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楽しい酒祭り (原題 うれしいひな祭り)

暗い話題が多いですが、そろそろ3月ですので、タイムリーな替え歌を作ってみました。

「楽しい酒祭り」 
作詞 kanconsulting (国家破綻研究ブログ管理人)

あかりをつけましょ ドル札(どるさつ)
お金をあげましょ 10兆円(10ちょうえん)
IMF(あいえむえふ)の 笛太鼓(ふえたいこ)
きょうはたのしい G7(じーせぶん)

中川(なかがわ)さんと 白川(しらかわ)さん
日銀(にちぎん)さんは すまし顔(がお)
前代未聞(ぜんだいみもん)の 不祥事(ふしょうじ)に
カメラの向こうは あきれ顔(がお)

金融危機(きんゆうきき)の 結束(けっそく)を
左右(さゆう)にゆする Sake problem(さけもんだい)
かなり葡萄酒(ワイン)を めされたか
あかいお顔の 財務大臣(ざいむだいじん)


スーツをきかえて 帯(ねくたい)しめて
G7(じーせぶん)後の はれ姿(すがた)
風邪薬(かぜぐすり)か 言い訳(いいわけ)か
ハメられたのか 酒祭り(さけまつり)


※転載を歓迎しますが、この記事へのリンクとともにお願いします。

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原曲 「うれしいひな祭り」
サトウハチロー作詞・河村光陽作曲

あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓(ふえたいこ)
今日はたのしい ひな祭り

お内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔(がお)
お嫁(よめ)にいらした 姉(ねえ)様に
よく似(に)た官女(かんじょ)の 白い顔

金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒(しろざけ) めされたか
あかいお顔の 右大臣(うだいじん)

着物をきかえて 帯(おび)しめて
今日はわたしも はれ姿(すがた)
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひな祭り
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by kanconsulting | 2009-02-23 18:21 | 経済状況

為替 世界中が低金利通貨 円キャリートレードはすでに死語 ヨーロッパでの円建てローン

「超低金利を続けてきた円は、資金調達のオモチャだった。米国がゼロ金利政策を採用した時点で、円は不要になった」(外銀の資金担当者)
「円キャリートレードは、既に死語」(ファンド・マネージャー)
「円キャリートレードは、金融史上最大の賭けだったにもかかわらず、あまりにも多くの投資家があまりにも長い期間に渡って、リスク・フリーの儲け機会だと信じ込んでいた」(ブラック・スワン・キャピタル代表 ジャック・クルーク氏)


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このブログでは以前から、日本(円)の量的緩和が、世界の過剰流動性をもたらした一因だと指摘してきました。信用収縮による「過剰流動性の終焉」は、「為替差益と金利差(スワップ)との両得を得られるおいしい投資手法」である、「低金利通貨-高金利通貨のキャリートレード」を終わらせ、その逆流(アンワインド)により大きな歪(の解消)をもたらしました。

(量的緩和そのものが、「二階から目薬」的な性格があり、ダブダブに流し込んだマネーは、本当に必要とされるところ「のみ」には届かず、利にさとい越後屋の懐に入ったであろうことも、何度も指摘しています。このあたり、国際支援で半分くらい(?)のお金が途中で消えてしまうことと、似ているような気もします。)

具体的に言うと、まず、

・これまでも何度も述べているが、理論上、金利差と為替差益はバランスする (実際には、バランス線上を上下に変動する)
・金利差と為替差益の両方を永遠に受け取ることは不可能であり、マネーフローが変調すれば、必ず逆流が起こる

さらに、

・信用収縮により、塩漬けになっている外国債券や仕組み債券が、まだあるはず
・それら塩漬け債券の損きりのタイミングが、一種のレパトリとして、年度末に来る可能性がある
・各国通貨が低金利通貨となって流動性を供給しており、「円の低金利・調達しやすさ」は相対的に消滅
・何度も指摘しているが、円をめぐる世界のマネーフローは転換期に来ている

さて、大きな話題になった円のキャリートレードですが、その規模については、第91回 円キャリー取引の通説を問うによると、(2007年当時のデータですが)

狭義の円キャリー取引(仮需):5~10兆円規模 (フォワード取引で円ショートを保持も含む)
広義の円キャリー取引(実需含む):50兆円規模 (個人投資家の外貨建て投資信託購入など、自己資金・実需を含む)
海外の円建て住宅ローン(実需):規模不明だが取るに足りない規模の可能性 (東欧※、韓国、インドなど)

「ハンガリーでの円ローン」に、オースリア中銀総裁による、円建てローンについてのコメントがありましたので、転載します。その当時から、IMFは、外貨建ての住宅ローンの水準が高いとして懸念を表明していたことが分かります。その外貨とはほとんどスイスイフランであり、円建ては低水準だったということです。

(引用開始)

Dr. Klaus Liebscher, Gouverneur
Vienna, 6/17/2005
"Furthermore, the IMF expressed concerns regarding the high level of foreign currency loans taken out especially for house mortgages. The Oesterreichische Nationalbank had already raised the same concerns earlier on. In the first quarter of 2005, foreign currency loans accounted for 19.3% of all loans issued to domestic nonbanks and for about 30% of all loans to households. From the European perspective, loans granted by Austrian banks accounted for approximately 3% of all euro area loans to nonbanks while foreign currency loans accounted for 18% of all euro area foreign currency loans granted to nonbanks at end-20043). Nearly 90% of all foreign currency loans issued to nonbanks in Austriaare denominated in Swiss francs while the importance of the Japanese yen currently stagnates at a low level, equaling the volume of loans denominated in U.S. dollars."

(引用終了)

(「歴史的に見て、金利差と円相場の相関はあまり高くない。金利差が円安・ドル高を後押しするのは、米景気サイクルにそって金利がある程度上昇してから高止まっている間の局面的現象である。米景気が変節を迎え、ドル安サイクルが始まれば、金利差が広いままでも円高になるだろう。」などという指摘もあります)

ということです。自己資金の外貨投資や実需まで円キャリーに入れることには違和感を感じますが、下記(1)の仕組債券の話にもあるように、自己資金であっても、よくわからないままにデリバティブで仮需を膨らませているケースもあるのだと思います。

現在は、最終ステージの入り口に来たのだと思います。

(1)少し前の話ですが、豪ドル/円を大きく下落させたのは、仕組み債券の多量処分ということです。

(仕組み債券とは、普通の債券ではなく、デリバティブの一種です。為替レートが一定範囲なら高金利が約束される債券や、日経平均が10000円を割り込まない限り高金利が約束される債券などがあるでしょう。一時期(悪い意味で)話題になった、シティバンクの仕組み外貨預金も、広い意味では同じカテゴリーに入るでしょう。)

・海外ファンドの売りをきっかけに、豪ドルが下落
・ある国内法人が保有する複数年契約の仕組み債が、契約の下限レートを下抜けたため、投げ売り
・売りの規模が大きく膨らみ、豪ドル/円の売りはその日だけで、10億豪ドル規模(市場筋の推計)
・ドル/円、ユーロ/円などの為替相場にも影響
・このような仕組み債券は、法人向けの投資商品として多量に保有されており、3月末の決算を控えて、損失確定の投売りとなる可能性もある

(2)円をめぐる世界のお金の動きが、変わってきたという状況証拠があります。一言で言うと、「外国資本のマネーフローが、一斉に流れを変えた」ということです。

・そもそも、(日本)円は、運用通貨ではなく、調達通貨として認識されてきた
・外銀は円を調達する一方でドル資金を邦銀に融通してきた
・世界同時低金利の出現で、円は、調達通貨としての旨みがなくなった
・しかし、解消が遅々として進まない円売りポジションが、まだ世界中に残留している
・金融危機で資産圧縮を迫られる外銀が、円の保有を削ぎ落としている
>邦銀が外銀への円資金貸出を一斉に控えたため、外銀・ファンド等が、円のファイナンスに行き詰まり、円建て保有資産の処分売りに
・外銀の円需要減退により、邦銀へのドル建て与信が減少し、邦銀のドル調達コストが上昇
・ドルの供給が細り、海外融資など邦銀の外貨建て業務が難しくなる可能性
・円コール市場・株の裁定取引残高低下・証券レポ取引縮小など、日本の金融証券市場が縮小均衡に

つまり、円キャリーが終われば、円の立場はなくなり、短中期的には、ドルが、再び世界中で必要とされるようになる、ということでしょう。世界第二位の外貨保有高を誇る日本が、ドル不足に悩まされる日が来るのでしょうか?少なくとも、民間ではその可能性があるでしょう。

最後の円高を境に、外貨が足りない、そして日本のマーケットが見捨てられる、という悪夢がありえるのかも知れません。

具体的には

(日本で営業する外国銀行の総資産残高)
・2008年末 40.3兆円 昨年比▲10.4兆円(▲20.6%)
>同残高ピーク 64.0兆円(1998年11月)

