カテゴリ:外国為替(FX)( 9 )

FX(外国為替証拠金取引) 投資家の意識調査 スイスフランとユーロの危機

FX投資家についての話です。各業者によって、傾向が多少異なるのが面白いところです。

(取引される通貨)
・松井証券では、ユーロが米ドルをしのいでいるほか、英ポンドも人気が上がっている
・SBIではユーロと豪ドルが台頭
・マネックスでもニュージーランドドルの人気が高まっている

(証拠金の残高)
・SBIは7月以降、保証金残高に大きな変化がない
・マネックスも8月以降、保証金残高に大きな変化がない
・松井は9月26日現在で140億円だった証拠金残高が、今月7日に117億円まで減少した

ご存知のように、ユーロとポンドをロングしていた投資家は、瀕死の重傷を負ったことは、言うまでもありません。松井証券の証拠金が大きく減っているのは、そういった背景があるのでしょう。

豪ドルやNZドルも痛い状況でしたが、ポンドの下げに比べると、まだマシと言えたかも知れません。それらの顧客のレベルが同じと仮定すると、各通貨ペアの状況に左右される傾向なのでしょう。

さて、為替相場ですが、ユーロ・ポンドに引き続き、カナダドル、スイスフランなどの下げが厳しいようです。スイスについては、これまでは有事のスイスフランなどと言われていましたが、国自体の金融安定性が懸念されているのでしょう。「有事の日本円買い」となっているのだと思います。

USD/JPY 93.97
EUR/JPY 118.98
AUD/JPY 60.37
GBP/JPY 141.41
CAD/JPY 75.51
CHF/JPY 77.80

ユーロに関しては、

・日米に比べ利下げ余地が大きく、今後1%程度にまで利下げする可能性もある
・金融危機がこれから拡大するが、当局の対応力は統一性が欠けるという懸念がある
・産油国のドル建て資金がユーロに流れ込んできたが、それが逆流する

などという観測があり、ユーロへの逆風は当分続きそうです。

以前の記事で、「ドル建ての原油価格とユーロドル相場はパラレルの傾向。ユーロ建ての原油価格は一定に見える」(当時)と書きました。それは、産油国が代金として受け取ったドルをユーロに代えるという、恒常的圧力があったためでしょう。現在、原油価格が下がったところで、その前提が崩れ、今後さらに逆流するであろう、という観測です。

(引用開始)

乱高下する相場 投資家魅了? ネット証券のFX取引急伸
2008/11/20

インターネット専業証券が扱う外国為替証拠金取引(FX)が、活況を呈している。9、10月は売買代金が過去最高水準になったネット証券もあり、幅広い通貨が売り買いされている。金融危機で株式市場が低迷する中で、外国為替市場の激しい変動幅を逆手にとった投資が盛んだが、相場を読み違えれば、証拠金の積み増しも必要になるなど損失リスクも高い。初心者でも、為替相場に関する正しい知識と慎重な判断が求められる。
FXの手数料を7月から無料にしたSBI証券は、同月の売買代金が1兆428億円(前月の2.4倍)に急伸した。米金融危機が拡大した9月に2兆5495億円で過去最高を記録し、10月も同水準を維持するなど、「画期的な市況」に沸く。
今月17日には、売買する通貨の組み合わせや注文方法を増やした新サービスを始め、口座開設の申し込みは1万件以上に達し、個人投資家の関心の高さがうかがえる。
マネックス証券も、1万ドルや1万ユーロなど1万通貨単位の取引枚数が、10月に75万枚(前月の1.7倍)になり、過去最高を記録したことが分かった。
富裕層による大口取引も、目立つ。11月12日に円が3円近く上昇し、1ドル=94円台になるなど為替相場が大きく振れた先週、カブドットコム証券では、100万ドルの取引を1日200回も繰り返す顧客が現れたという。
FXが個人投資家に普及してきたこともあり、取引される通貨も、かつての米ドル一辺倒から多様化が進んでいる。松井証券では今月に入り、ユーロが米ドルをしのいでいるほか、英ポンドも人気が上がっている。SBIではユーロと豪ドルが台頭し、マネックスでもニュージーランドドルの人気が高まっているという。
ただ、FX業者に担保として預ける証拠金の残高は、あまり増えていない。急激な円高環境で、損失を出すケースが多かったためとみられる。
SBIは7月以降、マネックスも8月以降、保証金残高に大きな変化がない。松井は9月26日現在で140億円だった証拠金残高が、今月7日に117億円まで減少した。
松井では、「日本では円を売って外貨を買うところからFXを始める人が多く、急激な円高で負ける人が出ているのだろう」とみる。
また、SBIによると、「保証金残高が減っているのは、売買代金が増えたといっても、既存顧客が同じ金額でやりとりしているためではないか」という。
金利目当ての外貨投資も盛んになっているが、金融危機対応で、今後は各国の金利も下がる見通しだ。第一生命経済研究所主席エコノミストの嶌峰義清氏は「FXの仕組みをよく理解せずに、ブームにのって人気のユーロなどを買い続けると、リスクも高くなる」と警告する。

フジサンケイビジネスアイ

---

http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200811260090a.nwc

FX取引意識調査 リスク浸透、仕組み無頓着
2008/11/26

手軽に取引できるけど、リスクも気になる-。インターネットの普及で急成長する外国為替証拠金取引(FX)市場だが、情報収集に熱心な半面、FXの知識が必ずしも十分でない個人投資家の姿が、楽天リサーチ(東京都品川区)の意識調査で浮かび上がった。
調査は10月22、23日の2日間、20~60代の男女計1000人を対象にインターネットで行った。それによると、FX経験者は約2割で、きっかけは「インターネット」と答えた人が7割以上いた。また、取引する際の情報源は「マネー関連のインターネットサイト」が約4割、「FX業者のホームページ」が約3割に上った。
FXの魅力は「少額から始められる」(59.4%)をトップに、「ハイリターン」「外貨預金と比較して手数料が安い」という声が多かった。
不安に感じる点では「ハイリスク」(75.9%)が突出して多かった。「FX業者の倒産」と答えた人も4割近くいて、昨秋以降相次いだ業者の経営破綻(はたん)が背景にあるようだ。また、元手の金額の何倍の取引ができるかを示す「レバレッジ」などFXに関する4つの用語について、半分以上が「理解していない」「初めて聞いた」と回答した。
証券アナリストは「FXの利点とリスクに対する認識は浸透してきているが、取引の仕組みを正確に理解している人は必ずしも多くはない」として、安易に取引を始める個人投資家に注意を促している。

