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サブプライムローン破綻(4) サブプライム・ショックで世界同時株安発生へ 国家破産のトリガーに

何度もこのテーマに触れていますので、「しつこい。」と思われる方もいると思います。しかし、今後の経済情勢を大きく左右するテーマですので、もう少しお付き合いください。

簡単に言いますと、これまで警告してきたように、「世界同時株安」が来たと見ています。

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同時に、ほとんどすべての通貨に対して円高の傾向を示しています。

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ですが、逆に言いますと、海外投資のウェートを上げる好機なのだと提案します。

現在の調整は、2~3月の世界同時株安(ファーストインパクト)に引き続く、セカンドインパクトという意見もあります。今回の調整は、過度の加熱に対する良い調整であり、どちらかというと一過性のものと見ています。簡単に言うと、海外投資には良いチャンスだと思います。

何度も同じことを書きますが、海外投資は、年に一度や二度の調整は当たり前です。「また調整か。そこまでディスカウントするなら、少し買ってやろうか。」ぐらいの気持ちでいる、落ち着いた「大人の投資家」になることが、資産を保全する近道なのだと思います。

ですが、来るべき「金利上昇を伴うサードインパクト」には、日本経済は持ちこたえられないのではないかとも、考えています。それが、国家破産へのトリガーとなるでしょう。

「貞子ちゃんのつれづれ日記」から、私のコメントを転載します。

(開始)

・マネーの話では、成長性あるものへの海外投資が、日本国民の生き残る道
・その中でも、海外株式へのETF・直接投資が望ましい
・海外投資によって、日本国のリスクと、自分の人生のリスクを切り分けることが重要
・アメリカ・新興国の成長性は認めるが、調整があるので、マクロトレンドとタイミングを見ることが必要
・サブプライムについては、現在オーバーシュート気味であり、そろそろ買い場が来るのではないか
・円高になれば、海外投資を始める良いチャンスとなる
・長期的に見ると、為替リスクは、キャピタルゲイン・インカムゲインで帳消しになるので、あまり気にしなくて良い
・世界株安になれば、絶好の買い場となるので、実は楽しみにしている

円キャリーについては、私は、「普通の国民ももっと円キャリーをやればよい。」と主張しています。ただし、日本国民はトレンドの尻馬に乗って損をさせられる傾向があるようなので、自分の意思でリスクを取ってコントロールできるようになるような投資教育が必要と思っております。

(終了)

関連したニュースを掲載します。

(引用開始)

世界同時株安セカンドインパクト、調整は限定的か

[東京 27日 ロイター] 米株急落を起点に、欧州や日本、エマージング市場に株安が連鎖し、円キャリートレードの巻き戻しも発生。世界の金融市場は2月末に起こった世界同時株安の再来を想起させる状況だ。中国株安をきっかけとした2月末とは状況が異なり、国際市場の中心である米国発だけに問題の長期化も懸念される。
ただ世界経済が依然堅調であるため2月末と同様、調整は限定的になるとの見方が多い。

<米国発だけに2月末よりも問題は深刻>
2月末に発生した世界同時株安は中国株の急落がきっかけだった。米国株安に連鎖したため日本、アジアなど新興国の株式市場が軒並み下落。低金利の円などを借りて新興市場株式や高金利通貨に投資していたキャリートレードの巻き戻しが起きるとの思惑から為替も大きく変動した。
当時、市場参加者からは中国株安はきっかけにすぎず、米国株が急落したことで世界の市場に大きく波及したとの指摘が多かった。
今回は、その米国が震源地。26日の米国株式市場で住宅市場の一段の減速を示す指標や、企業の買収資金調達環境の悪化を背景に、ダウは300ドル以上急落した。世界経済へのインパクトを考えると今回の米国発株安の方が深刻ともいえるが、市場関係者の間にはファーストインパクトを経験した分だけ、やや余裕があるようにみえる。
「今後長期的に米国のファンダメンタルズを屈折させるような状況にはならないとみている。基本的に世界経済がまだ強いためだ。今晩、米国の4─6月期国内総生産(GDP)が発表されるが、1─3月期のプラス0.7%に対して、予想はプラス3.2%。景気回復は続いているという安堵感が広がる可能性が高い」(三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)。

<堅調な世界経済や金利低下が下支え>
2月末の世界同時株安時も堅調な世界経済が下支え要因となり、日本株を除き、世界の株価は高値を次々と奪回した。今回も世界経済は依然堅調であり、マーケットは大崩れしないとの見方が多数となっている。「米経済は企業収益が堅調なうえ、年後半は輸出企業の設備投資が回復する見通しであり状況は悪くない。投資家のリスク許容度の低下に伴い株価が調整する可能性はあるが、それとファンダメンタルズに基づく部分は分けて考えるべきだろう」(クレディスイス証券東京支店エコノミストの小笠原悟氏)。
金利低下も株価を支える要因だ。26日の米10年債金利は4.79%に低下。「質への逃避」から債券市場に資金が流入している。現在の過剰流動性相場を支えているキーファクターのひとつが米金利であり、「米金利が低下している状況下ではリスクマネーの急速な収縮が起こる可能性は低い」(大手証券ストラテジスト)という。
UBS証券チーフストラテジストの平川昇二氏は「米国には政策金利の引き下げ余地があり、問題解決の手段を持っている。米国にとって怖いのはインフレとそれに伴う利上げであり、インフレが米経済に最も厳しい状態をもたらす。今回の下げはむしろ良質な調整といえる。米国市場ではトリプル安とはならず、長期債が買われ長期金利が低下している。長期金利の低下は株式のバリューを下支えするだろう」と述べている。

<異なるのはサブプライム問題の顕在化>
ただ2月末時点と大きく異なるのはサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 問題が顕在化していることだ。傘下のヘッジファンドがサブプライム問題で損失を出したベアー・スターンズだけでなく、欧州の大手銀行も第2・四半期決算で巨額のトレーディング損失を計上するとの観測が出ているなど、サブプライム問題は金融機関の実損という形で影響を与え始めている。
市場では損失はまだ氷山の一角に過ぎず「0.5%しか明らかになっていなかったものが、ようやく5%明らかになった程度」(ユナイテッド投信投資顧問シニアファンドマネージャーの高塚孝一氏)との指摘もある。「住宅市場が米国の個人消費に大きな影響を与えてはおらず、もし経済実態面で影響が出れば利下げもできる。ファンダメンタルズの屈折には至らないのではないか」(国内証券投資情報部)との意見もあるが、実態が不明なだけに、市場の不安感はしばらく残る可能性が大きい。
また2月末の世界同時株安は2月21日の日銀の利上げがひとつの背景になっていたとの指摘もある。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利ともいえ、日銀が利上げするたびにマネー収縮の懸念が浮上する可能性がある」(国内投信ファンドマネージャー)。市場関係者の間では8月22─23日の決定会合に日銀が追加利上げするとの見方も多く、利上げ観測とともに、その影響について注目を集めることになる。

アサヒコム2007年07月27日

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米サブプライムショック 株安・円高・物価安の三重苦 日銀8月利上げ混沌

株安・円高・物価安の“三重苦”が、日銀の第3次利下げに重くのしかかってきた。27日の東京市場で、米サブプライムローン問題を背景に、大幅な株安、円高が進行。同日総務省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)も5カ月連続のマイナスとなった。市場でも、これまでは既定路線だった8月利上げの観測が急速に後退しており、8月22、23日の金融政策決定会合に向け、日銀はギリギリの判断を迫られそうだ。
27日の債券市場では、長期金利が1・780%と1・8%台を割り込み、6月初め以来の低水準を記録した。株安を受け、リスクの低い国債に資金が流入したことが理由だが、利下げ観測の後退を反映した動きとの見方は強い。
利上げの大きな障害となる株安、円高の引き金となったサブプライムローン問題について、日銀の福井俊彦総裁は「米国経済に対する影響は限定的」と説明してきた。
これに対し、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「同時株安は、世界経済がサブプライム問題に慎重になっていることが背景にあり、先行きのリスクになる可能性がある」と指摘する。住宅市場の悪化で米国経済のソフトランディング(軟着陸)シナリオが崩れれば、緩やかな拡大を続ける国内景気への波及も懸念される。
また、日銀が利上げに踏み切った場合、日米の金利差が縮小し、さらなる円高を招きかねない。円高が輸出企業の業績を直撃し、株価がさらに下がるという負の連鎖も予想されるだけに、日銀の手足は大きくしばられることになる。
一方、総務省が27日発表した6月の全国の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年同月比0・1%下落し、5カ月連続のマイナスとなった。
日銀の福井俊彦総裁は「消費者物価指数が多少のマイナスという場合でも十分利上げは可能だ」と強気の姿勢をみせてきたが、賃金の改善の遅れを背景に今後も物価は弱含み、CPIがプラスに転じるのは今年後半以降との見方が大勢だ。
円高で企業業績が減速すれば、賃金改善がさらに遅れ、物価の下落圧力も高まる。
参院選の結果次第では、利上げを牽制(けんせい)する政治圧力が高まる可能性もあり、日銀が意欲をみせる8月利上げの行方は混とんとしてきた。

FujiSankei Business i. 2007/7/28

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株安、円高が連鎖 米サブプライムショック日本直撃

米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題が株式、外国為替市場を直撃した。27日の東京株式市場では、前日の米国株の急落を受け、全面安の展開となり、日経平均株価は一時505円以上値下がりし、5月上旬以来約3カ月ぶりに1万7300円を割り込んだ。終値は前日比418円28銭安の1万7283円81銭と3日続落。上海やシンガポールなどのアジア株も急落しており、今年2月末の世界同時株安の再来の様相を呈している。
東京外国為替市場でも、ドルが大きく売り込まれ、急激な円高・ドル安が進行し、4月下旬以来約3カ月ぶりに一時1ドル=118円台をつけた。午後5時現在は前日比1円30銭円高・ドル安の1ドル=119円06~07銭。
市場では29日の参院選での与党大敗による政治の不安定化に加え、これまで日本経済を支えてきた円安局面が円高局面へと転換し、企業業績が失速するとの懸念を背景に、円高と株安が連鎖した。

≪株式≫
■国内要因重なり下げ止まらず
東京株式市場の日経平均株価は終値でも400円以上の急落となり、株安に歯止めがかからなかった。発信源は、米国だが、円高による企業業績の失速や参院選後の政局不安という日本固有の要因もからみ、下値のめどがみえなくなってきた。
市場では、これまで1ドル=120~125円で推移していた円安に伴う企業業績の上方修正期待が株価を下支えしてきただけに、急激な円高で失望感が一気に広がり、輸出関連銘柄を中心に一方的に売られる展開となった。
国内景気は底堅い動きが続いているが、個人消費に力強さはなく、依然、外需依存の状態にある。牽引(けんいん)役である企業業績が失速すれば、賃金や雇用の回復がさらにもたつく懸念があり、株式市場には大きな打撃となる。このため、「米国の先行きが見極めきれない以上、東京市場で株安を食い止めるのは難しい」(準大手証券)との悲観的な見方が出ている。
参院選をめぐっても、買いの主役だった外国人投資家について、「相対的な割安感による消極的な買いで、政権の不安定化で構造改革が停滞することがあれば、簡単に日本株投資のウエートを下げる」(欧州系証券)との声も聞かれる。
ただ、本格化している大手企業の2007年4~6月期決算は、これまでの円安の貯金がものを言い好業績が相次いでいるほか、参院選の与党大敗もほとんど織り込み済みのため、「これ以上の下げは限定的。押し目買いのチャンスをうかがう向きも多い」(中堅証券)との楽観的な見方もある。
浜銀総合研究所調査部の北田英治部長も「米金融当局はサブプライム問題が終息しないようであれば株価上昇を促す利下げなどの手を打つはず。米市場に反発要素があるだけに日経平均は1万7000円台前半で下げ止まるのでは」とみている。
市場の関心は、米国株がどこで下げ止まるかに集中しており、今後も、米国の株価の動きに大きく左右される不安定な相場が続くことになりそうだ。

≪外為≫
■業績への影響114円が分岐点
27日の東京外国為替市場で一時、3カ月ぶりに1ドル=118円台まで円が上昇し、さらなる円高が進行するとの見方も出てきた。
これまで日米の金利差を背景に、低金利の円を調達し高金利通貨に換えて運用する「円キャリー取引」が活発化して円安が進んできたが、米国や新興市場も含めた株価の先行き不透明感が広がり、「欧米のヘッジファンドを中心に、円キャリー取引を解消して円を買い戻す動きが出ている」(大手銀行ディーラー)ためだ。
日米の金利差は依然大きく、金利差に着目してドルを買い戻す動きが出れば、一時的に円安方向に戻る可能性もあるが、サブプライム問題など米国景気の先行き不透明感から、今後も「ドルの上値は重い展開」(みずほ総合研究所の吉田健一郎シニアエコノミスト)との見方は多い。
「年後半に米国は利下げする」(民間エコノミスト)との観測もあり、日銀が8月以降に利上げすれば日米の金利差は確実に縮まる。このため、市場では「年末にかけて1ドル=115円程度まで円高が進む」(みずほ総研の吉田氏)という指摘もある。
円高は輸出企業にとって業績にマイナスの影響を与える。26日に4~6月期連結業績を発表したソニーは、円安によって営業利益を257億円押し上げた。同時に、今期の想定為替レートを当初より2円ほど円安の1ドル=117円に修正した。ソニーの場合、1円の円高によって「営業利益で60億円のマイナス」となるだけに、一層の円高が進めばこれまでの為替差益が帳消しになる局面も想定される。
ただ、6月の日銀短観(企業短期経済観測調査)によると、大企業製造業の2007年度の想定為替レートは1ドル=114円40銭としており、この水準を上回る円高でなければ打撃は小さいといえる。一方で、円高になれば輸入原材料の価格を押し下げる効果も期待できるため、「小幅な円高であれば企業業績に対する影響は限定的」(民間エコノミスト)との指摘もある。

FujiSankei Business i. 2007/7/28

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東証、一時500円超下落 世界同時株安の懸念再燃

27日の東京株式市場は、前日のニューヨーク株式市場でのダウ工業株30種平均の急落を受けて世界同時株安への懸念が再燃し、全面安の展開となった。日経平均株価(225種)の下げ幅は午後に入ってじりじりと広がり一時、500円を上回って、1万7200円台を割り込んだ。
終値は、前日比418円28銭安の1万7283円81銭となり、約3カ月ぶりの低水準となった。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も、37・47ポイント安の1699・71と下げた。出来高は約25億500万株。
米国で、信用力の低い個人向けの住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付きが問題化。米国景気への先行き不安感が東京市場だけでなくアジアの主要市場にも飛び火し、株価が下落。
東京市場では、参院選を控えた先行き不透明感から、買いが手控えられる一方で、投資リスクを嫌った売りが加速。値下がり銘柄は東証1部の約9割に達した。

東京新聞2007年7月27日

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-28 09:10 | 経済状況

東京電力柏崎刈羽原発(2) 炉心溶融(融解)の危機? ジャパン・シンドローム 冷却水漏出?

