 23日 ロイター] 野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)は22日、経営破たんした米リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の日本を含むアジア・パシフィック地域部門を買収することで同社と基本合意した、と発表した。アジアにおける投資銀行部門の拡大やITプラットフォームの吸収が狙い。最終的な買収金額はまだ確定していないが、関係筋によると、野村はリーマンのアジア業務をアセットベースで約2億2500万ドル(約238億円、106円で換算)と見込んでおり、これに加えて人材流出を防ぐ人件費(リテンションフィー)が上乗せになる見込みで、買収総額は総額500億円を超える可能性がある。
野村は、リーマンのアジアにおける株式、債券、投資銀行部門の3部門を買収し、3000人超の雇用や事業インフラを引き継ぐ。ただ、リーマンのトレーディングに関連する資産と負債は買収しない。
アジアで業務の拡大を目指している野村は、アセットマネジメント業務では商品開発力の向上や販売網の確保が進んでいるものの、投資銀行部門では欧米の金融機関に先行を許している。野村の渡部賢一社長は、信用収縮を背景に欧米の金融機関が事業縮小期に入った局面をビジネス拡大のチャンスととらえており、人材の獲得や買収に前向きな方針を示していた。今年春に野村は約6000億円を調達し、こうした買収に備えてきた。
リーマンは現在、世界の各地域ごとに事業売却を進めており、北米事業は英大手銀行バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)が約17億5000万ドル(約1855億円)で買収することが決まった。残る欧州部門の売却作業も進んでおり、バークレイズ、野村はともに、欧州部門の買収をめぐって競合している。*本文中の「約2億2500億円」を「約2億2500万ドル」に訂正します。

ロイター

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野村HD、リーマン・欧州部門も買収 MUFGはモルガンに出資
2008/9/24

国内証券最大手の野村ホールディングスは、経営破たんした米リーマン・ブラザーズのアジア・太平洋部門に続き、欧州・中東地域部門も買収することで基本合意したと2008年9月23日に発表した。
買収価格は非公表。リーマンが英国やドイツ、ロシア、アラブ首長国連邦などで展開してきた株式売買やM&Aの助言などの投資銀行部門の事業を継承する。しかし、トレーディング部門の資産と負債は継承しない。これにより野村HDは、アジア・太平洋部門の社員3000人超とあわせて5500人超の雇用を継承することになる。
一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は9月22日、米証券大手のモルガン・スタンレーの第三者割当増資に応じ、20%を上限に出資すると発表した。最大約9000億円になり、海外金融機関への出資額としては過去最大級になる。

J-CAST

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-09-25 02:15 | 経済状況
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