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戦後最大の経済危機 実質GDPマイナス12.7% 分かっていた数値悪化

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図は時事通信より

2008年10~12月期の国内総生産(GDP)速報が出ました。あくまで速報であり、今後に確定値による訂正がされると思いますが、記録的な悪化であることは間違いないところです。

「実質GDP12.7%減」という見出しがショッキングですが、四半期(3ヶ月間)の数字を年率に換算した数値であり、実際の年間の実質GDPは0.7%減となります。それほど、昨年秋以降の落ち込みが激しかったということでしょう。

この数字を受けて、経済上の対策が加速するものと思います。

私は、

・GDPの数値が悪化するのは、ある程度分かっていたはず
・2007年後半から景気後退に入っており、「今さら」という感じがある
・これで底を打ったという判断は出来ず、まだまだ悪い時期が続く
・悪い数字により、財政上のチェック機能が甘くなる可能性がある
・一般市民は、数値に一喜一憂することなく、守りを固める必要がある

と主張します。

(2/18追記)

私たちが気をつけなければならないのは、

・ショッキングな数字によって、無茶な政治や財政政策が容認されてしまうこと
・フロー面からは、雇用リスクへの備え
・ストック面からは、デフレ経済への備え
・これから日本の財政が悪化するが、そのリスク

なのだと思います。特に、

信用崩壊スタート(2007~)
→金融機関など資本毀損・有価証券価値暴落
→企業の生産調整・雇用カット(2008~顕著に)
→家計への波及(日本では今年から顕著に)
→デフレスパイラル再来

のサイクルを考えた場合、家計への波及が始まることで、デフレ再突入が確実なものとなります。

さて、「10秒で読む日経」によると、GDP変動率を金額に換算すると、

・設備投資 ▲8兆円 ここ数年が過大であり、2009年もマイナスが続く
・純輸出 ▲12兆円 2009年もマイナスは続くが、2009年は半分位で収まる
計付加価値 ▲20兆円
(売上換算 ▲30兆円 (日本企業の売上高付加価値率から逆算))

ということです。

(追記終了)

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【実質GDP 四半期(季節調整値)】 ※「実質」とは、物価変動の影響を除いた、という意味
・前期(7~9月期)比 ▲3.3% (=年率換算▲12.7%)
・3四半期連続で減少
・2けたマイナスは、第1次石油危機時の74年1~3月期(▲3.4%、年率▲13.1%)以来、戦後2度目
・09年1~3月期も大幅なマイナス成長の見通し

【実質GDP 2008年通年】
・▲0.7%
・1999年(▲0.1%)以来、9年ぶりのマイナス成長

【名目GDP 四半期】 ※物価変動の影響を含み、生活実感に近い
・前期比 ▲1.7% (=年率換算▲6.6%)
・98年1~3月期(▲2.0%、年率換算▲7.7%)に次ぐ、過去2番目のマイナス幅
・名目が実質を下回ってデフレを示す「名実逆転」は8期ぶりに解消
・今後は需要減少からデフレに逆戻りするとの懸念が強い

【GDPデフレーター 四半期】 物価の動きを示す 
・前期比 +0.9%

【輸出 四半期】

・前期比 ▲13.9%
・2四半期ぶりに減少
・減少幅は75年1~3月期(▲9.7%)を上回った

【設備投資】 企業の設備投資を示す
・前期比 ▲5.3%
・4四半期連続の減少

【個人消費】 家計最終消費支出
・前期比 ▲0.4%
・物価上昇が一服した昨秋以降も、実質賃金の減少や雇用不安の追い打ちでとマイナスに転じた

【民間住宅】 住宅投資を示す
・前期比 +4.0%

【外需寄与度】 輸出から輸入を差し引いた、外需を示す「財貨・サービスの純輸出」
・前期比 ▲3.0%
・過去最悪

【内需寄与度】
・前期比 ▲0.3%

(引用開始)

GDP:年率12.7%減、落ち込み深刻 10~12月期

内閣府が16日発表した08年10~12月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は、前期(7~9月期)比3.3%減、これが1年間続いた場合(年率換算)で12.7%減と3四半期連続で減少した。2けたマイナスは、第1次石油危機時の74年1~3月期(3.4%減、年率13.1%減)以来、戦後2度目。深刻な金融危機と世界景気悪化で輸出が戦後最大の落ち込みとなり、個人消費も減少。内外需の総崩れが鮮明となった。09年1~3月期も大幅なマイナス成長の見通しで、日本経済は戦後最悪の不況に陥ろうとしている。
実質GDPの3四半期連続の減少はIT(情報技術)バブル崩壊後の01年4~6月期から10~12月期以来、7年ぶり。08年の実質GDP成長率は0.7%減となり、99年(0.1%減)以来、9年ぶりのマイナス成長となった。
10~12月期は、輸出が前期比13.9%減と2四半期ぶりに減少に転じ、減少幅は75年1~3月期(9.7%減)を上回った。自動車、電子部品、建設機械などを中心に米国、欧州連合(EU)、アジア向けがすべて大幅に減少した。外需依存で輸出との連動性が高まっている設備投資は5.3%減と4四半期連続の減少で、マイナス幅は加速度的に拡大している。
昨年夏にかけ、急激な物価高で打撃を受けた個人消費は、物価上昇が一服した昨秋以降も、実質賃金の減少や雇用不安の追い打ちで0.4%減とマイナスに転じた。自動車、家電、航空旅客輸送、衣服などの落ち込みが大きかった。輸出から輸入を差し引いた外需寄与度は、輸出の記録的減少によりマイナス3.0%と過去最悪に、内需寄与度もマイナス0.3%だった。
物価変動の影響を含み、生活実感に近い名目GDPは前期比1.7%減(年率換算6.6%減)で、98年1~3月期(2.0%減、年率換算7.7%減)に次ぐ、過去2番目のマイナス幅となった。【尾村洋介】

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GDP年率12.7%減=35年ぶり急激ダウン-昨年10~12月期速報値

内閣府が16日発表した2008年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値によると、実質GDPは前期比3.3%減、年率換算では12.7%減と、第1次石油ショック後の1974年1~3月期(年率13.1%減)以来、約35年ぶりの急激な落ち込みを記録した。世界的な金融危機が実体経済に波及し、輸出の減少幅が過去最悪となるとともに、設備投資も大幅にダウン。01年4~12月以来、7年ぶりに3・四半期連続のマイナス成長となった。
09年1~3月期のGDPも大幅な減少が予想されており、マイナス成長は戦後例のない4期連続となる見通し。08年度は戦後最低の成長率が見込まれ、記者会見した与謝野馨経済財政担当相は「戦後最悪の経済危機だ」と述べた。政府・与党は成長率の大幅悪化を踏まえ、新たな経済対策の検討に着手する。
名目GDPは前期比1.7%減、年率換算では6.6%減だった。名目が実質を下回ってデフレを示す「名実逆転」は8期ぶりに解消した格好だが、今後は需要減少からデフレに逆戻りするとの懸念が強い。(2009/02/16-11:19)

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08年10―12月のGDP、実質3.3%減、3期連続のマイナス成長
2009年2月16日

内閣府が2月16日に発表した2008年10―12月期の国民総生産(GDP)速報によると、物価変動を除いた実質の成長率は前期比3.3%減だった。年率換算は12.7%減。3期連続のマイナス成長となった。
どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、外需を示す財貨/サービスの純輸出が前期比3.0%減と大幅なマイナスだった。
内需は前期比0.3%減。住宅投資を示す民間住宅は同4.0%増となったが、個人消費を示す家計最終消費支出は同0.4%減、企業の設備投資を示す民間企業設備は同5.3%減に落ち込んだ。民間在庫品増加の成長率への寄与度は0.4%のプラス。
10―12月期のGDPについて物価変動の影響を含めた名目の成長率をみると、前期比1.7%減だった。物価の動きを示すGDPデフレーターは、前期比0.9%増だった。
■関連情報
・内閣府のWebサイト http://www.cao.go.jp/

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「戦後最大の経済危機だ」と与謝野経財相…GDP大幅減

与謝野経済財政相は16日、記者会見し、10~12月期のGDP成長率が年率換算で12・7%減の大幅なマイナスになったことについて、「戦後最大の経済危機だ。この(悪い)数字を目の前にして何も考えないということは怠けていると言われる。この数字を見た以上は血流を速くして頭を使っていろんな可能性を探ることは我々の責任である」と述べ、景気回復に向けた一段の経済対策を検討する考えを示した。
当面の対応として与謝野経財相は、「2009年度当初予算の早期成立をお願いするとともに、年度当初から速やかな執行を図るための相談をしたい」と述べ、まずは予算成立を急ぐ考えを示した。そのうえで「何をなすべきか経済界などを含めて幅広く議論してほしい」との意向を示した。

(2009年2月16日11時30分 読売新聞)

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戦後最大の経済危機、09年度予算成立に全力=GDPで与謝野担当相
2009年 02月 16日 11:15 JST

[東京 16日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は16日、2008年10─12月期の国内総生産(GDP)が前期比年率12.7%減と1974年1─3月期以来の大幅な落ち込みになったことについて、現状を「戦後最大の経済危機」と表現した。
GDPを受け、与党内などから追加経済対策を求める声が一段と強まることは必至だが、与謝野担当相は「経済界や国会などで日本が何をすべきか議論してもらう必要がある」としながら、政府の対応としては、08年度2次補正予算関連法案と09年度予算の早期成立・執行に全力を挙げる考えをあらためて表明した。GDP発表後の記者会見で述べた。

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与謝野経財相「戦後最悪。戦後最大の経済危機だ」
2009年2月16日11時54分

与謝野経済財政相は16日、08年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値の発表を受けて記者会見し、日本経済の現状について「戦後最悪。戦後最大の経済危機だ」と言い切った。
景気の先行きについては、「不安定要素がたくさんある。ただ、1年以内に回復が始まるということは、多くの有力なエコノミストが言っている」と指摘した。
政府・与党は09年度予算成立後に、同年度補正予算案を編成して追加経済対策に乗り出す方針だが、与謝野氏は「(予算成立前でも)もちろん頭の体操は必要だ。経済界、言論界、学界などで、こういう経済の状況を受けて、日本が何をなすべきかという議論をしていただく必要がある」と述べた。
また、河村官房長官は同日の記者会見で、実質GDPの急激な落ち込みについて「非常に深刻なものだと受け止めている。早く(08年度)2次補正の関連法案を通して実施に移し、(09年度)本予算を一日も早く成立させることが最大の景気対策だ」と述べた。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-17 09:42 | 経済状況

アメリカ・イギリスのAaa格付けが試されている 金融産業の威光は消失 小泉元首相の麻生批判

「(先進国のトリプルA格付けには)既に疑問符が付いている」(グリーンバーグ・トラウリグ、ブルース・ジリンスキー氏)
「米国のトリプルA格付けへの信頼が揺らぐ中、米国への投資が減少し、代わりに中国などに投資が向かう可能性がある」(ブリッジ・アソシエーツ、アンソニー・シュネリング氏)

