<   2010年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧

日本経済の行く末 財政健全化目標、景気堅調でも達成できず 連鎖破綻の時代に生きる

a0037933_1314192.jpg


グラフは毎日新聞より

少し前の数字になりますが、今後の日本の財政運営について、2011年度予算編成の概要は次の通りです。

・新規国債発行額
 44.3兆円(2010年度実績)以下に抑制
・国と地方を合わせたプライマリーバランス
 2015年度までに赤字を半減(2010年度を基準)
 2020年度までに黒字化
 2021年度以降 国と地方を合わせた長期債務残高をGDP比で安定的に低下
・国の一般会計から国債の利払い費などを除いた経費(歳出の大枠)
 2011年度から3年間は71兆円(2010年度実績)程度を上限

しかし、次のように指摘されています。

・2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長を実現した場合、国・地方を合わせたプライマリーバランス 
 2015年度 ▲15兆円   2010年度の30.8兆円の赤字からは半減
 2020年度 ▲13.7兆円 黒字化は達成できない

このような財政状況を放置すれば、国債の信認が低下し、急激な金利上昇を招くとも指摘されています。(現在は、逆に「質への逃避バブル」ということで、国債の金利は下がってきていますが)

・「現在の危機的な財政状況を放置すれば、国債の信認低下や金利の急激な上昇を招き、財政がさらに悪化して政策の自由度が制限されるだけでなく、社会保障をはじめとする公共サービスの実施が不可能になるという最悪のシナリオも想定しうる」(中間報告)
・「現在の財政状況を放置すれば、欧州の一部で生じているような市場を通じた国債の信認低下や金利の急激な状況を招き、財政がさらに悪化する」

そのため、相当程度の増収に結び付く税制の抜本的な改革(=増税)が必要と結論付けています。

・「相当程度の増収に結び付くよう、税制全般にわたる税制の抜本的改革を行い、『支え合う社会』の実現に必要な費用を国民の間で広く分かち合う必要がある」
・消費税 現行5%の税率引き上げは不可避
・所得税 現在40%の所得税の最高税率引き上げも念頭に見直し
・法人税 税率引き下げを行う場合、課税ベースの拡大と併せて実施すべき

ですが、「増税で回復する景気は存在しない」という、厳然たる事実を直視する必要がありそうです。(税金の話は、詳しくはエントリーを改めたいと思います)

管首相が「増税と景気回復は両立可能」と考えるその根拠を一言で言うと『上手に財政運営すれば、増税のマイナス分を補ってあまりある乗数効果も可能だ』ということであり、常識と反します。特に消費税増税のようなフラット税を引き上げた場合のマイナス効果は計り知れません。加えて、トリクルダウン効果を期待する根拠が弱いところで、消費税増税分を法人税減税の財源としたならば、景気回復って何?という話になることでしょう。

(このように書くと、「お前のブログでは、財政規律を尊重し、増税もやむなしという論調ではなかったのか?」と思われる方もいるかもしれません。そうではありません。このブログは「国の財政が破産するリスクがあり、その確実性・根拠と回避方法を研究する」という趣旨になっています。)

さて、上で「多少の増税では、政府の借金は減らない」と指摘しましたが、加えて「国は国民の財産を収奪するつもりである」という指摘をしたいと思います。後者の指摘も、私はこのブログで何年も前から繰り返しているところですので、特に目新しさはありませんが、最近になって真実味を増してきたのではないか?と考えています。

政府債務 約1000兆円 中央+地方 注:国民年金負債はカウントせず

民間資産 約1400兆円 注:ローン等考慮せず(負債を差し引いた純資産ではない)
 現預金 約 800兆円
 株式等 約 200兆円 株式+投資信託+国債
 保険等 約 400兆円 保険+年金

そして、国は国民の財産を収奪するなら、

・数字で分かりやすく、抵抗も強い増税
・インフレ・金利アップ(・為替安)による実質減価

のどちらがスムーズに進められるか、分かりそうなものです。つまり、消費税増税の議論は、ダミーの可能性があります。(財務省は本気で消費税を上げたいと思っていると思いますが)

(引用開始)