一部の海外メディアは、今回の柏崎刈羽原発の事故を指して、「今回の日本の巨大地震は、すんでのところで、深刻な事故(たとえば、メルトダウン。炉心溶融、炉心融解)を引き起こし、数百万人が死亡する大惨事となるところだった。」と述べています。

名づけて、炉心融解を扱った原発映画「チャイナ・シンドローム」をもじって、「ジャパン・シンドローム」だそうです。

(日本から地球の裏側はブラジルですので、ブラジル・シンドロームになりそうな気もしますが、あまりにも分かりにくいのでそうならなかったのでしょうか。実際は、炉心融解によって圧力隔壁が破壊されれば、拡散により核分裂反応は停止、あるいは周囲の水と反応して水蒸気爆発を起こしますので、地球の反対側に到達することはありません)

さて、「ニュースでは、炉心融解の危機はなかったということになっている。ジャパン・シンドロームは言い過ぎだ。」と思われる方もいるかも知れません。炉心については、地震による損傷が懸念されていますが、本当のところは、炉心を開けて点検してみないとわからないのではないでしょうか?原子炉炉心の損傷の有無を確かめる点検作業の開始は9月以降、炉心の状況を含む被害の全容確認は早くとも秋以降になるということですが、すでにある程度はわかっている事柄があると推察しています。

たとえば、前回の記事の写真をみていたたくとわかるのですが、なぜ、多量の水蒸気が放出されたのでしょうか?今回のタイプの沸騰水型の原発は、、核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水(いわゆる水)を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出し、タービン発電機によって発電させたのち、回収して再循環させています。この蒸気は、もちろん放射能を帯びています。写真の水蒸気は、炉心冷却水ではないのでしょうか?

今中哲二准教授(京都大原子炉実験所)は、以下のように指摘しています。
・(放射性)ヨウ素が大気中に放出されていることから、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される
・配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される可能性もある

この放射性ヨウ素は、半減期が短いため、「炉心冷却水」が漏れたことを示唆しています。

CNNは、"A Japanese nuclear power plant ... leaked water containing radioactive materials from a reactor, according to the company running the facility."として、「反応容器から水が漏れた」と明記しています。

(引用開始)

Meltdown: The Japan Syndrome
Saturday, 21 July 2007
by Harvey Wasserman

The massive earthquake that shook Japan this week nearly killed millions in a nuclear apocalypse.

It also produced one of the most terrifying sentences ever buried in a newspaper. As reported deep in the New York Times, the Tokyo Electric Company has admitted that, “the force of the shaking caused by the earthquake had exceeded the design limits of the reactors, suggesting that the plant’s builders had underestimated the strength of possible earthquakes in the region.”
There are 55 reactors in Japan. Virtually all of them are on or near major earthquake faults. Kashiwazaki alone hosts seven, four of which were forced into the dangerous SCRAM mode to narrowly avoid meltdowns. At least 50 separate serious problems have been so far identified, including fire and the spillage of barrels filled with radioactive wastes.
There are four active reactors in California on or near major earthquake faults, as are the two at Indian Point north of New York City. On January 31, 1986, an earthquake struck the Perry reactor east of Cleveland, knocking out roads and bridges, as well as pipes within the plant, which (thankfully) was not operating at the time. The governor of Ohio, then Richard Celeste, sued to keep Perry shut, but lost in federal court.
The fault that hit Perry is an off-shoot of the powerful New Madrid line that runs through the Mississippi River Valley, threatening numerous reactors. The Beyond Nuclear Project reports that in August, 2004, a quake hit the Dresden reactor in Illinois, resulting in a leak of radioactive tritium. Nevada’s Yucca Mountain, slated as the nation’s high-level radioactive waste dump, has a visible fault line running through it.
More than 400 atomic reactors are on-line worldwide. How many are vulnerable to seismic shocks we can only shudder to guess. But one-eighth of them sit in one of the world’s richest, most technologically advanced, most densely populated industrial nations, which has now admitted its reactor designs cannot match the power an earthquake that has just happened.

In whatever language it’s said, that translates into the unmistakable warning that the world’s atomic reactors constitute a multiple, ticking seismic time bomb. Talk of building more can only be classified as suicidal irresponsibility.

Tokyo Electric’s behavior since the quake defines the industry’s credibility. For three consecutive days (with more undoubtedly to come) the utility has been forced to issue public apologies for erroneous statements about the severity of the damage done to the reactors, the size and lethality of radioactive spills into the air and water, the on-going danger to the public, and much more.

Once again, the only thing reactor owners can be trusted to do is to lie.


Prior to the March 28, 1979 disaster at Three Mile Island, the industry for years assured the public that the kind of accident that did happen was “impossible.”
Then the utility repeatedly assured the public there had been no melt-down of fuel and no danger of further catastrophe. Nine years later a robotic camera showed that nearly all the fuel had melted, and that avoiding a full-blown catastrophe was little short of a miracle.
The industry continues to say no one was killed at TMI. But it does not know how much radiation was released, where it went or who it might have harmed. Since 1979 its allies in the courts have denied 2400 central Pennsylvania families the right to test their belief that they and their loved ones have been killed and maimed en masse.

Prior to its April 26, 1986, explosion, Soviet Life Magazine ran a major feature extolling the virtually “accident-proof design” of Chernobyl Unit Four.

Then the former Soviet Union of Mikhail Gorbachev kept secret the gargantuan radiation releases that have killed thousands and yielded a horrific plague of cancers, leukemia, birth defects and more throughout the region, and among the more than 800,000 drafted “jumpers” who were forced to run through the plant to clean it up.
Since the terror attacks of September 11, 2001, the industry has claimed its reactors can withstand the effects of a jet crash, and are immune to sabotage. The claims are as patently absurd as the lies about TMI and Chernobyl.
So, too, the endless, dogged assurances from Japan that no earthquake could do to Kashiwazaki what has just happened.
Yet today and into the future, expensive ads will flood the US and global airwaves, full of nonsense about the “need” for new nukes.
There is only one thing we know for certain about this advertising: it is a lie.
Atomic reactors contribute to global warming rather than abating it. In construction, in the mining, milling and enriching of the fuel, in on-going “normal” releases of heat and radioactivity, in dismantling and decommissioning, in managing radioactive wastes, in future terror attacks, in proliferation of nuke weapons, and much much more, atomic energy is an unmitigated eco-disaster.
To this list we must now add additional tangible evidence that reactors allegedly built to withstand “worst case” earthquakes in fact cannot. And when they go down, the investment is lost, and power shortages arise (as is now happening in Japan) that are filled by the burning of fossil fuels.
It costs up to ten times as much to produce energy from a nuke as to save it with efficiency. Advances in wind, solar and other green “Solartopian” technologies mean atomic energy simply cannot compete without massive subsidies, loan guarantees and government insurance to protect it from catastrophes to come.
This latest “impossible” earthquake has not merely shattered the alleged safeguards of Japan’s reactor fleet. It has blown apart — yet again — any possible argument for building more reactors anywhere on this beleaguered Earth.

(引用終了)

関連するニュースを掲載します。

(引用開始)

【関連】『危険性を過小評価』 燃料棒破損の疑いも

新潟県中越沖地震を受け、柏崎刈羽原発の直下に断層がある可能性を認めた東京電力。広報部は「設計時に今回の規模の地震は想定していなかった」と説明するが、専門家からは「国や東電の見立ては甘い」と指摘する声が上がる。東海地震の想定震源域の真上に立つ浜岡原発(静岡県御前崎市)を運転する中部電力は「安全性は確保されている」としている。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「今回の事故で、国の安全審査や(断層は地震の原因にならないとした)東京高裁の判断は、危険性を過小に評価していたことが証明された」と指摘。「耐震設計にできるだけ費用を掛けたくないのが電力会社側の論理。そこに危険性を過小に見積もる余地がある」と話す。
今中助教は「今回はヨウ素が大気中に放出されており、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される。配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される恐れもある」と分析する。

東京新聞2007年7月18日 夕刊
U.S. FrontLine News

(引用終了)

http://gijutsu.exblog.jp/tb/5892412
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by kanconsulting | 2007-07-27 09:11 | 経済状況

サブプライムローン破綻(3) サブプライム・ショックは世界同時株安へ 日本国破産の遠因か

サブプライムローン破綻に関連して、以前の記事で次のように述べました。

(用語解説)
サブプライム・モーゲージ、サブプライム・ローンとは:信用度の低い個人を対象にした、高金利の住宅融資
ABSとは:資産担保証券。ここでは、サブプライムローンなどを証券化したもの
CDOとは:債務担保証券。ABSを含むいろいろな債務などを混ぜてリスクをコントロールした証券。
CDSとは:クレジット・デフォルト・スワップ。信用リスクをお金に換えるデリバティブ。
ABX-HEとは:ABSを対象としたCDOのうち、流動性の高い20銘柄を指標化したもの。信用度に応じて、AAA、AA、A、BBB、・・・と格付けされている。BBB以上が投資適格、BB以下はデフォルトリスクが高いとされる。

(開始)

「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」

サブプライムの規模は、以下のように推定されています。
・米国の住宅ローン残高は約10兆ドル(約1200兆円)
・このうち、サブプライム向けは約10%=約1兆ドル(約120兆円)
・このうち、焦げ付きにつながる延滞率は15%程度=約1500億ドル(約18兆円)

(中略)この勢いで、現在の延滞率に相当する約1500億ドル(約18兆円)のマネーが消えると、どうなるでしょうか?世界景気の減速は避けられず、世界同時株安を再び見ることになるでしょう。

(中略)このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか。

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「サブプライムローン破綻(2) アメリカ景気減速 サブプライムショックと世界同時株安 国家破産の遠因か」

現在では、シングルA格付けのABXの急落が見られており、AA(ダブルA)クラスにまで波及してきています。AAA(トリプルA)も安泰とは言えません。では、今後はどうなるのでしょうか?

① 上の記事で述べたのとは逆に延滞率は膨らまず、ABXは収束する。
②-1 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げるが、投資銀行などの担保差し入れにより、株式市場には影響しない。
②-2 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げ、ヘッジファンドを火種として、投資銀行・機関投資家の株式投売りを誘い、世界株安となる。

今後1~2週間の株価の見通しについては、ご指摘のとおりだと思います。
私が着目しているのは、今後1~2年の見通しです。なぜならば、いわゆる「ゆとりローン」により、今後1年ほどかけて、延滞が増加していくことは避けられないと見ています。ですので、②のどちらかの可能性が高いと見ています。

(終了)

さて、最近になって、次のようなニュースが出てきています。

・サブプライムモーゲージ市場の影響が、米クレジット市場に波及
・高利回り債券(いわゆるジャンク債)市場における「突然の流動性危機」が発生
・ジャンク債発行に対する融資やバックアップ市場が休止状態に
・資金調達コストの上昇により、米経済全体に影響を及ぼす可能性

また、日本の銀行や証券会社にも影響が出始めています。

・国内大手銀行グループの投融資残高は1兆円を若干超える程度。簿価から10%下落として1000億円余りの損失
・ただし、ほとんどの投資対象はAAA格
・関連するヘッジファンドへの投資は、CDOへの投資残高ほどの規模ではない
・野村ホールディングスは、今年上半期で726億円の損失、米住宅ローン関連事業からの撤退へ

今後は、これまでも述べたとおり、ゆとりローン問題により、延滞率のさらなる増加は避けられません。

・ARM型サブプライムローンは、固定金利期間が終わって変動金利に移行することで、最大6%ポイント金利が上昇するケースもある
・今後1年以内に固定金利期間が終わるARM型サブプライムローンは、総額3350億ドル
・一定期間元本返済を行わず利息だけを支払うインタレスト・オンリー(IO)型ローンも、元本返済の免除期間終了が迫っている

JPモルガン・セキュリティーズのABS調査責任者は、以下のように指摘しています。
「(ABS指数の低下、構成証券のスプレッド拡大で)新規のサブプライムローン担保証券の発行は事実上停止状態にある」と指摘。
「固定金利期間の終了前に借り換えができない住宅ローンの借り手は、全体の約40%にのぼる可能性がある」

その影響を織り込んで、アメリカ株式市場、金利市場、為替市場への影響が出てきています。特に、リスクが比較的高い金融資産から、長期間のアメリカ国債への資金逃避により、長期金利が下がってきています。また、米ドル以外への通貨への逃避も見られているようです。

市場のセンチメントにより、オーバーシュートしている感もありますが、全力で買うにも早い気がします。実物資産の中では住宅関連は水物(流動性が低いために気分に左右されやすい)ですので、くれぐれもご注意ください。

関連するニュースを掲載します。

(引用開始)

米サブプライム問題、ジャンク債市場に波及=ピムコ

[ニューヨーク 24日 ロイター] 米債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のビル・グロース最高投資責任者(CIO)は、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)市場での債務不履行急増の影響が米クレジット市場に波及しており、高利回り債券市場における「突然の流動性危機」を生み出している、との見方を示した。
グロース氏は8月の投資見通し報告で、投資家心理の悪化で、レバレッジド・バイアウトでの主な資金調達法であるジャンク債発行に対する融資やバックアップ市場が休業状態にあると指摘。これが最終的に米経済に影響を及ぼす可能性がある、との見方を示した。
「信頼感低下により、高利回り債券発行市場の今後の融資やバックアップは凍結され、何も動いていない状況」と指摘。貸し手・借り手ともに、許容範囲を上回る資金で消化不良を起こしているような状態とした上で、これはプライベートエクイティにとって好ましくない状況、と語った。
また、資金調達コストの上昇が米経済を圧迫する可能性を指摘。「高利回り債券市場の突然の流動性危機は、全ての市場を結ぶ連鎖があり、最終的に(高利回り債券市場の)価格と利回りが米経済に影響することを示す兆候のひとつにすぎない」と語った。