※ムーディーズの場合、トリプルAはAaaとなります

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これまで、アメリカか日本で、国家財政破綻がありえるが、そのどちらが先になるかは分からない、と指摘しました。また、日本の格付け(正確には、国そのものではなく、長期国債の格付け)についても、何回も指摘してきました。

今回、ムーディーズは、トリプルA格の国を、今回の危機への抵抗力によって、3つのグループに分類したということです。(日本(国債)の格付けは、「Aa3」で、上から4番目)

(銀行の崩壊により、ポンドの価値が対円で半分程度になったイギリスが、まだAaaというのも、変な話ですね。アイルランド(アイスランドではありません)も似たようなものでしょう。それらよりも格付けがはるかに劣る日本が、世界最強の通貨を有するというのも、もっと変な話だと思います。)

【最も抵抗力のあるグループ】
・ドイツ、フランス、カナダ、スカジナビア諸国
・世界的な景気低迷に対する抵抗力が比較的強い
・「強い向かい風の中でも、格付けが試されることはない」

【上から2番目のグループ】
・アメリカ、イギリス
・「トリプルA格付けが、世界的な景気低迷によって『試されている』」
>「試されている」との表現は、格付けが「リスクにさらされている」ことの遠まわしな表現
・「成長モデルが打撃を受け、多額の、場合によっては予期せぬ債務の発生により、格付けが試されている」
・「しかし、試練に立ち向うための適切な対応力も、持ち合わせている」

【危機への抵抗力が最も低いグループ】
・アイルランド、スペイン
・「リスクを国家財政で背負うことを余儀なくされた国」
・スペイン:財政状況を改善できる手段はわずか
・アイルランド:公的財政が直面している著しい困難に対処するにはわずかな手段しか残されていない

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そもそも、ムーディーズの格付けは、日本に厳しく欧米に甘いというような、恣意的な判断を含んでいるのではないかとも思っていましたが、それが剥がれたと言う判断のほうが適切なのかも知れません。

何が剥がれたのでしょうか?

「金融産業」「金融立国」という、信用を膨張させるシステムを有している(胴元である)、という強みが、もはや強みではなくなった、ということなのでしょう。

であるとするならば、この後の展開は、ある程度読めます。何度も書いていますが、「お金があるところから、お金を引っ張ってくる」ということなのです。アメリカ新大統領政権の初期の仕事は、「アメリカ国債のファイナンスをするために、日本から資金を出させること」なのでしょう。

最近の小泉元首相の、麻生批判のコメントも、「アメリカに逆らうな。これまでどおり、あるいはこれまで以上に、年貢を納めろ。逆らうと、ひどいぞ。」ということなのだと理解しています。

(引用開始)

米英のトリプルA格、景気低迷で「試されている」=ムーディーズ
2009年2月13日

[ニューヨーク 12日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、米国と英国のトリプルA格付けは世界的な景気低迷のなかで「試されている」と述べた。一方、ドイツやフランス、カナダといった国は比較的底堅いことを示しているとした。
ムーディーズは、トリプルA格の国を現在の危機に持ちこたえる能力に従って分類した。
ムーディーズの国際チーフエコノミスト、ピエール・カイルトゥ氏は投資家や記者向けの電話会議で「米国と英国で構成されるグループは、成長モデルへの打撃や、非常に巨額で場合によっては予定していない負債により、格付けが試されている。しかし、こうした国々は課題に直面した際の適切な対応力を示したと考えている」と述べた。

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米英のトリプルA格付け、景気低迷で「試されている」=ムーディーズ
2009年2月13日

[ニューヨーク 12日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、米国と英国のトリプルA格付けは、世界的な景気低迷に「試されている」との見方を示した。一方、同じくトリプルA格のドイツ、フランス、カナダなどは、世界的な景気低迷に対する抵抗力が比較的強いとした。
ムーディーズはトリプルA格の国を今回の危機への抵抗力に従い、3つのグループに分類。米国と英国は上から2番目のグループに入るという。
ムーディーズの国際チーフエコノミスト、ピエール・カイルトゥ氏は投資家と記者向けの電話会議で「米国と英国が分類されるグループは、成長モデルが打撃を受け、多額の、場合によっては予期せぬ債務の発生により、格付けが試されている」と説明した。
ただ「ムーディーズはこのグループに分類された国も、試練に立ち向うための適切な対応力を持ち合わせていると考えている」と述べた。
一方、アイルランドとスペインは、危機への抵抗力が最も低いグループに分類された。ムーディーズはこうした国は「リスクを国家財政で背負うことを余儀なくされた国だ」と説明している。
また、最も抵抗力のあるグループには、ドイツ、フランス、カナダ、およびスカジナビア諸国が入った。ムーディーズはこうした国々は「強い向かい風の中でも、格付けが試されることはない」としている。
アナリストの間では、トリプルA格付けが「試されている」とのムーディーズの表現は、格付けが「リスクにさらされている」ことの遠まわしな表現との見方が強い。
グリーンバーグ・トラウリグのブルース・ジリンスキー氏は、トリプル格付けには「既に疑問符が付いている」と述べた。またブリッジ・アソシエーツのマネジング・ディレクター、アンソニー・シュネリング氏は、米国のトリプルA格付けへの信頼が揺らぐ中、米国への投資が減少し、代わりに中国などに投資が向かう可能性があると指摘した。

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スペインとアイルランド、最上級格付け国では最もぜい弱=ムーディーズ
2009年2月12日

[ロンドン 12日 ロイター] 有力格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日発表したリポートの中で、スペインはアイルランドとともに、公的財政に関するリスクが著しく大きく、最上級の格付けを持つ国の中では最もぜい弱だ、との認識を示した。
リポートは、いずれの国についても格付けおよび見通しの変更には言及していない。
ムーディーズはさらに、英国、米国、アイルランドは、リセッション(景気後退)対策として財政政策を緩和しているため、厳しい債務状況に直面していると指摘。そのうえで、英国と米国は状況を改善できる可能性があるとの見方を示した。
スペインについては、財政状況を改善できる若干の手段はわずかだけだと指摘。先月見通しを「Aaaネガティブ」としたアイルランドに関しても、公的財政が直面している著しい困難に対処するにはわずかな手段しか残されていない、と述べた。
ムーディーズは、スペイン、英国、米国の見通しについては、いずれも「Aaa」で安定的としている。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-16 19:20 | 経済状況

財政と税 新規国債40兆円超 消費税を上げたい財務省と経団連 五公五民 お上の召し上げ

これまでも「今後の(赤字)国債発行額は、さらに増大する」と述べてきました。財務省の試算によれば、2011年度の新規国債発行額が40兆円を超えて過去最大となる予測です。社会保障関係費が毎年9000億円増え続けることが大きな要因として挙げられています。

財務省の、「消費税を上げたい」「消費税を上げないと、赤字国債を発行せざるを得ないが、責任は取れないぞ」「基礎年金の国庫負担は厳しい」といった意図が見え隠れする、アドバルーン的な試算といえるでしょう。

(なぜ「所得税増税」「法人税増税」ではなく、「消費税増税」なのかについては、繰り返しになりますので、過去のエントリーも参照ください)

(毎度のことですが、日本経団連は、基礎年金をすべて消費税など税金でまかなう「全額税方式」に完全移行すべきだ、高齢者医療や介護保険制度でも公費の投入割合を増やすべきだと主張しています。追加的に必要な財源は消費税率換算で12%程度(試算)で、すべて消費税でまかなう場合、税率を17%に上げる必要があるとのことです。「なぜ消費税なのか」についての理由は明確で、何度も述べていますが、

・社会保障費の企業負担を極力減らし、出来るならゼロにしたい
・輸出企業に対する「消費税戻し税(還付金)」を増やしたい

ということでしょう。)

この試算には、いくつかの前提があります。
・2010年に世界経済が順調に回復する
・日本経済も回復し、実質1%台半ば、名目2%台前半となる
・歳出削減を行わない

この前提も、甘すぎると言えるでしょう。「世界経済が順調に回復するかどうか、その時期はいつか」については、別途エントリーで述べたいと思います。

(歳出)
09年度 88.5兆円(予算案)
11年度 93.0兆円
12年度 95.4兆円

(税収)消費税率を引き上げなかった場合
11年度 47.7兆円
12年度 49.1兆円

(国債発行額)基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるため、財政投融資特別会計の準備金を取り崩して対応する場合
09年度 33.3兆円(予算案)
11年度 38.1兆円
12年度 39.0兆円

(国債発行額)消費税の引き上げなど税収増で賄えずに赤字国債を発行する場合
11年度 40.6兆円
12年度 41.6兆円

(前提となる名目経済成長率)
10年度1.1%
11年度2.1%
12年度2.2%

この「基礎年金の国庫負担」は、

・現在は3分の1強
・2分の1に引き上げるには、年2.3兆円の財源が必要
・09年度と10年度は、「埋蔵金」である財政投融資特別会計の金利変動準備金を流用
・11年度からは、「税制の抜本改革」による、消費税増税などを充てる
・税制の抜本改革が実施できない場合でも、「臨時の法制上の措置」で2分の1を維持
・11年度以降のさらなる「つなぎ」措置は、遠くない時期の消費増税を視野に短期で償還する「つなぎ国債」の発行や、特別会計の剰余金の流用など

とされています。

さて、日本の個人にかかる所得税(+住民税)の「最高税率」は、50%と、世界で4番目に高い水準ということです。きっと、これも「高額所得者・金持ちに配慮して、最高税率を下げろ」という、アドバルーンなのでしょう。

(2/13追記)「最高」ではなく、「国民負担率」は、国民がその所得から税と社会保険料を負担する割合ですが、現在およそ39%となっており、税率に見合った社会保障になっているのかは、はなはだ疑問でしょう。

なお、消費税増税により社会保険料を補った場合には、社会保険料の企業負担が軽減されることにより、国民負担率は増加します。消費税を5%から17%に上げた場合のラフな計算を示すと、(本当にラフな算数ですが)

税負担       23%→35% (消費税増税がそのまま加算されるとして)
社会保険料負担 16%→8% (社会保険料が半分に、ただし労使折半は継続)
想定国民負担率 43% (+4%) 

この+4%の想定負担増は、企業負担▲4%とバランスします。「税制のフラット化」「社会保険料の税負担化」の名目で、家計から企業への所得移転を行いたい、ということなのでしょう。

さらに、顕在化している負担である国民負担に、将来税金などで負担することが予定されている「国と地方の財政赤字」を加えた額の比率を、潜在的国民負担率と呼びますが、約48%と、確実に上昇してきています。今後は50%を超えて来ることが確実でしょう。「五公五民」の世界が、またやってくるのです。

そもそも、「使ってしまった将来の税金」である「財政赤字」相当のマネーは、どこに行ってしまったのでしょうね??私たち国民の未来の幸せや豊かさのために投資されたと言えるのでしょうか??「乗数効果がある」として地方の穴を掘って埋めたり、天下りの退職金として大盤振る舞いされたり、そんなこんなで「使っちゃったので、もうありません。換金も出来ません。」となっているのではないでしょうか。

