バフェットがGEに救済的投資 グレアムの投資の安全域 これからの株式投資

このブログでは何度も書いていますが、「株式投資に一番適しているのは、市場に血が流れている時」なのです。市場参加者が悲観的になった今は、実体価値よりも売り込まれているということですので、グレアムの言う「投資の安全域*1」が確保された状態なのです。

バファリンの半分がやさしさで出来ているなら、株価の半分は「希望料」と言えるかもしれません。
(実際には、株式のどの程度がプレミアムかという議論は、半分とか何割と決まっているものではなく、PERなどを踏まえた定量的議論になります。一昔前は、ヨーロッパ株式のPER30程度が普通でした。最近(サブプライム前)までは、PER15が普通だったように思います。)

「投資なんてもうコリゴリだ。株の名前も聞きたくない。」というような人が増えてきた今だから、将来のための投資を考えられると良いと思います。

「何をバカなことを。当分は株式市場は面会謝絶。世界恐慌壊があるかも知れないのに、正気か?」と思われることでしょう。しかしながら、世界恐慌があっても、株式そのものは生き残ります。1929年の世界恐慌でもそうでした。アメリカなどが強権で株式市場を閉鎖することがなければ、「成長性ある市場全体を買う」「将来性あるビジネスの経営権を買う」というスタンスでの投資は、有効なのです。

バフェット神話は、もう神話ではないかもしれませんが、今回の買収は、「(ウォールストリートではなく)メインストリートに投資する」という従来のスタイルに戻ったようで、「いい買い物をしたな」と思います。

・GEの時価総額:現在約2350億ドル
・株価は年初から約34%下落
(バークシャー・ハサウェイ)
・30億ドル相当の優先株
・1株あたり22.25ドルで引き受け 10/1クローズ時点で24.50ドル
・優先株の配当利回り:10%
・3年経過後は、GEへ買い取りを要請できる
・普通株30億ドルを追加取得する権利(ワラント)も獲得
(バークシャー以外)
・最低120億ドル相当の株式を新規公開する計画

以下、過去の記事から、ゴールドマン・サックスへの出資について転載します。

(転載開始)

以下、バークシャーによるゴールドマン出資のニュースです。バフェットは、相当お得な条件で、ゴールドマンを買ったようです。7年ホールドすれば、配当だけで元本が回収できてしまいます。

(バークシャー)
・50億ドルの出資
・永久優先株を引き受け、配当利回りは10%
・50億ドル相当の普通株を1株115ドルで買い取る権利のあるワラントを受け取り
・ワラントの行使期限は5年
(バークシャー以外)
・少なくとも25億ドル相当の普通株発行による公募増資

(転載終了)

では、私たちは、どのような投資を考えれば良いのでしょうか?答えはおのずと明らかです。マーケットを国ごと丸ごと買う、あるいはセクターごとまるごと買う、といった、海外ETF投資です。

ちなみに、私のポートフォリオは、海外ETFのウェートが大きく、いまだにプラスです。

宝くじを買われるくらいなら、売り込まれた優良企業を小額買われると良いと思います。破綻しても知れている額でも、上限は無限です。

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*1 グレアム的投資手法については、以下もご覧ください。

「バフェットが語る「インフレに勝つ株式投資」 究極のファンダメンタル投資 インフレ、ROA、グレアム」

インフレ対策に最も有効な投資対象は天然資源や工場・機械などの有形資産を多く所有する企業であるとしてきました。ところがそうは行きません。有形資産を多く抱える企業は、一般的に低い利益率しか示せず、しばしばインフレによって必要になる追加資本すら生み出すことができず、実質的な成長率、株主への配当金や新規の企業買収のための資金はほとんどありません。
対照的に、インフレ期では、長期的な価値を持つ無形固定資産を持ち、有形固定資産への資本投下が相対的に少なくて済む企業への投資が不釣合いなほど大きな成果を上げてきました。そのような場合には、利益の名目価値は急増し、それがさらなる企業買収に寄与しているわけです。インフレ期における「のれん」は、金の卵を産み続けてくれるニワトリなのです。
「バフェットからの手紙/ローレンス・A・カニンガム」

