カテゴリ:資産保全一般( 73 )

外人(外国資本・外資系投資家)の売り越しと個人の買い越し 今は安いが、もっと安くなる可能性も

10月の個人株式買い(ネット*)は17.5億株となり、単月度としては、記録史上1位となりました。ちなみに買い越しの2位は、1997年8月で、12.5億株でした。 
私は、どこかのコメント欄にて「バブル後最安値の7607円は割る」と書きましたが、残念ながら当たってしまいました。まだ二番底三番底をつけると見ていますが、そういった相場観ではなく、単純に「安い」→「買い」という、値ごろ感での買いということでしょう。

*ネットとは、この場合は買いから売りを差し引いた、買い越しの実質値ということです。インターネットとは関係ありません

外人(いわゆる外国資本。語弊がありますが、ニュースなどでもそう言われていますので、そのまま書いています)や、外資系のプロは、こういった個人の買いに対して、売りをぶつけてきます。ですので、「外資やプロは、個人の買いをなぎ倒して、どんどん売り崩していく。その後に残るのは、個人投資家の死屍累々」ということになります。少し考えれば分かりますが、手持ちの資金がないと買いにはならないのに対して、売りは手元に資金ができる(空売りの場合は、証拠金が必要)ため、売りのほうが強いのです。

つまり、「今は安いけど、もっと安くなる」ということです。では、なぜここまで下げるのでしょうか?

一言で言うと、「今の環境では、売りで儲かるから」ということにつきます。

そもそも、日本の株式市場は、7割以上を外資系が占めていると言われています。日本の個人・機関等がトレンドを作るのではありません。ですので、逆張りは危険ということです。
また、円高で輸出企業が減益になるから、あるいは、外国ファンドの換金売りというのも、すべての銘柄が下げる原因としては、多少乱暴だとうことも、うすうす感じておられることと思います。
また、外貨ベースで見た日経平均株価は、円高で調整されるため、「それほど安くなっていない」→「まだ下げる余地がある」と判断できるかもしれません。

下のニュースに見るように、寄り付き前には、「外資系証券12社経由の注文状況」がわかりますので、外資の売り越し/買い越しと、その日の日経平均の値動きの相関を取ってみるのも面白いかもしれません。

さて

円安になってくると、外貨ベースで見た日本株式は安くなります。外資の買いが出てくるためには、これから円安トレンドになることが前提条件となるでしょう。その前に、いったんとことんまで売り崩して、底値で地引網してから、円安トレンドに転換、となるのでしょう。

エンロンの例を見ても分かるように、外国資本というものの極みは、

・上げトレンドでは買い、トレンドフォローで儲ける
・イベントと前後して、ドテン売り(買いを手仕舞い、空売りに転換)、イベントドリブンで儲ける
・破綻させて、債権者・従業員に泣いてもらい、株式をバーゲンで買い、儲ける

と、上げ・下げ・破綻のどのステージでも、儲けを狙うのです。

くれぐれもご注意ください。

(引用開始)

外国人、高水準の売り越し=株数では過去最高-11月第3週

東京証券取引所が28日発表した東京、大阪、名古屋3市場の11月第3週(17~21日)の株式売買動向によると、外国人投資家は差し引き5360億円と大幅に売り越した。海外勢の売り越しは6週連続。売り越し幅は金額ベースで過去7番目だったが、株数では9億2000万株とブラックマンデーの1987年10月第3週(8億9000万株)を上回り、過去最高を更新した。(2008/11/28-17:22)

時事通信

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個人投資家の株買い越し、10月は過去最高…大荒れ相場で割安感?

10月(9月29日~10月31日)の東京、大阪、名古屋の国内株式市場で、個人投資家の買い越し額が9927億円と1兆円の大台に迫った。
月間の金額としては1982年7月の調査開始以来、最高だった。
東京証券取引所がまとめた投資主体別売買動向で分かった。
買い越し額は、投資家が市場で株を買った額から売った額を引いた額で、大きいほど株価の上昇要因となる。これまでの最高は、90年3月の8841億円だった。
10月は日経平均株価(225種)が一時、7000円を割り込むなど大荒れの相場となり、割安感の出た銘柄に個人の買いが入ったようだ。
インターネット専業証券を中心に口座開設の申し込みが急増するなど、個人投資家の数自体が増えたことも一因だ。
一方、外国人投資家は1兆696億円の売り越しで、外国人投資家の月間の売り越し額としては過去3番目の大きさだった。投資家から返金要請を受けたヘッジファンドなどが換金売りを膨らませたとみられる。
外国人の「売り」と拮抗(きっこう)する個人投資家の「買い」が、株価にとり一定の下支えとなっていたことになる。

(2008年11月8日20時26分 読売新聞)

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外資系証券経由注文状況、860万株の売り越し観測=市場筋
2008年11月26日

[東京 26日 ロイター] 株式市場筋によると、寄り付き前の外資系証券12社経由の注文状況は2840万株の売りに対して1980万株の買いで、差し引き860万株の売り越しになっているとの観測が出ている。

朝日新聞・ロイター

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-12-04 09:33 | 資産保全一般

経済指標 何をどのように見れば良いのか ガイドブック紹介

先日のコメントで、「いろいろな指標があるが、何を見れば、未来が分かるのか、知りたい」「確実な先行指標が知りたい」と言ったような、コメントがあったように思います。

まず、当たり前のことですが、「確実な先行指標はない」ということを、再確認したいと思います。その上で、市場の値動きを冷静に受け止めることが必要なのだと、述べたいと思います。

ですが、それだけでは、あまりに色気がありません。ですので、いくつか、参考になりそうな書籍を挙げたいと思います。

(1)経済指標を網羅的に勉強したい

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

以下の本をお勧めします。カラー版のムック(大き目のサイズ、見開きメイン、絵・グラフなどを多用した、見やすい作りの本)ですので、初心者の方にもお勧めします。

もともと高い本ではありませんが、今ですとさらに安価で入手できると思います。

こういった経済指標に振り回されるのは得策ではありませんが、「月1回」「年1回」などといったチェック頻度の目安も掲載されています。何度も繰り返しますが、確実な先行指標はないことにはご留意いただき、指標に振り回されないよう、冷静な受けとめをお願いします。

