<   2005年 09月 ( 16 )   > この月の画像一覧

読者様のメールの転載(5)

読者様からの、ご質問のメールの続きです。関心をもたれている方が多いと思いますので、ブログ上にて記事にさせていただきます。

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> 1.2007年の憲法改正を境に、国家経済を一旦破綻させると同時に、急速な戦時国家体制をひくのではないか。KANさんのご意見をうかがいたく思います。

確かに未来の法制度はどうなるかわかりませんし、自民党の安定多数獲得により多少無謀な法案でも通過させることが出来る状況にあるのは事実です。ですが、ご指摘の制度実現のためには、現行の法制度ではかなり難しいですので、該当する法制度を実現させる必要があります。「可能性が無いとは言えない」と思いますが、「確実だ」とも思いません。

「2007年に財政を破綻させる」については、私の考えでは「政府自らデフォルト宣言をするのはまだ早い。社会的コストを考え、誰が見てもダメになるまで先延ばしをするのではないか」と思っています。

ですが、そういった可能性を考え、対策を立てておく必要性に関しては、同意いたします。

> 2.もしそうである場合、 どのような資産管理のためのポートフォリオが考えられるかということです。

円安やインフレに対応するためであれば、基本的には、外貨建て資産と現物資産で十分です。それ以上の動乱、財産没収などを想定するなら、日本国政府の管理下ではない国・地域にストックを移す作業になります。このあたりは「オフショア編」のご案内をご覧ください。

> ヘッジのかけ方が決まらないと、どんなに情報をもらったところで、金を動かせないわけですので、

ロシアやアルゼンチンの例を踏まえると、破綻があっても(無くても)資産の減少を最小限に食い止めるような保全方法が可能です。それが「アセット・ミックス」です。具体的には、

①円資産
②外貨建て定期預金、MMFなどの短期金利商品、長期債券 ・・・円安リスクヘッジ
③外貨建て株式、ETF、ファンド ・・・インフレヘッジ
④現物・貴金属 ・・・インフレヘッジ、経済危機対策
⑤外貨建てヘッジファンド ・・・おまけ

を、適当なバランスでポートフォリオに組み入れるということです。小職はファイナンシャルプランナーではありませんので、このようなご相談を個別にお受けすることは出来ません。あくまで一般的な話としてご理解ください。

また、資産は保全できても、暮らしそのものを保全することは不可能です。アルゼンチンの例では、ATMが停止し、銀行は両替をストップ、限られたドル紙幣が実質通貨となり、物々交換マーケットが多数成立しました。つまり、いくら株を持っていても仕方の無い状態になったのです。また、財政上の問題以外にも、万が一の有事、たとえば、スマトラ沖地震(日本は地震国です)、カトリーナ水害(台風天国でもあります)、原理主義テロ(日本にも潜伏しています)と同じようなケースを想定する必要がありますね。

映画「戦場のピアニスト」をご覧になりましたか?主人公の母国ポーランドがナチスドイツによって事実上消滅し、持っていたありったけのポーランド通貨「ズロチ」でも、一切れのキャラメルすら買えなかったというシーンがあります。

財政破綻は、戦争で国が消滅することとは全く事情が異なります。かつての超大国ロシア、かつての富裕国アルゼンチン、ニュージーランド、IMFが乗り込んで財閥が解体された韓国、タイなどのアジア通貨危機でも、そこまでの悲惨な事態にはならなかったのです。
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by kanconsulting | 2005-09-28 23:33 | Q&A

読者様のメールの転載(4)

読者様から、ご質問のメールを頂きました。関心をもたれている方が多いと思いますので、ブログ上にて記事にさせていただきます。

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>ところで、いくつかご質問があります。もし、差し支えなければ教えていただけますと幸いです。

>1.KANさんは預金封鎖が起こるのをいつ頃と予測されていますか?