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2008-12-01 20:58 | 外国為替(FX)

CDSショックと総円高 歴史に残る大暴落 まさかここまで

現在、すさまじい勢いで、円高が進んでおります。1年前から指摘していますが、「信用不安が起こる(クレジット・スプレッド増大)と、円高になる」現象を、再現しているようです。

FX投資家は、これまでも○○ショックで円高になる体験をしてきたと思いますが、まさに「まさかここまでの水準にはならないだろう」という円高になっているのです。

USD/JPY 100.90-.00
EUR/JPY 136.20-.30
AUD/JPY 71.55-.65 (NZD/JPYではありません!)
GBP/JPY 175.35-.45
CHF/JPY 88.05-.15

など。AUDにいたっては、1日で10円の下落となっており、標準的なレバレッジ10倍のFX取引でも、わずか1日で元本を吹き飛ばすことになります。

明日には、オーバーシュート分の修正が入ります。しかし、また、円高は来るのです。こうやって、市場の乱高下によって、個人投資家は振り落とされていきます。

1年前の過去の記事にリンクを張っておきますので、今一度、ご確認ください。

なぜ円高になるのか、については

「世界同時株安と円高(5) クレジット・スプレッドと為替レートの関係 「円安貧国、ニッポンの罠」」

ではどうすればいいのか、については

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

を参照ください。
[PR]
by kanconsulting | 2008-10-07 01:48 | 外国為替(FX)

世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか

先日、「貞子ちゃんの連れ連れ日記」から、コメント欄に、情報提供をいただきました。

(転載開始)

Commented by 貞子ちゃん at 2007-09-06 00:10 x
(中略)
自分のブログでもアップしたかったのですが、ご参考までに、下記の数値を提供させていただきます。
野村総研の資料より、今年の8月15日から、8月17にかけて、個人のFX取引で ものすごい異変が起きておりまして、これが今回の東京為替市場の急速な円高の究極の「犯人」だったのではないかと思われます。
個人のFX経由での外貨持ち高が、8月15日から8月17日で、下記のように、ほぼ半減しております。
対ドル:1600億円(8/15)→880億円(8/17)
対ユーロ:600億円弱→220億円
対ポンド:600億円強→230億円強
対オージー:600億円弱→220億円
対ニュージーランドドル:520億円→200億円強
対カナダドル:200億円矢印80億円弱。
取り急ぎ、ご報告です。

Commented by kanconsulting at 2007-09-06 00:21 x
貞子ちゃんさん
(中略)
FXの資料ありがとうございます。8/16を中心とする2~3日が、円高のピークでしたが、個人投資家のロスカット(証拠金が維持ラインを下回ったことによる、強制的な損切り)が最終の円高の仕上げとなった、ということだと思います。
たとえばドルで見ますと、投資残高が1/2になっていますが、これは、レバレッジ10倍での5円円高に相当します。8/15の始値は117.55、8/17の最安値は112.00付近ですから、レバレッジ10倍の仮定が相場の変動とマッチします。
実際に、個人投資家のブログを見ますと、数百万円を失ったという記述を簡単に発見することができます。

(転載終了)


このデータを補強するグラフが、週間ダイヤモンドに掲載されていましたので、引用して掲載します。

a0037933_0145075.jpg



取引所(くりっく365)経由のみの数字ですが、7月になってからは、円安の進行によってかどうか、ポジションの残高(株式で言うなら信用買い残)が急増していますので、「イケイケ!ドンドン!」になっていたことが伺えます。しかしながら、トータルで5000億円程度あったポジション残高が、信用収縮に起因するアンワインドによって、一気に2000億円程度まで減らされていることがわかります。

多くの個人投資家が、この急激な変動に巻き込まれて、大損を出していることがわかります。彼らを、後になってから「リスク管理が甘かった」「だから言ったのに」と批判するのはたやすいことです。ですが、加熱した相場のさなかにあって、自分の射幸心をコントロールして冷静に相場を見ることのできる、『落ち着いた、大人の投資家(ソフィスケーテッド・インベスター)』は、どれほどいたのでしょうか?

ではどうすれば良かったのでしょうか?これも、何度も述べていることですので、過去の記事を参照してください。と書きたいところですが、それでは不親切ですので、いくつかリンクを貼りたいと思います。

(開始)

「チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる」

大事なことなので何度も書きますが、このブログをご覧になっている方は、

・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
・イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある

ということをご理解いただいていると思います。

---

「2回目の世界同時株安にどう備えるか 「また損をさせられる一般投資家」? 二度ある調整は三度ある(2)」

「急落があれば、必ず損切りせよ」と言っているのではありません。非常に簡単に言うと、メンタル面と、資金面の、両方の余力を持って、ポジション操作をしてください、ということなのです。

そのためには、「年に1~2度は、調整があるかも」と考えて、「その時に、どの程度なら耐えられるか」を自問自答することが必要なのです。「調整には耐えられない」と思ったなら、妥当な程度までポジションを落とす(投資額を減らす)ことです。

ファイナンシャル・リテラシーがある「大人の投資家」は、高騰し過熱した相場よりも、下落して落ち着いた相場を好みます。

なぜならば、過熱した相場では
・売らないなら、どこが天井か気になるので、気が休まらない
・一般的には、お祭りになり、距離を置きたくなる
・「洗練された投資家」は、天井で売り抜けることは不可能と知っているので、適当なところで売り抜けて、あとは休憩となる

下落した相場では
・割安なバーゲン品が出るため、「投資の安全域」(ベンジャミン・グレアム)を確保できる
・恐怖心や、過度のリスクを許容できなくなった叩き売りが出る
・つまり、欲しい投資対象を安値で買える、絶好の買い場となる

もっと簡単に言うと、「大人の投資家は、相場が高くなると、売りたくなる。安くなると、買いたくなる」ということです。

ですが、「一般投資家は、相場が高くなると、買いたくなる。安くなると、売りたくなる」というのが、実情ではないでしょうか?その、基本的なところを、根本的に変える事が必要なのです。

---

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

キャリートレード通貨に乗っかって、積極的に為替差益ねらいやスワップかせぎをしようとする場合は、次の点に留意する必要があります。

(共通)
・場帳、玉帳をつけて、変動感覚をやしなうこと
・余裕資金で、少しずつ買っていく(売っていく)こと
・恐怖心や射幸心をほどほどにおさえ、冷静に相場を見ること
・押し目でナンピンし、平均値を有利にすること
・一発狙いはお勧めしません

