新年のご挨拶 金持ちじいさんの未来予知 感覚的なリスク察知 大前研一と林輝太郎

読者の皆様

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は、危機を察知していち早く逃げ出した方が、文字通り一命を取り留める思いをされた一年だったと思います。日本人的な投資手法(最後に来るカモネギ)は、このブームとバーストには動きが遅かったために、世界的に見れば日本はそれほどのダメージを受けていないとされます。ですが、いくつもの大学や会社が、よくわからない外資系金融商品で大損を出していることもご存知と思います。

(もしサブプライムショックとリーマンショックが1~2年ずつ先延ばしされていたら、日本の機関投資家にさらなる多量のCDOや仕組み債券が売りつけられ、日本も一撃で撃沈していたかもしれません。)

以下の話は、一部の方にはオカルトとして受け止められるかもしれません。しかし、大事なことなので、誤解を恐れずに書きたいと思います。

世の中には、少数だと思いますが、直感的に未来予知ができる方が存在します。「金持ちじいさん」もそうでした。私が小さいころには、よく法人の執務室に出入りして遊んでいたものですし、経営と投資に関するいろいろな面白い話も聞かせてもらえたものですが、残念ながらすでに亡くなっています。

現在、金持ちじいさんの親類の方が理事長をされていますが、私とは直接の血縁ではないこともあり、以前のように執務室に出入りすることはありません。この方も、直感的な未来予知ができる方のようです。一昨年(2007)の春には、良くない予感がするとして、法人の所有する金融資産(株式など)の見直しをされました。昨年(2008)の春にも、まだ胸騒ぎがするとして、あらかたの金融資産の処分をされたと聞いています。今年の景気についてのコメントは、最後に記述します。

「占い師か何かかよ。神頼みで投資が出来れば苦労しないぞ。」と思われるかもしれません。しかし、経済学の本質は、合理的な未来予測にあると理解しています。その予測があまりにも当たらないことは、すでにご存知と思います。

(もし、お手持ちに1年前の雑誌の新春号があれば、エコノミストや経済学者の「2008年の景気予想」を見直してみると、面白いと思います)

たとえばの話ですが、ネズミは、火事になる船から事前に逃げ出すと言います。小さくて体力のない(=リスク許容度が低い)ネズミは、臆病(=リスク感受性が高い)で謙虚(=成功しても、リスク判断ルールがぶれない)なので、そういったところを表現した「お話」なのかも知れません。ですが、野生動物には地震・噴火などの自然災害のリスクを察知する能力がありますので、火事とネズミの話が本当であったとしても、妙に納得すると思います。

脳科学の知見からは、投資リスクの検知は、実験的に、まず無意識(皮膚の電気抵抗などの変化)にあらわれ、その後に意識化(たとえば「ヤバイから逃げよう」)されることが分かっています。「何かおかしい」という直感があって、その後にそれを裏付ける検証作業があるのだと思います。
データを解析すれば自動的に「逃げよう」という計算が出来るわけではないのです。それは、IT(コンピューター)を駆使した現代金融工学そのものが世界金融危機を生み出し、しかもその予測ができずに数多(あまた)のファンドが死屍累々となったことからも、明らかです。

直感的な判断の例としては、過去の記事「バブル崩壊を見破った男たち(1)大前研一」、また、林輝太郎がバブル崩壊前後に新日鉄(だったと思います)の空売り(ショートセル)を始め、どんどん売り増していったなどという記述を参照していただければ、理解していただけることと思います。
そもそも、場帳(何らかの相場の値動きを日々記録するノート)形式の投資判断は、「値動きを肌で感じる」感覚的なものですので、普通のテクニカル投資に比べれば、ずいぶん直感的な手法だと思います。

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最後になりましたが、今年の景気についてのコメントを記します。

「この不況不景気が、簡単に良くなると思ってはならない。数年は厳しいと覚悟するべきだ。」
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by kanconsulting | 2009-01-07 18:46 | 経済状況
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