(同、コール市場から調達した円資金(負債残高))
・2008年末 2.7兆円 昨年10.1兆円
・現時点では1兆を下回っている可能性が高い

(外国人投資家(非居住者)の円資産(本邦株式、中長期債、短期債合わせて) 買い/売り越し)
・2007年 △24兆9226億円 (△は買い越し)
・2008年 ▲10兆3414億円 (▲は売り越し)

(邦銀のドルの資金調達コスト)
・ドル/円ベーシス・スワップ
1月中旬 12bp
2月月初 50bp
2月中旬 40bp

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(引用開始)

豪ドル/円を国内勢が巨額の売り、仕組み債を処分
2009年2月12日

[東京 12日 ロイター] 為替市場では、国内勢のまとまった豪ドル売り/円買いが話題となっている。高金利通貨として人気を集めた豪ドルは個人投資家のみでなく、企業など多くの法人が積極的に投資していたが、相場の下落をきっかけに3月決算期末を前に手じまい売りが出ている。
市場関係者を驚かせたのは、前週2日の値動きだった。日本時間夕方、豪ドル/円が日中の高値58円半ばから55円半ばへ一気に下落、昨年10月以来の史上最安値に急接近した。急激な円高は他通貨にも波及し、それまで89円台後半でもみあっていたドル/円は88円後半へ1円弱下落、ユーロ/円も113円前半まで3円近い円高となるなど、円は一時全面高となった。
複数の関係者によると、豪ドル/円を大きく下落させたのは国内のある法人の売り。海外ファンドの売りをきっかけ豪ドルが下落し、その国内法人が保有する複数年契約の仕組み債が契約の下限レートを下抜けたため「投げざるを得ない状況となった」(市場筋)という。複数年契約で複雑なオプションを絡めた仕組み債は規模が大きく膨らみ、その日の市場で売却された豪ドル/円は、市場筋の推計でおよそ10億豪ドル規模。クロス円の取引量としては異例の大きさだった。
巨額取引が行われた2日は値が大きく振れたため、多くの市場関係者の注目を集めたが、こうした国内勢の「解消売り」は小規模のものも含めると、今回が初めてではないという。高金利通貨として一時、個人投資家の人気を博した豪ドルは「法人向けに数多くの投資商品が作られた。オプションを絡めたものも多い」(外銀関係者)といい、同様の仕組み債を持つ法人は少なくないとされる。
上場する大手企業では昨年、イタリアンレストランのサイゼリヤ<7581.T>が豪ドル建ての仕組み債で150億円超の損失を計上したが、前週の急落を経た市場では、「損失を抱えた非上場の法人が決算を控え、損失確定に動く可能性があるのではないか」(都銀の外為市場関係者)との思惑が広がり始めている。
前週の巨額取引が参加者に与えた衝撃は大きく、今週に入っても仕組み債に絡んだまとまった円買いに敏感になっている。9日の取引で豪ドル/円が1カ月ぶり高値62円後半から夕方に60円前半まで急落すると、その過程では「豪ドルに仕組み債絡みの大規模な売りがまた出た」との観測が出回ったほか、10日、12日の取引でも「豪ドル/円に数億豪ドル単位で国内勢の売りが出たらしい」とのうわさが流れている。
円相場全般は米国の金融安定化・景気刺激策の行方と株価反応をにらみ一進一退。ドル/円もテクニカル的に上昇基調と下落トレンドの分かれ目とされる90円をめぐる攻防が続くなど、今度の値動きを左右しかねない分岐点に差し掛かっている。3月末にかけて豪ドル/円で同様の売りが相次げば、円相場全般に与える影響は決して小さくない。

 (ロイター日本語ニュース 基太村真司記者 編集 橋本浩)

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http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200902170053.html

焦点:外銀の資産圧縮で円が御用済み、邦銀のドル資金繰りも窮地に
2009年2月17日

[東京 17日 ロイター] 日本で営業する外国銀行の総資産が急減している。金融危機で資産圧縮を迫られる外銀が、世界同時低金利の出現で調達通貨としての旨みがなくなった円の保有を削ぎ落としているからだ。
これまで外銀は円を調達する一方でドル資金を邦銀に融通してきたが、円資産圧縮でドルの蛇口が細ったことで、海外融資など邦銀の外貨建て業務が窮地に追い込まれそうだ。
デスティネーション・カレンシー(運用通貨)ではなく、ファンディング・カレンシー(調達通貨)に成り下がった円が国際金融市場で地位を回復するには、金融、産業を含めた長期戦略が必要だ。

 <オモチャの円>
日本で営業する外国銀行の総資産残高は昨年1年間で10.4兆円(20.6%)減少し12月末に40.3兆円まで落ち込んだ。同残高は1998年11月に過去最高の64.0兆円だったので、ピーク時からは37%の減少となる。外銀が円ビジネスから撤退する背景は、金融危機の影響で資産圧縮を迫られているためだが、理由は他にもある。
「超低金利を続けてきた円はファンディング(資金調達)のオモチャだった。米国がゼロ金利政策を採用した時点で、円は不要になった」と外銀の資金担当者は言う。
円はファンディング・カレンシーとして、90年代半ばから欧米投資銀行やその他の金融機関に大いに利用されてきた。低金利の円を借り、その円を売って高金利の通貨(資産)を買う「円キャリートレード」は長らく国際金融市場を席巻した。円キャリートレードは90年代後半の米国のドル高政策の推進力となり、多くの金融商品のボラティリティの源にもなった。
しかし、米国発の金融危機で、米国がゼロ金利政策を採用し、他の主要国もゼロ金利に向けてまい進する中、円の比較優位は失われ、市場では「円キャリートレードは既に死語」(ファンド・マネージャー)とも言われている。円キャリートレードでレバレッジを高め、ハイリスク・ハイリターンの商品に大量投資するというビジネスは破たんし、外銀の円調達意欲も急速に冷え込んだ。
在日外銀の資産の内訳をみると、最も落ち込みが激しいのは、外国銀行がコール市場から調達した円資金の規模だ。外国銀行在日支店のコールマネー(負債)残高は昨年12月末時点で2.7兆円となり、2007年末の10.1兆円から激減した。「現時点では1兆を下回っている可能性が高い」(外銀)との観測も聞かれる。

 <円資産からの撤退>
昨年9月のリーマンショックは、基軸通貨ドルの流動性リスクを印象付けたが、これまで最も安く、最も大量に調達できたはずの円の流動性リスクも際立たせた。
リーマンショックを契機に、邦銀は外銀への円資金貸出を一斉に控えた。この結果、円の流動性に窮した外銀や外銀を介して円資産を保有してきたファンド等は、円のファイナンスに行き詰まり、円建て債券、株式など、保有資産の処分売りに動いた。この流れは今でも続いている。
「国際的な資産運用という意味では、安い通貨で調達して、強い通貨で運用するのが望ましいはずだが、(外資系金融機関は)アセットそのものを持っていられなくなったということだろう。彼らの資産圧縮は今後も確実に続く」(証券系エコノミスト)という。
外国人投資家(非居住者)は2008年中に本邦株式、中長期債、短期債合わせて10兆3414億円と大幅に円資産を売り越している。2007年は24兆9226億円の買い越しだったので、35兆円を超える外国資本のスイングがあったことになる。
外国資本が一斉に流れる方向を変えたことで、円コール市場のほか、株の裁定取引残高低下や証券レポ取引の縮小など、本邦金融証券市場も縮小均衡の道を歩み始めた。

 <ドルが足りない>
外銀はこれまで国内の金融機関から円資金を調達する一方、主に裁定市場で円転取引を通じて邦銀に外貨建て短期貸付を行う役割を担ってきた。円転取引とは外貨資金を円に換えて運用する行為。
しかし、外銀の円需要減退と歩調を合わせて、邦銀へのドル建て与信も減少し、邦銀のドル調達コストが上昇してきた。このため海外融資や外国債券投資など、外貨ビジネスのコストが上昇し、採算性が低下している。
他方、海外で事業展開する大手日本企業は、邦銀を通じたドル資金調達や証券発行などでドル確保を進めている。
ソニー<6758.T>は12月末、三菱東京UFJ銀行など邦銀3行と15億ドルのドル借入枠を契約した。ソニーは外銀に約43億ドルの借入枠があるが4月1日に契約期限を迎える。ドル借入枠の設定について「金融情勢に鑑みて、何かあった時に備えるためのもので、現在は借入枠を使用していない」(ソニー広報)という。
「ドルの蛇口が細っているなかで、企業のドル需要もあり、資金繰りは厳しい。海外貸付など外貨建て資産を膨らませることは難しい」(邦銀資金担当者)との声も聞かれる。
邦銀のドルの資金調達コストを表すドル/円ベーシス・スワップのマイナス幅は、1月中旬に約12ベーシスポイント(bp)に縮小したが、2月月初に急拡大して50bpとなった。現在は40bp付近だが、市場参加者によれば、邦銀が外貨資産の圧縮を行わなければ、ドル資金調達コストが再上昇する可能性が高いという。