(為替差益ねらい)
・高レバレッジでもかまわないが、その場合は損きりポイントは必ず入れておくこと
・損きりポイントは、購入時より1~2円 (※値はレバレッジ10倍)
・損きりポイントは、絶対に下げないこと
・逆に、損きりポイントを上げて、利益確定ポイントに変更するのは推奨

(スワップ狙い)
・あらかじめ、過去最高の円高がありうるものとしてレバレッジを低めにすること
・多少の相場変動には動じないこと、デイトレードはしない
・計画的ナンピン推奨、利乗せはほどほどに

この中で重要なものを3つあげるとすると
「変動感覚」
「損きりポイント」
「低レバレッジ」
です。

「変動感覚」は、林輝太郎の本などにくわしく掲載されています。小職は、林輝太郎の本を読む前から、
・大きなポジションをいきなり立てるのは心理的にギャンブル性が高く、うまくいかない
・恐怖心を克服するために、小さなポジションを少しずつ立てることが、精神的に楽
・そうすることで、動揺することなく、「上がった」「下がった」を冷静に受け止めることが出来た
・だから、相場が下げても安心して長期投資が出来る
・有利な場面が来れば少しずつ買い増しが出来る
と思っていました。

皆様にも「変動感覚を身につける」ことをお勧めします。

---

「世界同時株安と円高(1) FXで個人投資家破産・ロスカット多数発生 急激な円高の原因と対策は?」

冷酷なことを何度も書きますが、この程度の円高や株安で右往左往しているようでは、これから来るであろう『国家破産の大津波』と『戦時統制経済』を生き延びられるはずがありません。

(もちろん、国家破産・日本国破綻や、戦時・戦争が来ないに越したことはありません。心構え・リスク対策の話とご理解ください。)

大事なことですので、よく考えてください。

(終了)

---

さて、このブログでは、以前から、アメリカドルの維持可能性を懸念して、ドルの減価がありうると警告しています。

そもそも、アメリカの経常赤字は、日本や中国の買い支えによって維持されているようなものです。具体的には、「来るべきドルの減価(1) 金価格と原油(WTI)価格 ユーロ建てとドル建て ドルにペグした円は道連れ」を参照ください。

中国や産油国が、ドル以外の外貨準備を増強すれば、ドル暴落の準備が整うことになりかねません。さらに、現在はアメリカが世界の資本(資金)を吸収する流れになっていますが、それが逆流するかも知れません。

では、なぜ、逆流が起こりうるのでしょうか?逆に言うと、アメリカへの資本流入は、永遠には続かないのでしょうか?

その答えを直接述べる代わりに、「晴耕雨読」から引用したいと思います。

これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。船で言うなら波の荒い海域に入ったということでしょうし、飛行機で言うなら気流の乱れた空域に入ったということでしょう。その中で、遭難や墜落せずに、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

(引用開始)

晴耕雨読 - 米国政府の対外債務返済能力 《米国政府の対外債務返済能力》 下

米国政府が、個々の債務証書に書かれた内容ではなく、グロスの債務について日銀やその他の経済主体に返済することはできないと断言する。米国政府は、新しい借り入れで、過去の借り入れの利払いをしたり返済することしかできない。

米国政府が返済しないというわけではなく、返済したいとしても、経済論理的に返済することができないのである。
(“危険”な表現なので根拠は後で述べるとして結論を先に書いておくと、日銀保有の債権は、米国政府から返済してもらわなくてもかまわないのである。価値を消滅させた通貨の身代わりでしかないのだから、にっこり笑って、「おかげさまで労働価値を高めることができました」と言って債務証書を返却するか焼却すればいいのである)

米国政府が6兆ドルまで積み上がった債務を返済できないという主張は、ある国民経済が長期に渡って必要な労働成果財を自前で充足的に生産できない状態(貿易収支赤字)に陥っていれば、政府部門が“正常”なかたちで対外債務を返済することはできないという経済論理に基づくものである。

ここで言う“正常”とは、債権者に債務切り捨てとは感じられない実質価値を維持しながら、記載条件で利息を支払い、償還を完了することである。

(中略)

(米国の2001年末の「対外純債務残高」は、前年比45.9%増の2兆3091億ドル(約265兆円)であるが、民間部門は債権-債務がプラスだから、それに加えて2兆ドル弱(民間の純対外純債権額相当)の4兆ドル(約460兆円)程度が政府部門の対外債務額と推測できる)

貿易収支と所得収支がともに赤字という状態、とりわけ貿易収支の赤字が厖大な金額で長期化している国民経済は、政府部門が対外債務を返済する能力を失っていると断定できる。
(これも断言するが、戦後国際金融を担ってきた米国政権は、この経済論理的現実を嫌と言うほど認識している。わかりやすく言えば、米国政権は、対外債務を返済できないことをしっかり自覚しているということである)

(中略)

より冷静になれば、米国の対外債務返済能力欠如が目に見えるかたちになり国際的な疑念を生むことは、戦後世界経済構造の終焉を意味するものであることがわかるはずだ。

日本をはじめとした対米輸出依存国民経済(日本のアジア向け輸出も迂回的ではあるが米国依存)は、産業構造を大きく変容させなければならない。(新興産業国民経済である中国は日本とは比較にならないほど深刻な打撃を受けることになる。中国が暴発しないことを切に祈る)

日本の「デフレ不況」や今後予測される「世界同時デフレ不況」も、笑い話になってしまうような世界レベルでの経済的激変である。

米国の過剰対外債務問題をどう処理するかは、余剰通貨問題と並んで、世界が議論(もちろん秘密裏に)しなけれならない緊急かつ最重要の課題なのである。


ある国民経済が対外債務を返済するためには、国民経済総体として労働成果財を余剰に生産して輸出するか、金融取引や直接投資の果実である所得収支の黒字を増やすかして、とにかく経常収支の黒字化を達成しなければならない。

対外債務が「経常収支赤字-国内貯蓄」の累積であるならば、その返済は、債務額に相当する「経常収支黒字+国内貯蓄」の累積でのみ可能である。

米国については、貿易収支が黒字化することはあり得ない。

(中略)

悪意があるかどうかの問題ではなく、米国の対外債務が完済されることは経済論理的に不可能なのである。
貯蓄率がほぼ0%という実状に照らせば、経常収支の赤字を埋めるだけの資本収支の黒字、より具体的に言えば、政府債務の利払いと償還に新規財政赤字を合算した額以上のドルが国外から流入する限りにおいて、「米国国債サイクル」を維持することができる。

