世界金融危機(10) アメリカの覇権はゴールドマンとともに中国に移動 流動性の枯渇と救済

先日の日銀総裁のコメントで、「インターバンク市場においては、流動性が枯渇している」との表現がありました。これは、次の二つの意味を持ちます。

(1)単に、手持ちの自由になる現金がなく、キャッシュのフローが停滞している
(2)手持ちの証券化商品、その他金融資産が換金できない、値がつかない

最近の各国中央銀行による、すさまじい、文字通り洪水のような、ドル資金の供給は、(1)には有効でしょう。それでも、こういった資金供給は、銀行の自己資本の補充に直接つながるものではなく、問題の根本的解決ではない「輸血」であることは、何度も述べました。また、貸し渋り、貸し剥がしは、これからますます起こっていくであろうことは、先日の記事も述べました。

(10/6追記:たとえば、過去の記事から転載します)

「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(3) 日米欧の中央銀行が流動性供給 解決になるのか」

私は、この流動性の供給については、以下のような考えを持っております。

・確かに、資金ショートによる破綻や、連鎖倒産を防ぐような効果はある
・市場のセンチメントを改善する効果もある
・しかし、出血を止めずに輸血するようなものであり、根本的な解決にはなっていない
・流動性は、必要なところに割り当てられるとは限らず、濃淡がある
>たとえば、金融機関に十分な流動性を供給しても、貸しはがしが止まらないこともありうる
・必ずしも、信用収縮をストップし、信用創造倍率アップをもたらすとは限らない
・過剰な流動性は、ゆくゆくは投機資金となり、資産価値の乱高下をもたらす遠因となる

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛」

ここまで巨額の、文字通りジャブジャブの状態になるまでマネーを注ぎ込んでも、本質的な危機の解決にはならないことは、すでに述べているとおりです。あくまで延命措置、ということを忘れてはなりません。これで、リスクはアメリカ政府・FRBに「飛ばされた」ということになります。

これで解決にはなりません。供給した過剰のドルが、ドルそのものの信認を損なうことになるからです。

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「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」(2007.7.26)

このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか。

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「世界同時株安と円高(2) サブプライムショック発の信用収縮はデリバティブ破産へ 世界恐慌の可能性」(2007.8.17)

今回の世界同時株安に関連して、各国の中央銀行は、信用収縮に対応するために、流動性(簡単に言うとマネー)を供給しています。その額は、トータルで30兆円とも言われています。しかし、それにもかかわらず、世界株式市場は、大きく株安となっています。

まさに、サブプライムショック発の信用収縮が、デリバティブ爆弾に着火しようとしているように見えます。最悪の事態(デリバティブ破綻による世界恐慌)も想定しなければならない、と主張します。

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「「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を」(2007.3.31)

アメリカに目を転じれば、サブプライムローン(サブプライムモーゲージ。日本で言う、住宅金融公庫のようなもの)の破綻が影を落とします。アメリカの景気は減速するでしょう。信用創造の縮小によって、50兆ドル(5000兆円)とも言われる巨額のデリバティブ(派生金融商品。非常に簡単に言うと、レバレッジの効いた権利取引)の焦げ付きも懸念されるところです。

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「2006年10大ニュース 国家破綻研究ブログ&国家破産・財政破綻に勝つ資産運用が選ぶ2006年3大ニュース」(2006.12.29)

アマランスの破綻は、他人事ではありません。「デリバティブの焦げ付き」という形で、何度もやってくると考えます。

(転載終了)

それ以上に問題なのが、CDSをはじめとする証券化商品の市場が機能せず、換金できない、値がつかないということです。換金できない・値がつかない証券は、単なる紙クズなのです。

このブログでは、デリバティブ爆弾のリスクを、何度も指摘してきました。その時点では、CDSが火薬庫であることは分かりませんでしたが、CDSに限らず、信用連鎖によりレバレッジを膨らませたデリバティブであれば、適切な起爆剤があれば、容易に崩壊するであろうことは、ある程度は見えていました。

ですが、CDS爆弾の直撃をかろうじて避けたのが、ゴールドマン・サックスです。

FT(ファイナンシャルタイムズ)に、面白い記事が載っていましたので、転載します。

・投資銀行の中では、頂点にいるのはゴールドマンであることは明白
・今回の経済危機には投資銀行が一因
・危機にあたっての、ポールソン氏の手腕、ゴールドマンの資金調達は、いかにも典型的