〔焦点〕目標達成への道筋なき財政運営戦略、試金石の11年度予算編成
2010年 06月 22日 10:57 JST
[東京 22日 ロイター]
菅直人首相が「財政再建の道筋を示す」と宣言し、22日の閣議で決定された「財政運営戦略」は、高い目標とは裏腹に、目指す「頂上」への道筋が不明確で、早くも達成が疑問視されている。具体的な歳出削減策や歳入改革は踏み込み不足で、試金石となる2011年度予算編成において、菅首相が打ち出した新規国債発行額を10年度の44.3兆円以下に抑制するとの課題がクリアできなければ、財政再建はいきなり挫折しかねない厳しい状況に直面している。
(中略)だが、この枠組み設定だけで、目標達成を実現することは「相当に難しい」(政府関係者)という声が、政府部内にも根強くある。財政健全化目標と同時に政府が公表した「経済財政の中長期試算」によると、18日に閣議決定した新成長戦略を実行し「2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長」を実現しても、財政健全化目標は達成できない。国・地方を合わせたプライマリーバランスは15年度に15兆円の赤字となり、10年度の30.8兆円の赤字から半減を達成するものの、20年度は13.7兆円の赤字で目標の黒字化には程遠い。
(中略)民主党幹部は、こうした歳出・歳入の取り組みについて「今後の予算編成作業、税制調査会の議論で明らかにしていく」としているが、11年度予算は、税収の大幅増が見込めない中、消費税率の引き上げも間に合わない現実の下で、相当に苦しい編成作業になりそうだ。10年度に過去最大規模で計上した「霞が関埋蔵金」の活用が難しいうえ、新規国債発行額を44.3兆円以下にすることを努力目標にしているためだ。市場からは「到底、達成は難しい」(邦銀関係者)と早くも大幅な国債増発の見通しが出かねない情勢だ。参院選終了後にスタートする11年度予算編成作業で早速、財政再建に向けた菅政権の「本気度」が試されることになる。

歳出や国債発行に歯止め設定、経済堅調でも健全化目標は達成できず=財政運営戦略
2010年 06月 22日 10:54 JST
[東京 22日 ロイター]
政府は22日の閣議で、中長期的な財政健全化目標と今後3年間の歳出・歳入の取り組みなどを示した「財政運営戦略」を閣議決定した。財政健全化目標には、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の15年度までの赤字半減、20年度までの黒字化を掲げ、21年度以降に公的債務残高の対国内総生産(GDP)比の安定的な低下をめざす。目標達成に向け、11年度から13年度の3年間は国債費などを除いた「基礎的財政収支対象経費」(一般歳出と地方交付税)について10年度当初予算の71兆円程度を上回らないとしたほか、11年度の新規国債発行額を10年度当初の約44兆円以下にするよう「全力をあげる」ことなどを盛り込んだ。ただ、18日に決定した新成長戦略を実行して経済が堅調に推移しても、財政健全化目標は達成できないと試算している。
(中略)財政健全化目標では、収支(フロー)目標として、国・地方を合わせたプライマリーバランスを「2015年度までに対GDP比の赤字を2010年度から半減」させ、「2020年度までに黒字化」すると設定。その上で、残高(ストック)目標を「2021年度以降において、国・地方の公債残高の対GDP比を安定的に低下させる」と明記した。
(中略)歳出面においては、国の一般会計歳出のうち、国債費などを除いた「基礎的財政収支対象経費」を「歳出の大枠」と定め、10年度当初の71兆円程度を「実質的に上回らない」こととした。一方、新たな制度改正で恒久的な財源が確保された場合には、歳入増の範囲内で「歳出の大枠」に加算できるとし、財源が一時的な場合は「国債発行額の抑制」に活用する。
歳入面では「財政健全化目標の達成に向けて、必要な歳入を確保していく」としながら、菅直人首相が言及した消費税増税の取り扱いに対して「税制の抜本的な改革を行うため、早急に具体的内容を決定する」との指摘にとどめた。こうした歳出・歳入の取り組みで、2011年度の新規国債発行額について「10年度予算の水準(約44兆円)を上回らないよう、全力をあげる」と明記した。各年度の予算編成にあたっては「各閣僚別の概算要求枠」を設定。毎年半ばごろをメドに翌年度以降3年間の新たな中期財政フレームに改訂する。
もっとも、政府が併せて公表した試算によると、こうした取り組みを行うとともに、新成長戦略を実行して「2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長」を実現しても財政健全化目標は達成できない。試算では、経済が堅調に推移する「成長戦略シナリオ」の場合、国・地方を合わせたプライマリーバランスは15年度に15兆円の赤字となり、10年度の30.8兆円の赤字から半減を達成するものの、20年度は13.7兆円の赤字と目標である黒字化には大きな開きが生じている。(後略)