最近は、いわゆる預金封鎖が起こる可能性は低いのではないかと思っています。それは、預金封鎖には大きな社会的コストが発生するために、それを上回るメリットが無い限り、簡単には実行できないだろうということです。

もしあるとすれば、戦乱・テロ、大災害などに伴うものでしょう。預金封鎖ではないですが、アメリカもNYテロの際に株式市場を1週間クローズしました。

国家破綻自体の時期は、専門家の間でも意見の分かれるところです。陰謀論などを離れて冷静にデータを検証しても、いつ破綻するのかよく分からないのです。物理的に国公債の元利払いが不可能になるには、あと20年は必要とする意見もあります。

経済動向・将来予測は非常に難しいです。危機感をあおるだけの破綻本は証拠が少ないですので基本的にはあまり参考にならないと思っています。

>2.KANさんのプログで紹介されている浅井氏の書籍などを購入しましたが、MAN社のファンドは長期保全の場合、安全性が高いのでしょうか。

小職のブログやホームページでは、浅井本は紹介しておりません。アマゾンの自動広告で表示されたのかも知れません。
さて、MAN社のファンの安全性は、他のヘッジファンドより多少信用できるという程度かと思います。そもそもヘッジファンドは、株式投資などと比べて、投資リスクが最高レベルに位置づけられます。海外投資に慣れた、リスクを許容できる投資家が投資すべきと考えられています。
比較的安全な外貨建てファンドとしては、たとえば債券ファンドがありますね。この場合は金利上昇や債券発行元のデフォルトには対抗できません。

ヘッジファンドについては、メインページの「ヘッジファンド編」を参照ください。

>3.浅井氏のいう外貨建ての場合、NZドルも視野に入れたほうがよいという理由が今ひとつ納得行きませんでした。KANさんは、外貨建て及び金保有について、外貨の分散及び金保有のあり方に関するリスクとメリットについて教えていただけましたら幸いです。

確かに、NZドルは通貨分散の対象としては、ウェイトを置くべきではないですね。マーケットが小さいことと、通貨としての厚みが不足していることによります。オセアニア系の通貨であれば、オーストラリアドルを優先するほうがいいでしょうね。オーストラリアドルも、あくまで「おかず」程度に考えるべきです。

通貨分散は、USドル、ユーロを基本として、補助的にヨーロッパマイナー通貨(イギリスポンド・スイスフラン)、オセアニア系通貨(オーストラリアドル)に分散するのが普通ですね。

分散した通貨で株式投資をしようと考える場合、USドルが圧倒的に有利です。ユーロなどでもできなくはないのですが、ヨーロッパ系の証券会社を使うことになるなど制限があります。逆に、スイスの銀行などで証券投資をされる場合には、ユーロ・スイスフランをメインにされてもいいかと思います。

>4.今の時期に不動産購入へ動くのが適切なのかどうかという点です。
   
「資産価値があるかどうか、つまり、毎月の家賃収入などのカタチで、お金を生み出してくれるかどうか」を基準に、資産と負債とをリストアップされることをお勧めします。意外と資産が無いことに気づかれると思います。

普通に考えますと、土地や家は資産のような気がしますが、自分が住んでいるなら家賃収入はありませんし、逆に固定資産税で持ち出しとなります。農地の場合は、ご自分が農業労働を厭わないなら、いい選択なのかもしれません。

固定資産税を考えた場合、土地の評価額の5%を超える収益を上げると言うのは、簡単なようで難しいかもしれません。課税基準となる土地の評価額も、マーケットの価格と連動しているわけではなく、税務署の意向も汲んで決まっているようです。

>5.デフレはいつまで続くと予想されますか。原油高でインフレ懸念が見え始め、増税のこともあり、今年もしくは今年度までがぎりぎりのデフレ期かと思っています。

デフレにもインフレにも複数の原因があり、簡単に「デフレだ」「インフレだ」と割り切れないのですが、簡単に言いますと、「需要が増えることで商品価格が高くなるインフレ」期を迎えていると認識しています。

>6.SONYについて、客観的にどう思われますか?株が現在安いわけですが、今購入する方がいいのかどうか悩みます。SONYは確かにブランド力のある大企業であり、SONYの生産拠点が倒産する時は日本がほとんど駄目になっているときだろうと思いますが、どのようにお考えなのか、ご意見をお聞かせください。
  
