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アメリカ金融機関のニュース

アメリカの金融機関に関連するニュースを引用します。本日は少々疲れておりますので、多少投げやりですが、ご容赦ください。

(1)シティバンク(CITYではなくCITIです)は、やはり「大きすぎてつぶせない」ようです。どこかで聞いた話と同じですね。

「GMだって大きすぎてつぶせないのではないか(だからGMにも税金を投入しろ)」という声もあるようですが、CEOがプライベートジェット機で政府に乗りつけたので、国民の大反発を食らったのは記憶に新しいところです。GMを救済するなら、もうアメリカは、政府がすべての企業を所有する、統制経済・社会主義になるということで、いいんじゃないでしょうか。

(2)FRBは、「量的緩和」を選択肢に持っており、その発動を今か今かと待っているようにも見えます。もう好きにしてくださいという感じです。

日本の量的緩和は、マネーが経済システムの上面を滑って行っただけで、あまり実効性がなかった上に、過剰流動性が海外機関投資家に流れて、円キャリートレードの遠因となりました。

ドルの量的緩和は、どこにひずみをもたらすのでしょうか。

(3)アメリカには、経営破綻の可能性ある問題銀行が171あるそうです。アメリカ政府は、21行に3兆2千億円の追加注入を決めました。これで、計30行に総額約1586億ドル(約15兆3千億円)の公的資金を投じたことになります。

もうどうにでもして、という感じです。

(引用開始)

ブッシュ大統領:必要となればシティグループ以外も救済の用意

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)ブッシュ米大統領は24日、前日深夜に米シティグループ(NYSE:C)救済策を打ち出したのに続き、「ほかにも救済を必要としているところがあれば、シティ救済策と同様の決断をする可能性がある」と述べた。
ブッシュ大統領は「このような決断は過去にもしたことがあり、昨夜もそうした。必要であれば、金融システムを守るために、今後も同様の決断をする」と語った。
また「シティ救済策についてはオバマ次期大統領と協議した。オバマ陣営とは密接に連携をとっている」とした。
今回発表された救済策は、シティのバランスシート上の不良資産にかかわる数千億ドルになるとみられる損失の一部を米政府が肩代わりするとともに、追加の資本注入をするというもの。
この発表を受け、24日のシティ株は朝方から急騰し、米国株式相場を押し上げた。終値は前週末比2.18ドル(57.82%)高の5.95ドル。その後の時間外取引でも一段高となり、終値比1.68%高の6.05ドルで取引された。
今回の米政府とシティの合意は、銀行や証券会社の経営を安定させるための政府の方策における新たな局面。金融各社への3000億ドル近くの資本注入に加え、政府はさらに一部の金融機関について、不良資産にかかわる損失を一定程度肩代わりしようとしているようだ。
シティは106カ国に2億以上の顧客口座を持つ、世界で最もよく知られた銀行の1つ。このところの株価の大幅下落は顧客を動揺させ、シティを危険にさらした。
今回の政府の救済策が成功すれば、金融システム全体の安定に寄与すると考えられる。だが成功しなければ、金融業界の先行きへの疑念がさらに深まることになりそうだ。
シティ幹部と政府高官はこの週末、長時間にわたり話し合った。その結果、23日深夜、政府が最もリスクの高い資産からシティを守る支援策をとることで合意に達した。
この合意で、シティと政府は約3060億ドルの不良資産を特定した。シティはこれにかかわる損失を290億ドルまで負担し、それ以上の損失については、財務省、米連邦準備制度理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)が負担する。ただ、シティもそのうちの一部を負担することになる可能性がある。
この合意は実質的に、政府がシティのバランスシートの一部を保証することを意味する。つまり、住宅ローン、クレジットカード、商業用不動産、多額の企業向け融資といった、シティの大規模なポートフォリオが引き続き傷むようなら、納税者の負担はさらに増すことになる。
政府からのこうした支援を受けるのと引き換えにシティは、シティ株を取得する権利の付いたワラントを政府に付与する。
ゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO)によると、政府のシティ株保有比率の上限は7.8%とするという。同氏は24日、CNBCのインタビューで「政府の保有比率の上限がこのように決まっているため、どのような見地からも、国有化ではないと私は考えている」と語った。
また、「この合意は、シティが前向きに行動する強さを兼ね備えていることを明確に示している。合意に至る過程で、われわれが勝ったとも負けたとも思っていない。現在の環境下でシティがすべきことをする強さを持っているという自信を深めたと思っている」と話した。
シティはこれまでに、7000億ドル規模の不良資産救済プログラム(TARP)の一環として250億ドルの資本注入を受けている。今回の合意で、財務省が新たに200億ドルの資本注入をすることになった。
クリッテンデン氏は、シティが公的資金の注入をさらに必要とすることになるかどうかについてはコメントを避けた。

日本経済新聞

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シティ救済策の教訓:つぶせない銀行の債務は安全

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)銀行業界について、近ごろはっきりしたことが1つだけある。米政府は債権者を保護するためにできる限りのことをするということだ。
米シティグループ(NYSE:C)救済策がこれを裏付けた。政府はシティに公的資金を注入して優先株を受け取るとともに、3060億ドル相当の高リスク資産の損失を保証する。これは、シティの債権者を損失から守る緩衝材を補強するものだ。
パニックが起きれば、何はともあれ投資家は出口に殺到する。先週、株式相場が暴落する間、デフォルト(債務不履行)に備えた保険料は急上昇した。フェニックス・パートナーズ・グループによると、シティの場合、14日には債務1000万ドル当たりの保険料は21万5000ドルだったが1週間後の21日には50万ドルとなった。JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)については、12万5000ドルから19万ドルに上昇した。
こうした変化は、シティが破たんし金融システムが崩壊することを投資家がいかに懸念していたかを示している。これまで、そのようなことが起きる可能性は極めて低かった。
9月の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEHMQ)破たん後、政府は、信用市場を機能させるにはこのような破たんをさせてはならないのだということを学んだ。したがって、シティ救済は意外なことではないはずだった。証券投資の保険の役割を果たすクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場もそのように反応した。週明け24日には、債務のデフォルトに備える保険料は、シティでは25万ドルに、JPモルガンでは17万ドルに、それぞれ低下した。
今回わかったことは、規模が大きすぎて破たんさせるわけにはいかない銀行の債務は、どれだけ事態が悪化しても、極めて安全だということだ。

(11月25日付のHeard On The Streetより) 日本経済新聞

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FRBの追加金融対策、量的緩和に踏み込んだ新たな一歩か
2008年11月26日

[シカゴ 25日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が25日発表した追加金融対策は、FRBのバランスシートをさらに膨張させることになるが、アナリストらは今回の対策について、量的緩和という異例の政策領域に踏み込んだ新たな一歩と解釈している。
FRBは政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、連邦住宅貸付銀行(FHLB)が発行した債券を最大1000億ドル買い取るほか、ファニーメイ、フレディマック、連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)が保証する住宅ローン担保証券を最大5000億ドル買い取ると発表した。
さらに財務省と連携し、中小企業や個人向けローンを裏付けとした証券の保有者に最大2000億ドルの貸し出しを行う方針だ。 
米商務省が同日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)改定値はマイナス0.5%と、金融危機の影響を受けて7年ぶりの大幅な落ち込みを示した。
BNPパリバ(ニューヨーク)のエコノミスト、ブライアン・ファブリ氏は「機能がほぼ停止状態にある資本市場の建て直しに米政府は真剣に取り組んでいる」と指摘した。
FRBは今回の対策の目標について、与信機会の拡大と住宅ローンコストの引き下げを挙げている。対策発表を受け、期間30年の米住宅ローン金利は25日に急低下した。
ゴールドマン・サックスのエコノミストらは対策について「新規資金を必要としている分野に資金を導く一方、FRBの総準備をさらに膨らませる」と解説した。
2つの新たな対策はさらに、FRBが貸し渋りを続けていた銀行の頭越しに産業界にほぼ直接資金を供給することを意味する。
ゴールドマンは個人向け金融を支援する取り組みについて「FRBが消費者への直接資金貸し出しに一番近づいた政策といっていい」と指摘した。 
今回の対策が量的緩和という不透明な領域にFRBが足を踏み入れていくことを意味しているかどうかについては意見が分かれている。
FRBの今回の発表を受け、ディーラーの間では12月15─16日と1月27─28日に開催される今後2回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBの最重要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が現行の1.0%からゼロに近い水準に引き下げられる新たな材料との見方が広がった。
4キャスト(フォーキャスト)のアナリスト、ルディ・ナーバス氏は「より積極的な量的緩和に向けた新たな一歩との解釈だ。それに従えば、FRBは一段の利下げを実施する必要がある」と語った。
短期金利先物市場では、年末までにFF金利が0.25%に引き下げられる確率が24日終盤の18%から44%に上昇した。 
新たな対策は、サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁が10月30日に言及した3兆ドルの水準近くまでFRBのバランスシート上の資産が膨れ上がる可能性も示唆している。
ゴールドマンのエコノミストは「今回の対策でFRBのバランスシートがさらに8000億ドル拡大する可能性がある。現在の約2兆ドルの規模と比べかなりの額だ」と指摘した。 

