アメリカ(FRB)量的緩和へ 「バーナンキさん」はケチャップを買うか ドル安をもたらす緊急政策

最近は、バーナンキFRB議長を、日本語で「バーナンキさん(Bernanke-san)」と呼ぶことが流行っています。JPモルガン・チェースのエコノミストが火付け役ということです。

‘Bernanke-san’ Signals Policy Shift, Evoking Japan Comparison

Policy makers may decide at their next meeting Dec. 15-16 on the details of carrying out such a shift, which might resemble the “quantitative easing(=量的緩和)” strategy the Bank of Japan pursued in 2001-2006 after driving interest rates close to zero. The Fed chief’s readiness to rely more on adding reserves to the banking system prompted JPMorgan Chase & Co. economist Michael Feroli to refer to him as “Bernanke-san” in a note yesterday.

FRBは、日本銀行のとった「ゼロ金利政策・量的緩和」を始動させました。これまでの記事でも述べていますが、すでにアメリカ政府は、前代未聞の金融プログラムを実行に移しています。それに加えて、FRBは金利を下げ続け、市場にすさまじい量の流動性(マネー)を投入してきましたが、加えて、日本のような量的緩和を進めるということです。

日本の失われた10年には、「日銀はケチャップでも買えばいいのに」と言っていたバーナンキさん。FRBはケチャップをはじめとする各種資産(なぜ代表がケチャップなのか知りませんが)を買うのでしょうか。それとも、ヘリコプターから紙幣をばら撒くのでしょうか。日本の「地域振興券」「定額給付金」のように。

しかし、これまでも述べていますが、このような金融緩和は、コスト(費用というよりは負担)とベネフィット(便益)の両面があります。

(良い面)
・国民の住宅ローンなどの負担軽減
・国債の金利負担の軽減 (どこかで聞いた話ですね!)
・為替調整による輸入インフレ
・過剰流動性によるバブルの発生、資産価値の回復

(悪い面)
・非効率性を温存し、非効率な資源配分が起きる(LGTインベストメント・マネジメントのベンジャミン・ペドリー)
・量的緩和が需要を生み出す訳ではない
・需要がない場合には、行き場を失ったマネーによる市場の乱高下
・資産家によるハイエナ・草刈りを容易にして、さらに格差が広がる可能性

普通、中央銀行は、国債などの資産の信用裏付けにより、マネーを市場に投入しています。何度も指摘していますが、FRBは、紙クズ同然のペーパー資産を買い上げてきました。中央銀行に不良資産を「飛ばし」たのです。当然、ドルが信用を失うリスクがあります。

(日本の量的緩和では、マネーがどこかに流れてしまい、結局インフレにはなりませんでした。しかし、タイムラグをおいて円安バブルをもたらしたというのは事実でしょう。ヘリコプターからマネーをばら撒いても、本当に必要とされているところには回らず、利にさとい越後屋の懐に入るというのが実情でしょう)

これまでに述べたように、FRBは、すでに紙クズとなる可能性が高いペーパー資産をたくさん買い入れて、1兆ドル以上のマネーを垂れ流してきました。その結果、FRBの保有資産は、この3カ月程度の間に、2.5倍に膨張したことも、ご存知だと思います。加えて、ローン関連の金融資産を、最大で8000億ドル買い入れるということです。

・住宅ローン関連 6000億ドル
・消費者ローン・小企業向けローン 2000億ドル
合計 8000億ドル

それでも、市場が「まだ紙幣が足りない。年を越すために、ドルをアタッシュケースに詰めて、金庫にしまっておきたい。フセイン大統領のように。」と考える人が多いうちは、ドルは紙切れにはなりません(需要と供給)。何度も書いていますが、いずれ、為替と物価による、マネーの価値の強制調整がありうる、と指摘します。そして、その前には、バブルの再発生がありうるのだと思います。

(引用開始)

〔FEDフォーカス〕FRB、積極的な資産買い入れで「失われた10年」回避へ
2008年 12月 17日 11:53 JST

[シカゴ 16日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が積極的に資産の買い入れを進めている背景には、日本の「失われた10年」の二の舞は避けたいというベン・バーナンキ議長の強い意思があるとみられる。
連邦公開市場委員会(FOMC)は16日、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1.0%から過去最低の0─0.25%に引き下げ、景気後退に対応するため「利用可能なあらゆる手段」を活用すると表明した。
90年代の日本同様、デフレスパイラルのリスクを回避するため、政策を総動員する姿勢を打ち出したといえる。
バーナンキ氏は2002年のFRB理事時代、経済学者ミルトン・フリードマンの言葉を引用し、デフレが起きた場合はヘリコプターから紙幣をばらまけばよいと発言した。
カリフォルニア州立大学のサン・ウォン・ショーン教授(経済学)は「『ヘリコプター・ベン』は新しい革新的なアイデアを積極的に打ち出している」と述べた。
FF金利を0─0.25%に引き下げたことで、FF金利は金融政策の主たる手段ではなくなり、今後は「公開市場操作をはじめとするFRBのバランスシートの規模を高水準に保つ手段」(FOMC声明)が政策の焦点になる。
声明では(1)政府機関債、モーゲージ担保証券(MBS)の大量購入(2)家計や中小企業向けの与信を促す対策(3)長期国債買い入れの検討──といった非伝統的な政策を列挙。こうした対策は、FRB版の量的緩和と言える。
ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン最高運用責任者は「FRBは景気刺激のため、利用可能な手段を声明にはっきり明記した。できる限りのことをしていると言える」と述べた。
ただ、声明に盛り込まれた対策自体は特に目新しいものではない。

  <日銀の量的緩和との違い>
量的緩和は広義には、金融市場に大量の資金を供給することで金融機関に融資を促し、事実上のゼロ金利下で景気を浮揚させる政策と定義できる。
量的緩和政策を初めて導入したのは日銀で、政策金利を2年間ゼロ付近に据え置いた後、2001年3月に量的緩和に踏み切った。
FEDウォッチャーは、FRBがこれまで実施してきた金利の変更を伴わない非伝統的な金融政策の多くを一括して量的緩和と呼んでいるが、FRB幹部は、日銀の量的緩和とFRBの政策の違いを強調している。
同幹部は16日遅く、記者団との電話会議で、FRBの政策はバランスシートの資産サイドに具体的な目標を設定するものではなく、証券の買い入れや融資を通じてモーゲージ市場やクレジット市場の状況改善を促すことが狙いだ、と説明。あくまで結果としてバランスシートが拡大するだけだと述べた。
同幹部は、国債利回りと民間の資金調達コストの間に大きな開きがあることが米経済の問題だとの認識も示した。
FRBが打ち出した一部の非伝統的な金融政策は、目詰まりを起こした銀行システムを飛び越して、個別の市場に直接資金を供給することに狙いがあると言える。
ショーン教授は、日銀の量的緩和は金融機関の貸し出しを促すことが目的だったとし、FRBの政策はその点が「大きく違う」との見方を示した。
同教授は「FRBは金融システムの安定を促し、景気後退の長期化と深刻化を回避したいと考えている。デフレのリスクも最小限に抑えたいはずだ」と述べた。
パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のエルエリアン共同最高経営責任者(CEO)は、FRBが早い段階で大幅な金融緩和に動いたことで、米国はデフレに苦しんだ日本の90年代のような状況には陥っていないと分析している。
FOMC声明が「当面、異例に低水準のFF金利が正当化される可能性が高いと予想する」と指摘したことを受けて、米国債利回りが今後一段と低下する可能性もある。
16日終盤の市場では、10年物米国債利回りが2.26%まで低下、1951年以降で最低となった。
SCMアドバイザーズのチーフストテジスト、マックス・バブリッツ氏は「米国債利回りを低水準に抑えることが、民間の資金調達コストの高止まりを解消し、信用創造の再開を促す第一歩になる」と述べた。
FOMC声明を受け、先物市場も低金利が長期化するとの見方を織り込んでいる。
FF金利先物市場FFG9FFN9が予想する来年半ばのFF金利は0.34%、来年末でも0.68%にとどまっている。