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

(2)指標にとどまらず、グローバルなお金の流れを知りたい

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

さまざまな資産クラスを行き来するマネー。私は、このブログの当初から、「カネは、儲かりそうな資産クラスをめがけて常に移動する。その動きを見抜くことができれば、少なくとも生活に困ることはない」と指摘してきました。(*1)

その、グローバルなマネーフローを分かりやすく紹介しているムックです。

本書の表紙には、「2008年後半のキーワードは、過剰流動性の終焉」とあるように、ある程度の信用収縮を予見していたと言えるかもしれません。

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

【追記】このブログにおいては、当初から、過剰流動性が、キャリートレードなどを通じて、市場の乱高下をもたらすことを指摘してきました。関連するエントリーを記載します。(*2)

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*1

では、どのファンドがいいのか(1) 実需と仮需

「どの資産クラスが、価値が減るのか」
「どの資産クラスが、価値が増すのか」
ということは、事前には分からないのです。

世界に存在する資金の量は有限です。その流れを読むことが出来れば、どの資産クラスが値上がりするか分かりますので、誰もが富豪になることが出来ます。

では、どのファンドがいいのか(2) ポートフォリオ

資金が流入することで特定の資産クラスの価値が膨れ上がること、そしてその資金の流れのうちで「実需」「仮需」があり、「仮需」が大きな役割を占める場合もあることを述べました。そして、その流れを読むことは難しいことも述べました。

大きく言いますと
・資金の流れを読むことは、普通の情報では不可能
・「株ブーム」「不動産ブーム」などブームが形成されるのは、まず最初の資金が流入するからであり、大きな儲けはブームの前に投資した場合のみである
・一般投資家は、ブームが形成された後に投資するので、儲けが薄く、場合によってはその後のバースト(急落)に巻き込まれて損をする

では、どのファンドがいいのか(4) 収益環境指数

これまでに、
・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
と述べました。

---

*2

チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる

またしても、エマージングを引き金にした、世界株式の急落(調整)がありました。

チャイナ・インドといえば、日本からのファンドによる投資もあり、そうでなくても低金利の円に遠くは由来する過剰流動性で膨れていた状態です。これが調整したということは、非常に簡単に言うと、『一般投資家は、トレンドに尻馬で乗って、結局損をさせられた』ということになります。ですので、『イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある』のです。

何度も同じことを書きますが、BRICSは、あくまでもエマージングであり、それ相応のリスクを背負った投資になります。年に一度や二度の調整(急落)は当たり前です。今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。FAI投資法で知られる株式投資のプロは、次のように言います。『結局誰かが投げないと、相場は上がらないんだよ。』

世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか

また、このブログでは、以前から、円ショートのキャリートレードの副作用を指摘してきました。『機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている』と言われているのです。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利」という報道もあります。

量的緩和の解除 ゼロ金利からの脱出?(2006.2.18)

機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレード(だぶついた日本円を使った裁定取引)が、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている

NZドルのリスク

ニュージーランドは・・・昨今のジャパンマネーの流入などで、実体経済以上の通貨高を招いた
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by kanconsulting | 2008-11-07 09:47 | 資産保全一般

世界のREITの時価総額は7割減 REITはゴミ捨て場

このブログでは、REITについては否定的な見方をしてきました。(*1(3年以上前から警告してきたことにご留意ください))

その理由は、

・「国債よりも利回りが良い」などというセールストークが、おかしい(債券とREITはまったく異なる)
・日本は人口減少国で、土地の高度利用による意味合いが薄く、不動産投資のリスクが高い(安定ではない)
・そもそも、日本のREITは、系列の不動産会社やデベロッパーのゴミ捨て場的な性格があることを否定できない

などでした。

日本のREITについては、本当に名目上の資産価値があるのかきちんと査定できているのかという指摘や、どうしようもないゴミ物件を系列のREITに押し付けたり、良い物件はそのままREITに行くのではなく、上流でツバを付けられた上で、いろいろ転がされてREITに押し付けられているという指摘もありました。小口の投資家をバカにしていると言わざるを得ないでしょう。

(そもそも、日本における株式投資信託は、ゴミ捨て場的な性格を帯びていることを、これまでも言及してきたと思います)

ですが、査定のしっかりしている欧米のREITについては、将来の成長性があるという前提で、底練りで買われるのも悪くないかも知れません。

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*1

では、どのファンドがいいのか(2) ポートフォリオ
(2005.2.27)

ここで注意しなければならないのは、
・何でもいいから分散すればいいと言うものではない
・特に、今ブームが来ている物への投資は、注意が必要
・たとえば、REIT(リート)、中国株、商品先物(ゴールド、原油)、ユーロ、グローバルソブリン

では、どのファンドがいいのか(3) 不動産投資信託

このように、「右肩上がり」で「儲かりそう」な商品は、基本的には「賞味期限」があることを忘れてはなりません。それは
・初期からの投資家が、利食いをする水準・時期に来ていること
・そのような投資家が利食いをすることで、バーストが形成されること
を指摘します。

「今後、インフレになるから、REITは有望なのではないですか?」
と指摘する方もおられると思います。しかし、必ずしもそうとは言えません。

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(引用開始)

世界のREIT、時価総額7割減 07年5月のピーク時比

世界の不動産投資信託(REIT)市場が急速に縮小している。日米欧など主要国のREITの時価総額は合計で約30兆円と、昨年5月末のピークから7割近く減った。急速な円高もあり、金融危機が深刻化した10月だけで25兆円分が消失した計算。不動産市場への投資マネーの流入減が不動産価格の下落に拍車をかける恐れもある。
REITは株式に相当する投資口を各国の証券取引所に上場しており、投資家は市場で売買できる。大和総研によると日米英など世界主要8カ国のREITの時価総額は昨年5月末には94兆円まで膨らんだが、米住宅ローン問題の深刻化で大幅に縮小。「信用収縮で現金を手元に確保したい投資家の換金売りが多い」(みずほ証券)(03日 07:00)