 <量的緩和は再定義が必要か>
イエレン総裁やコーンFRB副議長を含むFRB高官らは、過去1カ月に量的緩和がFRBの政策手段に加わったことを認めている。
しかしFRBの数ある政策措置の中で具体的にどの措置が厳密に量的緩和と呼べ、またそう呼べることが重要なのかどうかについては依然答えが出ていない。
CMCマーケッツUSの首席為替ストラテジスト、アシュラフ・ライディ氏は、FRBの最新の「流動性対策」は量的緩和の「新たなランドマーク」だと指摘する。「FRBのバランスシートは日銀の量的緩和政策に追随する軌道上に乗っている」という。
ただ米当局者らは25日、今回の新しい対策は1990年代に日銀が実施した量的金融緩和と同じではないと記者団に説明。今回のケースでは、特に金融機関の姿勢を貸し出しにシフトさせるため銀行システムの資金を増やしたわけではないと指摘した。
しかし一部のFRBウオッチャーは末節にはこだわらず、日本の例だけが量的緩和の唯一の定義なのかどうか、またそうであるべきかどうかを問いかけている。
従って、FF金利がゼロ付近にとどまっている限り、金融市場の安定化と景気支援を目指したFRBのほぼいかなる措置も、量的緩和の一種とみなせる可能性があり、25日の対策が恐らく最後ではないだろう。
4キャストのナーバス氏は「基本的に、FRBはGSE市場の最高10%まで買い取ることができる。いずれ、FRBによる米国債や恐らく社債の買い入れに発展するとの観測が出ている」と指摘した 

 (Ros Krasny記者、Mark Felsenthal記者;翻訳 関佐喜子 ;編集 石田仁志)

ロイター

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米、21行に3兆2千億円注入 財務省が追加承認
2008年11月18日11時21分

【ワシントン=星野眞三雄】米財務省は17日、地方銀行など21の金融機関に対し、総額335億6140万ドル(約3兆2400億円)の公的資金による資本注入を承認したと公表した。注入額はミネソタ州に本拠があるUSバンコープが65億9900万ドル、バージニア州のキャピタル・ワン・ファイナンシャル35億5519万ドルなど。これで計30行に公的資金は総額約1586億ドル(約15兆3千億円)を投じたことになる。

朝日新聞

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経営破綻の可能性ある「問題銀行」、全米で171も

【ニューヨーク=山本正実】米連邦預金保険公社(FDIC)は25日、経営破綻(はたん)の可能性もある「問題銀行」が全米で171あると発表した。
約8400の米商業銀行と貯蓄金融機関の2008年7~9月期の決算状況を分析した結果としている。
直前の4~6月期の決算分析では117行と公表しており、3か月間で約1・5倍に増えたことになる。1995年10~12月期以来、約13年ぶりの高い水準だ。問題銀行の名前は公表していない。
FDICによると、08年7~9月期の不良債権処理費用の合計は、前年同期の約3倍にあたる約505億ドル(約4兆8000億円)に達した。純利益の合計は約17億ドルにとどまり、前年同期のわずか6%に落ち込んだ。
不良債権の処理に伴い自己資本が目減りしたり、業績悪化で信用を失って資金調達に支障をきたしたりして、経営破綻する恐れのある金融機関が急速に増えている。
米財務省は金融安定化法に基づき、大手・中小の30金融機関に計2000億ドル近い公的資金の投入を決めている。「問題銀行」の増加により、財政負担がさらに膨らむ可能性がある。

(2008年11月26日11時32分 読売新聞)

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FRB、新たに総額77兆円の金融支援策発表

【ワシントン=矢田俊彦】米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、金融危機の影響で取引が縮小している消費者金融と住宅ローン市場の活性化に向け、最大で総額8000億ドル(約77兆円)に上る新たな金融支援策を発表した。
落ち込みが続く個人消費をてこ入れするため、自動車ローンや学生ローンなどを担保にした証券化商品を保有する金融機関に対し、最大2000億ドルを融資する制度を新たに導入する。金融危機によって貸し渋りが深刻化している消費者ローン市場にFRBが資金を提供することで、金融機関から消費者に資金が行き渡るようにする狙いだ。
米財務省は、融資の財源として、金融安定化法に基づく7000億ドルの公的資金枠から200億ドルを転用する。
一方、最大6000億ドルの資金枠を設定した住宅市場の活性化策では、連邦住宅抵当公庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)など政府系住宅金融の住宅ローン債権の買い取りに最大1000億ドル、ファニーメイなどが保証する住宅ローン担保証券の購入に最大5000億ドルを充てる。住宅ローン市場への資金供給によって、消費者が住宅ローンを借りやすくして住宅購入を促す。

(2008年11月26日01時25分 読売新聞)

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米金融機関、94%の減益 実体経済への影響深刻に

【ワシントン25日共同】米連邦預金保険公社(FDIC)が25日発表した加盟金融機関の決算まとめによると、2008年7-9月期決算の純利益は、前年同期比94・0%減の17億2600万ドル(約1600億円)と大幅減益となった。1990年10-12月期以来、約18年ぶりの低水準。
サブプライム住宅ローン問題の深刻化で、貸倒引当金繰り入れによる不良債権処理額が前年同期の約3倍に当たる505億ドルと高水準となったためだ。サブプライム問題に端を発した金融危機の影響が企業収益を悪化させ、実体経済にも悪影響を与えていることが浮き彫りになった。
FDICには銀行や貯蓄貸付組合(S&L)など8384の金融機関が加盟しているが、そのうち約4分の1が赤字になった。重点的に経営を監視する「問題金融機関」は6月末時点の117から171に増加、1995年末以来の高水準に上昇した。

2008/11/26 11:47 【共同通信】

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第3四半期末時点で問題のある米銀は171行=FDIC
2008年11月26日

[ワシントン 25日 ロイター] 米連邦預金保険公社(FDIC)は25日、問題を抱える米銀の数が第3・四半期末までに171行に達し、1995年末以来の高水準になったことを明らかにした。第2・四半期末時点では117行だった。
問題のある銀行の資産は合計で1156億ドルと、前四半期末の783億ドルから増加した。
一方、9月末時点の預金保険基金は346億ドルと、前四半期末から23.5%減少した。
また、米銀全体の利益は前年同期比94%減の17億ドルにとどまり、90年以降で2番目に低い水準となった。

朝日新聞

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焦点:シティに次ぎ、バンカメやウェルズ・ファーゴにも懸念
2008年11月25日