 <円の地位回復は長期戦略次第>
円キャリートレードが風前の灯になったとは言え、アイスランドでの円建て住宅ローンをはじめ、個人向けや企業向けの円貸付で、解消が遅々として進まない円売りポジションは世界中に残留し、今後円相場のボラティリティを高めるマグマとなっている。
「(円キャリートレードは)金融史上最大の賭けだったにもかかわらず、あまりにも多くの投資家があまりにも長い期間に渡って、リスク・フリーの儲け機会だと信じ込んでいた」とブラック・スワン・キャピタル代表のジャック・クルーク氏は言う。
財務省は円の国際化の議論を長年リードしてきたが、その議論は使い勝手の向上という側面に偏ったものだった。使い勝手の向上を追求するなかで、円はファンディング・カレンシーとして「負の国際化」の道を歩んだが、通貨の番人としての財務省・日銀はなぜこれを放置したのか。官民とも長期戦略の練り直しが必要な時がおとずれている。
「運用通貨と調達通貨の違いを明瞭に認識して行動してこなかった」と政府関係筋はこれまでの通貨戦略を振り返る。
一方、邦銀の外貨ビジネスについて、三菱UFJ証券・チーフエコノミストの水野和夫氏は「欧米重点戦略から今後はアジアを中心とした戦略に移行すべきだろう。多くのアジア諸国の経済水準は近代化の流れが加速した日本の1960年代に相当し、高成長と通貨価値の上昇が見込める。邦銀は弱いドルで資金調達し、アジア通貨建ての貸付をするという選択肢を考えるべき」だという。「ユーロがローマ条約から40年かけて成立したことを考えれば、日本もアジアの共通通貨を作るという方向で長期戦略を練る必要があろう」と水野氏はいう。
産業政策では、「輸出を柱としたこれまでの経済成長から、内需中心の経済を目指さざるを得ない。まだ移行が出来ていないことで、GDPが大幅に落ち込んでいるが、今後は徐々に変化していくだろう」と前出の政府関係筋は言う。

 (ロイター日本語ニュース 森佳子 編集 橋本浩)

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-23 10:47 | 経済状況

戦後最大の経済危機 実質GDPマイナス12.7% 分かっていた数値悪化

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図は時事通信より

2008年10~12月期の国内総生産(GDP)速報が出ました。あくまで速報であり、今後に確定値による訂正がされると思いますが、記録的な悪化であることは間違いないところです。

「実質GDP12.7%減」という見出しがショッキングですが、四半期(3ヶ月間)の数字を年率に換算した数値であり、実際の年間の実質GDPは0.7%減となります。それほど、昨年秋以降の落ち込みが激しかったということでしょう。

この数字を受けて、経済上の対策が加速するものと思います。

私は、

・GDPの数値が悪化するのは、ある程度分かっていたはず
・2007年後半から景気後退に入っており、「今さら」という感じがある
・これで底を打ったという判断は出来ず、まだまだ悪い時期が続く
・悪い数字により、財政上のチェック機能が甘くなる可能性がある
・一般市民は、数値に一喜一憂することなく、守りを固める必要がある

と主張します。

(2/18追記)

私たちが気をつけなければならないのは、

・ショッキングな数字によって、無茶な政治や財政政策が容認されてしまうこと
・フロー面からは、雇用リスクへの備え
・ストック面からは、デフレ経済への備え
・これから日本の財政が悪化するが、そのリスク

なのだと思います。特に、

信用崩壊スタート(2007~)
→金融機関など資本毀損・有価証券価値暴落
→企業の生産調整・雇用カット(2008~顕著に)
→家計への波及(日本では今年から顕著に)
→デフレスパイラル再来

のサイクルを考えた場合、家計への波及が始まることで、デフレ再突入が確実なものとなります。

さて、「10秒で読む日経」によると、GDP変動率を金額に換算すると、

・設備投資 ▲8兆円 ここ数年が過大であり、2009年もマイナスが続く
・純輸出 ▲12兆円 2009年もマイナスは続くが、2009年は半分位で収まる
計付加価値 ▲20兆円
(売上換算 ▲30兆円 (日本企業の売上高付加価値率から逆算))

ということです。

(追記終了)

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【実質GDP 四半期(季節調整値)】 ※「実質」とは、物価変動の影響を除いた、という意味
・前期(7~9月期)比 ▲3.3% (=年率換算▲12.7%)
・3四半期連続で減少
・2けたマイナスは、第1次石油危機時の74年1~3月期(▲3.4%、年率▲13.1%)以来、戦後2度目
・09年1~3月期も大幅なマイナス成長の見通し

【実質GDP 2008年通年】
・▲0.7%
・1999年(▲0.1%)以来、9年ぶりのマイナス成長

【名目GDP 四半期】 ※物価変動の影響を含み、生活実感に近い
・前期比 ▲1.7% (=年率換算▲6.6%)
・98年1~3月期(▲2.0%、年率換算▲7.7%)に次ぐ、過去2番目のマイナス幅
・名目が実質を下回ってデフレを示す「名実逆転」は8期ぶりに解消
・今後は需要減少からデフレに逆戻りするとの懸念が強い

【GDPデフレーター 四半期】 物価の動きを示す 
・前期比 +0.9%

【輸出 四半期】

・前期比 ▲13.9%
・2四半期ぶりに減少
・減少幅は75年1~3月期(▲9.7%)を上回った

【設備投資】 企業の設備投資を示す
・前期比 ▲5.3%
・4四半期連続の減少

【個人消費】 家計最終消費支出
・前期比 ▲0.4%
・物価上昇が一服した昨秋以降も、実質賃金の減少や雇用不安の追い打ちでとマイナスに転じた

【民間住宅】 住宅投資を示す
・前期比 +4.0%

【外需寄与度】 輸出から輸入を差し引いた、外需を示す「財貨・サービスの純輸出」
・前期比 ▲3.0%
・過去最悪

【内需寄与度】
・前期比 ▲0.3%

(引用開始)

GDP:年率12.7%減、落ち込み深刻 10~12月期

内閣府が16日発表した08年10~12月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は、前期(7~9月期)比3.3%減、これが1年間続いた場合(年率換算)で12.7%減と3四半期連続で減少した。2けたマイナスは、第1次石油危機時の74年1~3月期(3.4%減、年率13.1%減)以来、戦後2度目。深刻な金融危機と世界景気悪化で輸出が戦後最大の落ち込みとなり、個人消費も減少。内外需の総崩れが鮮明となった。09年1~3月期も大幅なマイナス成長の見通しで、日本経済は戦後最悪の不況に陥ろうとしている。
実質GDPの3四半期連続の減少はIT(情報技術)バブル崩壊後の01年4~6月期から10~12月期以来、7年ぶり。08年の実質GDP成長率は0.7%減となり、99年(0.1%減)以来、9年ぶりのマイナス成長となった。
10~12月期は、輸出が前期比13.9%減と2四半期ぶりに減少に転じ、減少幅は75年1~3月期(9.7%減)を上回った。自動車、電子部品、建設機械などを中心に米国、欧州連合(EU)、アジア向けがすべて大幅に減少した。外需依存で輸出との連動性が高まっている設備投資は5.3%減と4四半期連続の減少で、マイナス幅は加速度的に拡大している。
昨年夏にかけ、急激な物価高で打撃を受けた個人消費は、物価上昇が一服した昨秋以降も、実質賃金の減少や雇用不安の追い打ちで0.4%減とマイナスに転じた。自動車、家電、航空旅客輸送、衣服などの落ち込みが大きかった。輸出から輸入を差し引いた外需寄与度は、輸出の記録的減少によりマイナス3.0%と過去最悪に、内需寄与度もマイナス0.3%だった。
物価変動の影響を含み、生活実感に近い名目GDPは前期比1.7%減(年率換算6.6%減)で、98年1~3月期(2.0%減、年率換算7.7%減)に次ぐ、過去2番目のマイナス幅となった。【尾村洋介】

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GDP年率12.7%減=35年ぶり急激ダウン-昨年10~12月期速報値

内閣府が16日発表した2008年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値によると、実質GDPは前期比3.3%減、年率換算では12.7%減と、第1次石油ショック後の1974年1~3月期(年率13.1%減)以来、約35年ぶりの急激な落ち込みを記録した。世界的な金融危機が実体経済に波及し、輸出の減少幅が過去最悪となるとともに、設備投資も大幅にダウン。01年4~12月以来、7年ぶりに3・四半期連続のマイナス成長となった。
09年1~3月期のGDPも大幅な減少が予想されており、マイナス成長は戦後例のない4期連続となる見通し。08年度は戦後最低の成長率が見込まれ、記者会見した与謝野馨経済財政担当相は「戦後最悪の経済危機だ」と述べた。政府・与党は成長率の大幅悪化を踏まえ、新たな経済対策の検討に着手する。
名目GDPは前期比1.7%減、年率換算では6.6%減だった。名目が実質を下回ってデフレを示す「名実逆転」は8期ぶりに解消した格好だが、今後は需要減少からデフレに逆戻りするとの懸念が強い。(2009/02/16-11:19)