日本経済新聞

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-04 21:49 | 資産保全一般

世界恐慌 株安と円高で損失を出された読者様へのメッセージ 最悪のリスクシナリオへの6つのステージ

損失を出された読者の皆様へ

このたびの株式暴落と総円高については、相当の損失を出された方も多いと思います。ですが、ここで精神的に参っている時間的余裕はありません。

過去は過去として反省して、次につなげれば良い話です。将来を見通せる賢人はいないのです、ましてや一般人の予想が当たるはずもありません。予想だにしない事態が次々と出現する、だから「恐慌」なのです。

間違っても、自殺されようなどと思ってはなりません。命あってのモノダネです。生きていれば、何らかの方法でキャッシュフローも確保できますし、おそらく次の投資機会もあるでしょう。

力強く生きる、そのことだけを、今は考えられることをお勧めします。

取り急ぎ

kanconsulting

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これまで、何度も、「信用不安がおきると、結果的に円高になる」ことを述べてきました。しかし、ユーロバブルの崩壊については、私はそこまでは読みきれませんでした。現在は、恐怖が先行する「逆バブル」なのかと思います。準基軸通貨として期待されていた欧州統一通貨ユーロは、過去何年かこれといった逆境(急落)を経験しておらず、「ユーロは大丈夫だ」と、ドルをヘッジするという期待分のプレミアムが、予想以上に大きかったことに加えて、ユーロを自国通貨として所有している現地投資家の資産逃避もあるのだということです。

「○○は大丈夫だ」という見えない思い込みは、崩れると速いものです。

金持ちは、こういった「恐怖」の発生する前に逃げ、皆が逃げ終わる直前に買いを入れて行きます。天才的トレーダーなら、空売りをしかけて売り崩しに加担するでしょう。ましてや、現在のような信用不安の中では、商いが薄く、一方的な値動きになりやすいものです。

さて

信用不安の発生と対処について、これまでに私は次のように予想していました。これまで何度も書いていることですので、個々の内容に特に目新しさはありませんが(少なくともこのブログの読者様にとっては)、こうやってまとめたものを一般の読者様にお見せするのは初めてかもしれません。

(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~ 進行中】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 兆し有り?】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)
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by kanconsulting | 2008-10-25 12:04 | 資産保全一般

新着書籍紹介 「マンション崩壊」・「超・格差社会アメリカの真実」・「生命保険入門」

皆様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。

新着の書籍を紹介します。知は力といいます。そして、これからの時代は(もうすでに)情報格差で、今後の生活の質が左右されかねないという時代です。読者の皆様は、大半が読書をされると思いますが、読書の習慣がない方にも、「自分の人生が左右されるかもしれない」情報については、知って置かれることをお勧めします。

「マンション崩壊 あなたの街が廃墟になる日/山岡淳一郎」

マンション購入を考えられている方に、そして将来買うことになるかもしれないと思っている方に、ぜひ一読をお勧めしたい一冊です。すでにマンションを買ってしまった人には、事実を直視する精神力をお持ちの方のみにお勧めします。

「超・格差社会アメリカの真実/小林由美」

言わずとと知れた、アメリカとその格差社会についての秀逸な一冊です。

「生命保険入門/出口治明」

生命保険についての暴き系のような一冊です。日本人と保険は切っても切れない関係ですが、ではその「生命保険」について、どれだけの人が、その真相を知っているのでしょうか。
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by kanconsulting | 2007-05-06 19:33 | 資産保全一般

山崎元が語る「売買を分割したくなる心理について」 分割売買は非合理的で言い訳がましい? 戦略と戦術

先月の週間ダイヤモンドに、以下のような記事が掲載されていました。

(引用開始)

山崎元 「売買を分割したくなる心理について」

・・・こうした方も罠にはまるくらい、分割売買の癖は広く定着している。
理屈では、仮に円安になるという理屈をもって資金の一部でリスクを取るなら、自分が適切だと思うその「一部」の金額を一時に投資してしまえばいい。そのほうが手数料が安いし、「円安になる可能性が大きい」と思っているのだから機会利益(得べかりし利益)の損失も少ない。・・・
しかし売買を分割すると、なんとなくやりやすいのはなぜなのか。・・・まず、当面の最高値を買ってしまい、あとで後悔する可能性が減少するという「後悔の事前回避効果」があって、経済的な損得として合理的ではなくても心理的に楽だ。そのときに「追加投資するために資金を取ってあったのだ」というかたちをとることが出来ると、予想が外れたことを受け入れやすくなる。・・・言い訳や自慢をしたい心理が、投資家を合理性から遠ざけることもおわかりいただけるだろう。
・・・ともあれ、急には難しくても、合理的に割り切って「資産運用全体をその時々に最適に配分する」と考えるほうが得であり、個人の資産運用も例外ではない。プロやメディアにも、早くそうした常識を持ってもらいたいものだ。

週間ダイヤモンド 2007/02/24

(引用終了)

指摘の点は、以下の3つでしょう。
・分割売買は、運用の理屈に合わず、合理的ではない
・分割売買は、言い訳や自慢をしたいという心理にマッチしているだけ
・運用資産全体の適正配分のほうが重要で、その配分内でフルインベストすれば問題ない

(1)まず、本当に、分割売買は合理的ではないのでしょうか?

合理的とは、一般的には「論理にかなっている状態」と理解されています。ですが、この場合の経済的な話の文脈において、(経済的)合理性とは、簡単に言うと「儲かるかどうか、損得勘定で得かどうか」ということになります。そもそも、合理(的)に対応する英語"reasonable/reason"の語源である"ratio"とは、「拝金主義、徹底的な損得勘定」というニュアンスがあるのです。

ですので、理屈はともかく、分割売買のほうが儲かるなら、それは合理的だと言うことが出来るのです。そもそも、理屈を重視する経済学者やエコノミストが、運用で儲かっているという話をあまり聞きません。私たち一般市民は、「食えない経済的理屈」ではなく、「実際に儲かるやり方(あれば)」を求めているのです。

さて、分割売買ではなくて、一時に思い切って投資する「全力投入」が優れている理由として、記事では次のようだとされています。
・手数料が安い
・機会利益の損失が少ない
・一部を買ってからその値が下がると、常識的にはリスクの負担力は減少する

小職は次のように指摘します。

・分割売買では、確かに手数料は増えるが、それを上回るメリット((2)で言及)が存在する
・「機会利益の損失」とは、要するに「あの時、全力で買っておけば儲かったのに」ということだが、相場観が無いのにそう簡単に底で買う(天井で売る)ことができるはずが無い
・確かに、分割売買で買い下がるときは、リスクの負担力は減少するとも言えるが、そもそも分割売買とは「ポジションの操作により、トータルで買値(売値)を有利にする」ことが目的なのだから、問題ない
・買値の分割だけではなく、玉の数(ボリューム)を含めたポジションの操作が重要なのに、それに言及することなく「分割売買は不利」とは、性急すぎる
・実際に、分割売買は「正しく練習した投資家にとっては、コンスタントに儲かる投資手法」であるのだから、その事実をもってして「(プロの)分割売買は合理的」と言い切ることも可能ではある

(2)次に、分割売買は、言い訳や自慢をしたいという心理にマッチしているだけなのでしょうか?