[ニューヨーク 24日 ロイター] 米政府によるシティグループ救済策は投資家の不安を和らげたが、バンク・オブ・アメリカ(BOA)などライバル行のバランスシートにも問題が潜んでいるとの見方が根強く残っている。
BOAは米国の住宅市場が大恐慌以来最悪の状況に落ち込む中、モーゲージ資産を積み上げてきた。同社は米国最大の独立系住宅金融会社カントリーワイド・フィナンシャルを買収したことで住宅ローン関連エクスポージャーが急増したほか、メリルリンチを買収することでも合意している。
そのため、モーゲージや他の証券に関する損失が著しく拡大すれば、中核的自己資本(Tier1)比率が危険な水準まで低下しかねない。
ミラー・アンド・ワシントンのマイケル・ファー社長は「困難な状況に追い込まれ、救済される銀行はさらに増える可能性がある」とした上で、「株価を見ると、次に危なくなるのはBOAのようだ」との見方を示す。
BOAの株価は11月初めから前週末までに52%下落し、KBA銀行指数構成銘柄の中でシティグループに次いで下げがきつい。
独立系調査会社クレジットサイツのアナリストは、商業用不動産や住宅市場が予想以上に悪化した場合、BOAのTier1比率は7.15%まで低下すると予測する。
規制当局はTier1比率が6%以上であれば「十分な資本がある」とみなしているが、7%に接近あるいは下回れば、投資家の間で懸念が高まる恐れがある。
この問題について、BOAのコメントは得られていない。
クレジットサイツは、ワコビアを買収したウェルズ・ファーゴについても、最悪のシナリオではTier1比率が6.98%まで低下する可能性があると推測している。ウェルズ・ファーゴもコメントを拒否した。
確かに、一部の投資家が注目している有形資本に対する有形資産など、一部の指標はBOAやウェルズ・ファーゴに比べてシティグループの状況が悪かったことを示している。
シティグループの有形資産は、株主資本から無形資産を差し引いた値の42倍前後に達し、BOAの11倍をはるかに上回っている。
アナリストは、米国の銀行システムはおおむね資本が過小で、その規模は1兆ドル以上に達するとみている。
ウェルスウッド・キャピタルのインベストメントバンカー、ダニエル・アルパート氏は「銀行にはすでに大きな穴が開いており、リセッション(景気後退)でその穴はさらに拡大すると指摘、すでに発表されている総額7500億ドルに加え、さらに1兆ドルの不良債権を償却する必要が生じると推測している。
BOAはカントリーワイドを買収したことで2500億ドルを超す住宅関連モーゲージ資産を保有しており、複雑なタイプのモーゲージ提供はやめたものの、償却負担が増加している。
一方、ウェルズ・ファーゴはワコビア買収によって2600億ドルを上回る消費者ローンを引き継いだ。
JPモルガン・チェースもワシントン・ミューチュアルを買収したことで、すでに抱えていた多額の消費者ローンに最もリスクの高いモーゲージが上乗せされる形となった。
それでも、各社とシティグループとの間には大きな違いがある。アナリストによると、シティはワコビア買収に失敗したことで投資家の信頼を失い、預金を通じた資金調達の基盤が弱体化している。
スチュワート・キャピタル・アドバイザーズの最高投資責任者、マル・ポレイ氏は「シティと他の3社との違いは、シティの経営に対する懐疑的な見方が強いことだ」と指摘、「シティの経営陣はぜい肉をそぎ落とす十分な努力をしていない」と批判する。
だが、他の3社の経営陣も、資本ポジションをめぐる投資家の不安を和らげる必要がある。それらの損失が拡大すれば、BOAやウェルズ・ファーゴはシティグループと同様、米政府の支援を受けざるを得なくなる可能性もある。
フリードマン・ビリング・ラムジーのアナリスト、ポール・ミラー氏は「他社も支援が必要になることは間違いない」と断言している。

 (Elinor Comlay記者;翻訳 長谷部正敬)

朝日新聞・ロイターニュース

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-28 22:50 | 海外銀行

日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り

日本の動向に関連したニュースを引用します。

(1)財政審(財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会)が、来年度予算に関する意見書を提出しましたが、2011年PB(プライマリーバランス黒字化)については、「達成への取り組みを怠ってはいけない」と、努力目標となり、去年よりも後退した表現となりました。
一方では、消費税(のアップ)について、道筋をつけるべき、という意見も付記されました。

以下のニュースでは、「消費税の5%程度の引き上げが必要」という記述も見られます。

(景気対策、国民生活を考えた場合には、消費税アップはありえず、逆に消費税の撤廃も考えるべきと主張します。そうならない理由は、何度も述べていますが、「法人税を下げたい」「消費税の戻し税による、輸出企業への実質的な補助金を増やしたい」という一語につきると思います。)

さらに、第2次補正予算案で、赤字国債を発行することになるとのことです。

・新総合経済対策の財源としては、赤字国債を発行しない
・代わりに、国債の返済に使途が限られている財政投融資特別会計の余剰金を充てる
・国債発行と同じ
・数兆円単位の赤字国債を発行すれば、マーケットへの影響が懸念される
・ではあるが、第2次補正予算案では、赤字国債を発行する

いくつもの矛盾をはらんでいますが、気をつけなければならないのは、「赤字国債を発行しすぎて、国債が消化されない」ということだと思います。国がマネーを吸い上げて、民間にマネーが循環しない、クラウディングアウトを懸念します。それが、「マーケットへの影響が懸念される」ということなのでしょう。

吸い上げるのも結構だが、将来の成長につながるカネの使い方をするべきだ、と主張します。もちろん、それは道路ではないのです。

(2)世界中でもっとも安全とされている(というのも意外ですが)、東京マーケットでも、リスクを取ってまで資金を出す機関がなく、じわじわと金利が上がってきています。特に、年末にかけて、さらなる倒産がありうるだろう、という実感が、関係者の間で共有されているのだと思います。

「キャッシュ以外は何も信じられない」という、恐慌の香りもします。

(3)10月の貿易収支は、大きく赤字となりました。もちろん、単月度の赤字であれば、別に気にする必要はありません。しかし、これから当分の間、「日本が貿易赤字国」という傾向が続くとするならば、多方面にいろいろな影響が出てくることと思います。

さらに、OECDの経済見通しでは、2009年の日本経済について、後半には「成長が止まる」ということです。もちろん、予測は当たるとは限りません。 しかし、こういった予測は、「悲観的なものが当たりやすい」というのも、また事実だと思います。

さらに、「デフレ逆戻り」への道筋も示されています。

・雇用情勢が悪化 (すでに、派遣社員のカットが始まっており、非正規雇用の状況は壊滅的)
・賃金の伸びが弱い (弱いどころか、来年以降、急激に失業者が増える可能性)
・地価下落が始まる (すでに地価下落は始まっています)
・消費者物価がマイナスに

「またデフレか」という声が聞こえてきそうです。

百貨店売上高は8カ月連続マイナス、企業向けサービス価格が低下、など、その道筋は不可避のようにも見えます。

(引用開始)

「赤字国債発行せざるを得ない」 税収減で中川財務相
2008年11月21日18時41分

中川財務・金融相は21日、外国特派員協会で講演し、景気後退で今年度の税収が見積もりを大幅に下回るとの見通しに触れ、「税収減への対応として、(年内にとりまとめる第2次補正予算案で)赤字国債を発行せざるを得ない」と述べた。財務省は税収が見積もりより6兆円程度落ち込みそうだとみている。
その上で、新総合経済対策を実施するための財源として赤字国債を発行することは重ねて否定。代わりに、国債の返済に使途が限られている財政投融資特別会計の余剰金を充てることについて、「国債発行と同じだと言われても仕方ない。だが、赤字国債を発行すれば数兆円単位になり、マーケットへの影響がないわけでもない」と説明した。(松村愛)

朝日新聞

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「15年度までに5%消費増税必要」与謝野氏と柳沢氏
2008年11月22日3時2分

与謝野経済財政相と政府の経済財政諮問会議の民間議員は21日、自民党税制調査会の柳沢伯夫小委員長と会談し、15年度までに社会保障の財源として、消費税の5%程度の引き上げが必要との認識で一致した。政府・与党は12月半ばに税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」をまとめる方針で、消費税の引き上げ幅を明記するかが焦点になりそうだ。
関係者によると、柳沢氏は、15年度に医療、年金、介護などにかかる国の社会保障費の試算を提示。これを賄うには消費税5%相当の引き上げが必要との認識で、与謝野氏や民間議員と一致した。また、消費増税時に食料品などに対して軽減税率を導入することの是非も議論した。
ただ、与党内では解散・総選挙を意識し、中期プログラムで将来の消費税の税率や引き上げの時期を明記することに慎重な意見が多い。中期プログラムで引き上げ幅を盛り込めるかは不透明だ。
政府は10月末にまとめた新総合経済対策で、中期プログラムの策定を打ち出した。諮問会議と党税調でとりまとめの作業を進める。

朝日新聞

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年末越え短期資金、金利が急上昇

短期金融市場で年末を越える期間の資金調達金利が急上昇している。東京銀行間取引金利(TIBOR)3カ月物金利は25日、前週末より0.00693%高い0.84308%となり、10営業日連続で上昇した。9月の米リーマン・ブラザーズ破綻後に短期金融市場は貸し倒れリスクに過敏となり、資金の出し手がほとんどいない状況が続いている。
10月31日に日銀が政策金利を0.3%に下げるとTIBORもいったん低下。だが、資金決済が集中する年末に備え、あらかじめ長めの資金を調達しようとする金融機関は多く、需給が逼迫(ひっぱく)して取引金利は上昇に転じた。日銀は公開市場操作(オペ)で大量に資金を供給しているが、金利上昇に歯止めがかかっていない。(07:00)

