名目成長率と長期金利

国家破綻について、次のような意見があります。

・財政赤字は巨額だが、財政赤字が発散しなければ、破綻しない。
・つまり、名目成長率が長期金利を上回っていれば、財政赤字の維持は可能。

現実問題として、妥当と言えるでしょうか?少し考えてみたいと思います。
名目成長率を、ここでは、名目GDP成長率として考えます。
理論的には、名目金利は

名目金利=期待成長率+期待インフレ率+リスクプレミアム  (これは一般的な式のようです。9/3)

として表されます。ここで、大和證券SMBCによると(9/3)、【引用開始】

長期的トレンドの観点からは、

「期待成長率+期待インフレ率」→「潜在(実質)成長率+期待インフレ率」→「名目GDPの長期トレンド」

というように対応すると考えられます。したがって、

名目金利~名目成長率+リスクプレミアム

このように、リスクプレミアムが存在するために、長期金利水準は名目成長率を上回るのが普通とされています。つまり、「長期金利水準>名目成長率」なのです。1990年以降、もちろん現在も、「長期金利水準>名目成長率」です。

a0037933_2322953.jpgさらに、同レポートによると、名目トレンドは、2001年後半に▲0.7%程度の大底を打ち、現在はおよそ0.5%と、緩やかに上昇を続けています。

また、バブル期には、「名目成長率>長期金利水準」の逆転現象が4年ほど続いたとしています。その要因としてあげているのは、「インフレ率ではなく、実質成長率が、名目成長率の向上に寄与したこと」です。

また、以下の要因のために、再び「名目成長率>長期金利水準」の逆転現象が起こる可能性があるとも指摘しています。
・日銀の低金利政策維持
・構造的な生産性向上を背景にしたディスインフレ圧力

【引用終了:大和證券SMBC債券レポート2004/08】

現在も、「長期金利水準>名目成長率」であり、このような環境では、『巨額の財政赤字の維持は、可能』とは言えないのではないでしょうか。
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by kanconsulting | 2004-08-31 23:43 | 経済状況
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