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FRB:「政策総動員」鮮明に…米初のゼロ金利

【ワシントン斉藤信宏】米連邦準備制度理事会(FRB)が、政策金利を史上最低の0~0.25%に引き下げて、事実上のゼロ金利政策に踏み切ったのは、雇用、消費、生産など米国の経済活動全般が急減速しているためだ。FRBは「量的金融緩和」にも言及するなど、政策を総動員して景気悪化を食い止めようとの姿勢を鮮明にした。ただ、日本や欧州をはじめ、中国など新興国でも景況感の急速な悪化が確認されており、世界同時不況の影は着実に忍び寄っている。FRBの大胆な施策が奏功するかは未知数で、同時不況の回避に向け、世界経済は正念場に立たされている。
9月の証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)で深刻化した金融危機の影響は、米国経済全体に波及、景気の落ち込みに拍車をかけている。その余波は自動車や小売業界を中心に企業業績を直撃。11カ月連続で就業者数が減少するなど、雇用悪化にも歯止めがかからない。雇用の悪化は個人消費を一層、押し下げるとともにローンの焦げ付きを生み、金融機関の経営に新たな打撃を与えるという「負の連鎖」が続いている。
FRBは声明で「可能な限りのすべての方策を用いる」と不退転の決意を表明。世界的な景気減速が「同時不況」から「恐慌」に至るのを食い止めたいとの強い姿勢を見せた。
これまでにもFRBは、総額8000億ドル(約77兆円)分の住宅ローン担保証券(MBS)や消費者ローンなどの買い取りに乗り出しており、市場関係者は「事実上の量的緩和は既に始まっている」(米エコノミスト)と指摘していた。今回はさらに「長期国債の購入検討」に踏み込み、「流動性(資金)供給というFRBの二の矢は、まだまだ有効だ」(バーナンキ議長)との言葉通り、米国流の量的緩和政策の模索に動き出した。
「不況時にはヘリコプターで紙幣をばらまけ」と主張したこともあるバーナンキ議長主導の金融政策は、世界経済を苦境から救い出せるのか。世界が固唾(かたず)をのんんで見守る中、米国の金融政策は未到の領域に入った。

毎日新聞 2008年12月17日 11時21分

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【みずほ証券】日米金利逆転、「円高加速で80円割れも」(08/12/17)

米連邦準備理事会(FRB)が16日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年0.0―0.25%にしたことで、日米の政策金利は約16年ぶりに逆転した。みずほ証券は17日付のレポートで「歴史的な円高リスクで1ドル=80円割れの水準も想定される」としている。
1975年、1985年など過去に日米金利の逆転が起きた後にはいずれも急速な円高が生じている。今回FRBは今の経済状況が続く限り実質ゼロ金利状態を続けるとしているだけに、過去最高水準の円高リスクを秘めているという。
一度ゼロ金利にすると、そこから脱け出すのは難しい。日銀はこれまで追加緩和に慎重なスタンスを見せていたが、米国への対応の観点から再び量的緩和対応を検討することも考えられる。長期国債の買い切りなどで、長期金利は米国で2%、日本で1%近い水準をめどに低下するとみずほ証券では予測している。

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-19 09:47 | 経済状況

日銀短観(DI)悪化 リストラと縮小均衡 年を越せない怨嗟の声

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(グラフは毎日新聞より)

日本銀行が発表した12月企業短観では、大企業製造業のDI(業況判断指数)が、過去2番目の大幅下落となりました。今回の調査は、11月10日~12月12日実施ということで、リーマンショックとその後の世界景気悪化を十分に反映した数字となっています。

(追記)前回9月の日銀短観は、「日本の経済状況 日銀短観」を参照ください

(DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数です)

・大企業製造業のDIはマイナス24
・9月(前回調査)から21ポイント低下
・低下は5・四半期連続
・今回はすべての業種で悪化
・水準としてはITバブル崩壊時の平成14年3月以来の低さ
・オイルショック時の昭和49年8月調査の26ポイント低下に次ぐ
・唱和50年2月と並ぶ過去2番目の悪化
・中小企業は製造業、非製造業ともにマイナス29
・いずれもマイナス幅を拡大

大企業製造業  -24(▲21)
・自動車      -41(▲46)
・非鉄金属     -43(▲40)
・石油・石炭製品 -45(▲30)
・電気機械     -37(▲28)

大企業非製造業 -9(▲10)
・卸売業      -7(▲18)
・小売業     -18(▲13)

大企業のほうが大幅なのは、輸出の減少と円高の影響と見られています。

こういった指数は、どうしても後追いとなりますので、「何をいまさら」という感じもありますが、(事実、この日銀発表は、「悪化は予想の範囲内」(大手銀行)として材料視されなかったということですが、)メディアを通じて「こんなに酷いんだよ」と周知徹底することに意味があるのかもしれません。

また、向こう3カ月間の先行き見通しも、大企業製造業は全体でマイナス36(今回より▲12)など、まさに「先が真っ暗」と予想されています。

今後はどうなるのでしょうか?一言で言うと、「景気悪化が、さらなる不良債権を生み出す、無間地獄に突入する」ということになります。この地獄を脱出するのには、GDPプラス成長に転じた!DIがプラスになった!程度で足りるはずもありません。カネを溜め込んでいる大金持ちから、公共のために供出してもらうことが必要なのです。

本当の金持ち(富豪)は、世界景気悪化を前にロングポジションを解消し、下落相場で儲けるためにショート(空売り)、そして底値で買い叩き中なのでしょう。

歴史を振り返ると、日本のとった対策は

・生産設備の海外移転
・リストラなどによる雇用の調整
・合併統合による業界再編
・量的緩和によるマネーの垂れ流し

ですが、世界景気悪化の前には、「生産設備の海外移転」はあまり意味を持ちません。「リストラ」「合併統合」にしても、どちらかというと縮小均衡と言えますが、それくらいしかとる手段がありません。

来年を迎えるのが恐ろしい、それ以前に年を越せない、という怨嗟の声が聞こえてきます。

(引用開始)

日銀短観、景況感34年ぶり悪化幅 大企業製造業21ポイント低下

日銀が15日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がマイナス24となり、2002年3月以来、6年9カ月ぶりの低水準となった。9月の前回調査(マイナス3)から21ポイント低下し、石油危機だった1975年2月と並ぶ過去2番目の悪化幅となった。金融危機によって企業の資金繰りが悪化しているほか、雇用や設備にも過剰感が広がっている。
企業の業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」との回答を引いた値。大企業製造業のDIの悪化は5四半期連続。悪化幅は日本の金融システム不安が深刻だった98年3月(19ポイント)を上回った。日銀は18、19日に金融政策決定会合を開くが、利下げや資金供給などの追加策が必要との声が強まる可能性がある。 (11:40)

日本経済新聞

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日銀短観、大企業製造業 過去2番目の下落幅 オイルショック以来
2008.12.15 11:13

(前略)
大企業製造業の国内製品・サービス需給DIは、前回比16ポイント低下のマイナス34と供給超過感が強まった。下げ幅は昭和49年8月の25ポイントに次ぎ過去2番目。海外での製品需給DIは22ポイント低下のマイナス28で、過去最大の下げ幅を記録した。
平成20年度の業績については、経常利益が大企業は製造、非製造とも7年ぶり、中小企業は2年連続の減益見通しとなっている。
雇用人員の「過剰」から「不足」を引いたDIは、大企業製造業は前回のマイナス2(不足)からプラス8(過剰)へ、中小企業は前回の6から16へとそれぞれ過剰感が急増。雇用情勢の急速な悪化を裏付けた。
資金繰りが「楽」から「苦しい」を引いたDIは、大企業全体では前回の15から7へ、中小企業全体ではマイナス11からマイナス15と苦しい方向へ変化した。金融機関の貸し出し態度への評価も、中小企業はマイナス3からマイナス9へ悪化しており、中小企業の経営環境の厳しさが際立っている。

産経新聞

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日銀短観:景気後退「危険水域」に

(前略)
大企業は90年代のバブル崩壊後の雇用や設備の過剰をリストラで解消しており、今回の景気後退は当初、浅いとの見方が強かった。だが、12月短観では雇用や設備の過剰感が悪化。再びリストラの動きが相次ぎ、景気後退を深刻化させる「危険水域」に入りつつある。
12月短観の大企業・製造業の業況判断指数の3カ月先の予測はマイナス36とさらに落ち込む見通し。しかも、先週末には13年ぶりに1ドル=90円を突破する円高となり、足元の景況感は一段と悪化している可能性もある。
日銀は10月末に7年7カ月ぶりの利下げに踏み切り、新たな企業の資金繰り対策にも乗り出した。だが、景況感の大幅悪化で、18、19日に開く金融政策決定会合では追加対策を迫られかねない。【斉藤望】

毎日新聞

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景況感は第1次石油ショック以来の大幅落ち込み=日銀短観
2008年 12月 15日 10:27 JST

(前略)
世界的需要の急減速により生産が落ち込み、設備や雇用の過剰感は急速に高まっていることも短観で確認できた。
設備の過剰感は製造業で一気に高まった。このため、設備投資計画はここ数年見られなかったスピードで下方修正となった。大企業製造業では下期計画が2.7%の上方修正となり、通期では前年度比2.4%増となったものの、今後設備投資の見直しが相次ぐ可能性が大きいと見られる。その他非製造行や中小企業では前年度比計画は下方修正する動きが目立ち、全規模全産業では前年度比2.8%の減少計画となった。

ロイター日本語ニュース

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日本経済、危機的状況 再び大リストラ時代がやって来る 日銀短観
2008.12.15 12:21

