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株式売り出し1兆円 「銀行等保有株式取得機構」などが主体 株価下落圧力 意思決定は公正・独立か?

少し古いニュースですが、日本株式の需給バランスは、「売り」に圧力があるように思います。もちろん、株式の売買は、売り買いが同数となりますが、こういった圧力は、株価にとって、下げエネルギーとなります。

では、そもそも、政府の「銀行等保有株式取得機構」は、どれほどの株式を保有していたのでしょうか?ニュースからは、以下のように読み取れます。

簿価ベース 2兆円
含み益    1.8兆円
時価ベース 3.8兆円

さて、各国の株式市場の時価総額を見てみましょう。

日本 東証一部      564.8兆円(2007/4)
アメリカ NYSE      18.7兆ドル(2006/03)
中国 上海・深セン市場 1.78兆ドル(2007/4)
    香港市場      1.77兆ドル(2007/4)

「500兆円以上の時価総額にとって、1兆円の売り出しは、大した圧力とはいえないのではないか?」と思われるでしょうか。一言で言いますと、「1兆円の売りに買い向かうのは、大変だ」ということですが、タイミング、銘柄、売り方などに左右されますので、なんともいえないというところです。

さて、この「銀行等保有株式取得機構」は、設立の目的やいきさつに、いろいろ問題があったように思います。本日は、それも済んだこととして、深く追及しないこととします。

それ以上に問題なのは、「日銀は株式の売却にあたって、・・・野村証券に助言や調査を委託している」というくだりです。野村證券にとっては、「日銀に、どのタイミングで、どれくらい、株式を売らせるか」という意思決定に関与できそうな立場にあるとも、読み取れます。また、銀行等保有株式取得機構の、売却に関する意思決定が、どんな金融機関からも独立した、秘密の保たれた行為であったかどうかについても、ここからは読み取れません。逆に言いますと、こういった「大型の売り」を事前に知ることができれば、空売りで儲けることができるのです。それによって失われるのは国民の税金、つまり、損をかぶるのは国民なのです。

何度も指摘しているように、日本の株式市場には、何か公正ではない存在がいます。今後も注視が必要なニュースだと思います。

関連した過去の記事を転載します。

(転載開始)

「「日興コーディアル証券」東証上場維持の闇 ライブドアと比較 粉飾決算を推奨? あからさまな圧力とは」

それは、日本株式市場には、恣意的な判断でルールが捻じ曲げられるリスクがあるので、信用してはならないということです。もっと言うと、「恣意的な判断、何でもあり、俺がルールだ」というような株式市場に投資することは、政情が不安定な国や、法制度が未整備な国への投資と変わりありません。

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「日本株式投資の真実」

このように、日本株式は、「投資家への還元姿勢が弱い上に、投資家を損させる」のです。

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「会計監査のはらむリスク ~日本市場にひそむ悪」

「資本市場の取引は企業の経営内容の正しい開示が前提」なのです。この前提が裏切られている以上、「財務諸表を信じない」「日本株では長期株式投資をしない」というのが、適切な自己防衛です。

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「ライブドアショック ~すべての皆様に」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(2)」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(3)」
「投資本の9割はクズ~「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(4)」

(転載終了)

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

株式売り出し1兆円に迫る、取得機構が「主役」

株式市場での上場企業株の売り出し総額が、2006年度に9987億円となり、1兆円に迫った。前の年度に比べて4%増加、2年連続で増えた。政府の銀行等保有株式取得機構が06年度から売却を始めたことや、金融機関が保有株を売り出したことが主因。バブル崩壊後の株価下落で長年“凍結”されてきた持ち合い株式が、株高を背景に市場に放出されているようだ。
新興市場上場銘柄と金融株を除く全上場銘柄を対象に売り出された株式を集計、新規株式公開に伴うものは除いた。売り出しは発行済み株式数が変わらないが、市場に流通する株式数が増え、需給悪化要因となる。 (17:38)

日本経済新聞

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日銀 10月から保有株売却を本格化 含み益1兆8000億円