ソニーについては、確かに日本を代表する大企業ですが、将来性という意味で考えると、よく言えば成熟企業、逆に言えば大きな成長は見込めないと思います。1970年代のソニーのような「成長余力」は小さいと考えます。数値的には、PERが20倍以上と割高感がある上に、今後もROEが4~6%、ROAが1~2%と低い値が予想されます。

ソニーに関しては、巨大企業で技術力もありますが、資産を生かしきれておらず、収益性も低いという点にM&Aのウマミがあるかもしれません。日本の企業は概してPBRが低いですので、特に株式交換による買収は比較的簡単なのではないでしょうか。

ただ、外資に買われたニッサン、新生銀行などを見る限り、それなりに生まれ変わっているようですので、従業員から見た場合はともかく、株主にとっては一概に悪いことだらけとは言えないのかもしれません。

※ROEの意味については、前回のエントリーを参照ください。

>7.SONY株を購入して、SONYが外資にM&Aされた場合、SONYの株券はパーになるのでしょうか?事例と過程を教えてください。

M&Aで有る限り、お持ちの株式は少し良い条件で買い取られるか、買収企業の株式と交換になります。いずれにしても、被買収企業株主の了解を得るために、良い条件が提示されます。無価値になることはありません。
  
>8.ある●●の人と話をしていて、財政破綻待望論があり、それを意図的に流しているだけという謀略説を聞きました。それで、財政破綻をしても、国民が食べられなくなるようなことにはならないのでは。。。。と言われました。危機を謀略としてあおっているだけでは。。。。と

国家破綻謀略説も、確かに仮説として成り立ちます。市販の破綻本を読んで根拠の薄さにそう思う人がいても仕方ないですね。また、いったんクラッシュさせてそこを安く買い叩きたい勢力がいるかも知れないですね。

ロシア・アルゼンチン型の財政破綻、アジア通貨危機などを見ますと、経済の混乱は2~3年は続くようです。ただし、文字通り食べられなくなって大勢の餓死者が出るといった事態ではなかったようですね。

ただし、為替レートの変動による購買力減少、資産の含み益減少により、生活レベルが落ちることは避けられないようです。

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by kanconsulting | 2005-09-25 22:00 | Q&A

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by kanconsulting | 2005-09-25 07:21

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by kanconsulting | 2005-09-24 02:04 | 資産保全一般

資産保全の本当の意味

今回のエントリーは、このブログの究極のテーマである「国家破綻に勝つ資産保全」の中核をなす暗黙の智慧です。この内容は、破綻本では決して語られることの無い、簡潔だが奥深い内容だと考えています。もし皆様がこの内容を理解されたら、どんな時代のどんな社会情勢であっても、たくましく生き抜くことが可能であると思います。

今回のエントリーは、これが有用な方には、1万円以上の価値があると思います。10万円かもしれませんし、100万円かもしれません。ですが、小職はこの記事を無料で公開します。「国家破綻に勝つ資産保全」に必要なファイナンシャル・リテラシーを、広く皆様にも知っていただきたいからです。

では、本題です。

皆さんは、「資産とは何か」をご存知ですか?







(考えてください)







「資産とは何か」を正しく知ることは、「ファイナンシャル・リテラシー」の重要な部分です。そして、「ファイナンシャル・リテラシー」は、誤解を恐れずに述べるなら、投資と会計についての知見です。

資産とは、あなたに(継続して)お金をもたらしてくれるモノです。
具体的には、
株式     ・・・配当
債券     ・・・利子
賃貸不動産 ・・・家賃収入
特許     ・・・特許使用料
著作物    ・・・印税
などなど

いずれも、「あなたの代わりに資産が働いて、あなたにキャッシュを提供してくれる」のです。

株式の場合は、配当以外にも、税引利益も本来は株式所有者のものです。ですが、ここではキャッシュフローとして現れるのが配当であるという意味で使っています。

持ち家は、あなたにキャッシュフローをもたらしませんので、資産ではありません。

ウォーレン・バフェットはこう言います。
「あなたにキャッシュをもたらしてくれる機械を、安く買いなさい。」
ここでの「機械」は、紙幣輪転機や貨幣製造機ではありませんが、あたかもそういった機械のようにキャッシュを還元してくれる会社の株式(経営権)を、安くで買いなさいと言っているのです。