このようなグレアム的な投資手法によって、バフェットは世界二位(ちなみに1位はビル・ゲイツ、3位はラクシュミ・ミッタル)の富を築いたのです。(当時)

詳しくは、以下の書籍も参考にされてください。
「バフェット流長期投資」
「バフェット投資の王道~株の長期保有で富を築く/ロバート・マイルズ」
「バフェットからの手紙/ローレンス・A・カニンガム」
「バフェット流投資術(CDブック)/ロバート・P・マイルズ」


「2回目の世界同時株安にどう備えるか 「また損をさせられる一般投資家」? 二度ある調整は三度ある(2)」

ファイナンシャル・リテラシーがある「大人の投資家」は、高騰し過熱した相場よりも、下落して落ち着いた相場を好みます。

なぜならば、過熱した相場では
・売らないなら、どこが天井か気になるので、気が休まらない
・一般的には、お祭りになり、距離を置きたくなる
・「洗練された投資家」は、天井で売り抜けることは不可能と知っているので、適当なところで売り抜けて、あとは休憩となる

下落した相場では
・割安なバーゲン品が出るため、「投資の安全域」(ベンジャミン・グレアム)を確保できる
・恐怖心や、過度のリスクを許容できなくなった叩き売りが出る
・つまり、欲しい投資対象を安値で買える、絶好の買い場となる

もっと簡単に言うと、「大人の投資家は、相場が高くなると、売りたくなる。安くなると、買いたくなる」ということです。

ですが、「一般投資家は、相場が高くなると、買いたくなる。安くなると、売りたくなる」というのが、実情ではないでしょうか?

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(引用開始)

米GE、150億ドル増資 バフェット氏が30億ドル引き受け

【ニューヨーク=清水石珠実】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は1日、150億ドル規模の増資をすると発表した。このうち30億ドルの優先株は、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが引き受ける。金融市場混乱の影響を受けて、GEは金融部門を中心に事業環境が悪化しており、バフェット氏からの投資で資金繰りを強化する。
バフェット氏が引き受ける優先株の配当利回りは10%。3年経過後は、GEへ買い取りを要請できる。1株あたり22.25ドルで引き受ける。バフェット氏は「GEは米国産業のシンボル的存在。今後の成長に自信を持っている」と、投資理由を説明した。
同時に、最低120億ドル相当の株式を新規公開する計画も明らかにした。1株当たりの値段は、明日の取引開始前までに公表する。(04:36)

日本経済新聞

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米GE、1兆6000億円増資へ=富豪バフェット氏にも割り当て

【ニューヨーク1日時事】米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)は1日、総額150億ドル(

約1兆6000億円)超の増資計画を発表した。同社収益の約半分を占める金融子会社GEキャピタルをめぐる資金繰り懸念を払しょくするのが狙い。
GEは、120億ドル以上の普通株を新規発行して公募増資するほか、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハサウェイに30億ドル相当の優先株を割り当てる。
また、バークシャーは、普通株30億ドルを追加取得する権利も獲得した。同社は先月24日にも、金融大手ゴールドマン・サックスの増資50億ドルを引き受けており、金融危機を機に金融関連企業への投資を拡大している。(2008/10/02-07:47)

時事通信

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米GEが150億ドル増資へ、バフェット氏30億ドル出資
2008年 10月 2日 04:20 JST

[ボストン 1日 ロイター] 米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)は1日、120億ドルの公募増資と、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ(BRKa.N: 株価, 企業情報, レポート)に対する優先株発行による30億ドルの第三者割り当て増資を実施すると発表した。
GEは2日に市場が開く前に発行条件を決定する見通し。
バフェット氏は声明で「GEは米産業のシンボルだ。同社の事業が今後数年間、これまでと同様に成功することを確信している」と述べた。
GEの時価総額は現在約2350億ドル。金融部門GEキャピタルの業績悪化懸念を背景に、株価は年初から約34%下落した。
GEのイメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「経済環境は不安定な状態が続いている。しかし、2008年のGEの業績は前週示した見通し通りに進んでいる」と語った。

ロイター

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-10-02 20:45 | 経済状況
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