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バラマキ・ヘリマネはどのような結果をもたらすか 3年後の消費税アップ

景気対策として、減税(広義のバラマキ)やヘリマネ(ヘリコプター・マネー。直接的なキャッシュのバラマキ。以前の地域振興券(*1)もこれに相当するでしょうか)が注目されています。ですが、これは本当に意味のある対策になっているのでしょうか?少し考えてみたいと思います。

まず、確実なのは、

(バラマキをしている間は)
・フローは増えるため、所得や支出は増えるだろう
・雇用も増える(失業は減る)だろう
・ただし、バラマキが終わった後(将来の増税や景気悪化など)を懸念する人が多いと、貯蓄に回り支出は増えにくいだろう

(しかし、バラマキを止めれば)
・所得や支出は戻ってしまうだろう
・水増し分の雇用は減るだろう
・つまり、永続的な効果はないだろう

*1 1999年当時、地域振興券は6194億円、配布されました。しかし、追加の消費増加につながったのは2025億円と、GDP個人消費をわずか0.1%だけ増加させました。残りの7割は生活必需品の購入にあてられ、浮いた分は貯蓄にまわったと見られています。(2008/10/30 WBS)

つまり、バラマキは、単発の「水物」であり、本質的に景気を回復させるような「資産効果」はないということです。当然といえば当然でしょう。

加えて、今回の財源は、赤字国債増発ではなく、財政投融資特別会計の積立金など、いわゆる「霞が関の埋蔵金」ということですが、「3年後に消費税率引き上げをお願いしたい」とも述べています。

増税についてはこちらも参照ください。)

(増税をする場合に、消費税増税がいいのかどうかという問題については、ここでは触れません。おおかた、法人税増税はできない(逆に法人税減税をやりたい)ということでしょう。それにしても、国を代表するような大会社が潤うことで、国民全体が潤う、という、トリクルダウン効果(おこぼれ効果)は、少なくとも世界規模では否定されていますので、その正当性は疑わしいところです。過去の消費税に関するエントリーも参照ください)

これまで何度も述べていますように、現在の減税やバラマキは、将来の増税を織り込むなら、そのための貯蓄にまわるため、その効果はプラスマイナスゼロだ、ということです。リカード・バーローの中立命題として、知られています。今回は、消費税の増税を予定していますので、バラマキの効果は減殺されてしまうでしょう。

(引用開始)

追加経済対策決定 総事業費26兆9000億円 消費税率、3年後に引き上げ
2008/10/31

政府・与党は30日、事業総額26兆9000億円の追加経済対策を決定し、麻生太郎首相が同日夜に記者会見して発表した。国の財政支出は5兆円に上る。家計の緊急支援を目的に、2兆円規模の給付金を全世帯に支給するのが柱で、給付は「4人家族で6万円程度になる」(麻生首相)。世界金融危機で景気低迷の懸念が高まり、追加経済対策の一部を先行実施するため、給付金などは2008年度第2次補正予算案に盛り込み、開会中の臨時国会に提出される見通し。
生活対策や市場安定化、中小企業支援、地域活性化、雇用の安全網などの政策を総動員した追加経済対策の事業規模は、8月にまとめた総合経済対策の事業規模約11.7兆円の2倍以上になった。国の財政支出額も、8月の約2兆円を大幅に上回り、財政負担が拡大した。
赤字国債は増発せずに、財政投融資特別会計の積立金など、「霞が関の埋蔵金」を活用して財源を捻出(ねんしゅつ)する。その上で、社会保障の安定財源を確保する必要から、麻生首相は会見で、「3年後に消費税率引き上げをお願いしたい」と述べ、年末に税制改革の中期プログラムをまとめ、増税の道筋をはっきり示す考えを表明した。首相が消費税率の時期を明言するのは異例だ。
追加対策は、中小企業向けの融資や保証枠を21兆円規模で追加した。8月の総合経済対策で実施した9兆円と合わせ、30兆円規模に拡大し、資金繰りに万全を期す。雇用保険の料率も、現在の1.2%から、09年度に限り最大0.4ポイント引き下げる。
住宅ローン減税は最大控除額を過去最高の600万円に拡充し、延長する。道路特定財源の一般財源化に伴い、1兆円を地方の実情に応じ使える新たな仕組みを設ける。自治体が社会資本整備などに使える臨時交付金6000億円も支給する。
麻生首相は、追加経済対策の重要性を繰り返し強調しているが、どこまで消費が刺激され、景気回復につながるかが注目される。

                   ◇

【予報図】
 ■見えない未来の成長ビジョン
「今、世界は『100年に1度』とも呼ばれる金融危機の中にあります」-30日朝発信された麻生太郎首相の官邸メールマガジンは、こんな出だしで始まった。
そして、「家計のやりくりにご苦労されている家庭の皆さん、さらに、不安定な雇用にお悩みの皆さん、子育てにご苦労されているお父さんお母さん、住宅資金にお困りの方々にきめ細かく対応します」と、意気込んだ。
この言葉の通り、追加対策のメニューには、住宅ローン減税や高速道路料金の引き下げなど、暮らしに直結した政策がずらりと並ぶ。「生活対策」と位置付けただけあって、家計の財布を暖めるのは事実だ。企業業績の悪化で賃金抑制に拍車がかかろうとする中、国からの「定額給付金」はまさに“ボーナス”だ。
とはいえ、そこには、麻生内閣が目指す経済成長シナリオはみえない。原油価格の高止まりに対応した総合経済対策と今回の追加対策をあわせても、景気への影響は限定的とみるエコノミストは多い。
みずほ証券金融市場調査部の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「金融危機を日本の政策対応で抜本的に変えるのは困難だ」と指摘し、「社会政策と割り切って、中低所得者層など必要な人に集中して使ったほうがいいのでは」と語る。
野村證券金融経済研究所の野木森稔エコノミストは、GDP(国内総生産)の押し上げ度合いを「0.4ポイント前後」とみる。効果が疑問視される中、対策が手をさしのべようとする先は誰なのか。それは、所得の目減りに不安を感じる家庭や中小・零細企業、活力に乏しい地方にほかならない。与党の大きな支持基盤とも重なる。
そもそも追加対策は、年内解散を想定し、与党のマニフェスト(公約)への盛り込みを視野に入れつつ、自民、公明両党の幹部が中心にとりまとめを進めた経緯がある。解散・総選挙のタイミングをうががう選挙対策色が透ける。「『お金をくれる』、『有料道路を走ったら安かった』というのはやっぱり(有権者に)効くだろう。国民に直結するとなるとどうしてもバラマキになっちゃう」。与党のある地方組織幹部はこう吐露した。
「全治3年」(麻生首相)という景気後退からいかに抜け出すのか。中期的な財政再建の後に描く、構造改革の姿とは-。「金融危機」の旗のもとで作られた追加対策には未来の成長ビジョンはない。足元の不安を緩和する一方で、財政負担のツケを増税でまかなうシナリオだけが先行している。(比嘉一隆)

