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世界同時国債増刷(1) 戦争並みのコスト 国債消化に懸念 入札未達も プライマリバランス達成不可能

「日本の長期資本市場はクラウディングアウトが起こる状況ではない(が、国債発行には)市場との対話を欠かさないで、慎重な対応が必要」(与謝野財務相、国債の安定消化に関連して)

「厳しい財政の中で15・4兆円もの補正はやりすぎだ。景気浮揚効果は限定的で、負担は将来に回る」(井堀利宏・東京大学大学院教授)

「(国内の経常黒字が減少傾向にあり、日本国債の消化について海外勢の比重が高まっている状況なので、)1990年代後半のような『デフレだから長期金利低下』とはならない可能性がある」(大手銀関係者)

「(解散・総選挙で仮に民主党が勝利し、追加の経済対策が立案された場合)赤字国債がさらに増発される可能性があり、国債(財政赤字)の大膨張が予測される」(市場関係者)

「補正での国債発行額は、市場の消化能力も見ながら慎重に判断しなければならない」(財務省幹部)

「誰も彼も政局と選挙のことしか頭にない」(財務省幹部)

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<世界各国では>

世界の経済危機対策費(WBS調べ)
世界全体 350兆円以上
 内 アメリカ 146兆円
 内 中国 57兆円   

何度も述べていますが、日本のみならず、世界各国で、国債増発競争が始まっています。100年に一度の金融危機と称して、戦時並みの経済対策とその財源が必要なのですが、戦時並みということは、平時の経験則が通じないという意味でもあるのでしょう。

国会答弁でも取り上げられたとして話題の本石町日記によると、『米議会調査局(CRS)が過去の主要な戦争のコストを計算したリポートがあり、その総経費と米政府が昨年打ち出した金融危機対策費を比べたもの。それによると、米主要戦争の総経費はインフレ調整済みで7.2兆ドル(700兆円ぐらい)。これに対して今回の金融危機対策費は8.5兆ドル(850兆円弱)となるそうだ』ということで、比喩ではなく、本当に戦時並みのコストがかかっているのだということです。

さて

世界各国では、国債増発競争のような感じになっており、「いったい誰がそれだけの国債を買うのか」という国債消化に関して、懸念が生じ始めています。

たとえば、ドイツ財務相は29日、(ドイツに限らず)各国政府が景気刺激策をファイナンスするために大量の国債を発行していることについて、
・投資家の購入意欲は限界に近づいている可能性がある
・これほどの規模の国債が発行されると、近い将来、それを買い入れることの出来る投資家がいなくなる
として、国債増発に注意を呼びかけています。

たとえばアメリカでは、FRBによる、連日の国債買い切りオペにより、市場にドルが供給されています。
・ニューヨーク連銀 3月27日 75億4100万ドル 2011年9月─2012年4月償還債 応札額233億6100万ドル
・ニューヨーク連銀 4月1日 60億0800万ドル 2012年5月─13年5月償還期限債券 応札額169億4800万ドル
・ニューヨーク連銀は4月14日 73億ドル 2013年9月─16年2月償還期限債券 応札額264億ドル

合計 今年で9回(4/14時点)買入総額 約510億ドル

FRBによる市場からのアメリカ国債買い入れ自体は、あまり問題ではありませんが、アメリカの大手民間調査機関であるコンファレンス・ボード(CB)は、
・金融緩和やドル安によってインフレ期待が高まった場合、2010年に第2のリセッション(景気後退)に陥る恐れがある
・景気支援を目的としたFRBの利下げや国債買い入れが望ましくない結果をもたらす可能性もある
・「米経済が過剰な速さで回復した場合、2010年に第2のリセッションが到来する恐れがある」
・「(急速な回復は)インフレ再燃の観測につながる可能性があり、そうなれば、景気回復への道と構図をめぐる不透明感が強まることになる」
・ドル安と金融緩和を背景に商品価格が上昇すれば、米経済は1980年と82年のように「2番底」に陥る可能性がある
などと指摘しています。

ヨーロッパに目を転じると、ECBは、今のところ、他の中銀のような資産の直接買い入れは実施していません※が、ECBのトリシェ総裁が「金融政策において非伝統的な措置を排除していない」と述べたことから、国債の買い切りを含む、いわゆる「非伝統的」な政策を考えているとされています。

※法律により、ECBが、各国政府から国債を直接購入することはできないが、金融機関が購入した国債の買い入れは可能。ECBが取り得る非伝統的な策としては
・流動性供給の期間を拡大
・社債買い入れ
・金融機関の社債買い入れ
・金融機関のバランスシート上にある資産の買い取り
・コマーシャルペーパー(CP)購入
・国債購入