クリントン政権後期に連邦財政は3年ほど連続で黒字に転換したが、それでも過去の債務の重みで連邦政府債務は増加し続けたように、利払いだけで3千億円に達している状況では、債務を現状維持するためでも3千億ドル(約35兆円)の財政黒字を達成しなければならない。
クリントン政権の財政黒字は、今となってはバブルであることが明確になった株式市場の活況と高額所得者増税に拠るものである。しかも、「対テロ戦争」体制ではなく、冷戦後の「平和の配当」志向政策が採られていた時期でもある。

ブッシュ政権が減税と戦争体制で一気に1,500億ドル(約17兆円)の財政赤字に転換させたことや株式市場の現状を見れば、そのような財政黒字は夢のまた夢であることがわかる。

このような説明に対しては、FRBが通貨を増発して返済していけばいいという反論も予測される。
まず、米国政府及びFRBは、85年の「プラザ合意」や現在のような「ドル安容認」で、対外債務の軽減化を測ってきたと考えている。
しかし、その結果は、さらなる経常収支の悪化であり政府債務の増加である。

産業資本が活動力を衰退させた国民経済は、自国通貨安になっても、国際競争力を回復させることはできず、国民の生活水準を維持しようとすれば高くなった輸入財を買わざるを得ないため、より貿易収支赤字が増加することになる。これは、より政府債務を増加させることでもある。
米国のインフレがそれでも抑えられたのは、日本などがドル安分をそのまま財の価格に上乗せしなかったからである。後からその分の「労働価値」を上昇させていった。
米国の産業資本は、一部を除けば、政府調達で維持されているとも言える。

そして、FRBが対外債務を履行するためにドル紙幣を増発すれば、ドルが国際商品の価格表示機能を持っていることから国際的にインフレが昂進することになる。(対外支払いなので、米国のインフレは後追い的に進む。これまでも、米ドルが米国以外に滞留していることで米国のインフレ率は低く抑えられていた)
これは、無条件に主要通貨に対するドル安進行につながっていく。ということは、経常収支のさらなる悪化と政府債務のさらなる増加を意味するとともに、金融経済主体が保有しているドル資産が減価することでもある。

(引用終了)

[PR]
by kanconsulting | 2007-09-07 00:53 | 外国為替(FX)

世界同時株安と円高(1) FXで個人投資家破産・ロスカット多数発生 急激な円高の原因と対策は?

現在、すさまじい勢いで円高が進行しています。下のチャートをご覧ください。上からいずれも対円で、USD(ドル)、EUR(ユーロ)、AUD(豪ドル)、GBP(ポンド)、CHF(スイスフラン)となっています。このような急激な円高は、実需によるものではなく、仮需に起因することは明らかです。

a0037933_23372945.jpg

a0037933_23374592.jpg

a0037933_23375815.jpg

a0037933_23381123.jpg

a0037933_23382282.jpg


この一因は、円で資金調達をしていた機関投資家が、世界同時株安を目にして、あわててポジションをクローズしてきている、という、アンワインド(巻き戻し、仮需の決済)でしょう。為替のみの純粋な円キャリートレードだけではないと考えています。キャリートレードやアンワインドについては、過去の記事を引用しますので参照ください。

(開始)

「円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる」

さて、キャリートレードは仮需ですので、必ず「反対売買・決済」を迎えます。これを、巻き戻し(アンワインド)と言います。大きなアンワインドが起こると、仮需で膨らんだ市場が縮小(シュリンク)します。それは、「本来の状態に戻っただけ」なのですが、イケイケになってしまった市場参加者は困ってしまうわけなのです。いきおい、他の資産クラスを処分するなど、経済全体に影響が出ることになります。

(終了)

さて、今回の円高で、多くのFX投資家が、大きな損を出しているようです。日本国財政破綻Safety Netの書き込みを引用します。

(引用開始)

Commented by ジンです! at 2007-08-16 20:21 x
こんばんは!
今回の円高(FX)で約300万ぐらいなくしました。FXは非常に危険であるということが身にしみました。現在ノ-ポジ。FXはやらないか、一部の遊び感覚でやるかのどちらかです。300万取り返そうという気はありません。今まで夢を見てました。

Commented by kanconsulting at 2007-08-16 22:41 x
ジンさん
今回の円高では、とあるFX会社では顧客の4割に、ロスカット(強制損切)が発動したというまことしとやかな噂もあります。真偽はわかりませんが、FXが市民権を得てきた現状では、ありそうな話です。
今回の円高で300万ロスしたということは、対円で平均3円円高と仮定して、100枚(1枚=1万ドル等)でしょうか。くれぐれも、高レバレッジにはご注意ください。せめてレバ5倍、可能なら3倍。そして、ポジションは必ず時期を分散して建てること。ならば、今回クラスの円高には十分耐えられます。これは、私は昔から主張していることです。
そして、これからもっとえげつない時期が来る可能性もあります。

(引用終了)

「あれ?どこかで聞いたような話だな?」と思われた方は、以下の話を思い出されているのでしょうか。過去の記事から転載します。

(開始)

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

Commented by 高レバ at 2005-12-17 08:21 x
最大限の高レバのせいで、追証・追証、それでも間に合わず最後に強制決済されました。
ドルならまだまし。NZ・豪ドルで運用していた為一瞬でした。
+200万が、-200万へ・・・。自己資金じゃない分、余計いたし。他の評価損益を合計すると1500万は溶けた、地獄の2週間でした・・・。立ち直れん・・・

(終了)

さて、現在の相場は、オーバーシュート(行き過ぎ)の可能性があると見ています。ですが、「だったら全力で買いだ!」というのも、リスクが高い行為です。

なぜならば、このような暴落に近い相場の調整は、短くとも1週間(そのうちすでに数日は経過していますが)、長ければ数ヶ月続くのが普通だからです。海外の機関投資家はバケーションであることも多く、しばらくは、ダラダラとした投げ(ポジションのクローズ)が続くものと見ています。誰かが投げ終わるまで、相場は戻らないのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

私は、数年間、ずっと同じことを書いています。ブレがありません。そして、ブレがないこの姿勢が、これまでの度重なる円高や世界株安を生き延びてきた秘訣なのです。

冷酷なことを何度も書きますが、この程度の円高や株安で右往左往しているようでは、これから来るであろう『国家破産の大津波』と『戦時統制経済』を生き延びられるはずがありません。

(もちろん、国家破産・日本国破綻や、戦時・戦争が来ないに越したことはありません。心構え・リスク対策の話とご理解ください。)

