FX(外国為替証拠金取引) 投資家の意識調査 スイスフランとユーロの危機

FX投資家についての話です。各業者によって、傾向が多少異なるのが面白いところです。

(取引される通貨)
・松井証券では、ユーロが米ドルをしのいでいるほか、英ポンドも人気が上がっている
・SBIではユーロと豪ドルが台頭
・マネックスでもニュージーランドドルの人気が高まっている

(証拠金の残高)
・SBIは7月以降、保証金残高に大きな変化がない
・マネックスも8月以降、保証金残高に大きな変化がない
・松井は9月26日現在で140億円だった証拠金残高が、今月7日に117億円まで減少した

ご存知のように、ユーロとポンドをロングしていた投資家は、瀕死の重傷を負ったことは、言うまでもありません。松井証券の証拠金が大きく減っているのは、そういった背景があるのでしょう。

豪ドルやNZドルも痛い状況でしたが、ポンドの下げに比べると、まだマシと言えたかも知れません。それらの顧客のレベルが同じと仮定すると、各通貨ペアの状況に左右される傾向なのでしょう。

さて、為替相場ですが、ユーロ・ポンドに引き続き、カナダドル、スイスフランなどの下げが厳しいようです。スイスについては、これまでは有事のスイスフランなどと言われていましたが、国自体の金融安定性が懸念されているのでしょう。「有事の日本円買い」となっているのだと思います。

USD/JPY 93.97
EUR/JPY 118.98
AUD/JPY 60.37
GBP/JPY 141.41
CAD/JPY 75.51
CHF/JPY 77.80

ユーロに関しては、

・日米に比べ利下げ余地が大きく、今後1%程度にまで利下げする可能性もある
・金融危機がこれから拡大するが、当局の対応力は統一性が欠けるという懸念がある
・産油国のドル建て資金がユーロに流れ込んできたが、それが逆流する

などという観測があり、ユーロへの逆風は当分続きそうです。

以前の記事で、「ドル建ての原油価格とユーロドル相場はパラレルの傾向。ユーロ建ての原油価格は一定に見える」(当時)と書きました。それは、産油国が代金として受け取ったドルをユーロに代えるという、恒常的圧力があったためでしょう。現在、原油価格が下がったところで、その前提が崩れ、今後さらに逆流するであろう、という観測です。

(引用開始)

乱高下する相場 投資家魅了? ネット証券のFX取引急伸
2008/11/20

インターネット専業証券が扱う外国為替証拠金取引(FX)が、活況を呈している。9、10月は売買代金が過去最高水準になったネット証券もあり、幅広い通貨が売り買いされている。金融危機で株式市場が低迷する中で、外国為替市場の激しい変動幅を逆手にとった投資が盛んだが、相場を読み違えれば、証拠金の積み増しも必要になるなど損失リスクも高い。初心者でも、為替相場に関する正しい知識と慎重な判断が求められる。
FXの手数料を7月から無料にしたSBI証券は、同月の売買代金が1兆428億円(前月の2.4倍)に急伸した。米金融危機が拡大した9月に2兆5495億円で過去最高を記録し、10月も同水準を維持するなど、「画期的な市況」に沸く。
今月17日には、売買する通貨の組み合わせや注文方法を増やした新サービスを始め、口座開設の申し込みは1万件以上に達し、個人投資家の関心の高さがうかがえる。
マネックス証券も、1万ドルや1万ユーロなど1万通貨単位の取引枚数が、10月に75万枚(前月の1.7倍)になり、過去最高を記録したことが分かった。
富裕層による大口取引も、目立つ。11月12日に円が3円近く上昇し、1ドル=94円台になるなど為替相場が大きく振れた先週、カブドットコム証券では、100万ドルの取引を1日200回も繰り返す顧客が現れたという。
FXが個人投資家に普及してきたこともあり、取引される通貨も、かつての米ドル一辺倒から多様化が進んでいる。松井証券では今月に入り、ユーロが米ドルをしのいでいるほか、英ポンドも人気が上がっている。SBIではユーロと豪ドルが台頭し、マネックスでもニュージーランドドルの人気が高まっているという。
ただ、FX業者に担保として預ける証拠金の残高は、あまり増えていない。急激な円高環境で、損失を出すケースが多かったためとみられる。
SBIは7月以降、マネックスも8月以降、保証金残高に大きな変化がない。松井は9月26日現在で140億円だった証拠金残高が、今月7日に117億円まで減少した。
松井では、「日本では円を売って外貨を買うところからFXを始める人が多く、急激な円高で負ける人が出ているのだろう」とみる。
また、SBIによると、「保証金残高が減っているのは、売買代金が増えたといっても、既存顧客が同じ金額でやりとりしているためではないか」という。
金利目当ての外貨投資も盛んになっているが、金融危機対応で、今後は各国の金利も下がる見通しだ。第一生命経済研究所主席エコノミストの嶌峰義清氏は「FXの仕組みをよく理解せずに、ブームにのって人気のユーロなどを買い続けると、リスクも高くなる」と警告する。

フジサンケイビジネスアイ

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http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200811260090a.nwc

FX取引意識調査 リスク浸透、仕組み無頓着
2008/11/26

手軽に取引できるけど、リスクも気になる-。インターネットの普及で急成長する外国為替証拠金取引(FX)市場だが、情報収集に熱心な半面、FXの知識が必ずしも十分でない個人投資家の姿が、楽天リサーチ(東京都品川区)の意識調査で浮かび上がった。
調査は10月22、23日の2日間、20~60代の男女計1000人を対象にインターネットで行った。それによると、FX経験者は約2割で、きっかけは「インターネット」と答えた人が7割以上いた。また、取引する際の情報源は「マネー関連のインターネットサイト」が約4割、「FX業者のホームページ」が約3割に上った。
FXの魅力は「少額から始められる」(59.4%)をトップに、「ハイリターン」「外貨預金と比較して手数料が安い」という声が多かった。
不安に感じる点では「ハイリスク」(75.9%)が突出して多かった。「FX業者の倒産」と答えた人も4割近くいて、昨秋以降相次いだ業者の経営破綻(はたん)が背景にあるようだ。また、元手の金額の何倍の取引ができるかを示す「レバレッジ」などFXに関する4つの用語について、半分以上が「理解していない」「初めて聞いた」と回答した。
証券アナリストは「FXの利点とリスクに対する認識は浸透してきているが、取引の仕組みを正確に理解している人は必ずしも多くはない」として、安易に取引を始める個人投資家に注意を促している。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-12-01 20:58 | 外国為替(FX)
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