「お前たちには、一人頭1万2千円を与えるから、ガタガタ文句を言うな。でも、その事務経費800億円は、お前たちの税金で負担してもらいます。」といったニュアンスもある定額給付金の空しさを見るにつけ、「ああ、私たちの大事なお金は、最後はお上に召し上げられるのだな」という予感が現実味を増していくのです。(2/13追記終了)

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(最高税率)2008年時点
デンマーク 59%
スウェーデン 55%
オランダ 52%
日本 50%
・・・
フランス40%

(国民負担率)国民が所得から税と社会保険料をどれだけ支払っているか

2009年度 38.9%
 (税負担)23.0%(▲0.7)
 (社会保障負担)15.9%(+0.2)
2008年度 39.4%
2007年度 40.0%

参考:主要先進国の負担率(06年)
・スウェーデン 66.2%
・米国は34.7%

(潜在的国民負担率)国民所得に占める税金と社会保障費に国と地方の財政赤字を加えた額の比率

2009年度 47・7%(+1・0)(見込み)
 (国民負担率)38.9%
 (財政赤字の国民所得比)8・8%
・・・
1999年度 48・9%
2002年度 47・9%


(引用開始)

新規国債 11年度40兆6000億円
2009/2/3

 財務省は2日、2009年度予算案を基に今後4年間の財政状況をまとめた「後年度歳出・歳入への影響試算」を衆院予算委員会に提出した。試算では、11年度の新規国債発行額が過去最大の40兆6000億円に達するとし、高齢化で社会保障費負担が拡大する国家財政の借金依存度がさらに高まる懸念が示された。
 歳出は、社会保障費の拡大などで09年度予算案の88兆5000億円に対し、11年度に93兆円、12年度には95兆4000億円に膨らむと試算した。一方、消費税率を引き上げなかった場合、税収は11年度が47兆7000億円で、12年度は49兆1000億円になる。その結果、歳入不足を賄うために発行する国債発行額は11年度に40兆6000億円、12年度には41兆6000億円に達するという。試算は内閣府が作成した経済財政の中長期方針を前提にし、名目経済成長率を10年度1.1%、11年度2.1%、12年度2.2%としている。

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新規国債、12年度に42兆円=増税なしの場合-財務省が試算

 財務省は2日、2009年度予算案に盛り込んだ施策を前提にした12年度までの歳出・歳入の試算を公表した。それによると、高齢化に伴う社会保障費の伸びにより、基礎年金の国庫負担割合引き上げの財源を消費増税などの安定財源で確保できなかった場合、財政赤字の穴埋めで国債の新規発行額は同年度に過去最大の41.6兆円に拡大。厳しい財政状況が改めて示された。
 試算は10年に世界経済が順調に回復することを前提に、09年度予算案の制度・施策に基づき機械的に推計。歳出削減を行わない場合、社会保障関係費が毎年9000億円増え続け、一般会計の総額は09年度の88.5兆円から12年度には95.4兆円に拡大する。(2009/02/02-21:50)

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2012年度の新規国債発行が40兆円前後に拡大=財務省試算 
2009年2月2日

 [東京 2日 ロイター] 財務省が2日に発表した「2009年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」によると、世界・日本経済が現在の混乱克服後に順調な回復をたどっても、社会保障費や国債費などの増大を背景に、2012年度の新規国債発行額は40兆円前後に拡大する見通しだ。
 後年度試算は、政府が閣議決定した経済見通しや「経済財政の中長期方針と10年展望」の標準シナリオである「2010年に日本・世界経済が順調に回復する場合」の成長率(実質1%台半ば、名目2%台前半)などを前提に、09年度予算における制度・施策などを踏まえて2012年度までの歳入・歳出状況をはじき出した。
 それによると、中期的には経済成長で税収が増えるものの、高齢化進展に伴う社会保障費増に加え、国債残高増や金利上昇で国債費が増加することから、新規国債発行額は09年度予算の33.3兆円から11年度に38.1兆円、12年度に39兆円に拡大する見通し。
 政府は09年度予算において、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるため、財政投融資特別会計の準備金を取り崩して対応しており、10年度も同様の措置を行う方針。ただ、11年度以降の対応は決まっておらず、消費税の引き上げなど税収増で賄えずに赤字国債を発行する場合、新規国債発行額は11年度に40.6兆円、12年度に41.6兆円とさらに膨らむことになる。

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消費増税なくても基礎年金の国庫負担2分の1維持 政府
2009年1月24日15時3分

 基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるための国民年金法などの改正案に関し、政府は2011年度に消費増税を含む税制の抜本改革が実施できない場合でも「臨時の法制上の措置」で2分の1を維持するとした条文を盛り込むことを決めた。税制改革法案の取りまとめ過程で消費税増税の実施時期が不透明となる一方で、国による基礎年金への財源投入を法律で義務づけ、公的年金の持続性を高めることを打ち出した。
 来週中の閣議決定、国会提出を目指す。
 基礎年金は国民年金や厚生年金に共通する1階部分で、現在は3分の1強が国庫負担。2分の1に引き上げるには、年2.3兆円の財源が必要だ。09年度と10年度は、「埋蔵金」である財政投融資特別会計の金利変動準備金を流用する。
 さらに改正案は、11年度に税制改革が実施できなかった場合、毎年「臨時の法制上及び財政上の措置を講ずる」ことで、2分の1維持を明文化。遠くない時期の消費増税を視野に短期で償還する「つなぎ国債」の発行や、特別会計の剰余金の流用などが、11年度以降のさらなる「つなぎ」措置として想定されている。
 ただ、こうした「つなぎ」による財源調達が続く限り、財源の安定性には課題が残ることになる。
 このほか、付則では、年金、医療、介護や少子化対策を機能強化する重要性を指摘。基礎年金の最低保障機能強化を検討することも盛り込まれた。これに関連し、2分の1への引き上げの実現で、低所得で保険料支払いを全額免除された人が受け取れる年金額は、月2万2千円から3万3千円(08年度水準)になる。(友野賀世)


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消費増税なくても基礎年金の国庫負担2分の1維持 政府
2009年1月24日15時3分

 基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるための国民年金法などの改正案に関し、政府は2011年度に消費増税を含む税制の抜本改革が実施できない場合でも「臨時の法制上の措置」で2分の1を維持するとした条文を盛り込むことを決めた。税制改革法案の取りまとめ過程で消費税増税の実施時期が不透明となる一方で、国による基礎年金への財源投入を法律で義務づけ、公的年金の持続性を高めることを打ち出した。
 来週中の閣議決定、国会提出を目指す。
 基礎年金は国民年金や厚生年金に共通する1階部分で、現在は3分の1強が国庫負担。2分の1に引き上げるには、年2.3兆円の財源が必要だ。09年度と10年度は、「埋蔵金」である財政投融資特別会計の金利変動準備金を流用する。
 さらに改正案は、11年度に税制改革が実施できなかった場合、毎年「臨時の法制上及び財政上の措置を講ずる」ことで、2分の1維持を明文化。遠くない時期の消費増税を視野に短期で償還する「つなぎ国債」の発行や、特別会計の剰余金の流用などが、11年度以降のさらなる「つなぎ」措置として想定されている。
 ただ、こうした「つなぎ」による財源調達が続く限り、財源の安定性には課題が残ることになる。
 このほか、付則では、年金、医療、介護や少子化対策を機能強化する重要性を指摘。基礎年金の最低保障機能強化を検討することも盛り込まれた。これに関連し、2分の1への引き上げの実現で、低所得で保険料支払いを全額免除された人が受け取れる年金額は、月2万2千円から3万3千円(08年度水準)になる。(友野賀世)

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日本の最高税率、世界4位の高さ 民間調査

 日本の個人にかかる所得税などの最高税率が、世界各国の中で4番目に高い水準にあることが民間の調査でわかった。日本の所得税・住民税を合わせた最高税率は50%で、高福祉・高負担といわれるデンマーク、スウェーデンなどに次ぐ。政府は昨年末に消費税、所得税など税制の改革の道筋を示す「中期プログラム」を策定したが、税率に見合う社会保障などの充実を求める声も高まりそうだ。
 調査は大手会計事務所のKPMGインターナショナル(スイス)が世界87カ国を対象に実施した。2008年時点で日本より最高税率が高いのはデンマーク(59%)、スウェーデン(55%)、オランダ(52%)。そのほかの先進国もフランス(40%)など高い国が目立った。(08:32)

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財政赤字拡大で潜在的な国民負担増
2009.1.30 23:28

 財務省は30日、国民所得に占める税金と社会保障費に国と地方の財政赤字を加えた額の比率を示す「潜在的国民負担率」が平成21年度に過去3番目の水準となる47・7%に達する見込みと発表した。21年度の財政赤字の国民所得比は8・8%。景気悪化に伴う大幅な税収減によって将来世代の負担である財政赤字が膨らみ潜在的国民負担率は前年度から1・0ポイント増加。11年度の48・9%、14年度の47・9%に次ぐ水準となった。

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税、社会保険の負担率38・9%に
2009/1/31

 財務省は30日、国民が所得から税と社会保険料をどれだけ支払っているかを示す国民負担率が、2009年度は38.9%になるとの見通しを発表した。所得減を上回るペースで租税負担が減るため、ピークだった07年度(40.0%)から2年続けて低下する。社会保障負担は高齢化に伴って過去最高を更新する見通しだ。08年度の国民負担率も1年前の見通しを下回り39.4%になる。
 09年度の税負担は前年度から0.7ポイント低下し23.0%。景気悪化で所得税や消費税、法人税収などが軒並み落ち、国民所得に占める税負担割合も下がる。04年の年金制度改正で公的年金の保険料が段階的に引き上げられ、社会保障負担も15.9%と0.2ポイント上がる。財政赤字も加えた「潜在的な国民負担率」は47.7%に上昇した。
 主要先進国の負担率(06年)はスウェーデン(66.2%)など欧州勢が高く、米国は34.7%と低い。

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定額給付金「効果」あるの? 膨大な関連経費…国民負担ズシリ
2009.1.26 20:55

 成立が確実となった平成20年度第2次補正予算の目玉である総額2兆円規模の定額給付金。国民への給付とは別に、給付事業の実施に825億円もの経費がかかる。うち給付金の振込手数料は約150億円に上り、自治体職員の残業代や給付申請書類の郵送代も発生する。標準世帯モデル(65歳未満夫婦、18歳以下子2人)で6万4000円もの“臨時収入”となる給付金だが、これには膨大な関連経費が国民負担としてのしかかるうえ、事務手続きも煩雑で、費用対効果を疑問視する声は依然、根強い。

 ■国債費年800億円増
 政府は給付金の事務費として825億1300万円を計上しており、国の予算でその全額が賄われる。
 給付金の支給方法は、金融機関への振り込みが原則。市区町村の指定金融機関を通じて、それぞれの世帯主の口座に振り込まれる予定だ。具体的に手数料をいくらにするかは、各自治体と指定金融機関の交渉で決まることになるが、政府は約150億円の費用が生じると見込んでいる。
 さらに、給付手続きに伴う各自治体職員の残業代などの人件費約233億円を国庫で負担するほか、給付申請書類の郵送費にも約270億円がかかる見通し。総務省が自治体に示した要綱案には、広告料、印刷製本費なども国が負担する対象経費に含まれている。
 今回の定額給付金など2次補正予算の経済対策にかかる2・6兆円分は、財政投融資特別会計の剰余金、いわゆる「埋蔵金」を活用する。本来は国債償還に充てる予定だった剰余金だ。今回の施策のため、国債費(利子・償還費用)は、毎年約800億円も膨らむ計算だ。