イギリスでは、国債の入札に未達が発生しました。
・3月25日に実施された17億5000万ポンドの国債入札で、応札額が1億ポンド以上未達
・未達は2002年以来

イングランド銀行(中銀)のキング総裁が、イギリスの財政赤字の急拡大を指摘、追加財政出動による景気刺激策には慎重になる必要がある、と警告していた通りです。

<日本では>

・追加経済対策の財政支出規模を15兆円
・事業規模は56兆円程度

その背景として、過去の記事でも述べましたが、実質GDPは▲12・1%減(2008年4Q、年率)、需給ギャップ20兆円、という、先進国中最悪の経済状況があります。
加えて、G20金融サミットで、「各国が来年までに5兆ドル(500兆円)以上の景気刺激策を打つ(首脳宣言)」「GDP比2%の景気対策(米国が各国に要請)」をも盛り込んでいるのでしょう。

・財源は大半を建設国債や赤字国債の発行で賄う
・09年度補正予算案では、赤字国債や建設国債の発行額は合わせて10兆円以上
・経済緊急対応予備費1兆円、財政投融資特別会計の積立金を最大3兆円
・一部報道によると、財投債の増発額6兆円台

・当初予算と合わせた09年度の国債発行額は、過去最大の40兆円以上となる見込み
・08年度末の国・地方の長期債務残高は787兆円だが、更に借金が大幅に積み上がる

ということで、本予算成立直後の巨額補正が極めて異例ですが、それ以上に、国債の安定消化が大きな課題になっています。 赤字国債が巨額であり、国債発行額が過去最大(1999年度、約37.5兆円)を超え、長期金利の上昇をもたらす可能性もあると指摘されています。

<プライマリバランスと、国債に対する懸念>

ということで、「11年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標」は、実現が不可能でああることが、明白になりました。

「ぼろぼろになった旗(目標)だが一応立っている」とは、麻生首相のコメントですが、目標として死んでいるのですから、それは「立っている」とは言いません。「貴様(黒字化目標)はすでに死んでいる」なのでしょう。

市場の国債に対する懸念ですが、必ずしも悲観ばかりではなく、相反する見方があるようです。

楽観派は
・総額で20兆円までなら、サプライズはない
悲観派は
・国内の経常黒字が減少傾向にあり、デフレであっても長期金利が上昇する可能性もある
・国債の消化に関し、海外勢の比重が高まっている状況下では、国債が安定的に消費される保証はない

などということです。

<日銀券について>
ブログでも何度か言及していますが、日銀券ルールというものが存在します。(訂正しました5/1)

(日本)銀行券ルールとは:日銀が保有する長期国債残高(資産)<日本銀行券発行残高(負債)

白川総裁が指摘しているのは、財政ファイナンスのために日銀券ルールを撤廃する(=中央銀行が積極的に国債を買い入れる)と、「日本のように財政バランスが悪い国」においては、将来の金融システムに対する不安から、長期金利が上がるなどという影響により、逆に財政ファイナンスに悪影響を及ぼす、ということです。

B/S(バランスシート)上の対応では、

    負債       資産
長期的 日本銀行券    長期国債
短期的 準備預金など   短期国債

となっています。日銀券ルールは、中央銀行が国債を買い支えた「花見酒」の教訓から、妥当に思えます。

(日本銀行は「物価の安定をはかる」ことが使命のひとつですが、逆に言うと、「物価から見た日本銀行券の価値の安定を図る」とも解釈することが出来ます。うがった見方をすると、デフレになれば、相対的に日銀券の価値は上がるので、日本銀行としてはデフレ歓迎なのかも知れませんね)

最近、中央銀行が積極的に国債を買い入れ、紙幣をジャブジャブに刷って政府に横流し、それを財源に公共事業など対策を打つべし、という意見が散見されます。

そこまで行かなくても、リチャード・クーのように、「バランスシート不況下では、会社・個人は貯蓄を選好してカネを使わないため、インフレが起きない。だから、国家が、会社・個人の貯蓄を吸い上げて、財政出動するべき」という意見が出てきます。

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ということで、ここまでの取りまとめをしますと、

(世界)
・世界同時不況には、世界同時に戦時並みの対策費が必要
・各国はすさまじい量の国債を発行しなければならず、消化懸念が生じ始めている
・中央銀行による買い入れが行われているが、一部に未達も見られる
(日本)
・日本においては、プライマリーバランス黒字化目標は達成不可能
・それどころか、日本銀行券残高以上の長期国債を買い入れるべしとの意見も見られる
・国が国債を発行して、民間の貯蓄を吸い上げ、財政出動することは正しいとの意見も見られる

日本のみならず、世界で増発されるすさまじい量の国債は、世界のどこかにいる投資家が、残らず買ってくれるのでしょうか?それできちんと償還されるのでしょうか?日本のプライマリバランス未達成は、どのような結果をもたらすのでしょうか?PB赤字でも問題ないのなら、そもそもなぜそんな目標が立てられたのでしょうか?裏づけのない紙幣を増刷することは、何が悪いのでしょうか?国が民間の貯蓄を吸い上げて使ってしまうことは、問題があるのでしょうか?世界全体で「利益の先食い」をしたツケを払うのに、また「先送り」をしていて、本当に解決になるのでしょうか?そして、デリバティブでも隠し切れなかった損失を国家に「飛ばし」たところで、本質的に何か意味があるのでしょうか?

