<   2009年 01月 ( 7 )   > この月の画像一覧

日本とアメリカ 産業構造と潜在成長力 弱い潜在成長率とマイナス実質経済成長率予測

最近のコメント欄から、いくつか話題を載せたいと思います。

(1)日本の産業構造と潜在成長力

最近のニュースによると、日本の潜在成長力が、徐々に下がってきているということです。そもそも、実質経済成長率はマイナス予測ですが、紙幣をばら撒いて潜在需要を喚起しても、「力強い成長」には程遠い、といったところでしょう。

(潜在成長率)
07年度 1.6%
08年度 1.2% (民間予測)
09年度 0.9% (民間予測)

(実質経済成長率)
08年度 -1.8% (日銀金融政策決定会合
09年度 -2.0% (同上)

潜在成長力とは?
普通、生産設備などの資本には余剰・遊休があり、労働力にはリストラやミスマッチによる失業分があります。今現在の経済で、こういった資本の余剰や失業がなく、フル活用されたと仮定した場合に、そのGDPを「潜在GDP」、インフレ率の変化なしに達成できる実質成長率を「潜在成長率」と呼びます。
実際の実質成長率=潜在成長率+GDPギャップ
「実質」とあるのは、貨幣換算のGDPの増大(減少)を、価格上昇(下落)分と生産増大(減少)分に切り分けて、生産増大(減少)分のみを抽出した、という意味です。


産業のシフトは、言うほどには進まないというのも事実と思います。それをゾンビ企業の退場と、雇用市場の流動化によって進めようとしたのが、いわゆる小泉改革だと思いますが、結果から見ると、失敗でしょう。(コストカットのための非正規雇用、中高年フリーターの増加を招いただけで、日本の産業構造を高めることにはなりませんでした)。ITのような高度の技術を要する産業に人をシフトさせるのは容易ではないのでしょう。

(2)日本とアメリカの債権債務関係の行く末と経済成長

日本とアメリカの債権債務関係の行く末については、繰り返しになりますので、「日本はアメリカ国債の放棄を 債券のデフォルトか紙クズか 戦争の足音」を参照ください。

経済成長には、制約条件があります。そのうち主要なものは、昔も今も、「(天然)資源」と「労働力」ですし、それに「環境」を加えても良いでしょう。石油資源が(値段はともかくとして)量的な制約を受けることは事実ですので、もはや「ムダ使い」は許容できないという見方をしています。

労働力で言うと、アメリカは若くて優秀な人材が育つ・集まってくる潜在成長率の高い国ですので、ムダをそぎ落として筋肉質に生まれ変わることが出来れば、復活もありうることと思います。

関連したコメントを転載します。

(転載開始)

(1)景気は急速に悪化 下半期は貿易赤字 中小企業は壊滅的

Commented by surnivers at 2009-01-24 12:11 x
凄い落ち込み方ですよね。
正直言って驚きました。
ここまで急激に落ちるものなのかな?と疑いましたが、しかし事実のようです。
こうなって来ると、日本の場合は負のスパイラルが始まってしまいますね。
どこかで区切りをつけないと行けません。
ワシはその為に産業のシフトをするべきだと思いますが、今の政府には第三次、第四次産業の重大さが分っていないようです。
日本が一番強いのは正にここですのにね。
困ったものですね。

Commented by kanconsulting at 2009-01-26 09:09 x
surniversさん
コメントありがとうございます。確かに、これまでは「対岸の火事」という受け止めが多かったと思いますが、ようやく来るべきものがきた、という感じですね。好景気(?)からの、いきなりの世界不況ですから、悪い夢を見ているような気もしますが、これまでの好況が夢だったのかも知れません。そして、負のスパイラルが始まるというのも、ほぼ事実でしょう。
産業のシフトは、言うほどには進まないというのも事実と思います。それをゾンビ企業の退場と、雇用市場の流動化によって進めようとしたのが、いわゆる小泉改革だと思いますが、結果から見ると、失敗でしょう。(コストカットのための非正規雇用、中高年フリーターの増加を招いただけで、日本の産業構造を高めることにはなりませんでした)。ITや環境のような高度の技術を要する産業に人をシフトさせるのは容易ではなく、アメリカのような「若くて優秀な人材が育つ・集まってくる」潜在成長率の高い国でないとムリ、ということと理解しています。

---

(2)日本はアメリカ国債の放棄を 債券のデフォルトか紙クズか 戦争の足音

Commented by buu at 2009-01-19 23:50 x
ドルのような紙切れや帳簿の数字がどうなろうと、どうでもいいことです。
債権放棄するのはとても賢い判断です。ドルを積み上げるために努力したおかげで日本の生活・技術・教育水準は大きく向上しました。
アメリカ人が放蕩の限りを尽くしたからこそ、日本の今があります。
日本人が国債を買ってアメリカを支え続けたからこそ、アメリカ人は研究・開発に専念し、インターネットなんかを使ってこういう風に意見を世界に発信できるようになりました。

お金とは誰かの負債なのだから、放蕩の限りを尽くしたアメリカ人と、勤勉に貯蓄していた(言い方を変えればけちな)日本人は共犯です。どちらかが破滅すればもう片方も破滅するのは仕方ないと思います。
うまくいかなくなれば、リセットして同じゲームを繰り返せばいいじゃないですか。 いくら浪費しようと、貯蓄しようと、所詮は紙切れにすぎません。チャラにすればよいのです。

Commented by kanconsulting at 2009-01-20 22:23 x
buuさん
コメントありがとうございます。アメリカ(人)が無駄遣いをすることを日本(人)が支えたこと、その両者が一蓮托生であることは、それはこのブログでも何度も述べていることです。ですが、結論は、私とは異なるようですね。