 ■準備作業は進まず
 総務省は給付金支給の基準日となる2月1日を過ぎた後でも、ホームレスや「ネットカフェ難民」であっても、一定の居住の実態があれば、支給することを検討している。
 ただ、「同じネットカフェに1~2カ月程度滞在している実績がないと難しい」(総務省幹部)のが実情で、住民基本台帳から削除され、居所を転々とする人は「捕捉(ほそく)しようがない」(同)のが実態だ。
 総務省はまた、当初、第2次補正予算が成立した直後に事業の実施要綱を策定し、正式に自治体側に準備の「ゴーサイン」を出すはずだった。だが、同省の滝野欣弥事務次官は26日の記者会見で「できるだけ速やかに策定したい」と述べるにとどまり、具体的な時期には言及しなかった。
 総務省としては、年度内の給付開始に向けて準備作業を進めたいとの思いが強いが、財源の裏付けとなる関連法案が成立する前に支出が発生することを懸念する財務省との調整がついていない。
 総務省としては約825億円の関連事務費だけでも前倒しで支出し、準備を進めたい立場だが、財務省は財源的裏付けのない支出には依然慎重な姿勢を崩していない。

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政府紙幣の発行、慎重な検討必要=杉本財務次官
2009年2月2日

 [東京 2日 ロイター] 財務省の杉本和行次官は2日午後の定例会見で、自民党などの一部から政府紙幣を発行して景気対策に活用する案が出ていることについて、日銀による国債引き受けを禁止している財政法などの観点から慎重な検討が必要と語った。
 杉本次官は、景気対策として政府紙幣の発行する考え方としては、1)政府紙幣を発行して資産として日銀に保有させる、2)市中で日銀券と並行して政府紙幣を流通させる──などがあると指摘。
 その上で、政府紙幣を日銀が資産として保有する場合には「経済的には無利子・無期限の国債を日銀に引き受けしてもらうことと同義だ。これは戦前のインフレなど各種の反省から国債の日銀引き受けを禁止している財政法5条との関係がある」と否定的な見解を示した。
 政府紙幣を流通させる場合でも「政府に還流した場合は、それに対する財源を確保しなければならない。いずれにしても財源の確保が必要になる点に留意する必要がある」と述べ、「政府紙幣というのは世界的にもなかなかない制度。財政規律の関係もあり、慎重な検討が必要だ。どこかから要請があり、具体的に検討しているということはない」と語った。
 杉本次官によると、政府紙幣の発行にあたっては財政法の観点以外に、貨幣法の改正が必要になるほか、製造など技術的な問題も多いという。
 (ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫記者)

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2025年度、消費税17%提言…経団連が社保制度改革案

 日本経団連が近くまとめる社会保障制度改革に関する報告書の最終案が4日、明らかになった。
 2025年度をめどに、基礎年金をすべて消費税など税金でまかなう「全額税方式」に完全移行し、高齢者医療や介護保険制度でも公費の投入割合を増やすべきだと提言している。
 追加的に必要な財源は消費税率換算で12%程度と試算しており、すべて消費税でまかなう場合、税率を17%に上げる必要がある。
 現在、基礎年金の公費負担(税金)の割合は3分の1で、09年度から2分の1に引き上げられる。
 報告書は、第1段階として、15年度までに公費負担割合を3分の2に上げ、消費税率換算で最低5%分の財源確保が必要だと試算した。すべて消費税でまかなうと、税率は現行の5%から10%に上がる計算だ。
 さらに、25年度までの第2段階で、全額を公費負担とすると、最終的な消費税率は17%になるという。
(2009年2月5日03時09分 読売新聞)

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-13 09:46 | 経済状況

アメリカドルのレパトリ(本国還流)はいつまで続くのか アメリカと中国の出来レースと振り込め詐欺

レパトリ(レパトリエーション)は、リパトリ(リパトリエーション)とも呼びます。一般的には、資金・資本が自国に還流することを指します。狭義では、期末・年度末の決算にあわせて、他国の市場に投資していた資金や、他国で上げた利益を本国に呼び戻すことを指します。

日本では、3月などの決算月に、外貨建て資産を円に交換して日本に呼び戻す影響で、円高になりやすいと言われています。また、今回のドル高(対円を除く)では、アメリカドルが投資されていた国ほど、リスク回避によるドルのレパトリにより、通貨が下落していると指摘されています。

もともと、米ドルは世界経済の機軸通貨として、アメリカ国内に必要な分を大幅に超える量が刷られていました。それがヨーロッパに滞留し、『ユーロダラー』と呼ばれていたことは、過去の記事でも指摘しましたので、ご存知の方も多いと思います。最近では、ドルのM3は公表されていませんので、「ドルがどれだけ流通しているのか」を知ることは難しくなっています。

(ユーロダラーについては、過去の記事「来るべき暗黒の日(2) 世界株安と円高再び フレディーマック・ファニーメイ・RMBSとナイトの不確実性」「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」も参照ください。)

このブログでは、
・アメリカは、若くて優秀な労働力に恵まれており、潜在成長率が高い
・しかし、対外債務国であり、継続的な資本のファイナンスが必要
・ファイナンスが困難になった時点で、自国借金の棒引き・帳消しを迫る可能性もある
・特に、10年に一度は戦争をして景気浮揚をするような体質であり、注意が必要
と指摘してきました。

さて、ロイターは、「永遠には続かぬ米資本の本国回帰、ガイトナー発言で市場に緊張」(01/28)として、

・米国資本(米企業、ファンド等)のリパトリは、昨年前半から本格化している
・つまり、米国人が在外資産を取り崩して、資本を本国回帰させている
・大幅なリパトリを進めざるを得なかったのは、海外の民間資本が米国から撤退したため、米経常収支赤字を決済するための資金が不足したため
・しかし、対外純債務国である米国のリパトリはいずれ一巡する
・その後は、リスクに敏感な民間資本の対米流入が継続できるかどうか、不透明
・日本などの対米債権国が、保有するアメリカ国債(米債)を売れば、債券価格が下落するため、大量に売却できないというジレンマがある
・しかし、中国はアメリカ国債を交渉カードにしているなど、ずっと米国債を持ち続ける保証はない
・米国のリパトリが一巡し、公的・民間資本の対米流入によって、米経常収支赤字をファイナンスできなければ、為替・金利・インフレによる、ドルの価値下落がありうる

と指摘しています。このブログで以前から指摘していたこととほぼ同じ内容なので、さもありなん、という記事となっています。

私はさらに踏み込んで、「中国とアメリカは、アメリカ国債の扱いや為替レートの調整に関して、すでに何らかの合意がなされている。中国とアメリカのコメントは、出来レースだ。最後には日本の資金が使い込まれる、壮大な振り込め詐欺だ。」と指摘します。

米国人が保有する対外資産(デリバティブを除く)
2008 2Q ▲1026.98億ドル
2008 3Q ▲ 95.05億ドル
2008 4Q ?

日本の統計による、米投資家(居住地ベース)の、本邦証券(株式及び債券)の、買い越し・売りこし(▲は売り越し)
(2005~2007年)+9.6兆円
(2008年1~11月)▲2兆1108億円

資本の流出入(▲は流出)(2008 2Q)
海外公的資本 +1400億ドル
民間資本 ▲1200億ドル

米国債保有残高(2008年11月末)
1位 中国 6819億ドル
2位 日本 5771億ドル

米国の貿易収支(▲は赤字)
2008年10月 ▲567億ドル
2008年11月 ▲404億ドル


(引用開始)

永遠には続かぬ米資本の本国回帰、ガイトナー発言で市場に緊張

[東京 28日 ロイター]
米金融危機でもドルが相対的な強さを保っている背景には、米国資本が在外資産を取り崩し、資金を本国回帰(リパトリエーション)させている現象がある。
この動きは為替市場で外貨売り/ドル買いをとなり、ドルの支援材料だ。しかし、対外純債務国である米国のリパトリはいずれ一巡することが予想され、その後は、円滑な対外借り入れの継続が米国にとって死活問題となる。
他方、ガイトナー新米財務長官は対米債権国である中国の通貨政策を名指しで批判、既に不安定化している外国資本の対米流入をいっそう冷え込ませるリスクを冒しているようだ。

 <リパトリの痕跡>
米国資本(米企業、ファンド等)のリパトリは、昨年前半から本格化している。
国際収支統計によれば、米国人が保有する対外資産(デリバティブを除く)は、2008年第2・四半期に1026億9800万ドル(約9兆円)減少し、第3・四半期にも95億0500万ドル減少した。対外資産の減少は、米国人が在外資産を取り崩して、資本を本国回帰させた証しだ。
1960年の統計開始以来、米国の対外資産が四半期ベースで減少したのは10期のみで、2期連続で減少したのは昨年が初めて。第2・四半期の減少幅は過去最大となった。
日本の統計では、米投資家(居住地ベース)が2008年1―11月に本邦証券(株式及び債券)を2兆1108億円売り越したことがわかる。米投資家の対日証券投資は一昨年まで活発で、2007年までの3年間に約9.6兆円買い越している。
米国人が特に昨年第2・四半期に大幅なリパトリを進めざるを得なかったのは、海外の民間資本が米国から撤退したためだ。
同期に、海外の公的資本は1400億ドル超流入したが、民間資本は1200億ドル以上の規模で米国から流出した。このため米経常収支赤字を決済するための資金が不足し、米国人が資本を本国回帰させたという構図だ。

 <ガイトナー発言の真意>
リスクに敏感な民間資本の対米流入が今後一段と不安定になることが予想される中、米財務長官に指名されたティモシー・ガイトナー氏は、日本と並んで世界最大級の対米債権国である中国の為替政策を批判した。
ガイトナー氏は22日、強いドルは米国の利益、との見解を明らかすると共に、中国が為替を操作しているとオバマ大統領は確信している、と述べた。
「広範にわたるエコノミストの見解に基づき、オバマ大統領は中国が為替を操作していると確信している。大統領は中国の為替制度改革を求め、利用可能なあらゆる外交手段を積極的に講じる姿勢を示している」とガイトナー氏は述べた。
この発言について、東海東京証券のチーフエコノミスト・斎藤満氏は「ドル安の進行は海外資本の円滑な流入を阻害するので、債権者にも配慮し『ドル高は国益』という看板を一応は掲げている」ものの、「2兆ドル規模に拡大する見込みの連邦政府の借金の負担を軽くする為に、米国にはインフレ待望論があり、このためにドル切り下げが必要との認識が根底にはある」と分析する。
一方、中国人民銀行(中央銀行)の蘇寧・副総裁は24日、このガイトナー氏発言について、誤解を招く発言だとし「発言は事実に反するだけでなく、金融危機の原因の分析を誤った方向に導く」と反論した。
中国の反論を受け、米国サイドは一転防戦に回った。
ギブズ米大統領報道官は26日、ガイトナー発言について、オバマ大統領が選挙期間中に示した見解を繰り返したのであって、正式な結論ではないとした。
ガイトナー発言を受け、米国が4月に発表する為替報告で、中国を為替操作国に正式認定するのではとの見方が高まっているものの、ギブズ報道官は、オバマ政権がそうするかは依然、議論の余地があることを示唆した。
中国の米国債保有残高は2008年11月末時点で6819億ドルと世界最大で、2位は日本の5771億ドルとなっている。
主な対米債権国が、保有米債を売れば、債券価格が下落し、自らのポートフォリオが傷むため、債権国は自縄自縛に陥り、大量に売却できないという思惑も市場にはある。
しかし、「中国が日本のように漫然と米国債を持ち続けるという思い込みが、全く的外れなことは追々証明されるだろう」(ファンド・マネージャー)との声も聞かれる。
米国のリパトリが一巡し、公的及び民間資本の対米流入が、米経常収支赤字の決済に十分な額に達していなければ、ドルが下落するだけでなく、米国は厳しい国内調整を強いられる。
米国の貿易赤字は昨年10月に567億ドルだったが、11月には404億ドルと急減し、調整の足音が聞こえてくる。