日本経済新聞

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10月の貿易収支、7.7%減 639億円の赤字

財務省が20日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出総額は前年同月比7.7%減の6兆9261億円となった。世界的な金融危機が響き、2001年12月以来、約7年ぶりの大幅な減少率を記録した。欧米向けの減少が続き、アジア向けも6年8カ月ぶりのマイナスに転じた。貿易収支は639億円の赤字で、10月としては28年ぶりの赤字となった。
日本の貿易収支は8月に3321億円の赤字となり、1月を除いて約26年ぶりの赤字を記録した。10月は2カ月ぶりの赤字。輸入総額は7.4%増の6兆9901億円だった。
輸出総額の減少は4カ月ぶり。アジア向けは4.0%減った。このうち中国向けは0.9%減と、05年5月以来の減少に転じた。


[11月20日/日本経済新聞 夕刊]

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OECD、日本に警告 09年後半に成長ストップ
2008/11/26

OECD(経済協力開発機構)は25日発表の経済見通しで、2009年の日本経済について、前半は低成長ながらも政府景気対策に下支えされるが、後半には「成長が止まる見通しだ」と述べ、景気息切れの恐れを警告した。
OECDは09年の日本の成長率をマイナス0.1%と予想した。10年は0.6%のプラス成長に回復するとしているが、円高や世界経済の回復の遅れで輸出は10年に入っても伸びは鈍く、景気の足を引っ張り続けると予想した。また、雇用情勢が悪化する中で賃金の伸びが弱く、地価下落が始まる気配も濃厚なことから、09年中に消費者物価が小幅のマイナスに落ち込む公算が大きいと述べ、「デフレ逆戻り」の可能性を指摘した。
一方、OECDは金融危機の震源地、米国の景気見通しについて、既にリセッション(景気後退)入りしたもようで、「今後数四半期は幅広い領域で生産が落ち込む」と予想した。
09年の成長率はマイナス0.9%とした上で、第3四半期から回復が始まるが、資産価格下落などで個人消費は弱く、「過去の景気回復期に比べペースは鈍いだろう」と指摘した。金融危機が去った後には、金融監督・規制の大幅見直しや、財政赤字削減が課題になると述べた。

フジサンケイビジネスアイ

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物価上昇に急ブレーキ 企業向けサービス価格、10月は低下

物価の上昇に急ブレーキがかかっている。原油をはじめとする資源価格の反落が主因で、10月の企業向けサービス価格指数は2年3カ月ぶりに前年同月を下回った。世界的な景気低迷に伴い、モノの動きが鈍っている影響も見逃せない。国内では供給に対して需要が不足する状態が続いており、物価が持続的に下落する「デフレ」の再燃を懸念する声も出てきた。
企業間で取引するモノの価格は上げ幅が縮小しているが、サービスの価格は下がり始めた。日銀が25日発表した10月の企業向けサービス価格指数は前年同月に比べて1.4%低下した。資源や製品を運ぶ海上運賃の値下がりが響き、運輸だけで物価全体を約1.4ポイント押し下げた。(07:00)

日本経済新聞

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10月の全国百貨店売上高、6.8%減――8カ月連続マイナス

日本百貨店協会が18日発表した10月の全国百貨店売上高は、5845億円(既存店ベース)と前年同月比6.8%減った。8カ月連続のマイナスとなり、世界的な金融不安と株安が高額商品不振に拍車をかけた。年末商戦も盛り上がりを欠きそうだ。
減少幅は前月から2.1ポイント拡大し「セール期間のずれなど特殊要因がない月としては過去15年間で最悪」(日本百貨店協会)。地域別でも2カ月続けて全地域で前年割れし、東京は8.4%減と前月から減少幅が3.8ポイント広がった。

[11月19日/日本経済新聞 朝刊]

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-27 21:33 | 経済状況

金融危機に伴う世界の損失額 約5.8兆ドル(約550兆円) さらに損失が増える可能性

これまでに、ゴールドマンサックスによると、金融危機に伴う世界の損失額は、1兆4000億ドルに達する試算と述べました。

また、アメリカ政府などによる、不良債権買取・公的支援・買収などの合計は、すでに明らかになっている数字の合計だけで、約1.5兆ドル(15130億ドル)になることも述べました。

『(アメリカ政府などによる)損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。ところが、それだけの資金の出し手が、ないのです。日本や中国の国家外貨準備は、すでにアメリカ国債などになっているため、新規の投資資金にはなり得ません。ではどうするか?』(FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

ところが、みずほ証券の、もっとシビアな試算によると、約5.8兆ドル(約550兆円)の損失になるということです。

・欧米の不動産ローン、個人・企業向けローン、ローン証券化金融商品の残高:約32兆ドル(約3千兆円)
・損失計約5.8兆ドル(約550兆円)
  うち米国:約4.4兆ドル(約420兆円)
  うち欧州:約1.4兆ドル(約130兆円)
・損失比率:▲17.9%
  サブプライム関連の不動産ローンや証券化商品(米国):▲65~75%
  不動産関連の証券化商品(欧州):▲3割程度
  消費者ローン関連の証券化商品(米国):▲45%

こういった試算では、往々にして、「もっとも悲観的な試算が当たる」のです。逆に、これより甘い数字では、「それは本当か?何かごまかしているのではないか?」という疑心暗鬼が生じるということも、これまで述べてきたとおりです。

文字通り、すさまじい量のマネーが、世界から消えているのです。そして、そのマネーは帰ってくることはありません。なぜならば、それが信用縮小というものだからです。

(このあたりは、バブル崩壊を経験された方ならば、身をもって体験されたことと思います)

そして、その後に来るであろうリスクイベントを予想することも、それほど難しいことではありません。何度も述べていますが、一言で言うと、世界恐慌と、その後に来る通貨崩壊です。
(リスクイベントとは、「そういうリスクがある」という意味であり、必ず来るという主張ではありません)

当分は、リスク資産が値下がりする傾向が続くと思います。しかし、それも通貨の信任があってのこと。最終的には、通貨そのものが価値を失う時が来るのだと思います。

「100年に一度の危機」では、文字通り、「100年続いた何か」が崩壊するのです。それは、アメリカのヘゲモニー(覇権)、ドル機軸通貨システム、その両方なのかも知れません。

(引用開始)

世界の金融損失、550兆円に みずほ証券試算
2008年11月24日16時28分

世界的な金融危機による金融機関などの損失が5.8兆ドル(約550兆円)に達する可能性があることが、みずほ証券の試算で明らかになった。9月中旬の米証券大手リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)後の金融市場の混乱が、大きく影響している。
試算では、国際通貨基金(IMF)や英中央銀行のイングランド銀行(BOE)のデータをもとに、欧米の不動産ローンや個人・企業向けローン、さらにローンを証券化した金融商品の残高を約32兆ドル(約3千兆円)と推定した。
そのうち損失は、米国が約4.4兆ドル(約420兆円)、欧州が約1.4兆ドル(約130兆円)で、計約5.8兆ドル(約550兆円)。損失比率は17.9%に達する。
サブプライム関連の不動産ローンや証券化商品は米国で65~75%も価値が目減りしたとみられ、欧州でも不動産関連の証券化商品は3割程度も目減りした可能性があるという。米国の消費者ローン関連の証券化商品は45%も価値が目減りしたとみられる。
世界の金融機関の損失については、IMFは1.4兆ドル(約130兆円)、BOEは2.8兆ドル(約270兆円)とする試算をそれぞれ10月に公表している。今回の試算がそれを上回ったのは、米金融大手が適用している時価評価をもとに、より厳しく損失を見積もったからだ。
試算した石原哲夫・みずほ証券シニアクレジットアナリストは「米国の金融危機対策はなかなか進んでおらず、さらに損失が増える可能性がある。オバマ次期大統領が就任時に危機対策のビジョンを明確に打ち出すかどうかがカギだ」と話している。(橋本幸雄)

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-26 20:31 | 経済状況

日本はIMFへ1000億ドル出資 ドル基軸通貨体制を支える努力 中国は57兆円を国内投資

これまでのエントリーで、次のように述べました。

(転載開始)

FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

これまで何度も述べていますが、「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金と、その原資となるアメリカ国債を買った投資家に、ツケがまわされるということなのです。

損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。ところが、それだけの資金の出し手が、ないのです。日本や中国の国家外貨準備は、すでにアメリカ国債などになっているため、新規の投資資金にはなり得ません。ではどうするか?たとえば、次のような方法があるでしょう。

・国際協調と称して、日本円を増発
・FRBに差し入れて、ドルと交換
・そのドルを市場に流さず、そのままアメリカ国債を購入
・買ったアメリカ国債は、アメリカ財務省で塩漬けにする
・ある時点で、為替レートと金利上昇による強制調整により、実質の借金を棒引き