(ゴールドマン・サックスの経営手腕)
・CDSのウェートが低かった
・リーマンやベア・スターンズと違って、サブプライム・ローンと不動産に対する損切りが速かった
・バランスシートは1兆ドル規模、そのうち非流動資産は280億ドル、サブプライム関連の非流動資産は17億ドル
・ゴールドマンは、バフェットの救済的投資を原資に、不良資産を買い取ることを検討している

(政府とゴールドマンとの関係)
・ゴールドマンの幹部は、自分が金融関係者として働き、その次に公職につくという、二段構えを得意とするが、その両者の立場は基本的には矛盾する
・財務省とFRBの救済で、ゴールドマンは最も得をした中のひとつ
・SECは、空売り禁止によって、結果的に、金融機関を保護
・FRBが、ゴールドマンとモルガン・スタンレーとの、銀行持ち株会社移行を認めたことで、両社は、本格的な銀行になる
・ポールソンの金融安定化法案が議会を通過すれば、ゴールドマンはさらに一儲けするはず
・金融安定化法案の基金が、直接にゴールドマンに資金を流すかもしれないし、ゴールドマン以外の不良資産を買い取っても、ゴールドマンの持つ値が付かなかった不良資産に、間接的に流動性を付与することになる

先日のコメントを転載します。

(転載開始)

Commented by kanconsulting at 2008-10-03 15:14 x
(前略)中国は、ゴールドマンサックスと密接な関係があります。もともとBRICsを言い出したのはGSです。そしてGSとアメリカ政府のつながりも明らかです。ハンク・ポールソン財務長官は、ゴールドマン・サックスの前会長・CEOでもあることなど。そして、ゴールドマンがバフェットによって救済的投資を受けたことで、他の金融機関とは違う存在感を示しています。GSにも、間接的に政府資金が流れることでしょう。
シティやモルガンスタンレーとは大きな違いです。
寄生虫が宿主を渡り歩くように、金融資本にも新しい体が必要です。
中国は、独裁国ですし法律も未整備ですので、そこから金融支配を進めるにはちょうど良いのかもしれません。

(転載終了)

以下、ニュース本文を引用し、機械翻訳も添付します。機械翻訳なので表現がおかしいですが、ないよりはマシでしょう。

(引用開始)

Whatever is good for Goldman ...
By John Gapper

Published: September 24 2008 19:21

A lot of people used to think that Goldman Sachs ran the US economy. Now we know it does.

多くの人々が、以前はよくゴールドマンサックスが米国経済を走らせたと考えていました。 今、私たちは、それがするのを知っています。

On Tuesday morning, Hank Paulson, the US Treasury secretary and former chairman and chief executive of Goldman, testified to Congress about his plan to buy $700bn of mortgage securities. He wants to scoop up these assets as rapidly, and with as little interference, as possible in a manner yet to be fixed.

火曜日の朝、ハンク・ポールソン(ゴールドマンの米国債の秘書、元議長、およびチーフエグゼクティブ)は、7000億ドルの抵当証券を買う彼の計画に関して議会に証言しました。 彼はまだ修理されていない方法で可能であるとしての同じくらい急速、および同じくらい少ない干渉があるこれらの資産をすくい上げたがっています。

On Tuesday evening, Goldman declared that Warren Buffett, the legendary investor, was handing it $5bn of new capital in the form of preference shares and the bank would follow up with a $5bn equity sale. For investment banking rivals that have fallen by the wayside, or had to hunt overseas for funds, it showed who is top of the heap.

火曜日の晩に、ゴールドマンは、ウォレン・バフェット(伝説的な投資家)が優先株の形で50億ドルの新しい資本をそれに渡していたと宣言しました、そして、引き続いて、銀行は50億ドルの株式販売をするでしょう。 路傍のそばで転ばなければならなかったか、または海外で基金を探さなければならなかった投資銀行業務ライバルに関しては、それは、だれが勝者であるかを示しました。

Mr Paulson’s stewardship of the crisis-hit economy – despite the role that investment banks have played in bringing it down – and Goldman’s bravura capital-raising are typical. Goldman partners are not only smarter than the average Wall Street bear, but often turn up in “public service”, running finance ministries and central banks.

危機ヒット経済と#8211年のポールソンさんのスチュワードの職。 投資銀行がそれを降ろす際に果たした役割と#8211、にもかかわらず。 そして、ゴールドマンの勇壮資本調達は典型的です。 ゴールドマンパートナーは平均したウォール街クマより賢いだけではありませんが、「社会奉仕」でしばしば現れてください、財政省と中央銀行を経営していて。

They have been very adept at first making money for themselves and then trading the financier’s life for that of the power broker. Even in a Wall Street-induced crisis, it feels safer to have Mr Paulson at the US Treasury than Paul O’Neill, or John Snow, his Main Street predecessors. His bald pate and manner are scary but he is no ingenue.