 (ロイター日本語ニュース 森 佳子)

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-09 10:28 | 経済状況

かげろう景気 景気拡大で経済犯罪 景気後退で暴露 信用創造サイクルと経済犯罪サイクル

今回の景気回復局面(そんな実感はありませんでしたが)は、「かげろう景気」なんだそうです。実感にとって実感のない側面を捉えた、ナイスネーミング(?)だと思います。

(引用開始)

「かげろう景気」与謝野経財相が命名、最長でも実感乏しく

与謝野経済財政相は30日の閣議後の記者会見で、戦後最長となった今回の景気回復局面について、「『ダラダラ陽炎(かげろう)景気』とでも言うんでしょうか」と、独自の命名を披露した。
陽炎は、あるかないか、はっきりと分からないものの例えに使われる。経財相自身は「命名」の根拠を明言しなかったが、景気回復実感の乏しさをなぞらえたとみられる。
07年10月まで5年9か月にわたった回復局面は、期間では高度成長期の「いざなぎ景気(65年11月~70年7月)」を上回ったものの、実質成長率は年平均で2%程度にとどまった。賃金上昇率はほぼ横ばいで低空飛行が続いた。

(2009年1月30日18時57分 読売新聞

(引用終了)

これまでも、過去の記事「実感なき景気回復 個人所得伸び率はマイナス さらなる人件費カットがありうる」(2006/11)などで述べていますように、

「個人消費は落ち込み続けています。個人消費落ち込みの原因は、所得(賃金)の伸び悩み・・・なのです。そして、ここからさらなる人件費カットがありうると予測します。・・・たとえば、正社員を減らして、派遣としたり、出向させたりすることで、年金保険料を含む社会保険料を簡単に減らすことが出来る。・・・まもなく、働いても働いても、豊かになれない・・・時代が来ると、予測しています。冷酷なようですが、それを避けることは出来ません。」

と述べた内容が、すさまじい勢いで現実になってきているのです。

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さて、これまで私が思っていたことのひとつに、

『景気拡大局面には、余剰利益や超過利潤が生まれやすい。それに伴い、使途不明金(=各種献上金)・利益供与・取り込み・使い込み・贈収賄・その他経済犯罪が生まれやすい。プラスのサイクルが回っているうちは、表に出てくることも少なく、各種利権団体の圧力によって握りつぶされることもあるだろう。
しかし、景気後退局面には、「カネの切れ目が縁の切れ目」ということで、それらの政治的・経済的な影響力が弱くなると同時に、それら経済犯罪の証拠がリークされ表に出てくることになる。』

ということがあります。その例は、快挙に暇が無いと思います。たとえば、

「特捜検察vs.金融権力/村山治」
「徴税権力―国税庁の研究/落合博実」

などを参照ください。

「かんぽ(簡保)の宿」の疑惑も、そのひとつかと思いましたが、政権を巻き込んだ疑惑だとすれば、その分根が深いのかもしれません。

(引用開始)

日本郵政の「かんぽの宿」を、オリックスの系列会社であるオリックス不動産に一括譲渡する、という新聞報道を見て私は直ぐに何か裏があるのでは、と疑惑を感じた。 オリックスと言えば、直ぐに宮内会長が浮かんでくる。小泉政権時代に規制改革にリーダー的役割を果たした。小泉さんの「民間で出来ることは民間で」というスローガンの元で民営化を進めたが、その過程で他社に先駆け、民営化の話題に上がった事業をオリックスの事業拡大に活用した、という疑惑がもたれていたのだ。

国民共同の財産である「かんぽの宿」を、小泉「改革」や郵政民営化を進めてきた宮内氏を会長とするオリックスに格安で一括譲渡しようとしていることにみられるように、「改革」や郵政民営化にまつわる利権問題・疑惑も発生した。

売却先が、投資ファンドや他の不動産会社であれば、何の問題もなかった。規制緩和の旗振り役を務め、「平成の政商」と呼ばれた宮内氏が会長しているオリックスだから問題になった。オリックスへの「かんぽの宿」の譲渡が報道されると、インターネット上には、「宮内氏の利権漁り」を糾弾する書き込みが相次いだ。

底なし沼の「かんぽの宿」疑惑。1万円の物件が6000万円に化ける、というフザケタ転売が明らかになったが、郵政がらみの怪しい施設はもう1件あった。鹿児島県指宿市の「指宿簡易保険保養センター」。日本郵政公社が2007年に全国178施設を一括売却した際、評価額1万円で売られた物件だが、調べてみると、昨年10月にリゾート風の和風温泉旅館に生まれ変わっていた。こちらもやはり転売。仲介に入った不動産業者が丸儲けしたのは間違いない。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-04 00:55 | 経済状況

日本とアメリカ 産業構造と潜在成長力 弱い潜在成長率とマイナス実質経済成長率予測

最近のコメント欄から、いくつか話題を載せたいと思います。

(1)日本の産業構造と潜在成長力

最近のニュースによると、日本の潜在成長力が、徐々に下がってきているということです。そもそも、実質経済成長率はマイナス予測ですが、紙幣をばら撒いて潜在需要を喚起しても、「力強い成長」には程遠い、といったところでしょう。

(潜在成長率)
07年度 1.6%
08年度 1.2% (民間予測)
09年度 0.9% (民間予測)

(実質経済成長率)
08年度 -1.8% (日銀金融政策決定会合
09年度 -2.0% (同上)

潜在成長力とは?
普通、生産設備などの資本には余剰・遊休があり、労働力にはリストラやミスマッチによる失業分があります。今現在の経済で、こういった資本の余剰や失業がなく、フル活用されたと仮定した場合に、そのGDPを「潜在GDP」、インフレ率の変化なしに達成できる実質成長率を「潜在成長率」と呼びます。
実際の実質成長率=潜在成長率+GDPギャップ
「実質」とあるのは、貨幣換算のGDPの増大(減少)を、価格上昇(下落)分と生産増大(減少)分に切り分けて、生産増大(減少)分のみを抽出した、という意味です。


産業のシフトは、言うほどには進まないというのも事実と思います。それをゾンビ企業の退場と、雇用市場の流動化によって進めようとしたのが、いわゆる小泉改革だと思いますが、結果から見ると、失敗でしょう。(コストカットのための非正規雇用、中高年フリーターの増加を招いただけで、日本の産業構造を高めることにはなりませんでした)。ITのような高度の技術を要する産業に人をシフトさせるのは容易ではないのでしょう。

(2)日本とアメリカの債権債務関係の行く末と経済成長

日本とアメリカの債権債務関係の行く末については、繰り返しになりますので、「日本はアメリカ国債の放棄を 債券のデフォルトか紙クズか 戦争の足音」を参照ください。

経済成長には、制約条件があります。そのうち主要なものは、昔も今も、「(天然)資源」と「労働力」ですし、それに「環境」を加えても良いでしょう。石油資源が(値段はともかくとして)量的な制約を受けることは事実ですので、もはや「ムダ使い」は許容できないという見方をしています。

労働力で言うと、アメリカは若くて優秀な人材が育つ・集まってくる潜在成長率の高い国ですので、ムダをそぎ落として筋肉質に生まれ変わることが出来れば、復活もありうることと思います。

関連したコメントを転載します。

(転載開始)

(1)景気は急速に悪化 下半期は貿易赤字 中小企業は壊滅的

Commented by surnivers at 2009-01-24 12:11 x
凄い落ち込み方ですよね。
正直言って驚きました。
ここまで急激に落ちるものなのかな?と疑いましたが、しかし事実のようです。
こうなって来ると、日本の場合は負のスパイラルが始まってしまいますね。
どこかで区切りをつけないと行けません。
ワシはその為に産業のシフトをするべきだと思いますが、今の政府には第三次、第四次産業の重大さが分っていないようです。
日本が一番強いのは正にここですのにね。
困ったものですね。

Commented by kanconsulting at 2009-01-26 09:09 x
surniversさん
コメントありがとうございます。確かに、これまでは「対岸の火事」という受け止めが多かったと思いますが、ようやく来るべきものがきた、という感じですね。好景気(?)からの、いきなりの世界不況ですから、悪い夢を見ているような気もしますが、これまでの好況が夢だったのかも知れません。そして、負のスパイラルが始まるというのも、ほぼ事実でしょう。
産業のシフトは、言うほどには進まないというのも事実と思います。それをゾンビ企業の退場と、雇用市場の流動化によって進めようとしたのが、いわゆる小泉改革だと思いますが、結果から見ると、失敗でしょう。(コストカットのための非正規雇用、中高年フリーターの増加を招いただけで、日本の産業構造を高めることにはなりませんでした)。ITや環境のような高度の技術を要する産業に人をシフトさせるのは容易ではなく、アメリカのような「若くて優秀な人材が育つ・集まってくる」潜在成長率の高い国でないとムリ、ということと理解しています。

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(2)日本はアメリカ国債の放棄を 債券のデフォルトか紙クズか 戦争の足音

Commented by buu at 2009-01-19 23:50 x
ドルのような紙切れや帳簿の数字がどうなろうと、どうでもいいことです。
債権放棄するのはとても賢い判断です。ドルを積み上げるために努力したおかげで日本の生活・技術・教育水準は大きく向上しました。
アメリカ人が放蕩の限りを尽くしたからこそ、日本の今があります。
日本人が国債を買ってアメリカを支え続けたからこそ、アメリカ人は研究・開発に専念し、インターネットなんかを使ってこういう風に意見を世界に発信できるようになりました。

お金とは誰かの負債なのだから、放蕩の限りを尽くしたアメリカ人と、勤勉に貯蓄していた(言い方を変えればけちな)日本人は共犯です。どちらかが破滅すればもう片方も破滅するのは仕方ないと思います。
うまくいかなくなれば、リセットして同じゲームを繰り返せばいいじゃないですか。 いくら浪費しようと、貯蓄しようと、所詮は紙切れにすぎません。チャラにすればよいのです。