大事なことですので、よく考えてください。

過去の記事から転載します。

(開始)

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

キャリートレード通貨に乗っかって、積極的に為替差益ねらいやスワップかせぎをしようとする場合は、次の点に留意する必要があります。

(共通)
・場帳、玉帳をつけて、変動感覚をやしなうこと
・余裕資金で、少しずつ買っていく(売っていく)こと
・恐怖心や射幸心をほどほどにおさえ、冷静に相場を見ること
・押し目でナンピンし、平均値を有利にすること
・一発狙いはお勧めしません

(為替差益ねらい)
・高レバレッジでもかまわないが、その場合は損切りポイントは必ず入れておくこと
・損切りポイントは、購入時より1~2円 (レバレッジによって、復活が可能なポイントに設定)
・損切りポイントは、絶対に下げないこと
・逆に、損きりポイントを上げて、利益確定ポイントに変更するのは推奨

(スワップ狙い)
・あらかじめ、過去最高の円高がありうるものとしてレバレッジを低めにすること (2~3倍)
・多少の相場変動には動じないこと、デイトレードはしない
・計画的ナンピン推奨、利乗せはほどほどに

この中で重要なものを3つあげるとすると
「変動感覚」
「損切りポイント」
「低レバレッジ」
です。

「変動感覚」は、林輝太郎の本などにくわしく掲載されています。小職は、林輝太郎の本を読む前から、
・大きなポジションをいきなり立てるのは心理的にギャンブル性が高く、うまくいかない
・恐怖心を克服するために、小さなポジションを少しずつ立てることが、精神的に楽
・そうすることで、動揺することなく、「上がった」「下がった」を冷静に受け止めることが出来た
・だから、相場が下げても安心して長期投資が出来る
・有利な場面が来れば少しずつ買い増しが出来る
と思っていました。

皆様にも「変動感覚を身につける」ことをお勧めします。「変動感覚・リスク管理のない、当て物や一発勝負」は、大きな損失への片道切符です。くれぐれもご注意ください。

(「変動感覚」についての参考書籍)
以前から紹介しています株式投資の本ですが、基本精神はFXにも通じるものと思います。リンクの張ってあるものは、アマゾンから購入可能です。アマゾンで購入すれば、3000円以上は送料無料です。

(入門)
「株式上達セミナー これで成功は約束された/林輝太郎」
「株式成功の基礎 10億円儲けた人たち/林輝太郎」

(初級)
「あなたも株のプロになれる 成功した男の驚くべき売買記録/立花 義正」
「自立のためにプロが教える株式投資/板垣浩」

(中級)
「うねり取り入門 株のプロへの最短コース/林輝太郎」
「ツナギ売買の実践/林輝太郎」

(上級)
「株式サヤ取り」の参考書籍
「売りのテクニック/林輝太郎」

---

「FX(外国為替取引)~ドボンしないために(2) 情報商材にはご注意」

①高レバレッジの危険性

これについては、何度も何度も繰り返し述べており、再度述べません。中長期の資産形成には、レバレッジ2~3倍で十分です。利乗せの時期でもレバレッジ5倍が上限でしょう。普通の皆様はレバレッジ10倍程度だと思いますが、くれぐれもご注意ください。レバレッジ50倍などは、狂気の沙汰です。

②分散投資の有効性検証

資金を分散させ、リスクが減るような組み合わせ(ポートフォリオ)を考えることで、資産保全を行うこいうことについて述べます。ここで注意しなければならないのは、
・何でもいいから分散すればいいと言うものではない
・組み合わせが、リスクを低減できるような、逆相関(ヘッジ)あるいは無相関になっていることが重要

一般的に、FXのそれぞれの通貨同士の相関度は、株式よりも高いようです。それに、通貨ペアといっても、通貨自体がそんなに多くないですから、「無相関の通貨ペア」を探し出すのも一苦労でしょう。相関度の解析を行わずに、無相関と仮定するのは、センスがないと思われても仕方が無いですね。しかも、「従来の相関の度合い」は、必ずしも今後の相関をも規定するものではありませんし、当然バラツキもあるわけですので、相関係数が絶対というものでもないのです。では、どうすればいいのでしょうか。

③安全なスワップ取引

複数の通貨ペアを導入することで、思ったほどではなくても、それなりにリスクが減少することは事実です。

個人的運用では、USD/JPY>EUR/JPY>CHF/JPY>AUD/JPY>GBP/JPY>CAD/JPY>NZD/JPYの7ペアのロングを長期保有しています。ポジションを立てる時期も選んでいますし、そもそも3倍程度の低レバレッジにおさえていますので、今月の円高の時期も安心して寝られていました。

「ポジションを立てる時期」として、具体的には、USDは今年の2~4月、EURは今年の2~6月、GBPはイギリスでテロがあった時期など、「安値つかみ」を心がけています。

---

「ドル高一服、反転ドル安に調整」

最近FXを始められて、「ドルを買い損ねた!まだまだ行ける!買い増しだ!」と、高いレバレッジでドルのロングポジションを立てていた方は、強制決済にかかってしまった方もおいでなのではないでしょうか?

本日のこの動きは、小職にとっては「損きりの動き」のように感じました。これまでも「購買力平価と為替レートの関係~キャリートレードのブームとバースト」などの記事で何回か書いていますが、ドル円のようなキャリートレードの関係にある通貨ペアは、じわじわと高金利通貨が買われ、機関投資家の利益確定が呼び水となってポジションをふくらませた投資家の狼狽売りを誘発し、一気に高金利通貨売りに反転することが特徴です。

「『まだ』は『もう』なり、『もう』は『まだ』なり」
「人の行く 裏に道あり 花の道」

---

「FX(外国為替取引)の記事 為替の予測は短期ほど不可能 満玉張らない・相場の動きを感じる」

その中で、「為替の予測を当てることは、短期になるほど不可能」につきまして、その通りと思います。外貨の買いは、あくまでも、日本円に対するリスクヘッジですので、円高リスクがあらかじめ許容できるレベルにとめておくのが上手なやりかたです。そのためには、

・余裕資金を持つ (満玉張らない、全力投球をしない)
・相場の動きを感じる

ことが重要です。

---

「山崎元が語る「売買を分割したくなる心理について」 分割売買は非合理的で言い訳がましい? 戦略と戦術」

結論から言いますと、「投資の戦術においては、自分のメンタル面である『恐怖心、射幸心』『興奮、絶望、思い上がり』をコントロールすることが、とても重要」であるということです。これは、言い訳や自慢とは全く異なる種類の「心理的効果」なのです。市場の流れや、いろいろな情報、それに乱高下がもたらす興奮や絶望によって、勝手に市場から退場してしまう個人投資家がなんと多いことでしょうか。そして、「(プロの)分割売買は、自分の心理面をコントロールするという面でも有効」ということは、このブログで何度も言及しているところでもあります。