もっと簡単に言うと、このような解決策で、維持可能性があるのでしょうか?引き続きのエントリーで述べたいと思います。

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本エントリーは文字数が多いため、関連・引用元となったニュースの題名・URLのみ記載しておきます。

(海外)

各国政府の国債増発、市場の消化能力は限界に近づく=独財務相
英国債入札の未達は「一時的な現象」=ソロス氏
米経済、2010年に第2のリセッション到来の恐れ=CBリポート
情報BOX:ECBが講じる可能性のある非伝統的措置
米FRB、73億ドルの国債買い入れ

(日本)

年末─来年には景気に明るさ、追加国債発行は10兆円超=財務相
国債発行計画見直し論議へ、財務省が17日に特別会合
株と債券の先行きめぐり異なる見方交錯、相場はこう着感
追加経済対策:15兆円、両刃の剣 国債大量発行、景気回復阻害も
追加経済対策:財政支出15兆円 贈与減税「住宅限り」
UPDATE3: 銀行券ルール撤廃すると財政ファイナンスや長期金利に悪影響=白川日銀総裁
補正予算指示 危機克服へ異例の巨額 赤字国債 乱発なら信用低下
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by kanconsulting | 2009-04-20 09:20 | 経済状況

SDR2500億ドルのバラマキ 信用創造の悪魔 ゴールドの奪い合いか

2年ほど前に、SDR(IMF特別引出権)について、次のように述べました。

SDR:Special Drawing Rights (of the International Monetary Fund)
(Sony Dream Robots (QRIO)ではありません)

(転載開始)

「日本の外貨準備高は5934億SDR(9545億ドル) IMF国際通貨はすでに存在する? 日本円のプレゼンス低下」

さて、
「あれ?財務省発表の外貨準備はドル建てなのに、IMF発表の外貨準備は、SDR建てという変な単位になっているぞ。」
とお気づきでしょうか。このSDRとは、何でしょうか。

『1969年、IMFは加盟国の既存の準備資産(公的金保有、外貨、IMFのリサーブポジション)を補完するために外貨準備資産としてのSDRを創設しました。SDRの価値は主要国通貨のバスケットに基づいて決められ、IMFほか多数の国際機関における会計単位として使われています。(中略)

SDRは通貨ではなく、またIMFに対する請求権でもありません。むしろ、潜在的には加盟国の通貨を自由に使用できるという権利を持ち、保有国はSDRを外貨と交換できるようになっています。準備資産としてのSDRの価値はSDRを保有し、受け入れ、SDRシステムの運用についての様々な義務を果たすという加盟国の確約に基づいています。自由に使用できる通貨に対するSDRの請求権は以下の2つの方法によって与えられることをIMFは保証しています。強い対外収支ポジションにある加盟国を指名し、弱いポジションにある加盟国からSDRを買い取る方法、あるいは、管理された市場において参加国間での自主的な交換の取り決めにより行なう方法です。(IMFホームページより)』

「米ドル準備資産の継続的増加によって米国の国際収支が絶えず赤字となり、そのこと自体が米ドル価値への脅威となりました」とあるように、基軸通貨は、かならず経常収支赤字となり、そのこと自体が、基軸通貨への信認を失わせるというのは、皮肉なことに、IMFの想定範囲内でもありました。逆に、経常収支を改善しようとすれば、世界全体が通貨不足に陥るというジレンマもあります。アメリカという一国の財政と、世界経済をリンクさせることに、そもそも無理があったのかもしれません。

「SDRは通貨ではない」とあるものの、「個人取引での利用を促進しようという努力」という記載があるように、通貨バスケットで国際決済を行わせ、基軸通貨ドルの代替をしようとしたという形跡が見られます。機軸通貨の重責を、ほかの通貨にも背負ってもらうことで、世界経済が安定化するなら、儲けものです。

(転載終了)

本日のSDRの為替?レートはこちら

SDRの内訳(通貨バスケット)

        2006 2001 1996
米ドル    44   45   39
ユーロ    34   29   --
ドイツマルク --   --   21
仏フラン   --   --   11
日本円   11   15   18
英ポンド   11   11   11

---

このように、IMFは、1969年、外貨準備資産として、SDRを創設しました。IMFや国際機関における会計単位として使われるほか、各国の外貨準備量の表記単位としても用いられることがあります。ですが、国際決済に頻繁に使われることはないようですので、「国際通貨の成り損ない」という指摘もあります。SDRの価値は、上に示したように、通貨バスケット(現在は、ドル、ユーロ、日本円、イギリスポンド)に基づいて決められており、為替レートの変動に応じて日々更新されます。バスケットの構成比そのものは、5年に一度見直しされます。

上にも述べましたが、「個人取引での利用を促進しようという努力」という記載があるように、通貨バスケットで国際決済を行わせ、基軸通貨ドルの代替をしようとしたという形跡が見られます。ということは、SDRが国際基軸通貨にならなかったのは、シニョリッジ権限を手放したくないアメリカの意向、と思って間違いではないでしょう。

