アメリカ政府支出は8兆5000億ドル(約780兆円)以上 GDPの62% デリバティブ地獄絵図

繰り返しになりますが、「国家破綻に至る6ステージ」を、再度掲載します。

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(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 一部進行中か】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)

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現在は、ステージ(2)の自己資本毀損はまだ止まらず、ステージ(3)の実体経済悪化はすさまじい勢いで進行しているという認識です。ですので、信用収縮はまだ止まらず、当然、株式などのリスク資産もまだ下げとまらないものと思います。

「え?ここまでマネー(公的資金)を投入しているのに、なぜ自己資本毀損が止まらないの?」と思われることと思います。それを一言で言うと、
「ストック面からは、金融機関の保有する債権や有価証券の価値が下落しているから」
ということですが、付け加えるなら、
「フロー面からは、決済のためのマネーが十分に流れていないから」
などという事も出来るでしょう。

特に、金融機関のリスクを「飛ばす」ために作られた、CDSなどのデリバティブに、値が付かない状況は改善されていません。リスクを飛ばしたのですから、名目上、バランスシートには傷が付きません。ですが、実質的には重傷となっていることも、ご存知と思います。ですので、金融機関の自己資本に公的資金を注入しても、「焼け石に水」となっているのだと思います。

(つまり、デリバティブの公的救済がなければ、本質的解決になりません。しかし、公的救済のためには、世界経済まるごと1個分を犠牲にするくらいのマネーが必要でしょう)

まさに、デフレスパイラルの再来、といった現象ですね。世界を巻き込む広さ、巨額のデリバティブという深さにおいても、日本のデフレスパイラルとは比べものになりません。

これまでに、次のように述べました。

・これまでに、ゴールドマンサックスによると、金融危機に伴う世界の損失額は、1兆4000億ドルに達する試算と述べました。
・また、アメリカ政府などによる、不良債権買取・公的支援・買収などの合計は、すでに明らかになっている数字の合計だけで、約1.5兆ドル(15130億ドル)になることも述べました。
みずほ証券の、もっとシビアな試算によると、約5.8兆ドル(約550兆円)の損失になるということです。

アメリカ政府などによる損失補てんが、100兆円程度であろうと言われていたころに、私は、「その程度ですむはずがない」として、「(アメリカ政府などによる)損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。」と指摘しました。

現在、もっと大きな数字が出てきています。

ブルームバーグによると、アメリカ政府は、出資・融資・保証などで、合計8兆5000億ドル(約780兆円)以上を出すことになるということです。アメリカのGDPの62%に相当する、巨額となっています。

月を追うごとに、損失額が増えていくこの状況は、まさに、底なし沼というにふさわしい状況です。

うまい汁の先取りをした分、そのツケはあまりに大きいと指摘します。来年には、地獄絵図が出現するような気がしてなりません。くれぐれもご注意ください。

(引用開始)

ブルームバーグのデータによれば、米政府は結局、出資や融資、保証などで合計8兆5000億ドル(約780兆円)以上を出す。これは米国の国内総生産(GDP)のほぼ62%だ。この金額には保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)への融資や出資、米銀シティグループへの資本注入や有害資産の保証などが含まれているが、ビッグスリー(米3大自動車メーカー)が求めている340億ドルはまだ含まれていない。

ブルームバーグ 経済コラム

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-12-08 09:29
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