債権と債務は表裏一体です。ですが、共犯(共同犯罪)とまでは言えないでしょう。それではまるで信用創造そのものが犯罪行為であるということと同じです。国家間のマネーフローは、必ずしも単年度でバランスしないので、持続可能な範囲でストックとして積み上げられることは、別に悪いことではありません。

ですが、無駄遣いの存在を許せるほど、もはや資源に余裕はありません。「同じゲームは繰り返せない」のです。

(転載終了)
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-28 09:30 | 経済状況

景気は急速に悪化 下半期は貿易赤字 中小企業は壊滅的

a0037933_22494991.jpg

図はフジサンケイビジネスアイより
a0037933_2248567.jpg

図は毎日新聞より

1月の月例経済報告で、初の「(景気が)急速に悪化」という表現が出ました。「世界経済も日本経済も数カ月で好転することはありえない」とのコメントですが、ようやく、認識が現状に追いついた、という感じでしょう。

貿易黒字が、急速に減少しています。下半期だけで見ると、貿易赤字です。記事にもありますが、波及効果の大きい自動車製造業から、製造業全体に影響が及び、ついで非製造業に、負の連鎖が広がっていくのでしょう。
ということは、今年は、日本が貿易赤字に転落する、ターニングポイントなのでしょう。これまでも述べましたが、世界の中での日本をめぐるマネーフローが、大きな転換を迎えるのだと思います。

当然の流れですが、中小企業は壊滅的なダメージです。12月の中小企業景況DI(「好転」から「悪化」を引いた値)が、「マイナス79」となり、過去最低を更新しました。
中小企業景況DI -79.0 前月比▲1.8
 製造業 -79.6 前月比▲2.5
 非製造業 -75.5

為替の動きも、暴力的です。ますます混乱を深める世界経済。私たちはなすがままに漂流するしかないのでしょうか?引き続き考えたいと思います。

(引用開始)

景気、初の「急速に悪化」 1月の月例経済報告

政府は20日、1月の月例経済報告で景気の基調判断を「急速に悪化している」とし、前月の「悪化している」から下方修正した。生産と輸出が過去最大の落ち込みを記録するなど、加速度的に悪化している景気の現状を反映。1975年以降で初めて「急速」という表現を使った。個人消費についても7年ぶりに「弱含み」と判断し、景気後退の影響が企業から家計に及ぶ現状に懸念を示した。
与謝野馨経済財政担当相は関係閣僚会議後に記者会見し、「あらゆる指標は悪い方向に向いている。世界経済も日本経済も数カ月で好転することはありえない」と景気の足取りについて厳しい見方を表明。異例の速さで悪化する企業と、弱まる家計の動きへの警戒感とともに、年明け以降の落ち込みに懸念を示した。

(引用終了)

貿易関連のニュースです。

(引用開始)

http://www.asahi.com/business/update/0122/TKY200901220070.html

08年貿易黒字、8割減の2兆円 82年来の低水準
2009年1月22日10時28分

財務省が22日発表した08年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字は、前年比80%減の2兆1575億円にとどまり、82年以来の低水準だった。年央まで原油高で輸入額がふくらみ、世界同時不況に入った年後半は輸出が急減した。
輸出は同3.4%減の81兆492億円、輸入は同7.9%増の78兆8917億円。年の前半の資源高を受け、輸入額は過去最大、輸出額も過去2番目の水準。だが、年の後半にかけて輸出の減速が鮮明になり、下半期(7~12月)では7772億円の貿易赤字になった。半期での赤字は80年上半期以来。
08年12月の輸出は、前年同月比35%減の4兆8333億円だった。過去最大の下げ幅で、米国、欧州、アジア向けの減少率が、いずれも35%を超えた。ロシアや中東向けも下落幅が拡大した。
特に自動車の落ち込みが激しく、米国向けが同52.6%減、欧州連合(EU)向けが63.4%減。アジア向けを中心に、半導体などの電子部品も42.9%減るなど、国内メーカーの業績不振を裏付けた。
輸入も同21.5%減の5兆1539億円にとどまった。原油価格の急落で、原油が51.9%も減ったほか、プラチナやアルミニウムなど、自動車生産に使われる非鉄金属も47.1%減った。



12月貿易統計は3カ月連続赤字、過去最大の輸出減=財務省
2009年 01月 22日 11:22 JST

[東京 22日 ロイター] 
財務省が22日に発表した2008年12月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は3207億円の赤字となった。赤字は3カ月連続。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は2780億円の赤字だった。赤字となったのは、輸出が前年比マイナス35.0%と、輸入の同マイナス21.5%を大きく上回る減少幅となったため。輸出の減少幅は過去最大。

<赤字は、第2次石油ショック以来の長期に>
財務省は今回の数字を受けて「米国の金融危機に端を発した世界的な経済危機を反映している」と指摘した。赤字の3カ月連続は、第2次石油ショックに見舞われた1979年7月─80年8月(14カ月連続)以来の長期となる。
輸出下落に寄与したのは、自動車、半導体等電子部品、自動車の部分品など。輸入押し下げには、原粗油、石油製品、非鉄金属などが寄与した。輸入原油価格は55.1バレル/ドルとなり、前年比マイナス39.2%と大幅に低下した。
輸出は、対米、対EU、対アジアの3主要地域で、1980年以降公表された比較可能な統計で過去最大の減少率を記録した。