彼らは、パワーブローカーのもののために自分たちのためにお金を稼いで、次に、金融家の人生を取り引きしながら、最初に非常に手際でした。 ウォール街によって誘発された危機でさえ、それは米国債にポールソンさんを持つためにポール・オニール、またはジョン・スノーより安全であると感じられます、彼の大通りの前任者。 彼のはげ頭と方法は怖いのですが、彼は純情な少女ではありません。

This Wall Street crash, however, has made the latent conflict of interest between Goldman’s public and private faces uncomfortably real. Mr Paulson insists that, in his current job, he cares only about “the American taxpayer”, yet Goldman has been one of the prime beneficiaries of recent interventions by the Treasury and the Federal Reserve. Even if you accept, as I do, that Mr Paulson is a man of principle who tries his best to put his country first, this is troubling.

しかしながら、このウォール街クラッシュで、ゴールドマンの公共の、そして、個人的な顔の間の潜在している利害の衝突は不愉快に本当になりました。 ポールソンさんは、現在の仕事で単に「アメリカ人の納税者」を心配すると主張します、しかし、ゴールドマンは国家財政委員会と連邦準備制度理事会による最近の介入の一番恩恵を受ける者の1つです。 あなたが私が受け入れるように受け入れても、そのポールソンさんは最初にこれが煩わす彼の国を置くためにベストを尽くす原則の男性です。

It places him in a more awkward spot than Robert Rubin or Steve Friedman, who ran Goldman and went on to become Treasury secretary and director of the White House Economic Council respectively; or Jon Corzine, the former Goldman head who is New Jersey governor, or Mario Draghi, a former Goldman partner who runs the Bank of Italy.

それはそれぞれホワイトハウス経済審議会のゴールドマンを車で送って、昇進して国家財政委員会の秘書になったロバート・ルービンかスティーブ・フリードマンより無器用な場所と指導官に彼を置きます。 または、ジョンCorzine、ニュージャージー知事、またはマリオ・ドラギ(イタリアのBankを走らせる元ゴールドマンパートナー)である元ゴールドマンヘッド。

It might not be so awkward if Goldman had suffered just a little more from the credit crisis. But it has instead emerged, along with Morgan Stanley, in the last pair of large investment banks standing. The Securities and Exchange Commission has protected them and other institutions from short-selling and the Fed has allowed them to become fully fledged banks.

ゴールドマンが金融恐慌にちょうどもう少し悩んだなら、それほどまずくないかもしれません。 しかし、それは代わりにモルガン・スタンレーと共に多額の投資銀行地位の最後の組で現れました。 証券取引委員会は空売りからそれらと他の団体を保護しました、そして、連邦政府はそれらが完全な銀行になるのを許容しました。

Wall Street is widely reviled at the moment, but even Wall Street is bitter about Goldman. Former employees of Lehman Brothers, which was left to fail by the Fed, complain that Mr Paulson and Ben Bernanke, the chairman of the Fed, saved their $700bn (€474bn, £377bn) shot until last week. They pulled out the big gun when it looked as though Goldman and Morgan Stanley were in trouble.

ウォール街は現在、広く悪口を言われますが、ウォール街さえゴールドマンに関して苦いです。 リーマン・ブラザーズの元従業員は、ポールソンさんとベン・バーナンキ(連邦政府の議長)が先週まで彼らの7000億ドル(#8364; 4740億、およびポンド; 3770億)のショットを取っておいたと不平を言います。(リーマン・ブラザーズは、連邦政府で失敗するのが残されました)。 まるでゴールドマンとモルガン・スタンレーが困っているかのように見えたとき、彼らは有力者を引き抜きました。

Now, to compound matters, Goldman could make a bundle if Mr Paulson’s $700bn fund clears Congress. Unlike rivals such as Lehman and Bear Stearns, Goldman marked down its exposures to subprime mortgages and real estate so aggressively that it has only $28bn of illiquid assets, of which a mere $1.7bn related to subprime mortgages, on a $1,000bn balance sheet.

