最後の砦 郵便貯金

郵便貯金は、世界最大の金融機関です。その抱える問題は、UFJよりもはるかに根深いです。というのは、

・政府保証のある、公的金融機関
・400兆円を超える総資産(郵貯、簡保) 東京三菱+UFJの2倍以上です
・135兆円の国債を保有、最大規模の国債消化機関
・自己資本比率は0.6%(銀行であれば海外業務はおろか国内業務も停止処分になる)

これを民営化しようというのです。

(民営化賛成の意見など)
・これだけ巨大な資金を国が独占するから、民が圧迫される。
・この資金が民間に流れこめば、さまざまな問題は一挙解決。
・資金の一部でも、株式市場に流れ込めば、株価は沸騰する。

私は、民営化そのものには中立ですが、以下の問題があることを指摘します。
(郵貯の資金構造)
・国債消化機関である郵貯の解体の前に、長期公的債務の見通しをつけるのが先
・長期金利の上昇で、債券は含み損を抱えているはず
・過去の財政投融資においても、不良債権がかなりあるはず
・一度膿を出し切るのも悪くはないが、その体力があるのか?
(予想)
・これを隠したまま民営化するのは、長銀(いまの新生銀行)と似たことにならないか?
・いずれにせよ自己資本比率を高めるのには、資本注入は必須と思われる。
・つまり、郵貯を、国際金融資本に切り売りする意図があるのではないか?
・その場合、日本全体の利益となるべき資金が海外に流出することになる。
(民営化賛成者への意見)
・仮に400兆円の一部の資金が民間に流入したとして、銀行が運用できるのか?
・自己資本比率をキープするのに必死なので、また国債を買うのではないのか。
・一部が株式に流入したら確かに株価は上がるが、経済成長に見合ったものではないので、所詮はプチバブルに過ぎない。機関投資家が売り抜けて、個人は損をする。

リップルウッドが長銀を買収して今の新生銀行になったのですが、それは、「国民に隠したい、うしろめたいこと」が国にあったので、データをすべてオープンにすることができず、当然買い手がつきませんので、悪名高い「瑕疵担保特約」を付けて外資にお買い上げいただいたという経緯があります。長銀のケースでは、外資がどうこうというより、国がバカだったというべきでしょう。国が国民にデータを開示し、その批判に耐えるのが、本来の国民主権です。

ただし、資本の恐ろしい所は、文字通り「カネを出せばその会社の資産、経営、内部留保(ヘソクリ)、現在と将来の利益、などすべてを買えてしまう」ところにあります。ゆうちょを解体すれば、非常においしい投資対象となるでしょう。また、手数料の高い投資信託を売りつければ、かなりうまい商売が見込めます。

(話は変わりますが、現在、日本で売られている投資信託は、かなりショボイものばかりです。あんな投信に、高い手数料や信託報酬がつくのは、泥棒に追い銭としか思えません。)
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by kanconsulting | 2004-08-16 01:51 | 経済状況
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