フジサンケイビジネスアイ

(引用終了)

さて、

日本に限らず、アメリカも、ユーロ圏も、景気対策としてバラマキをやることになるでしょう。加えて、金融危機対策のための「低金利」と「量的緩和」もセットです。

(実は、バラマキをやるにしても、金融危機対策で資本注入をやるにしても、それほど原資がないのです。この問題は、別のエントリーで述べます。)

その結果、何が起きるでしょうか?インフレ(景気悪化と併発すればスタグフレーション)です。具体的には、次のような事態が予想されます。

・借金が目減りする(国が一番トクをしますね!)
・インフレを織り込んで、長期金利が上がる
>金利が上がらなければ、マネーが国外に避難する
>金利が上がった場合は、マネーが流れ込み、通貨高になる
>複数の通貨がいずれもインフレになれば、ゴールドなど現物資産に避難が起きる
・インフレになっても、おそらく、給与は伸びない

常識で考えると、「あなただけの儲かる話」や「ノーリスクで儲かる話」はないのです。これを、資本主義社会ではフリーランチはない、と言います。加えて、現代史的な考察からは、バラマキはその時は良くても、競争力を損なってきたという事実があります。社会福祉ではない、単なるバラマキは、社会の発展に寄与しない、と言ってもよさそうです。

この程度のことは、政府や官僚も知っているでしょう。バラマキを言いだしたのは、景気対策以上に、選挙のことを念頭に置いているに違いありません。

短期的なバラマキの効果は否定しません。どうしてもバラマキをやりたいなら、少なくとも、
不効率なところ(ムダな公共事業、天下り、既得権益など)にバラマキをしてはならない
・特に、バラマキによる企業救済は、本来の目的に反する
・必要なところ(貧困層、リストラ失職、子供や介護など弱者など)に厚く配分する
・将来の成長性を高めるための投資に配分する

バラマキ(財政出動)と増税・歳出節減のバランスにおいては、次の事項に注意しなければなりません。

・バラマキは、ムダな領域に厚く配分されるリスクがある
・増税は、国民生活から、ムダな領域への所得移転となるリスクがある
・歳出節減は、ムダな領域が温存され、国民にとって必要な領域からカットされるリスクがある

以上
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by kanconsulting | 2008-10-31 09:23 | 経済状況

バブル後最安値更新 アイスランドの国家破綻(はたん) 金融恐慌宣言

私は当て物屋(予想屋)ではありませんが、先週末には、「日経平均の相場の値動きから受ける印象では、底を打ってはいないという印象です。買いポジションの投げが一巡するまでは、下げるでしょうし、ましてや安値と見た個人の買いが出ているうちは、まだまだです」と思っていました。

本日、残念ながら、日経平均株価が、終値でも、バブル経済崩壊後の最安値(7607円)を下回ってしまいました。

アイスランドの最大の銀行であるカウプシング銀行は、国有化されていますので、それがデフォルトを起こしたということは、アイスランド政府の政府保証がなくなり、政府がデフォルトを起こしたのと似た状態になっています。普通の受け止め方をすれば、「アイスランドは実質的にデフォルトを起こした」ということになるでしょう。

こういった、円の金利が安いことに着目した円建ての外債は、円の価値が高くなる(円高・現地通貨安)ことによって、ローンの実質額が増えていますので、支払いがきつくなったことの一因でしょう。

(引用開始)

日経平均26年ぶり安値、銀行株が下げ主導 香港株も急落

世界の金融・証券市場の動揺が続いている。27日の東京株式市場では日経平均株価が終値でも2003年4月に付けたバブル経済崩壊後の最安値(7607円)を下回った。為替市場で円が独歩高となり、輸出関連株や銀行株を中心に日本株売りに歯止めがかからない。アジアでは香港ハンセン指数が同日、12.7%下落し、欧州主要国の株価指数も軒並み下落して始まった。金融危機の広がりを背景に世界同時不況への警戒感が高まっている。
日経平均の終値は前週末比486円18銭(6.36%)安の7162円90銭。1982年10月7日(7114円64銭)以来、26年ぶりの水準となった。 (21:57)

日本経済新聞

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アイスランド最大手銀、円建て外債不履行の状態

アイスランドの最大手銀行カウプシング銀行が発行した円建て外債(サムライ債)が27日、債務不履行(デフォルト)条件に該当したことがわかった。債券の元利払いの代理人である三井住友銀行が、利払い猶予期間の最終日である同日までに利息が支払われなかったことを認めた。発行企業側が債務不履行を宣言すれば、米証券大手リーマン・ブラザーズに続き今年2件目で、海外企業の起債が相次いでいた日本のサムライ債市場に影響を与えそうだ
対象の債券はカウプシング銀が2006年10月に発行した500億円。償還期限は3年で、主に機関投資家や企業が購入した。昨年7月にも3本で合計280億円のサムライ債を発行しており、これらも債務不履行になる可能性がある。
同行は世界的な金融危機で経営が行き詰まり、今月9日にアイスランド政府の管理下に入った。20日の利払い日に利息を支払えず、27日まで7日間の猶予を与えられていた。危機は同国全体にも広がっており、国際通貨基金(IMF)から最大21億ドルの緊急融資を受けることで暫定合意している。(21:56)