アサヒ・コム 2007年07月25日

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米サブプライム問題再燃、リスクヘッジでCDS急激にワイド化

[東京 25日 ロイター] 米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題が再燃したことから、信用リスクに敏感になってワイド化した海外クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場の影響を受けて、国内CDSでも企業の信用力に対する警戒感が一層強まっている。サブプライムローンを組み込んだ証券化商品の損失が拡大するとの懸念が広がっており、国内CDSでもリスクヘッジ(信用リスクを回避)の需要が高まっている。 

<海外CDSがワイド化、サブプライムローン問題長期化を懸念>  
24日の米債券市場は、米住宅市場をめぐる懸念から株価が大幅に下落したことで、リスク回避のための運用資金が流入した。米10年債利回りは7週間ぶりの低水準をつけた。住宅金融大手のカントリーワイド・フィナンシャルの第2・四半期決算が33%の減益となるなど企業決算が予想より弱い内容となったことがきっかけとなり、住宅市場問題の影響が拡大するとの見方が強まった。住宅市場問題の影響が幅広い企業の決算に表れたことから、企業利益と経済の健全性に対する懸念が高まっている。 
相場が波乱となる中、サブプライムローン問題が深刻化するとの見方が強まり、米国・欧州のCDSがワイドニング。インデックスの推移をみると、米Hivol(ビッド)は20日に136.5bp、23日に141.75bp、24日に145bpと、前週末から8.5bpもワイド化。欧州の信用力の低い指数クロスオーバーも20日の343bpから24日の363bpと、20bpワイドニング。海外CDSに関して、新生証券・債券調査部シニアアナリストの松本康宏氏は「落ち着きどころがみえない状況にあり、当面はワイド化基調をたどろう」とみている。
サブプライムローン問題の見通しについて、みずほ証券・クレジット調査部シニアクレジットアナリストの石原哲夫氏は「債務免除や金利減免などのローン条件の修正がなかなか進まないことから、この問題は少なくとも1年以上、収まりそうにない」とみている。多くのローンが当初固定金利、以降を変動金利という条件で設定されているだけに、金利が上昇すれば借り手の返済額が跳ね上がり、返済不能に陥るケースが増加しかねない。貸し手側の影響も大きく、サブプライムローン融資に積極的だった金融機関だけでなく、「サブプライムローンを組み込んだ証券化商品を組成した投資銀行、証券化商品を購入したヘッジファンドなどが大きな損失を出す可能性がある。裏付けとなる資産価値が予想以上に低下すれば、ファンドの解散もあり得る」(ある大手証券の起債担当者)との見方もでている。
マーケットが住宅市場に対し神経質になっていることから、25日発表の6月米中古住宅販売、26日発表の6月米新築1戸建て住宅販売など米住宅関連指標に注目が集まっている。「とくに、米中古住宅販売が弱い数値となれば、米国では株安、債券高、CDSのワイド化の動きがより強まる」(ある外資系証券のアナリスト)との指摘があった。
ロイター調査によると、6月の米中古住宅販売戸数は、借り入れコストの上昇や貸し出し基準の厳格化の結果、前月から減少する見通し。エコノミスト69人の予想中央値は年率587万戸と、5月の599万戸から2%の減少を予想している。

(中略)

<国内SB、信用力に不安のある銘柄が売り対象> 
サブプライムローン問題の影響から、国内でも信用リスクを意識した投資家が増え始め、国内普通社債(SB)でも売り物が目立つようになった。投資家動向について「米ベアー・スターンズ傘下のヘッジファンドが損失を出したことをきっかけに、4─6月まで残高を積み増してきた投資家が信用力で劣る銘柄を中心にポートフォリオから外し出した」(ある大手証券のアナリスト)との指摘があった。
アイフルのSBをみると、スプレッド(気配)は残存期間5年で、前週に90bp程度とタイトな動きをしていたが、現在100bp台前半にまでワイド化。マーケットでは、消費者金融セクターに代表されるように、信用力に不安のある銘柄が売られやすくなったとみている。新生証券の松本氏は「債務担保証券(CDO)で損失を出した内外投資家が国内SBで利益の出ている銘柄を対象に利益確定の売りを行っている」と指摘。
サムライ債(円建て外債)についても、ベアー・スターンズ、米リーマン・ブラザーズなどのスプレッドはワイドなままだ。残存期間4年のベアー・スターンズは、6月初めに20bp台前半で推移していたが、現在74bp程度。リーマン・ブラザーズも起債した5月24日のスプレッドから22bpワイドの45bp程度で推移している。 

アサヒ・コム 2007年07月25日

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変動金利型サブプライム証券、事実上の発行停止状態に

[ニューヨーク 24日 ロイター] 米国で変動金利(ARM)型サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)を担保とする証券の発行が、事実上停止状態に陥っている。ローンの延滞率上昇が続いていることや、格付け会社による格下げが相次いでいることが背景。
米国では住宅平均価格が下落、住宅ローンの実行も伸び悩んでおり、他の金融市場や景気全体に影響が波及する可能性も指摘されている。
問題の中心には、ARM型サブプライムローンの借り手の債務不履行がある。このローンでは、固定金利期間が終わり、変動金利に移行することで、最大6%ポイント金利が上昇するケースもあり、借り手にとって「返済ショック」の様相を呈している。
米債券運用会社PIMCOのビル・グロース氏は24日、「ムーディーズとスタンダード&プアーズ(S&P)がようやく本腰を入れて、サブプライム関連銘柄の格下げに乗り出した。今後こうした動きがさらに広がる可能性がある」と指摘した。
JPモルガンによると、7月第1─3週に発行されたARM型サブプライムローン担保証券はわずか2銘柄。6月は最後のの1週間だけで、少なくとも12銘柄が発行されている。
7月に同証券を発行したのは、非上場のC─BASSとベイビュー・フィナンシャル。発行額は比較的小規模だった。
フィッチ・レーティングスやローン・パフォーマンスのデータによると、今後1年以内に固定金利期間が終わるARM型サブプライムローンは、総額3350億ドル。
一定期間元本返済を行わず利息だけを支払うインタレスト・オンリー(IO)型ローンも、元本返済の免除期間終了が迫っている。
エバーグリーン・インベストメントのダーシー・モリソン氏は「変動金利に切り替わり、元本の返済免除期間が終わって、なにかよいことがあるだろうか。市場が一種の凍結状態にあるのはこのためだ」と述べた。
JPモルガンによると、大半がサブプライムローンであるホーム・エクイティ・ローン(HEL、住宅価格の値上がり分を担保にした住宅ローン)担保証券の発行額は7月20日時点で1990億ドル。前年同期の水準を約37%下回っている。
サブプライムローン担保証券の取引価格は、記録的な低水準にある。もっとも信用度が高い銘柄で構成する「ABX─HE・AAA・07─1」指数は、今月に入り99.5から95前後に低下。
モリソン氏は「格下げで投資家の注目が集まった。AAA格でも格下げのリスクがあることが意識された」と指摘している。
ドイツ銀行によると、米格付け会社が今年格下げしたサブプライムローン担保証券は662銘柄、総額236億ドル。このうち47億ドル相当は投資適格級から投機的等級(ジャンク債)に格下げされた。
サブプライムやオルトA(信用力が中間程度の住宅ローン)を担保とする証券が格下げされたことで、さまざまなリスクのクレジット商品に投資する債務担保証券(CDO)の需要も減少している。
格付けの低いサブプライムローン担保証券で構成するABX指数は、今年5割以上値下がりしている。
JPモルガン・セキュリティーズの資産担保証券(ABS)調査責任者、クリストファー・フラナガン氏は「(ABS指数の低下、構成証券のスプレッド拡大で)新規のサブプライムローン担保証券の発行は事実上停止状態にある」と指摘。
アナリストによると、大手金融機関もサブプライムローンの組成や取引でここ数年多額の利益をあげており、影響はこうした大手金融機関に及ぶ可能性もある。
住宅ローン大手のカントリーワイド・フィナンシャルやウェルズ・ファーゴは、一部のARM型サブプライムローンの提供を中止。フラナガン氏は、固定金利期間の終了前に借り換えができない住宅ローンの借り手は、全体の約40%にのぼる可能性がある、と指摘している。
カントリーワイドは24日、業績予想を下方修正。住宅市場の低迷を印象づけた。同社のモジロ最高経営責任者(CEO)は、住宅市場の回復は2009年以降になると指摘。住宅建設大手のKBホームも先週、同様の見通しを示している。

アサヒ・コム

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サブプライムローンの呪縛

先週、市場の米ドルに対する不信感をご紹介したが、それ以降もこの流れは一層加速している。特に英ポンド、豪ドル、NZドルなどに対する米ドル下落が非常に目立つ。この3つの通貨は、直近に発表された消費者物価指数が市場予想を上回っていたことによって利上げ観測が広がっているという面もあるが、対円でも121円台まで下落してきていることを考えると、やはり米ドルは全体的にも下落しているということになる。
さて、先週は米国のプレゼンスの低下という少し大局的な要因を紹介したが、現在の急激なドル安の直接的な原因となっているのが、サブプライムローンの問題である。
では、この「サブプライムローン問題」がどうしてこれほど問題視されているのであろうか。その背景には、このローンを活用とした投資商品の存在がある。
サブプライムローンは低所得者や信用力の低い人向けに作られた住宅ローンであるが、通常の住宅ローンに比べて2%程度金利が高い。こうした高金利のローンを担保とした証券を金融機関が作り、それを投資家に販売している。
サブプライムローンは通常のローンに比べて金利が高めに設定されていることに加えて、2004年からの米連邦準備理事会(FRB)の利上げによって市場金利も上昇したために、2006年には表面金利はかなり高くなっていた。それに加えて住宅価格も上昇していたため、借り入れ金額も当然増加してきた。
その結果、比較的最近になってこうしたローンを活用して住宅を購入した人たちは、金利も含めたローンの支払い金額がかなり増えてしまった。支払い金額が増えると返済の負担が増大し、中には返済が困難になってくる者も増えてきたために延滞率が増加した。延滞率が増加すると、そのローンを担保にしている証券の価値は減価するために価格が下落した。そんな環境下で、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やムーディズ・インベスターズ・サービスなどがこうした証券の格付けを引き下げたので、市場価格が更に下落することとなった。
現在、米国のヘッジファンド、年金基金などを代表に世界中の多くの機関投資家がこうした証券を大量に購入している。先日、米大手証券ベアスターンズ傘下のヘッジファンドがこうした証券への投資で大きな損失を計上し、親会社が救済に回るという出来事があった。だが市場関係者の間では、これは氷山の一角で、実際にこうしたケースはまだまだ潜在的に残っていると考えられている。
問題は、全体でどれぐらいの損失が出るのかが全く読めない点にある。そのため、市場関係者の間に漠然として不安感が残り、為替市場でも米ドル離れが起きているのである。
先日、バーナンキFRB議長は、議会証言の中でサブプライム問題はかなり深刻であるという見解を示した。通貨当局の要人が、公式の場でこうした発言をするのはかなり異例のことであり、それだけ当局もこの問題に対して神経質になっていることを示している。
当面、ドルにはさらなる下落圧力がかかりそうだ。(FXマーケットウオッチ)

ニッケイネット

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サブプライム関連投融資、邦銀の残高は1兆円程度=UBS

[東京 24日 ロイター] UBS証券は、米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)に関連した国内大手銀行グループの投融資残高は1兆円を若干超える程度になるとの推計をまとめた。これによる含み損は、証券化商品の価格が簿価から10%下落したとしても、全体で1000億円余りの損失にとどまる計算。
UBS証券の大槻奈那アナリストが18日付けのリポートで発表した。これによると、大槻アナリストは国内の大手金融9グループに対し、1)サブプライムローンを資産とする証券化商品への投資残高、2)これらの資産を含むヘッジファンドへの投資残高、3)サブプライムローンの貸し手に対する投融資――についてヒアリングを行った。
ヒアリングの対象は、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、住友信託銀行<8403.T>、三井トラスト・ホールディングス<8309.T>、りそなホールディングス<8308.T>、新生銀行<8303.T>、あおぞら銀行<8304.T>、農林中央金庫──の9グループ。
これによると、投融資残高は合計で1兆円を超えるレベルで、証券化商品への投資が最大。ただ、ほとんどの投資対象はトリプルA格で、今後、多少の格下げがあったとしても価格の下落幅は限定される。また、ヘッジファンドへの投資は、証券化商品への投資残高ほどの規模ではないとみられるという。
大槻アナリストは「各行の投資額に濃淡はあり、運用方針にも格差はあるようだが、各グループの損失は、今期の業績予想の範囲内に収まる」として、影響は限定的との見方を示している。

アサヒ・コム2007年07月24日

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野村HDが損失726億円、米住宅ローン絡みで

証券最大手の野村ホールディングスは25日、米国での住宅ローン債権を担保にした証券事業で、1月から6月までの半年間に726億円の損失を出したと発表した。
大半が低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」に絡む損失で、野村は住宅ローン関連事業からの撤退など、米国での大幅な事業見直しを検討する。
日本の金融機関が同ローンの焦げ付きでの損失額を公表したのは初めてだ。
野村は、米国で住宅ローン会社からローン債権を買い取り、投資商品に組み替えて機関投資家に販売している。05年8月からサブプライムローン関連商品を手がけていた。昨年からサブプライムローンに焦げ付きが大量発生し、価値が下落したため、大幅な評価損と売却損を計上した。1~3月期に414億円、4~6月期に312億円の損失を計上した。ただ、4~6月期決算では、投資信託事業の好調などで税引き後利益は前年同期の3・8倍の767億円とし大幅な増益だった。
野村は昨年秋にローン債権の購入をやめ、保有分の転売などで残高を減らし始めたが、「住宅ローン債権の市場が想定を上回るペースで悪化」(仲田正史執行役)して損失が拡大した。
一方、日本の他の主要証券のほとんどは同ビジネスに参入しておらず、日本の証券業界への影響は限定的との見方が多い。

2007年7月25日読売新聞

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-26 12:07 | 経済状況

東京電力柏崎刈羽原発 海外メディアは隠蔽体質と批判 活断層の上に立つ世界最大の原発

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(写真1)多量に放出される冷却水の水蒸気と、変電設備火災の黒煙
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(写真2)重要設備の至近にまで迫った、路面のひび割れ

写真はCNNより

今回の新潟県中越沖地震によって、世界最大の原子力発電所である東京電力柏崎刈羽原発では、放射能を含んだ水が海に流れ込むとともに、火災が発生するなど、大きな問題が発生しています。海外のメディアは、地震に対する原発の安全性に加えて、問題の公表に関する隠蔽体質を批判しています。

これは、原発に関する世論の反発を懸念して、大きな事故のニュースを小出しにしている、と思われても仕方ない、ということでしょう。本来であれば、このような国と国民の安全に関する一大事においては、主権者である国民に対して、速やかで正確な情報の開示こそが必要なはずです。それとは逆に、国際的な観点からは、隠蔽にしか見えない、というのが日本の現状のようです。

(独り言:国民の重要な権利にかかわる事柄を隠蔽して、可能な限り先送りし続ける・・・あれ?どこかで聞いたような話ですね?)