結論から言いますと、「投資の戦術においては、自分のメンタル面である『恐怖心、射幸心』『興奮、絶望、思い上がり』をコントロールすることが、とても重要」であるということです。

これは、言い訳や自慢とは全く異なる種類の「心理的効果」なのです。市場の流れや、いろいろな情報、それに乱高下がもたらす興奮や絶望によって、勝手に市場から退場してしまう個人投資家がなんと多いことでしょうか。

そして、「(プロの)分割売買は、自分の心理面をコントロールするという面でも有効」ということは、このブログで何度も言及しているところでもあります。

これも何度も書いていることですが、自分の心理面をコントロールできない(しようとしない)方が、今後ありうる経済的動乱を生き抜くことは難しいのではないでしょうか?大事なことなので、よく考えてください。

(3)最後に、運用資産全体の適正配分のほうが重要で、その配分内でフルインベストすれば問題ないのでしょうか?

「運用資産全体の適正配分が重要」という点には同意できます。これは、資産運用戦略ですので、ファンダメンタル的な視点からの分析になります。ですが、言うは易く行うは難しですので、「単純に適正な配分をするだけで、長期的には必ず儲かる」ということはありません。それは、「証券会社や運用会社が運用する、複数の資産クラス(国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、REIT)に分散する分散型ファンド」が、必ずしも儲かるわけではないということと同じです。

ファンダメンタル投資を学ばれるには、バフェット、グレアムなどのテキストをしっかりと読み込んでください。

そして、このブログでは何度も指摘しているように、大きな戦略としては、『今後の日本の経済を見通したときに、海外株式投資を主力にせざるを得ないことは自明』なのです。

戦術として、「フルインベスト(手持ち資金を使い切って投資すること、全力投資)」は、必ずしも適切ではありません。何度も繰り返し書きますが、「満玉張るな」なのです。

たとえば、日本の証券会社が販売する投資信託は、設定日から数日間で,集めた資金のほとんどを使い切ってしまうので,相場観もなにもあったものではないという指摘もあります。「思い立ったが吉日なので、フルインベスト」では、資産運用のプロと称するには嘆かわしい限りです。

以前も書きましたが、『戦略と戦術の両方が重要』なのです。

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関連した過去の記事も参照ください。

(開始)

「経済状況の発展段階説 ヘゲモニーサイクル 永遠に成長できる国はない 国際分散投資が必要な理由」

永遠に単調な成長を続けることのできる国はありません。日本とて、例外ではないのです。日本国が、壮年期から老齢期に移行する国であるならば、自国経済の弱体化や自国通貨の下落は避けられません。

そこで国際分散投資をすることで、自国の金融資産の目減りを防ぎ、衰退をマイルドにすることが可能と考えます。株式市場は、その国の成長率と相関があることは基本的には間違っていないと思います。また為替は、長期的にはファンダメンタルズ、所得収支・資本収支で決まると考えて良いと思います。

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「ファンドの手数料 日本株戦略「1兆円」ファンド 人が運用する投資信託は指数に負けることが多い」

その原因は、ファンドの資金が大きすぎて機動性が損なわれる(安値で買って高値で売り逃げることが難しい)とか、動きを先回りされてしまい高値で買わざるを得ない、などとされています。それ以外の原因として、「信託報酬などの手数料」もあるのではないでしょうか。

ファンドマネージャーががんばって運用する投資信託は、指数に負けることが多いようです。「投資信託で儲ける」というのは難しく、逆に「投資信託で老後の資金を失った」という人のほうが多いのではないでしょうか。

(コメント欄)設定日から数日間で、集めた資金のほとんどを使い切ってしまうので、相場観もなにもあったものではありませんね。

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「バフェットが語る「インフレに勝つ株式投資」 究極のファンダメンタル投資 インフレ、ROA、グレアム」

なんだか騙されたような気がしますか?しかしながら、このようなグレアム的な投資手法によって、バフェットは世界二位(ちなみに1位はビル・ゲイツ、3位はラクシュミ・ミッタル)の富を築いたのです。その事実は誰にも否定できません。

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「資産保全の本当の意味」

このような心の持ちようを解決しない限り、国家破綻があるかどうかに関係なく、本当の意味での「資産保全」はできません。逆に言いますと、国家破綻があったとして、パニックになる人から、本当に破綻していくのだと思います。

・・・自分の心の中のお金に対するメンタルな部分を鍛えることが必要です。

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「日本株式投資の真実(4) 不二家と「株の裏」 誰が空売りを? 仕手筋?それともインサイダー?」

ではどうすれば良いのでしょうか?何度も書きますが、それは、読者の皆様がご自身で考えなければならないことです。今後の厳しい経済情勢を生き抜くには、『自分自身で考えること』が必要なのです。冷酷なようですが、それが現実です。

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「投資の基本と、BRICSへの姿勢 キャリートレードの解消・投売りが一巡するまで調整は続く」

特に、「買うときも何回も分けて買う、売るときも何回も分けて売る」のは、分割売買といって、プロ的な手法です。ファンダメンタル投資であっても、分割売買を取り入れることで、ギャンブル精神の抑制、心理的な負担の軽減と、それによるパフォーマンス向上が期待できます。

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「FX(外国為替取引)の記事 為替の予測は短期ほど不可能 満玉張らない・相場の動きを感じる」