<08年黒字額は1982年以来の低水準に>
同時に発表された2008年の黒字額は前年比80.0%減の2兆1575億円となった。輸出がマイナス3.4%と、ITバブル崩壊や米国同時多発テロのあった01年(マイナス5.2%)以来の低下にとなったことが影響した。黒字減少は2年ぶりで、黒字額の水準としては、第2次石油ショックの後遺症がみられた1982年(1兆7762億円)以来の低いものとなった。
また最近の円高の影響について財務省では「わが国の貿易取引では輸出の6割、輸入の8割が外貨建てになっている。従って単純に言えば外貨建て取引の円換算において円高によって輸出入額が縮小する」と指摘した。

<下げ止まりの兆し見られず、負の連鎖広がる懸念も>
今回の数字を受けて民間エコノミストからは慎重な見方が多く聞かれた。農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏は「米サブプライム問題に端を発した金融問題が、世界規模での金融危機につながり、リスクマネーが一気に回収される事態を招いている。順調に拡大していたかに見えた世界経済は、縮小均衡に急速に向かっている状況といえるだろう」と分析、「先行き製造業、特に生産波及効果の大きい自動車製造業から非製造業へ負の連鎖が広がっていく可能性は否定できない」とした。
みずほ総合研究所シニアエコノミストの山本康雄氏は「輸出に下げ止まりの兆しが見られない。1─3月期も11─12月期と同様のペースで減少が続くのではないか。減少幅が縮小するのは4─6月期とみる」との見通しを示した。マネックス証券チーフエコノミストの村上尚己氏は「輸出との連動性が高い12月分の鉱工業生産も、事前の生産計画(前月比8%減)以上の落ち込みとなる可能性がでてきた。12月の輸出入金額の数字を踏まえ、10─12月GDP成長率は年率換算で10%もの記録的な縮小となる見通し」と予想した。
(ロイター日本語ニュース 武田晃子、児玉成夫)

貿易統計:12月輸出額35%減、過去最大の落ち込み

財務省が22日発表した08年12月の貿易統計速報によると、世界的な景気悪化を受けて輸出額は前年同月比35.0%減の4兆8333億円となった。減少率は11月(26.7%減)を大幅に上回り、79年1月の統計開始以降の過去最大を2カ月連続で更新。輸出の落ち込みがさらに加速し、外需頼みの日本経済の苦境が一層鮮明になった。また、08年下半期(7~12月)の貿易収支(輸出額と輸入額の差)は、半期ベースでは80年上半期以来28年半ぶりの赤字に転じた。
輸出の減少は3カ月連続。自動車輸出が対米で半減、対欧も6割減となったことが響いた。地域別では対米が36.9%減、対欧が41.8%減、対アジアも36.4%減となり、すべての主要輸出先に対して過去最大の減少率を記録した。
輸入は原油輸入価格の下落で21.5%減の5兆1539億円と2カ月連続の減少。輸出減が輸入減を上回ったため、貿易収支は3207億円の赤字となった。3カ月連続の貿易赤字は、石油危機の影響を受けた79年7月から80年8月の14カ月連続以来。地域別では対米黒字が半減したほか、対欧、対アジアはそれぞれ7割超、9割超の減少と過去最大の減少率となった。
08年通年では、輸出が3.4%減の81兆492億円と7年ぶりに減少した。輸入は年後半まで原油価格が高止まりしたため、7.9%増の78兆8917億円と過去最高を更新。貿易黒字は過去最大の減少率となる80.0%減となり、黒字額も2兆1575億円と82年以来の低水準だった。半期ベースでは上半期(1~6月)が2兆9347億円の黒字だったが、08年10月以降の輸出急減で、下半期は7772億円の赤字になった。【清水憲司】

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-23 23:00 | 経済状況

売れないマンション 貸せない銀行 デフォルト率3% さらに下落する不動産価格

マンションなど不動産購入のためのローン(融資)が通らない、という声をよく聞きます。それは当然だと思います。なぜなら

・銀行の自己資本の毀損、引当金確保のための貸し渋り
・マンションは、販売後に中古品となり大きく処分価値が下がってしまうため、担保価値が低く、加えて不動産価格も下がりつつある中で、大きな与信はできない
・上場企業であっても容易に倒産してしまうため、サラリーマンへの与信には慎重にならざるを得ない

「何もわからない個人に貸し付けまくって、消費を喚起する構造」は、終わったのです。

さて、世界中で、債務不履行が増えています。

ムーディーズによると、「09年末の世界ジャンク債デフォルト率、15.1%に急上昇へ」として、2009年末までの世界のジャンク債のデフォルト率が15.1%となり、前年末時点の4%から急上昇するとのことです。大恐慌時の数値(1933年6月の15.9%)に迫る数値のため、文字通り、現在の経済環境は恐慌レベルなのだと思います。
・欧州ジャンク債デフォルト率 08年末2% 09年末18.3%
・米国ジャンク債デフォルト率 08年末4.4% 09年末15.3%

日本ですと、「債務不履行が最悪3・1% 昨年10月、20カ月連続で上昇」として、金融機関の取引先企業のうち、過去1年間に3カ月以上返済が延滞したり、破綻(はたん)懸念先以下となった件数の割合が3.1%となり、20カ月連続で上昇、過去最高を更新したとのことです。その分、引当金を積む必要がありますので、自己資本が毀損し、「体力のない企業には貸したくない。回収したい。」というインセンティブが働くのでしょう。

自己資本8%(レバレッジ12倍)の銀行で、デフォルト率3%(金額ベースは不明ですが、デフォルト企業には中小企業が多いことを考慮して、仮に0.3%とします)のための引当金(100%)を積むとすると、自己資本を維持するためには、3.6%もの貸し剥がしをする必要があります。これが大企業に及んで、デフォルトが金額ベースで1%になれば、12%もの返済強要となり、とうてい返済できるものではありません。