(引用終了)
[PR]
by kanconsulting | 2010-06-25 08:51 | 経済状況

ユーロは消滅するのかしないのか 作られたユーロ安 またしてもイベントドリブン

a0037933_15194824.jpg


チャートはyahooで作成

最近の業界コメントとして、たとえば、

(引用開始)

「ユーロが消滅する日」

経済専門家の中には、「いずれ、ユーロが消滅する日が来るだろう」と指摘する悲観的な見方があります。(中略)・・・しかし、これらはいずれも緊急対策であり、中・長期的に、財政の悪化に苦しむ南欧諸国が抱える問題を根本的に解決するものではありません。(中略)そうなると、ユーロ問題が、世界経済に与えるマイナスの影響、さらには金融市場にもたらす懸念は、これからも続く可能性は高いと考えた方がよいと思います。最悪のケースでは、一部の経済専門家が指摘するように、ユーロが消滅する日がやって来るかもしれません。

「市場は金融危機直前の様相=スパークスAM・秋山氏」

スパークス・アセット・マネジメントのオルタナティブ投資戦略部ファンド・マネージャー、秋山史人氏は25日、「マネーマーケットは(2008年の)リーマンショック直前の様相を呈しており、市場が思っている以上に危ない所にいるのかもしれない」との見方を(中略)都内で開催されたヘッジファンド・インベストメントジャパン会議で語った。(略)当面はユーロ安・円高が一段と進むとの見方を示した。具体的な水準としては「ユーロ/円が100円を一瞬割れることがあってもおかしくない」と述べた。(中略)このため、同ファンドの運用としては「株をショートし、円をロングするなどリスク回避モードを見据えたポジションにしている」ことを明らかにした。

(引用終了)

のように、ユーロに対する懸念を、色濃く物語る内容となっています。

結論から言うと、今般のユーロ安は、イベントドリブンとして作られた相場であると思います。確かにユーロのファンダメンタルズは悪かったですが、こういった相場材料は循環的にハイライトが当たることはあっても、全てを勘案して合理的に相場が形成される訳ではありません。つまり、何を材料にして相場を動かして、リアルマネー(実需筋)のマクロトレンドを方向付けるかについては、相場形成力のあるビッグプレイヤーの胸先三寸、というところなのです。(仕手筋は、ファンダメンタルとはあまり関係なく、値動きが大きい銘柄(薄商い)を相場操縦しますので、イベントドリブンとは性質が違います)

これまでに書いてきたことを整理すると、

・ビッグプレイヤー(おそらく大手ヘッジファンド)は、以前からEUの悪いファンダメンタルと相場・金利のギャップに着目しており、いくつかの国の政権交代のタイミングを狙い、ユーロ弱小国の国債CDS買い※+ユーロ売りを仕込む
・CDS上昇により、リスクプレミアム上昇として、ギリシャ国債金利上昇として反映(債券価格は低下)
・PIIGSなどEUの財政赤字・脆弱性にハイライト
・その影響が無視できなくなり、実需筋により、債券売り・ヘッジによるユーロ安
・空売り規制により、空売りの代替としてさらなるユーロ売り
・信用懸念、株安・ユーロ安、さらに信用懸念を誘発、という疑心暗鬼のスパイラルに落ち込んだ

※国債売りの代替手段として。株式でも、実物マーケットではなく、先物やCFDでヘッジすることはよくありますが、そのようなものと思ってください

何度も書いていますが、相場の特性として、こういった「隠された損失額がどんどん拡大していく」「誰かのマネーで損失処理をする」というステージが十分に進むまでは、底は打たない、という理解が正しいと思います。

さて、ユーロの未来について、これまでに次のように述べてきました。

(転載開始)