ワシントン・ポスト
「放射能を含んだ水があふれた使用済み核燃料プールは、地震で損傷したのではないか」
「日本の原発業界はトラブルを隠蔽してきた歴史がある」

ニューヨーク・タイムズ
「東電は当初、放射能漏れはなかったと説明していた」
「放射能を含んだ水が海に流れ込んだ報告が遅れた理由の説明がなかった」

RBCデイリー
「毎月のように新たな事故と、それを隠蔽しようとしていた事実が明らかになっている」

引用元 アサヒ・コム

また、下に引用しているウォール・ストリート・ジャーナルでは、転倒した放射性廃棄物入りドラム缶の数を100本程度から400本に追加したこと、フタが開いて中身が出たのは実際には十数個だったと修正したこと、環境に排出された放射性物質の量が1.5倍に訂正されたこと、さらにはこの原発が活断層の上に立っている可能性まで指摘されたことを揶揄して、「日本の原発事故でわかった潜在的リスク」と表しています。

(引用開始)

The Wall Street Journal Online

Potentially Risky Trickle Of Bad Nuclear News
July 19, 2007 7:05 a.m.

For the fourth straight day, authorities revealed fresh news of a radioactive leak at a Japanese nuclear power plant following Monday's earthquake, potentially exacerbating a development that could set back a nascent revival of atomic-energy projects.

Inspectors from the Nuclear and Industrial Safety Agency found that radioactive iodine had leaked from an exhaust pipe at Tokyo Electric Power Co.'s Kashiwazaki-Kariwa plant in Japan's northwest, the Associated Press reports, citing the Kyodo news agency. This followed yesterday's revision of the number of upended barrels of radioactive waste to "several hundred" from the 100 reported earlier in the week -- including "a few dozen" with lids that opened -- and revised judgment about the 317 gallons of water that leaked into the Sea of Japan, which was 50% more radioactive than first announced, as the New York Times reports. The inspectors concluded the leak revealed today was too small to harm public health or the environment. But officials from another agency, the Nuclear Safety Commission, today slammed Tepco's response as they were touring the plant and especially the lack of equipment for dealing with a chemical fire that broke out. Yasuhisa Shiozaki, Japan's chief cabinet secretary, urged operators of the country's other 54 reactors to accelerate assessment of their facilities' earthquake resistance.

It was only this week that officials made public findings that show the Kashiwazaki-Kariwa plant could lie directly on top of the fault line responsible for Monday's 6.8-magnitude temblor, as The Wall Street Journal reports. That was a much stronger quake than the reactor was built to withstand, and nuclear experts elsewhere in the world are watching to see how it performed, the Journal adds. This daily release of bad news comes at a time when concerns about fossil fuels' contribution to global warming has diminished resistance to the construction of new atomic-power plants. But it doesn't bode well for a source of power that became frightful in the public imagination following a series of high-profile accidents in the late 1970s and early '80s, or in a country that suffered the only two atomic-weapon attacks in history.

Regardless of whether the radioactive leaks caused any damage, recurrent updates that paint a bleaker picture can undermine a company or government's credibility during a potential health crisis, as the Japanese learned in recent decades with Mad Cow disease, an outbreak of life-threatening milk contamination and even misreported safety violations at Tepco reactors.

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BBC News

Japanese fears over nuclear power

As Japan admits that radioactive material leaked from a nuclear power plant during Monday's powerful earthquake, the former BBC Tokyo correspondent Jonathan Head looks at why Japan has stuck with nuclear power despite the risks.

Japan is the only country to have suffered a full-scale nuclear attack, and the only country to have suffered massive casualties from radioactive fallout.
It seems odd, then, that it is so addicted to nuclear energy, operating more reactors than any other country after the United States and France.
And it seems especially odd in view of the country's vulnerability to natural disasters like earthquakes.
Despite the acute public sensitivity to nuclear power following the attacks on Hiroshima and Nagasaki, Japan has long been concerned over another vulnerability - its lack of indigenous energy resources.
Aside from some small-scale geothermal power projects, the country has no other significant sources of energy - no oil, and very little coal.
Indeed it was Japan's hunger for reliable energy supplies that, in part, drove its military expansion into Asia in the 1930s and 40s.
So when the US began promoting nuclear technology in the 1950s under the slogan "Atoms for Peace", Japan - by now a close Cold War ally - eagerly signed up.
The construction of power plants reached its peak in the 1970s and 80s, at a time when Japan's export-driven and energy-hungry industries were also expanding at their fastest.
Concern over nuclear safety was not widespread back then, and the Japanese were accustomed to placing great faith in their engineers, who had learned to build skyscrapers, roads, bridges and sea walls that could withstand earthquakes.
Large-scale construction projects like nuclear power plants also fitted into the Japanese model of spending heavily on infrastructure to boost development in the regions.
They also benefited industrial champions like Toshiba and Mitsubishi, which manufactured much of the technology that went into the nuclear facilities.
This was a time when Japan's powerful bureaucrats laid down the blueprint for the country's development, with little dissent from most of its citizens.

Safety concerns

The nuclear accidents at Three Mile Island in the US in 1979, and Chernobyl in the Soviet Union in 1986, prompted more Japanese to question their own nuclear industry, but they remained a tiny and powerless minority.
The real catalyst for the growth of the anti-nuclear movement in Japan has been a string of accidents, safety lapses and cover-ups which have led to a collapse of public confidence in the way the industry is run.
In 1999 two workers were killed and hundreds of homes had to be evacuated after an uncontrolled nuclear reaction took place at the Tokaimura plant north of Tokyo.
It turned out that the workers had been mixing dangerous quantities of uranium in an open tank, in clear defiance of safety regulations. They were Japan's first nuclear casualties since 1945.
Three and a half years later Tepco, Tokyo's electricity provider, had to shut down all 17 of its reactors after admitting it falsified its inspection reports.
And Japan's worst accident at a nuclear facility took place at Mihama, on the west coast, in March 2004, when five workers were killed by scalding steam from a corroded pipe. The pipe had not been inspected for eight years.
After every incident Japan's nuclear operators have promised to improve safety procedures, but only this year all 12 power companies admitted to thousands of irregularities in reporting past problems.
As a result, residents across Japan have started resisting the construction of new nuclear facilities, and in some cases have taken legal action to suspend operation in existing plants.
The courts now appear to be more inclined than they were in the past to act against the nuclear industry.
A pervasive culture of secrecy that is commonplace in corporate Japan, and traditional hostility to whistleblowers, make it hard for the industry to change.

Withstanding tremors

Then there is the question of resistance to earthquakes.
Existing regulations require nuclear power plants to be able to withstand an earthquake of magnitude 6.5, although the government now wants to raise that to 6.9.
But in most of Japan, potential earthquakes could be a lot stronger than that.
One plant I visited two years ago, in Hamaoka, on the coast south of Tokyo, is built directly on top of a major fault line. Just offshore, in the Pacific Ocean, three of the planet's main tectonic plates rub against each other.
A shortage of suitable land - most of Japan is very mountainous - forces the power companies to build in places like Hamaoka.
The reactors there could well be the strongest anywhere in the world - they sit in massively-reinforced concrete bunkers, supposedly able to withstand a quake up to 8.5 in magnitude.
Hamaoka's operator says this encompasses every conceivable tremor in Japan - but the earthquake that triggered the 2004 Indian Ocean tsunami was measured at more than 9.0.

'Human error' fears

Proponents of nuclear power argue that there have been remarkably few serious accidents around the world, considering the number of reactors in service and the five decades or so they have now been operating.
They point out that during the great Hanshin earthquake of 1995, which flattened the city of Kobe and killed more than 6,000 people, none of the nuclear power plants in the area were badly damaged.
But Japan's record suggests that future accidents are more likely to arise from human error than natural disasters.
Opponents of nuclear power also worry that Japan might use its civilian industry as the basis for developing nuclear weapons, in response to the threat from North Korea, although the constitution currently bars such a move.
The urgent need to reduce carbon emissions in the world's second-largest economy will probably eclipse all these concerns, and Japan is certain to continue relying on nuclear power for the foreseeable future.
Its citizens can only pray that it does so with a more entrenched culture of safety than it has shown in the past.

JAPAN'S NUCLEAR SETBACKS
1999 - Two workers killed in explosion at Tokaimura plant
2003 - 17 Tepco plants shut down over falsified safety records
2004 - Five workers killed by steam from corroded pipe at Mihama
2007 - Damage inflicted on Kashiwazaki plant from earthquake

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-20 00:53 | 経済状況

サブプライムローン破綻(2) アメリカ景気減速 サブプライムショックと世界同時株安 国家破産の遠因か

ABSを対象としたCDOのインデックスであるABXを見ていますと、2~3週間前よりも、ひどい状況になってきているようです。特に、最近発行されたシリーズのABXのAAA格付けは、今年2月のサブプライムショックでも下落が限定的だったのですが、この1週間で急落したことが目を引きます。

(グラフ 上からAAA、AA、A、BBB。いずれもシリーズ07、バージョン1)

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データ:http://www.markit.com ABX Indices

ABS:資産担保証券。ここでは、サブプライムローンなどを証券化したもの
CDO:債務担保証券。ABSを含むいろいろな債務などを混ぜてリスクをコントロールした証券。
CDS:クレジット・デフォルト・スワップ。信用リスクをお金に換えるデリバティブ。
ABX:正確にはABX-HE。ABSを対象としたCDSのうち、流動性の高い20銘柄を指標化したもの。信用度に応じて、AAA、AA、A、BBB、・・・と格付けされている。BBB以上が投資適格、BB以下はデフォルトリスクが高いとされる。

「日経金融新聞」(2007.07.12)の、資金の流れを示したスキームを転載します。(「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」より孫引き)

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過去の記事「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」のコメント欄から転載します。

(開始)

Commented by welpal at 2007-07-15 10:33 x
もし、サブプライムローン問題をきっかけとした株価暴落(ひょっとして債権も?)が起きるとしたら、ここ1~2週間が一つの要注意期間になると思っています。
実は、この週末にでも大きな動きが出ると見ていたのですが、はずれました。^^;

私がこの問題で今注目しているのは、markitのABX-HE指数で、特にBBBとBBB-です。(HEとは、Home Equityの略だそうです。ABX-HEについては、http://www.doblog.com/weblog/myblog/72014/163#163 で簡単に説明されています。)
この指数では、比較的優良なAAA~Aもここ数日で急激な下げを見せていますが、カンさんはこの辺りの動きをどう見られていますか?

私が今思うことは、
ここ1ヶ月間に、ニュースで頻繁にサブプライム問題が取り上げたり、相場が荒れることが急に多くなり、市場関係者はみんな警戒するようになったと思います。
ABX-HE指数を見れば、この1~2週間で株価暴落は起きるかもしれません。
逆に、この指数が急落した現段階で何も起こらなければ、この問題はうまくソフトランディング処理ができるような気もします。つまり、みんなが神経質になっているからこそ、徐々にリスクから手が引かれ、株価暴落は起きない。

Commented by kanconsulting at 2007-07-16 20:49 x
welpalさん
コメントありがとうございます。ABX(ABSのインデックス。ABSについては本文中を参照ください)に着目されているとは、慧眼だと思います。さて、格付けの高いABSやCDOでも値が下がっている理由は、以下のとおりと考えます。
・ABSやCDOは非上場債券であり、市場外取引となる
・それらを担保にレバレッジを効かせてトレードしているヘッジファンドは、一定以上の担保価値毀損により、ポジションを解消せざるを得ない
・そのため多量の売り物が出たが、流動性が低いため、理論価格より低い価格でしか売却できない
・つまり、格付けの高いCDO(ABS)でも、多量処分により、暴落することがある

Commented by kanconsulting at 2007-07-16 21:06 x
現在では、シングルA格付けのABXの急落が見られており、AA(ダブルA)クラスにはで波及してきています。AAA(トリプルA)も安泰とは言えません。では、今後はどうなるのでしょうか?