関東圏、関西圏のマンション完成在庫も、一向に減りません。「今はまだ買いたくないし、そもそも買えない」のでしょう。不動産については、一昨年(2007)の秋にはすでに凋落の兆しが見えていましたが、まだまだこれから冬の時代になるのだと思います。

(引用開始)

近畿の08年マンション発売、24%減…ピークから半減

不動産経済研究所が20日発表した近畿2府4県の2008年の新築マンション発売戸数は、前年比24・7%減の2万2744戸だった。バブル崩壊後の1993年(2万772戸)以来、15年ぶりの低水準で、ピークだった96年(4万4430戸)のほぼ半分に落ち込んだ。売れ行きを示す契約率も60・4%と、好不調の目安とされる70%を2年連続で下回った。91年の55・1%以来、17年ぶりの低さで、マンション市況の冷え込みを鮮明にした。
首都圏でも、発売戸数は前年比約28%減の4万3733戸と大幅に落ち込んだ。5万戸を割り込んだのは93年(4万4270戸)以来、15年ぶりだ。
同研究所は、昨年半ばまでの資材価格高騰などで建築費が上昇したところに、景気の急速な悪化が追い打ちをかけ、買い控えが広がっていると分析している。
発売戸数の減少を上回るペースで売れ行きが鈍り、マンションの在庫は膨れ上がっている。近畿2府4県の08年末の在庫は07年末と比べ10%増え、6344戸だった。02年末(7168戸)以来の高水準だ。
在庫を減らすために、大幅な価格の引き下げを行う分譲会社もある。兵庫県芦屋市では、当初7630万円の価格を2200万円値引きして売るケースもあった。業者は「年度末に向けて、たたき売りの状態になっている」と嘆く。
値引き競争が広がれば、経営体力の弱い分譲会社は苦しい。帝国データバンクによると、08年に経営破綻(はたん)した分譲会社は、全国で前年より40社増えて53社で、近畿も5社多い7社だった。経営に行き詰まる業者は今後、さらに増えるとみている。

(2009年1月21日 読売新聞)

---

首都圏マンション発売15年ぶり5万戸割れ、契約率62.7%
2009/01/21

不動産経済研究所が20日発表した2008年の「首都圏マンション市場動向」によると、新築マンション発売戸数は前年比28.3%減の4万3,733戸となり、1993年以来15年ぶりに5万戸を割り込んだ。減少幅は1991年のバブル崩壊時(34.5%)以来の大きさ。
エリア別では、東京都区部が5.8%減と比較的小さな減少幅にとどまったほかは、いずれも30%以上減少。特に東京都下と千葉県はそれぞれ43.6%減、44%減で4割強の落ち込みとなった。
一戸当たりの平均価格は前年より2.8%高い4,775万円で、6年連続の上昇。しかし、エリア別でみると、東京都下が9.5%値上がりのみで、ほかのエリアは0.6~3.1%の値下がりとなった。もっとも平均価格が高かったのは東京都区部の5,932万円、逆に低かったのは千葉県で3,589万円。
売れ行きを示す契約率は2007年(69.7%)をさらに7.0%下回る62.7%で好不調の目安とされる70%を割り込んだ。12月末現在の在庫数は1万2,427戸で、2007年末に比べて1,664戸増加した。
なお、いわゆる「億ション」の発売戸数は前年比5.7%減の1,268戸。過去最多だった1990年(3,079戸)の半分以下にとどまった。最高価格は港区のマンションで13億9,500万円。
2009年の首都圏のマンション販売戸数については前年比7.5%増の4万7,000戸と予想。昨年12月発表の「首都圏マンション市場予測」(同研究所)によると、市場回復は低価格物件の導入が急がれる郊外部からで、用地費や建設コストが落ち着いた「新価格」物件が秋口以降に出てくると予測。超高層、超大型物件は依然人気を集めるものの、リスクを回避し中小の物件が主力となるとしている。

---

08年のマンション発売戸数、28%減 ピーク時の00年の半分以下

不動産経済研究所(東京・新宿)が20日発表した2008年の首都圏のマンション発売戸数は07年に比べて28.3%減の4万3733戸となり、ピークだった2000年(9万5635戸)の半分以下の水準に落ち込んだ。過去の地価上昇に伴う販売価格の上昇で購入を控える顧客が増えたうえ、景気後退で消費者心理が冷え込んだことから発売戸数が大幅に減少した。金融機関が開発業者への融資姿勢を厳しくしていることも影響しているもようだ。
発売した最初の月に契約を結んだ初月契約率は、08年は月間平均で62.7%となり前年を7.0ポイント下回った。販売の好不調の目安となる70%も大きく下回った。
同時に発表した08年12月の発売戸数は前年同月比18.2%減の6696戸となり、16カ月連続の前年割れとなった。契約率は61.9%だった。みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「昨年9月の『リーマン・ショック』以降、金融機関が融資にかなり慎重になっている。金融市場の混乱が収まり、不動産市況が回復するまであと2年はかかるだろう」とみている。

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-21 21:27 | 経済状況

金持ちじいさんの知恵(2) 人さんのために

「ええか。商売は、欲張りすぎたら、あかん。人さんのために、せなあかんのや。」

金持ちじいさんは、言っていました。折に触れて語ってくれた言葉を、「金持ちじいさんの6つの知恵」として取りまとめ中ですが、その最初に来るのが、「人さんのために」ということです。

今風に言えば、顧客、出資者、取引先、従業員、その他利害関係者、それに社会環境を含めた、ステークホルダーを考慮する、ということになるでしょうか。もちろん、その言葉を聞いたときには、そんなことまで分かるはずもありません。