今、件を合成するために、ポールソンさんの7000億ドルの基金が議会をきれいにするなら、ゴールドマンは荒稼ぎするかもしれません。 それには、リーマンやBearスティアンズなどのライバルと異なって、ゴールドマンが非常に積極的に「副-主要」抵当と不動産への露出を記録したので、非流動資産について280億ドルしかありません、1兆ドルの貸借対照表で。(そこでは、わずか17億ドルが「副-主要」抵当に関連しました)。

It would be a bit rich for Goldman to turn round and make a profit by selling this stuff at a higher price to its old boss. But it need not be quite so blatant: even if Mr Paulson’s fund buys comparable assets, Goldman will be able to mark up its own book. Furthermore, it is already thinking of using Mr Buffett’s largesse to buy more distressed securities.

ゴールドマンが高値でこのものを年取ったボスに販売することによって振り向いて、利益を上げるのは、少し豊かでしょう。 しかし、それはそんなにあからさまである必要はありません: ポールソンさんの基金が匹敵する資産を買っても、ゴールドマンはそれ自身の本を値上げできるでしょう。 その上、それは、より困窮している証券を買うのにバフェットさんの気前のよさを使用することを既に考えています。

Goldman can hardly be blamed, of course, for navigating the Wall Street crisis better than others. It did not expose itself so disastrously to one highly leveraged play on the US mortgage market. It hedged against the credit turmoil and cut its losses swiftly rather than crossing its fingers that the market would turn.

もちろんウォール街危機に他のものよりよくナビゲートするのについてゴールドマンをほとんど非難できません。 それはそれほど惨めに米国抵当市場での1つの非常に投機されたプレーにそれ自体を露出しませんでした。 祈るよりむしろ、市場がターンするだろうというのは、クレジット騒ぎについて防護措置を講して、迅速に早めに手を引きました。

Yet Goldman got a helping hand from the authorities and stands to get another one while Lehman was – rightly, in my view – allowed to fail and Bear Stearns’ shareholders were nearly wiped out. Would the Treasury and the Fed ever have allowed Goldman to follow and its partners to lose their wealth? I doubt it.

しかし、ゴールドマンは当局、リーマンが得ましたが、別の1つを得るスタンド、および#8211、から援助の手を得ました。 正しさ、私の視点と#8211で。 失敗するように許容されるのとBearスティアンズの株主はもう少しで疲れ切るところでした。 国家財政委員会と連邦政府は、ゴールドマンが続くのを許容したことがあって、今までに、パートナーが彼らの富を失うのを許容したことがありますか? 私はそれを疑います。

The fact is that Goldman, having started out as a humble commercial paper house in 1869, has worked its way to the heart of the financial and political establishment. It has become the modern-day General Motors by convincing politicians and regulators that what is good for Goldman Sachs is good for the US economy.

実は、1869年に粗末な商業手形商として始めて、ゴールドマンは財政的で政治上の設立の心臓に進んでいました。 ゴールドマンサックスに、良いことが米国経済で良いと政治家と監視委員に納得させることによって、それは現代のゼネラル・モーターズになりました。

It does not hurt that so many Goldman executives become public officials. They no doubt go to the capital with the best of intentions, but they bring with them Goldman’s view of the world. Bear Stearns was “too inter-connected” with markets to be allowed to fail, but Goldman has embedded itself far more deeply in Wall Street and Washington.

とても多くのゴールドマン幹部社員が公務員になるのは痛みません。 間違いなく誠心誠意都へ上りますが、彼らはそれらと共にゴールドマンの世界観をもたらします。 Bearスティアンズは失敗できる市場と共に「あまりインタコネクトされていました」が、ゴールドマンははるかに深くウォール街とワシントンにそれ自体を埋め込みました。

Most of the time, this intermingling is not pernicious. Goldman partners tend to be clever, hard-working people. I also share Goldman’s views on the benefit of free markets and globalisation, and the belief that wealthy institutions and individuals should use their clout and money both for philanthropy and to improve standards of government.

たいてい、この混り合いは有害ではありません。 ゴールドマンパートナーは、賢明で、勤勉な人々である傾向があります。 また、私は、ともに、博愛、政府の規格を改良するために自由市場とグローバル化の利益、および裕福な団体と個人が彼らの勢力とお金を使用するべきであるという信念に関するゴールドマンの意見を共有します。

But, at the moment, Wall Street is embroiled in a crisis of liquidity and credibility. Mr Paulson is due to step down by January as Goldman Sachs’ latest Treasury secretary. The next president should recruit his successor from elsewhere.

しかし、現在、ウォール街は流動性と真実性の危機に巻き込まれます。 ポールソンさんは1月までにゴールドマンサックスの最新の国家財政委員会の秘書を辞任することになっています。 次期社長はほかの場所から彼の後継者を募集するべきです。


(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-10-06 09:28 | 経済状況
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