① 上の記事で述べたのとは逆に延滞率は膨らまず、ABXは収束する。
②-1 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げるが、投資銀行などの担保差し入れにより、株式市場には影響しない。
②-2 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げ、ヘッジファンドを火種として、投資銀行・機関投資家の株式投売りを誘い、世界株安となる。

Commented by kanconsulting at 2007-07-16 21:12 x
今後1~2週間の株価の見通しについては、ご指摘のとおりだと思います。
私が着目しているのは、今後1~2年の見通しです。なぜならば、いわゆる「ゆとりローン」により、今後1年ほどかけて、延滞が増加していくことは避けられないと見ています。ですので、②のどちらかの可能性が高いと見ています。
その途中で、エクイティ部門の含み益などで、ABSやCDOの含み損をカバーできたなら、②-1の可能性が高くなるでしょう。1~2年という長いスパンですので、損失をうまくカバーできる可能性もあると思いますが、そうできなければ、②-2です。

(終了)

関連したブログ記事を引用します。

(引用開始)

「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」 なぜPEブームが終わると騒がれているか?(図解)

このように、Subprime securitiesを組み込んだ、CDO(Collateral Debt Obligation)債務担保証券に、PEファンドは多くを投資しているという。このCDOはモーゲージ債券を裏付けにしているので、モーゲージ債券の格付けが下がったりすると影響を受ける。マージン・コール(追い証追加)におびえるのは、CDOを裏付けにして買収資金を借りているPEファンドの投資家達である、ということらしい。要するに、CDOは80年代の買収ブームに使われた、ジャンク・ボンドと同じようなものらしい。あまりにも仕組みが込み入っており、日進月歩でさらに様々なヘッジ商品が登場するので、正直さっぱり分からない。だれもどこにリスクが存在するのか分かっていないのではないかと思う。CDOにせよCDSにせよ、要するにDerivativesの一種らしいことは、FTのGilien Tettの記事から何となく分かった。デリヴァテイヴが危ないというのはそういう意味なのだろう。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-18 09:11 | 経済状況

少子化と国家破産 人口減少による日本国消滅の危機 経済同友会の予測 債務負担増・経済縮小税収減

このブログでは何度も述べていますが、少子高齢化・人口減少により、日本の経済成長を達成することは年を追うごとに困難になっていきます。この問題は根深く、10年単位で日本の没落を確実なものとしていきます。もちろん、年金などは満足に支給されるはずもありません。

さて、今年4月に経済同友会からリリースされた「日本の未来は本当に大丈夫か―改めて問う少子化対策―」においては、以下のように指摘されています。

(開始)

諸々の改革が十分に実施されず、政治、経済、社会の諸要素の趨勢が上方に大きく屈折しない場合(自然体ケース)には、以下のような諸問題が発生もしくは深刻化する恐れがある。(以下の諸数値は昨年度時点の実績、および予測に基づくものである。)

(1)人口減少に連動した経済力低下の恐れ
日本の総人口は2050 年には9,600 万人程度まで減少する。年平均でみれば、毎年68 万人ずつ人口が減ることとなる。また、経済成長の重要な要素である生産年齢人口(15-64歳人口)は、2050 年までに約40%減少する。したがって、生産性が相当に高まらない限り、経済力の低下は免れない。
(2)食料・エネルギー等の輸入購買力の低下、調達不能の恐れ
日本の現在の食料自給率(40%)、エネルギー自給率(20%)は主要先進国の中で最低レベルにある。他方、世界人口は今後も膨張を続け、世界的な資源不足、価格高騰の恐れがある。このような環境下で、経済力が低下すれば輸入購買力を確保できず、最悪の場合、調達不能の恐れもある。
(3)社会保障、防衛、治安、国土保全、教育等社会インフラのための支出に耐えられなくなる恐れ
生産年齢人口と老年人口の比率は、現時点では3.4:1であるが、2050 年には1.4:1になる。つまり、お年寄り1人を現役世代1.4 人で支えなければならない。このような状況下で、経済規模が縮小すれば、社会保障のみならず、その他の社会インフラの支出にも耐えられなくなる恐れがある。
(4)国・地方の財政破綻の恐れ
「債務負担の増勢」と「経済縮小に伴う税収減」が同時進行すれば、財政再建が困難になるだけでなく、最悪の場合、財政破綻に陥る恐れがある。

(5)基礎的社会サービス(上下水道・学校・消防・医療等)の提供が困難な地域が拡大する恐れ
人口の減少スピードは全国一律ではない。地方においては「過疎」の問題がさらに深刻化し、財政力の脆弱さと相俟って、諸々の基礎的社会サービスの提供が困難な地域が拡大する恐れがある。
(6)社会の活力が大幅に低下する恐れ
生産性の伸び悩み等から国民一人当たりの実質所得がマイナスに転じる恐れがある。また、社会保障負担の在り方によっては世代間対立が表面化し、現役世代の労働意欲が減退するなど、社会の活力が低下する恐れがある。
(7)世界における存在感が大幅に低下する恐れ、特に中国・インドとの経済的地位の逆転の影響
経済力の低下に伴い、世界の中での存在感が低下する恐れがある。とりわけ、中国とは経済的地位が大幅に逆転する恐れがある。現在の中国のGDPは日本の4割程度であるが、2050 年には日本の6~7倍に達するとの予測もある。

(中略)

自然体ケース(中位~下位):政治、経済、社会の諸要素の趨勢が上方に大きく屈折しないという前提の自然体で伸ばした姿
改革ケース(上位~中位):人口減少から発するマイナス面克服に向けた諸々の改革・施策が実施され、効果を上げる姿

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自然体ケースでは、労働力の減少に加え、全要素生産性の伸び悩み、高齢化の進展に起因する貯蓄率の低下による資本ストックへの下押し圧力等により、早ければ2010 年代後半、遅くとも2020 年代後半には、潜在成長率がマイナスに転じると予想される。国民一人当たりの実質GDPも予測期間後半にはその伸びがマイナスに陥る可能性が高い。政府のプライマリーバランスはおおむね赤字のまま推移し、予測期間後半では赤字幅が拡大する。その結果、政府債務残高も増加の一途を辿る。
改革ケースでは、国民一人当たりの実質GDPの伸びはプラスを維持できると考えられるが、一国全体で考えた場合の潜在成長率はマイナス幅こそ大きくないものの、予測期間後半にはマイナスに転じると予想される。プライマリーバランスについては、消費税率引き上げ等により、一旦は黒字化すると考えられるが、高齢化の進展に伴う社会保障費の増大から、予測期間後半には再び赤字に陥る可能性がある。
以上のように、わが国は、自然体ケースでは危機的状況に陥ることとなり、改革ケースですら安泰とはいえない状況となる。

(中略)

出生率が改善した場合の人口の前提としては、・・・最も出生率が高い前提(2040 年時点で1.75)の「国民の希望がすべて実現した場合(ケースⅠ)」を用いることとした。ただし、このケースの実現には極めて高いハードルがあると我々は認識している。・・・この出生率改善シナリオによる試算結果は、少子化対策を含めたすべての改革が効果を表した場合の上限値と位置づけることができる。

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少子化対策以外の改革を最大限に行った上で、出生率の改善が見込まれれば、図表12の出生率改善ケースのとおり、潜在成長率のマイナスを回避することが可能となる。これは図表14 と図表15 を比較すれば分かるとおり、出生率の改善によって、2030 年代以降の労働力の下押し圧力が緩和されることによるものである。ただし、これは少子化対策以外の改革が最大限に効果を表した場合であることに留意いただきたい。図表13 のとおり、出生率が改善されれば財政面での負担も軽くなり、プライマリーバランスは大きく改善する。

以上の結果から、わが国が持続的な成長を実現していくためには、人口減少を前提とした諸々の改革に加え、出生率の改善に向け少子化対策を行うことが必要不可欠といえる。

(終了)

つまり、以下の条件が2つとも満たされた場合に、日本の没落は避けられるが、いずれか1つだけ、あるいは両方とも満たされない場合は、日本国の衰退と財政破産は不可避である、ということです。
・人口減少のマイナス面に対する改革・施策が実施されて効果を上げること
・出生率が1.75(2040年)と、想定内で最も高い数値に回復すること

産経新聞の連載記事は、『経済が縮小すれば、税収の低下、高齢化による社会保障費の増大で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字はやがて臨界点に達する。国債価格は暴落。その先はまさに“日本沈没”のシナリオである』と述べています。

こういった見通しは、現在の円安(対ドルを除く)と物価上昇による『円という通貨の減価』に、その兆候は出ていると考えています。

人口減少・少子高齢化に関する過去のエントリーから抜粋して掲載します。

(開始)

「国家予算作成ゲーム「財務大臣になって予算を作ろう!」について」

実際は、これまでに述べているように、少子高齢社会を迎えますので、医療・福祉は減らすことが困難です。地方交付金の減額は、地方税の増税につながりますので、国民にとってはトータルでは変わらないと言う見方も出来ます。そして、このような「縮小均衡」が、活力ある社会を生み出すとは、ちょっと思えないというのがホンネです。

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「下げのきついときに、投資を考える」

日本の将来は、どうなるとお考えですか?
・このブログやメインページでかねてより指摘していますように、増大する巨額の公的長期債務が、国民経済を減速させる可能性は高い。
・少子化が進む。労働力、需要、担税力の低下につながり、将来の経済の発展が望み薄になる。

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「格差社会とその対策 資本の自己増殖と給与の上方硬直化 長期グローバル投資を(2)」

格差社会は、少子高齢化とあいまって、日本全体の経済成長力・担税力を損なうため、国家財政破綻のリスクを高める。財政破綻にならなくても、増える低所得者層にとっては、実質的なハイパーインフレにも似た過酷な国家となる。

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「人口動態について」

「まもなく日本の人口は減少を始め、労働人口の減少、とりわけ若い労働力の縮小と消費市場の縮小による経済への影響が懸念されます。また高齢化が進むことで年金、医療、介護などの社会保障費が増加して、国民の負担が増大することも懸念されています。
ただし、経済や生活は人口だけで決まるものではないので、そうした懸念を実現させないための工夫を国、自治体、企業をはじめ国民全体が協力して築いて行けるかどうかが重要な点です。」

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「日本国債格付け 改革なければ日本国債格下げ(S&P)」

・日本では急速な少子化によって現役世代が減る
・今後10年間で医療や介護、年金などの公的サービスへの需要が高まり、大きな財政圧迫要因になる
・制度改革がなければ、社会保障費や国債利払い費などが雪だるま式に膨らみ、一般政府歳出の対GDP(国内総生産)比は、2050年には現在の水準から約30ポイント上昇して65%になる

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「富田俊基氏の語る「総選挙と財政再建」」

(政権交代ついて)
・政権が交代しても、中長期的には財政再建重視とならざるを得ない
・それは、歳出削減でも国債残高は増加しており、将来的には利払い費も増加するためである
・将来の人口減少と貯蓄率低下に備えて、財政の健全化と国債の信用回復が必要だ

(財政再建について)
・大きな政府を維持する選択肢は、事実上ありえない
・海外の財政再建事例では、増税よりも、歳出削減を重視したほうが成功しやすい
・成功事例では、公共事業削減に加え、社会保障・公務員給与をGDP比で引き下げている
・日本では少子高齢化を迎えるので、社会保障費の大幅カットは難しい。GDP比横ばいを目指すべき

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「日本株式投資の真実」

・日本株式は、人口動態などから、今後長期での成長が期待できない。

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「増税なき財政再建は可能か? 法人税・企業業績・経済成長・自然増徴? プライマリーバランス達成可能?」

・人口が減少していく国で、経済成長を遂げるのは、高付加価値産業にシフトするしかないが、現状そうなっていない

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「人口統計に基づいた未来予測~自治体破綻 経済状況の発展段階説(3)」

さて、人口統計に基づいた未来予測は、一般的な予測より精度が高いとされています。ですので、エコノミストの株価予測・為替予測を読むよりは、人口動態をチェックするほうがはるかに実入りがあるというべきでしょう。

そこから予測される項目としては、これまでも紹介していますように、
・現行制度のままでは所得税収・住民税収は減少する
・医療・福祉に関する支出は減らすことが困難
・税負担や保険負担を増加し、高負担社会とせざるを得ない
です。

(終了)

問題の記事を引用して掲載します。

(引用開始)

【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(2)500年後は縄文並み人口15万

「限界集落」。高齢者が半数を超え、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落を指す。大半は早晩消滅の道をたどるほかない。
国土交通省の調査などによれば、こうした集落は全国ですでに3000近くになる。図1は人口5000人未満の過疎町村を現在と50年後とで日本地図に記した分布図である。過疎化を示す赤色が急ピッチで全国に広がる様子が分かる。「消えゆく明延」は日本全体の象徴ともいえる。
図2も衝撃的だ。官民共同のシンクタンク「総合研究開発機構」(NIRA)が最新の人口推計などをもとに、出生率が現状の1.32のまま推移することを前提にして作成したものである。
日本の人口は、1億3000万人をピークにほぼ一直線に急下降を続け、わずか500年後には15万人まで落ち込むとしている。これは縄文時代の人口水準に匹敵する。推計とはいえ現実に起こりうることだ。数字にはあぜんとするほかない。
繁栄の思い出に浸っている間にも次々消えていく集落。少子高齢化と人口減少問題は、遠い将来に目配りして初めて、深刻さが見えてくる。だが、確実にこの“見えざる敵”は日本を消滅の淵(ふち)に追い込みつつある。

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少子高齢化は先進国に共通した現象だ。だが、「問題は、日本ではそのスピードがあまりに急激すぎることだ」。法政大学大学院の小峰隆夫教授はそう指摘する。
経済同友会は今年4月、深刻な人口減少社会の到来に警鐘を鳴らす緊急提言を発表した。
このまま手をこまぬけば、日本は労働力減少と生産性の伸び悩みで潜在成長率は2010年代後半にもマイナスに転じるとする提言は、危機感にあふれている。
経済が縮小すれば、税収の低下、高齢化による社会保障費の増大で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字はやがて臨界点に達する。国債価格は暴落。その先はまさに“日本沈没”のシナリオである。
すでにその兆候は出ている。
国内総生産(GDP)で世界第2位の経済大国・日本の座も、実際の通貨の実力で換算する購買力平価では既に中国に明け渡している。2050年には、経済規模で中国の10分の1程度まで水をあけられるとする予測もある。
少子高齢化は、働く世代と年金受給の高齢者との世代間対立も拡大させかねない。若者は老人にますます敬意を払わなくなり、社会は荒廃していく。将来社会への不安が募れば出生率はさらに低下する。人口減が人口減を呼ぶ構図だ。

産経新聞

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-16 23:07 | 経済状況

アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か

4ヶ月ほど前の記事で、次のように述べました。

(開始)

「「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を」

そして、アメリカに目を転じれば、サブプライムローン(サブプライムモーゲージ。日本で言う、住宅金融公庫のようなもの)の破綻が影を落とします。アメリカの景気は減速するでしょう。信用創造の縮小によって、50兆ドル(5000兆円)とも言われる巨額のデリバティブ(派生金融商品。非常に簡単に言うと、レバレッジの効いた権利取引)の焦げ付きも懸念されるところです。

このように、世界経済と日本の財政も、来年が見えない状態になってきています。

(終了)