金融システム不安の回避や株式の持ち合い解消を目的に金融機関の保有株式を買い取ってきた日銀が、今年10月から株式売却を本格化させる。株価が低迷していた2002年から買い取りを始めており、その後の株価回復で含み益は約1兆8000億円に達しているとみられる。株式相場に悪影響が出ないよう市場動向を慎重に見極めながら、今後10年以内に売却を終える方針だ。
日銀の買い取りは、金融システム再生に一定の役割を果たす一方で、結果として、売却により多額の売却益をもたらす可能性が高い。売却益は大半が最終的に国庫に納付されるとみられる。02年11月から04年9月までに日銀が当時の市場価格で買い取った株式は、簿価ベースで2兆円に上る。買い取り当初の日経平均株価は1万円を割り込んでおり、その後の株価上昇で、多額の含み益が発生している。第一生命経済研究所の試算によると、平均株価が1万7287円となった今年3月末現在、時価から簿価を差し引いた含み益は、約1兆8000億円に達しているようだ。日銀は株式の売却にあたって、具体的な指針を近く詰める方針で、指針策定について、野村証券に助言や調査を委託している。日本の金融機関は当時、企業との株式持ち合いにより大量の株式を保有しており、株価下落による多額の含み損の発生が、金融システム危機につながることが、懸念されていた。また、さらなる損失拡大を避けるため、銀行が株式をこぞって売却し、一段の株価下落を招くという悪循環に陥っていた。株価下落のリスクを排除するため、日銀以外にも、政府が02年に、金融機関だけでなく一般企業の保有株の受け皿となる「銀行等保有株式取得機構」を設立。02年2月~06年4月に約1兆6000億円分を取得した。今年度から株式放出を本格化させたが、含み益は約1兆円弱とみられている。
株式市場では、日銀の買い取りについて、「中央銀行がリスクのある株式を買い取るのは異例の措置で、銀行救済との批判に加え、中央銀行としての信頼低下が懸念されたが、結果として日本発の金融危機を回避する上での緊急避難措置として一定の効果はあった」と評価する声が多い。

FujiSankei Business i.

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-05-27 22:36 | 経済状況

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by kanconsulting | 2007-05-21 00:08 | 閲覧数

「夜逃げの町」宮崎県・綾町 総務省の論理と自治体 レント・シーカーと利権 国家破産と地方自治(2)

皆様は、宮崎県の綾町(あやちょう)をご存知でしょうか?

『綾町(あやちょう)は、宮崎県の中西部に位置する町で、東諸県郡に属する。「有機農業の町」、「照葉樹林都市」などをスローガンとする町おこしの成功例として知られ、自然の中での人間らしい生活を求める全国各地からの移住者が後を絶たない。 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『綾町は宮崎県の中央に位置し、町の面積の78%が山林、そのほとんどが国有林、公(県)有林だった。そのため、山の仕事を主な産業とすることは考えられなかった。また、農地は河原の状態で、野菜は全部宮崎市の市場から買ってくるような生活だった。
1960(昭和35)年に綾川総合開発事業が終わるとこれを境に、営林署の仕事の機械化とモータリゼーションが進み、町民自身が「夜逃げの町・人の住めない町・若者が出稼ぎに行く町」と呼ぶほど過疎化がすすんだ。ピーク時人口11,500人がついには7,300人を割ったこともある。
その町が県内外から人が押しかけ、徐々に活気をとりもどし、今では何と年間120万人もの観光客が訪れており、人口も昭和55年以降徐々に増加し、現在人口7,500人以(2003.11.1調べ)、過疎振興地域の指定を外れたという。これは、日本の中央に位置する愛知県は常滑市の観光スポット、「焼き物散歩道」に訪れる観光客が年間33万人というから、驚きの数字ではないでしょうか。「宮崎県 綾町(あやちょう)に学ぶ」