(IMFそのものはアメリカの下部機関ではありませんが、世界経済奥の院にとっては、どちらも配下のようなものでしょうから、SDRが国際決済通貨になっても、あまり違いがないのかもしれませんが)

さて、最近、SDRが話題になっています。たとえば、

・SDRをアメリカドルに代わる基軸通貨にすべき (中国人民銀行 周小川総裁)
・SDRの通貨バスケットに中国人民元を加えるべき (ノーベル経済学賞 ロバート・マンデル)
・SDRの構成資産にルーブルや人民元、金などを含めるべき (ロシア政府)

などです。(しかし、ロシア以外のG20各国首脳は、当面はドルが基軸通貨であり続けるとの立場です。)

人民元のSDR参入問題に関しては、

・まだ市場で自由に交換できない
・完全なフロート(変動相場制)でもない

として、あまり現実味がありませんが、そのような提案を行った中国政府の意図として

・コインの裏表である、米国の弱さと、中国の強さを、切り分けたかったのではないか
・機軸通貨発行国である米国経済の悪化と、世界金融の悪化を、切り分けたかったのではないか

という見方があります。

さて、先般行われたG20金融サミット(20カ国・地域の首脳会合)で、「IMFの融資枠を拡大する一環として、SDRを新たに2500億ドル配分する」ことが決定されました。

もともと信用創造とは、自分の靴の紐を上に引っ張ることで自分が空を飛ぼうとする「ブートストラップ」に似たところがあります。キリスト教になぞらえると、無から有を創造することは、信用創造主の御技と言えるかも知れません。ですが、信用創造が、神の御技ではなく、欲望にかられた悪魔の技でしかないとしたら、どうでしょうか?

もっと簡単に言いますと、SDR2500億ドル分の配分は、あまり裏づけがありません。そもそもIMFには、それほどの資産がありません。
イメージとして言うなら、資金繰りに困った中小企業の社長同士が、おたがいに同額の小切手を発行し交換するようなものです。ですので、

・借金でまかなうというのなら、問題の先送り
・そうではなく、各国通貨の信用に転嫁するというのなら、「壮大な飛ばし」
・いずれにしても、通貨全部を巻き込んだ信用瓦解になりかねない

さらに、「G20はIMFに対し、最貧国向け融資資金の調達や保有する金の売却を加速するよう求めています」とありますが、注意しなければならないのは、「IMFにはすでにゴールドが残っていないのではないか」ということです。IMFの公表する金地金保有量として、

・IMF 3217トン
・(参考)アメリカ 8143トン

とされていますが、その数字を信じるとしても、ゴールド3000トンは約10兆円(約1000億ドル)ですから、全然足りません。さらに、このゴールドさえも、これまでの通貨危機などで使ってしまったのではないでしょうか?

現物資産の奪い合いという、隠れた面が見え隠れします。

関連したニュースを転載します。

(引用開始)

中国人民元を来年SDR通貨バスケットに加えるべき=マンデル氏
2009年4月7日23時55分

[香港 7日 ロイター] ノーベル経済学賞の受賞者で「ユーロの父」と呼ばれるロバート・マンデル氏は7日、世界的な準備通貨の創設に向け来年、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットに中国人民元を加えるべき、との考えを示した。
当地での記者会見で、変動の大きい為替相場が昨年9月以降の世界的な金融危機の一因になったと指摘。「今こそ変革の時である。人民元は現在、世界で3番目に重要な通貨といわれ、見方にもよるが日本円より重要といえる。2010年に人民元をSDRに加えるべきだと確信する」と語った。
バスケットの構成は5年ごとに見直され、次の見直しは来年後半。SDRの構成について、同氏は、1)ドルの比率を現在の45%から40%に引き下げ、2)ユーロの比率を29%に据え置き、3)円の比率を15%に据え置き、4)英ポンドを除外もしくは比率を現在の11%から5%に引き下げ、5)残りを人民元とすべき──としている。

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金融サミット、財政支出の数値目標には合意できず=渡辺前財務官
2009年3月27日18時55分

[東京 27日 ロイター]
(中略)
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁の最近の論文が発端となり、中国政府内で国際通貨基金(IMF)の準備資産であるSDR(特別引き出し権)をドルに代わる基軸通貨にすべきだとの構想が浮上している。中国の主張の背景について渡辺氏は「正直わからない」としながらも、「中国はまだ10年くらい米国にとって最大の貿易相手国であることは間違いない。そのため常に米国の弱さ批判は、必ず中国の強さ批判となって跳ね返ってくるところがある。そこは切り分けたかったのではないか。米国(経済)が悪くなるかどうかという話と、世界全体の金融が悪くなるかどうかと言う話を遮断したほうが中国にとっては良いという判断が発言につながったのではないか」と推測した。
SDRは外貨不足の国が余裕のある国から外貨を受け取る権利のこと。IMFが金やドルなどを補完する2次的な準備資産として1969年に創設した。
現在はドル・ユーロ・円・英ポンドの4通貨で構成されているが、中国にはこれに人民元を加えたいとの狙いがあるとの見方に対しては「人民元はまだコンバーティブルではなく市場で自由に交換できない。完全なフロートでもない」とし、中国が人民元をSDRに入れるべきだと強調すればするほどこの2つの問題が表面化するため「中国は多分それに乗れない」とみて「そこまで中国が考えているわけではない」と分析した。