サブプライムモーゲージ、サブプライム・ローンとは、簡単に言うと、信用度の低い個人(借り手)を対象にした高金利の住宅融資のことです。現在、アメリカでは、金利上昇を背景に、サブプライムローンの延滞や差し押さえが急増しているということです。そういった状況の中、アメリカの格付け会社であるS&Pとムーディーズは、「サブプライムローンを担保にした証券」を、大量に格下げすることとなりました。

「サブプライムローンを担保にした証券」とは、資産担保証券(ABS)ということです。サブプライムローンだけではなく、その他のローンや債券と混ぜ合わせることで、計算上はそれら単体よりもリスクは減少するということで、格付けが高い証券にできていたのです。

サブプライムの規模は、以下のように推定されています。
・米国の住宅ローン残高は約10兆ドル(約1200兆円)
・このうち、サブプライム向けは約10%=約1兆ドル(約120兆円)
・このうち、焦げ付きにつながる延滞率は15%程度=約1500億ドル(約18兆円)

金額的には、それほど巨額というわけではありませんが、問題点はいくつかあります。
・そういった証券を多量に購入しているヘッジファンドの信用不安・経営悪化
・こうしたヘッジファンドを通じて、世界的に影響を及ぼす可能性
・もちろん、米住宅市場の減速を招く可能性
・普通で考えて、金利上昇期には高金利ローンの延滞率は上がり、それによる投売りが住宅価格の下げ圧力となることから、さらに損失は膨らむ可能性

一例として、サブプライムモーゲージ証券投資で損失をだしたヘッジファンドに、ベアー・スターンズ投資銀行が32億ドルの融資(といえば聞こえはいいが、実質上の救済)をすることになっています。LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)と同規模の損失補てんとなっています。

この勢いで、現在の延滞率に相当する約1500億ドル(約18兆円)のマネーが消えると、どうなるでしょうか?世界景気の減速は避けられず、世界同時株安を再び見ることになるでしょう。

さて、ウォーシュFRB理事は、以下のような見解を示しています。
・サブプライムモーゲージ問題は、連鎖的破綻・金融危機などのシステミックリスクにつながらない
・しかしながら、サブプライムモーゲージ問題に起因する、さらなる損失があることは確実
・サブプライムモーゲージ問題は、まだ底打ちしていない可能性がある

FRBのメンバーが「連鎖的破綻・金融危機が起こる」というと、それは自己実現型予言になってしまいますので、口が裂けても言えないはずです。ですので、「連鎖的破綻・金融危機はない」というのは、安心のためのポジショントークですので、それを100%真に受けることはできません。

また、アメリカは危機に際しては、挙国一致して対処に当たるという特徴があります。ですので、どんな手を使っても、たとえば日本からカネを引っ張ってでも、この穴を埋めにくるかもしれません。

現実問題として、金額的には、サブプライム・モーゲージ問題は、直接には金融危機にはつながりにくいと思います。ですが、このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか。

今後とも注視が必要だと思います。

(引用開始)

サブプライム担保証券、米で大量格下げ・ヘッジファンドに打撃

【ニューヨーク=山下茂行】米格付け大手は10日、信用力の低い個人(サブプライム)向け高金利型住宅ローンを担保にした証券の大量格下げに動き始めた。サブプライムローンの延滞や差し押さえが急増しているためで、同証券に投資するヘッジファンドの経営悪化や米住宅市場の一段の減速を招く可能性もある。
格下げ対象はサブプライムローンの元利金を投資家に支払う証券化商品で「住宅ローン担保証券(RMBS)」の一種。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは当初発行額で52億ドル相当の格付けを引き下げた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も120億ドル相当を格下げする方向で見直す。

日本経済新聞

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S&P、120億ドル相当のサブプライムRMBSを格下げ方向に

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)サブプライムローン(信用度の低い借り手への融資)市場の危機拡大が、米2大格付け会社を巻き込んでいる。
スタンダード&プアーズ(S&P)は10日、米国のサブプライムローンが担保となっている、総額約120億7800万ドル相当の住宅ローン担保証券(RMBS)の信用格付けについて、格下げの可能性があることを示す「クレジットウオッチ・ネガティブ」に指定したと発表した。対象となるRMBSのクラスは612に上る。
S&Pはクレジットウオッチに指定した理由として、担保となっているサブプライムローンの債務不履行が膨らんでいることを挙げている。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスも10日、399のRMBSを格下げしたと発表。さらに32のRMBSについて格下げの方向で見直すとした。担保となっているローンの不履行率が予想を上回っていることを理由として挙げた。
これらの発表を受け、米住宅市場の低迷はさらに深刻化し、回復には少なくとも数カ月かかるとの見方が広がった。株式や格付けの低い債券を売る動きがみられ、米株式市場のダウ工業株30種平均は10日、前日比148ドル27セント(1.09%)安の1万3501ドル70セントで引けた。

日本経済新聞

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サブプライムローン  米焦げ付き続発 ファンドに信用不安/「日本への影響限定的」

米格付け会社が高金利型(サブプライム)住宅ローンを担保とした債券の格付けを引き下げると発表したことで10日のニューヨーク株式市場は大幅に下落しました。サブプライムローンの焦げ付き問題が再燃したことにより、関連の投資ファンドが経営危機に陥り解散を余儀なくされたり、金融当局が監視を強めているとの情報もあります。問題の根源はどこにあり、なぜ今再燃しているのでしょうか。
サブプライムローンは、所得や信用力の低い人向けの消費者金融の一種で、自動車や住宅などを担保に年率20~30%の高金利で貸し出すものです。米国では総世帯の約4割が年収2万5000ドル以下で、サブプライムの対象になるといわれ、市場が非常に大きいのは確かです。
問題となっているのは住宅担保融資ですが、米国の失業率は歴史的な低水準にあり、景気も悪くないなかで、借り手が返済不能に陥るケースがそれほど多く発生するのは腑に落ちません。
実は、サブプライムローンは、低所得者の住宅購入だけに使われているわけではありません。将来の値上がりを期待して、高級リゾートホテルや別荘を買いあさる個人投資家の利用も多いという実態があります。米国は住宅バブルが続き、こうしたリスクの高い投資に多くの個人が参入していたわけです。住宅価格の上昇率が鈍っただけで、これら“にわか投資家”が返済不能に陥っているのです。
サブプライム問題は、実際どの程度の規模なのでしょうか。米国の住宅ローン残高は約10兆ドルで、このうちサブプライム向けは約10%とみられ、焦げ付きにつながる延滞率はその中の15%程度といわれています。金額的なリスク規模は意外に小さい可能性があります。また、住宅価格が下落したわけではなく、上昇率が鈍化した程度です。このため、3月には問題が沈静化していました。
ここにきて再燃したのは、サブプライムローン債権を証券化した金融商品の購入先に対する不安からです。これら金融商品の格付けが大幅に引き下げられたこともあり、多くを購入しているヘッジファンドなどに信用不安が広がったわけです。ファンドには世界中の金融機関、投資家が資金を拠出しており、影響が国際的な広がりを見せる可能性もあります。
日本にも波及するのでしょうか。大和総研の近藤智也エコノミストによると「サブプライムローン債権を1割程度組み込んだ金融商品を購入している機関投資家は一定数存在する」といいます。ただし、サブプライムローン債権だけで運用しているわけではなく、「日本への影響は限定的」とみています。(高山豊司)

FujiSankei Business i. 2007/7/12

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米サブプライム問題に揺れる市場、損失表面化には時間

[東京 12日 ロイター] 米国のサブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手への住宅融資)問題の再燃で、国内外の金融市場は不安定な動きにさらされている。米金融当局者は同問題がシステミックリスクにつながることはない、との立場をとっているが、今後、関連したファンドの損失が表面化する可能性もあり、市場は依然リスク要因とみている。
足元で好調な成績を出すヘッジファンドの中にも先々、パフォーマンスが低下するところも出てくることも考えられる。

<ヘッジFのパフォーマンスは良好、住宅セクターに空売りも>
米サブプライムモーゲージ問題を抱えながら、ヘッジファンドのパフォーマンスは、実は良好に推移している。ヘッジファンドの運用成績を地域別にデータ化しているユーリカヘッジの地域別ヘッジファンド指数は、12日現在、ユーリカヘッジ・グローバル・インデックスをはじめ、全ての地域で年初来プラスになっている。
最もパフォーマンスが高いのは新興国市場で15.63%、次いで東欧・ロシアの13.70%と、新興国市場がけん引している格好だ。
また、クレディ・スイス/トレモント・ヘッジファンド・インデックスによると、同指数のパフォーマンスは年初来で7.86%。戦略別では、デディケイテッド・ショート・バイアス戦略(マイナス3.31%)を除き、全てがプラスになっている。イベント・ドリブン(同10%)や同マルチストラテジー(11.73%)、株式のロング・ショート(9.25%)を筆頭にパフォーマンスは良い。
あるヘッジファンド関係者は「米国サブプライムモーゲージ問題が噴き出す中で、住宅セクターに空売りをかけるようなファンドは高いパフォーマンスをたたき出している」と話す。

<サブプライム絡み、今後損失の表面化も>
ヘッジファンドの破たん危機などが伝えられているが、総じてヘッジファンドのパフォーマンスが良好な背景には「サブプライム絡みのものに投資する戦略は限られている」(前出のヘッジファンド関係者)ためだ。
一方、春先から米サブプライム問題でヘッジファンドの破たんを指摘していたマネックス・オルタナティブ・インベストメンツのマネージング・ディレクター、白木信一郎氏は「ハイ・イールド債に投資するファンドの中には(サブプライム絡みが)一部入っているものもあるかもしれない。一部で損失が明らかになっているように(サブプライム絡みの保有では)レバレッジをかけるなど偏りが大きかった」と話す。
保有資産にはマーケットバリューがつかないこともあり、かつ、ファンドのバリュエーションは独自で行い、頻度が少ないところもある。こうした場合はバリュエーション上の減価が行われるまでに時間がかかることもあり、減損部分が表面化していないものも多いのではないかという。同氏は、今後、一部の投資戦略でパフォーマンスの低下につながる可能性もあるとみている。

<リスク要因吸収し、個人マネーは海外資産へ>
他方で、足元の国内投信マネーは海外市場のリスク要因を踏まえながら、海外資産への投資を加速させている。
野村総合研究所(NRI)が算出している国内投信の資金流出入状況(設定額マイナス解約額、新規ファンド分は3カ月目から算入)によると、海外資産に投資するファンドのカテゴリー(海外株式型、海外債券型、海外ハイブリッド型)に、7月は10日までの7営業日で4446億円が流入。6月の同営業日ベースの流入額3450億円をほぼ1000億円上回るペースで資金が流入した。
1日平均約600億円を超える資金が投信を介して国内外の金融市場に流入している計算だ。同じベースで計算した6月の月間流入額は1兆1731億円で、1日あたりの流入額は約559億円。足元の流入額は着実に膨らんでいる。
新規ファンドへの資金流入などを加味すれば、海外資産への投資額は更に膨らむ見通しで、一大投資家となった個人マネーの「円売り/外貨買い」の傾向に今のところ大きな変化はみられない。春先から話題に上った米国のサブプライムモーゲージ市場をめぐる問題で、個人マネーの海外資産選好に歯止めがかかるのではとの見方も一部にはあったが、現状では海外リスク要因をものともしない個人マネーの姿が浮かび上がった。

アサヒコム・ロイター 2007年07月12日

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-13 01:58 | 経済状況

骨太の方針2007 成長重視路線の政策レベルが低い 財政改革では後退 国家財政の行く末は?

先日、「骨太の方針2007」が発表されました。

いろいろ問題点はありそうですが、最大の問題は、「(1)成長重視路線を言う割には、政策レベルが低い。かつ、(2)財政改革では後退している」ということになりそうです。

(1)成長重視路線の政策レベルが低い

「一人当たりの労働生産性の伸びを「五年間で五割増」との目標を掲げた」とありますが、需要が伸びないままに労働生産性を上げると、単位時間の労働コストが下がるか、失業が増えることは避けられません。この「五年間で生産性50%増」は、年間に換算すると、8~9%アップとなります。それだけの需要増加に見合ったものでないならば、大きなデフレ圧力となることは自明でしょう。それを言うなら、「生産性向上ではなく、付加価値アップ」が本筋でしょうね。

また、「最低賃金の引き上げ」は、格差緩和を狙ったものと推察しますが、それだけでは、格差社会の根本的な解決にはなりません。なぜならば、実物経済の裏づけがなく日本の人件費があがるなら、生産設備(機械)で代替するか、より安い人件費を求めて、海外へのアウトソーシング、外国進出・外国人労働者の活用にシフトするだろうからです。その結果、逆に最低賃金層の雇用が減少するかもしれません。

以前の記事「経団連・法人税と格差社会 グローバリズムとトリクルダウン効果 ホワイトカラー・エグゼンプション(3)」で、「格差社会のトップが富むことで、底辺がおこぼれにあずかることができるという『トリクルダウン効果』は、実際には否定されている」と述べました。日本でも同じです。富裕層がますます富んでも、格差の底辺にはまったく恩恵がないのです。

(2)財政改革では後退

今年は、「公共事業費の削減」は、見送られています。参院選を前にして、「地方経済への配慮=バラマキ」が必要だ、ということなのでしょう。公共事業費は、日本では、地方経済に円を還流させる、一種のヘリマネとして機能してきた面があります。それをまたやりたい、ということなのでしょう。このブログでは何度も指摘していますが(※)、「国の生産性への寄与が乏しい」公共投資を、「景気刺激のため」と称して続けてきたことが、どれほど国全体にとってマイナスになったことか、うかがい知れません。

なぜ歳出削減が必要なのでしょうか?一言で言うと、大きな政府のもとでは、国民は限りなく貧乏になっていくからです。国民の監視の行き届かない「大きな政府」が必ず腐敗することは、歴史が証明しています。そのツケは、国民が払うことになっているのです。

※過去のエントリーも参照ください。

「増税なき財政再建は可能か? 法人税・企業業績・経済成長・自然増徴? プライマリーバランス達成可能?」

なぜならば、税金・特別会計・その他公金へのタカリの存在(タックス・イーター、レント・シーカー)が、巨額の財政赤字を作った一因でもあるからです。これら、ムダ飯食らいを一掃処分しないことには、日本に未来はないのだと、厳しく指摘します。(中略)こういった「国の生産性への寄与が乏しい」公共投資を、「景気刺激のため」と称して続けてきたことが、どれほど国全体にとってマイナスになったことか、うかがい知れません。