これも何度も書いていることですが、自分の心理面をコントロールできない(しようとしない)方が、今後ありうる経済的動乱を生き抜くことは難しいのではないでしょうか?大事なことなので、よく考えてください。

・・・そして、このブログでは何度も指摘しているように、大きな戦略としては、『今後の日本の経済を見通したときに、海外株式投資を主力にせざるを得ないことは自明』なのです。

戦術として、「フルインベスト(手持ち資金を使い切って投資すること、全力投資)」は、必ずしも適切ではありません。何度も繰り返し書きますが、「満玉張るな」なのです。たとえば、日本の証券会社が販売する投資信託は、「設定日から数日間で、集めた資金のほとんどを使い切ってしまうので、相場観もなにもあったものではない」という指摘もあります。「思い立ったが吉日なので、フルインベスト」では、資産運用のプロと称するには嘆かわしい限りです。

以前も書きましたが、『戦略と戦術の両方が重要』なのです。


(終了)
[PR]
by kanconsulting | 2007-08-17 00:32 | 外国為替(FX)

円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる

最近、福井日銀総裁が、「円キャリートレードが生じやすい環境にある。キャリートレードの急激な巻き戻しが起こるリスクが大きく、警戒している」と述べました。

日銀は、金利を正常な国と同じような水準に上げたいと考えています。ですが、今の状態で金利を上げることは、財政破綻に近づいてしまうということも、事実です。

さて、キャリートレードは仮需ですので、必ず「反対売買・決済」を迎えます。これを、巻き戻し(アンワインド)と言います。大きなアンワインドが起こると、仮需で膨らんだ市場が縮小(シュリンク)します。それは、「本来の状態に戻っただけ」なのですが、イケイケになってしまった市場参加者は困ってしまうわけなのです。いきおい、他の資産クラスを処分するなど、経済全体に影響が出ることになります。

円ドルで、キャリートレードの急激な巻き戻しが起こるかどうかは、わかりません。ですが、最近の為替・株式・商品などのいろいろな値動きで、振り返ったときに「あれは、キャリートレードのブームとバーストだったんだな」という理解をした例は意外と多いということだけ申し添えておきます。

このブログをご覧になっている方は、

・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い

・イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある

ということをご理解いただいていると思います。

---

(引用開始)

福井日銀総裁は午前の衆議院財務金融委員会で質問に答え、日本の金利が諸外国に対して低い水準にあるため、円キャリートレードが生じやすい環境にあると説明。その上で先行きの日本の金利観に急激な変化が生じれば、「急激な巻き戻しが起こり、様々なひずみをもたらす。このリスクが非常に大きいため、大変警戒的に見ている」と述べた。

アサヒ・コム 11/10

---

財務省の渡辺博史財務官は、・・・「円キャリートレードの規模は、為替市場の規模に比べて小さく、為替市場を振り回すとは思っていない」との見方を示した。
23日のニューヨークでの講演で、円キャリー取引の規模が数兆ドルではなく数兆円だろうと発言したことについて同財務官は、円キャリーの定義は、はっきりしていないと指摘、数字は特に計算したものではなく、為替市場の規模と比べると小さいということを言いたかったと説明。数兆円というのは、意図的に資金を動かしている投資家による円キャリーの数字をイメージしていると述べた。

アサヒ・コム 10/27

(引用終了)

キャリートレードについては、過去の記事も参照ください。

(引用開始)

「購買力平価と為替レートの関係~キャリートレードのブームとバースト」

このブログで何度も指摘していますように、「為替レートは、実需と仮需の両方に影響を受けます」。そして、仮需の例として、金利差に着目したキャリートレードがあります。さらに、「金利とインフレ率は関係が深い」ことも、何度も指摘していることです。つまり、為替レートは、両国の金利とインフレ率にも影響を受けるのです。

キャリートレードとは:低金利の通貨を借りて(売って)、高金利の通貨に投資する(買う)ことです。たとえば、FX(外国為替保証金取引)で、スワップ金利目的で、AUD/JPYのロングポジション(=日本円を売って、豪ドルを買う)を建てることも一種のキャリートレードと言えるでしょう。

キャリートレードの関係にある通貨は、高金利通貨への資金流入でじわじわとブーム(高金利通貨高)を形成し、一定のターニングポイントを迎えると一気にバースト(高金利通貨急落)することが特徴でもあります。そして、長期的に見ると、為替レートは購買力平価の上下を行き来しているだけという見方も可能です。これは、キャリートレードを大掛かりに行っている機関投資家(ヘッジファンドなど)が、「もうそろそろ」と利益確定の為に反対売買(買っていた高金利通貨を売り、借りていた低金利通貨を返す)をすることがきかっけで、一気に低金利通貨高に逆転するためです。

---

「量的緩和の解除(2) 経済成長率と物価上昇率で考える、インフレの足音」

機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレード(だぶついた日本円を使った裁定取引)が、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている可能性も指摘されています。

---

「投資の基本と、BRICSへの姿勢 キャリートレードの解消・投売りが一巡するまで調整は続く」

今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。


(引用終了)

金利とインフレ率の関係については、過去の記事も参照してください。
「インフレ率と実質金利」

FXについては、過去の記事も参照してください。
「外貨預金、外貨MMF、為替保証金取引」
「FXで金利10%はどう実現するか?」

キャリートレードについては、過去の記事も参照してください。
「日米の金利差と、為替レートの関係」
「ヘッジファンドへの投資(5)」
「スイスフランについて」
「総円高と金利裁定取引」

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。
[PR]
by kanconsulting | 2006-11-23 17:58 | 外国為替(FX)

「国家破綻に勝つ資産保全~FX・外国為替取引編」について 質問受付

「国家破綻に勝つ資産保全~FX・外国為替取引編 v1.0」のレポートについて、質問を受付けます。ご質問は、お知らせしていますメールアドレスにお願いします。

たとえば
・○○を記録するのに、どこを見れば良いのか?
・○○は、具体的にはどうするのか?
・資金量と○○の関係は?
・玉(ポジション)の入れ方と手仕舞いはどうすればいいのか?
など。