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ロシア大統領、新たな基軸通貨の創設を重ねて支持=英BBC
2009年3月30日10時15分

[モスクワ 29日 ロイター] ロシアのメドベージェフ大統領は29日に放映された英BBCとのインタビューで、新たな基軸通貨を創設する案に対して重ねて支持を表明した。
同大統領は「この問題について、ブラウン英首相をはじめ他の首脳とも意見を交わしたばかりだ。われわれは当然現実的であり、自分自身の立場、および中国首脳の立場も現実的であることを願っている」と述べた。
その上で「現在の通貨体制が、現在起こっている問題に対処しきれていないことは明らかだ。ドル、ユーロ、ポンドなど、さまざまな通貨があるのは幸いだ。ただ将来的には、国際通貨体制は、他の地域で準備通貨として使われている通貨をも含む多通貨バスケット制に基づくものにならなくてはならない」と述べた。
「この点で合意が得られれば、いわゆるスーパー通貨の創設について、将来的に議論を開始できる可能性がある」と述べた。 
ロシア政府は3月16日に発表した20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)に向けた提言の中で、国際的な金融機関が発行する新たな通貨の創設を提案している。G20首脳会合は4月2日、ロンドンで開催される。
その後中国がG20を前に、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を基軸通貨とする国際通貨体制への移行を提案し、議論を呼んでいる。
ロシア以外のG20各国首脳は概ね、当面はドルが基軸通貨であり続けるとの立場を明確にしている。
この件に関して、通信社各社は、ロシア大統領府幹部が28日、ロシアはIMFのSDR使用拡大を支持するものの、今回のG20会合で新たな準備通貨の創設が合意される可能性はないとみている、と発言したと伝えている。

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ロシア、SDRにルーブル・人民元・金を含めることを支持
2009年3月30日12時35分

[モスクワ 28日 ロイター] 通信各社によると、ロシアは国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成資産にルーブルや人民元、金などを含めることを支持している。ただ、4月2日の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で新たな準備通貨が受け入れられる可能性はないとみている。ロシア政府高官が28日に語ったとして各社が報じた。
ロシア通信(RIA)によると、アルカジー・ドボルコビッチ大統領補佐官は「(SDRを構成する)通貨を拡大することは論理にかなっている。ルーブルや人民元、恐らくその他の通貨も含めることが可能だ」と語った。
金融サミットで新たな準備通貨が受け入れられる可能性はないとしたものの、同氏の発言はこの問題をめぐる議論が金融サミットで注目を集めることを示唆している。
また、タス通信によると、同氏は、ロシアとしてはルーブルと人民元を準備通貨として幅広く用いることを支持すると述べた。


(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-04-13 11:00 | 経済状況

経常赤字1728億円 貿易赤字8444億円 金利収入生まれず 株式運用は悲惨 機関投資家の惨憺さ

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図は読売新聞より

2009年1月の国際収支(速報)によると、

経常収支 ▲1728億円 (単月度赤字は85年1月以降では4回目)
 所得収支 9924億円 前年同月比31.5%減
 貿易・サービス収支 ▲1兆1002億円 (1985年1月以来最大、赤字は4カ月連続)
  うち貿易収支 ▲8444億円
   輸出 3兆2822億円 前年同月比46.3%減
   輸入 4兆1266億円 前年同月比31.7%減
  うちサービス収支 ▲2558億円 赤字額2.7%拡大

経常収支:海外とのモノ・サービス・投資など全体の取引状況を示す
所得収支:海外投資から受け取る利子・配当などの収益を示す (海外子会社からの配当収入、債券利子の受取額など)

このように、
「日米欧は政策金利を引き下げており、金利収入が生まれない状況」
「株価も世界同時安の様相を呈しており、海外からの投資回収も困難な状況」
という経済環境からは、当然ともいえる結果となっています。

実は、このようなときこそ、「国債売り、株式買い(日本株ではないですよ!)」の好機なのですが※、多くの人と機関投資家が、これまでになくリスクに敏感になり、現預金と国債を離さない状況ですから、「わかっちゃいるけど、できない」のだと思います。

(年金基金、生命保険などの運用状況は、惨憺たるものですが、その帰結については別途述べます)

メーカーの現場の声を聞いていますと、少しずつではあるが商品が動き出しており、トンネルの先が見えてきた、という表現がマッチします。景気が回復してきたのではないか?と思うにはまだ早計ですが、その成分の大半が「期待料」である株価などは、「人々の(甘い)期待」を織り込んで回復基調になってもおかしくありません。