『綾町は主要産業だった林業の衰退で、「夜逃げの町」と呼ばれていました。町内から診療所がなくなり、学校の身体検査も自前では出来ないほどでした。1966年に、国内最大規模の照葉樹林(国有林)の伐採計画に反対したことをきっかけに、澄んだ水と土壌を生かした有機農業に力を入れ、全国から注目されるようになりましたが、当初は国有林の伐採で一時的に雇用が増えることから、伐採賛成の空気が強かったそうです。当時の町長、郷田實氏(故人)が第二次大戦従軍中に生への執念をかきたてた故郷の山河への思い、木工を町おこしの核にしようとしていたのに肝心の山林を丸裸にされることへの反発などから、町内を説得。無農薬有機栽培の作物だけを対象にした「価格補償制度」などの施策で、有機農業を普及させました。今では人口約7500人の町に、年間120万人の観光客が訪れるそうです。「毎日新聞」

ですが、このケースについても、「これも、ラッキーな小規模町村のケースであり、大多数の地方自治体には当てはまらないのでは?」という方もいるでしょう。

私は、「そうではない。地方自治のトップが地方自治の本旨を十分に理解して、レント・シーカー(税金へのタカリ、無駄飯食らい)、利権、ムダ、不要な慣行を排除して、住民の理解と協力を得ることができれば、基本的にはどの自治体も、緊張感ある自立した地方自治が可能である」と指摘します。

レント・シーカー たとえば、多すぎる公務員、準公務員が相当するでしょう
利権 たとえば、業者との癒着や、不必要な公共工事がどれほどあったでしょうか?
ムダ たとえば、ムダな工事は、年度末には多く見られますね
不要な慣行 たとえば、なぜ税金を単年度ごとに使い切るのでしょうか?

以前も指摘しましたが、総務省の論理では、人口1人当たりの地方交付税・補助金の比重が大きい小規模な自治体を合併させることで、自治体の行財政能力を高め、国の財政赤字を減らすことができると考えているようです。つまり、「合併は日本を救う切り札」ということなのかも知れません。

しかし、これは、住民不在の、言わば机上の論理に過ぎません。考えますと、自治体の規模を大きくすれば、中心地以外では逆に過疎化が進み、生活環境・自然環境が劣化するというのが普通でしょう。そもそも、国には財政余力がない中で、起債によって合併の優遇措置をするということには違和感があるでしょう。

これまで見てきたように、自治体の行政サービスは、自治体の覚悟と努力により、自主財源の範囲内に納めることが十分可能なのです。それ以上に税金が必要なのだとするならば、それは、レント・シーカー(税金のタカリ、無駄飯食らい)、利権、ムダ、不要な慣行による、「消えていく税金」なのでしょう。

「日本を救う切り札」は、住民の足元から、地方自治のあり方を見直してアクションを起こしていくことなのでしょう。ですが、地方に比べても国の負債はあまりに大きく、その程度のアクションでは焼け石に水だというのが、普通の理解でしょう。

---

では、私は、なぜしつこく「交付税に頼らない、持続可能性のある地方自治」にこだわるのでしょうか?このブログのテーマである「国家破綻(国家財政破綻、日本国破産)」と、こういった地方自治はどのように関連するのでしょうか?

端的にいいますと、
・国家財政破綻という緊急時においては、コミュニティの地域住民で助け合って生きていくしかない(アルゼンチンのケース)
・そこまで行かなくても、通貨や資産の価値が大きく失われる金融混乱を想定した場合には、否応なく「国の補助金・税金・年金に頼らない生活」を強いられることとなる(ロシアのケース)
・小規模の自治体のほうが自分たちのコミュニティを支えようという気持ちが強く、万が一の混乱にも力強く生きていくことができる
・国家財政破産がなくても、これからの増税・高負担社会を想定した場合に、負担が小さく生活しやすい地方自治には大きなプラスの価値がある

「俺たちは俺たちのやりたいように生きていく。税金を無駄遣いばかりするような政府には、大切な生活をジャマされたくない。」という方々にとっては、華美ではないコンパクトな生活は、魅力的に写るのではないでしょうか。

仮に今日、国家財政が破綻しても、現実問題として、私たちは、明日も明後日も食べて生きていかなくてはならないのです。仮にその時が来るとするならば、どのような生き方を選ばれますか?