その中で、「為替の予測を当てることは、短期になるほど不可能」につきまして、その通りと思います。外貨の買いは、あくまでも、日本円に対するリスクヘッジですので、円高リスクがあらかじめ許容できるレベルにとめておくのが上手なやりかたです。そのためには、

・余裕資金を持つ (満玉張らない、全力投球をしない)
・相場の動きを感じる

ことが重要です。もっと言いますと、長期投資を考えるほど、「テクニカル指標を見ないほうが良い」です。

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「ファイナンシャル・リテラシー 投資のメンタル面 金を持てる器量・投資のルール・社会還元 経済的独立へ」

・グラフを眺めていると、最安値で買って最高値で売りたくなる。でも、それは大きな間違いなのだ。
・売買というものは、個性を持ち、そのうえ「欲」「恐怖心」「動揺した気持ち」を持った人間=自分がやるのである。「その人なりに」取れるところを、取れる方法で取るのが相場なのだ。

(終了)

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。

詳しくは、以下の書籍も参考にされてください。
「バフェット流長期投資」
「バフェット投資の王道~株の長期保有で富を築く/ロバート・マイルズ」
「バフェットからの手紙/ローレンス・A・カニンガム」
「バフェット流投資術(CDブック)/ロバート・P・マイルズ」
「バフェットからの手紙/ローレンス・A・カニンガム」
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by kanconsulting | 2007-03-11 14:53 | 資産保全一般

2回目の世界同時株安にどう備えるか 「また損をさせられる一般投資家」? 二度ある調整は三度ある(2)

(1)「また損をさせられる一般投資家」からの卒業 世界株式の急落への対処方法

先日のエントリー「チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる」のコメント欄から転載します。

(開始)

Commented by welpal at 2007-03-07 23:27 x

はじめまして。いつも参考にさせてもらっています。

今回の暴落で、世界の株式市場(特に中国の株式市場)がバブル崩壊に非常にセンチメンタルになっていると感じました。
中国株価指数を、http://www.translink.co.jp/stock/ で見てみましたが、
過去1年で、上海総合は2.32倍、上海Bは2.25倍、深セン成分は2.34倍、深センBは1.78倍と、急激に株価が上昇しています。2006年1月頃までは、のんびり株価が推移していましたが、この後急激に株価が上昇し、あきらかなバブルを形成しています。
チャートを見ると、日本のバブルの頃の株価にそっくりです。特に、私は今年の1~2月がピークのように見えます。
そのため、市場はバブル崩壊に非常にセンチメンタルになっていて、今回のようなちょっとしたきっかけで、暴落してしまうのだと思います。
また、上記サイトで月足チャートを一覧すれば、今回の暴落と呼ばれた下げ幅は、まだまだ小さく、本格的な暴落の序曲のように思えます。
カンさんやここに読まれている方たちは、このバブルの今後をどのようにお考えでしょうか?

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Commented by kanconsulting at 2007-03-08 09:36 x

welpalさん
コメントありがとうございます。

今回が底になるのか、まだ今後二番底を形成するのかは、わかりません。ちなみに昨年は、1月と5月で2つの底を形成していました。良く言えば再調整、悪く言えば振り落としです。
ですが、過剰流動性がシュリンクしていく中で、調整が一巡すれば、いったんは落ち着くのだと思います。
「質への逃避」と言っても、良質な投資先はそれほどあるわけではありません。リスクマネーは、まだエマージングを物色するのだと思います。
さて、中国B株は、このブログでは「お勧めしておりません」。A株などは、狂気の沙汰です。中国への投資で意味があるのはH株だけです。くれぐれもご注意ください。

ちなみに、私は今回の調整で、本日まで、「ポジションを全く触っていません」。文字通りのほったらかしです。株安も、円高も、横目で涼しく見ていただけです。「また、ポジションを膨らませた一般投資家が、振り落とされるだろうな」というのが感想です。

このブログでは、何度も繰り返し主張していますが、大事なことなので何度も書きます。

『投資の前に、まず、ファイナンシャル・リテラシーを身につけてください。市場の圧倒的な力から、自分を守る方法は、それしかないのです。』

(終了)

では、調整(急落)にあたっては、どのように対処すれば良いのでしょうか?過去の記事のコメント欄から転載します。

(開始)

「投資の基本と、BRICSへの姿勢 キャリートレードの解消・投売りが一巡するまで調整は続く」

Commented by BRICS投資家 at 2006-06-13 14:00 x

ところで、私は今回のBRICS株調整で胃もキリキリ痛む毎日です。
”今回の投売りが一巡するまでは、続く”なる記述がありますが、ちなみにkanさんはどのぐらいのスパン(一ヶ月?)を考えておられますか。推測でかまいませんので教えていただければ幸いです。

Commented by kanconsulting at 2006-06-13 22:59 x

調整が終了する時期はわかりません。これは、しっかりと場帳をつけて、感覚でつかんでいただくしかないと思います。
胃が痛むということは、ヤラレ玉を抱えていてそれが心理的に耐えられないということですから、ポジションをすべて決済してゼロにする(仕切りなおし)というのも必要なことと思います。

Commented by BRICS投資家 at 2006-06-14 00:24 x

”ポジションをすべて決済してゼロにする”とは、今の私の所有株を適当な値で売却する、損きりということをおっしゃているのでしょうか?