このケースにおいては、日本の納税者が、「国際協調のため」として、アメリカの損失をかぶることになります。

先ほどの急激な円高では、「債権国である日本に、資金が逃避した」とされています。このため、外貨建ての債券の価値は急落しました。加えて、この債権者は、アメリカ債券を思う通りに売ることができない、「債務を返してください」とお願いするしかない、弱い存在でもあるのです。

何度も書いていますが、日本からカネを搾り取るための、国際協調がありうるのだ、と指摘します。

(転載終了)

(それにしても、債権国に資金が避難すると、債務国通貨建ての債権が為替調整により減価するため、債権国が損をする、というのは、うまく出来た話だと思います)

このエントリーに限らず、これまでに、次のように述べてきました。

・信用収縮から回復するためには、新規の投資資金が必要
・しかし、アメリカをはじめとする債務国には、その余力がない
・債権国である日本・中国・産油国などが、カネを出すしかない
・債権国が救済出資しなければ、強制的な債務放棄(デフォルト)もありうる

さて、その中国についても、これまでに次のように述べてきました。

・中国は、外貨準備として、アメリカ国債などを多量に保有している
・それを外交カードにしており、アメリカ国債の売り圧力をかけることもありうる
・反面、日本は、アメリカ国債を自由に売ることができないのは明らか

中国は、57兆円の緊急経済対策を発表しました。インフラ整備が主だと言う事です。その財源は、中国の外貨準備から、57兆円相当の米国債やGSE債を売るとされています。しかし、それほどの多額のアメリカ国債を売ることは、市場の混乱(金利は上昇)をもたらします。ですので、「中国の57兆円は本当か?」という疑問も、当然ありうるでしょう。

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「日本からカネを搾り取るための国際協調」に関連して、日本の外貨準備を、IMFへの融資に充てる、というアイデアは、そこまでIMFに義理立てしなくても良いのでは、とも思います。

(義理立てしているのは、IMFにではなく、アメリカに、なのだと思います。元をただせば、同じなのですが)

ニュースを引用します。注意すべき点として、

(1)国際通貨基金(IMF)に対し、外国為替資金特別会計から、最大1000億ドル(約10兆円)の資金融通
(2)日本はドル基軸通貨体制を支える
(3)基軸通貨国アメリカを支えるためには、世界中から資本流入させ、アメリカの赤字をファイナンスしなければならない
(4)IMFは約2000億ドルの余剰資金を抱え、ただちに資金難に陥る恐れはない
(5)日本の外貨準備高は10月末現在で9777億ドル程度、中国に次いで世界第2位

まず、

(1)に関して、外為特会の積立金は、元をただせば、国民の税金であることを忘れてはならないと思います。バラマキの可否は置くとして、バラマキの金額は2兆円と比べると、その大きさが良く分かると思います。
「融通だから、そのうちカネは帰ってくるのではないか」と思われる方がいたとしたら、「そもそも、アメリカに貸したカネも、満足に帰ってきていないではありませんか」と指摘します。何度も書きますが、返してもらえない借用証書は、ただの紙切れなのです。

(外為特会の資金は、国内に回したほうが、結局は良いのではないかとも思います)
(そもそも、バラマキの財源である『埋蔵金』で、国債の償還をしたほうが、結果としては良いようにも思います)

(2)に関しては、過去のエントリーで散々述べていますので、繰り返しません。(重要ではないから繰り返さないのではありません)
同じく、(3)についても、世界中を巻き添えにして、アメリカと心中するという意思表明にも聞こえます。

(4)に関しても、「それは本当か?」と思います。
まず、余剰資金は本当に「余剰」な余裕資金なのでしょうか?すでに何かの債券になっているということはないのでしょうか。もし自由資金であったとしても、2000億ドル(20兆円)では、中型の危機が来れば一発で使い切ってしまい、大型の危機には焼け石に水であることは明白です。

(5)については、何度も書きますが、外貨準備はほとんどがアメリカ国債のため、額の大きさにはあまり意味がありません。
外貨準備第一位である中国の緊急経済対策は、57兆円分、農村、鉄道・高速道路、港湾整備などのインフラ整備ということです。「国内で使い切りたいので、IMFに回す分はありません」と言っているようにも聞こえます。

こういったことは、過去のエントリーで何度か述べています。

(引用開始)

[東京 14日 ロイター] 政府は、14日からワシントンで開催される緊急首脳会議(金融サミット)で、麻生太郎首相が提言する金融危機克服に向けた提案の概容を発表した。
国際通貨基金(IMF)に対し、外国為替資金特別会計から最大1000億ドルの資金融通を行う用意があることを正式表明し、IMFの新興国向け融資を側面支援する。金融危機防止策として、IMFの市場監視機能や早期警戒機能を向上させる必要性も提言する。
一方、市場の一部で懸念されるドル基軸通貨体制維持に対して、ドル基軸通貨体制を支える努力を払うべきと強調。今回の金融危機の根底にグローバルな不均衡の問題があることをあらためて喚起し、ドル基軸通貨体制を支える努力として、各国が構造改善を推進する必要があると訴える。 

 <危機の根底にはグローバルな不均衡問題> 
麻生首相は提言で、まず今回の金融危機の根底に「グローバルなインバランスの問題があり、基軸通貨国アメリカへの世界中からの資本流入という形でアメリカの赤字がファイナンスされているという根本があることを忘れてはならない」と指摘。資本移動が瞬時に起こり得る現状では、金融危機防止のためには、「各国の様々な政策努力を収れんさせ、いかに協調した行動をとるかが不可避の課題だ」と世界的な政策協調を訴える。 

 <外準活用の新興国支援策では、他の追随も呼びかけ> 
そのうえで短期・中期・長期に分けて政策を提言。短期の金融市場安定化策では、90年代に日本が金融危機を乗り越えた教訓を踏まえ、資本注入策や企業再生の取り組みの重要性などを示す。
金融危機防止のための中期的課題として、まずマクロ経済運営で「過剰消費・借入依存の国における過剰消費抑制策と、外需依存度の大きな国における自律的な内需主導型成長モデルへの転換」を主張。各国が世界経済の減速に対応する重要性を強調すると同時に、日本では10月30日に追加経済対策をまとめ取り組みを進めていることを表明する。
また、金融危機を未然に防ぐとともに支援体制を強化する狙いから、国際金融システムの機能強化を提言。具体的には、(1)IMFの市場モニタリング機能や早期警戒機能の向上、(2)世界の成長のけん引役を期待される新興国に対しIMFが必要な支援を行うための増資の必要性──などIMFの機能強化を求める。
IMFは約2000億ドルの余剰資金を抱え、ただちに資金難に陥る恐れはない。しかし、政治的な駆け引きがからむ増資には時間がかかることから、麻生首相は増資が実現するまでの当面の対応として、新興国支援などでIMFが資金不足に陥った場合、IMFからの要請を前提に、外貨準備から最大1000億ドルの融資を行う方針を表明する。
日本の外貨準備高は10月末現在で9777億ドル程度で、中国に次ぐ世界第2位の規模。関係者によると、他の潤沢な外貨準備の国にも追随を呼びかける。
また、金融危機の影響で民間資金の流入が細る一方で資金需要が高まった結果、融資余力が少なくなったアジア開発銀行に関して、早急な一般増資を提言する。 

 <FSFの機能強化> 
今回の金融危機発生には、新たな金融商品の登場に対して各国の監督・規制が追いつかなかった問題を踏まえ、会議では、各国の金融監督や格付け、会計基準のあり方も議題になる見通し。これに対して麻生首相は金融監督では、「各国の金融監督局、財政当局、中央銀行の合議体である金融安定化フォーラム(FSF)」を、銀行、証券、保険監督をつなぐ上位組織として位置づけ、IMFとの協働を通じて機能を強化すべきと提言する。さらに、加盟国に偏りがあることから、「新興国をメンバーに加え再構成」する必要性も示す。
会計基準のあり方では、国際会計基準審議会に行政当局や企業、投資家の参画を提言し、時価会計主義偏重からバランスのとれた議論を模索する。また、格付けの問題では、証券監督者国際機構(IOSCO)を中心に格付け機関の自主ルールが強化されてきたが、法的権限をもたせる方向の議論も提案する。 

 <長期的な通貨体制、ドル基軸通貨体制を支える努力> 
市場では、世界最大の債務国である米国のドル基軸通貨体制が今後とも安定的に持続するか懸念が存在する。この懸念に対して麻生首相は「ドル基軸通貨体制を支える努力を払うべき」と提言し、各国に構造改善努力を訴える。
麻生首相提言は金融危機克服に向けた日本政府のスタンスを総括するものだが、金融サミットでは時間の制約から全てを提示出来ない場合も想定されている。