(前略)
ソニーが大規模な人員削減を表明するなど企業は雇用調整にも着手。短観では、全規模全産業で雇用の過剰感の強まりを示しており、今後も雇用削減の動きがさらに拡大する恐れもある。雇用不安などで消費者が財布のひもを引き締めれば、個人消費の一段の悪化は避けられない。日本経済は出口のみえない苦境に突入している。

産経新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-16 20:01

エクアドルのデフォルト(債務不履行) 国家破綻相次ぐ

あまり報道されていませんが、エクアドルの国債がデフォルトを起こしました。アイスランドの実質破綻に引き続き、国家破綻が相次いでいます。(デフォルトくらいで国家破綻というにはヘビーな表現と思われるかもしれませんが、この段階では国の経済はボロボロでしょう)

エクアドルは、過去10年間すでに一度デフォルトを起こしており、建国以来178年では7度目だということです。

ブルームバーグは、”Ecuador May Hit ‘True Monsters’ Harder Than Argentina”という表現で、過去のアルゼンチンのデフォルトよりも、投資家にとって資金回収が厳しい、との見方を示しています。 ちなみに、‘True Monsters’とは、コレア大統領が、「投資を回収するためには、国を犠牲にすることも厭わない投資家」を批判した表現です。

(国債の違法性の話がありますが、詳細は不明でした)

「どうせ南米の小国の話だろう?世界経済には影響がないし、ましてや日本には何の関係もないよ」と思われますか?そうではありません。確かに、アルゼンチン国債のようなインパクトはないかも知れませんが、小国であってもデフォルトは信用収縮を加速させる影響があるのです。

日本も、東アジアの小国であることを忘れてはなりません。他の国よりもマネー(金融資産)があると主張していますが、そもそも預金や債券は、債務者(銀行、企業、国)があっての話です。デフォルトの前には、単なる紙切れに過ぎないことを、私は、何度も、何度も、指摘しています。

くれぐれもご注意ください。

(引用開始)

エクアドルが債務不履行宣言 国債の利払い停止

【ブエノスアイレス12日共同】南米エクアドルのコレア大統領は12日、記者会見し、週明け15日に期限が来る国債(グローバル債)の約3060万ドル(約28億円)の利払いを停止し、債務不履行を決めたと発表した。過去に発行された国債には違法の疑いがあるとしている。AP通信などが報じた。
対象は2012年償還の国債で元本は5億1000万ドル。大統領は07年に就任する前から国債の違法性を指摘していた。
エクアドルの対外債務残高は約100億ドル。

47ニュース

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-16 09:44 | 経済状況

GMは痛み分けか やむなく破綻か

「われわれが相手にしているのは破たんの瀬戸際にある産業ではない。破たんした産業だ」(米破産協会の研究員 ジャック・ウィリアムズ氏)
「支援規模が大きければ財政赤字拡大につながるうえ、他業界の支援をどうするかという流れになるだろう。」(RBSの山本氏)

GMの格付けが、CCC+から、CC(ネガティブ)に、大きく格下げになりました。投資適格がBBB+以上であることを考えると、もはや紙クズと言えるでしょう。
麻生首相の好きなマンガの言葉を借りれば、「お前はすでに死んでいる」ということになるでしょう。

アメリカの自動車産業は裾野が広く、ビッグスリーの倒産は、アメリカのみならず世界経済に与えるインパクトは計り知れません。社債市場も大混乱でしょうし、さらに円高が進むことでしょう。
だからといって、公的資金を注入したところで、この世界恐慌には勝てないだろうという見方が普通です。ですので、「カネ返せ!」ということになるでしょう。信用拡大で、うまい汁を吸ってしまったのですから、「飲んでしまった分は返せない」というところが現実です。

進むことも退くこともままならない、そんな状況です。

(引用開始)

米GMを格下げ=S&P
2008年12月5日

[4日 ロイター] スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4日、米ゼネラル・モーターズ(GM)をCCCプラスからCCに格下げした。見通しはネガティブとしている。
S&Pのアナリスト、ロバート・シュルツ氏は「GMは一部あるいは全ての既発債を、相当に割引した価格でのエクィティあるいは新規債券との交換を提示する可能性が最も高い」と指摘。その上で「GMの流動性低下を踏まえると、このような提示は投げ売りのような交換で、デフォルトに等しいと考える」と述べた。
このような提示があった場合、企業格付けは「SD(選択的デフォルト)」とし、発行体格付けは「D」となる見通しという。

朝日新聞・ロイターニュース

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〔焦点〕GM破産回避へ、痛みは投資家・債権者・従業員などで分け合う見通し
2008年 12月 8日 15:47 JST

[デトロイト 7日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)は、手元資金が底をつくまであと数カ月となった時点で、「つぶすには大き過ぎ、破たんさせるには米経済が弱過ぎる」と、渋々ながら結論付けた議会によって救済され、破産法適用の事態は免れることができそうだ。
悪いニュースは、と言えば、GMが引き続き連邦政府監視下での苦痛を伴うリストラに向かって進んでおり、投資家、債権者、販売代理店、従業員には破産法適用申請時とほぼ同様の打撃が待ち構えていることだろう。
少なくともGMの9工場では操業が休止され、3万人が追加削減の対象となり、退職従業員は医療保険費の負担増加に直面、債券保有者は額面1ドルにつき30セント程度の支払いしか受けられず、株主は壊滅状態に陥る可能性がある。
そしてこれはソフトランディング(軟着陸)シナリオだ。
一部共和党議員が先週主張したように、棚上げされているクライスラー[CBS.UL]との合併話が政府の支持を得て蒸し返されれば、アナリストは最大4万人の人員削減が上積みされ、ミシガン州からメキシコまでの拠点の中で7工場がさらに操業停止になると見込んでいる。
その目的は、危機から浮上できる引き締まった体質の自動車メーカーを誕生させること。危機では、GMの債務負担や販売代理店、ブランド、従業員の過剰による資金枯渇といった致命的弱点があらわになった。
米破産協会(ABI)の研究員、ジャック・ウィリアムズ氏は「われわれが相手にしているのは破たんの瀬戸際にある産業ではない。破たんした産業だ」と指摘した。
GMは連邦破産法11条の適用申請を回避する公的支援を得るためロビー活動を積極的に展開した。破産法適用を申請すれば顧客は同社製の乗用車やトラックを見限り、保証書の裏付けを疑うと主張している。
まだ調整が続いている米政府の対策には、GMやクライスラーに対する目標、リストラ基準の設定権限を付与された監督官によるメーカーの経営監視が盛り込まれる見通しだ。フォード・モーター(F.N: 株価, 企業情報, レポート)も同社が求めている融資枠を利用すれば監視を受ける対象となる。
専門家らはこれに関し、GMの最終的成功に利害関係のあるすべてのグループから譲歩を引き出すことを目指し、(破産法の)悪いイメージがなくて適用申請の代わりとなり得る最大公約数的救済策に向けた試みと分析している。
米鉄鋼・自動車部品業界の破たん企業再生で著名な投資家のウィルバー・ロス氏は「理論的には、破産法の適用を受けても受けなくてもできることに大差はない」と指摘した。
先週開かれた議会の公聴会で証言したコロンビア大学のエコノミスト、ジェフリー・サックス氏も、自動車メーカーは破産法適用外で再編を認められるべき、と議員らに語りかけ、同意を示した。同氏は「バランスシートの再編に破産法11条は不要」と強調した。
上院銀行委員会のドッド委員長(民主党、コネティカット州)は7日、CBSテレビの番組「フェース・ザ・ネーション」で、政府の緊急融資を受けるのであれば、GMは経営トップの首をすげ替えるべきとの考えを示した。
委員長は、GMはリック・ワゴナー会長の退任と新チームでのリストラを検討すべきとの同僚議員の提案に同意した。
一方、経営陣の入れ替えはメーカー各社のリストラを支援する救済策の条件の中に含むべきだが、必ずしも全面的な刷新は意味しないとも指摘。「フォードはかなり健全だ。従って、これらすべての会社を全く同列に論じることは望まない」と述べた。
米議会はGMが求めている政府資金180億ドルについて、納税者の資金保護のため、優先順位が他の債権の先に来る必要があると示唆している。
支援の条件にもよるが、既存債務の300億ドル圧縮を進める中で、25億ドルのGMの時価総額が消失する可能性がある。
全米自動車労組(UAW)とメーカー各社は昨年、UAWが運営する信託基金VEBA(自主的従業員給付組合)に2010年から推定800億ドルの退職者向け医療費債務を移管することを盛り込んだ労働協約で合意した。GMはこの信託基金に200億ドルの債務があるほか、無担保債務360億ドル、有担保債務60億ドルを抱えている。
UAWは、GMにVEBAに対する支払いスケジュールの条件改定を認めることで合意した。
アナリストや議員らによると、他の債権者は返済額が額面1ドル当たり30─40セントとなる可能性がある。
GMはまた、現在の賃金の半分程度で新世代の従業員を雇えるよう、勤続年数の長い従業員数千人の引退を認めるようUAWに譲歩を求めている。
GMはこうした変更をすべて、破産という脅し文句なしに成し遂げる必要があり、企業再建専門家らは失敗が必至とみている。
ゴーディアン・グループ(ニューヨーク)の投資銀行・再編スペシャリスト、ピーター・カウフマン氏は「問題はワシントンに行き詰まった状況を解決するアイデアを持つ人がいなそうなことだ」と述べ、議会は民間投資家に対し、GMと再編計画を練り上げる期限を設定すべきだと指摘した。合意が成立すれば連邦政府の資金を投入すると約束し、成立しなければ投入しないと警告すべきという。
同氏は「だれも瀬戸際に追い込まれるまで何もしない。来春、ビッグスリーがわれわれのところに戻ってきて、(チャールズ・ディケンズの小説)オリバー・ツイストのように『お代わりをいただけますか』と、ねだるだろう」と述べた。
他の専門家も、GMとクライスラーを破産法適用外で再編する試みは新たなリスクを背負っているとの見方で一致している。
ABIのウィリアムズ氏は「破産は許されないことかもしれない」と述べた上で、ただ、代替案はGMと納税者にとり、もっと悪い結果をもたらす可能性があると付け加えた。同氏は「破産(法適用申請)で得られる確実性、透明性、安定性に欠けるため、失敗する方向に進む」とみている。

ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-09 09:48 | 経済状況

アメリカ政府支出は8兆5000億ドル(約780兆円)以上 GDPの62% デリバティブ地獄絵図

繰り返しになりますが、「国家破綻に至る6ステージ」を、再度掲載します。

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(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 一部進行中か】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)

---

現在は、ステージ(2)の自己資本毀損はまだ止まらず、ステージ(3)の実体経済悪化はすさまじい勢いで進行しているという認識です。ですので、信用収縮はまだ止まらず、当然、株式などのリスク資産もまだ下げとまらないものと思います。

「え?ここまでマネー(公的資金)を投入しているのに、なぜ自己資本毀損が止まらないの?」と思われることと思います。それを一言で言うと、
「ストック面からは、金融機関の保有する債権や有価証券の価値が下落しているから」
ということですが、付け加えるなら、
「フロー面からは、決済のためのマネーが十分に流れていないから」
などという事も出来るでしょう。

特に、金融機関のリスクを「飛ばす」ために作られた、CDSなどのデリバティブに、値が付かない状況は改善されていません。リスクを飛ばしたのですから、名目上、バランスシートには傷が付きません。ですが、実質的には重傷となっていることも、ご存知と思います。ですので、金融機関の自己資本に公的資金を注入しても、「焼け石に水」となっているのだと思います。

(つまり、デリバティブの公的救済がなければ、本質的解決になりません。しかし、公的救済のためには、世界経済まるごと1個分を犠牲にするくらいのマネーが必要でしょう)

まさに、デフレスパイラルの再来、といった現象ですね。世界を巻き込む広さ、巨額のデリバティブという深さにおいても、日本のデフレスパイラルとは比べものになりません。

これまでに、次のように述べました。

・これまでに、ゴールドマンサックスによると、金融危機に伴う世界の損失額は、1兆4000億ドルに達する試算と述べました。
・また、アメリカ政府などによる、不良債権買取・公的支援・買収などの合計は、すでに明らかになっている数字の合計だけで、約1.5兆ドル(15130億ドル)になることも述べました。
みずほ証券の、もっとシビアな試算によると、約5.8兆ドル(約550兆円)の損失になるということです。

アメリカ政府などによる損失補てんが、100兆円程度であろうと言われていたころに、私は、「その程度ですむはずがない」として、「(アメリカ政府などによる)損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。」と指摘しました。

現在、もっと大きな数字が出てきています。

ブルームバーグによると、アメリカ政府は、出資・融資・保証などで、合計8兆5000億ドル(約780兆円)以上を出すことになるということです。アメリカのGDPの62%に相当する、巨額となっています。

月を追うごとに、損失額が増えていくこの状況は、まさに、底なし沼というにふさわしい状況です。

うまい汁の先取りをした分、そのツケはあまりに大きいと指摘します。来年には、地獄絵図が出現するような気がしてなりません。くれぐれもご注意ください。

(引用開始)

ブルームバーグのデータによれば、米政府は結局、出資や融資、保証などで合計8兆5000億ドル(約780兆円)以上を出す。これは米国の国内総生産(GDP)のほぼ62%だ。この金額には保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)への融資や出資、米銀シティグループへの資本注入や有害資産の保証などが含まれているが、ビッグスリー(米3大自動車メーカー)が求めている340億ドルはまだ含まれていない。

ブルームバーグ 経済コラム

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-08 09:29

外人(外国資本・外資系投資家)の売り越しと個人の買い越し 今は安いが、もっと安くなる可能性も

10月の個人株式買い(ネット*)は17.5億株となり、単月度としては、記録史上1位となりました。ちなみに買い越しの2位は、1997年8月で、12.5億株でした。 
私は、どこかのコメント欄にて「バブル後最安値の7607円は割る」と書きましたが、残念ながら当たってしまいました。まだ二番底三番底をつけると見ていますが、そういった相場観ではなく、単純に「安い」→「買い」という、値ごろ感での買いということでしょう。

*ネットとは、この場合は買いから売りを差し引いた、買い越しの実質値ということです。インターネットとは関係ありません

外人(いわゆる外国資本。語弊がありますが、ニュースなどでもそう言われていますので、そのまま書いています)や、外資系のプロは、こういった個人の買いに対して、売りをぶつけてきます。ですので、「外資やプロは、個人の買いをなぎ倒して、どんどん売り崩していく。その後に残るのは、個人投資家の死屍累々」ということになります。少し考えれば分かりますが、手持ちの資金がないと買いにはならないのに対して、売りは手元に資金ができる(空売りの場合は、証拠金が必要)ため、売りのほうが強いのです。

つまり、「今は安いけど、もっと安くなる」ということです。では、なぜここまで下げるのでしょうか?

一言で言うと、「今の環境では、売りで儲かるから」ということにつきます。

そもそも、日本の株式市場は、7割以上を外資系が占めていると言われています。日本の個人・機関等がトレンドを作るのではありません。ですので、逆張りは危険ということです。
また、円高で輸出企業が減益になるから、あるいは、外国ファンドの換金売りというのも、すべての銘柄が下げる原因としては、多少乱暴だとうことも、うすうす感じておられることと思います。
また、外貨ベースで見た日経平均株価は、円高で調整されるため、「それほど安くなっていない」→「まだ下げる余地がある」と判断できるかもしれません。

下のニュースに見るように、寄り付き前には、「外資系証券12社経由の注文状況」がわかりますので、外資の売り越し/買い越しと、その日の日経平均の値動きの相関を取ってみるのも面白いかもしれません。

さて

円安になってくると、外貨ベースで見た日本株式は安くなります。外資の買いが出てくるためには、これから円安トレンドになることが前提条件となるでしょう。その前に、いったんとことんまで売り崩して、底値で地引網してから、円安トレンドに転換、となるのでしょう。

エンロンの例を見ても分かるように、外国資本というものの極みは、

・上げトレンドでは買い、トレンドフォローで儲ける
・イベントと前後して、ドテン売り(買いを手仕舞い、空売りに転換)、イベントドリブンで儲ける
・破綻させて、債権者・従業員に泣いてもらい、株式をバーゲンで買い、儲ける

と、上げ・下げ・破綻のどのステージでも、儲けを狙うのです。

くれぐれもご注意ください。

(引用開始)

外国人、高水準の売り越し=株数では過去最高-11月第3週

東京証券取引所が28日発表した東京、大阪、名古屋3市場の11月第3週(17~21日)の株式売買動向によると、外国人投資家は差し引き5360億円と大幅に売り越した。海外勢の売り越しは6週連続。売り越し幅は金額ベースで過去7番目だったが、株数では9億2000万株とブラックマンデーの1987年10月第3週(8億9000万株)を上回り、過去最高を更新した。(2008/11/28-17:22)

時事通信

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個人投資家の株買い越し、10月は過去最高…大荒れ相場で割安感?