以下の点をご理解ください。
・FAQ(良くあるQ&A)として、レポートにまとめて配布いたします。
・個別の質問にお答えするものではありません。
・すべてのご質問にはお答えできないかも知れませんので、ご容赦ください。
[PR]
by kanconsulting | 2006-08-10 08:57 | 外国為替(FX)

FX(外国為替取引)の記事 為替の予測は短期ほど不可能 満玉張らない・相場の動きを感じる

「貞子ちゃんの連れ連れ日記」から、FX(外国為替取引)の記事のご紹介を受けました。ありがとうございました。

その中で、「為替の予測を当てることは、短期になるほど不可能」につきまして、その通りと思います。

外貨の買いは、あくまでも、日本円に対するリスクヘッジですので、円高リスクがあらかじめ許容できるレベルにとめておくのが上手なやりかたです。そのためには、

・余裕資金を持つ (満玉張らない、全力投球をしない)
・相場の動きを感じる

ことが重要です。

もっと言いますと、長期投資を考えるほど、「テクニカル指標を見ないほうが良い」です。

(引用開始)

かさねがさね申し上げますが 私自身は10年単位では 円安論者であります。が、 短いスパンでの為替相場は 単なる経済現象のみならず 政治的・軍事的要素&事件にも敏感に反応するため プロになればなるほど 数週間から1年単位の為替予測は『予測不可能』と結論付けていることは 個人投資家の皆様には 是非ともご留意願いたいと思います。

(引用終了:貞子ちゃんの連れ連れ日記)

---

「国家破綻に勝つ資産保全 FX・外国為替保証金取引編 v0.0」(配布終了)は、多くの方からコメントをいただきました。以下に、その一部を掲載したいと思います。(プライバシーには配慮しておりますが、問題がありましたらご連絡ください)

ご要望事項などを織り込みました、
「国家破綻に勝つ資産保全 FX・外国為替保証金取引編 v1.0」
は、5月からのリリースとなります。

---

(読者様からいただきました、「FX編」のご感想の一部)

レポートには、「○○感覚」「損きり」「○○売買」など、FXに限らず投資全般に重要な事柄が説明されており、とても参考になります。
税制について、FX(365)とFX(非365)とで扱いが異なることや、外貨MMFは、為替差益が非課税など、知らないことが多く参考になります。それにしても、税制は複雑ですね。
・・・レポートありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。
(K・Y様)

FXが実際にどういう取引であるのか、というご説明がとても解り易く理解出来ました。
中でもハッと気づかされたのは10%の保証金以外の90%は借入金になるのだ、という事実です。よくよく考えれば当り前ではあるのですが、その事実に対して認識が無かったのかもしれません。重大な事を気づかせて頂きました。有難うございます。
又、外貨預金・MMF・FXの違いについても丁寧な説明が書かれてあり、自分が今後どういう運用を行っていくかを深く考える大きな参考になりました。厚く御礼申しあげます。
最近kan様に習い○○6種を日々○○しています。ザックリと目視程度は数年前からしていましたが、書いてみると日々の○○が良く解りますね。
(T・Mさま)

FX編レポート送付ありがとうございました。
私は、今ままでFXの本も読み実際にもトレードを行っていたのですが、今回、レポートを読んで、知識が整理されよりクリアーに理解できたように思います。
また、「破産しないために○○をつける」は大変参考になりました。
今後も宜しくお願いします。
(H・I様)

今回の「国家破綻に勝つ資産運用 FX編」の感想になりますが、・・・今回のレポートは初心者にもわかりやすくまとめられていると思います。
学習の一助にさせていただきたいと考えております。ありがとうございました。
(K・A様)

先日はレポートを送付いただき、ありがとうございました。
FXに関しましては、先日失敗を経験しまして、少々落ち込んでおりましたが、これも勉強(自分が未熟だった)と思い、失敗をムダにせぬようにしたいと思っております。
送付いただいたレポート(FX編)には、まさに私が陥った精神的パニックをいかに抑えるかが書かれており、その大切さを身を持って認識できました。
また、FXを○○に用いることも資産の海外分散に有効であることも解り、驚きました。
特に、冒頭の資産保全の概念図は、他のレポートとの関係が解りやすく示されており、大変参考になりました。
日本は景気回復を予感させる状況で、少々戸惑うところもありますが、ご紹介いただいた手法は確実に身に付けたいと思っております。
(Y・H様)

早速レポートを送付して頂きありがとうございます。
僅かなお金を増やそうとFX、○○、○○、○○、○○、○○、など6年間やってきましたが増えるどころか減らしていまい最近では又一から勉強していました。
今回、KAN様のレポートを拝読させていただき、
FXで破産したくないなら必ず”○○”をつけてください。の写真でなかなかプロの手法を見れないのですがジーと価格変動を見ていると本当にあまり動いてなくてこの○○を身につけると、少々動いても動じないで対処できそうに思えてきました。
○○感覚を身につける。これはとても重要だということが解りました。気づかせていただきありがとうございます。
○○○のヒミツはいろいろな本に書いてあるので知ってはいましたがあまり計算しなかったのですが、もしかしたら○○○万くらいこれまでに払っているような気がしてきました。
29頁からの税制面での比較など縁が無かったので良い勉強になりました。
・・・とても良い勉強になりました。何と言って良いか解りませんが本当にありがとうございました。
(M・Hさま)

レポートありがとうございました。さっそく読ませていただきました。
・・・FXは、昨年夏ごろからはじめております。基本的に円は、毎日ドルレートで換算されて、そのドルで他の通貨を買うことになりますので、どうしても、ある程度の相関関係が出てきます。(レポートのとおりです!)
たしかに、売買を頻繁に繰り返すと、儲からない気がしています。手数料もそうですが、感情で売買プログラムが左右されることが一番問題かと。
(M・I様)

非常に分かりやすいところから徐々に難しいことを説明していき、それでいて難しいことを努めて平易にご説明される相変わらずの手腕にはいつも脱帽いたします。
自分でも勉強していたので、レポートの半分くらいまではすでにそれなりに理解していたつもりです。しかし、「FXは○○込みで損益が○○」ということを非常に分かりやすくご説明頂き、目から鱗でした。このような記述は何度か見たことがあったのですが、今まで理由が分からずにいたことの1つで、本当にありがとうございました。
また税制に関しても、今回のKANさんのご説明でいろいろと知らなかったことを知ることができました。・・・今後ともよろしくお願いいたします。
(A・M様)