日本経済新聞

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-10-27 22:25 | 経済状況

為替に関するニュース 為替介入は非現実的 FX投資家はロスカットの日々 LIBORの動きに注意

以下、為替に関するニュースを転載します。

「為替介入再開に現実味」とありますが、介入原資が確保できない状態でしょうから、そんなことをするくらいなら国内景気を重視せよという声のほうが強いでしょう。帝国通貨ドルではなく、ユーロの場合は、それほどの義理も無い、という感じもありそうです。

ですが、日本の将来を考えたときには、ユーロ債券(インフレ連動)を買うというのも、ありでしょう。日本円は、ジャブジャブに刷られた通貨から逃げるための、単に逃避先として買われているだけの状態ですので、何も日本の経済システムが優れているという結論にはなりません。

為替は、基本的には需給で決まります。ドル円の金利差の縮小に加えて、ドルの発行スピードに比例してその信認が失われるため、さらに円高になる可能性があると見ています。つまり、ドル崩壊は、ドル円に関しては円高という結末でしょう。ユーロも、ジャブジャブに垂れ流すということですので、似た結論にならなければ良いのですが。

FX投資家の悲痛については、何度も述べています通りですので、繰り返しません。

今後の見通しについてですが、流動性不安については、LIBORをひとつの指標として見ています。

a0037933_1231779.jpg



チャートを見る限り、ひとまず、流動性不安は落ち着いたという印象ですが、これは、次のステージに視線が集まるということも意味します。(先日の「破綻に至る6ステージ」もご覧ください。)

(引用開始)

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200810250034a.nwc

政府・日銀 為替介入再開に現実味
2008/10/25

外国為替市場で一時1ドル=90円台を記録するなど急ピッチで円高ドル安が進み、政府・日銀が、4年7カ月間封印してきた為替介入を再開する可能性が強まってきた。市場操作につながる為替介入には欧米のアレルギーが強いが、急激なドル安、ユーロ安に欧米の通貨当局が日本の介入に容認姿勢を示すことも考えられ、市場関係者は為替の動向を注視している。
日本が最後に為替介入に踏み切ったのは2004年3月。それから4年以上が経つが、為替介入は行われていない。米国が「強いドル」政策を掲げてドル安を防止する姿勢を示してきたほか、日本の超低金利を背景に円安傾向が続いてきたからだ。
今年3月、12年ぶりに1ドル=100円を突破した時も政府・日銀は介入を踏みとどまった。円の総合的な価値を示す「実効為替レート」の水準が低く、業績への影響も産業界が懸念するより小さいと判断したためだ。だが、今回は円独歩高が、産業界への影響を深刻化させており、産業界の要請が介入を後押しする可能性もある。

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http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200810250074a.nwc

「下げ異常」「損切りの日々」 FX投資家、円急騰に悲痛
2008/10/25

欧州市場で1ドル=90円台の円高となったことを示す外国為替取引会社のモニター=24日、東京・東新橋の外為どっとコム
激変する外為相場を背景に、外為証拠金取引(FX)が注目されているとはいえ、24日に欧州市場で1ドル=90円台に突入した円高相場は、FX市場を翻弄(ほんろう)している。予想を超える円高の進行が、取引参加者にロスカット(損切り)や証拠金の追加を迫り、多額の損失を被る個人投資家も相次いでいるようだ

「(外貨の)下げが異常…」
「FXを始めて半年。8月以降の大きな動きに対応できず、ロスカットの日々です」

FX投資家向けのウェブサイトは悲痛な書き込みがあふれている。対ユーロでも1ユーロ=113円台と円高が進み、「100円を割っていた時代もある。(今後も)ないとはいえない」と、疑心暗鬼は広がるばかりだ
FXは証拠金を預けると、その数倍から数百倍の金額で為替取引できるハイリスク・ハイリターンが魅力だが、損失も膨らみやすい。FX業者は、損失が証拠金の一定割合に達した時点で取引をいったん停止し、損失を確定するロスカットか、証拠金の追加を求める。
最大手の外為どっとコムによると、5年ほど前にFX取引がブームとなって以降は、おおむね1ドル=105~125円で推移。しかし、現在の円高水準では外貨を買った人の多くが損失拡大に直面しているとみられる。
対ドルの急激な円高は、サブプライムローン問題が表面化した昨年8月や、米証券大手ベアー・スターンズが救済された今年3月にも起きた。ただ、今回は「あらゆる通貨に対して円高」(外為どっとコムの上田剛資金為替部長)で、円建てで利益を出すことは極めて難しい。
このため、FX業者は証拠金に比べて為替取引の額をあまり高くしないよう、サイトやメールで注意喚起を徹底。土日を挟んだ相場の急変や、小国の通貨が取引不能や債務不履行に陥るリスクの周知にも努めている。
ただ、過去の円高局面を教訓として投資ノウハウも向上。「こまめに売り買いし、利食いを狙う個人投資家も増えている」(NTTスマートトレードの工藤隆営業企画部長)という。(上野嘉之)

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http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34488120081023

ドルLIBORが概ね上昇、スプレッドはドルが縮小・ユーロは拡大
2008年 10月 23日 23:03 JST

[ロンドン 23日 ロイター]23日の欧州インターバンク市場で、ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が1カ月物と3カ月物を除き小幅上昇。ユーロとポンドのLIBORはおおむね低下した。
このところ見られたLIBORの低下傾向は、景気後退懸念や新興国市場の経済不安を背景に鈍化した。
3カ月物LIBORとOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)のスプレッドは、ドルが縮小、ポンドはほぼ変わらず。一方、ユーロは拡大した。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-10-26 17:32

世界恐慌 株安と円高で損失を出された読者様へのメッセージ 最悪のリスクシナリオへの6つのステージ

損失を出された読者の皆様へ

このたびの株式暴落と総円高については、相当の損失を出された方も多いと思います。ですが、ここで精神的に参っている時間的余裕はありません。

過去は過去として反省して、次につなげれば良い話です。将来を見通せる賢人はいないのです、ましてや一般人の予想が当たるはずもありません。予想だにしない事態が次々と出現する、だから「恐慌」なのです。