「信用創造は神の御業か悪魔の仕業か ユーロ底値でオプション爆弾が起爆」

・ユーロは準基軸通貨として扱われていたが、ユーロ高は、過剰流動性による一種のブームであった
・今般のユーロ危機は、信用拡大期には見えなかった脆弱性が、信用縮小期に顕わになっただけ
・結論から言うと、ユーロは消滅しない。ユーロ圏内は運命共同体として、身内を守らざるを得ない
・しかしながら、その対価は高くつき、カネを持っているEU加盟国は、戦争コスト並みの損失負担を強いられる
ということになります。「本当に、EUはダメなのではないか?」というところまで売り込まれ、文字通り底値からの再出発ということになるかと思います。

---

「大きすぎてつぶせない「国」はない ヘッジファンドのユーロ売り崩し」

このビッグイベントを、投機筋が見逃すはずがない、というところです。
これまでに何度も、ヘッジファンドの投機にイベントドリブンという手法があり、ある一定のシナリオに沿って金融イベントを演出し、そのイベントに加速度をつけて儲けに変換するということと、加えてマッチポンプ=自作自演の側面があることは否定できない、と何度も指摘しているところです。
今回も、ヘッジファンドが影の主役なのでしょう。そして、ドイツとしては、「彼らに意図を読まれては負けだ。救済するにしろしないにしろ、彼らに付け入られるスキを見せてはならない」として、意図的に情報をコントロールしているのではないでしょうか。
(中略)ヘッジファンドは、なによりも価値のある商品「情報」をカネに変える商売です。そのため、彼ら自身が呼び水となって、リアルマネーの流れを変えてしまうということも、また事実だと思います。

---

「国際分散投資は信用比較 連鎖破綻はあり得るリスク 連鎖破綻を生き残るのは」

国家連鎖破綻のリスクが笑い事ではなく(中略)現実のものとなった今日、『連鎖破綻はあり得る。問題はその順番だけだ』という認識でいるほうが真っ当であると考えます。であるとするならば、世界的な債務(デフォルトリスク)の持ち合いとCDSというリスクの押し付け合いがどのようなグローバル構造になっているのか、把握することが急務でしょう。
一般には、ヨーロッパの金融機関は、新興国向け貸し出し全体の半分のシェアを負担していると言われており、ヨーロッパの債務構造は根深いものがありそうです。このあたり、不安心理が実際のリスクを高めるという負のスパイラルが働いているため、「誰かが投げる(全部損切りをして損失処理する)」までは、大底は来ないのだと思っています。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、のうち、どの順番でクラッシュが来るのかについては、これまで何度も考察を重ねてきましたが(主に日本とアメリカのどちらが先かという話でしたが)、明確な結論は出ていません。しかしながら、『その順番をコントロールすることが出来たとしたら、巨万の富を得ることが出来る』ということだけは明らかです。

(転載終了)

しかしながら、ユーロが安くなることは、(金利はさておき)実質的に、ユーロ建て対外借金の減少と、輸出競争力の増加をもたらします。実際、ユーロ諸国からは「現状の為替水準は、妥当である」などのコメントが出ています。何にせよ、一方的な暴落は、「そうしなければならない実需筋」に、「この機に乗じた仮需筋」が拍車をかけるものであり、一般的には必ず反発します。

大きなくくりで言いますと、これまで何度も指摘しているように、「マネーの本質は信用創造」にあり、「振り返れば、通貨価値の減価こそが通貨の歴史」であり、過大な借金は「インフレ、金利、為替によって、ペーパーマネーの価値を減価することでしか、解決できない」のだと思います。
[PR]
by kanconsulting | 2010-06-06 15:52 | 経済状況

日本を襲う【国家債務の呪い】は70年間続く IMDレポート 放漫財政のツケと金融戦争の敗戦処理

a0037933_8202468.jpg


グラフはfinancialpostより

スイスのIMDから、国際競争力ランキングが発表されました。評価分野は「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基盤」の4分野です。

1位  シンガポール(前年3位→1位)「ビジネスの効率性」「経済状況」が高評価
2位  香港(2位→)
3位  米国(1位→)「政府の効率性」↓財政赤字の膨張で
8位  台湾(23位→)「ビジネスの効率性」が高評価
18位 中国(20位→)
22位 英国(21位→)
23位 韓国(27位→)
27位 日本(17位→)