以前の記事も参照ください。

(転載開始)

合併しない宣言 福島県矢祭町 小規模町村の維持可能性 行政コストと自主財源 国家破綻と地方自治(1)

【総務省】 国の財政赤字を考えて、人口1人当たりの地方交付税や補助金の比重が大きい小規模な自治体をなくしたい。合併が自治体の行財政能力を高める有効な方策であり、「合併は日本を救う切り札」と思っている。統計数字から弾き出した、いわば机上の論理だ。

【矢祭町】 自治体の規模を大きくすれば、中心地以外のほとんどの地域は過疎化が進み、やがて地域は生活環境も自然環境も劣化して崩壊して行く。小規模の方が自分たちの地域を支えようという愛着心が強い。「そもそも国は1000兆円を超える借金を抱えてカネがないといっているのに、また膨大な借金をして合併の優遇措置につぎ込もうということがおかしいんだ。そんなカネをもらったって、たった10年間の夢まぼろし、手切れ金みたいなものですよ」「カネは窮屈な方が自立の気持ちが起こる。財政的には厳しくても、耐え忍んでも自立することが大事なんだ。自立の精神こそが日本の国力を伸ばす、日本の将来によほど大きな力になる」

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「自治体の財政悪化指標 「夕張ショック」の後に」

「そもそも自治体自身が倒産することはありません」とは、倒産処理の法制が無いから倒産できないだけで、倒産しないという本質的理由が明示されていません。「地方自治体が破綻した場合、国が直接保証する」とは書かれておらず、あくまで間接的な表現なのです。

交付金・補助金が減額される中で、本当に「地方債の元利償還に必要な財源を国が保障」することができるのでしょうか?「自らの課税権に基づいて」とありますが、本当に「課税権」だけでまかなったら住民は逃げ出すのではないでしょうか?また、将来的には、誰が地方債を引き受けるのでしょうか?(中略)

平均的な「自治体の財源に占める自主財源収入の割合」は約38%で、残りは依存財源(中央政府から支出されるお金、市町村の場合には都道府県からのお金を含む)です。そもそも、経済成長が期待できない自治体が、身の丈に見合った財政運営をせずに、過度に借金(地方債)に依存してきたということ自体が間違っているのではないでしょうか。

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「財政再建~富田俊基と木村剛が語るイタリアの事例」

「強烈だったのは97年度予算でした。【歳出面】では
①地方自治体に課税自主権を付与する代わりに 国からの支援を大幅に削除し、 
(中略)
このような財政再建のためにさまざまな努力を毎年積み重ね、それが実を結んで、ようやくイタリアは財政危機を脱することができたのです。

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「地方財政・地方債の状況について」

①(中略)本筋を言えば、
・赤字債ではなく、支出の切り詰めと資産の売却
・地方債の、債務カット・金利減免・リスケジュールの法制化
・つまり、住民と債権投資家にもリスク負担を求める
でしょうか。

②全市町村の財政の健全性は国を上回るといいますが、これは表現が間違っています。
『全市町村の財政の健全性は悪いが、国の財政はさらに悪い。』が正しい表現です。

---

「裏金を燃やす 地方自治の本質とは?」

『このような裏金作りは、中央官庁や地方公共団体といった公共機関でも、世間の目が厳しくなるまでは大々的にやられていたようです。警察や、法務省等でもやっていたようです。過去の中央官庁や地方公共団体の裏金事件では、関係者は殆ど刑事責任を問われないで、事件の幕引きがされました。岐阜県の裏金事件もそうなるのでしょうか。』

(中略)現状は次のようなのではないでしょうか。

・国民の税金は、官公庁がムダ遣いしてもよく、万が一発覚しても、上層部は責任を取らなくても良い。
・役所の仕事は、役所の決めた内部ルールが国民の利益に優先するので、国民に監視をさせてはならない。
・そのためには、情報をできるだけ公開せず、やむなく公開する場合でも内容を制限してわかりにくい公開が前提。