間違っても、自殺されようなどと思ってはなりません。命あってのモノダネです。生きていれば、何らかの方法でキャッシュフローも確保できますし、おそらく次の投資機会もあるでしょう。

力強く生きる、そのことだけを、今は考えられることをお勧めします。

取り急ぎ

kanconsulting

---

これまで、何度も、「信用不安がおきると、結果的に円高になる」ことを述べてきました。しかし、ユーロバブルの崩壊については、私はそこまでは読みきれませんでした。現在は、恐怖が先行する「逆バブル」なのかと思います。準基軸通貨として期待されていた欧州統一通貨ユーロは、過去何年かこれといった逆境(急落)を経験しておらず、「ユーロは大丈夫だ」と、ドルをヘッジするという期待分のプレミアムが、予想以上に大きかったことに加えて、ユーロを自国通貨として所有している現地投資家の資産逃避もあるのだということです。

「○○は大丈夫だ」という見えない思い込みは、崩れると速いものです。

金持ちは、こういった「恐怖」の発生する前に逃げ、皆が逃げ終わる直前に買いを入れて行きます。天才的トレーダーなら、空売りをしかけて売り崩しに加担するでしょう。ましてや、現在のような信用不安の中では、商いが薄く、一方的な値動きになりやすいものです。

さて

信用不安の発生と対処について、これまでに私は次のように予想していました。これまで何度も書いていることですので、個々の内容に特に目新しさはありませんが(少なくともこのブログの読者様にとっては)、こうやってまとめたものを一般の読者様にお見せするのは初めてかもしれません。

(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~ 進行中】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 兆し有り?】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)
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by kanconsulting | 2008-10-25 12:04 | 資産保全一般

閲覧数 10/19 恐慌とスタグフレーション グレアムの安全域とゼロ成長時代の投資

繰り返しになりますが、

「国家破綻への対策は、実質上、2006年末が目処。2008年から2012年にかけて、大きな経済上の混乱が起こる可能性があり、2007年は序章となるだろう。」と思っておりました。ご存知のように、昨年のサブプライム・ショックを起点とする信用収縮は、今年になって混乱をさらに深めており、金融危機に発展する1年となりました。
過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。実際には、資金を投入しても金融の安定化には程遠く、さらなる市場の乱高下が起こった、という事実があります。
これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。その中で、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

この後に待っているのは、
・アメリカ債券とドル紙幣の押し売り
・海外投資家のマネーの棒引き
・ドルの減価による、不景気なのにモノが高いというスタグフレーション
・強権的ルールによる世界統制経済
・借用証書を焼き払うための政治的暴力(戦争)
のいずれかでしょうか。

何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。そして、「一般国民は、節度の無い暴力には、無力」というのも、歴史的事実だと思います。

これも繰り返しになりますが、「2007年の信用収縮を皮切りに、ドル、もしくは円、あるいはその両方が崩壊するだろうという流れは、誰にも止められない。私がブログに何を書いたところで、何も変わるわけがない。たとえそうであったとしても、ダメージを最小限に食い止める方法があるのではないか。庶民レベルで生き残る知恵はないのか。ひょっとすれば、崩壊を食い止める奇策があるのではないか。」という思いでいることも、また事実です。

今後の世界はどうなるのでしょうか?そして、私たち一般国民はどうすれば生き延びることができるのでしょうか?今後のエントリーにて、考えてみたいと思います。

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参考文献ブログも、ご一読ください。

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「海外銀行・ヘッジファンド・海外証券会社・FXの活用方法」
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9月度
1位 グローバルソブリン
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8月度
1位 グローバルソブリン
2位 国家破綻
3位 ソブリン
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5位 菊池英博
6位 ソブリン債券
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10位 金価格推移

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1位 グローバルソブリン
2位 国家破綻
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4位 ソブリン
5位 ソブリン債券
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7位 グローバル・ソブリン
8位 グローバル・ソブリン・オープン
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6月度
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7位 菊池英博
8位 グローバルソブリンオープン
9位 グローバル ソブリン
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5月度
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2位 国家破綻
3位 ソブリン
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5位 グローバル ソブリン
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8位 ソブリン債券
9位 国家破産
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4月度
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2位 国家破綻
3位 ソブリン
4位 若林栄四
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6位 グローバル・ソブリン・オープン
7位 グローバルソブリンオープン
8位 グローバル ソブリン
9位 ソブリン債券
10位 金価格 推移

3月度
1位 グローバルソブリン
2位 菊池英博
3位 国家破綻
4位 若林栄四
5位 グローバル・ソブリン
6位 ソブリン債券
7位 金価格 推移
8位 ソブリン
9位 グローバル・ソブリン・オープン
10位 グローバルソブリンオープン

2月度
1位 グローバルソブリン
2位 国家破綻
3位 グロソブ
4位 菊池英博
5位 ソブリン債券
6位 グローバル・ソブリン・オープン
7位 グローバルソブリンオープン
8位 金価格 推移
9位 若林栄四
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【新着の書籍紹介】

「恐慌前夜/副島隆彦」
「連鎖する大暴落―静かに恐慌化する世界/副島隆彦」
「時代を見通す力/副島隆彦」


「ソロスは警告する 超バブル崩壊・悪夢のシナリオ/ジョージ・ソロス、松藤民輔」

「日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方/リチャード・クー」

「わが友、恐慌──これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由/松藤民輔」
「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」/松藤民輔」


「ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表/アンドリュー・ヒッチコック、太田龍」
「ロスチャイルドの密謀/ジョン・コールマン、太田龍」
「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った/安部芳裕」

「ドル崩壊!/三橋貴明、渡邉哲也」

「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編/橘玲」
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券会社編/橘玲」
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術/橘玲」


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by kanconsulting | 2008-10-19 21:53 | 閲覧数

信用危機は警報ゾーン スターリン暴落を超えた第二の暴落 毎日がブラックマンデー(地獄)です

まず、おなじみとなりました、信用スプレッドをご覧ください。

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(グラフはThinkBIGより)