Commented by kanconsulting at 2009-01-20 22:23 x
buuさん
コメントありがとうございます。アメリカ(人)が無駄遣いをすることを日本(人)が支えたこと、その両者が一蓮托生であることは、それはこのブログでも何度も述べていることです。ですが、結論は、私とは異なるようですね。

債権と債務は表裏一体です。ですが、共犯(共同犯罪)とまでは言えないでしょう。それではまるで信用創造そのものが犯罪行為であるということと同じです。国家間のマネーフローは、必ずしも単年度でバランスしないので、持続可能な範囲でストックとして積み上げられることは、別に悪いことではありません。

ですが、無駄遣いの存在を許せるほど、もはや資源に余裕はありません。「同じゲームは繰り返せない」のです。

(転載終了)
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by kanconsulting | 2009-01-28 09:30 | 経済状況

景気は急速に悪化 下半期は貿易赤字 中小企業は壊滅的

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図はフジサンケイビジネスアイより
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図は毎日新聞より

1月の月例経済報告で、初の「(景気が)急速に悪化」という表現が出ました。「世界経済も日本経済も数カ月で好転することはありえない」とのコメントですが、ようやく、認識が現状に追いついた、という感じでしょう。

貿易黒字が、急速に減少しています。下半期だけで見ると、貿易赤字です。記事にもありますが、波及効果の大きい自動車製造業から、製造業全体に影響が及び、ついで非製造業に、負の連鎖が広がっていくのでしょう。
ということは、今年は、日本が貿易赤字に転落する、ターニングポイントなのでしょう。これまでも述べましたが、世界の中での日本をめぐるマネーフローが、大きな転換を迎えるのだと思います。

当然の流れですが、中小企業は壊滅的なダメージです。12月の中小企業景況DI(「好転」から「悪化」を引いた値)が、「マイナス79」となり、過去最低を更新しました。
中小企業景況DI -79.0 前月比▲1.8
 製造業 -79.6 前月比▲2.5
 非製造業 -75.5

為替の動きも、暴力的です。ますます混乱を深める世界経済。私たちはなすがままに漂流するしかないのでしょうか?引き続き考えたいと思います。

(引用開始)

景気、初の「急速に悪化」 1月の月例経済報告

政府は20日、1月の月例経済報告で景気の基調判断を「急速に悪化している」とし、前月の「悪化している」から下方修正した。生産と輸出が過去最大の落ち込みを記録するなど、加速度的に悪化している景気の現状を反映。1975年以降で初めて「急速」という表現を使った。個人消費についても7年ぶりに「弱含み」と判断し、景気後退の影響が企業から家計に及ぶ現状に懸念を示した。
与謝野馨経済財政担当相は関係閣僚会議後に記者会見し、「あらゆる指標は悪い方向に向いている。世界経済も日本経済も数カ月で好転することはありえない」と景気の足取りについて厳しい見方を表明。異例の速さで悪化する企業と、弱まる家計の動きへの警戒感とともに、年明け以降の落ち込みに懸念を示した。

(引用終了)

貿易関連のニュースです。

(引用開始)

http://www.asahi.com/business/update/0122/TKY200901220070.html

08年貿易黒字、8割減の2兆円 82年来の低水準
2009年1月22日10時28分

財務省が22日発表した08年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字は、前年比80%減の2兆1575億円にとどまり、82年以来の低水準だった。年央まで原油高で輸入額がふくらみ、世界同時不況に入った年後半は輸出が急減した。
輸出は同3.4%減の81兆492億円、輸入は同7.9%増の78兆8917億円。年の前半の資源高を受け、輸入額は過去最大、輸出額も過去2番目の水準。だが、年の後半にかけて輸出の減速が鮮明になり、下半期(7~12月)では7772億円の貿易赤字になった。半期での赤字は80年上半期以来。
08年12月の輸出は、前年同月比35%減の4兆8333億円だった。過去最大の下げ幅で、米国、欧州、アジア向けの減少率が、いずれも35%を超えた。ロシアや中東向けも下落幅が拡大した。
特に自動車の落ち込みが激しく、米国向けが同52.6%減、欧州連合(EU)向けが63.4%減。アジア向けを中心に、半導体などの電子部品も42.9%減るなど、国内メーカーの業績不振を裏付けた。
輸入も同21.5%減の5兆1539億円にとどまった。原油価格の急落で、原油が51.9%も減ったほか、プラチナやアルミニウムなど、自動車生産に使われる非鉄金属も47.1%減った。



12月貿易統計は3カ月連続赤字、過去最大の輸出減=財務省
2009年 01月 22日 11:22 JST

[東京 22日 ロイター] 
財務省が22日に発表した2008年12月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は3207億円の赤字となった。赤字は3カ月連続。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は2780億円の赤字だった。赤字となったのは、輸出が前年比マイナス35.0%と、輸入の同マイナス21.5%を大きく上回る減少幅となったため。輸出の減少幅は過去最大。

<赤字は、第2次石油ショック以来の長期に>
財務省は今回の数字を受けて「米国の金融危機に端を発した世界的な経済危機を反映している」と指摘した。赤字の3カ月連続は、第2次石油ショックに見舞われた1979年7月─80年8月(14カ月連続)以来の長期となる。
輸出下落に寄与したのは、自動車、半導体等電子部品、自動車の部分品など。輸入押し下げには、原粗油、石油製品、非鉄金属などが寄与した。輸入原油価格は55.1バレル/ドルとなり、前年比マイナス39.2%と大幅に低下した。
輸出は、対米、対EU、対アジアの3主要地域で、1980年以降公表された比較可能な統計で過去最大の減少率を記録した。

<08年黒字額は1982年以来の低水準に>
同時に発表された2008年の黒字額は前年比80.0%減の2兆1575億円となった。輸出がマイナス3.4%と、ITバブル崩壊や米国同時多発テロのあった01年(マイナス5.2%)以来の低下にとなったことが影響した。黒字減少は2年ぶりで、黒字額の水準としては、第2次石油ショックの後遺症がみられた1982年(1兆7762億円)以来の低いものとなった。
また最近の円高の影響について財務省では「わが国の貿易取引では輸出の6割、輸入の8割が外貨建てになっている。従って単純に言えば外貨建て取引の円換算において円高によって輸出入額が縮小する」と指摘した。

<下げ止まりの兆し見られず、負の連鎖広がる懸念も>
今回の数字を受けて民間エコノミストからは慎重な見方が多く聞かれた。農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏は「米サブプライム問題に端を発した金融問題が、世界規模での金融危機につながり、リスクマネーが一気に回収される事態を招いている。順調に拡大していたかに見えた世界経済は、縮小均衡に急速に向かっている状況といえるだろう」と分析、「先行き製造業、特に生産波及効果の大きい自動車製造業から非製造業へ負の連鎖が広がっていく可能性は否定できない」とした。
みずほ総合研究所シニアエコノミストの山本康雄氏は「輸出に下げ止まりの兆しが見られない。1─3月期も11─12月期と同様のペースで減少が続くのではないか。減少幅が縮小するのは4─6月期とみる」との見通しを示した。マネックス証券チーフエコノミストの村上尚己氏は「輸出との連動性が高い12月分の鉱工業生産も、事前の生産計画(前月比8%減)以上の落ち込みとなる可能性がでてきた。12月の輸出入金額の数字を踏まえ、10─12月GDP成長率は年率換算で10%もの記録的な縮小となる見通し」と予想した。
(ロイター日本語ニュース 武田晃子、児玉成夫)

貿易統計:12月輸出額35%減、過去最大の落ち込み

財務省が22日発表した08年12月の貿易統計速報によると、世界的な景気悪化を受けて輸出額は前年同月比35.0%減の4兆8333億円となった。減少率は11月(26.7%減)を大幅に上回り、79年1月の統計開始以降の過去最大を2カ月連続で更新。輸出の落ち込みがさらに加速し、外需頼みの日本経済の苦境が一層鮮明になった。また、08年下半期(7~12月)の貿易収支(輸出額と輸入額の差)は、半期ベースでは80年上半期以来28年半ぶりの赤字に転じた。
輸出の減少は3カ月連続。自動車輸出が対米で半減、対欧も6割減となったことが響いた。地域別では対米が36.9%減、対欧が41.8%減、対アジアも36.4%減となり、すべての主要輸出先に対して過去最大の減少率を記録した。
輸入は原油輸入価格の下落で21.5%減の5兆1539億円と2カ月連続の減少。輸出減が輸入減を上回ったため、貿易収支は3207億円の赤字となった。3カ月連続の貿易赤字は、石油危機の影響を受けた79年7月から80年8月の14カ月連続以来。地域別では対米黒字が半減したほか、対欧、対アジアはそれぞれ7割超、9割超の減少と過去最大の減少率となった。
08年通年では、輸出が3.4%減の81兆492億円と7年ぶりに減少した。輸入は年後半まで原油価格が高止まりしたため、7.9%増の78兆8917億円と過去最高を更新。貿易黒字は過去最大の減少率となる80.0%減となり、黒字額も2兆1575億円と82年以来の低水準だった。半期ベースでは上半期(1~6月)が2兆9347億円の黒字だったが、08年10月以降の輸出急減で、下半期は7772億円の赤字になった。【清水憲司】

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-01-23 23:00 | 経済状況

売れないマンション 貸せない銀行 デフォルト率3% さらに下落する不動産価格

マンションなど不動産購入のためのローン(融資)が通らない、という声をよく聞きます。それは当然だと思います。なぜなら

・銀行の自己資本の毀損、引当金確保のための貸し渋り
・マンションは、販売後に中古品となり大きく処分価値が下がってしまうため、担保価値が低く、加えて不動産価格も下がりつつある中で、大きな与信はできない
・上場企業であっても容易に倒産してしまうため、サラリーマンへの与信には慎重にならざるを得ない

「何もわからない個人に貸し付けまくって、消費を喚起する構造」は、終わったのです。

さて、世界中で、債務不履行が増えています。

ムーディーズによると、「09年末の世界ジャンク債デフォルト率、15.1%に急上昇へ」として、2009年末までの世界のジャンク債のデフォルト率が15.1%となり、前年末時点の4%から急上昇するとのことです。大恐慌時の数値(1933年6月の15.9%)に迫る数値のため、文字通り、現在の経済環境は恐慌レベルなのだと思います。
・欧州ジャンク債デフォルト率 08年末2% 09年末18.3%
・米国ジャンク債デフォルト率 08年末4.4% 09年末15.3%

日本ですと、「債務不履行が最悪3・1% 昨年10月、20カ月連続で上昇」として、金融機関の取引先企業のうち、過去1年間に3カ月以上返済が延滞したり、破綻(はたん)懸念先以下となった件数の割合が3.1%となり、20カ月連続で上昇、過去最高を更新したとのことです。その分、引当金を積む必要がありますので、自己資本が毀損し、「体力のない企業には貸したくない。回収したい。」というインセンティブが働くのでしょう。

自己資本8%(レバレッジ12倍)の銀行で、デフォルト率3%(金額ベースは不明ですが、デフォルト企業には中小企業が多いことを考慮して、仮に0.3%とします)のための引当金(100%)を積むとすると、自己資本を維持するためには、3.6%もの貸し剥がしをする必要があります。これが大企業に及んで、デフォルトが金額ベースで1%になれば、12%もの返済強要となり、とうてい返済できるものではありません。