10月(9月29日~10月31日)の東京、大阪、名古屋の国内株式市場で、個人投資家の買い越し額が9927億円と1兆円の大台に迫った。
月間の金額としては1982年7月の調査開始以来、最高だった。
東京証券取引所がまとめた投資主体別売買動向で分かった。
買い越し額は、投資家が市場で株を買った額から売った額を引いた額で、大きいほど株価の上昇要因となる。これまでの最高は、90年3月の8841億円だった。
10月は日経平均株価(225種)が一時、7000円を割り込むなど大荒れの相場となり、割安感の出た銘柄に個人の買いが入ったようだ。
インターネット専業証券を中心に口座開設の申し込みが急増するなど、個人投資家の数自体が増えたことも一因だ。
一方、外国人投資家は1兆696億円の売り越しで、外国人投資家の月間の売り越し額としては過去3番目の大きさだった。投資家から返金要請を受けたヘッジファンドなどが換金売りを膨らませたとみられる。
外国人の「売り」と拮抗(きっこう)する個人投資家の「買い」が、株価にとり一定の下支えとなっていたことになる。

(2008年11月8日20時26分 読売新聞)

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外資系証券経由注文状況、860万株の売り越し観測=市場筋
2008年11月26日

[東京 26日 ロイター] 株式市場筋によると、寄り付き前の外資系証券12社経由の注文状況は2840万株の売りに対して1980万株の買いで、差し引き860万株の売り越しになっているとの観測が出ている。

朝日新聞・ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-04 09:33 | 資産保全一般

FX(外国為替証拠金取引) 投資家の意識調査 スイスフランとユーロの危機

FX投資家についての話です。各業者によって、傾向が多少異なるのが面白いところです。

(取引される通貨)
・松井証券では、ユーロが米ドルをしのいでいるほか、英ポンドも人気が上がっている
・SBIではユーロと豪ドルが台頭
・マネックスでもニュージーランドドルの人気が高まっている

(証拠金の残高)
・SBIは7月以降、保証金残高に大きな変化がない
・マネックスも8月以降、保証金残高に大きな変化がない
・松井は9月26日現在で140億円だった証拠金残高が、今月7日に117億円まで減少した

ご存知のように、ユーロとポンドをロングしていた投資家は、瀕死の重傷を負ったことは、言うまでもありません。松井証券の証拠金が大きく減っているのは、そういった背景があるのでしょう。

豪ドルやNZドルも痛い状況でしたが、ポンドの下げに比べると、まだマシと言えたかも知れません。それらの顧客のレベルが同じと仮定すると、各通貨ペアの状況に左右される傾向なのでしょう。

さて、為替相場ですが、ユーロ・ポンドに引き続き、カナダドル、スイスフランなどの下げが厳しいようです。スイスについては、これまでは有事のスイスフランなどと言われていましたが、国自体の金融安定性が懸念されているのでしょう。「有事の日本円買い」となっているのだと思います。

USD/JPY 93.97
EUR/JPY 118.98
AUD/JPY 60.37
GBP/JPY 141.41
CAD/JPY 75.51
CHF/JPY 77.80

ユーロに関しては、

・日米に比べ利下げ余地が大きく、今後1%程度にまで利下げする可能性もある
・金融危機がこれから拡大するが、当局の対応力は統一性が欠けるという懸念がある
・産油国のドル建て資金がユーロに流れ込んできたが、それが逆流する

などという観測があり、ユーロへの逆風は当分続きそうです。

以前の記事で、「ドル建ての原油価格とユーロドル相場はパラレルの傾向。ユーロ建ての原油価格は一定に見える」(当時)と書きました。それは、産油国が代金として受け取ったドルをユーロに代えるという、恒常的圧力があったためでしょう。現在、原油価格が下がったところで、その前提が崩れ、今後さらに逆流するであろう、という観測です。

(引用開始)

乱高下する相場 投資家魅了? ネット証券のFX取引急伸
2008/11/20

インターネット専業証券が扱う外国為替証拠金取引(FX)が、活況を呈している。9、10月は売買代金が過去最高水準になったネット証券もあり、幅広い通貨が売り買いされている。金融危機で株式市場が低迷する中で、外国為替市場の激しい変動幅を逆手にとった投資が盛んだが、相場を読み違えれば、証拠金の積み増しも必要になるなど損失リスクも高い。初心者でも、為替相場に関する正しい知識と慎重な判断が求められる。
FXの手数料を7月から無料にしたSBI証券は、同月の売買代金が1兆428億円(前月の2.4倍)に急伸した。米金融危機が拡大した9月に2兆5495億円で過去最高を記録し、10月も同水準を維持するなど、「画期的な市況」に沸く。
今月17日には、売買する通貨の組み合わせや注文方法を増やした新サービスを始め、口座開設の申し込みは1万件以上に達し、個人投資家の関心の高さがうかがえる。
マネックス証券も、1万ドルや1万ユーロなど1万通貨単位の取引枚数が、10月に75万枚(前月の1.7倍)になり、過去最高を記録したことが分かった。
富裕層による大口取引も、目立つ。11月12日に円が3円近く上昇し、1ドル=94円台になるなど為替相場が大きく振れた先週、カブドットコム証券では、100万ドルの取引を1日200回も繰り返す顧客が現れたという。
FXが個人投資家に普及してきたこともあり、取引される通貨も、かつての米ドル一辺倒から多様化が進んでいる。松井証券では今月に入り、ユーロが米ドルをしのいでいるほか、英ポンドも人気が上がっている。SBIではユーロと豪ドルが台頭し、マネックスでもニュージーランドドルの人気が高まっているという。
ただ、FX業者に担保として預ける証拠金の残高は、あまり増えていない。急激な円高環境で、損失を出すケースが多かったためとみられる。
SBIは7月以降、マネックスも8月以降、保証金残高に大きな変化がない。松井は9月26日現在で140億円だった証拠金残高が、今月7日に117億円まで減少した。
松井では、「日本では円を売って外貨を買うところからFXを始める人が多く、急激な円高で負ける人が出ているのだろう」とみる。
また、SBIによると、「保証金残高が減っているのは、売買代金が増えたといっても、既存顧客が同じ金額でやりとりしているためではないか」という。
金利目当ての外貨投資も盛んになっているが、金融危機対応で、今後は各国の金利も下がる見通しだ。第一生命経済研究所主席エコノミストの嶌峰義清氏は「FXの仕組みをよく理解せずに、ブームにのって人気のユーロなどを買い続けると、リスクも高くなる」と警告する。

フジサンケイビジネスアイ

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http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200811260090a.nwc

FX取引意識調査 リスク浸透、仕組み無頓着
2008/11/26

手軽に取引できるけど、リスクも気になる-。インターネットの普及で急成長する外国為替証拠金取引(FX)市場だが、情報収集に熱心な半面、FXの知識が必ずしも十分でない個人投資家の姿が、楽天リサーチ(東京都品川区)の意識調査で浮かび上がった。
調査は10月22、23日の2日間、20~60代の男女計1000人を対象にインターネットで行った。それによると、FX経験者は約2割で、きっかけは「インターネット」と答えた人が7割以上いた。また、取引する際の情報源は「マネー関連のインターネットサイト」が約4割、「FX業者のホームページ」が約3割に上った。
FXの魅力は「少額から始められる」(59.4%)をトップに、「ハイリターン」「外貨預金と比較して手数料が安い」という声が多かった。
不安に感じる点では「ハイリスク」(75.9%)が突出して多かった。「FX業者の倒産」と答えた人も4割近くいて、昨秋以降相次いだ業者の経営破綻(はたん)が背景にあるようだ。また、元手の金額の何倍の取引ができるかを示す「レバレッジ」などFXに関する4つの用語について、半分以上が「理解していない」「初めて聞いた」と回答した。
証券アナリストは「FXの利点とリスクに対する認識は浸透してきているが、取引の仕組みを正確に理解している人は必ずしも多くはない」として、安易に取引を始める個人投資家に注意を促している。

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-01 20:58 | 外国為替(FX)

アメリカ国債の信任に変化

これまでも何度か述べていますが、アメリカ政府とFRBのなりふりかまわないマネー供給により、アメリカ国債への信任に変化が生じているようです。これまでは、「何だかんだ言っても、最後はアメリカ国債が鉄板(もっとも堅実)」の一択(他に選択肢はない)だったことを考えると、大きな変化と思います。

先日の記事より、関連したコメントを転載します。

(転載開始)

Commented by 天丼 at 2008-11-29 02:54 x

ネットで感じたことですが、各今中央銀行ががんばっているので、リバウンド。そしてしばらくして暴落。また紙幣を印刷しているのでインフレになり(デフレよりいい)、ドル暴落、金の上昇などの考えをおもちの人を見受けます。ただこの考えは鉄板のようにおもえますが、その考えが多数派となるとき、私は少数派でいたい衝動にかられます。(後略)