「「ワイロ・カルテル・談合」はなぜ悪いのか? ~日本の「公共事業支出/GDP比」は他国の2倍~」

これまで、このブログでは、「国家予算(一般会計+特別会計+地方)がGDPの半分に到達しており、正常な財政運営とは言えない」「日本の公共投資は、投資に見合ったリターンが得られておらず、ムダが多すぎる」「予算を使い切ることが目的となっており、国民の税金を扱っているというモラールが崩壊している」などと指摘してきました。(中略)小職はこのブログにおいて、「単に穴を掘って埋めるだけでも、乗数効果がある」とするケインジアン的発想を、「もはやそのような時代ではない」と厳しく否定してきました。なぜならば、そのような「統制経済」の行き着く先は、国全体の終焉であるからです。そのことは、ソビエト連邦を含む共産圏諸国のたどってきた道、あるいは北朝鮮の現状を見ればわかるはずです。

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以下、関連したニュースを掲載します。

(開始)

骨太の方針2007 “百花繚乱”で改革路線後退

政府が19日決定した経済財政運営の基本方針「骨太の方針2007」。目前に迫った参院選を強く意識した結果、安倍晋三首相が掲げる政策理念や国民の耳に聞こえのよい項目を羅列した“百花繚乱”の内容になった。一方で、自民党などの抵抗勢力が暗躍し、“消えた年金”ならぬ“消えた項目”も多く、小泉純一郎政権が掲げた「構造改革路線」の後退を懸念する声が高まっている。(中山忠夫、那須慎一)
安倍首相が初めてまとめた骨太の方針は、A4判サイズで52ページ。最少で27ページに収まったこともある小泉政権時代に比べると2倍以上に膨れあがった。「安倍内閣で初めての骨太でもあり、ある程度広範にわたることはやむを得ない。(ページ数が増えたのは)項目ごとに見やすくするためで、余白も多くある」原案を決定した今月12日の会見で、大田弘子経済財政担当相は、「総花的」との批判に、苦しい弁明に終始した。

◆小泉改革「揺り戻し」
今回の方針の最大の特徴が成長力の強化。労働生産性の向上や地域経済の活性化を盛り込んだ「成長力加速プログラム」を目玉と位置づけている。国民に痛みを求めた小泉改革からの「揺り戻し」(自民党幹部)もあり、安倍政権は発足当初から、成長重視を掲げてきた。財政再建でも成長による税収増に軸足を置いており、その姿勢が方針にも反映された。国際競争力強化のための生産性向上では、5年間で伸び率を50%引き上げるという「数少ない明確な数値目標」(民間エコノミスト)が明記された。グローバルな市場間競争を勝ち抜くため、「金融・資本市場競争力強化プラン」を年内に策定し、証券や商品先物などを総合的に扱う取引所の検討や銀行と証券の垣根規制の緩和も打ち出した。小泉改革の「弊害」と指摘され、年金問題が浮上する以前は参院選の最大の争点になるはずだった「格差問題」にも力を入れた。人材や資金を集中的に投入し地域経済の再生を図る「地域力再生機構」の創設もその一つだ。
だが、一方で先送りされたり、消えていった政策も少なくない。一定の条件を満たした社員を労働時間規制の対象外とする「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」。経済財政諮問会議の民間議員は労働生産性の向上で国際競争力を高める“労働ビッグバン”政策の柱に位置付け、導入を迫った。ところが、「残業代ゼロ制度」との批判が各方面から噴出。安倍首相は参院選への影響に配慮し1月には早々と今国会への関連法案の提出見送りを決めた。国際線の便数や就航する航空会社の決定に政府が介入せず、民間の自由な判断に委ねる「オープンスカイ」構想。5月16日の最終報告では、海外から乗り入れ要望が多い羽田、成田の両空港について、「将来課題」と表現するにとどまった。「発着枠が満杯」というのが表向きの理由だが、航空交渉の権益を手放したくない国土交通省や運輸族議員が猛反発したことが影響した。焦点だった羽田の国際化、24時間化も「早朝・夜間の国際チャーター便拡大」と大幅に後退した。

◆「3%削減」見送る
極め付きが、歳出削減の象徴である「公共事業費」だ。小泉政権の5年間で約4分の3の水準にまで大幅削減され、昨年度の骨太の方針では、11年度まで「毎年1~3%減らす」との数値目標が決まっていた。今年も民間議員が素案に「3%削減」の明記を求めたが、結局、見送られた。参院選を前に「地方経済への配慮」を求める与党議員らの意向が強く働いたためだ。「昨年決めた方針を守っていくのは想像以上に難しい」大田経済財政相は12日の会見でこう本音を漏らした。骨太の方針を取りまとめる経済財政会議は小泉政権時代、首相官邸主導で郵政民営化などの構造改革を推進する原動力となった。だが、今回は、「役所が予算獲得のため、提案を競い、お墨付きをもらうための会議に成り下がった」(関係者)。かつての“ばらまき予算”への回帰も懸念されるなか、安倍首相の指導力が問われている。

≪エコノミストの採点≫
□BNPパリバ証券 河野龍太郎氏
■メリハリが重要だが
【50点】
労働力が減少するなかで、日本の労働生産性の伸び率を5年間で5割増にすることを、年限を決めて目標として掲げたことは評価できる。ただ、安倍内閣初の基本計画ということで、多くの項目が盛り込まれているのはやむを得ないといえるが、今年の諮問会議を見る限り、各省での審議会での決定事項を各大臣が読み上げる場になってしまったように思う。
すべての項目を実現するために、財政再建が滞る事態になるとは思わない。しかし、本来は、重点項目を決めて、必要な政策には十分の予算を配分し、メリハリをつけることが重要だが、結果的に一律で抑制されるということになりかねないと懸念している。

□第一生命経済研究所 熊野英生氏
■ぼやける格差是正策
【65点】
景気回復の恩恵を受けられずにいる若年フリーターや中小企業、地方などへの配慮を打ち出した。参院選対策との批判もあるが、経済成長の果実を弱者にも配分しなければ、国民の暮らしが本当に豊かになるとは言い難い。
ただ、「ジョブカード」や「ふるさと納税」などは耳に聞こえがいいだけで、構造的な問題の解決にどれだけインパクトがあるのか未知数だ。格差是正という本来の目的を矮小(わいしよう)化しかねない。経済が正常化しつつある現在では政策の絞り込みも難しく総花的に映るのはやむを得ないが、全般的に官僚主導との印象が否めない。官から民への改革を逆行させないためにも、首相の強い指導力が求められる。

FujiSankei Business i. 2007/6/20

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社説 骨太の方針*存在問われる諮問会議(6月20日)

良くも悪くも「改革のエンジン」といわれてきた経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は変質してしまったのか。政府の「骨太の方針二○○七」を読んでの率直な印象だ。首相が掲げる「戦後レジームからの脱却」「美しい国」という言葉ばかりが目立ち、喫緊の課題である財政再建や少子高齢化などにどう取り組むかの意欲が感じられないのだ。
たとえば歳出・歳入一体改革や社会保障改革、公務員人件費改革については、小泉純一郎前政権の方針を踏襲しているだけで、新たな方向性をほとんど示していない。
これでは諮問会議の役割を十分に果たしたとはいえず、その存在意義を問われることになる。確かに諮問会議の発足した○一年当時は、金融機関の不良債権問題など経済危機をいかに乗り切るかが最大の課題だった。郵政民営化というもうひとつの目標もあった。それに比べいまは景気拡大が続いていることもあって目標を絞りづらいのは分かる。だが、だからこそ諮問会議で何が経済運営の重点なのかを明らかにすべきだった。今回の骨太が最重要課題に掲げた「人口減少下における成長の実現」では、漠然としていてどこに力点が置かれているのかさっぱり分からない。結果的には参院選を意識して地域活性化から環境立国、教育再生まであれこれ盛り込んだのだろうが、かえって焦点がぼけてしまった。これまでの諮問会議は既得権を守ろうとする族議員や官僚などとのあつれきを乗り越え骨太を作り上げてきたが、最近はそうした話もすっかり聞かなくなった。むしろ骨太に盛り込まれれば予算要求に有利になるとばかりに、各省庁は躍起になっている。「各方面からの歳出増圧力はすさまじかった」(大田弘子経済財政担当相)という。骨太が予算のバラマキにつながるようなことがあっては困る。概算要求のたんなる前倒しではないのだ。前政権下の諮問会議の強権的ともいえる手法には異論もあるだろうし、改革そのものにも賛否はあるだろう。ただ、予算編成を官邸主導に切り替え、中期的な歳出削減の目標を設定したことは評価していい。諮問会議はこの基本姿勢を堅持し、さらに踏み込んだ対策を打ち出す必要がある。首相は骨太の正式名称を「経済財政運営と構造改革の基本方針」から「経済財政改革の基本方針」に改めた。前政権との違いをアピールしたいのかもしれない。だが、いま求められているのは名称の変更ではなく、諮問会議の議論を活発化し、日本経済の将来像を明確に示すことだ。

北海道日報

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【政治】
年金対応策も明記 骨太の方針閣議決定 構造改革は先送り

政府は十九日、経済財政諮問会議で経済財政改革の基本方針「骨太の方針2007」をまとめ、その後の臨時閣議で決定した。安倍晋三首相にとって初となる今回の方針は、経済成長力の強化や行財政改革に加え、政権が重視する環境立国戦略、教育再生を優先課題として「安倍カラー」を押し出した。年金記録不備問題の対応策も記述した。一方で、参院選を控え、消費税の議論を秋以降に持ち越したほか、公共事業費の削減幅を明記しないなど構造改革を先送りした。
安倍首相は「人口減少というこれまで経験したことのない状況の中で、経済成長を持続させるための改革に本格的に取り組む」との談話を発表した。
方針は、就労者一人が一定時間に働いて生み出す国内総生産(GDP)を示す「労働生産性」の伸び率を五年間で50%増とする目標を明記した。
個人住民税の一部を出身自治体に納めるなど「ふるさと納税」構想については具体化に向けて検討を進める方針を示した。地域の活性化策として、地方版の産業再生機構といえる「地域力再生機構」の創設をうたった。
このほか、米国、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)締結を将来課題に位置づけ、政権が重視する公務員制度改革や独立行政法人の整理合理化などを推進すると力説した。
年金記録不備問題については「加入者・受給者全員が、本来受け取ることができるはずの年金を全額間違いなく受け取ることができるようにし、信頼を確立する」と強調。相談態勢の強化や新たな年金記録管理システムの構築も挙げた。
政府は骨太方針の正式名称を「経済財政運営と構造改革の基本方針」から「経済財政改革の基本方針」に改めた。

東京日報2007年6月20日 朝刊

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【社説】
年金で増税も消える? 週のはじめに考える

国会が事実上閉幕しました。骨太の方針をみても、政策課題は山積みですが、国民の関心は年金問題に集中しています。財政再建論議にも影響は避けられません。「これは、国による振り込め詐欺だよ」。友人が“消えた年金”について、憤まんやるかたない表情で訴えます。なるほど、その通り。
つい、この間まで「国民年金の保険料をきちんと納めて」と大宣伝していたのに、肝心の年金を払う段になったら「あなたの記録はありません」とか「領収書を見せてください」とか言うんですから。国民が怒るのも当たり前です。単に、役所の不始末と言うには、あまりにコトが重大すぎる。表立っては言わないがこれが、どれほど深刻か。
政策課題が重要であればあるほど、年金記録不備問題の解決なしには、もはや議論は一歩も前に進まないのではないか、と思えるほどです。たとえば、財政再建も。
政府も与野党も、巨額債務を抱えた財政の危機を訴え、再建論議を重ねてきました。政府・与党は昨年、二〇一一年度までの五年間に一一・四兆円から最大一四・三兆円の歳出を削減する方針を決めて、ことしの骨太方針も追認しています。
基本的には、無駄や非効率をなくして歳出を最大限に切り詰めていく。それでも残る不足分については増税を検討する、という考え方です。政府はこの秋から、消費税の増税を視野に入れて、抜本的な税制改革論議を始める予定でした。
国民を直撃した年金問題の衝撃は計り知れず、そんな「増税シナリオ」を吹き飛ばしてしまいそうな勢いです。財務省はもとより、永田町や霞が関のだれも表立っては言いませんが「いまや、とても増税を言い出せるような情勢ではない」というのが、政策立案者のほぼ一致した見方です。それはそうでしょう。

未払いでは納得しない
「私が払った保険料さえ、きちんと記録をつけられないのに、なにが増税だ。とんでもない」。多くの国民が、そう感じるはずです。
増税するには、国民が納得できる理由がなければならない。そこで「増税分は年金財源に充てる」という考えが有力視されていました。
基礎年金の国庫負担割合は〇九年度までに、三分の一から二分の一に引き上げる方針が決まっています。その財源に消費税の増税を、という皮算用だったのです。
自民党の津島雄二税制調査会長をはじめ有力者の多くは、消費税の使途を社会保障に限る「消費税目的税化」にも賛意を示していました。
しかし、年金記録がいいかげんなままでは、そんな議論に説得力はありません。給付金の未払いが多数、残っているのに「年金財源に増税を」と訴えても、だれも納得するはずがないからです。
「発覚前」と「発覚後」では、まさに議論の前提が根底から崩れてしまった。政府に対する信頼が大きく揺らいでいるのです。
では、どうするのか。残念ながら、妙策はありません。何千万件あるのか知りませんが、不明分を調査するのはもちろん、年金加入者全員に記録を通知して照合する。社会保険庁の労働組合はボーナス返上に応じるようですが、夏休みも返上して、取り組んでもらいたい。
さて、年金問題を一段落させたとして、ほかの課題はどうなのか。先の骨太方針をみると、成長力強化や二十一世紀型行財政システムの構築、持続的で安心できる社会の実現といった章立ての下、環境立国や教育再生、少子化対策などの項目が並んでいます。
どれも重要には違いないのですが、総花的すぎる。あえて、課題を絞ってみます。まず、経済成長をしっかりと実現する。景気が上向き、企業は雇用を増やし始めました。一方で、物価はまだ下落しています。日銀は利上げを急がず、デフレ脱却に全力を挙げる必要があります。
改革は「隗(かい)より始めよ」。政府自身が公務員の身分格差をなくし、中央省庁の局長など幹部に民間人を登用する。有能な人材を公募し、特別スタッフ職として優遇する。政治任用も大幅拡大してはどうか。
地方自治体を含めて、行政サービスの電子化を徹底する。情報技術(IT)の利用者と最大のサービス産業は政府自身です。行政の生産性を高める工夫に取り組むべきです。
ただし、注意点が一つ。コンピューター業界にぼろもうけさせる必要はありません。一部には年金記録の検証を「絶好の特需」とみて、うごめく向きもあるようです。効率化はカネをかければいい、というものではないはず。