関東圏、関西圏のマンション完成在庫も、一向に減りません。「今はまだ買いたくないし、そもそも買えない」のでしょう。不動産については、一昨年(2007)の秋にはすでに凋落の兆しが見えていましたが、まだまだこれから冬の時代になるのだと思います。

(引用開始)

近畿の08年マンション発売、24%減…ピークから半減

不動産経済研究所が20日発表した近畿2府4県の2008年の新築マンション発売戸数は、前年比24・7%減の2万2744戸だった。バブル崩壊後の1993年(2万772戸)以来、15年ぶりの低水準で、ピークだった96年(4万4430戸)のほぼ半分に落ち込んだ。売れ行きを示す契約率も60・4%と、好不調の目安とされる70%を2年連続で下回った。91年の55・1%以来、17年ぶりの低さで、マンション市況の冷え込みを鮮明にした。
首都圏でも、発売戸数は前年比約28%減の4万3733戸と大幅に落ち込んだ。5万戸を割り込んだのは93年(4万4270戸)以来、15年ぶりだ。
同研究所は、昨年半ばまでの資材価格高騰などで建築費が上昇したところに、景気の急速な悪化が追い打ちをかけ、買い控えが広がっていると分析している。
発売戸数の減少を上回るペースで売れ行きが鈍り、マンションの在庫は膨れ上がっている。近畿2府4県の08年末の在庫は07年末と比べ10%増え、6344戸だった。02年末(7168戸)以来の高水準だ。
在庫を減らすために、大幅な価格の引き下げを行う分譲会社もある。兵庫県芦屋市では、当初7630万円の価格を2200万円値引きして売るケースもあった。業者は「年度末に向けて、たたき売りの状態になっている」と嘆く。
値引き競争が広がれば、経営体力の弱い分譲会社は苦しい。帝国データバンクによると、08年に経営破綻(はたん)した分譲会社は、全国で前年より40社増えて53社で、近畿も5社多い7社だった。経営に行き詰まる業者は今後、さらに増えるとみている。

(2009年1月21日 読売新聞)

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首都圏マンション発売15年ぶり5万戸割れ、契約率62.7%
2009/01/21

不動産経済研究所が20日発表した2008年の「首都圏マンション市場動向」によると、新築マンション発売戸数は前年比28.3%減の4万3,733戸となり、1993年以来15年ぶりに5万戸を割り込んだ。減少幅は1991年のバブル崩壊時(34.5%)以来の大きさ。
エリア別では、東京都区部が5.8%減と比較的小さな減少幅にとどまったほかは、いずれも30%以上減少。特に東京都下と千葉県はそれぞれ43.6%減、44%減で4割強の落ち込みとなった。
一戸当たりの平均価格は前年より2.8%高い4,775万円で、6年連続の上昇。しかし、エリア別でみると、東京都下が9.5%値上がりのみで、ほかのエリアは0.6~3.1%の値下がりとなった。もっとも平均価格が高かったのは東京都区部の5,932万円、逆に低かったのは千葉県で3,589万円。
売れ行きを示す契約率は2007年(69.7%)をさらに7.0%下回る62.7%で好不調の目安とされる70%を割り込んだ。12月末現在の在庫数は1万2,427戸で、2007年末に比べて1,664戸増加した。
なお、いわゆる「億ション」の発売戸数は前年比5.7%減の1,268戸。過去最多だった1990年(3,079戸)の半分以下にとどまった。最高価格は港区のマンションで13億9,500万円。
2009年の首都圏のマンション販売戸数については前年比7.5%増の4万7,000戸と予想。昨年12月発表の「首都圏マンション市場予測」(同研究所)によると、市場回復は低価格物件の導入が急がれる郊外部からで、用地費や建設コストが落ち着いた「新価格」物件が秋口以降に出てくると予測。超高層、超大型物件は依然人気を集めるものの、リスクを回避し中小の物件が主力となるとしている。

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08年のマンション発売戸数、28%減 ピーク時の00年の半分以下

不動産経済研究所(東京・新宿)が20日発表した2008年の首都圏のマンション発売戸数は07年に比べて28.3%減の4万3733戸となり、ピークだった2000年(9万5635戸)の半分以下の水準に落ち込んだ。過去の地価上昇に伴う販売価格の上昇で購入を控える顧客が増えたうえ、景気後退で消費者心理が冷え込んだことから発売戸数が大幅に減少した。金融機関が開発業者への融資姿勢を厳しくしていることも影響しているもようだ。
発売した最初の月に契約を結んだ初月契約率は、08年は月間平均で62.7%となり前年を7.0ポイント下回った。販売の好不調の目安となる70%も大きく下回った。
同時に発表した08年12月の発売戸数は前年同月比18.2%減の6696戸となり、16カ月連続の前年割れとなった。契約率は61.9%だった。みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「昨年9月の『リーマン・ショック』以降、金融機関が融資にかなり慎重になっている。金融市場の混乱が収まり、不動産市況が回復するまであと2年はかかるだろう」とみている。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-01-21 21:27 | 経済状況

日本はアメリカ国債の放棄を 債券のデフォルトか紙クズか 戦争の足音

これまでに、重すぎる債務の一般的な行く末や、日本の保有するアメリカ国債の未来について、次のように述べてきました。

アメリカ民主党と共和党 日本経済クラッシュによる米国債の棒引き 「二つのアメリカの世界戦略/深田匠」

アメリカが負う世界一の対外債務を消滅させたいというインセンティブは、概念上は、民主党のみならず共和党にも働く。したがって、経済戦争の一環として、日本経済クラッシュを仕掛ける可能性は、概念上は、民主党のみならず共和党にもありうる。

国際貸付ではなく国際投資を 経済状況の発展段階説(2)

「日本は、海外・外国政府に対するODA・貸付では、貸した金の返済を待つことしか出来ないという意味で本質的には弱者である」と思います。また、重債務国は、金利の返済に耐えかね、債務の棒引きを求めます。

世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)

時価会計の無視、空売りの禁止、モラールの無い資金投入など、『ルールを完全に無視して、急場しのぎの対策に追われる米国が、今後対外的にも何をするかわからない』のでしょう。「対外的にも何をするかわからない」というのは、自国の権益を守るためには、何でもするであろう、という意味だと思います。ということは、この後に待っているのは、

・アメリカ債券とドル紙幣の押し売り
海外投資家のマネーの棒引き
・ドルの減価による、不景気なのにモノが高いというスタグフレーション
・強権的ルールによる世界統制経済
借用証書を焼き払うための政治的暴力

のいずれかでしょうか。何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。

FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

ではどうするか?たとえば、次のような方法があるでしょう。

・国際協調と称して、日本円を増発
・FRBに差し入れて、ドルと交換
・そのドルを市場に流さず、そのままアメリカ国債を購入
・買ったアメリカ国債は、アメリカ財務省で塩漬けにする
・ある時点で、為替レートと金利上昇による強制調整により、実質の借金を棒引き

このケースにおいては、日本の納税者が、「国際協調のため」として、アメリカの損失をかぶることになります。先ほどの急激な円高では、「債権国である日本に、資金が逃避した」とされています。このため、外貨建ての債券の価値は急落しました。加えて、この債権者(注:日本)は、アメリカ債券を思う通りに売ることができない、「債務を返してください」とお願いするしかない、弱い存在でもあるのです。何度も書いていますが、日本からカネを搾り取るための、国際協調がありうるのだ、と指摘します。

国の借金843兆円

巨額すぎる借金は、いろいろな方法で棒引きされてきたのが、歴史の常です。

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格付け会社の三國陽夫は、

・日本は、アメリカに対する債権(アメリカ国債)を放棄すべき。
・米国債の発行残高は今後も増える。米国は債務国なので、低金利では資金調達が難しい。不況下の金利上昇に見舞われかねない
・日本の債権放棄で米国債の残高が減れば、米国は金融機関の救済や景気テコ入れに心置きなく財政出動し、長期的な経済再建に必要な生産設備も十分に輸入できる
・日本の債権放棄は、米国のみならず、日本にも世界にも有益だ
・日本政府が債権放棄に踏み切れない場合、為替市場がドル安によって、米国債の評価を引き下げる。1ドル=50円-60円まで円高・ドル安が進む。残された時間はあと3カ月から5カ月。95年4月の戦後最高値(79円75銭)に並ぶ。

として、日本が債権放棄するか、円高・ドル安による強制調整か、いずれにしてもアメリカ国債の価値を保全することは不可能と指摘しています。

この人は、アメリカの意向を受けているのだと思います。アメリカそのものが「カネは返せない」と言うのではなく、他国(日本)の代理人(エージェント)に「私たちのためにもなるのだから」と言わせるところがアメリカ流なのでしょう。

最近のCMで言えば、「あなたのためだから」「あなたのためだから」「はぁ?」という感じです。

ですが、発言の内容そのものは大きくは間違ってはいないのが、残念なところです。

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関連した過去の記事を再構成して、まとめとしたいと思います。

アメリカは、1970年代に、金利上昇とそれを上回るインフレにより、国債投資家に大損をさせたという前科があります。アメリカは実質破綻寸前であり、国債の減価によりかろうじて乗り切った、ということだったのかも知れません。何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。

そして、歴史は繰り返すというのも、ご存知のことと思います。

何度も書いていますが、アメリカ国債が売れなくなる日は、そこまで来ています。そして、物価(インフレ)、金利、為替、のいずれか、あるいは全部、によって、「ドルの減価」がありうるのだと思います。

このブログでは、開始後まもなくから、アメリカとドルの信認は安泰ではない、円とドルは一蓮托生だ、と訴え続けてきました。その当時は、「ドルは強い。そんな心配よりも、日本(円)の心配をするべき」などと言われてきましたが、今となっては、どちらが正しかったなどは、どうでもいいように思えます。なぜならば、ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになるからです。

(日本は、)アメリカの延命のために、これまではアメリカ国債を多量に買ってきました。これからは、アメリカの軍事産業を潤し、インフレを起こし、その赤字を減らすために、つまり、やはりアメリカの延命のために、日本は血を流せと言われているのです。

すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

(引用開始)