(アメリカドルを含む各国家の通貨システムに、CDOを含む各種不良債権のツケを回した形となった『壮大な飛ばし』であることは、これまでに何度も述べていますが、その根本は何も解決していないのが現状です。そのことについては、別途述べたいと思います。)

さて、これまでに、
「日本が成熟債権国となっていく」
「世界の中での日本をめぐるマネーフローが、大きな転換を迎える」
「当然、(日本の)株式や、(クロス円の)為替の水準も、変わっていく」
「日本が貿易赤字に転落する、ターニングポイントが近い」
「アメリカ・アメリカドル・その国際政治経済システムのために、日本は犠牲にされる可能性がある」
などと述べてきました。たとえば、

(転載開始)

景気は急速に悪化 下半期は貿易赤字 中小企業は壊滅的

貿易黒字が、急速に減少しています。下半期だけで見ると、貿易赤字です。記事にもありますが、波及効果の大きい自動車製造業から、製造業全体に影響が及び、ついで非製造業に、負の連鎖が広がっていくのでしょう。
ということは、今年(注:2009年)は、日本が貿易赤字に転落する、ターニングポイントなのでしょう。これまでも述べましたが、世界の中での日本をめぐるマネーフローが、大きな転換を迎えるのだと思います。

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経常黒字減少 貿易収支赤字続き 海外への資金流出21兆円 経済状況の発展段階説

今後、日本も成熟債権国となっていくにあたり、日本からみたマネーの大きな流れが変わる、大きな節目にきているのだと思います。当然、株式や為替の水準も、変わっていくでしょう。このあたりは、「経済状況の発展段階説」に関連した過去の記事を参照ください。

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日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り

10月の貿易収支は、大きく赤字となりました。もちろん、単月度の赤字であれば、別に気にする必要はありません。しかし、これから当分の間、「日本が貿易赤字国」という傾向が続くとするならば、多方面にいろいろな影響が出てくることと思います。

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ドル安・資源高 信用不安とスタグフレーション

・次の円安サイクルでは、日本は経常赤字(=貿易赤字)国になる可能性も
・人口動態や国としての成長力を考えると、対ドルはともかく、他通貨に対しては、減価していかざるを得ない

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世界の財政出動 アメリカの膨大な赤字 日本の行く末

このブログでは、ドル基軸通貨の維持可能性と、アメリカ覇権システムの安定性について、重大な疑問を投げかけています。ですが、「アメリカより日本が良い」ということにはならず、『アメリカとその国際政治経済システムのために、日本は犠牲にされる可能性がある』とも、述べてきました。
たとえば、日本の貿易収支赤字転落があるでしょう。

(転載終了)

ですが、ファンダメンタルではそう言いえても、何かきっかけがないと、なかなか(ファンダメンタルから見た)本来の水準に動かない、ということも、ご存知と思います。次のイベントは何でしょうか?もし私が世界経済の奥の院であれば、どのようにイベント・ドリブンで儲けようと思うのでしょうか?皆様も考えて見られると面白いと思います。

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

国際収支13年ぶり経常赤字 輸出減速鮮明に
2009.3.9 21:06

財務省が9日発表した1月の国際収支速報は、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支が輸出の大幅な落ち込みから1728億円の赤字となった。経常赤字は平成8年1月以来、13年ぶり。赤字額は、比較可能な昭和60年1月以降では最大となった。海外とのモノやカネの流れが停滞し、日本経済の苦境が鮮明となった。
経済成長の牽引(けんいん)役を担っていた輸出は自動車や電子部品などの落ち込みから、前年同月比46・3%減の3兆2822億円と急減した。輸入も原油価格の下落で31・7%減の4兆1266億円となった。この結果、輸出の減少幅が輸入を大きく上回ったため、貿易収支は8444億円の赤字だった。
また、海外投資から受け取る利子・配当などの所得収支の黒字幅も減少した。金利低下や不景気による海外現地法人からの配当金などが減ったためで、所得収支は前年同月比31・5%減の9924億円と失速した。
世界的な景気悪化で工場の減産などに伴う雇用調整が広がり、各国の個人消費は冷え込んでいる。日本は米国市場を中心とした外需の後退による輸出減で、国内景気の悪化が急速に進んでいる。
深刻化する金融危機に対応するため、日米欧は政策金利を引き下げており、金利収入が生まれない状況となっている。株価も世界同時安の様相を呈しており、海外からの投資回収も困難な状況にある。

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1月経常収支 13年ぶり赤字 海外依存経済 長引く低迷
2009/3/10