そして、昨年の、肥大しすぎた金融原理主義が、巨人兵(古いですね)のように腐り落ちていくさまを見るにつけ、金持ちじいさんの言葉が頭をよぎりました。

「市場の全員が、ずっと、儲け続けることは、できひん(できない)ことや。ええ時もあれば、あかん時もある。来年がどうなるかは、神さんしかわからへん。でもな、ぼん。ご縁ある人さんの幸せを考えることは、いつでも、せなあかん(しなければならない)ことや。」

バブルのさなかには、その崩壊を感じていたようです。もし昨年も存命であれば、どのように言われただろうかと思います。

「ええか。こないなことは、いつまでも続くわけない。行き過ぎたもんは、揺り戻す。そやから、いつも中道を歩く事が肝心や。こういう、熱狂いうんわな、何十年かに一度は来る。そのときに、自分がお天道様から授かった役割を見失わんことやな。」

---

「人さんのためにすることは、なんぼかやり方がある。一番簡単なんは、ものをあげることや。困っている時にはええけど、長続きせん(しない)。次にええ(良い)のんは、自分の時間をつこうて、人のために働くことや。いちばんええのんが、その人におうた(合った)、生きるための知恵を授けることや。そやけど、そうなるまでには、長い時間がかかる。」

私が、それなりの時間を使って、経済と財政の問題についてブログを書いているのは、読者様の生きる知恵の一助になればという、つたない願いでもあります。
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-19 09:34 | 大阪商人の知恵

日本はアメリカ国債の放棄を 債券のデフォルトか紙クズか 戦争の足音

これまでに、重すぎる債務の一般的な行く末や、日本の保有するアメリカ国債の未来について、次のように述べてきました。

アメリカ民主党と共和党 日本経済クラッシュによる米国債の棒引き 「二つのアメリカの世界戦略/深田匠」

アメリカが負う世界一の対外債務を消滅させたいというインセンティブは、概念上は、民主党のみならず共和党にも働く。したがって、経済戦争の一環として、日本経済クラッシュを仕掛ける可能性は、概念上は、民主党のみならず共和党にもありうる。

国際貸付ではなく国際投資を 経済状況の発展段階説(2)

「日本は、海外・外国政府に対するODA・貸付では、貸した金の返済を待つことしか出来ないという意味で本質的には弱者である」と思います。また、重債務国は、金利の返済に耐えかね、債務の棒引きを求めます。

世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)

時価会計の無視、空売りの禁止、モラールの無い資金投入など、『ルールを完全に無視して、急場しのぎの対策に追われる米国が、今後対外的にも何をするかわからない』のでしょう。「対外的にも何をするかわからない」というのは、自国の権益を守るためには、何でもするであろう、という意味だと思います。ということは、この後に待っているのは、

・アメリカ債券とドル紙幣の押し売り
海外投資家のマネーの棒引き
・ドルの減価による、不景気なのにモノが高いというスタグフレーション
・強権的ルールによる世界統制経済
借用証書を焼き払うための政治的暴力

のいずれかでしょうか。何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。

FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

ではどうするか?たとえば、次のような方法があるでしょう。

・国際協調と称して、日本円を増発
・FRBに差し入れて、ドルと交換
・そのドルを市場に流さず、そのままアメリカ国債を購入
・買ったアメリカ国債は、アメリカ財務省で塩漬けにする
・ある時点で、為替レートと金利上昇による強制調整により、実質の借金を棒引き

このケースにおいては、日本の納税者が、「国際協調のため」として、アメリカの損失をかぶることになります。先ほどの急激な円高では、「債権国である日本に、資金が逃避した」とされています。このため、外貨建ての債券の価値は急落しました。加えて、この債権者(注:日本)は、アメリカ債券を思う通りに売ることができない、「債務を返してください」とお願いするしかない、弱い存在でもあるのです。何度も書いていますが、日本からカネを搾り取るための、国際協調がありうるのだ、と指摘します。

国の借金843兆円

巨額すぎる借金は、いろいろな方法で棒引きされてきたのが、歴史の常です。

---

格付け会社の三國陽夫は、

・日本は、アメリカに対する債権(アメリカ国債)を放棄すべき。
・米国債の発行残高は今後も増える。米国は債務国なので、低金利では資金調達が難しい。不況下の金利上昇に見舞われかねない
・日本の債権放棄で米国債の残高が減れば、米国は金融機関の救済や景気テコ入れに心置きなく財政出動し、長期的な経済再建に必要な生産設備も十分に輸入できる
・日本の債権放棄は、米国のみならず、日本にも世界にも有益だ
・日本政府が債権放棄に踏み切れない場合、為替市場がドル安によって、米国債の評価を引き下げる。1ドル=50円-60円まで円高・ドル安が進む。残された時間はあと3カ月から5カ月。95年4月の戦後最高値(79円75銭)に並ぶ。

として、日本が債権放棄するか、円高・ドル安による強制調整か、いずれにしてもアメリカ国債の価値を保全することは不可能と指摘しています。

この人は、アメリカの意向を受けているのだと思います。アメリカそのものが「カネは返せない」と言うのではなく、他国(日本)の代理人(エージェント)に「私たちのためにもなるのだから」と言わせるところがアメリカ流なのでしょう。

最近のCMで言えば、「あなたのためだから」「あなたのためだから」「はぁ?」という感じです。

ですが、発言の内容そのものは大きくは間違ってはいないのが、残念なところです。

---

関連した過去の記事を再構成して、まとめとしたいと思います。

アメリカは、1970年代に、金利上昇とそれを上回るインフレにより、国債投資家に大損をさせたという前科があります。アメリカは実質破綻寸前であり、国債の減価によりかろうじて乗り切った、ということだったのかも知れません。何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。