US株式のマーケットが急回復(10/13時点)したにもかかわらず、クレジット・スプレッドは、1538ベーシスポイント(約15%に相当)という、過去10年で未体験の領域に突入しています。つまり、国債以外の債券は信用できないという「信用崩壊」を表しています。文字通り、恐慌が来ているのだと思います。

これが第一の警報です。

さらに、国債そのものも信用を失いつつあります。こういった混乱においては、国債への「質への逃避」により、長期金利は下がるものです。逆に、日本の国債市場の長期金利は、上がっているのです。ロイター(10/15)によると、「国債先物の中心限月12月限の前引けは、前日終値より10銭高い136円20銭。10年最長期国債利回りは1ベーシスポイント高い1.585%」。

何度も書いていますが、「国を巻き込んだリスクの飛ばし」を見透かしたような、値動きです。これに対抗して、日銀がジャブジャブに資金を流し込むことで、かろうじて長期金利の上昇を押さえ込んでいるような感触です。

アメリカにおいても、財政赤字が過去最大(2008年度4550億ドル)と、想定を上回る数字になってきており、国債の信任にレッドアラートが点灯したと思います。2009年度は一段と歳出超過が悪化する恐れがあるり、財政赤字が2兆ドルにまで拡大する可能性があると予想するエコノミストもいます。

これが第二の警報です。

そして、最後の警報は、株式の暴落による、実質的な恐慌宣言です。スターリン暴落を上回るインパクトです。

スターリン暴落とは
1953年3月5日に旧ソ連の最高指導者ヨシフ・スターリンの死去を契機に起こった株価暴落のこと。スターリン・ショックとも言われる。
1952年末の時点で、日本では朝鮮特需による戦後復興と株式市場のバブルに沸いていた。1953年3月1日、ソ連の指導者ヨシフ・スターリンはラヴレンチー・ベリヤ、ゲオルギー・マレンコフ、ニコライ・ブルガーニン、ニキータ・フルシチョフら側近と会食後、寝室で脳卒中の発作で倒れた。4日後の1953年3月5日には危篤状態に陥り、73歳で死去した。スターリンの死は社会主義陣営各国に大きな衝撃を与えた。日本では3月4日にスターリン重体のニュースが伝わり、翌5日の朝刊で死去が報じられた。当日の日経平均株価は、前日比37円80銭安、下落率10.00%の大幅下落となる344円41銭となった。政治体制が異なる日本でこの下落が起こったのは、朝鮮戦争の終結が早まり、当時日本経済の急速な復興を支えた朝鮮特需が終結することが予想され、主力株や軍需関連株を中心に売りが殺到したことが原因となっている。また、下落率10.00%は当時最大であり、1987年のブラックマンデーまで34年間破られることはなかった。2008年10月現在では戦後3番目の下落率である。
(wikipedia)

何度も書きますが、流動性を供給しても、経済実態の回復を伴ったものではありませんので、市場はやすやすと息を吹き返しません。過剰流動性を得て、相場は乱高下しながら、逃げ遅れた一般市民と企業に、とどめの一撃を準備しているのだと思います。

九州に「地獄めぐり」がありますが、そのお土産に「地獄に行って来ましたまんじゅう」や、「毎日が地獄ですTシャツ」があると聞きます。近日の一連の暴落は、個人や機関の株式投資家にとって、「毎日がブラックマンデーです」「毎日が地獄です」といった日々になっているのだと思います。

(引用開始)

世界同時株安:再び 東証一時995円安、NY733ドル暴落--景気減速懸念

日本、アジアの株式市場は16日、前日の欧米市場での株価急落を受けて大幅に下落、再び世界同時株安の様相となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が15日の講演で、景気の先行きに警告を発したため悲観的な見方が強まった。米欧諸国が金融機関への公的資金投入に踏み切り落ち着きを取り戻したかに見えた市場は、景気悪化懸念の高まりを背景に下げ止まる見通しが立たない深刻な事態に陥っている。
16日の東京株式市場は、取引開始直後から全面安の展開となった。日経平均株価は3営業日ぶりに反落、一時、前日終値比995円68銭安の8551円79銭まで下落し、取引時間中としては2日ぶりに9000円を割り込んだ。下落率は一時、10%以上となり、終値ベースの比較では、87年10月20日のブラックマンデー(14・90%)に次ぐ過去2番目の水準となった。
午後1時15分現在は同965円56銭安の8581円91銭。TOPIX(東証株価指数)は続落し、同77・24ポイント安の878・27と2日ぶりに900を割り込んだ。
世界的な景気後退懸念が強まったことで、「輸出依存度の高い日本企業の業績下方修正が相次ぐ可能性は高い」(大手証券)との見方が広がった。また、外国為替市場の円相場で円高が進行していることも嫌気された。鉄鋼、海運、自動車、電機、証券、不動産など幅広い業種が大きく値を下げている。
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「市場は、金融危機から、企業業績の悪化に対する不安を強めている」と指摘している。
アジア市場でも主要な株価指数が軒並み値を下げた。上海総合指数は一時、前日終値比で4%以上急落。香港ハンセン指数や韓国総合指数も一時、同8%前後、値を下げたほか、台湾加権指数も同3%以上、下落している。【野原大輔】

 ◇9000ドル割る
【ワシントン斉藤信宏】15日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、前日終値比733・08ドル安の8577・91ドルと9000ドルの大台を大幅に割り込んで取引を終えた。1日の下落幅としては9月29日の777・68ドル安に次ぐ過去2番目で、下落率(7・87%安)も87年10月のブラックマンデー直後の8・04%安以来、約21年ぶりの暴落となった。米欧各国の金融危機対策の効果は薄れており、2日間で13日の上昇分の85%超を帳消しにした。ハイテク銘柄主体のナスダック総合指数も急落、終値は同150・68ポイント安の1628・33と、03年6月以来、約5年3カ月ぶりの低水準となった。
取引開始前に発表された9月の小売売上高が前月比1・2%減と、92年に統計を取り始めて以来初めて3カ月連続減少するなど個人消費の弱さが裏付けられ午前中から300ドル超下落。午後に入ると、FRBのバーナンキ議長が講演で、景気の先行きに慎重な見通しを強調したため、一気に拍車がかかった。
中南米各地の株式市場も全面安となり、ブラジル・サンパウロ証取のボベスパ指数は前日終値比11・39%安。アルゼンチン・ブエノスアイレス証取のメルバル指数も12・14%安と大きく値を下げた。

