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経済指標 何をどのように見れば良いのか ガイドブック紹介

先日のコメントで、「いろいろな指標があるが、何を見れば、未来が分かるのか、知りたい」「確実な先行指標が知りたい」と言ったような、コメントがあったように思います。

まず、当たり前のことですが、「確実な先行指標はない」ということを、再確認したいと思います。その上で、市場の値動きを冷静に受け止めることが必要なのだと、述べたいと思います。

ですが、それだけでは、あまりに色気がありません。ですので、いくつか、参考になりそうな書籍を挙げたいと思います。

(1)経済指標を網羅的に勉強したい

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

以下の本をお勧めします。カラー版のムック(大き目のサイズ、見開きメイン、絵・グラフなどを多用した、見やすい作りの本)ですので、初心者の方にもお勧めします。

もともと高い本ではありませんが、今ですとさらに安価で入手できると思います。

こういった経済指標に振り回されるのは得策ではありませんが、「月1回」「年1回」などといったチェック頻度の目安も掲載されています。何度も繰り返しますが、確実な先行指標はないことにはご留意いただき、指標に振り回されないよう、冷静な受けとめをお願いします。

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

(2)指標にとどまらず、グローバルなお金の流れを知りたい

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

さまざまな資産クラスを行き来するマネー。私は、このブログの当初から、「カネは、儲かりそうな資産クラスをめがけて常に移動する。その動きを見抜くことができれば、少なくとも生活に困ることはない」と指摘してきました。(*1)

その、グローバルなマネーフローを分かりやすく紹介しているムックです。

本書の表紙には、「2008年後半のキーワードは、過剰流動性の終焉」とあるように、ある程度の信用収縮を予見していたと言えるかもしれません。

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

【追記】このブログにおいては、当初から、過剰流動性が、キャリートレードなどを通じて、市場の乱高下をもたらすことを指摘してきました。関連するエントリーを記載します。(*2)

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*1

では、どのファンドがいいのか(1) 実需と仮需

「どの資産クラスが、価値が減るのか」
「どの資産クラスが、価値が増すのか」
ということは、事前には分からないのです。

世界に存在する資金の量は有限です。その流れを読むことが出来れば、どの資産クラスが値上がりするか分かりますので、誰もが富豪になることが出来ます。

では、どのファンドがいいのか(2) ポートフォリオ

資金が流入することで特定の資産クラスの価値が膨れ上がること、そしてその資金の流れのうちで「実需」「仮需」があり、「仮需」が大きな役割を占める場合もあることを述べました。そして、その流れを読むことは難しいことも述べました。

大きく言いますと
・資金の流れを読むことは、普通の情報では不可能
・「株ブーム」「不動産ブーム」などブームが形成されるのは、まず最初の資金が流入するからであり、大きな儲けはブームの前に投資した場合のみである
・一般投資家は、ブームが形成された後に投資するので、儲けが薄く、場合によってはその後のバースト(急落)に巻き込まれて損をする

では、どのファンドがいいのか(4) 収益環境指数

これまでに、
・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
と述べました。

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*2

チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる

またしても、エマージングを引き金にした、世界株式の急落(調整)がありました。

チャイナ・インドといえば、日本からのファンドによる投資もあり、そうでなくても低金利の円に遠くは由来する過剰流動性で膨れていた状態です。これが調整したということは、非常に簡単に言うと、『一般投資家は、トレンドに尻馬で乗って、結局損をさせられた』ということになります。ですので、『イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある』のです。

何度も同じことを書きますが、BRICSは、あくまでもエマージングであり、それ相応のリスクを背負った投資になります。年に一度や二度の調整(急落)は当たり前です。今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。FAI投資法で知られる株式投資のプロは、次のように言います。『結局誰かが投げないと、相場は上がらないんだよ。』

世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか

また、このブログでは、以前から、円ショートのキャリートレードの副作用を指摘してきました。『機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている』と言われているのです。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利」という報道もあります。

量的緩和の解除 ゼロ金利からの脱出?(2006.2.18)

機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレード(だぶついた日本円を使った裁定取引)が、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている

NZドルのリスク

ニュージーランドは・・・昨今のジャパンマネーの流入などで、実体経済以上の通貨高を招いた
by kanconsulting | 2008-11-07 09:47 | 資産保全一般
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