Commented by kanconsulting at 2008-12-01 10:04 x

天丼さん
コメントありがとうございます。ご指摘のように、中央銀行による流動性供給で資産価値の回復、その後マネーの刷り過ぎで(悪性の)インフレ、という考えは、少しずつ市民権を得ているようです。
ただそれは、FTなどの海外メディア(ユーロ圏、イギリス)では普通に指摘されていることですし、最近はアメリカでもそういった指摘が増えてきているようです。反面、日本のメディアではそういった見解はほとんど報道されず、麻生首相の「ドル機軸体制を守りきる」という発言しか聞こえてきません。アメリカ以上にアメリカに追随する日本は、いったい何なのだ、と思います。

ただアメリカは、(GMなどの例を見れば分かりますように)過去の負債を切り捨てれば、それなりに本来の成長力を取り戻す底力のある国です。では、その負債を誰に押し付けるか?これは歴史を振り返ると、「金持ち(日本など)から奪う」「弱いもの(貧困層・社会的弱者)に泣いてもらう」しかないのだと指摘します。(後略)

(転載終了)

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

米国債のCDSが過去最高水準に、FRBの追加金融対策受け
2008年11月26日

[ニューヨーク 25日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が25日、消費者ローン関連証券の買い入れをプログラムを発表したことを受けて、米国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドが過去最高水準へ拡大した。
CMAデータビジョンによると、10年物国債のCDSは過去最高の50.0ベーシスポイント(bp)となった。これは1000万ドルの債務を10年間保証するコストが年間5万ドルかかることを意味する。前日終盤は49.8bpだった。
5年物国債のCDSは47.5ベーシスポイント(bp)と前日終盤の43.5bpから拡大した。また、フェニックス・パートナーズによれば、5年物のCDSは53.0bpだった。
FRBの措置に加え、第3・四半期国内総生産(GDP)改定値が前期比マイナス0.5%となったこがスプレッド拡大の背景。
長期的な米政府の財政状況をめぐる懸念は高まったものの、米国債を回避する動きにはつながっていない。景気が低迷する中、安定的な投資収益を確保するために債券の需要は堅調に推移するとの見方から、30年債は3ポイント以上値上がりした。

アサヒ・ロイター

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投資家の米債ポジション、「中立的」が増加=JPモルガン週間調査
2008年11月26日

[ニューヨーク 25日 ロイター] JPモルガン証券が発表した週間調査によると、投資家の米国債に対する中立的な見方が増加した。
24日に実施された調査によると、米国債のポジションを「ニュートラル」と回答した投資家の割合は71%で前週の63%から上昇した。
「ロング」の割合は23%と前週の31%から低下した。
「ショート」は6%と、前週から変わらずだった。
マーケットメーカーやヘッジファンドなど積極的な投資家の動向は「ニュートラル」が9%と前週の6%から上昇。「ロング」は6%から3%に低下、「ショート」は0%で前週から変わらず。

アサヒ・ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-12-01 10:27 | 経済状況

アメリカ金融機関のニュース

アメリカの金融機関に関連するニュースを引用します。本日は少々疲れておりますので、多少投げやりですが、ご容赦ください。

(1)シティバンク(CITYではなくCITIです)は、やはり「大きすぎてつぶせない」ようです。どこかで聞いた話と同じですね。

「GMだって大きすぎてつぶせないのではないか(だからGMにも税金を投入しろ)」という声もあるようですが、CEOがプライベートジェット機で政府に乗りつけたので、国民の大反発を食らったのは記憶に新しいところです。GMを救済するなら、もうアメリカは、政府がすべての企業を所有する、統制経済・社会主義になるということで、いいんじゃないでしょうか。

(2)FRBは、「量的緩和」を選択肢に持っており、その発動を今か今かと待っているようにも見えます。もう好きにしてくださいという感じです。

日本の量的緩和は、マネーが経済システムの上面を滑って行っただけで、あまり実効性がなかった上に、過剰流動性が海外機関投資家に流れて、円キャリートレードの遠因となりました。

ドルの量的緩和は、どこにひずみをもたらすのでしょうか。

(3)アメリカには、経営破綻の可能性ある問題銀行が171あるそうです。アメリカ政府は、21行に3兆2千億円の追加注入を決めました。これで、計30行に総額約1586億ドル(約15兆3千億円)の公的資金を投じたことになります。

もうどうにでもして、という感じです。

(引用開始)

ブッシュ大統領:必要となればシティグループ以外も救済の用意

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)ブッシュ米大統領は24日、前日深夜に米シティグループ(NYSE:C)救済策を打ち出したのに続き、「ほかにも救済を必要としているところがあれば、シティ救済策と同様の決断をする可能性がある」と述べた。
ブッシュ大統領は「このような決断は過去にもしたことがあり、昨夜もそうした。必要であれば、金融システムを守るために、今後も同様の決断をする」と語った。
また「シティ救済策についてはオバマ次期大統領と協議した。オバマ陣営とは密接に連携をとっている」とした。
今回発表された救済策は、シティのバランスシート上の不良資産にかかわる数千億ドルになるとみられる損失の一部を米政府が肩代わりするとともに、追加の資本注入をするというもの。
この発表を受け、24日のシティ株は朝方から急騰し、米国株式相場を押し上げた。終値は前週末比2.18ドル(57.82%)高の5.95ドル。その後の時間外取引でも一段高となり、終値比1.68%高の6.05ドルで取引された。
今回の米政府とシティの合意は、銀行や証券会社の経営を安定させるための政府の方策における新たな局面。金融各社への3000億ドル近くの資本注入に加え、政府はさらに一部の金融機関について、不良資産にかかわる損失を一定程度肩代わりしようとしているようだ。
シティは106カ国に2億以上の顧客口座を持つ、世界で最もよく知られた銀行の1つ。このところの株価の大幅下落は顧客を動揺させ、シティを危険にさらした。
今回の政府の救済策が成功すれば、金融システム全体の安定に寄与すると考えられる。だが成功しなければ、金融業界の先行きへの疑念がさらに深まることになりそうだ。
シティ幹部と政府高官はこの週末、長時間にわたり話し合った。その結果、23日深夜、政府が最もリスクの高い資産からシティを守る支援策をとることで合意に達した。
この合意で、シティと政府は約3060億ドルの不良資産を特定した。シティはこれにかかわる損失を290億ドルまで負担し、それ以上の損失については、財務省、米連邦準備制度理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)が負担する。ただ、シティもそのうちの一部を負担することになる可能性がある。
この合意は実質的に、政府がシティのバランスシートの一部を保証することを意味する。つまり、住宅ローン、クレジットカード、商業用不動産、多額の企業向け融資といった、シティの大規模なポートフォリオが引き続き傷むようなら、納税者の負担はさらに増すことになる。
政府からのこうした支援を受けるのと引き換えにシティは、シティ株を取得する権利の付いたワラントを政府に付与する。
ゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO)によると、政府のシティ株保有比率の上限は7.8%とするという。同氏は24日、CNBCのインタビューで「政府の保有比率の上限がこのように決まっているため、どのような見地からも、国有化ではないと私は考えている」と語った。
また、「この合意は、シティが前向きに行動する強さを兼ね備えていることを明確に示している。合意に至る過程で、われわれが勝ったとも負けたとも思っていない。現在の環境下でシティがすべきことをする強さを持っているという自信を深めたと思っている」と話した。
シティはこれまでに、7000億ドル規模の不良資産救済プログラム(TARP)の一環として250億ドルの資本注入を受けている。今回の合意で、財務省が新たに200億ドルの資本注入をすることになった。
クリッテンデン氏は、シティが公的資金の注入をさらに必要とすることになるかどうかについてはコメントを避けた。

日本経済新聞

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シティ救済策の教訓:つぶせない銀行の債務は安全

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)銀行業界について、近ごろはっきりしたことが1つだけある。米政府は債権者を保護するためにできる限りのことをするということだ。
米シティグループ(NYSE:C)救済策がこれを裏付けた。政府はシティに公的資金を注入して優先株を受け取るとともに、3060億ドル相当の高リスク資産の損失を保証する。これは、シティの債権者を損失から守る緩衝材を補強するものだ。
パニックが起きれば、何はともあれ投資家は出口に殺到する。先週、株式相場が暴落する間、デフォルト(債務不履行)に備えた保険料は急上昇した。フェニックス・パートナーズ・グループによると、シティの場合、14日には債務1000万ドル当たりの保険料は21万5000ドルだったが1週間後の21日には50万ドルとなった。JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)については、12万5000ドルから19万ドルに上昇した。
こうした変化は、シティが破たんし金融システムが崩壊することを投資家がいかに懸念していたかを示している。これまで、そのようなことが起きる可能性は極めて低かった。
9月の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEHMQ)破たん後、政府は、信用市場を機能させるにはこのような破たんをさせてはならないのだということを学んだ。したがって、シティ救済は意外なことではないはずだった。証券投資の保険の役割を果たすクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場もそのように反応した。週明け24日には、債務のデフォルトに備える保険料は、シティでは25万ドルに、JPモルガンでは17万ドルに、それぞれ低下した。
今回わかったことは、規模が大きすぎて破たんさせるわけにはいかない銀行の債務は、どれだけ事態が悪化しても、極めて安全だということだ。