ロイター

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-17 21:13 | 経済状況

ジョージ・ソロスのコメント 次の金融帝国は中国

ジョージ・ソロスらが、金融危機の「元凶」であるヘッジファンドの責任者として、米政府公聴会に呼び出されて証言をする模様です。

・ジョージ・ソロス(ソロス・ファンド・マネジメント)
・フィリップ・ファルコン(ハービンジャー・キャピタル・パートナーズ・ファンド)
・ジョン・ポールソン(ポールソン・アンド・カンパニー)
・ジェームズ・シモンズ(ルネサンス・テクノロジーズ)
・ケネス・グリフィン氏(シタデル・インベストメント・グループ)

(引用開始)

深刻な米景気後退は不可避、恐慌の可能性も=投資家ソロス氏
2008年 11月 14日 05:04 JST

[ワシントン/ボストン 13日 ロイター] ソロス・ファンド・マネジメントを率いる著名投資家ジョージ・ソロス氏は13日、深刻な米景気後退は不可避との見方を明らかにした。
同氏は米下院監督・政府改革委員会公聴会での証言原稿で「深刻な景気後退は今や避けられず、恐慌の可能性も排除できない」と述べた。
また、ヘッジファンドはポートフォリオの50─75%縮小を余儀なくされるとの見方を示した。

ロイター

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米政府公聴会、金融危機の「元凶」ソロス氏ら4人招集
2008/11/13(木) 10:35

米国政府は13日公聴会を開き、昨今の金融危機の「元凶」とも指摘されることがある米ヘッジファンド・マネージャーのジョージ・ソロス氏ほか4人を招集し、ヘッジファンドが実体経済に与える影響などについて追求する。東方早報(中国)が外電を引用して伝えた。
それによると、米国政府が金融危機の「元凶」として公聴会に招集したのは、ジョージ・ソロス氏のほか、フィリップ・ファルコン氏(ハービンジャー・キャピタル・パートナーズ・ファンド)、ジョン・ポールソン氏(ポールソン・アンド・カンパニー)、ジェームズ・シモンズ氏(ルネサンス・テクノロジーズ)、ケネス・グリフィン氏(シタデル・インベストメント・グループ)の計5人。いずれも、アルファ誌の収益別統計で上位5位に入ったヘッジファンド・マネージャーばかりだ。
公聴会では、ヘッジファンドの規模が金融システムの安定性を脅かすようになった原因を究明し、ファンドマネージャーに対する巨額の報酬が、リスクヘッジ機能を低減させた可能性などの問題が取り上げられる見込み。(編集担当:金田知子)

サーチナ

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ソロス氏ら5人、米下院で13日に証言へ
2008年 11月 12日 18:51 JST

[12日 ロイター] 米著名投資家ジョージ・ソロス氏やフィリップ・ファルコン氏を含む5人のヘッジファンド・マネージャーが13日に開かれる米下院監督・政府改革委員会の公聴会に出席し、ヘッジファンドの活動が実体経済に及ぼす影響などについて証言する。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が伝えた。
他に証言するのは、ポールソン・アンド・カンパニーのジョン・ポールソン氏、ルネサンス・テクノロジーズのジェームズ・シモンズ氏、シタデル・インベストメント・グループのケネス・グリフィン氏。
FT紙は5人が公聴会に呼ばれるのは、ヘッジファンド・マネージャーとしてトップ5位の利益を上げているためとしている。5人は昨年それぞれ10億ドル以上の利益を上げたとされる。
ロイターの取材に対し、5人からはいずれもコメントは得られていない。
FT紙によると、公聴会の最大の焦点は、ヘッジファンドが金融システムの安定を脅かすほどに大きな影響力を持つようになった要因。これに関連して、各ヘッジファンドが取り入れている報酬制度が危険なリスクを伴う取引を助長させているのではないかとの問題も取り上げられる。信用取引についても議論される見通し。
FT紙は、この公聴会がさらなる規制強化のきっかけになる可能性もあるとするヘッジファンド関係者らのコメントを伝えている。

ロイター

(引用終了)

ジョージ・ソロスの最近のコメントがいくつか見つかりましたので、転載しておきます。
ソロス自身は、市場原理主義やグローバリズムに対して批判的な立場を取っています。ヘッジファンドは、カネ至上主義の亡者であって、グローバリズムを旗印に新興国を荒らしまわっているイメージを持っている方には、意外に聞こえるかもしれません。

「中国、産油国は米ドル貯蓄や米国国債で潤った」から、「今後さらに多くの富を手にするだろう」には、少し飛躍があるように思います。それは、「この底値で投資するならば」という隠れた前提があるのだと思います。

(引用開始)

ソロス氏インタビュー発言「次の金融帝国は中国だ」
2008/11/12(水) 12:13

ロシア共産党機関紙「プラウダ」によると、米著名投資家のジョージ・ソロス氏は、中国が現在金融危機をしのいだ「最大の勝ち組」となり、今後は国有銀行や巨額債務を抱える欧米諸国をおさえ、新たな世界の金融帝国になるとの予測を述べた。人民網がこのほど伝えた。
氏の発言は、ドイツ「ディ・ ヴェルト(Die Welt)」紙のインタビューでのもの。金融危機の原因やサブプライムローンについての自身の見解を述べた。「現在は1930年代以来の金融危機。金融体制に問題がある」と言及、金融市場はすでに求心力を失っていると指摘した。
欧米は今後、国有銀行や巨額債務を負うことになると予想し、中国が「金融帝国」として台頭する可能性も示唆した。「米国の影響力は過去25年間の赤字続きで、すでに弱まっている。一方中国や産油国は黒字が目立つ。米国は生産を上回る消費をしすぎたことで債務が蓄積しているが、中国、産油国は米ドル貯蓄や米国国債で潤った。今後さらに多くの富を手にするだろう」としている。(編集担当:金田知子)

サーチナ

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ソロス氏「金融危機はピークも、各種問題はこれから」
2008/11/12(水) 16:51

ジョージ・ソロス氏はエストニアのメディアの取材を受け、「全世界の信用危機について、すでにピークに達している。現在、金融システムはすでに自浄作用を発揮、回復を始めている」と指摘したという。中国のファイナンス系のウェブメディア中金在線が伝えた。
中金在線は毎日経済新聞の報道を引用して、ソロス氏が「リーマン・ブラザーズの破たん以来、機能を停止していた金融システムが再び動き出した」と指摘したことを紹介。一方で、「危機によって生じた大量の失業問題、及び企業経営の困難さを増す各種経済問題はむしろ今後激しさを増すだろう」とも語った。
「前代未聞の、最大の危機」と今回の金融危機を表現するソロス氏。「これは自分の生涯でもまれに見る危機であり、今までこのような危機を見たこともなく、また今後見ることもないだろう」と、今回の金融危機の深刻さを改めて強調したという。
中金在線は、いち早く米株買いを宣言したウォーレン・バフェット氏同様、ソロス氏も逆張りの動きを見せ始めていると指摘、同氏がモーリタニアの鉄鋼山プロジェクトに参画している豪Sphere Investments社の5%の株式を買い入れていることを紹介している。(編集担当:鈴木義純)

サーチナ

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-14 21:46 | 経済状況

金融危機に伴う世界の損失額1兆4000億ドル これから6000億ドルが消失 20万人以上のリストラ

ゴールドマンサックスによると、

・金融危機に伴う世界の損失額は、1兆4000億ドルに達する
・そのうち、実現損は8000億ドル
・つまり、6000億ドルはこれから損失が表面化する

ということです。

フィナンシャル・タイムズによると、世界の金融業界全体では、既に推計15万人がリストラ・失職しており、これからアメリカ金融業界だけでもさらに7万人が人員削減の対象となる可能性があるとのことです。

金融危機のダメージが小さいゴールドマン・サックスであっても、全従業員(3万2500人)の約10%削減に着手したということです。

とりわけ金融機関にとっては、厳しい冬となりそうです。

(引用開始)

金融危機に伴う世界の損失額は1.4兆ドルに達する見通し=ゴールドマン
2008年 11月 11日 09:05 JST

[ニューヨーク 10日 ロイター] ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジャン・ハツィス氏は10日、金融危機に伴う世界の損失額が1兆4000億ドルに達するとの見通しを示した。そのうち実現損は8000億ドルに過ぎないという。
金融機関と実体経済全体にとって今後さらに痛みが発生することを意味するもので、深刻な景気減速を回避するため、追加的な財政刺激策が必要になると指摘した。
同氏は金融業界の会合で「大規模な景気刺激策が求められる」と述べた。