財務省が9日発表した2009年1月の国際収支速報は、海外とのモノやサービス、投資収益の取引状況を示す経常収支が輸出の大幅な落ち込みから1728億円の赤字となった。経常赤字は1996年1月以来、13年ぶりで、赤字幅は比較可能な統計の85年1月以降で最大。世界同時不況による輸出の縮小が主な要因で、外需依存型経済の脆弱(ぜいじゃく)性を改めて浮き彫りにした。
経済成長の牽引(けんいん)役を担っていた輸出は、自動車や電子部品などの落ち込みから、前年同月比46.3%減の3兆2822億円と急減した。地域では米や欧州、アジアがともに落ち込んだ。輸入も原油価格の下落で31.7%減の4兆1266億円となったが、輸出の減少幅が輸入を大きく上回り貿易収支は85年以降で最大となる8444億円の赤字となった。
サービス収支は2558億円の赤字で赤字額は1.7%拡大した。世界的な景気悪化で工場の減産などに伴う雇用調整が広がり各国の個人消費をさらに冷え込ませている。日本は、米市場など海外の需要減による輸出縮小で、国内景気が急速に悪化している状況だ。
さらに、海外投資から受け取る利子・配当などの所得収支の黒字幅が3割も減少。金利低下や不景気による企業業績の悪化で配当が減少したことなどから、所得収支は前年同月比31.5%減の9924億円となった。
主要国は金融危機や景気回復へのてこ入れ策として政策金利の引き下げを進めており、金利収入が入りにくい。モノの輸出に加え、海外からの投資回収が難しい状況でカネの流れも停滞している。結果として1月の経常収支は、前年同月の1兆1637億円の黒字から1728億円の赤字に転落。最大の赤字だった96年1月の赤字額256億円を大きく上回る規模となった。
財務省は「世界的な経済の影響で輸出が落ち込む傾向は続く」とみている。2009年の経済見通しでは先進国はマイナス成長になるとの見方が強く、外需主導による早急な経済の立て直しは望めない状況だ。
政府・与党は新たな追加経済対策で内需喚起による景気回復を目指すが、政府内には「財政出動で内需を下支えしても、今回の景気悪化は外需が原因で根本的な解決にならない」と悲観的な意見もある。景気浮揚に向けた短期的な経済対策とともに、人口減少に伴う市場規模の縮小が進む日本の経済構造に対応した新たな成長戦略が必要になっている。

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経常収支、13年ぶり赤字…輸出急減響き1728億円

財務省が9日発表した1月の国際収支(速報)によると、海外とのモノ、サービス、資金の取引状況を総合的に示す経常収支は前年同月比1兆3365億円減少し、1728億円の赤字に転落した。
世界的な景気悪化で日本からの輸出が急減したことが響いた。
経常赤字は1996年1月以来13年ぶり。赤字額は96年1月(256億円)を上回り、比較可能な85年以来で最大となった。
経常収支が赤字に転落した主な要因は、モノの取引を示す貿易収支が過去最大の8444億円の赤字となったためだ。貿易赤字は昨年11月の934億円、12月の1979億円に続き3か月連続で赤字幅は拡大の一途をたどっている。1月も自動車や半導体などの輸出が米国や欧州、アジアなど全地域向けで大きく落ち込み、輸出額は同46・3%減の3兆2822億円と大幅減となった。輸入は原油価格の低下などで31・7%減の4兆1266億円で、輸出の落ち込みが輸入減を大幅に上回った。
サービス収支も2558億円の赤字となった。円高で日本への観光客が減り、赤字額は前年同月より1・7%拡大した。
海外との資金の流れを示す所得収支は9924億円の黒字を維持したが、黒字額は31・5%減少した。主要国の金利低下で海外から受け取る利子収入が減少。世界不況による企業業績の悪化で海外子会社から受け取る株式配当も減った。円高で受取額全体が目減りしたことも影響した。
市場では、輸出の大幅な落ち込みが当面避けられないとして、2月以降も経常赤字を予想する声が広がっている。第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミストは「世界経済の低迷を受けて海外金融資産の運用益が目減りし、頼みの綱だった所得収支の黒字も落ち込む。海外経済への依存度が高い日本経済の脆弱(ぜいじゃく)さを象徴している」と指摘する。
経常収支は、貿易収支、所得収支、サービス収支を合算して算出し、赤字は4回目。1月は工場の年始休みなどにより輸出が少なくなる傾向があり、過去の経常赤字はすべて1月だった。

(2009年3月9日11時48分 読売新聞)

(引用終了)

※投資は自己責任でお願いします
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by kanconsulting | 2009-04-10 07:47 | 経済状況

実質GDP成長率見通し 日本は-6.6% 先進7カ国中最悪

以前の記事で、次のように書きました。

(転載開始)

「日本とアメリカ 産業構造と潜在成長力 弱い潜在成長率とマイナス実質経済成長率予測」

最近のニュースによると、日本の潜在成長力が、徐々に下がってきているということです。そもそも、実質経済成長率はマイナス予測ですが、紙幣をばら撒いて潜在需要を喚起しても、「力強い成長」には程遠い、といったところでしょう。

(潜在成長率)
07年度 1.6%
08年度 1.2% (民間予測)
09年度 0.9% (民間予測)

(実質経済成長率)
08年度 -1.8% (日銀金融政策決定会合)
09年度 -2.0% (同上)

