2009年上期の貿易統計 輸出・輸入ともに過去最大の減少

輸出メインの製造業の声を聞いていますと、

・ここ数箇月、アジア向けの輸出積み増しが増えている
・景気回復の実感がないのに、不思議だ
・ユーザーの原料在庫削減が一巡したため、購買が戻ってきているのでは?
・あるいは、安値で原料を確保したいという思惑か?

などと聞こえてきます。簡単に言うと、「一時的な需要回復ではないかと思っている」ということです。

さて、少し前の話になりますが、2009年上半期(1~6月)の貿易収支が発表になりました。

09年上半期
輸出額 24兆0066億円 ▲42.7%(前年同期比)
輸入額 23兆9983億円 ▲38.6%(同)

・1980年以降で最大の減少率
・円高による輸入額の減少が大きい
・原粗油の輸入減は価格低下が一因 
 (輸入原油単価 3万5869円/kL 前年比▲55.5% US$59.3/bbl 前年比▲51.3%)

貿易収支
08年下半期 ▲7662億円
09年上半期 +83億円 黒字回復

世界景気と日本景気、輸出と輸入、にタイムラグがあるため、相対的に、貿易収支が黒字化したと見られています。ですが、貿易収支黒字は永遠に続くのでしょうか?

このブログでは、繰り返し、「経済状態の発展段階説により、世界の中での日本をめぐるマネーフローが変調し、為替などの水準も立ち位置を変えていくだろう」と指摘しています。

「貿易黒字は永遠に続かない」のだと思います。

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世界の資産クラスとして、株式、債券、不動産、原油と各種天然資源、ゴールドを考えたとします。普通は、これらは「マネーによる価値付け」が行われますが、何度も指摘しているように『余剰のマネー(過剰流動性)』の問題があり、それらの真の価値を知ることは困難です。

そのような場合に、マネーの影響を除去するためには、物理学のように、代表的なものの価格で他のものの価格を割り、無単位にすれば良いのです。たとえばゴールドを代表にすると、

株式/ゴールド
債券/ゴールド
不動産/ゴールド
原油/ゴールド

となります。しかし、この場合には、ゴールドそのものの価値を知ることは出来ません。また、ゴールドの投機的価格変動による影響を除くことが出来ません。ですので、

株式/(世界に存在するすべての資産の合計)
債券/(世界に存在するすべての資産の合計)
不動産/(世界に存在するすべての資産の合計)
原油/(世界に存在するすべての資産の合計)
ゴールド/(世界に存在するすべての資産の合計)

などとするのが理想的でしょうか。この場合にも、そもそも「世界に存在するすべての資産」をどうやって合計するのか?資産から借金を除かなくて良いのか(純資産)?などの問題があります。また、株式が下がったり、金利が上がる(債権価格低下)と、他の資産クラスが相対的に価値が上がることとなりますので、まだ難がありそうです。

(引用開始)

貿易統計:輸出入額、最大の4割減 09年上期

財務省が23日発表した09年上半期(1~6月)の貿易統計(速報)によると、輸出額は前年同期比42.7%減の24兆66億円、輸入額は38.6%減の23兆9983億円と、ともに比較可能なデータが残る1980年以降で、最大の減少率を記録した。特に輸出は、米国向け、欧州連合(EU)向け、アジア向けの3地域とも過去最大の減少率で、08年9月の金融危機で米国や欧州が急速に消費を絞り、世界規模で貿易が縮小した実態を裏付けた。
輸出額から輸入額を引いた貿易収支は、83億円の黒字だった。08年下半期は、第2次石油危機以来28年ぶりの貿易赤字(7662億円)を記録したが、2半期ぶりに黒字を回復した。企業は輸出額の減少を受けて、原料など輸入の発注を減らす傾向があり、輸出の減少と輸入の減少はタイムラグがある。先行して減り始めた輸出額に、輸入額の減少が追いついたため、黒字になった。
輸出の地域別では、米国向けが48.9%減、EU向けが48.8%減とほぼ半減、アジア向けも38.3%減だった。ただ中国向けは32.1%減で、相対的に減少幅が小さく、輸出を下支えした。
また品目別では、欧米向けを中心に、自動車が64.6%減と過去最大の減少となったほか、半導体などが38.2%減、鉄鋼が37.0%減だった。輸入額では、原油価格の暴落と円高を受けて、原粗油が63.4%減った。
同時に発表した6月の貿易収支は、前年同月比約4.9倍の5080億円の黒字となり、20カ月ぶりに前年水準を上回った。貿易黒字は2月から5カ月連続。金額も08年3月以来1年3カ月ぶりの高水準だった。
輸出額は35.7%減と9カ月連続で減少したものの、2月(49.4%)を底に持ち直し傾向を強める一方、輸入額は41.9%減と、依然4割前後の減少が続いており、この結果、貿易黒字が急増した。財務省は「中国を中心に輸出は回復傾向にあるが、金融危機以前の水準まで回復する見通しは依然立っていない」と分析している。

毎日新聞 2009年7月23日 11時25分

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-07-28 12:58
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