下げのきついときに、投資を考える

最近、日本の株式市場が大きく下げています。日本景気の減速を懸念して、「外国投資家の1600万株超の売りこし」圧力があるとされています。昨今の株価回復で、個人が買いに入っていると思いますが、はしごを外された形ですね。日経平均の10000円割れを予想される方もいます。

ご存知のように、株価は景気の先行指標です。かねてより指摘されていた、秋からの景気後退局面を示唆する形になっています。景気は循環するものですので、上昇局面もあれば下降局面もあるでしょう。しかしながら、その景気後退は、「政治力(国公債と外為介入)によって経済を持たせようとした代償」であり、参議院選挙とアメリカ大統領選挙が終われば、アメリカともども実体経済が下向きになるのは、至極当然なことと捉えています。

さて、長期投資の話です。

一般に、「株式への長期投資は、リスク(ボラティリティ)を低減させ、期待リターンを上昇させる」と理解されています。なぜそうなのかという理論的な解釈は「長期では、経済活動は全体として拡大し、それに見合って株価が上昇するから」と言われています。つまり、長期で見て、トータルの経済活動が縮小しないという前提に立っています。

日本の将来は、どうなるとお考えですか?
・このブログやメインページでかねてより指摘していますように、増大する巨額の公的長期債務が、国民経済を減速させる可能性は高い。
・少子化が進む。労働力、需要、担税力の低下につながり、将来の経済の発展が望み薄になる。
・年金額は、日本経済がマクロで縮小すると、減額される(マクロ経済スライド)
・一般家庭の虎の子の貯蓄は、全体として取り崩し=減少を開始している。ただしこれは一時的には消費が拡大することを意味する。
・あとは、輸出産業だけか?

つまり、全体として、日本では少なくとも10年単位では、長期投資が絶対ではない、長期投資に向かない市場という可能性があります。

「えっ?今が買い時なのではないのですか?日本株のPERは割安ですよ!」という指摘もあります。確かに、「安いときに買って、高くなるまでホールドする」のは、長期投資の鉄則です。しかし、結論から言うと「PERだけを見て割安だからと買ってしまうのは、理論的には間違い」です。では、どうすればいいのでしょうか?

株価=BPS×ROE×PER です。

PER:株価収益率、株価が一株あたりの利益の何倍か
BPS:株主資本、一株あたりの自己資本
ROE:株主利益率、税引利益が自己資本の何倍か

さらにROEは

ROE=(税引利益/売上高)×(売上高/総資本)×(総資本/自己資本)

バフェットは「ROEが高く、株主資本が増加している株に、長期投資する」ことを勧めています。借金をしたり、資産を売り払うことでもROEは上がりますので、売り上げ増加を伴うかどうか、成長しているかどうかを見極めることが重要になります。

ROEの高い株は、何かの理由でROEが下がった場合、それにつれてPERも下がることがあり、株価へはダブルパンチとなることがあるので要注意です。上げもあれば下げもあるのが相場ですし、今後の日本市場が「全体として騰がる時期は終わった」なら、よりいっそうの注意が必要と思います。

まだ推奨銘柄などはありませんが、データを集めて行きたいと思います。
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by kanconsulting | 2004-08-18 22:36 | 経済状況
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