資産の本当の意味を理解されたら、次のステップに進むことが出来ます。逆に、このような意味を理解されないのに、株式投資におけるROEなどを議論しても、意味が無いことなのです。







(理解された方は、下をお読みください。理解できない方は、もう一度、はじめに戻ってください。それでも理解しにくい場合は、このブログの昔の記事にも一通り目を通してください。紹介している参考文献も、読んでみてください。)







皆さんは、「資産保全の本当の意味」をご存知ですか?

小職が提唱する「資産保全の本当の意味」とは、増税とインフレが進行するスピードより速く、資産を殖やすことです。海外銀行を使ったりするのは、それはそれで重要ですが、どちらかというとノウハウやテクニックに過ぎません。

実は、「資産保全」にとっての障害は、国家破綻そのものではありません。国家破綻を名目に、国やその他大勢が、あなたから「増税」「インフレ」で資産をむしりとることなのです。そして、増税とインフレそのものの影響を完全に回避することは不可能です。

この2つの大きな敵は、現在の破綻に瀕した日本のみに限らず、資本主義経済のすべての国・すべての時代において、存在します。

この2つの障害のウラには、「3つめの障害」があります。それは、あなた自身の心の持ちようです。

・お金が現実だと思っていませんか?お金は約束事によって成り立つ虚構です。
・持っているお金を失いたくないという恐怖にとらわれていませんか?もともと失うものはありません。
・お金のために働いていませんか?お金を働かせるのです。
・長期的視野で、消費と投資を峻別できていますか?投資をしない人は、「できない」のではなく「しない」のです。

このような心の持ちようを解決しない限り、国家破綻があるかどうかに関係なく、本当の意味での「資産保全」はできません。逆に言いますと、国家破綻があったとして、パニックになる人から、本当に破綻していくのだと思います。

(まとめ)
・「国家破綻に勝つ資産保全」の本当の意味は、増税とインフレが進行するスピードより速く、「本当の資産」を殖やすことです。
・そのためには、まず、会計と投資について学ぶことが必要条件です。(参考となる書籍は、ホームページ別ブログにて紹介しています。)
・一日も早く、正しい投資に踏み出してください。
・あわせて、自分の心の中のお金に対するメンタルな部分を鍛えることが必要です。

簡単ですが、勘の良い方なら、察していただけると思います。

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by kanconsulting | 2005-09-19 02:45 | 資産保全一般

日本の財政状況がディスクローズされてきます

今年になってから、日本の財政状況を懸念する声が、メディアにも出てきています。それ以前は、いわゆる「異端」扱いだったことを忘れてはいけません。ニュースというものは、大きくは、ある一定の意図を持って流されるものです。政治・経済に関連するニュースを聞いたら、「それはなぜ報道されているのだろう」「どこまで本当なのだろうか」「別の側面はないのだろうか」などと疑う姿勢が必要と思います。

日本国財政破綻セーフティーネットには、次のように記載されています。

(引用開始)
244.早くも増税の話が
(中略)
同じく9面に追い打ちをかけるような記事があります。「来年1月にも、社会保障財源の不足分などを埋める本格増税のシナリオの検討に入る段取りを描く」「消費税には低所得者の負担が重いという問題がある。不公平感を少なくするため、高所得者・資産家への、所得・資産課税の強化を検討する動きがでてきそうだ」

これは、大阪朝日が何を根拠に書いているのか、政府税調のメンバーの誰かが意図的にリークしたのか、真偽のほどはわかりません。(略)
(引用終了)

日本国財政破綻セーフティーネットの管理人さんが指摘しているように、「政府税調のメンバーの誰かが意図的にリークした可能性もある」ですね。アドバルーンを上げて世論の反応を見る、これは常套手段です。そして、特に反論が見られなければ、既成事実化してしまうのです。