そして、歴史は繰り返すというのも、ご存知のことと思います。

何度も書いていますが、アメリカ国債が売れなくなる日は、そこまで来ています。そして、物価(インフレ)、金利、為替、のいずれか、あるいは全部、によって、「ドルの減価」がありうるのだと思います。

このブログでは、開始後まもなくから、アメリカとドルの信認は安泰ではない、円とドルは一蓮托生だ、と訴え続けてきました。その当時は、「ドルは強い。そんな心配よりも、日本(円)の心配をするべき」などと言われてきましたが、今となっては、どちらが正しかったなどは、どうでもいいように思えます。なぜならば、ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになるからです。

(日本は、)アメリカの延命のために、これまではアメリカ国債を多量に買ってきました。これからは、アメリカの軍事産業を潤し、インフレを起こし、その赤字を減らすために、つまり、やはりアメリカの延命のために、日本は血を流せと言われているのです。

すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

(引用開始)

日本政府は米国債の放棄を、無策なら1ドル=50円も-三國陽夫氏

12月24日(ブルームバーグ):日本政府は外貨準備で保有している米国債の一部を放棄し、米国経済の再建を支援すべきだ-。格付け会社、三國事務所の三國陽夫代表は18日のインタビューで、日本が来年春頃までに思い切った債権放棄に踏み切らない場合、1ドル=50円程度まで円高・ドル安が進みかねないとの見解を示した。
三國氏(69)は、「世界の歴史に照らせば、2国間に発生した巨額の債権・債務は決済されない」と述べた。債務国が消費抑制と輸出振興で返済の元手を稼ごうとすると、債権国は輸出が減って稼働率が低下するため、両国とも持続可能性が危ぶまれるほど景気が悪化する恐れがあると解説。「両国にとって、決済するメリットはない。日本は結局、債権放棄するしかない」と語った。
世界的な金融危機を背景に、米国内総生産(GDP)の実質成長率は7-9月期に前期比年率0.5%減少した。世界経済をけん引してきた個人消費は 3.8%減と、1980年以来の大幅な減少。日本の対米輸出は11月まで、15カ月連続で前年実績を下回った。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、米実質成長率は10-12月期には4.35%減に悪化。2009年4-6月期まで、マイナス成長が続く見通しだ。
三國氏は、住宅市場を中心とした米国の経済成長メカニズムが、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を発する金融危機で「焼け落ちてしまった」と話した。米家計が抱える住宅ローン残高の過剰分が「3兆ドル、GDP対比で約22%」あり、「5-6年で解消するとしても、名目GDPを3-4ポイント押し下げる」と推計。「金利が下がっても、元本返済の重圧がのしかかる」ため、米経済が「急回復することはない」と予想した。
住宅価格の上昇を背景とした「消費主導型の経済成長ができなくなった米国は、生産・輸出を増やして企業収益を稼ぎ、雇用・所得・消費増につなげる新しいメカニズムを築く必要がある」が、「米国には生産設備が不足しているため、日本や欧州から購入しなくてはならない」と指摘する。

米国債増発、金利上昇も

しかも、米財政赤字は急拡大している。米財務省が15日発表した年次報告書によると、ブッシュ米政権による金融業界支援や景気対策の結果、07年10月-08年9月の歳出は歳入を1兆100億ドル上回った。前年は2760億ドル。財政赤字は「当面、高水準にとどまる公算が大きい」という。オバマ次期米大統領は2年間で300万人の雇用を創出する方針。来年、8500億ドル規模の景気刺激策を議会に提案する可能性がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、政策金利を0%-0.25%に引き下げるとともに、「異例な」低金利を「一定期間」続ける方針を示唆。長期国債の買い入れ検討も明らかにした。米10年物国債利回りは19日に一時、53年以降で最低の2.0352%を記録。米財務省短期証券(Tビル)3カ月物の利回りはマイナス0.05%に低下。2年債利回りは17日、データ集計開始以来で最低の 0.6044%をつけた。
しかし、三國氏は「米国債の発行残高は今後も増える。米国は債務国なので、低金利では資金調達が難しい。不況下の金利上昇に見舞われかねない」と予想。日本の債権放棄で米国債の残高が減れば、米国は「金融機関の救済や景気テコ入れに心置きなく財政出動し、長期的な経済再建に必要な生産設備も十分に輸入できる」とし、「米国のみならず、日本にも世界にも有益だ」と語った。

対外債権、630兆円

対米債権の放棄では、「世界最大の債権国である日本が先鞭をつけ、多国間協議への道をひらくべきだ」と、三國氏は話す。日本の外貨準備高は約1兆ドルと、首位の中国(約1兆9000億ドル)を下回る。ただ、民間部門の対外資産が多いため、官民合わせた対外債権は、中国より「はるかに多い」約630兆円に及ぶと推計。政府が保有する米国債の一部放棄は可能だと主張した。
三國氏は、経済情勢が混乱した時の債権放棄は「歴史上、巨大な債権国の宿命でもある」と指摘した。第2次大戦後には米国が、戦禍に見舞われた西欧の復興をマーシャル・プランで支援し、債務免除と生産設備の供与を実施。日本の再建にも取り組んだ。英国が19世紀のナポレオン戦争後、欧州を安定させるため、巨額の債権放棄を受け入れた例も挙げた。