ロイター

(引用終了)
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by kanconsulting | 2008-11-12 08:55 | 経済状況

国の借金843兆円 

国の債務残高が、若干ではありますが、減少したというニュースです。

何度も書いていますが、各国の中央銀行は、潤沢に流動性を供給し、それにとどまらず不良債権を買い入れ、金融機関などに出資(資金注入)しています。その元をただせば、新規に発行される国債の信用をもとに創造されるマネーなのです。

来年にかけて、国の借金は増えざるを得ないでしょう。国の財政再建と、信用創造の回復は、見かけ上トレードオフですが、国民生活の回復なくして、国家財政への信任の回復もないのかも知れません。とはいえ、巨額すぎる借金は、いろいろな方法で棒引きされてきたのが、歴史の常です。

財政再建と、新発国債による流動性の供給のバランスについては、引き続き考えて行きたいと思います。

(引用開始)

国の借金843兆円に減少 それでも1人当たり660万円

財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高(借金)が08年9月末時点で843兆2794億円になったと発表した。過去最高だった今年3月末時点に比べ5兆9602億円減少した。1人当たりの借金は、10月1日時点の人口推計1億2771万人で計算すると約660万円となる。財務省は国の借金残高を3カ月ごとに公表しており、今回は国債の新規発行抑制を受け、借金残高増加傾向が一段落した。

共同通信

(引用終了)

継続してウォッチしていきたいと思います。
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by kanconsulting | 2008-11-11 20:47 | 経済状況

FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

これまでのエントリーで、次のように述べました。

(転載開始)

バラマキ・ヘリマネはどのような結果をもたらすか 3年後の消費税アップ

日本に限らず、アメリカも、ユーロ圏も、景気対策としてバラマキをやることになるでしょう。加えて、金融危機対策のための「低金利」と「量的緩和」もセットです。

実は、バラマキをやるにしても、金融危機対策で資本注入をやるにしても、それほど原資がないのです。この問題は、別のエントリーで述べます。

その結果、何が起きるでしょうか?インフレ(景気悪化と併発すればスタグフレーション)です。

(転載終了)

また、銀行などの金融機関の保有する評価損を国・中央銀行にリスク移転させる「飛ばし」についても、これまで次のように指摘してきました。

(転載開始)

信用危機は警報ゾーン スターリン暴落を超えた第二の暴落 毎日がブラックマンデー(地獄)です

何度も書いていますが、「国を巻き込んだリスクの飛ばし」を見透かしたような、値動きです。これに対抗して、日銀がジャブジャブに資金を流し込むことで、かろうじて長期金利の上昇を押さえ込んでいるような感触です。

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怒涛のような無制限ドル供給 文字通りの青天井 時価会計の停止とダブルスタンダード

FRBを中心とする各国の中央銀行による流動性(おもにドル資金)の供給は、文字通りジャブジャブに行われてきました。その上、限度額を外して、無制限に供給するとは、まさに、なりふりかまわない、緊急対策といえるでしょう。
何度も書きますが、リスクは、それぞれの国に飛ばされたことになります。
さらに、アメリカが中心として進めてきた「時価会計」を、「不良債権を持つ金融機関にとって都合が悪い」として、時価会計の緩和や一部停止が行われています。日本がバブル崩壊後、不良債権の査定を厳しく行わざるを得なかったことと、対照的です。まさに、「ダブル・スタンダード」と言えるでしょう。

しかし、このような「先送り」「飛ばし」をやらない限り、冗談ではなく、世界恐慌になってしまうという、瀬戸際にあるのでしょう。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円」

次のステージは、「(政府・公的機関による)不良債権の買取」ですが、これは、政府やFRBが、「貸し手」から「買い手」になることを意味します。何度も言っていますが、これは、リスクの移転、つまり「飛ばし」をやる、ということなのです。

「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金で支払う、ということです。本当に、すでに財政支出となった1兆ドル(約100兆円)や、連邦政府の債務上限の10兆ドル(約1000兆円)もの巨額の支払いが、将来のアメリカ国民に可能なのでしょうか?そもそも、その原資となるアメリカ国債を、誰が買うのでしょうか?

ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになるからです。すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛」

この協調供給の本質を一言で言いますと、基軸通貨USドルを防衛する、ということだと思います。いみじくも、伊吹文明財務相が、「アメリカ(FRB)の要請による、米ドルの信認低下を防ぐ措置」と言っているとおりです。

ここまで巨額の、文字通りジャブジャブの状態になるまでマネーを注ぎ込んでも、本質的な危機の解決にはならないことは、すでに述べているとおりです。あくまで延命措置、ということを忘れてはなりません。これで、リスクはアメリカ政府・FRBに「飛ばされた」ということになります。これで解決にはなりません。供給した過剰のドルが、ドルそのものの信認を損なうことになるからです。

(転載終了)

具体的に、どの程度の財政支出が必要かについては、議論がありますが、ニュースによる数字を合計すると、次のようになります。

(転載開始)

世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)

財政赤字の急膨張は避けられないとの見通しです。どういうことかというと、

2009会計年度(08年10月―09年9月)の財政赤字は、
・4380億ドルと、過去最大
・米政府系住宅金融機関(GSE)大手2社の支援に伴う支出は含まず

また、金融安定化策として、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良債権を最大7000億ドルの公的資金を投じて買い取ると提案されていますが、住宅価格の下落に歯止めがかからず、米政府による不良債権買取は到底7000億ドルではすまないという見解もあります。

今回の不良債権買い取り案に加えて、

・住宅ローン債務者支援:最大3000億ドル
・GSE2社への支援:2000億ドル
・GSEによる住宅ローン担保証券購入:1440億ドル
・アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の公的管理:850億ドル
・MMF元本保証:500億ドル
・ベアー・スターンズ買収:290億ドル

(不良債権買取・公的支援・買収などの)合計:約1.5兆ドル(15130億ドル)

(転載終了)

と、単年度にもかかわらず、すさまじい公的支出があることがわかります。

FRBの内実について、ビジネス知識源が、FRBの貸借対照表(B/S)を検討していましたので、引用して解説したいと思います。

(引用開始)

【(1)2007年8月6日のFRB:金融危機勃発の直前】

左側が、FRBが保有する証券(債券)、右側が、その証券を買ったときの、原資です。普通の企業の貸借対照表と、同じ構造です。

全米の、8つの連銀の合計(連結)です。勘定科目はまとめ、単純化しています。まず、米国の金融危機がサブプライムローン危機から勃発する直前のものです。

 【保有資産】          【負債と資本】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●米国短期国債 28兆円   ●$紙幣発行高     77兆円
●米国長期国債 51兆円   海外の中銀からの借入金  2兆円
短期貸付金    2兆円   米国政府からの預金   0.5兆円
通貨スワップ   6兆円   当座預金預かり     0.5兆円
              資本          3.4兆円
               その他資本       2.8兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
資産合計    87兆円   負債・資本合計     87兆円

(中略)

【(1)2008年10月1日:金融危機勃発後の悪化】

 【保有資産】             【負債と資本】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米国短期国債 2兆円(-26兆  $紙幣発行 80兆円(+3兆)
米国長期国債 46兆円(-5兆) 海外中銀借入 7兆円(+7兆)
短期貸付金  8兆円(+6兆)  証券会社借入2兆円(+2兆)
●TAF   15兆円(+15兆) ●当座預金  9兆円(+9兆)
●銀行向けプライマリー     政府預金  0.5兆円
   貸付金 5兆円(+5兆)  ●米財務省からの
●証券会社向けの          借入金 34兆円(+34兆)
  貸付金 15兆円(+15兆)  FRB資本  4兆円
●MMF向けの         ●その他  14兆円(+11兆)
  貸付金 15兆円(+15兆)
●ベアスターンズ向けの
   貸付金  3兆円(+3兆)
●AIG向けの
   貸付金  6兆円(+6兆)
●日銀及びECBとの
 通貨スワップ 34兆円(+28兆)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【資産合計 150兆円(+73兆)】 【資産・負債 150兆円】

以上は、08年9月15日にリーマン・ブラザーズが倒産して2週間後の、貸借対照表(10月1日時点)です。(括弧)内は、昨年の8月6日時点に比べた、各勘定の増減を示しています。

(引用終了)

このように、FRBの資産が急速に劣化していることが分かります。この記事(表)によると、昨年に比べて、約100兆円分です。

TAF(15兆円)+プライマリー貸付(5兆円)+証券会社向けの借入金(15兆円)+MMF向けの貸し出し(15兆円)+ベアスターンズとAIG向けの貸出(合計9兆円)+通貨スワップ(34兆円)=103兆円