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08年10―12月のGDP、実質3.3%減、3期連続のマイナス成長
2009年2月16日

内閣府が2月16日に発表した2008年10―12月期の国民総生産(GDP)速報によると、物価変動を除いた実質の成長率は前期比3.3%減だった。年率換算は12.7%減。3期連続のマイナス成長となった。
どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、外需を示す財貨/サービスの純輸出が前期比3.0%減と大幅なマイナスだった。
内需は前期比0.3%減。住宅投資を示す民間住宅は同4.0%増となったが、個人消費を示す家計最終消費支出は同0.4%減、企業の設備投資を示す民間企業設備は同5.3%減に落ち込んだ。民間在庫品増加の成長率への寄与度は0.4%のプラス。
10―12月期のGDPについて物価変動の影響を含めた名目の成長率をみると、前期比1.7%減だった。物価の動きを示すGDPデフレーターは、前期比0.9%増だった。
■関連情報
・内閣府のWebサイト http://www.cao.go.jp/

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「戦後最大の経済危機だ」と与謝野経財相…GDP大幅減

与謝野経済財政相は16日、記者会見し、10~12月期のGDP成長率が年率換算で12・7%減の大幅なマイナスになったことについて、「戦後最大の経済危機だ。この(悪い)数字を目の前にして何も考えないということは怠けていると言われる。この数字を見た以上は血流を速くして頭を使っていろんな可能性を探ることは我々の責任である」と述べ、景気回復に向けた一段の経済対策を検討する考えを示した。
当面の対応として与謝野経財相は、「2009年度当初予算の早期成立をお願いするとともに、年度当初から速やかな執行を図るための相談をしたい」と述べ、まずは予算成立を急ぐ考えを示した。そのうえで「何をなすべきか経済界などを含めて幅広く議論してほしい」との意向を示した。

(2009年2月16日11時30分 読売新聞)

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戦後最大の経済危機、09年度予算成立に全力=GDPで与謝野担当相
2009年 02月 16日 11:15 JST

[東京 16日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は16日、2008年10─12月期の国内総生産(GDP)が前期比年率12.7%減と1974年1─3月期以来の大幅な落ち込みになったことについて、現状を「戦後最大の経済危機」と表現した。
GDPを受け、与党内などから追加経済対策を求める声が一段と強まることは必至だが、与謝野担当相は「経済界や国会などで日本が何をすべきか議論してもらう必要がある」としながら、政府の対応としては、08年度2次補正予算関連法案と09年度予算の早期成立・執行に全力を挙げる考えをあらためて表明した。GDP発表後の記者会見で述べた。

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与謝野経財相「戦後最悪。戦後最大の経済危機だ」
2009年2月16日11時54分

与謝野経済財政相は16日、08年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値の発表を受けて記者会見し、日本経済の現状について「戦後最悪。戦後最大の経済危機だ」と言い切った。
景気の先行きについては、「不安定要素がたくさんある。ただ、1年以内に回復が始まるということは、多くの有力なエコノミストが言っている」と指摘した。
政府・与党は09年度予算成立後に、同年度補正予算案を編成して追加経済対策に乗り出す方針だが、与謝野氏は「(予算成立前でも)もちろん頭の体操は必要だ。経済界、言論界、学界などで、こういう経済の状況を受けて、日本が何をなすべきかという議論をしていただく必要がある」と述べた。
また、河村官房長官は同日の記者会見で、実質GDPの急激な落ち込みについて「非常に深刻なものだと受け止めている。早く(08年度)2次補正の関連法案を通して実施に移し、(09年度)本予算を一日も早く成立させることが最大の景気対策だ」と述べた。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-17 09:42 | 経済状況

アメリカ・イギリスのAaa格付けが試されている 金融産業の威光は消失 小泉元首相の麻生批判

「(先進国のトリプルA格付けには)既に疑問符が付いている」(グリーンバーグ・トラウリグ、ブルース・ジリンスキー氏)
「米国のトリプルA格付けへの信頼が揺らぐ中、米国への投資が減少し、代わりに中国などに投資が向かう可能性がある」(ブリッジ・アソシエーツ、アンソニー・シュネリング氏)

※ムーディーズの場合、トリプルAはAaaとなります

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これまで、アメリカか日本で、国家財政破綻がありえるが、そのどちらが先になるかは分からない、と指摘しました。また、日本の格付け(正確には、国そのものではなく、長期国債の格付け)についても、何回も指摘してきました。

今回、ムーディーズは、トリプルA格の国を、今回の危機への抵抗力によって、3つのグループに分類したということです。(日本(国債)の格付けは、「Aa3」で、上から4番目)

(銀行の崩壊により、ポンドの価値が対円で半分程度になったイギリスが、まだAaaというのも、変な話ですね。アイルランド(アイスランドではありません)も似たようなものでしょう。それらよりも格付けがはるかに劣る日本が、世界最強の通貨を有するというのも、もっと変な話だと思います。)

【最も抵抗力のあるグループ】
・ドイツ、フランス、カナダ、スカジナビア諸国
・世界的な景気低迷に対する抵抗力が比較的強い
・「強い向かい風の中でも、格付けが試されることはない」

【上から2番目のグループ】
・アメリカ、イギリス
・「トリプルA格付けが、世界的な景気低迷によって『試されている』」
>「試されている」との表現は、格付けが「リスクにさらされている」ことの遠まわしな表現
・「成長モデルが打撃を受け、多額の、場合によっては予期せぬ債務の発生により、格付けが試されている」
・「しかし、試練に立ち向うための適切な対応力も、持ち合わせている」

【危機への抵抗力が最も低いグループ】
・アイルランド、スペイン
・「リスクを国家財政で背負うことを余儀なくされた国」
・スペイン:財政状況を改善できる手段はわずか
・アイルランド:公的財政が直面している著しい困難に対処するにはわずかな手段しか残されていない

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そもそも、ムーディーズの格付けは、日本に厳しく欧米に甘いというような、恣意的な判断を含んでいるのではないかとも思っていましたが、それが剥がれたと言う判断のほうが適切なのかも知れません。

何が剥がれたのでしょうか?

「金融産業」「金融立国」という、信用を膨張させるシステムを有している(胴元である)、という強みが、もはや強みではなくなった、ということなのでしょう。

であるとするならば、この後の展開は、ある程度読めます。何度も書いていますが、「お金があるところから、お金を引っ張ってくる」ということなのです。アメリカ新大統領政権の初期の仕事は、「アメリカ国債のファイナンスをするために、日本から資金を出させること」なのでしょう。

最近の小泉元首相の、麻生批判のコメントも、「アメリカに逆らうな。これまでどおり、あるいはこれまで以上に、年貢を納めろ。逆らうと、ひどいぞ。」ということなのだと理解しています。

(引用開始)

米英のトリプルA格、景気低迷で「試されている」=ムーディーズ
2009年2月13日

[ニューヨーク 12日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、米国と英国のトリプルA格付けは世界的な景気低迷のなかで「試されている」と述べた。一方、ドイツやフランス、カナダといった国は比較的底堅いことを示しているとした。
ムーディーズは、トリプルA格の国を現在の危機に持ちこたえる能力に従って分類した。
ムーディーズの国際チーフエコノミスト、ピエール・カイルトゥ氏は投資家や記者向けの電話会議で「米国と英国で構成されるグループは、成長モデルへの打撃や、非常に巨額で場合によっては予定していない負債により、格付けが試されている。しかし、こうした国々は課題に直面した際の適切な対応力を示したと考えている」と述べた。

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米英のトリプルA格付け、景気低迷で「試されている」=ムーディーズ
2009年2月13日