タイムリミット

日本政府が債権放棄に踏み切れない場合、三國氏は「為替市場がドル安によって、米国債の評価を引き下げる」と読む。政策対応がなければ、「1ドル=50円-60円まで円高・ドル安が進む」と試算。残された時間は「あと3カ月から5カ月。95年4月に記録した戦後最高値(79円75銭)に並ぶまで」と予想した。債権放棄は「ドラスティックな政策だが、受け入れざるを得ない」と語った。
円の対ドル相場は17日に一時1ドル=87円14銭と、95年7月以来の高値をつけた。年初来の上昇率は約20%と、87年以来21年ぶりの大きさだ。日本銀行は19日、10月末に続く利下げと長期国債の買い切り増額、企業の資金繰りを支援するコマーシャルペーパー(CP)買い切りを決め、他のリスク資産の買い入れも検討すると発表した。
三國氏は「強い円は、緩やかに進むなら経済にプラスだ。日本は円高の経済学を理解する必要がある」と述べた。「明治時代から外需に依存。円高を恐れ、稼いだ外貨を国内に戻さないから内需が伸びず、成長を実感できない」と指摘。今後は「稼いだ外貨は円に換え、国内で投資・消費に使って内需を盛り上げる。円高で輸入コストを下げ、購買力を高めるべきだ」と主張した。
輸出品目は「技術面などで差別化でき、価格設定力のある分野に絞る必要がある」が、日本人が持つ「繊細さや簡潔性に基づく製品は競争優位を保てる」と指摘。日本経済は「円高を克服して成長できる力強い段階に入っている」との見方を示した。
三國氏は1939年生まれ。63年に東京大学を卒業し、野村証券に入社。69 年には日本人で初めて、CFA協会認定の証券アナリストとなった。75年に退社。社債などの格付けを主業務とする三國事務所を設立し、代表取締役に就任した。2002年4月から04年3月まで、経済同友会の副代表幹事をつとめた。

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-15 10:29 | 経済状況

経常黒字減少 貿易収支赤字続き 海外への資金流出21兆円 経済状況の発展段階説

経常黒字が減少し続けていますが、11月度は急減と言って良い状況です。また、貿易収支も赤字続きとなっています。

経常収支 +5812億円 (前年同月 1兆7057億円)(前年同月比 ▲1兆1245億円)
貿易・サービス収支 ▲1842億円 (前年同月 7935億円)
 貿易収支 ▲934億円 (前年同月 9076億円)
  輸出 5兆0623億円 (前年同月比 ▲1兆8218億円)
  輸入 5兆1557億円
 サービス収支 ▲908億円 (前年同月 ▲1141億円)
所得収支 +8447億円

単月度の数字ですが、これまでも述べていますように、『単月度の赤字であれば、別に気にする必要はありません。しかし、これから当分の間、「日本が貿易赤字国」という傾向が続くとするならば、多方面にいろいろな影響が出てくることと思います』(「日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り」)。

また、『このブログでは、ドル基軸通貨の維持可能性と、アメリカ覇権システムの安定性について、重大な疑問を投げかけています。ですが、「アメリカより日本が良い」ということにはならず、『アメリカとその国際政治経済システムのために、日本は犠牲にされる可能性がある』とも、述べてきました。たとえば、日本の貿易収支赤字転落があるでしょう』(「世界の財政出動 アメリカの膨大な赤字 日本の行く末」)とも述べてきました。

2008年は、「株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出」が、21兆円となり、日本の資本市場からマネーが逃避したボリュームが過去最大の規模になっています。外国人が日本株・債券を売却したのが主因とされています。

今後、日本も成熟債権国となっていくにあたり、日本からみたマネーの大きな流れが変わる、大きな節目にきているのだと思います。当然、株式や為替の水準も、変わっていくでしょう。このあたりは、「経済状況の発展段階説」に関連した過去の記事を参照ください。

関連した過去の記事のリンクを掲載します。

「債務残高なんて問題にならない? 経済状況の発展段階説(4)」

「経済状況の発展段階説(1) ヘゲモニーサイクル 永遠に成長できる国はない 国際分散投資が必要な理由」

「日本がアメリカ国債を買っている理由 日本人に必要な資産運用の知見とは? 経済状況の発展段階説(5)」

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

(引用開始)

11月の経常黒字65.9%減 輸出、最大の減少幅

財務省が13日発表した昨年11月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資などの総合的な取引状況を示す経常収支の黒字は5812億円となった。経常黒字は前年同月比65.9%減少し、昨年6月以来、5カ月ぶりの大きな落ち込みとなった。経常黒字の縮小は9カ月連続。世界的な金融危機と景気低迷を背景に、輸出が過去最大の減少幅を記録したのが響いた。
経常黒字の減少幅は11月としては1990年以来の大きさ。減少幅が1兆円を超えたのは、昨年8月から4カ月連続となった。(11:43)

日本経済新聞

---

11月経常黒字は前年比‐65.9%、9カ月連続の減少
2009年 01月 13日 11:10 JST

[東京 13日 ロイター] 財務省が13日発表した国際収支状況速報によると、11月経常黒字は前年比65.9%減少の5812億円となり、9カ月連続の減少となった。
貿易収支が赤字に転じたことが影響した。ロイターが民間調査機関に行った事前調査では、経常黒字の予測中央値は前年比61.9%減少の6503億円だった。
11月の経常黒字額は、前年と比べ1兆1245億円減少した。1兆円を超す減少幅を記録するのは2008年8月以降4カ月連続となる。
貿易・サービス収支は1842億円の赤字(前年同月は7935億円の黒字)となった。赤字は2カ月連続。
このうち、貿易収支は934億円の赤字と、前年同月(9076億円の黒字)から赤字に転じた。輸出が前年比26.5%減と比較可能な統計が公表された1985年以降最大の減少率となり、輸入の減少率(同13.7%減)を大きく上回ったことが要因。
サービス収支は908億円の赤字(前年同月は1141億円の赤字)となった。 
所得収支の黒字額は8447億円となり、前年比15.5%減少した。円高や金利の低下で債券受け取り利子などが減少したことが響いた。