何度も述べているように、これらの劣化債券や劣化資産のリスクが、FRBに「飛ばされた」という、国家単位の壮大な「飛ばし」となっているのです。

加えて、この記事(表)によると、FRBは、主にアメリカ国債の信用により、資金を捻出(ねんしゅつ)し、約100兆円の信用を想像したのです。

米国短期国債売却(26兆円)+同長期国債(5兆円)+日銀・ECBから借り入れ(7兆円)+当座預金(9兆円)+証券会社から預かり(2兆円)+米国財務省からの国債の預かり(34兆円)+その他の受け入れ(14兆円)+ドル札印刷(3兆円)=100兆円

---

これまで何度も述べていますが、「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金と、その原資となるアメリカ国債を買った投資家に、ツケがまわされるということなのです。

損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。ところが、それだけの資金の出し手が、ないのです。日本や中国の国家外貨準備は、すでにアメリカ国債などになっているため、新規の投資資金にはなり得ません。ではどうするか?たとえば、次のような方法があるでしょう。

・国際協調と称して、日本円を増発
・FRBに差し入れて、ドルと交換
・そのドルを市場に流さず、そのままアメリカ国債を購入
・買ったアメリカ国債は、アメリカ財務省で塩漬けにする
・ある時点で、為替レートと金利上昇による強制調整により、実質の借金を棒引き

このケースにおいては、日本の納税者が、「国際協調のため」として、アメリカの損失をかぶることになります。

先ほどの急激な円高では、「債権国である日本に、資金が逃避した」とされています。このため、外貨建ての債券の価値は急落しました。加えて、この債権者は、アメリカ債券を思う通りに売ることができない、「債務を返してください」とお願いするしかない、弱い存在でもあるのです。

何度も書いていますが、日本からカネを搾り取るための、国際協調がありうるのだ、と指摘します。
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by kanconsulting | 2008-11-10 19:54 | 経済状況

(再掲)国家破綻に至る6ステージ CDS・LIBOR・VIXの動向 GMの破綻は不可避か

「我々は破綻を避けるために、すべての資金調達手段を利用する(つまり、政府による資金支援に期待を寄せている)」
(ゼネラル・モーターズ(GM)のリチャード・ワゴナー会長兼CEO)

皆様ご存知のように、赤字決算を受けてGMの株価が急落を始めており、決済のためのキャッシュフローが尽きる見通しであるなど、ストック・フローともに、文字通りの破綻に直面する非常事態となっています。

日本においても、貸し渋り・貸し剥がしによる、「黒字倒産(利益が出ているのに、決済のためのキャッシュフローが尽きたため、やむなく倒産してしまうこと)」が続出しそうな感じです。

現在のところ、以下の指数を見る限り、フローが改善したために少し破綻が遠のいた印象です。しかし、本質的な解決にはなっておらず、フローが悪化すれば、再び破綻に直面するような感じです。たとえば、これから年末にかけて、さらなる投資資金の引き上げ、信用不全・決済不能による企業の連鎖倒産、金融弱国の取り付け騒ぎ、ヘッジファンドによる売り浴びせ、などにより、まだまだ予断を許さないところです。

・CDSの動向:まだ高レベルにあり、予断は許しません。国で言うとトルコ、企業で言うとGMの金融子会社などが、グロス大となっており、危険な状態となっています。
・LIBORの動向:峠は越した印象で、フローについては小康状態になっていると判断しています。
・VIXの変化:三尊天井をつけた状態で、高レベルなのでまだ予断は許さないものの、ひとまず安定に向かうと期待しています。

今後の見通しについて、先日掲載した「国家破綻に至る6ステージ」を再掲したいと思います。現在は、日米欧でステージ3、一部新興国・金融弱国でリスクシナリオ4に突入しそうな感じです。

今の段階で、リスクシナリオを警戒されるなら、ゴールドを押し目買いされることをお勧めします。

「え?これからデフレなのにゴールド?」と思われる方は、現金ホールドでも良いかと思います。しかし、デフレはインフレの準備です。ゴールドが高騰するということは、通貨の信認が失われることと表裏一体ですので、そのリスクをヘッジされるのも悪くないと思います。

(※投資は余裕資金で、最終判断は自己責任でお願いします。)

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「国家破綻に至る6ステージ」

(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~ 進行中】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 兆し有り?】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)
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by kanconsulting | 2008-11-10 00:41 | 経済状況

経済指標 何をどのように見れば良いのか ガイドブック紹介

先日のコメントで、「いろいろな指標があるが、何を見れば、未来が分かるのか、知りたい」「確実な先行指標が知りたい」と言ったような、コメントがあったように思います。

まず、当たり前のことですが、「確実な先行指標はない」ということを、再確認したいと思います。その上で、市場の値動きを冷静に受け止めることが必要なのだと、述べたいと思います。

ですが、それだけでは、あまりに色気がありません。ですので、いくつか、参考になりそうな書籍を挙げたいと思います。

(1)経済指標を網羅的に勉強したい

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

以下の本をお勧めします。カラー版のムック(大き目のサイズ、見開きメイン、絵・グラフなどを多用した、見やすい作りの本)ですので、初心者の方にもお勧めします。

もともと高い本ではありませんが、今ですとさらに安価で入手できると思います。

こういった経済指標に振り回されるのは得策ではありませんが、「月1回」「年1回」などといったチェック頻度の目安も掲載されています。何度も繰り返しますが、確実な先行指標はないことにはご留意いただき、指標に振り回されないよう、冷静な受けとめをお願いします。

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

(2)指標にとどまらず、グローバルなお金の流れを知りたい

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

さまざまな資産クラスを行き来するマネー。私は、このブログの当初から、「カネは、儲かりそうな資産クラスをめがけて常に移動する。その動きを見抜くことができれば、少なくとも生活に困ることはない」と指摘してきました。(*1)

その、グローバルなマネーフローを分かりやすく紹介しているムックです。

本書の表紙には、「2008年後半のキーワードは、過剰流動性の終焉」とあるように、ある程度の信用収縮を予見していたと言えるかもしれません。

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

【追記】このブログにおいては、当初から、過剰流動性が、キャリートレードなどを通じて、市場の乱高下をもたらすことを指摘してきました。関連するエントリーを記載します。(*2)

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*1

では、どのファンドがいいのか(1) 実需と仮需

「どの資産クラスが、価値が減るのか」
「どの資産クラスが、価値が増すのか」
ということは、事前には分からないのです。

世界に存在する資金の量は有限です。その流れを読むことが出来れば、どの資産クラスが値上がりするか分かりますので、誰もが富豪になることが出来ます。

では、どのファンドがいいのか(2) ポートフォリオ

資金が流入することで特定の資産クラスの価値が膨れ上がること、そしてその資金の流れのうちで「実需」「仮需」があり、「仮需」が大きな役割を占める場合もあることを述べました。そして、その流れを読むことは難しいことも述べました。

大きく言いますと
・資金の流れを読むことは、普通の情報では不可能
・「株ブーム」「不動産ブーム」などブームが形成されるのは、まず最初の資金が流入するからであり、大きな儲けはブームの前に投資した場合のみである
・一般投資家は、ブームが形成された後に投資するので、儲けが薄く、場合によってはその後のバースト(急落)に巻き込まれて損をする

では、どのファンドがいいのか(4) 収益環境指数

これまでに、
・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
と述べました。

---

*2

チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる

またしても、エマージングを引き金にした、世界株式の急落(調整)がありました。

チャイナ・インドといえば、日本からのファンドによる投資もあり、そうでなくても低金利の円に遠くは由来する過剰流動性で膨れていた状態です。これが調整したということは、非常に簡単に言うと、『一般投資家は、トレンドに尻馬で乗って、結局損をさせられた』ということになります。ですので、『イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある』のです。

何度も同じことを書きますが、BRICSは、あくまでもエマージングであり、それ相応のリスクを背負った投資になります。年に一度や二度の調整(急落)は当たり前です。今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。FAI投資法で知られる株式投資のプロは、次のように言います。『結局誰かが投げないと、相場は上がらないんだよ。』

世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか

また、このブログでは、以前から、円ショートのキャリートレードの副作用を指摘してきました。『機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている』と言われているのです。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利」という報道もあります。

量的緩和の解除 ゼロ金利からの脱出?(2006.2.18)

機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレード(だぶついた日本円を使った裁定取引)が、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている

NZドルのリスク

ニュージーランドは・・・昨今のジャパンマネーの流入などで、実体経済以上の通貨高を招いた
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by kanconsulting | 2008-11-07 09:47 | 資産保全一般