[ニューヨーク 12日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、米国と英国のトリプルA格付けは、世界的な景気低迷に「試されている」との見方を示した。一方、同じくトリプルA格のドイツ、フランス、カナダなどは、世界的な景気低迷に対する抵抗力が比較的強いとした。
ムーディーズはトリプルA格の国を今回の危機への抵抗力に従い、3つのグループに分類。米国と英国は上から2番目のグループに入るという。
ムーディーズの国際チーフエコノミスト、ピエール・カイルトゥ氏は投資家と記者向けの電話会議で「米国と英国が分類されるグループは、成長モデルが打撃を受け、多額の、場合によっては予期せぬ債務の発生により、格付けが試されている」と説明した。
ただ「ムーディーズはこのグループに分類された国も、試練に立ち向うための適切な対応力を持ち合わせていると考えている」と述べた。
一方、アイルランドとスペインは、危機への抵抗力が最も低いグループに分類された。ムーディーズはこうした国は「リスクを国家財政で背負うことを余儀なくされた国だ」と説明している。
また、最も抵抗力のあるグループには、ドイツ、フランス、カナダ、およびスカジナビア諸国が入った。ムーディーズはこうした国々は「強い向かい風の中でも、格付けが試されることはない」としている。
アナリストの間では、トリプルA格付けが「試されている」とのムーディーズの表現は、格付けが「リスクにさらされている」ことの遠まわしな表現との見方が強い。
グリーンバーグ・トラウリグのブルース・ジリンスキー氏は、トリプル格付けには「既に疑問符が付いている」と述べた。またブリッジ・アソシエーツのマネジング・ディレクター、アンソニー・シュネリング氏は、米国のトリプルA格付けへの信頼が揺らぐ中、米国への投資が減少し、代わりに中国などに投資が向かう可能性があると指摘した。

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スペインとアイルランド、最上級格付け国では最もぜい弱=ムーディーズ
2009年2月12日

[ロンドン 12日 ロイター] 有力格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日発表したリポートの中で、スペインはアイルランドとともに、公的財政に関するリスクが著しく大きく、最上級の格付けを持つ国の中では最もぜい弱だ、との認識を示した。
リポートは、いずれの国についても格付けおよび見通しの変更には言及していない。
ムーディーズはさらに、英国、米国、アイルランドは、リセッション(景気後退)対策として財政政策を緩和しているため、厳しい債務状況に直面していると指摘。そのうえで、英国と米国は状況を改善できる可能性があるとの見方を示した。
スペインについては、財政状況を改善できる若干の手段はわずかだけだと指摘。先月見通しを「Aaaネガティブ」としたアイルランドに関しても、公的財政が直面している著しい困難に対処するにはわずかな手段しか残されていない、と述べた。
ムーディーズは、スペイン、英国、米国の見通しについては、いずれも「Aaa」で安定的としている。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-16 19:20 | 経済状況

財政と税 新規国債40兆円超 消費税を上げたい財務省と経団連 五公五民 お上の召し上げ

これまでも「今後の(赤字)国債発行額は、さらに増大する」と述べてきました。財務省の試算によれば、2011年度の新規国債発行額が40兆円を超えて過去最大となる予測です。社会保障関係費が毎年9000億円増え続けることが大きな要因として挙げられています。

財務省の、「消費税を上げたい」「消費税を上げないと、赤字国債を発行せざるを得ないが、責任は取れないぞ」「基礎年金の国庫負担は厳しい」といった意図が見え隠れする、アドバルーン的な試算といえるでしょう。

(なぜ「所得税増税」「法人税増税」ではなく、「消費税増税」なのかについては、繰り返しになりますので、過去のエントリーも参照ください)

(毎度のことですが、日本経団連は、基礎年金をすべて消費税など税金でまかなう「全額税方式」に完全移行すべきだ、高齢者医療や介護保険制度でも公費の投入割合を増やすべきだと主張しています。追加的に必要な財源は消費税率換算で12%程度(試算)で、すべて消費税でまかなう場合、税率を17%に上げる必要があるとのことです。「なぜ消費税なのか」についての理由は明確で、何度も述べていますが、

・社会保障費の企業負担を極力減らし、出来るならゼロにしたい
・輸出企業に対する「消費税戻し税(還付金)」を増やしたい

ということでしょう。)

この試算には、いくつかの前提があります。
・2010年に世界経済が順調に回復する
・日本経済も回復し、実質1%台半ば、名目2%台前半となる
・歳出削減を行わない

この前提も、甘すぎると言えるでしょう。「世界経済が順調に回復するかどうか、その時期はいつか」については、別途エントリーで述べたいと思います。

(歳出)
09年度 88.5兆円(予算案)
11年度 93.0兆円
12年度 95.4兆円

(税収)消費税率を引き上げなかった場合
11年度 47.7兆円
12年度 49.1兆円

(国債発行額)基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるため、財政投融資特別会計の準備金を取り崩して対応する場合
09年度 33.3兆円(予算案)
11年度 38.1兆円
12年度 39.0兆円

(国債発行額)消費税の引き上げなど税収増で賄えずに赤字国債を発行する場合
11年度 40.6兆円
12年度 41.6兆円

(前提となる名目経済成長率)
10年度1.1%
11年度2.1%
12年度2.2%

この「基礎年金の国庫負担」は、

・現在は3分の1強
・2分の1に引き上げるには、年2.3兆円の財源が必要
・09年度と10年度は、「埋蔵金」である財政投融資特別会計の金利変動準備金を流用
・11年度からは、「税制の抜本改革」による、消費税増税などを充てる
・税制の抜本改革が実施できない場合でも、「臨時の法制上の措置」で2分の1を維持
・11年度以降のさらなる「つなぎ」措置は、遠くない時期の消費増税を視野に短期で償還する「つなぎ国債」の発行や、特別会計の剰余金の流用など

とされています。

さて、日本の個人にかかる所得税(+住民税)の「最高税率」は、50%と、世界で4番目に高い水準ということです。きっと、これも「高額所得者・金持ちに配慮して、最高税率を下げろ」という、アドバルーンなのでしょう。

(2/13追記)「最高」ではなく、「国民負担率」は、国民がその所得から税と社会保険料を負担する割合ですが、現在およそ39%となっており、税率に見合った社会保障になっているのかは、はなはだ疑問でしょう。

なお、消費税増税により社会保険料を補った場合には、社会保険料の企業負担が軽減されることにより、国民負担率は増加します。消費税を5%から17%に上げた場合のラフな計算を示すと、(本当にラフな算数ですが)

税負担       23%→35% (消費税増税がそのまま加算されるとして)
社会保険料負担 16%→8% (社会保険料が半分に、ただし労使折半は継続)
想定国民負担率 43% (+4%) 

この+4%の想定負担増は、企業負担▲4%とバランスします。「税制のフラット化」「社会保険料の税負担化」の名目で、家計から企業への所得移転を行いたい、ということなのでしょう。

さらに、顕在化している負担である国民負担に、将来税金などで負担することが予定されている「国と地方の財政赤字」を加えた額の比率を、潜在的国民負担率と呼びますが、約48%と、確実に上昇してきています。今後は50%を超えて来ることが確実でしょう。「五公五民」の世界が、またやってくるのです。

そもそも、「使ってしまった将来の税金」である「財政赤字」相当のマネーは、どこに行ってしまったのでしょうね??私たち国民の未来の幸せや豊かさのために投資されたと言えるのでしょうか??「乗数効果がある」として地方の穴を掘って埋めたり、天下りの退職金として大盤振る舞いされたり、そんなこんなで「使っちゃったので、もうありません。換金も出来ません。」となっているのではないでしょうか。

「お前たちには、一人頭1万2千円を与えるから、ガタガタ文句を言うな。でも、その事務経費800億円は、お前たちの税金で負担してもらいます。」といったニュアンスもある定額給付金の空しさを見るにつけ、「ああ、私たちの大事なお金は、最後はお上に召し上げられるのだな」という予感が現実味を増していくのです。(2/13追記終了)

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(最高税率)2008年時点
デンマーク 59%
スウェーデン 55%
オランダ 52%
日本 50%
・・・
フランス40%

(国民負担率)国民が所得から税と社会保険料をどれだけ支払っているか

2009年度 38.9%
 (税負担)23.0%(▲0.7)
 (社会保障負担)15.9%(+0.2)
2008年度 39.4%
2007年度 40.0%

参考:主要先進国の負担率(06年)
・スウェーデン 66.2%
・米国は34.7%

(潜在的国民負担率)国民所得に占める税金と社会保障費に国と地方の財政赤字を加えた額の比率

2009年度 47・7%(+1・0)(見込み)
 (国民負担率)38.9%
 (財政赤字の国民所得比)8・8%
・・・
1999年度 48・9%
2002年度 47・9%


(引用開始)

新規国債 11年度40兆6000億円
2009/2/3

 財務省は2日、2009年度予算案を基に今後4年間の財政状況をまとめた「後年度歳出・歳入への影響試算」を衆院予算委員会に提出した。試算では、11年度の新規国債発行額が過去最大の40兆6000億円に達するとし、高齢化で社会保障費負担が拡大する国家財政の借金依存度がさらに高まる懸念が示された。
 歳出は、社会保障費の拡大などで09年度予算案の88兆5000億円に対し、11年度に93兆円、12年度には95兆4000億円に膨らむと試算した。一方、消費税率を引き上げなかった場合、税収は11年度が47兆7000億円で、12年度は49兆1000億円になる。その結果、歳入不足を賄うために発行する国債発行額は11年度に40兆6000億円、12年度には41兆6000億円に達するという。試算は内閣府が作成した経済財政の中長期方針を前提にし、名目経済成長率を10年度1.1%、11年度2.1%、12年度2.2%としている。