潜在成長力とは?
普通、生産設備などの資本には余剰・遊休があり、労働力にはリストラやミスマッチによる失業分があります。今現在の経済で、こういった資本の余剰や失業がなく、フル活用されたと仮定した場合に、そのGDPを「潜在GDP」、インフレ率の変化なしに達成できる実質成長率を「潜在成長率」と呼びます。
実際の実質成長率=潜在成長率+GDPギャップ
「実質」とあるのは、貨幣換算のGDPの増大(減少)を、価格上昇(下落)分と生産増大(減少)分に切り分けて、生産増大(減少)分のみを抽出した、という意味です。

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「戦後最大の経済危機 実質GDPマイナス12.7% 分かっていた数値悪化」

(2008年10~12月の)「実質GDP12.7%減」という見出しがショッキングですが、四半期(3ヶ月間)の数字を年率に換算した数値であり、実際の年間の実質GDPは0.7%減となります。それほど、昨年秋以降の落ち込みが激しかったということでしょう。

(中略)GDP変動率を金額に換算すると、

・設備投資 ▲8兆円 ここ数年が過大であり、2009年もマイナスが続く
・純輸出 ▲12兆円 2009年もマイナスは続くが、2009年は半分位で収まる
計付加価値 ▲20兆円
(売上換算 ▲30兆円 (日本企業の売上高付加価値率から逆算))

(中略)

【実質GDP 四半期(季節調整値)】
・前期(7~9月期)比 ▲3.3% (=年率換算▲12.7%)
・09年1~3月期も大幅なマイナス成長の見通し

【実質GDP 2008年通年】
・▲0.7%
・1999年(▲0.1%)以来、9年ぶりのマイナス成長

(転載終了)

毎日新聞エコナビによると、「今回の日本の景気拡大期の実質国内総生産(GDP)伸び率に占める輸出の寄与は61%」と、過去の好景気(いざなぎ景気(同寄与率8%)、バブル景気(同12%))をはるかに超える高い輸出依存度だったことが指摘されています。

何度も書いていますが、無駄遣いのアメリカを、日本(やアジア諸国)が支えた、という「いびつな構造」の巻き戻しなのだと思います。

さて、GDP見通しについて、現在、もっと悪い数字が出てきています。経済協力開発機構(OECD)によると、2009年、日本は6.6%のマイナス成長だということです。

実質GDP成長率見通し(%)

        08年  09年  10年
日本     ▼0.6 ▼6.6 ▼0.5
米国      1.1 ▼4.0  0.0
ドイツ     1.0 ▼5.3  0.2
フランス    0.7 ▼3.3 ▼0.1
イタリア   ▼1.0 ▼4.3 ▼0.4
英国      0.7 ▼3.7 ▼0.2
カナダ     0.5 ▼3.0  0.3
ユーロ圏    0.7 ▼4.1 ▼0.3
OECD全体  0.9 ▼4.3 ▼0.1


以前に、

『私たちが気をつけなければならないのは、・・・「フロー面からは、雇用リスクへの備え」「ストック面からは、デフレ経済への備え」・・・なのだと思います。

特に、「信用崩壊スタート(2007~)→金融機関など資本毀損・有価証券価値暴落→企業の生産調整・雇用カット(2008~顕著に)→家計への波及(日本では今年から顕著に)→デフレスパイラル再来」のサイクルを考えた場合、家計への波及が始まることで、デフレ再突入が確実なものとなります。』

と述べた通りになってきているのだと思います。

関連した過去の記事も参照ください。

日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り

(引用開始)

OECD:「日本、GDP6.6%減」 先進7カ国中最悪--09年見通し

経済協力開発機構(OECD)は31日、10年までの加盟各国の経済見通しに関する報告書を公表した。日本の09年の実質GDP(国内総生産)は6・6%減と戦後最悪を見込み、昨年11月時点の見通し(0・1%減)から下方修正。日本経済は需要不足で物価が持続的に下落し、景気が停滞するデフレ不況に再突入するとの見方を示した
今回の報告は世界経済が「この50年間で最も深く広範囲の景気後退にある」と指摘。なかでも輸出依存度の高い日本の成長率は09、10両年ともに金融危機の震源地の米国やドイツ、英国など欧州各国を下回り、先進7カ国で最悪となると予想。日本経済全体の需要と供給の差を示す「GDPギャップ」は09年にマイナス7・9%、10年に同9・6%と過去最大に拡大。完全失業率も10年には5・6%と、過去最悪だった02年度(5・4%)を上回るまで上昇するとした。
不況への政策対応では、日銀がデフレが完全に収束するまで政策金利をゼロ近くで維持し、流動性を増加させることを求めた。一方、財政出動については「余地が限られている」とし、低所得家計を支える「所得税の税額控除」導入など税制・社会保障制度の改革と、サービス分野の競争力強化のための構造改革が必要とした。【尾村洋介】

毎日新聞 2009年4月1日 東京朝刊

(引用終了)
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by kanconsulting | 2009-04-02 23:28 | 経済状況