Commented by kanconsulting at 2006-06-14 00:36 x

ご指摘のとおりです。下げのナンピンは、精神的にも資金的にも余裕のある場合にのみ許される相場手法です。いずれかに余裕が無いなら、損切りしかありません。
だから、昔から「満玉張るな」という格言があります。

(終了)

「急落があれば、必ず損切りせよ」と言っているのではありません。非常に簡単に言うと、メンタル面と、資金面の、両方の余力を持って、ポジション操作をしてください、ということなのです。

そのためには、「年に1~2度は、調整があるかも」と考えて、「その時に、どの程度なら耐えられるか」を自問自答することが必要なのです。「調整には耐えられない」と思ったなら、妥当な程度までポジションを落とす(投資額を減らす)ことです。

ファイナンシャル・リテラシーがある「大人の投資家」は、高騰し過熱した相場よりも、下落して落ち着いた相場を好みます。

なぜならば、過熱した相場では
・売らないなら、どこが天井か気になるので、気が休まらない
・一般的には、お祭りになり、距離を置きたくなる
・「洗練された投資家」は、天井で売り抜けることは不可能と知っているので、適当なところで売り抜けて、あとは休憩となる

下落した相場では
・割安なバーゲン品が出るため、「投資の安全域」(ベンジャミン・グレアム)を確保できる
・恐怖心や、過度のリスクを許容できなくなった叩き売りが出る
・つまり、欲しい投資対象を安値で買える、絶好の買い場となる

もっと簡単に言うと、「大人の投資家は、相場が高くなると、売りたくなる。安くなると、買いたくなる」ということです。

ですが、「一般投資家は、相場が高くなると、買いたくなる。安くなると、売りたくなる」というのが、実情ではないでしょうか?その、基本的なところを、根本的に変える事が必要なのです。

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(2)今後のエマージング

あくまで、ご参考に、小職の私見を書いておきます。

上のほうで「過去1年で、上海総合は2.32倍、上海Bは2.25倍、深セン成分は2.34倍、深センBは1.78倍と、急激に株価が上昇しています」と引用しましたが、非常に簡単に書くと、「中国やエマージングの経済成長率が高くても、経済規模が2~3倍になったわけではない。実態を超えたオーバーシュート」なのです。

実態を超えた相場が調整するのは自然なことで、特段に驚くには値しません。

もう一度書きますが、今回が底になるのか、まだ今後二番底を形成するのかは、わかりません。ですが、調整が一巡すれば、実態に見合った相場になり、いったんは落ち着くのだと思います。

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(3)為替と変動感覚

為替についても、過去の記事から転載します。

(開始)

FX(外国為替取引) ドボンしないために

Commented by 高レバ at 2005-12-17 08:21 x

最大限の高レバのせいで、追証・追証、それでも間に合わず最後に強制決済されました。
ドルならまだまし。NZ・豪ドルで運用していた為一瞬でした。
+200万が、-200万へ・・・。自己資金じゃない分、余計いたし。他の評価損益を合計すると1500万は溶けた、地獄の2週間でした・・・。立ち直れん・・・

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キャリートレード通貨に乗っかって、積極的に為替差益ねらいやスワップかせぎをしようとする場合は、次の点に留意する必要があります。

(共通)
・場帳、玉帳をつけて、変動感覚をやしなうこと
・余裕資金で、少しずつ買っていく(売っていく)こと
・恐怖心や射幸心をほどほどにおさえ、冷静に相場を見ること
・押し目でナンピンし、平均値を有利にすること
・一発狙いはお勧めしません

(為替差益ねらい)
・高レバレッジでもかまわないが、その場合は損きりポイントは必ず入れておくこと
・損きりポイントは、購入時より1~2円
・損きりポイントは、絶対に下げないこと
・逆に、損きりポイントを上げて、利益確定ポイントに変更するのは推奨

(スワップ狙い)
・あらかじめ、過去最高の円高がありうるものとしてレバレッジを低めにすること
・多少の相場変動には動じないこと、デイトレードはしない
・計画的ナンピン推奨、利乗せはほどほどに

この中で重要なものを3つあげるとすると
「変動感覚」
「損きりポイント」
「低レバレッジ」
です。

「変動感覚」は、林輝太郎の本などにくわしく掲載されています。小職は、林輝太郎の本を読む前から、
・大きなポジションをいきなり立てるのは心理的にギャンブル性が高く、うまくいかない
・恐怖心を克服するために、小さなポジションを少しずつ立てることが、精神的に楽
・そうすることで、動揺することなく、「上がった」「下がった」を冷静に受け止めることが出来た
・だから、相場が下げても安心して長期投資が出来る
・有利な場面が来れば少しずつ買い増しが出来る
と思っていました。

皆様にも「変動感覚を身につける」ことをお勧めします。

(終了)

(4)では、どうすればいいのか

「では、どのようにすればいいのか?」という質問が来ると思います。それに対しては、小職の答えは一貫しています。

『まず、最優先で、ファイナンシャルリテラシーを磨くこと』です。
ファイナンシャル・リテラシーについては、過去の記事を参照してください。

「ファイナンシャル・リテラシー」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(ファイナンシャル・リテラシー)」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(2)」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(3)」
「投資本の9割はクズ~「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(4)」
「【ご注意】 「国家破産・財政破綻対策」系の情報商材への注意喚起」
「「買いを急がせるものにロクなものはない」 投資には見送りの三振はない ファイナンシャル・リテラシー」
「「近未来通信」営業停止 詐欺的商法の「甘い言葉と派手な広告」とファイナンシャル・リテラシー」

次に、長期投資、世界投資、分散投資について学ぶことです。この「なぜ短期ではなく長期なのか、なぜ日本国内だけではなく世界なのか、なぜ集中ではなく分散なのか」という、「長期・世界・分散」という、3つのキーワードを理解してください。

「経済状況の発展段階説」
「長期国際分散投資とETF ~ なぜ外国株式ETFなのか?」
「投資の基本と、BRICSへの姿勢 キャリートレードの解消・投売りが一巡するまで調整は続く」
「世界分散投資には、上場投資信託(ETF) 海外証券取引所にダイレクトアクセス」
「海外カントリーETFへの投資 PERとPBR」

その次に、株式投資の原理、メリットとデメリットを理解してください。

「株式からのリターンの根源~なぜ株式で資産が殖えるのか?」
「「インフレに勝つ資産運用」とは? 「株式長期投資のすすめ/ジェレミー・シーゲル」に見る」
「バフェットが語る「インフレに勝つ株式投資」 究極のファンダメンタル投資」

「貯蓄から投資へ!」と簡単に言いますが、日本株式はその対象として必ずしも適切ではありません。その理由と対処方法を理解してください。

「日本株式投資の真実」
「会計監査のはらむリスク ~日本市場にひそむ悪」
「誰がカモか? ~日本株は投資か?投機か?」
「国家破産に勝つ株式投資(1) 『ある特別な方法』とは?」
「国家破産に勝つ株式投資(2) 日本株式の3つの投資法」
「国家破産に勝つ株式投資(3) 3つの投資法の特徴」