役所仕事に監視の目を地方分権と行政のスリム化は、最重要課題です。福祉や教育、環境、農業、まちづくりなど広範な分野で、国と都道府県、市町村の二重行政が指摘されています。「お役所仕事」の無駄と非効率を改める。
しっかり監視しないと、役人はいかにでたらめをするか。私たちも「失敗の教訓」を学ばねば…。

中日新聞2007年7月1日

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「構造改革」消えた 骨太の方針、閣議決定

政府は19日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が取りまとめた国の経済財政政策の基本計画である「骨太の方針2007」を閣議決定した。今回が7回目で、安倍政権では初の方針となる。併せて、安倍首相は、同方針の正式名称を従来の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」から、「経済財政改革の基本方針~『美しい国』へのシナリオ~」に変更すると発表した。

■成長に軸足
小泉純一郎前政権の“看板”であった「構造改革」の文言を無くす一方で、昨年9月の自民党総裁選際に安倍首相が政権公約として掲げた「美しい国」を副題として掲げた。
諮問会議後に会見した大田弘子経済財政担当相は「安倍内閣の課題は、人口が減る中で成長を実現することや官主導の行財政システムを根本から変えることにある。具体的課題を盛り込むことができた」と、方針の狙いを説明した。
方針には、(1)「成長力加速プログラム」による労働生産性の伸び率の50%向上(2)世界的な競争に打ち勝つための日本経済のオープン化推進(3)歳出・歳入一体改革プログラムの確実な実行による財政健全化(4)社会保障のサービスの質向上と効率化-などを柱に盛り込んだ。
今回の方針は安倍政権が掲げた成長重視路線を鮮明に打ち出したのが最大の特徴。一方で、財政改革では踏み込み不足や後退が目立った。
08年度予算編成については「最大限の歳出削減を行う」としながらも、諮問会議の民間議員が主張した公共事業の「3%削減」の明記が見送られるなど、具体的な削減策は明確に打ち出せなかった。
税制改革に関しても2年ぶりに言及したが、「秋以降に消費税を含む本格的な議論を行う」との表現にとどまり、具体的な方向性を示すことを避けた。
一方で、年金不信に対応し急遽(きゆうきよ)、「加入者、受給者全員が本来受け取れるはずの年金を全額間違いなく受け取る」と明記した。

■参院選を意識
7月参院選が目前に迫るなか、痛みを伴う改革を先送りする一方で、選挙対策的な項目を多数盛り込むなど、“票”を強く意識した内容となった。
これに対し、大田担当相は、多数の項目が並び“総花的”との批判に対し、「教育な
ら教育でどこに重点を置くのか、メリハリをしっかりと効かせた」と反論。また、選挙を意識し財政改革に踏み込めなかったとの指摘に対しても、「歳出増の圧力は非常にあったが、首相の発言や指示でしっかりと押さえ込むことができた」と強調した。

                   ◇

≪骨太の方針2007に盛り込まれた主な項目≫

【歳出】
・08年度予算は最大限の歳出削減を行う

【税制】
・秋以降、消費税を含む税制改革の本格的な議論を行う

【地方】
・ふるさとへの貢献が可能となる税制(ふるさと納税)の実現
・地域の企業再生を支援する「地域力再生機構」の創設

【労働】
・フリーターや新卒者への就労支援
・職業訓練の履修や資格を記録し求職に役立てる「ジョブカード」の交付
・最低賃金の引き上げ

【国際化】

・羽田空港の国際チャーター便拡大。大都市圏国際空港の24時間利用推進
・株式や商品先物を扱う「総合取引所」を検討
・米欧とのEPA(経済連携協定)交渉の取り組み強化

【環境】
・温室効果ガス排出量を2050年までに半減
・サマータイムの早期実施を検討

【行政改革】
・すべての独立行政法人を民営化や廃止に向けて見直し

【教育】
・国立大学法人への運営交付金の配分を見直し

FujiSankei Business i. 2007/6/20
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by kanconsulting | 2007-07-11 02:47 | 経済状況

個人向け国債 広告費10億円 販売額は7兆円 問題の本質は「個人向け国債」ではない

個人向け国債の売れ行きが、財務省の思うように伸びてはいないようです。
・国債は売りたい、売れてくれないと困る
・でも、「貯蓄から投資へ」ということで、株式市場にも個人マネーが流れ込んでほしい
ですが、個人資産に限りがある以上、そのどちらも、というのは無理な話です。

では、実際の数字はどうなっているのでしょうか?個人向け国債の販売高を見てみましょう。

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データ:財務省

このように、ここ3年間の実績は、7兆円前後の販売額のようです。
H16 6.8兆円
H17 7.3兆円
H18 7.1兆円

次に、個人向け国債は、国債発行額の中で、どのような位置づけになっているのでしょうか?

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データ:財務省

このように、中期債・長期債で、その7割を占めています。個人向け国債は、わずか3%前後となっています。

H18 内訳(%)
15年変動      5.9%
10年物価連動   0.8%
超長期債(10年超)12.0%
長期債(10年)   42.4%
中期債(2~6年)  29.2%
短期債(1年以下) 6.2%
個人向け国債    3.5%

将来的にも、5~10%で推移する計画となっています。確かに7兆円は巨額ですが、借換え債※を含めて年間140兆円以上にもなる国債の安定消化には心もとない数字です。さすがに国も、あまりに巨額の国債を個人に押し付けることは不可能だ、と思っているようです。

※2007年度の実績 (地方などは含まず)
借換え債         99.8兆円
新規財源債       25.4兆円
財投債(経過措置分) 7.6兆円
財投債(市中発行分) 11.0兆円
合計            143.8兆円

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国債問題の本質は、「個人向け国債(が売れないこと)」ではありません。ではそれは何でしょうか?

一言で言うと、これまでも何度も言っていることですが※、「巨額の国債を発行して需要を喚起したことは、将来の税金の先食いなので、かならずツケが回ってくる」ということです。本来であれば、身の丈に応じた財政運営が必要だったのですが、それを回避しておいしいところだけをつまみ食い、しかも増税は受けが悪くて断行できなかった、という過去の放漫財政にありそうです。

※過去のエントリーなども参照ください。(開始)

国債も同じです。つまりは需要の先食いですので、短期的には使えても、長期的には使えない手段なのです。長期的には、全体の財政規模のパイが大きくなることしか、財政規模をキープさせる方法はありません。
「公的長期債務の原因」

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バーロウの中立公題に言うように、「国債は、結局は国民に対する税金なのである」なのでしょう。
「日本国破産・国家財政破綻宣告」

(終了)

関連したニュースを掲載します。

(引用開始)

財務省、個人向け国債の販促に躍起

財務省は8日、個人向け国債の販売実績が高い金融機関と「国債トップリテーラー会議」の初会合を開いた。個人マネーが定期預金や投資信託などに流れ、国債の販売が低迷していることから、販売促進策を協議する目的だ。財務省は既に様々なてこ入れ策に着手しており、まずは13日から募集が始まる7月債でその効果が試される。(小野田徹史、宮崎誠)

中つり広告、ランキング…
会議では、金融機関の累積販売額のランキングが示された。大手銀行グループでは、みずほ銀行の1兆2080億円がダントツの首位で、三菱東京UFJ銀行の4392億円、埼玉りそな銀行の2701億円、三井住友銀行の2505億円が続く。財務省はランキングをインターネットで公表し、金融機関同士の競争を促す考えだ。
国債の広報予算も、2007年度は9億8800万円と06年度より2億円近くも増やした。9日以降、全国7都市の電車の中つり広告をジャックするほか、テレビCMを増やす。金融機関の店頭には、購入経験者の声を載せたパンフレットを並べている。
財務省が販売促進に躍起になるのは、最近の販売実績が低迷しているからだ。07年4月債の販売額は「固定金利型5年満期」「変動金利型10年満期」を合わせて1兆1805億円で、06年7月債(計2兆2243億円)の約半分に落ち込んだ。
個人向け国債は、日本銀行のゼロ金利政策で銀行の預金金利が0%近辺に張り付いていたころ、少しでも有利な運用先を求める個人の人気を集めた。しかし、06年7月のゼロ金利解除で市場環境は逆風に転じた。
景気回復を受けて長期金利がこの先上昇(債券価格は下落)するとの期待が高まり、今、国債を買うことの有利性は薄れた。
個人マネーは、国債に代わり投資信託などに流れ始めた。日銀によると、金融機関の保有分を除いた投信残高(元本のみ)は1月以降、前年同月比20%以上の高い伸びが続いている。
投信人気を受け、大手行は、投信や外貨預金とセットで定期預金に預け入れると、当初3か月の定期預金金利を年率換算で4~5%に優遇するサービスを展開している。07年4月債(変動金利10年)の年0・87%という金利にはかつてほどの注目を集める力がなかった。
郵政公社は07年度の投信の販売目標を1兆1000億円と06年度実績(5954億円)の約2倍に引き上げた。一方、07年4月債については、3100億円の販売計画に対し、実績は約6割の1953億円にとどまる。投信の販売手数料は約200円で個人向け国債の約4倍だ。より多い手数料収入が見込める投信の販売に軸足を移したとの見方がある。

個人向け国債
購入者を個人に限定した国債で1万円から買える。金利は直近の10年固定利付国債の市場金利に連動する。2003年の3月債から発売され、その後は毎年度4月債、7月債、10月債、1月債の年4回発売されている。「変動金利型10年満期」と「固定金利型5年満期」の2種類がある。

2007年6月9日 読売新聞

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個人向け国債、元本割れ解消へ


個人向け国債について、最終的な手取り額が払込額を下回る「元本割れ」を来年4月以降なくす措置を財務省が講じる。売れ行きが伸び悩む個人向けの販売促進に向け、買い手に安心感を与えるのが目的だ。1万円単位で解約でき、元本割れリスクがなくなることで銀行の定期預金の商品性に一歩近づく。
具体的には、満期前に換金する際の条件を見直す。個人向け国債は、変動金利型の10年物と固定金利の5年物の2種類あり、10年物は発行から1年間、5年物は2年間は換金できない。その後に途中換金すると、10年物は税引き前利息の直近1年分、5年物は直近2年分を「中途換金調整額」として差し引かれる。換金した人が実際に受け取れる利息は税引き後(税額は利息の20%)の金額なので、早期に換金すると元本割れが生じる場合があった。
この「調整額」を税引き後の利息額にすることで、元本割れをなくす。これに伴い、取り扱い金融機関のコンピューターシステムを修正する必要があるため、新制度は来年4月以降の中途換金から適用する。

アサヒコム 2007年06月09

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10億円かけ個人向け国債PR 全国で車内「広告ジャック」 財務省

財務省が個人向け国債のPR強化に乗り出した。より幅広い層への浸透を目指すため、2007年度は過去最大となる約10億円を広告予算に計上。電車や地下鉄など公共交通機関の車内を独占する「広告ジャック」といわれる新手法の大規模広告も近くお目見えする予定だ。
同省はこれまでも電車の中づり広告を出していたが、今回はこれを大幅に拡充。9日の札幌、福岡を手始めに、全国7都市で「広告ジャック」を展開する。都内では17日から、この手法を取り入れた車両がJR山手線を走る。
新たな車内広告に合わせたテレビCMも9日から始める。サラリーマン、主婦、団塊世代の夫婦が登場する3種類を作成。1回の放送時間をこれまでの30秒から15秒に短縮することで、放送回数を増やす。また、パンフレットの内容も購入者の体験談を加えるなどして充実させる。
財務省がPRに力を注ぐ背景には、国債の安定消化に欠かせない個人保有の比率を拡大したいからだ。しかし、直近の4月分の販売実績は1兆1805億円と、ピークの05年4月からほぼ半減。「国債より高利回りが期待できる投資信託の販売に金融機関が力を入れているのが響いている」(理財局)という。
このため同省は、さらに個人が国債を購入しやすくなるよう、08年4月から償還前に途中換金しても、元本割れしない新たな仕組みを導入する方針だ。

FujiSankei Business i. 2007/6/6

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個人向け国債販売てこ入れ財務省 上位金融機関公表へ

財務省は8日から、個人向け国債の販売額上位の金融機関をホームページ上で公表する。個人向け国債の販売額は、競合する定期預金の金利が上がってきたため減少傾向だ。あまり熱心に個人向け国債を売っていない機関に販売努力を促す狙いもある。
「同じ業態で同じような規模の金融機関で販売額に100倍もの差がついた事例もある」と財務省幹部。証券会社や銀行、信用金庫といった業態ごとに、原則として直近2回の販売額が多かった1~数社を、半年に1回公表する。次回は今年9月ごろの予定。
個人向け国債は03年3月に登場。超低金利で預金金利がほとんどつかない状況を追い風に、販売はおおむね好調だった。だが、日本銀行による利上げに伴い預金金利が上がり始めると販売額は減り、今年4月発行分は1兆1805億円とピークだった05年4月分に比べほぼ半減。金融機関側も、投資信託を販売して得られる手数料の方が手厚いため、販売努力をシフトさせているという。
今年度末の国債発行残高は547兆円に膨らむ見通し。財務省は国債の買い手を広げようと、国内の個人や海外投資家への販売に力を入れている。


asahi.com 2007年06月05日

(引用終了)
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by kanconsulting | 2007-07-03 01:46 | 経済状況

閲覧数 7/1

6月中は、文献調査のため、更新が滞っておりました。なぜかと言いますと、この2007年は、国家破綻(財政破綻、国家破産、日本国倒産、財政破産などとも言われますが)にとって、重要なポイントとなる年です。個別のニュースのみに流されていては、その本質を見落とす可能性もあります。より高い視点から、本質を見極めるべく作業を行っていたという次第です。

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