そして、これからは、「日本の財政が厳しいのだから、増税はやむなし」「外国と比較しても、日本の税金は安いのだから、増税はやむなし」という論調のニュースなどが増えてくることと予想しています。もちろん、それもアドバルーンです。

おそらく、今後2年間に、内閣は「国民の信認を受けた」として、増税への足固めをすることでしょう。

小職は、増税よりも前に、
・特別会計の見直し、政府・特殊法人などの連結決算
・国家会計の複式簿記による正確な開示
・歳出の徹底した削減
が必要と主張します。

以下、関連したニュースを転載します。

(引用開始)
谷垣禎一財務相は13日の閣議後記者会見で、税率引き上げを含めた消費税見直しに関し「(実施するとしても)2007年度にすぐというわけではない」と述べ、07年度の税制改正で議論を整理した上で、実際の増税時期は慎重に判断するとの認識を示した。
小泉純一郎首相も今回の総選挙で消費税引き上げについて「07年度は早いと思う」と指摘、08年3月までの税率引き上げ実施には否定的な見解を明らかにしていた。
財務相は所得税、住民税の定率減税存廃については「流れはそういう(廃止の)方向にある」とし、景気動向に留意が必要としながらも全廃が基本方針との認識を示した。
(引用終了:2005年09月13日火曜日 河北新報

(引用開始)
増加する国の借金と財政改革 2005年9月15日

衆院選でも各党の公約にあがった歳出改革。歳出削減が現実にどう進んでいくかはその後の増税に影響する為、私達国民は国の借金や歳出の使い方について、選挙後も関心を持つべき項目となります。

■ 主要先進国の中で最悪の水準
連年の借金でわが国の借金の残高は年々増加しており、国債残高は2005年度末で538兆円。これは一般会計税収(約44兆円)の12年分に相当し、総人口で割ると国民一人あたり約422万円の借金をしていることになります。
わが国の借金の状況(債務残高の対GDP比)を他の主要先進国と比べてみると、他の
主要先進国は着実に財政の健全化を進めた結果、横ばい、あるいは減少する傾向にありますが、日本は急速に悪化してきています。(下図参照)
2005年で170%とわが国の財政状況は主要先進国の中でも最悪の水準となっているのです。

債務残高の国際比較(対GDP比)
暦年 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
日本 64.8 68.7 74.9 79.7 87.1 93.9 100.3 112.2
米国 71.3 73.7 75.4 74.6 74.2 73.4 70.9 67.7
英国 33.6 39.8 49.6 47.8 52.7 52.6 53.2 53.8
ドイツ 38.8 41.8 47.4 47.9 57.1 60.3 61.8 63.2
フランス 40.3 44.7 51.6 55.3 63.9 67.5 69.4 71.1
イタリア 116.5 126 127.9 134.4 133.5 135.7 133 133.4
カナダ 82.1 89.9 96.9 98.2 100.8 100.3 96.2 93.9

暦年 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
日本 125.7 134.1 142.3 149.3 157.5 163.5 170
米国 64.1 58.2 57.9 60.2 62.5 63.5 64.9
英国 48.8 45.9 41.2 41.5 42 43.4 44.9
ドイツ 61.6 60.9 60.5 62.9 65.1 67 68.6
フランス 67.3 66.2 64.9 68.7 71.2 74 76.2
イタリア 128.4 124.5 122 121.5 120.9 120 119.5
カナダ 89.5 81.8 81 77.7 73.3 70.6 67.2