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新規国債、12年度に42兆円=増税なしの場合-財務省が試算

 財務省は2日、2009年度予算案に盛り込んだ施策を前提にした12年度までの歳出・歳入の試算を公表した。それによると、高齢化に伴う社会保障費の伸びにより、基礎年金の国庫負担割合引き上げの財源を消費増税などの安定財源で確保できなかった場合、財政赤字の穴埋めで国債の新規発行額は同年度に過去最大の41.6兆円に拡大。厳しい財政状況が改めて示された。
 試算は10年に世界経済が順調に回復することを前提に、09年度予算案の制度・施策に基づき機械的に推計。歳出削減を行わない場合、社会保障関係費が毎年9000億円増え続け、一般会計の総額は09年度の88.5兆円から12年度には95.4兆円に拡大する。(2009/02/02-21:50)

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2012年度の新規国債発行が40兆円前後に拡大=財務省試算 
2009年2月2日

 [東京 2日 ロイター] 財務省が2日に発表した「2009年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」によると、世界・日本経済が現在の混乱克服後に順調な回復をたどっても、社会保障費や国債費などの増大を背景に、2012年度の新規国債発行額は40兆円前後に拡大する見通しだ。
 後年度試算は、政府が閣議決定した経済見通しや「経済財政の中長期方針と10年展望」の標準シナリオである「2010年に日本・世界経済が順調に回復する場合」の成長率(実質1%台半ば、名目2%台前半)などを前提に、09年度予算における制度・施策などを踏まえて2012年度までの歳入・歳出状況をはじき出した。
 それによると、中期的には経済成長で税収が増えるものの、高齢化進展に伴う社会保障費増に加え、国債残高増や金利上昇で国債費が増加することから、新規国債発行額は09年度予算の33.3兆円から11年度に38.1兆円、12年度に39兆円に拡大する見通し。
 政府は09年度予算において、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるため、財政投融資特別会計の準備金を取り崩して対応しており、10年度も同様の措置を行う方針。ただ、11年度以降の対応は決まっておらず、消費税の引き上げなど税収増で賄えずに赤字国債を発行する場合、新規国債発行額は11年度に40.6兆円、12年度に41.6兆円とさらに膨らむことになる。

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消費増税なくても基礎年金の国庫負担2分の1維持 政府
2009年1月24日15時3分

 基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるための国民年金法などの改正案に関し、政府は2011年度に消費増税を含む税制の抜本改革が実施できない場合でも「臨時の法制上の措置」で2分の1を維持するとした条文を盛り込むことを決めた。税制改革法案の取りまとめ過程で消費税増税の実施時期が不透明となる一方で、国による基礎年金への財源投入を法律で義務づけ、公的年金の持続性を高めることを打ち出した。
 来週中の閣議決定、国会提出を目指す。
 基礎年金は国民年金や厚生年金に共通する1階部分で、現在は3分の1強が国庫負担。2分の1に引き上げるには、年2.3兆円の財源が必要だ。09年度と10年度は、「埋蔵金」である財政投融資特別会計の金利変動準備金を流用する。
 さらに改正案は、11年度に税制改革が実施できなかった場合、毎年「臨時の法制上及び財政上の措置を講ずる」ことで、2分の1維持を明文化。遠くない時期の消費増税を視野に短期で償還する「つなぎ国債」の発行や、特別会計の剰余金の流用などが、11年度以降のさらなる「つなぎ」措置として想定されている。
 ただ、こうした「つなぎ」による財源調達が続く限り、財源の安定性には課題が残ることになる。
 このほか、付則では、年金、医療、介護や少子化対策を機能強化する重要性を指摘。基礎年金の最低保障機能強化を検討することも盛り込まれた。これに関連し、2分の1への引き上げの実現で、低所得で保険料支払いを全額免除された人が受け取れる年金額は、月2万2千円から3万3千円(08年度水準)になる。(友野賀世)


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消費増税なくても基礎年金の国庫負担2分の1維持 政府
2009年1月24日15時3分

 基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるための国民年金法などの改正案に関し、政府は2011年度に消費増税を含む税制の抜本改革が実施できない場合でも「臨時の法制上の措置」で2分の1を維持するとした条文を盛り込むことを決めた。税制改革法案の取りまとめ過程で消費税増税の実施時期が不透明となる一方で、国による基礎年金への財源投入を法律で義務づけ、公的年金の持続性を高めることを打ち出した。
 来週中の閣議決定、国会提出を目指す。
 基礎年金は国民年金や厚生年金に共通する1階部分で、現在は3分の1強が国庫負担。2分の1に引き上げるには、年2.3兆円の財源が必要だ。09年度と10年度は、「埋蔵金」である財政投融資特別会計の金利変動準備金を流用する。
 さらに改正案は、11年度に税制改革が実施できなかった場合、毎年「臨時の法制上及び財政上の措置を講ずる」ことで、2分の1維持を明文化。遠くない時期の消費増税を視野に短期で償還する「つなぎ国債」の発行や、特別会計の剰余金の流用などが、11年度以降のさらなる「つなぎ」措置として想定されている。
 ただ、こうした「つなぎ」による財源調達が続く限り、財源の安定性には課題が残ることになる。
 このほか、付則では、年金、医療、介護や少子化対策を機能強化する重要性を指摘。基礎年金の最低保障機能強化を検討することも盛り込まれた。これに関連し、2分の1への引き上げの実現で、低所得で保険料支払いを全額免除された人が受け取れる年金額は、月2万2千円から3万3千円(08年度水準)になる。(友野賀世)

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日本の最高税率、世界4位の高さ 民間調査

 日本の個人にかかる所得税などの最高税率が、世界各国の中で4番目に高い水準にあることが民間の調査でわかった。日本の所得税・住民税を合わせた最高税率は50%で、高福祉・高負担といわれるデンマーク、スウェーデンなどに次ぐ。政府は昨年末に消費税、所得税など税制の改革の道筋を示す「中期プログラム」を策定したが、税率に見合う社会保障などの充実を求める声も高まりそうだ。
 調査は大手会計事務所のKPMGインターナショナル(スイス)が世界87カ国を対象に実施した。2008年時点で日本より最高税率が高いのはデンマーク(59%)、スウェーデン(55%)、オランダ(52%)。そのほかの先進国もフランス(40%)など高い国が目立った。(08:32)

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財政赤字拡大で潜在的な国民負担増
2009.1.30 23:28

 財務省は30日、国民所得に占める税金と社会保障費に国と地方の財政赤字を加えた額の比率を示す「潜在的国民負担率」が平成21年度に過去3番目の水準となる47・7%に達する見込みと発表した。21年度の財政赤字の国民所得比は8・8%。景気悪化に伴う大幅な税収減によって将来世代の負担である財政赤字が膨らみ潜在的国民負担率は前年度から1・0ポイント増加。11年度の48・9%、14年度の47・9%に次ぐ水準となった。

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税、社会保険の負担率38・9%に
2009/1/31

 財務省は30日、国民が所得から税と社会保険料をどれだけ支払っているかを示す国民負担率が、2009年度は38.9%になるとの見通しを発表した。所得減を上回るペースで租税負担が減るため、ピークだった07年度(40.0%)から2年続けて低下する。社会保障負担は高齢化に伴って過去最高を更新する見通しだ。08年度の国民負担率も1年前の見通しを下回り39.4%になる。
 09年度の税負担は前年度から0.7ポイント低下し23.0%。景気悪化で所得税や消費税、法人税収などが軒並み落ち、国民所得に占める税負担割合も下がる。04年の年金制度改正で公的年金の保険料が段階的に引き上げられ、社会保障負担も15.9%と0.2ポイント上がる。財政赤字も加えた「潜在的な国民負担率」は47.7%に上昇した。
 主要先進国の負担率(06年)はスウェーデン(66.2%)など欧州勢が高く、米国は34.7%と低い。

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定額給付金「効果」あるの? 膨大な関連経費…国民負担ズシリ
2009.1.26 20:55

 成立が確実となった平成20年度第2次補正予算の目玉である総額2兆円規模の定額給付金。国民への給付とは別に、給付事業の実施に825億円もの経費がかかる。うち給付金の振込手数料は約150億円に上り、自治体職員の残業代や給付申請書類の郵送代も発生する。標準世帯モデル(65歳未満夫婦、18歳以下子2人)で6万4000円もの“臨時収入”となる給付金だが、これには膨大な関連経費が国民負担としてのしかかるうえ、事務手続きも煩雑で、費用対効果を疑問視する声は依然、根強い。

