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経常黒字減少 貿易収支赤字続き 海外への資金流出21兆円 経済状況の発展段階説

経常黒字が減少し続けていますが、11月度は急減と言って良い状況です。また、貿易収支も赤字続きとなっています。

経常収支 +5812億円 (前年同月 1兆7057億円)(前年同月比 ▲1兆1245億円)
貿易・サービス収支 ▲1842億円 (前年同月 7935億円)
 貿易収支 ▲934億円 (前年同月 9076億円)
  輸出 5兆0623億円 (前年同月比 ▲1兆8218億円)
  輸入 5兆1557億円
 サービス収支 ▲908億円 (前年同月 ▲1141億円)
所得収支 +8447億円

単月度の数字ですが、これまでも述べていますように、『単月度の赤字であれば、別に気にする必要はありません。しかし、これから当分の間、「日本が貿易赤字国」という傾向が続くとするならば、多方面にいろいろな影響が出てくることと思います』(「日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り」)。

また、『このブログでは、ドル基軸通貨の維持可能性と、アメリカ覇権システムの安定性について、重大な疑問を投げかけています。ですが、「アメリカより日本が良い」ということにはならず、『アメリカとその国際政治経済システムのために、日本は犠牲にされる可能性がある』とも、述べてきました。たとえば、日本の貿易収支赤字転落があるでしょう』(「世界の財政出動 アメリカの膨大な赤字 日本の行く末」)とも述べてきました。

2008年は、「株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出」が、21兆円となり、日本の資本市場からマネーが逃避したボリュームが過去最大の規模になっています。外国人が日本株・債券を売却したのが主因とされています。

今後、日本も成熟債権国となっていくにあたり、日本からみたマネーの大きな流れが変わる、大きな節目にきているのだと思います。当然、株式や為替の水準も、変わっていくでしょう。このあたりは、「経済状況の発展段階説」に関連した過去の記事を参照ください。

関連した過去の記事のリンクを掲載します。

「債務残高なんて問題にならない? 経済状況の発展段階説(4)」

「経済状況の発展段階説(1) ヘゲモニーサイクル 永遠に成長できる国はない 国際分散投資が必要な理由」

「日本がアメリカ国債を買っている理由 日本人に必要な資産運用の知見とは? 経済状況の発展段階説(5)」

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

(引用開始)

11月の経常黒字65.9%減 輸出、最大の減少幅

財務省が13日発表した昨年11月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資などの総合的な取引状況を示す経常収支の黒字は5812億円となった。経常黒字は前年同月比65.9%減少し、昨年6月以来、5カ月ぶりの大きな落ち込みとなった。経常黒字の縮小は9カ月連続。世界的な金融危機と景気低迷を背景に、輸出が過去最大の減少幅を記録したのが響いた。
経常黒字の減少幅は11月としては1990年以来の大きさ。減少幅が1兆円を超えたのは、昨年8月から4カ月連続となった。(11:43)

日本経済新聞

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11月経常黒字は前年比‐65.9%、9カ月連続の減少
2009年 01月 13日 11:10 JST

[東京 13日 ロイター] 財務省が13日発表した国際収支状況速報によると、11月経常黒字は前年比65.9%減少の5812億円となり、9カ月連続の減少となった。
貿易収支が赤字に転じたことが影響した。ロイターが民間調査機関に行った事前調査では、経常黒字の予測中央値は前年比61.9%減少の6503億円だった。
11月の経常黒字額は、前年と比べ1兆1245億円減少した。1兆円を超す減少幅を記録するのは2008年8月以降4カ月連続となる。
貿易・サービス収支は1842億円の赤字(前年同月は7935億円の黒字)となった。赤字は2カ月連続。
このうち、貿易収支は934億円の赤字と、前年同月(9076億円の黒字)から赤字に転じた。輸出が前年比26.5%減と比較可能な統計が公表された1985年以降最大の減少率となり、輸入の減少率(同13.7%減)を大きく上回ったことが要因。
サービス収支は908億円の赤字(前年同月は1141億円の赤字)となった。 
所得収支の黒字額は8447億円となり、前年比15.5%減少した。円高や金利の低下で債券受け取り利子などが減少したことが響いた。

ロイター日本語ニュース

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11月の輸出、26.5%減 過去最大の減少幅
2009年1月13日10時35分

海外とのモノやサービス、投資の取引を示す経常収支の08年11月の黒字額は、前年同月より65.9%少ない5812億円で、9カ月続けて前年割れとなった。輸出は世界的な景気悪化で自動車や電子部品などが落ち込み、同26.5%減と過去最大の減少となった。財務省が13日、11月の国際収支速報を発表した。
輸出は前年同月より1兆8218億円少ない5兆623億円で、2カ月連続の前年割れ。輸入も、原油価格の下落と大幅な円高が重なり、13.7%減の5兆1557億円と14カ月ぶりに前年を下回った。輸出から輸入を引いた貿易収支は934億円の赤字で、3カ月ぶりに赤字に転じた。
海外投資の収益状況を示す所得収支は、15.5%減の8447億円の黒字。金利低下と円高の影響で、海外から受け取る債券利子などが目減りした。

朝日新聞

(引用終了)

日本からマネーが流出しているという元記事を引用します。

(引用開始)

08年対内・対外投資、有価証券21兆円売り越し 日本からマネー流出

財務省が13日発表した2008年暦年の対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出が21兆円に達した。現行基準の統計が始まった05年以降では初めての資金流出に転じた。外国人が日本株・債券を売却したのが主因。世界的な金融危機や景気低迷を背景に、日本の資本市場からマネーが逃避したことを裏付けた。
旧基準の統計までさかのぼると、資金流出は04年以来。ただ「08年の資金流出は過去最大の規模とみられる」と財務省は説明している。(11:27)

日本経済新聞

(引用終了)
by kanconsulting | 2009-01-13 23:01 | 経済状況
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