(注)計数はSNAベース 一般政府。
出典OECD/エコノミックアウトルック(76号(2004年12月))。

■ 期待される特別会計の改革
衆院選のマニフェスト(政権公約)では与野党が特別会計改革を財政構造改革の柱に据えました。特別会計の歳出総額は05年度予算で約412兆円と一般会計の約5倍。特会間のやり取りなど重複計上を除いても205兆円に上ります。
「母屋でおかゆをすすっているのに、離れですき焼きを食っている」。政界を引退した塩川氏が財務相時代、こんな例え話をしたことがありました。国の一般会計は財務省主計局の厳格な査定があり、各省庁が予算の増額を求めても簡単に認められないし、最近は削られることの方が多い。ところが、特別会計は独自財源を抱え、ある種の独立採算が成り立つため主計局も査定に力を入れず、事実上各省庁任せの状態が続いていました。
2006年度予算編成で、特別会計の改革が焦点に浮上し、衆院選に向けて自民、民主両党が特会の抜本改革を打ち出したのを受け、省庁の中には要求を今年度よりも減らすなど選挙後の歳出改革の加速をにらんだ動きもあります。財務省は抜本改革に乗り出す構えだが、所管省庁や族議員の抵抗が強いだけに厳しいせめぎ合いが予想されます。
歳出削減がかけ声に終わればスリム化なき増税に流れる危うさもはらんでいます。
選挙後も一国民として、経過を見守りたいと思います。
(引用終了 MSNマネープランのコラム
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by kanconsulting | 2005-09-19 01:21 | 経済状況

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by kanconsulting | 2005-09-17 23:19

国家破綻に勝つ資産保全~概念図

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本日は、昨年よりずっと述べてきました「国家破綻の可能性に対処するために、どのように資産保全を行えばよいか」というスキームについて、概念図を使って説明します。

※「国家破綻に勝つ資産保全」は、2004/7に、小職が最初に用いた表現です。無断引用を禁止します。

資金の流れを大きく分けると、日本国内部門と、海外部門です。そのゲートウェイとして、CITIBANK N.A. Japan(シティバンク日本支店)を使います。海外送金・受け取りに最も便利なためです。

外貨両替には、証券会社のMMFと、外国為替業者を使います。いずれも、「外貨のままシティバンクに送金できること」が必要条件です。もちろん、シティバンクを通さずにそのまま外国送金でもかまいません。

なお、外国為替業者を使った資産運用の一例として「KANカレンシーファンド」を、別ブログにて公開していますので、参考にされてください。

日本の証券会社からも、外国株や外国ファンドへの投資は一応可能ですが、銘柄などに制限が多く、ETFのほとんどが購入できないなど、自由度は低いです。

海外部門では、海外銀行を中継点として、海外証券会社、海外ヘッジファンドと送受金ネットワークを作ります。海外銀行から日本に資金を戻す場合には、シティバンクへ送金でもかまいませんが、VISAカードなどの決済機能を使うことも出来ます。

海外銀行を使うテクニックは「国家破綻に勝つ資産保全 オフショア編」
海外ヘッジファンドへの投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ヘッジファンド編」
海外証券会社を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ETF編」(現在作成中)
を参照ください。

なお、海外証券会社を使った資産運用の一例として「KANエマージングファンド」を、別ブログにて公開していますので、参考にされてください。
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by kanconsulting | 2005-09-16 23:27 | 資産保全一般

円資産のリスク回避を検討してください

皆様ご存知のように、衆議院選で自民党が安定多数を獲得しました。これは、通常の法律であれば、衆議院のみで法案を成立させることが出来ることを意味します。

つまり、国家財政問題の解決についても、その他の法案についても、与党の考え次第でどうにでもなる、ということです。小職は、国家性悪説をとっています。誰かが厳しく監視しない限り、国家システムは自己目的化して肥大すると考えています。そして、国家システムの維持のために、異常ともいえる手段をとる可能性すらあります。

特に、海外送金規制は、反テロ・反マネロンという大義名分がありますので、やりやすいですね。これで、海外への送金に合理的理由がない一般市民のキャピタルフライトを実質上防止することが出来ます。

外国市場は、「改革が進む=規制緩和が進んで投資がやりやすくなるとともに、郵貯マネーがリスク市場に流れ込む」と解釈しています。ですので、基本的には「ここ2~3年くらいは、日本株は買い。郵貯マネーを巻き込み、最後は売り逃げる。」と思っているのではないでしょうか。

小職は、「財政破綻する可能性がある国の株式でトレードするのは、タイタニックの上でポーカーゲームに興じているようなもの。そういった遊びは、逃げる船を持っている人だけに許される」と指摘します。