 ■国債費年800億円増
 政府は給付金の事務費として825億1300万円を計上しており、国の予算でその全額が賄われる。
 給付金の支給方法は、金融機関への振り込みが原則。市区町村の指定金融機関を通じて、それぞれの世帯主の口座に振り込まれる予定だ。具体的に手数料をいくらにするかは、各自治体と指定金融機関の交渉で決まることになるが、政府は約150億円の費用が生じると見込んでいる。
 さらに、給付手続きに伴う各自治体職員の残業代などの人件費約233億円を国庫で負担するほか、給付申請書類の郵送費にも約270億円がかかる見通し。総務省が自治体に示した要綱案には、広告料、印刷製本費なども国が負担する対象経費に含まれている。
 今回の定額給付金など2次補正予算の経済対策にかかる2・6兆円分は、財政投融資特別会計の剰余金、いわゆる「埋蔵金」を活用する。本来は国債償還に充てる予定だった剰余金だ。今回の施策のため、国債費(利子・償還費用)は、毎年約800億円も膨らむ計算だ。

 ■準備作業は進まず
 総務省は給付金支給の基準日となる2月1日を過ぎた後でも、ホームレスや「ネットカフェ難民」であっても、一定の居住の実態があれば、支給することを検討している。
 ただ、「同じネットカフェに1~2カ月程度滞在している実績がないと難しい」(総務省幹部)のが実情で、住民基本台帳から削除され、居所を転々とする人は「捕捉(ほそく)しようがない」(同)のが実態だ。
 総務省はまた、当初、第2次補正予算が成立した直後に事業の実施要綱を策定し、正式に自治体側に準備の「ゴーサイン」を出すはずだった。だが、同省の滝野欣弥事務次官は26日の記者会見で「できるだけ速やかに策定したい」と述べるにとどまり、具体的な時期には言及しなかった。
 総務省としては、年度内の給付開始に向けて準備作業を進めたいとの思いが強いが、財源の裏付けとなる関連法案が成立する前に支出が発生することを懸念する財務省との調整がついていない。
 総務省としては約825億円の関連事務費だけでも前倒しで支出し、準備を進めたい立場だが、財務省は財源的裏付けのない支出には依然慎重な姿勢を崩していない。

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政府紙幣の発行、慎重な検討必要=杉本財務次官
2009年2月2日

 [東京 2日 ロイター] 財務省の杉本和行次官は2日午後の定例会見で、自民党などの一部から政府紙幣を発行して景気対策に活用する案が出ていることについて、日銀による国債引き受けを禁止している財政法などの観点から慎重な検討が必要と語った。
 杉本次官は、景気対策として政府紙幣の発行する考え方としては、1)政府紙幣を発行して資産として日銀に保有させる、2)市中で日銀券と並行して政府紙幣を流通させる──などがあると指摘。
 その上で、政府紙幣を日銀が資産として保有する場合には「経済的には無利子・無期限の国債を日銀に引き受けしてもらうことと同義だ。これは戦前のインフレなど各種の反省から国債の日銀引き受けを禁止している財政法5条との関係がある」と否定的な見解を示した。
 政府紙幣を流通させる場合でも「政府に還流した場合は、それに対する財源を確保しなければならない。いずれにしても財源の確保が必要になる点に留意する必要がある」と述べ、「政府紙幣というのは世界的にもなかなかない制度。財政規律の関係もあり、慎重な検討が必要だ。どこかから要請があり、具体的に検討しているということはない」と語った。
 杉本次官によると、政府紙幣の発行にあたっては財政法の観点以外に、貨幣法の改正が必要になるほか、製造など技術的な問題も多いという。
 (ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫記者)

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2025年度、消費税17%提言…経団連が社保制度改革案

 日本経団連が近くまとめる社会保障制度改革に関する報告書の最終案が4日、明らかになった。
 2025年度をめどに、基礎年金をすべて消費税など税金でまかなう「全額税方式」に完全移行し、高齢者医療や介護保険制度でも公費の投入割合を増やすべきだと提言している。
 追加的に必要な財源は消費税率換算で12%程度と試算しており、すべて消費税でまかなう場合、税率を17%に上げる必要がある。
 現在、基礎年金の公費負担(税金)の割合は3分の1で、09年度から2分の1に引き上げられる。
 報告書は、第1段階として、15年度までに公費負担割合を3分の2に上げ、消費税率換算で最低5%分の財源確保が必要だと試算した。すべて消費税でまかなうと、税率は現行の5%から10%に上がる計算だ。
 さらに、25年度までの第2段階で、全額を公費負担とすると、最終的な消費税率は17%になるという。
(2009年2月5日03時09分 読売新聞)

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-13 09:46 | 経済状況

アメリカドルのレパトリ(本国還流)はいつまで続くのか アメリカと中国の出来レースと振り込め詐欺

レパトリ(レパトリエーション)は、リパトリ(リパトリエーション)とも呼びます。一般的には、資金・資本が自国に還流することを指します。狭義では、期末・年度末の決算にあわせて、他国の市場に投資していた資金や、他国で上げた利益を本国に呼び戻すことを指します。

日本では、3月などの決算月に、外貨建て資産を円に交換して日本に呼び戻す影響で、円高になりやすいと言われています。また、今回のドル高(対円を除く)では、アメリカドルが投資されていた国ほど、リスク回避によるドルのレパトリにより、通貨が下落していると指摘されています。

もともと、米ドルは世界経済の機軸通貨として、アメリカ国内に必要な分を大幅に超える量が刷られていました。それがヨーロッパに滞留し、『ユーロダラー』と呼ばれていたことは、過去の記事でも指摘しましたので、ご存知の方も多いと思います。最近では、ドルのM3は公表されていませんので、「ドルがどれだけ流通しているのか」を知ることは難しくなっています。

(ユーロダラーについては、過去の記事「来るべき暗黒の日(2) 世界株安と円高再び フレディーマック・ファニーメイ・RMBSとナイトの不確実性」「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」も参照ください。)

このブログでは、
・アメリカは、若くて優秀な労働力に恵まれており、潜在成長率が高い
・しかし、対外債務国であり、継続的な資本のファイナンスが必要
・ファイナンスが困難になった時点で、自国借金の棒引き・帳消しを迫る可能性もある
・特に、10年に一度は戦争をして景気浮揚をするような体質であり、注意が必要
と指摘してきました。

さて、ロイターは、「永遠には続かぬ米資本の本国回帰、ガイトナー発言で市場に緊張」(01/28)として、

・米国資本(米企業、ファンド等)のリパトリは、昨年前半から本格化している
・つまり、米国人が在外資産を取り崩して、資本を本国回帰させている
・大幅なリパトリを進めざるを得なかったのは、海外の民間資本が米国から撤退したため、米経常収支赤字を決済するための資金が不足したため
・しかし、対外純債務国である米国のリパトリはいずれ一巡する
・その後は、リスクに敏感な民間資本の対米流入が継続できるかどうか、不透明
・日本などの対米債権国が、保有するアメリカ国債(米債)を売れば、債券価格が下落するため、大量に売却できないというジレンマがある
・しかし、中国はアメリカ国債を交渉カードにしているなど、ずっと米国債を持ち続ける保証はない
・米国のリパトリが一巡し、公的・民間資本の対米流入によって、米経常収支赤字をファイナンスできなければ、為替・金利・インフレによる、ドルの価値下落がありうる

と指摘しています。このブログで以前から指摘していたこととほぼ同じ内容なので、さもありなん、という記事となっています。

私はさらに踏み込んで、「中国とアメリカは、アメリカ国債の扱いや為替レートの調整に関して、すでに何らかの合意がなされている。中国とアメリカのコメントは、出来レースだ。最後には日本の資金が使い込まれる、壮大な振り込め詐欺だ。」と指摘します。

米国人が保有する対外資産(デリバティブを除く)
2008 2Q ▲1026.98億ドル
2008 3Q ▲ 95.05億ドル
2008 4Q ?