その他 5位:オーストラリア、10位:マレーシア、31位:インド、36位:スペイン、37位:ポルトガル、38位:ブラジル、46位:ギリシャ

日本の評価を下げた理由
・「経済状況」↓ 成長率の低下や対内直接投資の低迷など
・「社会基盤」↓ 少子高齢化に伴う労働力人口の減少
・「政府の効率性」↓ 財政赤字の膨張

ニュースではあまり注目されていませんが、注目すべきIMDのコメントとして『公的債務を一般的に健全とされる国内総生産(GDP)比の60%に圧縮するのに必要な期間を国別に算出したところ、日本は2084年までかかる見通しで最長となった。IMDは放漫財政を改めない国の筆頭に日本を挙げた』があります。

(引用開始)

日本の競争力、27位に急落 中韓台下回る スイスの有力ビジネススクールまとめ

2010/5/20 1:02
スイスの有力ビジネススクールのIMD(経営開発国際研究所)が19日発表した「2010年世界競争力年鑑」で、日本の総合順位は58カ国・地域で27位で、前年の17位から急低下した。中国、韓国、台湾などに抜かれ、02年以来8年ぶりの低位に沈んだ。金融・経済危機で打撃を受けたうえ、少子高齢化や財政の厳しさが評価を一段と悪化させた。
IMDは主要国・地域の「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基盤」の4分野で、約300項目の統計や独自調査の結果を分析し順位を発表している。評価の基準は一部異なるが、日本は調査を始めた1989年から93年まで首位だった。
今年はシンガポールが初の首位。「ビジネスの効率性」や「経済状況」の評価が高く、前年の3位から2つ順位を上げた。94年から09年まで首位を維持してきた米国は、財政赤字の膨張などで「政府の効率性」の評価が下がり、3位に転落した。
2位は前年と同じ香港。アジア勢は台湾が「ビジネスの効率性」が高く評価され23位から8位に躍進したほか、中国が20位から18位、韓国が27位から23位にそれぞれ順位を上げた。
日本は成長率の低下や対内直接投資の低迷などを映し「経済状況」が大幅に悪化。少子高齢化に伴う労働力人口の減少で「社会基盤」の評価も下がった。「政府の効率性」では財政赤字の膨張が足を引っ張った。
各項目をみると、日本は法人税の高さに関して、全58カ国・地域で最悪の評価となった。外国人労働者や外国企業の受け入れ態勢も評価が低く、調査に関係したエコノミストは「このままでは国際企業は活動場所として日本を選ばなくなる」と警告する。
公的債務を一般的に健全とされる国内総生産(GDP)比の60%に圧縮するのに必要な期間を国別に算出したところ、日本は2084年までかかる見通しで最長となった。IMDは放漫財政を改めない国の筆頭に日本を挙げた。(ジュネーブ=藤田剛)

(引用終了)

ブルームバーグニュースの原文を見てみましょう。

Japan will struggle under a 'debt curse' for the next seven decades

として、日本は、あと70年間【借金の呪い】に苦しめられる、とあります。

EU基準(これが本当に守られていたのかどうかが問題になっているのですが)でもある、国家債務の認容レベルであるGDP比60%を基準におくと、その水準まで健全化するのには(成長率は2000-2009平均、GDPの1%を債務返済に充てるとして)

ギリシャ   2031年以降
アイスランド 2032年以降
アメリカ   2033年以降
ベルギー   2035年以降
ポルトガル  2037年以降
イタリア   2060年以降
日本     2084年以降

の見込みだということです。ギリシャ問題が大きく取り上げられていますが、雑魚キャラのような順位であることが分かります。

IMDでは、政府債務の大きさだけではなく、それを返済能力で割った『期間』も重視すべきであるとして、このような研究をしているようです。言うまでもなく、過大な債務が問題となった国は、競争力を落とすこともさることながら、政府の増税・歳出削減などのために国民の生活水準も落ちてしまうという事情があります。それはあたかも、【戦争に敗れた】かのような姿でもあります。

何度も指摘していますが、不況を緩和するために多量のマネーを刷り散らかした後には、敗戦処理が待っているのだと思います。ユーロ圏(イタリアもEU連帯負担でしょう)、アメリカは、いち早く身軽になり、景気回復を謳歌する、そのようなシナリオになっているのでしょう。

(なぜいつも日本がカネを巻き上げられるストーリーになるのでしょうね)
[PR]
by kanconsulting | 2010-06-01 09:21 | 経済状況