○○のH・Hです。レポートありがとうございました。
kanさんのブログいつも見ています。「国家破綻」があるかどうかはわかりません。出来る限りその準備をしておくことが大事です。4ページ目、「メンタル面を鍛え、「継続して正しい投資をする」ことをわすれてはいけない」という記述は、まさにそのとおりだと思います。
外貨預金、外貨MMF、FXのメリット・デメリットが記載されていて、大変参考になりました。
最近、FX関係の有料レポートが多数出回っています。2月で60万を1000万とか、過激なタイトルが並んでいます。私も何冊か購入してみました。内容は、テクニカル分析ということで、MACDとスローストキャスティクス、移動平均線を利用しろ、というものでした。うまくトレンドに乗れ、高レバの取引がうまくいっただけという感じで、本当にトレードしたのかという疑念が消えないものもあります。
「リスクの高いFX取引方法」について、私もどこかで似たような内容を見た記憶があります。
(H・H様)

---

海外銀行を使うテクニックは「国家破綻に勝つ資産保全 オフショア編」
海外ヘッジファンドへの投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ヘッジファンド編」
海外証券会社を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ETF編」
外国為替取引(FX)を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 FX編」
を参照ください。
[PR]
by kanconsulting | 2006-04-16 11:37 | 外国為替(FX)

為替(FX)レポート 配布停止のお知らせ

現在配布していますレポート「国家破綻に勝つ資産保全~FX・外国為替取引編 v0.0」は、4/1(土)を持ちまして、配布を停止します。(それ以前であっても、予定の配布数に達した時点で、予告なく配布を注意することもあります。)

(4/1追記 日付変更とともに、配布を停止しました。)

「国家破綻に勝つ資産保全~FX・外国為替取引編」は、無料レポートではありません。ですが、「オフショア編」「ヘッジファンド編」「ETF編」のいずれかをお持ちの方には、サービスの一環として、メール・PDFファイルにて、無料で配布させていただきます。

(応募資格のある方)
・「オフショア編」「ヘッジファンド編」「ETF編」のいずれかを、お持ちの方
・かつ、現在の約款に同意していただける方
・かつ、ロット番号と、メールアドレス・ご住所が一致する方
・申し込みメールが、4/1(土)までに到着することが必要です。

(応募資格の無い方)
・「オフショア編」「ヘッジファンド編」「ETF編」のいずれかも、お持ちでない方
・あるいは、無料レポート(ご案内)だけをお持ちの方
・ロット番号が不明の方
・ロット番号と、前回お申し込み時のメールアドレス・ご住所が一致しない方

<応募要綱>
以下の事項をメールしてください。
・「オフショア編」の形態(紙、CDR、メールPDF)、ロット番号、入手時期、入手経路
・「ヘッジファンド編」の形態(紙、CDR、メールPDF)、ロット番号、入手時期、入手経路
・「ETF編」の形態(紙、CDR、メールPDF)、ロット番号、入手時期、入手経路
・お名前
・前回申し込み時のメールアドレス、現在のメールアドレス(変更がある場合)
・前回申し込み時のご住所、現在のご住所(変更がある場合)

よろしくお願いします。
[PR]
by kanconsulting | 2006-03-30 20:12 | 外国為替(FX)

本当に高金利外貨は有利か?~スワップ金利と裁定取引

以前のエントリー「高金利通貨のワナ~「政府の取り分」と「通貨の減価」」にて、次の様に述べました。

(引用開始)

このブログでは、名目金利と実質金利について、何度か述べてきました。簡単に言うと、

名目金利=実質金利+インフレ率

です。では、高金利通貨ではどうでしょうか?名目利回りが5%のオーストラリアドルMMFを見てみましょう。この場合は、

利回り=名目利回り*0.80(税金20%が政府の取り分に)=4%

ですね。(中略)
でも、これまでに指摘していますように、高金利にはインフレがつきものです。この場合にオーストラリアのインフレ率が2%や4%だったらどうでしょうか?

インフレ率が2% 実質金利=名目金利*0.80-インフレ率=4%-2%=2%
インフレ率が4% 実質金利=名目金利*0.80-インフレ率=4%-4%=0%
(この場合に、実質0%なのに税金がしっかり取られていることに注目してください)

となって、ほとんどウマミのない投資になってしまいます。(中略)
これまでも何度も指摘しているように、
・インフレ
・税金
・手数料
が、投資の敵です。手数料は工夫すればなんとかなる面もありますが、インフレと税金はなかなか避けられません。くれぐれもご注意ください。

(引用終了)

このように、「高金利だからといって、インフレ率を考慮しないのは、片手落ち」なのです。たとえば、トルコリラ預金やアルゼンチンペソ預金が金利20%だとしても、「それはインフレだからじゃないの?」と気づくことと同じことです。

---

「でも、その通貨で買い物しないのだから、インフレ率は関係ないのでは?」という意見があると思います。本当は関係あるのですが、それは前回のエントリー「購買力平価と為替レートの関係~キャリートレードのブームとバースト」にてPPP(購買力平価)の説明を参照いただくとして、今日は、金利差の裁定の説明をします。

円の金利が0%、ドルの金利が3%とします(長短金利は区別せず)。本日のレートが120円としますと、

本日  120万円=10000ドル
1年後 120万円=10300ドル (1ドル=約116円)

本日から見て、1年後には120万円と10300ドルは同じ価値となるはずです。輸出入業者の「為替予約」は、この原理で行っています。外貨取引(FX)では、スワップ金利を毎日計上していますが、それは、この裁定取引を毎日行って、理論上の価値をバランスしていることになります。

ですので、外貨預金(レバレッジ1倍のFX)は、「原理的には儲からない取引」なのです。(すぐには理解してもらえないと思いますが、理論上はそのとおりです)

もちろん、実際の1年後のレートは、この数字から上にブレたり下にブレたりします。その結果として、外貨取引(FX)で儲かった、損した、という損益が発生します。

つまり、外貨取引(FX)においては、「金利やスワップ込みで、損益は50%」なのです。世間で言われている、「高金利通貨は得」「FXはスワップが有利」は、物事の一面しか見ていないというべきでしょう。

これを回避するためには、
・FXでは、レバレッジを1倍より高めにする(高くしすぎるのは危険です)
・外貨預金では、円転しない
・為替相場の長期の変動に乗る
ことです。

(本日のまとめ)
・高金利通貨は、インフレ率に注意する必要がある
・円転前提の外貨投資は、金利裁定の考え方からは、実は、金利込みで損得50%
・FXでは、スワップ金利が計上されるためトクな気がするが、実は、スワップ込みで損得50%

くれぐれもご注意ください。
[PR]
by kanconsulting | 2006-03-08 04:24 | 外国為替(FX)