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。

---

(「変動感覚」についての参考書籍)
以前から紹介しています株式投資の本ですが、基本精神はFXにも通じるものと思います。リンクの張ってあるものは、アマゾンから購入可能です。アマゾンで購入すれば、3000円以上は送料無料です。

(入門)
「株式上達セミナー これで成功は約束された/林輝太郎」
「株式成功の基礎 10億円儲けた人たち/林輝太郎」

(初級)
「あなたも株のプロになれる 成功した男の驚くべき売買記録/立花 義正」
「自立のためにプロが教える株式投資/板垣浩」

(中級)
「うねり取り入門 株のプロへの最短コース/林輝太郎」
「ツナギ売買の実践/林輝太郎」

(上級)
「株式サヤ取り」の参考書籍
「売りのテクニック/林輝太郎」

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。
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by kanconsulting | 2007-03-08 10:47 | 資産保全一般

預金封鎖の実例(1) アルゼンチン

まず、以下のニュースをご覧ください。

(引用開始)

政府は、金融崩壊の恐れがあるとして、国内のすべての銀行を無期限に閉鎖しました。金曜日に中央銀行によって発表されたこの決定は、預金者による取り付け騒ぎを食い止めるのが目的とされます。人々は、給料を現金自動振込機から引き出そうとしても引き出せず、巨大な群衆が銀行を囲むこととなりました。
現地の外務特派員は、金融システムの信用崩壊があり、さらに悪くなる兆候が見られるということです。

預金の引き出しに大して政府が課した制限に対して、預金者の差し止め訴訟が順調に進行していることを受けて、年初以来、金融システムからは総預金のおよそ10%が流出しています。
政府は、現在、預金者の貯蓄を10年ものの国債に強制転換できる法案を可決しようとしています。(以下略)

(囲み部分)『月末まで5000円程度しかないので、食費を切り詰めようと思っています。(とある銀行員)』

BBCニュース 翻訳はkanconsultingによるものです

(引用終了)

これは、アルゼンチンの2002年のニュースです。わずか5年前のことなのです。

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アルゼンチンの通貨であるペソ(ARS)は、現在は1ペソ=40円程度です。昔は、1ペソ=1ドルのドルペグ(ドルに対する固定相場)でしたが、デフォルトを起こしたため、ドルに対して大幅なペソ安となり、通貨の減価が起こりました。下のグラフは、最近5年間のペソ-円レートです。

a0037933_1022599.jpg



---

さて、これは「地球の反対側の出来事」なのでしょうか?「アルゼンチンと日本は違うよ。日本は世界二位の金融大国で、世界一位の対外債権国だよ。」と言われますか?

逆に、このニュースを見て「昭和21年の預金封鎖と同じだ」と思われた方もおられるのではないでしょうか?また、『政府は、現在、預金者の貯蓄を10年ものの国債に強制転換できる法案を可決しようとしています』というくだりをみて、他人事ではないと思われた方もおられるのではないでしょうか?

大事なことなので、よく考えてください。

「世界最大の債権国」の意味については、別途エントリーにて述べたいと思います。

---

記事原文

Argentina has closed all the country's banks indefinitely amid fears of a financial collapse. The move, announced by the Argentine central bank on Friday, is aimed at stemming a rush by savers to withdraw funds which could break overstretched commercial banks. Huge crowds gathered outside banks as people tried to cash their salary cheques and get money from automated teller machines. The BBC correspondent in Sao Paulo says there is a total loss of confidence in the system and the signs are that the situation will get even worse. Argentina's banking system has lost about 10% of its total deposits since the start of the year, with many savers launching successful court challenges against government-imposed restrictions on withdrawals. The government is now hoping to pass a bill that would convert most depositors' savings into 10-year bonds.

"I have 12 pesos to last until the end of the month - I probably won't eat much today" Bank customer Maximiliano Lopez
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by kanconsulting | 2007-02-12 10:31 | 資産保全一般

海外送金規制強化へ 1日300万円以上の海外送金は実質上禁止? 逃げ道はふさがれる??

首記の件につき、日本国財政破綻Safety Netの記事を引用します。

(引用開始)

439.日本国は財政破綻前夜なのかもしれない

都銀地銀ともに1月1日から実質的に行政指導で300万円以上の送金ができないようです。(中略)

300万円超の海外送金が出来ないというのは、マスコミには出ていません。もし、ひっそりと財務本省の課長通達などが流れていたとしたら、これは大きな問題をはらんでいます。

(中略)日本政府が個人の海外送金を事実上抑えてしまったということは、日本国財政破綻は我々の予想より早いのかもしれません。何年か前から、富裕層と政治家や中央官僚など政府の内情に精通する人々は、資産防衛をすでに終えたのではないか、という情報がまことしやかに飛び交っていました。2007年1月から日本国政府がこのような措置に踏み切ったということは、2006年末までに、政府当局者の資産防衛は全て終わったと考えてもおかしくありません。

(引用終了)

分かる範囲で調べてみました。

東京三菱UFJ 1日当たり200万円相当額以下かつ月間の送金累計額500万円相当額以下
・三井住友 不明(インターネットバンキングでは不可、店頭扱いのみ)
・りそな 不明(インターネットバンキングでは不可、外国為替取扱支店店頭扱いのみ)
・シティバンク(インターネットバンキング) 1日300万円まで(海外送金は1日1回、1回あたり300万円まで)*

*シティバンクは、以前よりこの上限です。月間総量規制は確認できませんでした。

継続して調査します。
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by kanconsulting | 2007-01-11 00:18 | 資産保全一般

格差社会とその対策 資本の自己増殖と給与の上方硬直化 長期グローバル投資を(2)

「格差社会とその対策 資本の自己増殖と給与の上方硬直化 長期グローバル投資を(1)」の続きです。

来るべき格差社会への本質的な対応策として、

・一言で言うと、「資本を持つこと」です。毎月の所得のうちから、こつこつと、株式投資を積み立てることです。
・成長する国・地域・会社への長期グローバル投資、これが、「気休めではない、本質的な、格差社会への対応策」なのです。

と述べました。

以下のニュースも参考にご覧ください。

(引用開始)