ロイター日本語ニュース

---

11月の輸出、26.5%減 過去最大の減少幅
2009年1月13日10時35分

海外とのモノやサービス、投資の取引を示す経常収支の08年11月の黒字額は、前年同月より65.9%少ない5812億円で、9カ月続けて前年割れとなった。輸出は世界的な景気悪化で自動車や電子部品などが落ち込み、同26.5%減と過去最大の減少となった。財務省が13日、11月の国際収支速報を発表した。
輸出は前年同月より1兆8218億円少ない5兆623億円で、2カ月連続の前年割れ。輸入も、原油価格の下落と大幅な円高が重なり、13.7%減の5兆1557億円と14カ月ぶりに前年を下回った。輸出から輸入を引いた貿易収支は934億円の赤字で、3カ月ぶりに赤字に転じた。
海外投資の収益状況を示す所得収支は、15.5%減の8447億円の黒字。金利低下と円高の影響で、海外から受け取る債券利子などが目減りした。

朝日新聞

(引用終了)

日本からマネーが流出しているという元記事を引用します。

(引用開始)

08年対内・対外投資、有価証券21兆円売り越し 日本からマネー流出

財務省が13日発表した2008年暦年の対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出が21兆円に達した。現行基準の統計が始まった05年以降では初めての資金流出に転じた。外国人が日本株・債券を売却したのが主因。世界的な金融危機や景気低迷を背景に、日本の資本市場からマネーが逃避したことを裏付けた。
旧基準の統計までさかのぼると、資金流出は04年以来。ただ「08年の資金流出は過去最大の規模とみられる」と財務省は説明している。(11:27)

日本経済新聞

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-13 23:01 | 経済状況

新年のご挨拶 金持ちじいさんの未来予知 感覚的なリスク察知 大前研一と林輝太郎

読者の皆様

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は、危機を察知していち早く逃げ出した方が、文字通り一命を取り留める思いをされた一年だったと思います。日本人的な投資手法(最後に来るカモネギ)は、このブームとバーストには動きが遅かったために、世界的に見れば日本はそれほどのダメージを受けていないとされます。ですが、いくつもの大学や会社が、よくわからない外資系金融商品で大損を出していることもご存知と思います。

(もしサブプライムショックとリーマンショックが1~2年ずつ先延ばしされていたら、日本の機関投資家にさらなる多量のCDOや仕組み債券が売りつけられ、日本も一撃で撃沈していたかもしれません。)

以下の話は、一部の方にはオカルトとして受け止められるかもしれません。しかし、大事なことなので、誤解を恐れずに書きたいと思います。

世の中には、少数だと思いますが、直感的に未来予知ができる方が存在します。「金持ちじいさん」もそうでした。私が小さいころには、よく法人の執務室に出入りして遊んでいたものですし、経営と投資に関するいろいろな面白い話も聞かせてもらえたものですが、残念ながらすでに亡くなっています。

現在、金持ちじいさんの親類の方が理事長をされていますが、私とは直接の血縁ではないこともあり、以前のように執務室に出入りすることはありません。この方も、直感的な未来予知ができる方のようです。一昨年(2007)の春には、良くない予感がするとして、法人の所有する金融資産(株式など)の見直しをされました。昨年(2008)の春にも、まだ胸騒ぎがするとして、あらかたの金融資産の処分をされたと聞いています。今年の景気についてのコメントは、最後に記述します。

「占い師か何かかよ。神頼みで投資が出来れば苦労しないぞ。」と思われるかもしれません。しかし、経済学の本質は、合理的な未来予測にあると理解しています。その予測があまりにも当たらないことは、すでにご存知と思います。

(もし、お手持ちに1年前の雑誌の新春号があれば、エコノミストや経済学者の「2008年の景気予想」を見直してみると、面白いと思います)

たとえばの話ですが、ネズミは、火事になる船から事前に逃げ出すと言います。小さくて体力のない(=リスク許容度が低い)ネズミは、臆病(=リスク感受性が高い)で謙虚(=成功しても、リスク判断ルールがぶれない)なので、そういったところを表現した「お話」なのかも知れません。ですが、野生動物には地震・噴火などの自然災害のリスクを察知する能力がありますので、火事とネズミの話が本当であったとしても、妙に納得すると思います。

脳科学の知見からは、投資リスクの検知は、実験的に、まず無意識(皮膚の電気抵抗などの変化)にあらわれ、その後に意識化(たとえば「ヤバイから逃げよう」)されることが分かっています。「何かおかしい」という直感があって、その後にそれを裏付ける検証作業があるのだと思います。
データを解析すれば自動的に「逃げよう」という計算が出来るわけではないのです。それは、IT(コンピューター)を駆使した現代金融工学そのものが世界金融危機を生み出し、しかもその予測ができずに数多(あまた)のファンドが死屍累々となったことからも、明らかです。

直感的な判断の例としては、過去の記事「バブル崩壊を見破った男たち(1)大前研一」、また、林輝太郎がバブル崩壊前後に新日鉄(だったと思います)の空売り(ショートセル)を始め、どんどん売り増していったなどという記述を参照していただければ、理解していただけることと思います。
そもそも、場帳(何らかの相場の値動きを日々記録するノート)形式の投資判断は、「値動きを肌で感じる」感覚的なものですので、普通のテクニカル投資に比べれば、ずいぶん直感的な手法だと思います。

---

最後になりましたが、今年の景気についてのコメントを記します。

「この不況不景気が、簡単に良くなると思ってはならない。数年は厳しいと覚悟するべきだ。」
[PR]
by kanconsulting | 2009-01-07 18:46 | 経済状況