岐阜県という、さして大きくない県で、17億円の裏金(現在までに発覚している分だけ)です。国では、どれほどの裏金、リベート、キャッシュバックがあったのでしょうか。

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「「大阪破産/吉富有治」と国家破綻(国家破産・日本破綻・日本破産・財政破綻・財政破産・国家倒産)」

「地方自治体は、結局は国が支えるから大丈夫」との意見もあるかと思います。ですが、なかなかそうは思えないというのが大阪の実情です。このように地方から徐々に財政崩壊が進行してくるのだと思うと、暗澹たる思いになります。(中略)

大阪市のような巨大な自治体を、果たして国が支えることができるのでしょうか。それは、困難といわざるを得ませんね。もはや国にも財政余力が残されていないためです。(中略)

そして、国の財政破綻国家破綻(国家破産・日本破綻・日本破産・財政破綻・財政破産・国家倒産・日本国倒産)においては、国民にツケがまわるというのも、既定路線と考えます。

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「夕張市破綻 国は責任を負わない 地方債の債務は免除しない 次はどの自治体かそれとも日本国か」

(4)国はどうなるのか

「国の危機のほうが根深い中で、地方だけが財政規律について考えることはむなしい」というご意見があります。もちろん、地方の放漫経営は許されるべきことではないのですが、額的には、地方の債務よりも国の債務のほうがはるかに大きく、毒(国の債務)を食らわば皿(地方の債務)とも言えるでしょう。

また、地方が破綻したからとって必ずしも日本全体もそうなるとは言い切れないのですが、それは「地方の破綻を債権放棄で処理してもらう」か「日本全体として地方の負債を処理する体力がある」場合です。

「地方の破綻を債権放棄で処理できず」「日本全体として地方の負債を処理する体力もない」場合には、地方を引き金とした、国家的な危機があっても仕方ありません。

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「「貸付金」とは何か? 貸付金に関する記事 国の資産としての貸付金は不良債権か?」

さて、これまで見てきたように、地方自治体はおおむね財政状況が厳しく、昔から3割自治と言われるように、自主財源だけでは運営できない状況が続いています。その中で、地方自治体への貸付金は、実質的な補助金であり、ロールオーバー有りの無期限貸付と考えることができます。なぜならば、国と地方自治体は、日本国全体で見れば連結ベースで親会社と子会社のようなものであり、交付税と貸付金はその中でのキャッチボールのようなものでしかないためです。

夕張市のような事例を見るにつけ、「貸付金が不良債権となっている割合が大きいのではないか?」という疑問に、「夕張市は特殊事例であり、そのほかの地方自治体はすべて健全経営であり、貸付金の焦げ付きは100%存在しない」と答えられる人はいないのではないでしょうか?

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「人口統計に基づいた未来予測~自治体破綻 経済状況の発展段階説(3)」

東京のベッドタウンである多摩市は、少子高齢化による労働人口と税収の減少、公務員の大量退職による多額の退職金の支払い、公的施設の老朽化など、複数の要因によって、近い将来の自治体財政破綻の可能性が極めて高いと予測されているとのことです。このうち、公務員退職金については、そのための特別債を起債するほか無いだろうとの識者のコメントが紹介されていました。

さて、人口統計に基づいた未来予測は、一般的な予測より精度が高いとされています。(中略)そこから予測される項目としては、これまでも紹介していますように、
・現行制度のままでは所得税収・住民税収は減少する
・医療・福祉に関する支出は減らすことが困難
・税負担や保険負担を増加し、高負担社会とせざるを得ない
です。

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「増税なき財政再建は可能か? 法人税・企業業績・経済成長・自然増徴? プライマリーバランス達成可能?」

なぜならば、税金・特別会計・その他公金へのタカリの存在(タックス・イーター、レント・シーカー)が、巨額の財政赤字を作った一因でもあるからです。これら、ムダ飯食らいを一掃処分しないことには、日本に未来はないのだと、厳しく指摘します。

(中略)こういった「国の生産性への寄与が乏しい」公共投資を、「景気刺激のため」と称して続けてきたことが、どれほど国全体にとってマイナスになったことか、うかがい知れません。