 ◇欧州も軒並み
【ロンドン藤好陽太郎】15日の欧州の株式市場も急落した。ロンドン市場のFT100種指数は、前日終値比7・16%安の4079・59で終わった。独フランクフルト市場のDAX指数は同6・49%低い4861・63、パリ市場のCAC40指数が同6・82%下落し、3381・07となった。
欧州域外では、ロシアの主要指数が9・3%安、南アフリカが約7%下落した。

毎日新聞 2008年10月16日 東京夕刊

そして、ポジショントークだとも思いますが、ユーロ弱気説も載せておきます。円が相対的に好まれるということです。

(引用開始)

ユーロ、対円で年内に13%下落も
2008/10/16

シティグループ・グローバル・マーケッツによれば、ユーロは円に対し、年末までに13%下落する可能性がある。貸し渋りの解消に向け、米欧の当局が合計で最大3兆ドルの公的資金枠を用意したにもかかわらず、世界の信用市場が引き続き圧迫されるとの見方が背景。投資家が相対的に安全とみられる円を選好し、年内に1ユーロ=120円まで下落する可能性があると指摘。

フジサンケイ・ビジネスアイ

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-10-16 20:02 | 経済状況

怒涛のような無制限ドル供給 文字通りの青天井 時価会計の停止とダブルスタンダード

流動性供給で、最後の切り札が出たようです。文字通り無制限、青天井の、ドル資金供給です。

一般的な信用収縮の解決には、とりあえず、

・金融機関への資本注入(あるいは、不良債権の国などによる買取)
・金融機関への十分な流動性供給
・会計ルールの見直し

が必要と考えています。

その中で、FRBを中心とする各国の中央銀行による流動性(おもにドル資金)の供給は、文字通りジャブジャブに行われてきました。その上、限度額を外して、無制限に供給するとは、まさに、なりふりかまわない、緊急対策といえるでしょう。

何度も書きますが、リスクは、それぞれの国に飛ばされたことになります。

さらに、アメリカが中心として進めてきた「時価会計」を、「不良債権を持つ金融機関にとって都合が悪い」として、時価会計の緩和や一部停止が行われています。日本がバブル崩壊後、不良債権の査定を厳しく行わざるを得なかったことと、対照的です。まさに、「ダブル・スタンダード」と言えるでしょう。

しかし、このような「先送り」「飛ばし」をやらない限り、冗談ではなく、世界恐慌になってしまうという、瀬戸際にあるのでしょう。

最後には、金融機関への、資本注入が来るのだと思います。そもそも、銀行は信用創造を担う公的インフラであり、銀行の私的所有は、本来許されざることなのかも知れません。

(ということは、FRBの私的所有も許されざることなのかもしれませんね)

以下、関連ニュースです。

(引用開始)

金融対策:日米欧がドル資金供給の上限を事実上撤廃

日銀など日米欧の5中央銀行は13日、金融機関が資金を融通し合う短期金融市場へのドル資金の協調供給を大幅に拡大すると発表した。ドル資金供給額の上限(6200億ドル=約63兆円)を事実上撤廃し、金融機関が必要とする資金の全額を供給する。まず欧州3中銀が実施し、日銀も追随する方向で検討を進めている。
米国発の金融危機で資金調達が困難になっている金融機関を支援する狙い。ワシントンで先週末開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の中央銀行の協調行動の第一弾で、異例の措置に踏み切ることで市場の不安沈静化を図る。
ドル資金の供給拡大を先行実施するのは、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行、スイス国民銀行。中央銀行が事前に提示した固定金利で、金融機関が差し出す担保の範囲内なら希望するドル資金を全額確保できるようにする。米連邦準備制度理事会(FRB)は、欧州3中銀とのドルスワップ(交換)協定の上限額を撤廃し、欧州の中銀が市場に放出するドル資金を無制限で供給する。
米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した9月15日以降、短期金融市場では焦げ付きを恐れて、ドル資金の出し手がほとんどいなくなり、資金がひっ迫していた。日米欧の中央銀行は18日にドル資金の協調供給を発表、さらに供給枠を6200億ドル(約63兆円)に拡大したが、短期金融市場は機能マヒ状態が続いていた。【坂井隆之】

毎日新聞

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IASBも時価会計を緩和
2008.10.14 07:50

国際会計基準審議会(IASB)は13日、金融市場の混乱で公正な価値の算出が困難になっているとして、有価証券や証券化商品を時価で評価する会計基準の適用を緩和すると発表した。
緩和措置は7月1日にさかのぼって適用することから、金融機関は7~9月期決算で損失計上を抑制できる可能性もある。ただ、銀行の不良資産処理の先送りにつながる恐れもありそうだ。
米証券取引委員会(SEC)が9月30日に同様の緩和措置を発表。国際会計基準を採用する企業が不利になるとして欧州主要国が対応を求めていた。IASBは100カ国以上が採用する国際会計基準の設定機関。(共同)

産経新聞

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-10-16 08:55 | 経済状況

ヘッジファンド指数に見る運用状況 ヘッジファンドへの逆風 未曾有の大再編の年 マンとスーパーファンド

これまで、何度か、ヘッジファンドの危機について言及してきました。

(転載開始)

「アメリカの経済状況は引き続き低調 ストックとフローの悪化 オスプレー・ファンドのクローズと資源価格」

『あるファンド・オブ・ヘッジファンドのマネジャーは「さらなる困難に見舞われるだろう」とし、「非流動性ポジションを持つヘッジファンドは、四半期の償還が問題だ」と述べた。
・・・「商品にまとまったポジションを持つヘッジファンドが存在する。実際に弱気相場になれば、多くのヘッジファンドが困難に陥るだろう」と述べた。 
とりわけ、商品相場の上昇と金融関連株の下落の双方に賭けていたヘッジファンドのダメージは大きい。
・・・「多くのヘッジファンドの今年の運用成績がマイナスだ。これを皮切りにファンドの閉鎖が続くだろう」』