(11月25日付のHeard On The Streetより) 日本経済新聞

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FRBの追加金融対策、量的緩和に踏み込んだ新たな一歩か
2008年11月26日

[シカゴ 25日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が25日発表した追加金融対策は、FRBのバランスシートをさらに膨張させることになるが、アナリストらは今回の対策について、量的緩和という異例の政策領域に踏み込んだ新たな一歩と解釈している。
FRBは政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、連邦住宅貸付銀行(FHLB)が発行した債券を最大1000億ドル買い取るほか、ファニーメイ、フレディマック、連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)が保証する住宅ローン担保証券を最大5000億ドル買い取ると発表した。
さらに財務省と連携し、中小企業や個人向けローンを裏付けとした証券の保有者に最大2000億ドルの貸し出しを行う方針だ。 
米商務省が同日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)改定値はマイナス0.5%と、金融危機の影響を受けて7年ぶりの大幅な落ち込みを示した。
BNPパリバ(ニューヨーク)のエコノミスト、ブライアン・ファブリ氏は「機能がほぼ停止状態にある資本市場の建て直しに米政府は真剣に取り組んでいる」と指摘した。
FRBは今回の対策の目標について、与信機会の拡大と住宅ローンコストの引き下げを挙げている。対策発表を受け、期間30年の米住宅ローン金利は25日に急低下した。
ゴールドマン・サックスのエコノミストらは対策について「新規資金を必要としている分野に資金を導く一方、FRBの総準備をさらに膨らませる」と解説した。
2つの新たな対策はさらに、FRBが貸し渋りを続けていた銀行の頭越しに産業界にほぼ直接資金を供給することを意味する。
ゴールドマンは個人向け金融を支援する取り組みについて「FRBが消費者への直接資金貸し出しに一番近づいた政策といっていい」と指摘した。 
今回の対策が量的緩和という不透明な領域にFRBが足を踏み入れていくことを意味しているかどうかについては意見が分かれている。
FRBの今回の発表を受け、ディーラーの間では12月15─16日と1月27─28日に開催される今後2回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBの最重要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が現行の1.0%からゼロに近い水準に引き下げられる新たな材料との見方が広がった。
4キャスト(フォーキャスト)のアナリスト、ルディ・ナーバス氏は「より積極的な量的緩和に向けた新たな一歩との解釈だ。それに従えば、FRBは一段の利下げを実施する必要がある」と語った。
短期金利先物市場では、年末までにFF金利が0.25%に引き下げられる確率が24日終盤の18%から44%に上昇した。 
新たな対策は、サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁が10月30日に言及した3兆ドルの水準近くまでFRBのバランスシート上の資産が膨れ上がる可能性も示唆している。
ゴールドマンのエコノミストは「今回の対策でFRBのバランスシートがさらに8000億ドル拡大する可能性がある。現在の約2兆ドルの規模と比べかなりの額だ」と指摘した。 

 <量的緩和は再定義が必要か>
イエレン総裁やコーンFRB副議長を含むFRB高官らは、過去1カ月に量的緩和がFRBの政策手段に加わったことを認めている。
しかしFRBの数ある政策措置の中で具体的にどの措置が厳密に量的緩和と呼べ、またそう呼べることが重要なのかどうかについては依然答えが出ていない。
CMCマーケッツUSの首席為替ストラテジスト、アシュラフ・ライディ氏は、FRBの最新の「流動性対策」は量的緩和の「新たなランドマーク」だと指摘する。「FRBのバランスシートは日銀の量的緩和政策に追随する軌道上に乗っている」という。
ただ米当局者らは25日、今回の新しい対策は1990年代に日銀が実施した量的金融緩和と同じではないと記者団に説明。今回のケースでは、特に金融機関の姿勢を貸し出しにシフトさせるため銀行システムの資金を増やしたわけではないと指摘した。
しかし一部のFRBウオッチャーは末節にはこだわらず、日本の例だけが量的緩和の唯一の定義なのかどうか、またそうであるべきかどうかを問いかけている。
従って、FF金利がゼロ付近にとどまっている限り、金融市場の安定化と景気支援を目指したFRBのほぼいかなる措置も、量的緩和の一種とみなせる可能性があり、25日の対策が恐らく最後ではないだろう。
4キャストのナーバス氏は「基本的に、FRBはGSE市場の最高10%まで買い取ることができる。いずれ、FRBによる米国債や恐らく社債の買い入れに発展するとの観測が出ている」と指摘した 

 (Ros Krasny記者、Mark Felsenthal記者;翻訳 関佐喜子 ;編集 石田仁志)

ロイター

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米、21行に3兆2千億円注入 財務省が追加承認
2008年11月18日11時21分

【ワシントン=星野眞三雄】米財務省は17日、地方銀行など21の金融機関に対し、総額335億6140万ドル(約3兆2400億円)の公的資金による資本注入を承認したと公表した。注入額はミネソタ州に本拠があるUSバンコープが65億9900万ドル、バージニア州のキャピタル・ワン・ファイナンシャル35億5519万ドルなど。これで計30行に公的資金は総額約1586億ドル(約15兆3千億円)を投じたことになる。

朝日新聞

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経営破綻の可能性ある「問題銀行」、全米で171も

【ニューヨーク=山本正実】米連邦預金保険公社(FDIC)は25日、経営破綻(はたん)の可能性もある「問題銀行」が全米で171あると発表した。
約8400の米商業銀行と貯蓄金融機関の2008年7~9月期の決算状況を分析した結果としている。
直前の4~6月期の決算分析では117行と公表しており、3か月間で約1・5倍に増えたことになる。1995年10~12月期以来、約13年ぶりの高い水準だ。問題銀行の名前は公表していない。
FDICによると、08年7~9月期の不良債権処理費用の合計は、前年同期の約3倍にあたる約505億ドル(約4兆8000億円)に達した。純利益の合計は約17億ドルにとどまり、前年同期のわずか6%に落ち込んだ。
不良債権の処理に伴い自己資本が目減りしたり、業績悪化で信用を失って資金調達に支障をきたしたりして、経営破綻する恐れのある金融機関が急速に増えている。
米財務省は金融安定化法に基づき、大手・中小の30金融機関に計2000億ドル近い公的資金の投入を決めている。「問題銀行」の増加により、財政負担がさらに膨らむ可能性がある。

(2008年11月26日11時32分 読売新聞)

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FRB、新たに総額77兆円の金融支援策発表

【ワシントン=矢田俊彦】米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、金融危機の影響で取引が縮小している消費者金融と住宅ローン市場の活性化に向け、最大で総額8000億ドル(約77兆円)に上る新たな金融支援策を発表した。
落ち込みが続く個人消費をてこ入れするため、自動車ローンや学生ローンなどを担保にした証券化商品を保有する金融機関に対し、最大2000億ドルを融資する制度を新たに導入する。金融危機によって貸し渋りが深刻化している消費者ローン市場にFRBが資金を提供することで、金融機関から消費者に資金が行き渡るようにする狙いだ。
米財務省は、融資の財源として、金融安定化法に基づく7000億ドルの公的資金枠から200億ドルを転用する。
一方、最大6000億ドルの資金枠を設定した住宅市場の活性化策では、連邦住宅抵当公庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)など政府系住宅金融の住宅ローン債権の買い取りに最大1000億ドル、ファニーメイなどが保証する住宅ローン担保証券の購入に最大5000億ドルを充てる。住宅ローン市場への資金供給によって、消費者が住宅ローンを借りやすくして住宅購入を促す。

(2008年11月26日01時25分 読売新聞)

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米金融機関、94%の減益 実体経済への影響深刻に

【ワシントン25日共同】米連邦預金保険公社(FDIC)が25日発表した加盟金融機関の決算まとめによると、2008年7-9月期決算の純利益は、前年同期比94・0%減の17億2600万ドル(約1600億円)と大幅減益となった。1990年10-12月期以来、約18年ぶりの低水準。
サブプライム住宅ローン問題の深刻化で、貸倒引当金繰り入れによる不良債権処理額が前年同期の約3倍に当たる505億ドルと高水準となったためだ。サブプライム問題に端を発した金融危機の影響が企業収益を悪化させ、実体経済にも悪影響を与えていることが浮き彫りになった。
FDICには銀行や貯蓄貸付組合(S&L)など8384の金融機関が加盟しているが、そのうち約4分の1が赤字になった。重点的に経営を監視する「問題金融機関」は6月末時点の117から171に増加、1995年末以来の高水準に上昇した。

2008/11/26 11:47 【共同通信】

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第3四半期末時点で問題のある米銀は171行=FDIC
2008年11月26日