(転載終了)
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by kanconsulting | 2007-05-08 23:16 | 経済状況

新着書籍紹介 「マンション崩壊」・「超・格差社会アメリカの真実」・「生命保険入門」

皆様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。

新着の書籍を紹介します。知は力といいます。そして、これからの時代は(もうすでに)情報格差で、今後の生活の質が左右されかねないという時代です。読者の皆様は、大半が読書をされると思いますが、読書の習慣がない方にも、「自分の人生が左右されるかもしれない」情報については、知って置かれることをお勧めします。

「マンション崩壊 あなたの街が廃墟になる日/山岡淳一郎」

マンション購入を考えられている方に、そして将来買うことになるかもしれないと思っている方に、ぜひ一読をお勧めしたい一冊です。すでにマンションを買ってしまった人には、事実を直視する精神力をお持ちの方のみにお勧めします。

「超・格差社会アメリカの真実/小林由美」

言わずとと知れた、アメリカとその格差社会についての秀逸な一冊です。

「生命保険入門/出口治明」

生命保険についての暴き系のような一冊です。日本人と保険は切っても切れない関係ですが、ではその「生命保険」について、どれだけの人が、その真相を知っているのでしょうか。
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by kanconsulting | 2007-05-06 19:33 | 資産保全一般

三角合併解禁と株式交換 グローバルマネーによる収奪 外資と年次改革要望書 グローバリズムに立ち向かう

本日(2007年5月1日)より、改正会社法の一部が施行され、いわゆる「三角合併(さんかくがっぺい)」が解禁となります。

三角合併とは、存続会社の親会社の株式を、被合併会社の株主に交付することによって行う、会社の吸収合併です。外見上は株式交換に近いのですが、実質的には合併に近いとされています。

これまでも述べているとおり、資本への投資(直接投資と株式投資)が、富を生み出すのだと思います。逆に、資本を抑えられるというのは、経営権・将来利益の分け前を握られるということであり、簡単に言うと生殺与奪を握られるということでもあります。

「だから何だ。何か問題があるのか。規制緩和で資本の流動化を加速させ、外資も呼び込むことで、日本経済の活性化につながるのではないのか。外資を全部悪者のように言うな。」と思われる方もいるかも知れません。

確かに、すべての外資を排除すべきとは思いませんし、日本の経済発展に寄与することとなる外資導入も当然ありえるでしょう。私は、決して外資アレルギーではありません。むしろ、その金融能力を高く評価しているのです。アメリカ系金融機関の、貪欲ともいえる富の創造能力は、日本人をはるかに超えています。日本人の仕手筋などは可愛いものだと思います。

ですが、その裏側にある、強欲思想・拝金主義(ラチオ、レイシオの思想。合理主義とも)は、「いかにして合法的に収奪するか。どうすれば周辺国から上げる利益を最大化できるか。」という考え方も生み出します。日本人は、こういった強欲思想に向かい合うにしては、あまりにもピュアすぎるのです。

以下のような意見もあります。

>「上げるのも、下げるのも、資本を国際政治の権力であるというスタイルの人々の考え次第、スキャンダルと戦争を使って大きく上下できる以上はそのようになると考えてそう伝えました。上下がわかっていれば簡単に利益をあげることができます。」
>「小泉改革はデフレで株価を下げ、外資に低金利でそれを買わせる。株価は上昇する。次に三角合併によって、100%に整理する。そして、転売。そのように既に決まっていたように考えています。理由は同じようなことがIMF韓国で行われたからです。」

グローバルマネーは、国際政治の武器です。問題なのは、グローバリズムが国際政治・経済と結託して、すべてを収奪して飲み込まないと気がすまないことです。後にはペンペン草も生えません。

本日から三角合併が解禁されますが、すでに第一弾の仕込みは済んでいるものと見ています。そして、資本(三角合併の解禁)、労働(労働契約法制・ホワイトカラーエグゼンプション)、郵政においては、「年次改革要望書(規制改革要望書・対日年次要求書)」どおりに、日本はすでに堀を埋められました。後に残る堀はどこですか?

