国家破綻を回避する方法(2)

先日のブログで、長期金利と名目GDP成長率について述べましたが、さらに、

・債券投資にも当然リスクは存在し、リスクプレミアムも存在します。国債のリスクプレミアムについては、たとえば「円建てイタリア国債の金利<日本国債の金利、その差は約0.15%」「アメリカ国債の金利<ドル建て日本政府保証債券の金利」「円建て世界銀行債券の金利<日本国債の金利」とする調査結果もあります。いずれも日本国債は、比較に挙げた債券と比較してリスクプレミアムが大きいということを示しています。

・日本国の財務状況に対する懸念から、ここ数年間は、リスクプレミアムが増大すると考えられます。リスクプレミアムの向上分、長期金利が一定なら、期待される名目成長率は低下するはずです。あるいは、名目成長率が低下しないなら、長期金利が上昇するのではないかと思います。

・日本人は円資産が好きなので、それほどリスクプレミアムは向上しないかもしれません。日本国民が最後まで買い支えるなら、低い格付けほどには国債のリスクは高くないだろうということになります。しかし、引き続き円資産を持つか、その他の資産に乗り換えるかは自由意志による選択ですので、なんら保証はありません。

・1400兆円の個人金融資産、膨大な対外純資産(フローでは貿易黒字)は、当たり前ですが国のものではなく個人・企業のものであり、勝手に使うことはできません。ちなみに私は「国民金融資産があらかた国公債になってしまったら、買い付け余力がなくなってしまうのではないか」と推測します。

と考えます。

このままでは破綻は回避できない日が来ます。そこで、財政を破綻させないための対策が必要なのです。私は技術者ですので、産業からの視点から「プライマリバランス達成と、内需の拡大による景気の維持の両立」について、考えていきたいと思います。

経済成長の本質的な原因は、「技術革新」ではないでしょうか。これまでの課題や、困っていたことを解決するブレークスルーを達成できるイノベーションだと思います。そしてそれが新たな需要を創出し、対外的には外貨を獲得する原動力になると期待しています。具体的には、いろいろあると思うのですが、エネルギー関連、医療関連、そして私の従事する化学分野においても芽はあるのです。

19世紀のイギリスに見るように、産業革命はGDPの3倍もの国家債務を返済することを可能にしました。現代日本は、アジア諸国の追い上げにあっているとはいえ、まだ世界最高レベルの科学技術力を有しているとされています。

『そんなに都合よく技術革新ができてたまるか。そんないつできるか分からないものに国家破綻が救えるわけがない。絵に描いた餅だ。』と思われる方もいるかもしれません。しかし、金融政策だけで国家破綻を回避できるわけではありません。かならず実体経済の復活が必要なのです。そして、それは従来型の公共投資などではないと思っています。

しかし、日本の財政を懸念して、主要な企業が国外に経営資源(本社機能、工場、研究所などの資産、有能な人材、ノウハウなどの無形財産)を移してしまったりすると、技術革新は遠ざかることになります。あまり時間は残されていません。
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by kanconsulting | 2004-09-05 04:03 | 経済状況
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