日本政府は米国債の放棄を、無策なら1ドル=50円も-三國陽夫氏

12月24日(ブルームバーグ):日本政府は外貨準備で保有している米国債の一部を放棄し、米国経済の再建を支援すべきだ-。格付け会社、三國事務所の三國陽夫代表は18日のインタビューで、日本が来年春頃までに思い切った債権放棄に踏み切らない場合、1ドル=50円程度まで円高・ドル安が進みかねないとの見解を示した。
三國氏(69)は、「世界の歴史に照らせば、2国間に発生した巨額の債権・債務は決済されない」と述べた。債務国が消費抑制と輸出振興で返済の元手を稼ごうとすると、債権国は輸出が減って稼働率が低下するため、両国とも持続可能性が危ぶまれるほど景気が悪化する恐れがあると解説。「両国にとって、決済するメリットはない。日本は結局、債権放棄するしかない」と語った。
世界的な金融危機を背景に、米国内総生産(GDP)の実質成長率は7-9月期に前期比年率0.5%減少した。世界経済をけん引してきた個人消費は 3.8%減と、1980年以来の大幅な減少。日本の対米輸出は11月まで、15カ月連続で前年実績を下回った。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、米実質成長率は10-12月期には4.35%減に悪化。2009年4-6月期まで、マイナス成長が続く見通しだ。
三國氏は、住宅市場を中心とした米国の経済成長メカニズムが、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を発する金融危機で「焼け落ちてしまった」と話した。米家計が抱える住宅ローン残高の過剰分が「3兆ドル、GDP対比で約22%」あり、「5-6年で解消するとしても、名目GDPを3-4ポイント押し下げる」と推計。「金利が下がっても、元本返済の重圧がのしかかる」ため、米経済が「急回復することはない」と予想した。
住宅価格の上昇を背景とした「消費主導型の経済成長ができなくなった米国は、生産・輸出を増やして企業収益を稼ぎ、雇用・所得・消費増につなげる新しいメカニズムを築く必要がある」が、「米国には生産設備が不足しているため、日本や欧州から購入しなくてはならない」と指摘する。

米国債増発、金利上昇も

しかも、米財政赤字は急拡大している。米財務省が15日発表した年次報告書によると、ブッシュ米政権による金融業界支援や景気対策の結果、07年10月-08年9月の歳出は歳入を1兆100億ドル上回った。前年は2760億ドル。財政赤字は「当面、高水準にとどまる公算が大きい」という。オバマ次期米大統領は2年間で300万人の雇用を創出する方針。来年、8500億ドル規模の景気刺激策を議会に提案する可能性がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、政策金利を0%-0.25%に引き下げるとともに、「異例な」低金利を「一定期間」続ける方針を示唆。長期国債の買い入れ検討も明らかにした。米10年物国債利回りは19日に一時、53年以降で最低の2.0352%を記録。米財務省短期証券(Tビル)3カ月物の利回りはマイナス0.05%に低下。2年債利回りは17日、データ集計開始以来で最低の 0.6044%をつけた。
しかし、三國氏は「米国債の発行残高は今後も増える。米国は債務国なので、低金利では資金調達が難しい。不況下の金利上昇に見舞われかねない」と予想。日本の債権放棄で米国債の残高が減れば、米国は「金融機関の救済や景気テコ入れに心置きなく財政出動し、長期的な経済再建に必要な生産設備も十分に輸入できる」とし、「米国のみならず、日本にも世界にも有益だ」と語った。

対外債権、630兆円

対米債権の放棄では、「世界最大の債権国である日本が先鞭をつけ、多国間協議への道をひらくべきだ」と、三國氏は話す。日本の外貨準備高は約1兆ドルと、首位の中国(約1兆9000億ドル)を下回る。ただ、民間部門の対外資産が多いため、官民合わせた対外債権は、中国より「はるかに多い」約630兆円に及ぶと推計。政府が保有する米国債の一部放棄は可能だと主張した。
三國氏は、経済情勢が混乱した時の債権放棄は「歴史上、巨大な債権国の宿命でもある」と指摘した。第2次大戦後には米国が、戦禍に見舞われた西欧の復興をマーシャル・プランで支援し、債務免除と生産設備の供与を実施。日本の再建にも取り組んだ。英国が19世紀のナポレオン戦争後、欧州を安定させるため、巨額の債権放棄を受け入れた例も挙げた。

タイムリミット

日本政府が債権放棄に踏み切れない場合、三國氏は「為替市場がドル安によって、米国債の評価を引き下げる」と読む。政策対応がなければ、「1ドル=50円-60円まで円高・ドル安が進む」と試算。残された時間は「あと3カ月から5カ月。95年4月に記録した戦後最高値(79円75銭)に並ぶまで」と予想した。債権放棄は「ドラスティックな政策だが、受け入れざるを得ない」と語った。
円の対ドル相場は17日に一時1ドル=87円14銭と、95年7月以来の高値をつけた。年初来の上昇率は約20%と、87年以来21年ぶりの大きさだ。日本銀行は19日、10月末に続く利下げと長期国債の買い切り増額、企業の資金繰りを支援するコマーシャルペーパー(CP)買い切りを決め、他のリスク資産の買い入れも検討すると発表した。
三國氏は「強い円は、緩やかに進むなら経済にプラスだ。日本は円高の経済学を理解する必要がある」と述べた。「明治時代から外需に依存。円高を恐れ、稼いだ外貨を国内に戻さないから内需が伸びず、成長を実感できない」と指摘。今後は「稼いだ外貨は円に換え、国内で投資・消費に使って内需を盛り上げる。円高で輸入コストを下げ、購買力を高めるべきだ」と主張した。
輸出品目は「技術面などで差別化でき、価格設定力のある分野に絞る必要がある」が、日本人が持つ「繊細さや簡潔性に基づく製品は競争優位を保てる」と指摘。日本経済は「円高を克服して成長できる力強い段階に入っている」との見方を示した。
三國氏は1939年生まれ。63年に東京大学を卒業し、野村証券に入社。69 年には日本人で初めて、CFA協会認定の証券アナリストとなった。75年に退社。社債などの格付けを主業務とする三國事務所を設立し、代表取締役に就任した。2002年4月から04年3月まで、経済同友会の副代表幹事をつとめた。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-01-15 10:29 | 経済状況

経常黒字減少 貿易収支赤字続き 海外への資金流出21兆円 経済状況の発展段階説

経常黒字が減少し続けていますが、11月度は急減と言って良い状況です。また、貿易収支も赤字続きとなっています。

経常収支 +5812億円 (前年同月 1兆7057億円)(前年同月比 ▲1兆1245億円)
貿易・サービス収支 ▲1842億円 (前年同月 7935億円)
 貿易収支 ▲934億円 (前年同月 9076億円)
  輸出 5兆0623億円 (前年同月比 ▲1兆8218億円)
  輸入 5兆1557億円
 サービス収支 ▲908億円 (前年同月 ▲1141億円)
所得収支 +8447億円

単月度の数字ですが、これまでも述べていますように、『単月度の赤字であれば、別に気にする必要はありません。しかし、これから当分の間、「日本が貿易赤字国」という傾向が続くとするならば、多方面にいろいろな影響が出てくることと思います』(「日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り」)。

また、『このブログでは、ドル基軸通貨の維持可能性と、アメリカ覇権システムの安定性について、重大な疑問を投げかけています。ですが、「アメリカより日本が良い」ということにはならず、『アメリカとその国際政治経済システムのために、日本は犠牲にされる可能性がある』とも、述べてきました。たとえば、日本の貿易収支赤字転落があるでしょう』(「世界の財政出動 アメリカの膨大な赤字 日本の行く末」)とも述べてきました。

2008年は、「株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出」が、21兆円となり、日本の資本市場からマネーが逃避したボリュームが過去最大の規模になっています。外国人が日本株・債券を売却したのが主因とされています。

今後、日本も成熟債権国となっていくにあたり、日本からみたマネーの大きな流れが変わる、大きな節目にきているのだと思います。当然、株式や為替の水準も、変わっていくでしょう。このあたりは、「経済状況の発展段階説」に関連した過去の記事を参照ください。

関連した過去の記事のリンクを掲載します。

「債務残高なんて問題にならない? 経済状況の発展段階説(4)」

「経済状況の発展段階説(1) ヘゲモニーサイクル 永遠に成長できる国はない 国際分散投資が必要な理由」

「日本がアメリカ国債を買っている理由 日本人に必要な資産運用の知見とは? 経済状況の発展段階説(5)」

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

(引用開始)

11月の経常黒字65.9%減 輸出、最大の減少幅

財務省が13日発表した昨年11月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資などの総合的な取引状況を示す経常収支の黒字は5812億円となった。経常黒字は前年同月比65.9%減少し、昨年6月以来、5カ月ぶりの大きな落ち込みとなった。経常黒字の縮小は9カ月連続。世界的な金融危機と景気低迷を背景に、輸出が過去最大の減少幅を記録したのが響いた。
経常黒字の減少幅は11月としては1990年以来の大きさ。減少幅が1兆円を超えたのは、昨年8月から4カ月連続となった。(11:43)

日本経済新聞

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11月経常黒字は前年比‐65.9%、9カ月連続の減少
2009年 01月 13日 11:10 JST

[東京 13日 ロイター] 財務省が13日発表した国際収支状況速報によると、11月経常黒字は前年比65.9%減少の5812億円となり、9カ月連続の減少となった。
貿易収支が赤字に転じたことが影響した。ロイターが民間調査機関に行った事前調査では、経常黒字の予測中央値は前年比61.9%減少の6503億円だった。
11月の経常黒字額は、前年と比べ1兆1245億円減少した。1兆円を超す減少幅を記録するのは2008年8月以降4カ月連続となる。
貿易・サービス収支は1842億円の赤字(前年同月は7935億円の黒字)となった。赤字は2カ月連続。
このうち、貿易収支は934億円の赤字と、前年同月(9076億円の黒字)から赤字に転じた。輸出が前年比26.5%減と比較可能な統計が公表された1985年以降最大の減少率となり、輸入の減少率(同13.7%減)を大きく上回ったことが要因。
サービス収支は908億円の赤字(前年同月は1141億円の赤字)となった。 
所得収支の黒字額は8447億円となり、前年比15.5%減少した。円高や金利の低下で債券受け取り利子などが減少したことが響いた。

ロイター日本語ニュース

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11月の輸出、26.5%減 過去最大の減少幅
2009年1月13日10時35分

海外とのモノやサービス、投資の取引を示す経常収支の08年11月の黒字額は、前年同月より65.9%少ない5812億円で、9カ月続けて前年割れとなった。輸出は世界的な景気悪化で自動車や電子部品などが落ち込み、同26.5%減と過去最大の減少となった。財務省が13日、11月の国際収支速報を発表した。
輸出は前年同月より1兆8218億円少ない5兆623億円で、2カ月連続の前年割れ。輸入も、原油価格の下落と大幅な円高が重なり、13.7%減の5兆1557億円と14カ月ぶりに前年を下回った。輸出から輸入を引いた貿易収支は934億円の赤字で、3カ月ぶりに赤字に転じた。
海外投資の収益状況を示す所得収支は、15.5%減の8447億円の黒字。金利低下と円高の影響で、海外から受け取る債券利子などが目減りした。

朝日新聞

(引用終了)

日本からマネーが流出しているという元記事を引用します。

(引用開始)

08年対内・対外投資、有価証券21兆円売り越し 日本からマネー流出

財務省が13日発表した2008年暦年の対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出が21兆円に達した。現行基準の統計が始まった05年以降では初めての資金流出に転じた。外国人が日本株・債券を売却したのが主因。世界的な金融危機や景気低迷を背景に、日本の資本市場からマネーが逃避したことを裏付けた。
旧基準の統計までさかのぼると、資金流出は04年以来。ただ「08年の資金流出は過去最大の規模とみられる」と財務省は説明している。(11:27)

日本経済新聞

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-01-13 23:01 | 経済状況