そう、憲法9条です。

関連した過去のエントリーも参照ください。

「経団連・法人税と格差社会 グローバリズムとトリクルダウン効果 ホワイトカラー・エグゼンプション(3)」

「ジョセフ・スティグリッツと内橋克人の「グローバリズムと格差社会」 経済財政諮問会議と労働ビッグバン」

「アメリカ民主党と共和党 日本経済クラッシュによる米国債の棒引き 「二つのアメリカの世界戦略/深田匠」」

「バブル崩壊の見破り方(2) 吉岡元忠・関岡英之が語る1990年の株価崩壊の口火」

「書籍紹介 国内の構造的問題と、国際関係・アメリカ問題 ~特別会計と年次改革要望書」



(引用開始)

三角合併解禁、買われる日本企業の条件は?

来る5月1日、外国企業による三角合併を用いた日本企業買収が解禁される。さて、どの程度のインパクトがあるのだろうか。
正直なところ、これで日本企業が、どんどん外資に買収されるような事態になるとは思えない。三角合併自体は、買収される側が買収に合意した後の手続きの選択肢が、1つ増えただけだ。
また、東証一部の平均PER(株価収益率)が22倍強になる日本企業の株価は、必ずしも安いとは言えないし、買収の際には、大体3割くらいの上乗せ価格(「コントロール・プレミアム」と呼ばれる)が必要だから、単純に日本企業を買って連結しても、妙味がない。外国の大企業の時価総額がいかに大きいとはいっても、彼らとて買収後に、資本効率が下がるような企業買収をやりたくはないはずだ。よほどの「お買い得」株価の企業が残っていれば別だが、日本企業を買収するにあたっては、何らかの「魅力的なストーリー」が必要だ。
どんな業種の企業が買収対象になるかを考えてみよう。
食品や薬品などは、日本企業の時価総額が世界の大企業に対して小さく、業界再編が必要なので、外資の買収対象になりやすいと巷間言われている。確かにグローバルな市場での競争を考えると、研究開発や広告などのマーケティング費用、原料の調達などにあって、ある程度の規模を確保しないと、競争力のある独特の製品を持っているのでないと、対抗しがたいという面はある。
ただし、こうした業種の日本企業の側に、規模拡大の必要性があるとしても、買う側から見るとどうなのか。日本市場での販路の確保などに魅力がある場合を除くと、株価が十分安いということでなければ、それほどの魅力は無いかも知れない。想像力をたくましくするなら、例えば日本のビール会社を外国の酒メーカーが買って、ビール会社の保有不動産などを売却して買収コストを確保し、酒類販売の販路を安く手に入れるといった戦略は、あるかも知れない。
世界的な再編が進んでいる鉄鋼はどうか。実は、三角合併の解禁を1年延ばした理由を、その1年間に起こったことから推測すると、買収対抗策に特に熱心だったように見えるのが大手鉄鋼メーカーである。1つの仮説だが、財界への影響力が大きな鉄鋼メーカーが、買収防衛策のために時間稼ぎをしたかったのではないか。
世界の鉄鋼業界再編の中心にいるミタル・スチールなどは、まだ日本の鉄鋼メーカーを買いたいと思っているのかも知れないが、現在のような調子で、素材需要が続くのかということが気になる。目下業績は絶好調なのだが、それゆえに個人的には、魅力を感じない。
ところで企業が巨大化すると、売り手・買い手両面で価格交渉力が強まるが、これによって発生する利益は独占利潤そのものだ。世界市場での独占・寡占という問題をどう考えるのかは、今後の世界経済にとって大きな問題だ。
買収が功を奏するためには、買う前と買った後とで、買収対象となるビジネスの価値が、大きく変化することが必要だ。そう考えると、豊富な潜在力を持ちながら、これが現在十分に活かされていないような会社に魅力がある。逆説的に聞こえるかも知れないが、現在、経営がまずい会社こそが、支配目的で買収するにはいい会社といえるだろう。
たとえば、いくらか意表を突く狙いとして、「重電」あるいは「総合電機」と呼ばれるような業種はどうだろうか。特許を含めて豊富な技術を持っているし、技術系の優秀な人材を多数抱えている。加えて、不動産などの資産も多い。
しかし、プロダクトのデザインやマーケティングが洗練されていないおかげで、消費者向けの市場でもう一つ伸び悩んでいる。また、多数の事業部門、あるいは子会社を持っているが、この状況はちょうど「選択と集中」の逆を行っており、非効率的だ。PBR(株価純資産倍率)から見ても、株価は安い。
はっきり言って、最大の弱点は経営にある。事業ポートフォリオの再編と、プロダクト・デザインやマネジメントの方法の変更で、すっかり生まれ変わる可能性があるのではないか。大手であっても時価総額は2~3兆円と、世界企業にとっては、買えないサイズではない。テレビ番組の提供の表示などで、こうした会社が持つ子会社・関連会社の名前が延々と流れる様子を見ると、総合電機のグループ企業を再編すると面白いだろうなあ、と思わずにはいられない。
随分前の花形産業で、数年前にはすっかり斜陽産業の印象だった鉄鋼、造船、海運などが、華々しく復活し、株価も高い。かつて「ハイテク株」として名を馳せた総合電機が、大ブレイク(株価が3倍くらいになるような!)する可能性は、ないものだろうか。
総合電機に限らず、実際に買収されなくても、外資に買収されたつもりで経営改革が出来る会社は、面白い(出来ないから今の株価なのかも知れないが)。

