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政府系ファンドはアメリカの金融危機の穴埋めに FRBの金利引下げの意味は?

皆様は、「奉加帳」をご存知でしょうか?本来は、寺院・神社などに寄進を行った事項を書き連ねた帳面のことですが、転じて、一般の行事の寄付についても、寄付者と内容を記載する(した)帳面も指します。

そこから、付き合いで金銭を負担させられることを、「奉加帳方式」と言います。建て前では、強制ではなく自由意思ですが、実際には、「空気が読めないと言われる」「村八分にされる」「暗黙のルールになっている」などといった、半強制といったケースもあるようです。

さて、以前のブログで次のように記しました。

(転載開始)

「来るべき暗黒の日(1) 世界恐慌かスタグフレーションか」

こういった暴落を止めるためには、一般的に、誰かが犠牲になってマネーを供給せざるを得ません。信用収縮から回復するには、新規の投資資金が必要なのです。一説によると、1987年のブラックマンデーでは、日本がその一翼を担ったということです。では、今回の信用収縮では、誰がマネーを出すのでしょうか?

(転載終了)

時間がないので、簡潔に記しますと、今回のアメリカ金融危機では、「ドルを持っている、産油国、日本に、奉加帳が回ってくる」ということです。ですから、日本では、今、政府系ファンド(SWF)が、話題になっている(話題にさせられている)のだと思います。

つくづく、毟られる存在なのだと思います。

新東京銀行への追加出資は、泥棒に追い銭だ(なので、追加出資せずにとっとと清算しろ)、という意見があります。ですが、アメリカ(の金融機関)への追加出資を断れば、ドルそのものが底抜けるリスクもあるのです。正確には、そういったリスクがあると称して、また巻き上げられるというのが真相に近いでしょう。

現在、FRBは、ドルの利下げを強行して、ジャブジャブに資金を供給することで、銀行の突然死を防ぎ、金融危機を回避しているようです。ですが、それは、ドルの価値を希薄化し、インフレを加熱させることも意味します。FRBは、金融危機とインフレのトレードオフにおいて、金融危機対策を採りました。このように、通貨が過剰になるインフレにおいては、通貨を回収しなければなりません。その一番簡単な方法が、「他の国に外貨準備として蓄積されたドルを、アメリカが吸収して無効化してしまう」ということです。

さて、半年前に、次のように書きました。

(転載開始)

「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」

その過程で、株式などは信じられずキャッシュ(現金)だけが頼りだ、という世界恐慌が出現するのか、あるいは、ジャブジャブに供給された通貨が信用を失い、不景気なのにモノが異常に高いというスタグフレーションが出現するのかはわかりません。

(転載終了)

個人的には、スタグフレーションを経て、恐慌に至るような気がします。

しかし、その後が、本当の再スタート、焼け野原からの出直しになるのだと思います。
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by kanconsulting | 2008-03-21 02:29 | 経済状況

ドル安・資源高 信用不安とスタグフレーション

皆様

おはようございます。

健康上の理由で、勝手ながら、半年ほどお休みをいただいておりました。

その間、世界経済と世界政治には、大きな出来事がありました。(個別の出来事については、また日を改めたいと思います。)

また、国内の投資に目を向けると、この半年の間の、日本株下落と、円高のダブルパンチには、多くの個人投資家が苦しめられたかと思います。

この半年の間、私は、為替と株のポジションには、まったく手をつけていません。「ああ、来るべきときが来たか。」と、涼しい顔をして、見ていたのです。

さて、何度も繰り返しますが、私は、「破綻が来るぞ!」といって安易な恐怖をあおっているのではありません。逆に、「射幸心(欲のこと)と恐怖心をコントロールすべき」と言っているのです。

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上げ相場は、信用拡大を産みます。手持ちの資産である、株価(株式の時価総額)は、「実際に生むであろう利益を受け取る権利」という本来価値をはるかに超えて、将来への期待で簡単に膨らみます。また、不動産も、ローンでレバレッジが効きますので、信用創造サイクルに乗れば、簡単にパンパンに膨らみます。商品市場においても、継続的に資金が流入する(そういった期待が形成される)ことで、高値に膠着した相場が形成されていることも、ご存知だと思います。このように、信用創造は、銀行の貸し出しだけではなく、市場あるところならどこにでも存在するのです。教科書的な信用創造サイクルは、実需のみで書かれていることが多いのですが、実際には、投機的資金、つまり仮需が重要な役割を果たしていると見ています。(欠けていた部分を3/21追記)
これが、何度も言っていますが、

実需と仮需

なのです。そして、相場は必ずといっていいほど、オーバーシュート(行き過ぎること)します。上げすぎた相場は、いち早く売り抜けた一部の投資家により、反転します。イケイケドンドンの温度が高いほど、その恐怖は大きくなるのです。ブランコに乗って遊んでいたのはいいけれど、スピードが出すぎて怖くなった状態、といえば近いでしょうか?そして待っているのは、「バランスを崩して転倒する」ということです。

これが、「ブーム(とバースト)」現象の、非常に簡単な説明です。

では、今後はどうなって行くのでしょうか?

本来であれば、データを紐解きながら、冷静に書くところなのですが、時間がないこともあり、ラフなスケッチでご容赦ください。

・USドルについては、目先はドル安の底だが、将来的にはやはり徐々に減価していく
・原料(原油・貴金属などの実物資産)は、「ドル建て」では、それに対応して、名目上高くなっていく
・実物資産を持っている人間・国は、損をしないようになっている
・日本円は、ドルペグ通貨であり、今後もそうだろう
・日本円は、流動性の供給源だったが、それが逆流したのが、円高と株安の主因
・それも、テクニカル的には、目先は底と見ている
・しかし、どうやら原料高のサイクルに火が点いてしまった(意図的に点けられた)
・次の円安サイクルでは、日本は経常赤字(=貿易赤字)国になる可能性も
・人口動態や国としての成長力を考えると、対ドルはともかく、他通貨に対しては、減価していかざるを得ない

取り急ぎ
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by kanconsulting | 2008-03-17 06:14 | 経済状況