CDSショックと総円高(3) USD・EUR・AUDとJPY CDS爆弾の連鎖反応 中央銀行の過剰流動性と相場の乱高下

先日の記事のコメントで、次のように記載しました。

(転載開始)

確かに、日本の銀行は損失が軽いです。買収余力もあるでしょう。しかし、信用不安は世界中に伝播しますので、

・フロー(短期資金の融通ができるか、金利がきちんと入ってくるかどうか)
・ストック(所有している資産価値の下落、債券のデフォルト)

のいずれにも問題があるように思います。特に、日本の構造的な問題なのか、アメリカの景気悪化を本国以上に受けやすい(つまり、ショックがおきると、相対的に日本の資産価値が海外に流れる(ようにも見える))のは、今に始まったことではないと思います。

AUDは、短期的には、キャリートレードの解消と見ています。ジャブジャブにすり散らかされたドルが、悪さをしたのでしょう。AUD買いの前提条件であった、資産価値の高騰は、仮需分が剥げたので、その分割引となります。
短期的には、リスクマネーが減少していますので、その影響を受けます。ファンダメンタルを割り込む状況が続くでしょう。
長期的には、オーストラリアが信用不安を受けにくいという前提で、ファンダメンタルに従って、回復すると見ています。

(転載終了)

これまでも

『各国の中央銀行が流動性を供給しているが、これが、中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要です』
『こういったマネー(FRBなどが供給した過剰流動性)は、めぐりめぐって、さらなる市場の乱高下をもたらす可能性もあるのです』
『アメリカでは、・・・多量のマネーも供給されるのです。それにより、アメリカ株・世界株は反発することとなりますが、回復の実態を伴ったものではないので、再び暴落といった乱高下という事態が考えられます』

と、警告を述べて来ましたが、まさにそのような事態になっているのだと思います。

もう少し詳しく述べると、FRBなどが救済目的で供給した過剰なドルが、金融機関にとっては低金利で調達できるのをいいことに、一部が短期投資に回り、アンワインドで暴落を引き起こす。まさに、「過剰流動性の引き起こした乱高下」なのだと思います。

さらに、CDS爆弾は、信用不安の連鎖反応を引き起こすため、まさに「暴落」というにふさわしい、底なしの、急激な変動を引き起こすのでしょう。

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先日の、「クレジットスプレッド・恐怖指数・為替レート」の複合グラフに、EUR(ユーロ)とAUD(豪ドル)を追加しました。為替レートは、普通と逆(上が円高)になっています。

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(データ クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com)

また、為替レートについて、GBP(英ポンド)を加えて、5年前を100とした比較の図も入れてみました。為替レートは、普通(下が円高)になっています。

a0037933_239095.jpg

(データ 同じ)

USDについては、これまでも「日本円とアメリカドルは実質的にペグしているようなもの」と述べてきましたが、その通り、変動幅としては比較的小さいものとなっていることが分かります。

逆に、AUDやGBPなどの高金利通貨の下落が激しく、機関投資家が、これら通貨に関連するリスク案件をアンワインドしていることが伺えます。

株式に目を転じると、コメントにも記載しましたが、ダウ、日経平均ともに、恐ろしい数字となっています。ファンダメンタルズを割り込んでいるのは明白ですが、リスク資産をキャッシュに換えて、手持ちのキャッシュを抱え込み、誰もリスク資産に手を出そうとしないのです。
何年か前に書きましたが、「キャッシュ(現金)以外は信じられないという状況」が来ているのだと思います。すなわち、マイルドであっても、恐慌です。

同じく、コメントにも記載しましたが、ソフィスケイテッド・インベスター(洗練された大人の投資家)は、こういった状況で、細心に選択した資産クラスと銘柄に、買いを入れていきます。
J-REITは、ゴミ箱だとの指摘も多かったのですが、これからは破綻も続くでしょう。不動産投資をされるなら、直接物件を当たられたほうが良いかと思います。
グロソブも、買いだとは思えません。こちらも、ご自分で海外債券や外貨MMFを買われたほうが、かなりマシです。

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このような状況の中で、私たち一般国民は、繰り返しになりますが、

・市場の変動に右往左往することなく、冷静に市場(相場)を見ること
・余裕資金で、外貨と、世界株式に、長期積み立てで投資すること
・投資の戦略と戦術を守り、ギャンブルはしないこと
・このような経済混乱の時期は、よい買い場ではあるが、全力投入はしないこと

が必要なのだと思います。

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。
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by kanconsulting | 2008-10-11 23:11 | 経済状況
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