◇「小さな政府」止めよ--ノーベル賞受賞経済学者、ジョセフ・スティグリッツ氏

技術革新によって、高い技術を持った熟練労働者の需要が増えている。一方で非熟練労働者は途上国との賃下げ競争にもさらされ暮らしは苦しい。こうした格差拡大をもたらす状況が世界的にある中、政府が取るべき対策はセーフティーネットの整備や教育の充実、より多くの公共サービスを提供することだ。しかし、米国や日本の「小さな政府」政策は全く逆のことをしてきた。
規制には必要な分野もある。不適切な分野、間違ったスピードで規制を緩和してはならない。私が参加したクリントン政権の経済諮問委員会では、社会にとって最善の規制とは何かを考え、多くの規制を撤廃する一方で、新しい規制も加えた。米国民への影響や、生じる格差に大きな関心を抱いていた。しかし、米国が日本へ迫った規制緩和は、米国企業の成功のためであり、日本のためではなかった。

日本は、格差拡大の結果を認識し、格差に対処する政策を採用すべきだ。小さな政府というイデオロギーが良い経済政策を生まないことを認識する必要がある。日本経済全体からすれば、郵政民営化は小さな問題だ。はるかに重要な問題がたくさんある。
格差が経済成長につながらないことは、日本を含む東アジアの過去の成功が示している。格差が少なく、平等な教育が行われ、人的資本がたくみに使われたからだ。
私に言わせれば、米国経済は好調ではない。ただ一つ高い国内総生産(GDP)も悪い指標だ。たいていの人が貧しくなったとしても、GDPは上昇しうる。より重要な指標は人々の生活だ。一握りの富裕層がますます金持ちになり、中間層が貧しくなっていく米国の現実は、今後日本でも起こりかねない。
国民は「小さな政府」政策が、自分たちをより不安定にすることに気づき、その流れを止めるしかない。

毎日新聞 2006年7月24日 東京朝刊

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02年夏、人材派遣会社を通じ、都内の大手電機メーカーのグループ会社に派遣された。グループ会社の担当者には「派遣の身分は明かすな」と口止めされたうえ、同社の「正社員」として神奈川県にあるメーカー本体の工場に「出向」させられた。
職業安定法で禁止される多重派遣。ピンハネが横行し、管理責任も不明確になる。
仕事は業務用パソコンのクレーム処理。利用者の苦情や問い合わせをまとめ、修理・交換作業を手配する。メール100本、電話30本を処理した日もある。
朝は7時から「サービス早出」し、夜は10時ごろまで残業。疲れ切って帰宅した後も、顧客に謝り続ける自分の姿を夢に見た。
現場の上司に「1人ではとても無理」と訴えると、「頑張ってくれ。あなたは人件費が月90万円の課長級の待遇で来てもらっているから」と初めて聞かされた。
派遣会社から支払われる給与は手取りで月20万円を切るグループ会社と派遣会社から法外な額をピンハネされていることが分かった。それでも解雇を恐れ、身分を伏せて働き続けた。
出向契約は、仕事が一段落した04年夏に切れた。公共職業安定所で、派遣社員は会社の都合による退職でも失業保険の給付条件が厳しいことを知った。求人内容とかけ離れた仕事の実態を相談した時も「1年も働いていれば同意したとみなされる」と言われた。
「このままの状態を続けたらまともな人生は送れない」。

毎日新聞 2006年2月28日 東京朝刊

(引用終了)

「では、成長する国・地域・会社への長期グローバル投資をどのようにすれば?」という質問が来ると思います。それに対しては、小職の答えは一貫しています。

『まず、最優先で、ファイナンシャルリテラシーを磨くこと』です。
ファイナンシャル・リテラシーについては、過去の記事を参照してください。

「ファイナンシャル・リテラシー」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(ファイナンシャル・リテラシー)」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(2)」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(3)」
「投資本の9割はクズ~「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(4)」
「【ご注意】 「国家破産・財政破綻対策」系の情報商材への注意喚起」
「「買いを急がせるものにロクなものはない」 投資には見送りの三振はない ファイナンシャル・リテラシー」
「「近未来通信」営業停止 詐欺的商法の「甘い言葉と派手な広告」とファイナンシャル・リテラシー」

次に、長期投資、世界投資、分散投資について学ぶことです。この「なぜ短期ではなく長期なのか、なぜ日本国内だけではなく世界なのか、なぜ集中ではなく分散なのか」という、「長期・世界・分散」という、3つのキーワードを理解してください。

「経済状況の発展段階説」
「長期国際分散投資とETF ~ なぜ外国株式ETFなのか?」
「投資の基本と、BRICSへの姿勢 キャリートレードの解消・投売りが一巡するまで調整は続く」
「世界分散投資には、上場投資信託(ETF) 海外証券取引所にダイレクトアクセス」
「海外カントリーETFへの投資 PERとPBR」

その次に、株式投資の原理、メリットとデメリットを理解してください。

「株式からのリターンの根源~なぜ株式で資産が殖えるのか?」
「「インフレに勝つ資産運用」とは? 「株式長期投資のすすめ/ジェレミー・シーゲル」に見る」
「バフェットが語る「インフレに勝つ株式投資」 究極のファンダメンタル投資」

「貯蓄から投資へ!」と簡単に言いますが、日本株式はその対象として必ずしも適切ではありません。その理由と対処方法を理解してください。

「日本株式投資の真実」
「会計監査のはらむリスク ~日本市場にひそむ悪」
「誰がカモか? ~日本株は投資か?投機か?」
「国家破産に勝つ株式投資(1) 『ある特別な方法』とは?」
「国家破産に勝つ株式投資(2) 日本株式の3つの投資法」
「国家破産に勝つ株式投資(3) 3つの投資法の特徴」

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「格差社会と、国家財政破綻は、どのような関係があるのか?」については、簡単に言うと、「格差社会は、少子高齢化とあいまって、日本全体の経済成長力・担税力を損なうため、国家財政破綻のリスクを高める。財政破綻にならなくても、増える低所得者層にとっては、実質的なハイパーインフレにも似た過酷な国家となる」ということです。詳しくは別の記事で述べたいと思います。
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by kanconsulting | 2006-12-26 23:31 | 資産保全一般