日本の統計による、米投資家(居住地ベース)の、本邦証券(株式及び債券)の、買い越し・売りこし(▲は売り越し)
(2005~2007年)+9.6兆円
(2008年1~11月)▲2兆1108億円

資本の流出入(▲は流出)(2008 2Q)
海外公的資本 +1400億ドル
民間資本 ▲1200億ドル

米国債保有残高(2008年11月末)
1位 中国 6819億ドル
2位 日本 5771億ドル

米国の貿易収支(▲は赤字)
2008年10月 ▲567億ドル
2008年11月 ▲404億ドル


(引用開始)

永遠には続かぬ米資本の本国回帰、ガイトナー発言で市場に緊張

[東京 28日 ロイター]
米金融危機でもドルが相対的な強さを保っている背景には、米国資本が在外資産を取り崩し、資金を本国回帰(リパトリエーション)させている現象がある。
この動きは為替市場で外貨売り/ドル買いをとなり、ドルの支援材料だ。しかし、対外純債務国である米国のリパトリはいずれ一巡することが予想され、その後は、円滑な対外借り入れの継続が米国にとって死活問題となる。
他方、ガイトナー新米財務長官は対米債権国である中国の通貨政策を名指しで批判、既に不安定化している外国資本の対米流入をいっそう冷え込ませるリスクを冒しているようだ。

 <リパトリの痕跡>
米国資本(米企業、ファンド等)のリパトリは、昨年前半から本格化している。
国際収支統計によれば、米国人が保有する対外資産(デリバティブを除く)は、2008年第2・四半期に1026億9800万ドル(約9兆円)減少し、第3・四半期にも95億0500万ドル減少した。対外資産の減少は、米国人が在外資産を取り崩して、資本を本国回帰させた証しだ。
1960年の統計開始以来、米国の対外資産が四半期ベースで減少したのは10期のみで、2期連続で減少したのは昨年が初めて。第2・四半期の減少幅は過去最大となった。
日本の統計では、米投資家(居住地ベース)が2008年1―11月に本邦証券(株式及び債券)を2兆1108億円売り越したことがわかる。米投資家の対日証券投資は一昨年まで活発で、2007年までの3年間に約9.6兆円買い越している。
米国人が特に昨年第2・四半期に大幅なリパトリを進めざるを得なかったのは、海外の民間資本が米国から撤退したためだ。
同期に、海外の公的資本は1400億ドル超流入したが、民間資本は1200億ドル以上の規模で米国から流出した。このため米経常収支赤字を決済するための資金が不足し、米国人が資本を本国回帰させたという構図だ。

 <ガイトナー発言の真意>
リスクに敏感な民間資本の対米流入が今後一段と不安定になることが予想される中、米財務長官に指名されたティモシー・ガイトナー氏は、日本と並んで世界最大級の対米債権国である中国の為替政策を批判した。
ガイトナー氏は22日、強いドルは米国の利益、との見解を明らかすると共に、中国が為替を操作しているとオバマ大統領は確信している、と述べた。
「広範にわたるエコノミストの見解に基づき、オバマ大統領は中国が為替を操作していると確信している。大統領は中国の為替制度改革を求め、利用可能なあらゆる外交手段を積極的に講じる姿勢を示している」とガイトナー氏は述べた。
この発言について、東海東京証券のチーフエコノミスト・斎藤満氏は「ドル安の進行は海外資本の円滑な流入を阻害するので、債権者にも配慮し『ドル高は国益』という看板を一応は掲げている」ものの、「2兆ドル規模に拡大する見込みの連邦政府の借金の負担を軽くする為に、米国にはインフレ待望論があり、このためにドル切り下げが必要との認識が根底にはある」と分析する。
一方、中国人民銀行(中央銀行)の蘇寧・副総裁は24日、このガイトナー氏発言について、誤解を招く発言だとし「発言は事実に反するだけでなく、金融危機の原因の分析を誤った方向に導く」と反論した。
中国の反論を受け、米国サイドは一転防戦に回った。
ギブズ米大統領報道官は26日、ガイトナー発言について、オバマ大統領が選挙期間中に示した見解を繰り返したのであって、正式な結論ではないとした。
ガイトナー発言を受け、米国が4月に発表する為替報告で、中国を為替操作国に正式認定するのではとの見方が高まっているものの、ギブズ報道官は、オバマ政権がそうするかは依然、議論の余地があることを示唆した。
中国の米国債保有残高は2008年11月末時点で6819億ドルと世界最大で、2位は日本の5771億ドルとなっている。
主な対米債権国が、保有米債を売れば、債券価格が下落し、自らのポートフォリオが傷むため、債権国は自縄自縛に陥り、大量に売却できないという思惑も市場にはある。
しかし、「中国が日本のように漫然と米国債を持ち続けるという思い込みが、全く的外れなことは追々証明されるだろう」(ファンド・マネージャー)との声も聞かれる。
米国のリパトリが一巡し、公的及び民間資本の対米流入が、米経常収支赤字の決済に十分な額に達していなければ、ドルが下落するだけでなく、米国は厳しい国内調整を強いられる。
米国の貿易赤字は昨年10月に567億ドルだったが、11月には404億ドルと急減し、調整の足音が聞こえてくる。

 (ロイター日本語ニュース 森 佳子)

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-09 10:28 | 経済状況

かげろう景気 景気拡大で経済犯罪 景気後退で暴露 信用創造サイクルと経済犯罪サイクル

今回の景気回復局面(そんな実感はありませんでしたが)は、「かげろう景気」なんだそうです。実感にとって実感のない側面を捉えた、ナイスネーミング(?)だと思います。

(引用開始)

「かげろう景気」与謝野経財相が命名、最長でも実感乏しく

与謝野経済財政相は30日の閣議後の記者会見で、戦後最長となった今回の景気回復局面について、「『ダラダラ陽炎(かげろう)景気』とでも言うんでしょうか」と、独自の命名を披露した。
陽炎は、あるかないか、はっきりと分からないものの例えに使われる。経財相自身は「命名」の根拠を明言しなかったが、景気回復実感の乏しさをなぞらえたとみられる。
07年10月まで5年9か月にわたった回復局面は、期間では高度成長期の「いざなぎ景気(65年11月~70年7月)」を上回ったものの、実質成長率は年平均で2%程度にとどまった。賃金上昇率はほぼ横ばいで低空飛行が続いた。

(2009年1月30日18時57分 読売新聞

(引用終了)

これまでも、過去の記事「実感なき景気回復 個人所得伸び率はマイナス さらなる人件費カットがありうる」(2006/11)などで述べていますように、

「個人消費は落ち込み続けています。個人消費落ち込みの原因は、所得(賃金)の伸び悩み・・・なのです。そして、ここからさらなる人件費カットがありうると予測します。・・・たとえば、正社員を減らして、派遣としたり、出向させたりすることで、年金保険料を含む社会保険料を簡単に減らすことが出来る。・・・まもなく、働いても働いても、豊かになれない・・・時代が来ると、予測しています。冷酷なようですが、それを避けることは出来ません。」

と述べた内容が、すさまじい勢いで現実になってきているのです。

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さて、これまで私が思っていたことのひとつに、

『景気拡大局面には、余剰利益や超過利潤が生まれやすい。それに伴い、使途不明金(=各種献上金)・利益供与・取り込み・使い込み・贈収賄・その他経済犯罪が生まれやすい。プラスのサイクルが回っているうちは、表に出てくることも少なく、各種利権団体の圧力によって握りつぶされることもあるだろう。
しかし、景気後退局面には、「カネの切れ目が縁の切れ目」ということで、それらの政治的・経済的な影響力が弱くなると同時に、それら経済犯罪の証拠がリークされ表に出てくることになる。』

ということがあります。その例は、快挙に暇が無いと思います。たとえば、

「特捜検察vs.金融権力/村山治」
「徴税権力―国税庁の研究/落合博実」

などを参照ください。

「かんぽ(簡保)の宿」の疑惑も、そのひとつかと思いましたが、政権を巻き込んだ疑惑だとすれば、その分根が深いのかもしれません。

(引用開始)

日本郵政の「かんぽの宿」を、オリックスの系列会社であるオリックス不動産に一括譲渡する、という新聞報道を見て私は直ぐに何か裏があるのでは、と疑惑を感じた。 オリックスと言えば、直ぐに宮内会長が浮かんでくる。小泉政権時代に規制改革にリーダー的役割を果たした。小泉さんの「民間で出来ることは民間で」というスローガンの元で民営化を進めたが、その過程で他社に先駆け、民営化の話題に上がった事業をオリックスの事業拡大に活用した、という疑惑がもたれていたのだ。

国民共同の財産である「かんぽの宿」を、小泉「改革」や郵政民営化を進めてきた宮内氏を会長とするオリックスに格安で一括譲渡しようとしていることにみられるように、「改革」や郵政民営化にまつわる利権問題・疑惑も発生した。

売却先が、投資ファンドや他の不動産会社であれば、何の問題もなかった。規制緩和の旗振り役を務め、「平成の政商」と呼ばれた宮内氏が会長しているオリックスだから問題になった。オリックスへの「かんぽの宿」の譲渡が報道されると、インターネット上には、「宮内氏の利権漁り」を糾弾する書き込みが相次いだ。

底なし沼の「かんぽの宿」疑惑。1万円の物件が6000万円に化ける、というフザケタ転売が明らかになったが、郵政がらみの怪しい施設はもう1件あった。鹿児島県指宿市の「指宿簡易保険保養センター」。日本郵政公社が2007年に全国178施設を一括売却した際、評価額1万円で売られた物件だが、調べてみると、昨年10月にリゾート風の和風温泉旅館に生まれ変わっていた。こちらもやはり転売。仲介に入った不動産業者が丸儲けしたのは間違いない。

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-02-04 00:55 | 経済状況