私たち一般市民は、海外送金規制が厳しくなる前に、海外投資をスタートさせるのが得策ではないでしょうか。もし規制がなくても、海外株式投資は基本的に日本株式よりも期待リターンが大きいですし、グローバル経済の勉強にもなります。

私たち一般市民は、「国家の興隆と没落」という大きな流れに逆らうことはできないと考えています。ですが、生き延びればこそ明日もあるのだと思っています。

そのために必要なのは
・地域による自助努力ネットワーク
・自給による食料確保
・自警による安全確保
・備蓄や自家発電によるエネルギーの確保
・信頼できる人物からの情報の確保
・復興後に必要となる資産を保全すること
です。
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by kanconsulting | 2005-09-14 01:25 | キャピタルフライト

株式からのリターンの根源~なぜ株式で資産が殖えるのか?

Q なぜ株式(長期株式投資)で資産が殖えるのでしょうか?

皆様は、上の質問に答えることができるでしょうか?

「良い株は、多くの人が買って値が上がるから」「安く買って高く売ることができれば儲かるから」などは、本質をついた答えではありません。

株式は、短期的にはランダムに値動きするものかもしれませんが、長期的にはそうではありません。株式とは、その会社の経営権の切り売りであり、その会社の上げえた利益の分け前にあずかる権利だからです。

株式からのリターンは、その会社の上げる利益が価値の究極の源泉です。ですので、長期的には、株式からのリターンは、ROEに近くなります。

もう少し詳しく説明すると、

株式からの期待リターン=配当利回り+ROE*(1-配当性向)
(実質株式期待リターン=配当利回り+ROE*(1-配当性向)-インフレ率)

です。

ROE:株主利益率、税引利益が自己資本の何倍か
ROE=(税引利益/売上高)×(売上高/総資本)×(総資本/自己資本)

バフェットは「ROEが高く、株主資本が増加している株に、長期投資する」ことを勧めています。今後も継続してROEが高い株式や、今後ROEが高くなる株式に長期投資することは、十分すぎる意味があるといえるでしょうね。

---

また、リスクプレミアムという観点からは、次のような解釈も可能です。

株式からの期待リターン=短期金利+株式リスクプレミアム

a0037933_0495566.jpg

グラフ 日本とアメリカの株式リスクプレミアム(60ヶ月移動平均、月次リターン)



以下のヒストリカルデータをご覧ください。

<1975~99年のヒストリカル分析>
(1)短期金利からの国内株式の超過リターン
25年平均3.91%
10年平均 78~87年12.07%→90~99年-6.94%
(2)短期金利からの米国株式の超過リターン(~99年) :
10年平均14.05%
20年平均11.02%
40年平均4.50%
(3)ROEの水準:
日本 78年10.2%→98年0.9%
米国 78年14.5%→99年18.9%

多少の数字の違いはありますが、おおむね、株式リスクプレミアムとROEが対応していることが分かります。

以上より、
・株式リスクプレミアムとROEとの長期的傾向は対応しています。
・株式リスクプレミアムとROEは、両者とも低下傾向にあります。
・ROEと超過リターンの最近の傾向からは、アメリカ株式市場のリスクプレミアムは3.0~5.0%程度と予想

ただし、アメリカにおける株式リスクプレミアムの妥当な水準については諸説があり、決着が付いていません。
・4%程度(Ibbotson&Chen)
・(現在5%程度だが)今後は低下して2~3%になる(Siegel)
・0.5%程度(Mehra&Prescot)
・ゼロ、場合によってはマイナス(Arnott&Bernstein)

小職は、Arnott&Bernstの意見である「株式が債券に比べて大きなリターンを達成するには、きわめて高い経済成長や、企業の利益成長が必要だ」に同意します。そして、そのような「きわめて高い経済成長と企業の利益成長」は、エマージング諸国にて達成されるだろうと考えます。

(参考:ニッセイ基礎研究所 「株式リスクプレミアムは低下したか?」2003/7 図もここから引用)

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by kanconsulting | 2005-09-14 00:23 | 経済状況