読売新聞

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三角合併、国内企業の46%「懸念」 帝国データ調査

5月に解禁される三角合併について民間信用調査会社の帝国データバンクがまとめた国内企業の意識調査で、2社に1社が「期待よりも懸念の方が大きい」と考えていることが分かった。外資からの買収攻勢を受けるような事態に警戒感を強めているようだ。
調査は全国約2万社を対象に実施し、9736社から回答を得た。
「懸念が大きい」と答えた企業は46.4%、逆に「期待が大きい」と答えたのは7.9%。具体的な懸念としては、「大企業による寡占化」(52.4%)、「外国資本による買収攻勢」(45.9%)をあげる企業が多かった。ほかには「技術流出」(23.2%)、「雇用の合理化」(19.8%)という声もあった。
自社が属する業界の再編が加速するかどうかについては、「加速する」(34.7%)、「加速するとは思わない」(29.2%)に見方は割れた。小売業や金融業では「加速する」と見る企業が過半数を占めた。
三角合併は、外国企業が自らの株式を買収先の日本企業の株式と交換できるようにすることで企業買収をしやすくする仕組み。帝国データバンクは「解禁をきっかけに国内競争がより激しくなることにも不安感があるようだ」と分析している。

朝日新聞2007年04月23日

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「M&A(ジャングル)資本主義/小倉正男(東洋経済新報社・1785円)」

■株主重視で外資襲来防衛

2007年5月-。敵対的買収の始まりに続き、「三角合併」がいよいよ解禁される。つまり、外資企業による株式交換での日本企業買収が始まるのだ。三角合併成功の決め手は時価総額。外国企業は生き残りをかけて、M&A(企業の合併・買収)をテコに業界再編を繰り返し、トップ企業の時価総額は巨額化、日本企業を圧倒する。日本のM&A市場を一時期跋扈(ばっこ)した“ホリエモン”らとはスケールが違う。ということは、狙われたら最後、飲み込まれるしかない。
襲来する外資から逃れるにはどうする?「株主に顔を向けた経営こそが最大のM&A防衛策」と著者はいう。一般的にいわれるM&A防衛策であるホワイトナイトやポイズンピルではなく、株主、株価を意識した経営で時価総額を引き上げる、言い換えるとIR(投資家向け広報)活動を基本に安定株主を増やすしかないというわけだ。IRがうまいとか下手とかは単なるテクニカルな問題でしかない。増配、自社株買いに前向きで、あらゆる利害関係者にしっかりと説明する経営姿勢が重要と指摘する。

FujiSankei Business i. 2007/4/23

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-05-01 07:44 | 経済状況