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(2) なぜリーマンは見捨てられAIGは救済されたか」

「レバレッジを効かせて、資産価値変動の波に乗っておいしい汁を吸い、巨額の報酬を得て、その割りにオフショアスキームを活用して税金は納めず、損失が出て分が悪くなったら、国民の税金で救済してほしい」という話には、アメリカ政府は乗らなかった、というところでしょう。今後は、すべてのヘッジファンドがそうだという意味ではありませんが、ヘッジの意味を失ったヘッジファンドには、逆風が待っているのだと思います。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円」

ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、
『これまで国債を買っていた、外国のSWF(政府投資基金)やヘッジファンドは、損失を抱えているのだから、米国債を買わないだろう。』

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「世界金融危機(7) 投資銀行の終焉 バフェットはゴールドマン 野村はリーマン MUFGはモルガン」

短期間でより儲けるためにレバレッジをかけて、儲かっているときはこの世の春を謳歌するものの、想定外の市場変動で思惑がはずれ、自滅する。「LTCMの轍(わだち)を踏んだ」と言われても仕方ない、という感じです。
・・・となると、次はヘッジファンドに注目が集まることでしょう。

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「世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)」

(ヘッジファンドの運用面)
・運用成績を改善するための手段が乏しくなっている
>ヘッジファンドの必須戦術である空売りの禁止

(ヘッジファンドの資金面)
・金融機関による融資先の選別、投資銀行に自己資本規制が課せられるなどで、ヘッジファンド向け融資が細る
・損失拡大で不安に駆られた投資家が資金を引き揚げ

『現段階では銀行や証券より金融危機を上手く克服しているようにみえるヘッジファンド。しかし、新たな規制、投資家の不安が多くのヘッジファンドにとって命取りになる可能性がある。・・・ヘッジファンド投資を手がけるアルファ・キャピタル・マネジメントの創設者ブラッド・アルフォード氏は「ヘッジファンド業界にとって未曾有の大再編の年になる」と予想。』

(転載終了)

本日は、ヘッジファンド指数HFRXを引用して、運用状況を見てみたいと思います。この指数は、代表的なヘッジファンドの成績から平均して作られるもので、ヘッジファンドにおけるベンチマークとなっています。
(昨年のヘッジファンド指数は、過去の記事「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」を参照ください)

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(表:ヘッジファンドリサーチ)

代表的な4つのグローバルカテゴリは、すべて年初来マイナスとなっています。その中でも、Absolute Return(市場変動にかかわらず利益追及)の被害が軽微ですんでいるのは、まだ救いがあると言えるでしょうか。

また、8つのストラテジーカテゴリは、マクロを除き、ほとんどすべてで年初来マイナスとなっています。
特に、Convertible Arbitrage(M&Aに伴う転換社債の裁定取引)、Relative Value Arbitrage(M&Aに伴う株式の裁定取引)、Equity Hedge(空売りを含む株式の裁定取引)、Event Driven(出来事を予想して市場変動の方向性に賭ける)などの、下落が大きいように見えます。
Equity Market Neutral(市場変動の影響を受けにくい、株式裁定取引)は、プラスマイナスゼロで済んでいるのは、この市場変動からすると、名実が一致していると言えるかもしれません。

(この大変動をヘッジして、儲けに変えることは、容易ではないようです)

ということで、ヘッジファンドも、万能ではないということができるでしょう。

ところで、2大ヘッジファンドである、マンとスーパーファンド(昔のクアドリガ)はどうなっているのでしょうか。いずれも複数のファンドがランチされていますが、マンからはAHLのうちのひとつ、クワドリガは歴史のあるAGを見てみましょう。

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(マン・インベストメント)
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(スーパーファンド)

2大ヘッジファンドであれば大丈夫と保証するわけではありませんが、CDSショックの影響は比較的小さいように見えます。もちろん、運用面と資金繰りの面について、今後とも注視する必要があります。

(ヘッジファンドへの投資は、最高レベルのリスク許容度が必要とされます。投資の判断は、各人の責任にお任せいたします)
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by kanconsulting | 2008-10-13 23:26 | ヘッジファンド

CDSショックと総円高(3) USD・EUR・AUDとJPY CDS爆弾の連鎖反応 中央銀行の過剰流動性と相場の乱高下

先日の記事のコメントで、次のように記載しました。

(転載開始)

確かに、日本の銀行は損失が軽いです。買収余力もあるでしょう。しかし、信用不安は世界中に伝播しますので、

・フロー(短期資金の融通ができるか、金利がきちんと入ってくるかどうか)
・ストック(所有している資産価値の下落、債券のデフォルト)

のいずれにも問題があるように思います。特に、日本の構造的な問題なのか、アメリカの景気悪化を本国以上に受けやすい(つまり、ショックがおきると、相対的に日本の資産価値が海外に流れる(ようにも見える))のは、今に始まったことではないと思います。

AUDは、短期的には、キャリートレードの解消と見ています。ジャブジャブにすり散らかされたドルが、悪さをしたのでしょう。AUD買いの前提条件であった、資産価値の高騰は、仮需分が剥げたので、その分割引となります。
短期的には、リスクマネーが減少していますので、その影響を受けます。ファンダメンタルを割り込む状況が続くでしょう。
長期的には、オーストラリアが信用不安を受けにくいという前提で、ファンダメンタルに従って、回復すると見ています。

(転載終了)

これまでも

『各国の中央銀行が流動性を供給しているが、これが、中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要です』
『こういったマネー(FRBなどが供給した過剰流動性)は、めぐりめぐって、さらなる市場の乱高下をもたらす可能性もあるのです』
『アメリカでは、・・・多量のマネーも供給されるのです。それにより、アメリカ株・世界株は反発することとなりますが、回復の実態を伴ったものではないので、再び暴落といった乱高下という事態が考えられます』

と、警告を述べて来ましたが、まさにそのような事態になっているのだと思います。

もう少し詳しく述べると、FRBなどが救済目的で供給した過剰なドルが、金融機関にとっては低金利で調達できるのをいいことに、一部が短期投資に回り、アンワインドで暴落を引き起こす。まさに、「過剰流動性の引き起こした乱高下」なのだと思います。

さらに、CDS爆弾は、信用不安の連鎖反応を引き起こすため、まさに「暴落」というにふさわしい、底なしの、急激な変動を引き起こすのでしょう。

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先日の、「クレジットスプレッド・恐怖指数・為替レート」の複合グラフに、EUR(ユーロ)とAUD(豪ドル)を追加しました。為替レートは、普通と逆(上が円高)になっています。

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(データ クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com)

また、為替レートについて、GBP(英ポンド)を加えて、5年前を100とした比較の図も入れてみました。為替レートは、普通(下が円高)になっています。

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(データ 同じ)

USDについては、これまでも「日本円とアメリカドルは実質的にペグしているようなもの」と述べてきましたが、その通り、変動幅としては比較的小さいものとなっていることが分かります。

逆に、AUDやGBPなどの高金利通貨の下落が激しく、機関投資家が、これら通貨に関連するリスク案件をアンワインドしていることが伺えます。

株式に目を転じると、コメントにも記載しましたが、ダウ、日経平均ともに、恐ろしい数字となっています。ファンダメンタルズを割り込んでいるのは明白ですが、リスク資産をキャッシュに換えて、手持ちのキャッシュを抱え込み、誰もリスク資産に手を出そうとしないのです。
何年か前に書きましたが、「キャッシュ(現金)以外は信じられないという状況」が来ているのだと思います。すなわち、マイルドであっても、恐慌です。

同じく、コメントにも記載しましたが、ソフィスケイテッド・インベスター(洗練された大人の投資家)は、こういった状況で、細心に選択した資産クラスと銘柄に、買いを入れていきます。
J-REITは、ゴミ箱だとの指摘も多かったのですが、これからは破綻も続くでしょう。不動産投資をされるなら、直接物件を当たられたほうが良いかと思います。
グロソブも、買いだとは思えません。こちらも、ご自分で海外債券や外貨MMFを買われたほうが、かなりマシです。

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このような状況の中で、私たち一般国民は、繰り返しになりますが、

・市場の変動に右往左往することなく、冷静に市場(相場)を見ること
・余裕資金で、外貨と、世界株式に、長期積み立てで投資すること
・投資の戦略と戦術を守り、ギャンブルはしないこと
・このような経済混乱の時期は、よい買い場ではあるが、全力投入はしないこと

が必要なのだと思います。

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。
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by kanconsulting | 2008-10-11 23:11 | 経済状況

CDSショックと総円高(2) クレジットスプレッド・恐怖指数・為替レート 韓国とアイスランドの財政破綻

これまでも、何度か、「信用不安が起こると、円高になる」ことを指摘してきました。本日も、データにより、それを検証したいと思います。

信用不安の指標としてクレジット・スプレッド(High Yield Credit Spreads)、世界市場の乱高下の指標としてボラティリティ指数(VIX:VOLATILITY INDEX)、円ドル為替レート(通常と異なり逆数になっていますので、グラフの上に行くほど円高となります)を、グラフにまとめてみました。
(データ クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com)

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先日の記事では、『明日には、オーバーシュート分の修正が入ります。しかし、また、円高は来るのです。こうやって、市場の乱高下によって、個人投資家は振り落とされていきます』と述べました。事実、ドルは103円まで戻した後、しっかりと90円台に突入していきました。ブログには書いていませんでしたが、私の周囲には、「現在は二段下げの最中。オーバーシュートの修正で、101円から103円まで戻す。そこからダイレクトに円安に戻るとは考えにくい。三段下げを想定して、97円程度まで下げる。」と述べていました。

また、AUDに至っては、一時63.8円という、60円台前半にまで突入しています。

言及しようと思いながら延び延びになっていた韓国経済の実質国家破綻と、アイスランドの国家破産(*1)もあり、機関投資家が、急激にリスク案件をアンワインドしていることが伺えます。

*1 アイスランドは、「国家財政が破綻しかねない」(ハーデ首相)として、非常事態を宣言、すべての銀行の国有化を緊急実施したということです。誰が、「アイスランドと日本は、規模も体力も違う。日本は絶対に大丈夫。」と言えるでしょうか?誰もが絶対に大丈夫と思っていた保険会社AIGが実質倒産、一世を風靡した巨大投資銀行リーマンブラザーズが破綻、各種の仕組み債券が紙クズ同然となった今、「絶対安全は存在しない」ことを、あらためて知る必要があります。

さて、グローバル・ソブリン(いわゆるグロソブ)のリスクについては、このブログでも、何度か言及してきた通りです。それに加えて、為替レートによる減価、信用不安による債券の元本割れなどにより、文字通り「見ていられない」結果となっています。

文字通り、金融恐慌が来ているのだと思います。

「は?どこが恐慌?」と思われる方は、平和です。世の中には、知らないほうが幸せなことが、たくさんあるのでしょう。

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1年前の過去の記事にリンクを張っておきますので、今一度、ご確認ください。

なぜ円高になるのか、については

「世界同時株安と円高(5) クレジット・スプレッドと為替レートの関係 「円安貧国、ニッポンの罠」」

ではどうすればいいのか、については

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

を参照ください。

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皆様が、今後激しさを増すであろうこの『金融情勢の混乱』と、ありうるリスクシナリオ『ドル覇権の崩壊に伴う現代金融システムの瓦解』、そして可能性が高まりつつある『国家破綻』の大津波を、無事に乗りきることができますよう、ご多幸をお祈りしております。

この期に及んで、「一般人を恐怖させるようなことを書くな。悲観的に書きすぎだ。煽りも大概にしろ。」と思われる方がいらしたら、私は、あえて反論せず、そっとしておこうと思います。ここまで危機が迫った今、果たしてどちらが正しいかなどということは、どうでも良いことだからです。
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by kanconsulting | 2008-10-09 00:49 | 経済状況