[ワシントン 25日 ロイター] 米連邦預金保険公社(FDIC)は25日、問題を抱える米銀の数が第3・四半期末までに171行に達し、1995年末以来の高水準になったことを明らかにした。第2・四半期末時点では117行だった。
問題のある銀行の資産は合計で1156億ドルと、前四半期末の783億ドルから増加した。
一方、9月末時点の預金保険基金は346億ドルと、前四半期末から23.5%減少した。
また、米銀全体の利益は前年同期比94%減の17億ドルにとどまり、90年以降で2番目に低い水準となった。

朝日新聞

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焦点:シティに次ぎ、バンカメやウェルズ・ファーゴにも懸念
2008年11月25日

[ニューヨーク 24日 ロイター] 米政府によるシティグループ救済策は投資家の不安を和らげたが、バンク・オブ・アメリカ(BOA)などライバル行のバランスシートにも問題が潜んでいるとの見方が根強く残っている。
BOAは米国の住宅市場が大恐慌以来最悪の状況に落ち込む中、モーゲージ資産を積み上げてきた。同社は米国最大の独立系住宅金融会社カントリーワイド・フィナンシャルを買収したことで住宅ローン関連エクスポージャーが急増したほか、メリルリンチを買収することでも合意している。
そのため、モーゲージや他の証券に関する損失が著しく拡大すれば、中核的自己資本(Tier1)比率が危険な水準まで低下しかねない。
ミラー・アンド・ワシントンのマイケル・ファー社長は「困難な状況に追い込まれ、救済される銀行はさらに増える可能性がある」とした上で、「株価を見ると、次に危なくなるのはBOAのようだ」との見方を示す。
BOAの株価は11月初めから前週末までに52%下落し、KBA銀行指数構成銘柄の中でシティグループに次いで下げがきつい。
独立系調査会社クレジットサイツのアナリストは、商業用不動産や住宅市場が予想以上に悪化した場合、BOAのTier1比率は7.15%まで低下すると予測する。
規制当局はTier1比率が6%以上であれば「十分な資本がある」とみなしているが、7%に接近あるいは下回れば、投資家の間で懸念が高まる恐れがある。
この問題について、BOAのコメントは得られていない。
クレジットサイツは、ワコビアを買収したウェルズ・ファーゴについても、最悪のシナリオではTier1比率が6.98%まで低下する可能性があると推測している。ウェルズ・ファーゴもコメントを拒否した。
確かに、一部の投資家が注目している有形資本に対する有形資産など、一部の指標はBOAやウェルズ・ファーゴに比べてシティグループの状況が悪かったことを示している。
シティグループの有形資産は、株主資本から無形資産を差し引いた値の42倍前後に達し、BOAの11倍をはるかに上回っている。
アナリストは、米国の銀行システムはおおむね資本が過小で、その規模は1兆ドル以上に達するとみている。
ウェルスウッド・キャピタルのインベストメントバンカー、ダニエル・アルパート氏は「銀行にはすでに大きな穴が開いており、リセッション(景気後退)でその穴はさらに拡大すると指摘、すでに発表されている総額7500億ドルに加え、さらに1兆ドルの不良債権を償却する必要が生じると推測している。
BOAはカントリーワイドを買収したことで2500億ドルを超す住宅関連モーゲージ資産を保有しており、複雑なタイプのモーゲージ提供はやめたものの、償却負担が増加している。
一方、ウェルズ・ファーゴはワコビア買収によって2600億ドルを上回る消費者ローンを引き継いだ。
JPモルガン・チェースもワシントン・ミューチュアルを買収したことで、すでに抱えていた多額の消費者ローンに最もリスクの高いモーゲージが上乗せされる形となった。
それでも、各社とシティグループとの間には大きな違いがある。アナリストによると、シティはワコビア買収に失敗したことで投資家の信頼を失い、預金を通じた資金調達の基盤が弱体化している。
スチュワート・キャピタル・アドバイザーズの最高投資責任者、マル・ポレイ氏は「シティと他の3社との違いは、シティの経営に対する懐疑的な見方が強いことだ」と指摘、「シティの経営陣はぜい肉をそぎ落とす十分な努力をしていない」と批判する。
だが、他の3社の経営陣も、資本ポジションをめぐる投資家の不安を和らげる必要がある。それらの損失が拡大すれば、BOAやウェルズ・ファーゴはシティグループと同様、米政府の支援を受けざるを得なくなる可能性もある。
フリードマン・ビリング・ラムジーのアナリスト、ポール・ミラー氏は「他社も支援が必要になることは間違いない」と断言している。

 (Elinor Comlay記者;翻訳 長谷部正敬)

朝日新聞・ロイターニュース

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-28 22:50 | 海外銀行

日本の動向 赤字国債発行へ 消費税5%アップ 貿易赤字とゼロ成長 再びデフレに 恐慌の香り

日本の動向に関連したニュースを引用します。

(1)財政審(財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会)が、来年度予算に関する意見書を提出しましたが、2011年PB(プライマリーバランス黒字化)については、「達成への取り組みを怠ってはいけない」と、努力目標となり、去年よりも後退した表現となりました。
一方では、消費税(のアップ)について、道筋をつけるべき、という意見も付記されました。

以下のニュースでは、「消費税の5%程度の引き上げが必要」という記述も見られます。

(景気対策、国民生活を考えた場合には、消費税アップはありえず、逆に消費税の撤廃も考えるべきと主張します。そうならない理由は、何度も述べていますが、「法人税を下げたい」「消費税の戻し税による、輸出企業への実質的な補助金を増やしたい」という一語につきると思います。)

さらに、第2次補正予算案で、赤字国債を発行することになるとのことです。

・新総合経済対策の財源としては、赤字国債を発行しない
・代わりに、国債の返済に使途が限られている財政投融資特別会計の余剰金を充てる
・国債発行と同じ
・数兆円単位の赤字国債を発行すれば、マーケットへの影響が懸念される
・ではあるが、第2次補正予算案では、赤字国債を発行する

いくつもの矛盾をはらんでいますが、気をつけなければならないのは、「赤字国債を発行しすぎて、国債が消化されない」ということだと思います。国がマネーを吸い上げて、民間にマネーが循環しない、クラウディングアウトを懸念します。それが、「マーケットへの影響が懸念される」ということなのでしょう。

吸い上げるのも結構だが、将来の成長につながるカネの使い方をするべきだ、と主張します。もちろん、それは道路ではないのです。

(2)世界中でもっとも安全とされている(というのも意外ですが)、東京マーケットでも、リスクを取ってまで資金を出す機関がなく、じわじわと金利が上がってきています。特に、年末にかけて、さらなる倒産がありうるだろう、という実感が、関係者の間で共有されているのだと思います。

「キャッシュ以外は何も信じられない」という、恐慌の香りもします。

(3)10月の貿易収支は、大きく赤字となりました。もちろん、単月度の赤字であれば、別に気にする必要はありません。しかし、これから当分の間、「日本が貿易赤字国」という傾向が続くとするならば、多方面にいろいろな影響が出てくることと思います。

さらに、OECDの経済見通しでは、2009年の日本経済について、後半には「成長が止まる」ということです。もちろん、予測は当たるとは限りません。 しかし、こういった予測は、「悲観的なものが当たりやすい」というのも、また事実だと思います。

さらに、「デフレ逆戻り」への道筋も示されています。

・雇用情勢が悪化 (すでに、派遣社員のカットが始まっており、非正規雇用の状況は壊滅的)
・賃金の伸びが弱い (弱いどころか、来年以降、急激に失業者が増える可能性)
・地価下落が始まる (すでに地価下落は始まっています)
・消費者物価がマイナスに

「またデフレか」という声が聞こえてきそうです。

百貨店売上高は8カ月連続マイナス、企業向けサービス価格が低下、など、その道筋は不可避のようにも見えます。

(引用開始)

「赤字国債発行せざるを得ない」 税収減で中川財務相
2008年11月21日18時41分

中川財務・金融相は21日、外国特派員協会で講演し、景気後退で今年度の税収が見積もりを大幅に下回るとの見通しに触れ、「税収減への対応として、(年内にとりまとめる第2次補正予算案で)赤字国債を発行せざるを得ない」と述べた。財務省は税収が見積もりより6兆円程度落ち込みそうだとみている。
その上で、新総合経済対策を実施するための財源として赤字国債を発行することは重ねて否定。代わりに、国債の返済に使途が限られている財政投融資特別会計の余剰金を充てることについて、「国債発行と同じだと言われても仕方ない。だが、赤字国債を発行すれば数兆円単位になり、マーケットへの影響がないわけでもない」と説明した。(松村愛)

朝日新聞

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「15年度までに5%消費増税必要」与謝野氏と柳沢氏
2008年11月22日3時2分

与謝野経済財政相と政府の経済財政諮問会議の民間議員は21日、自民党税制調査会の柳沢伯夫小委員長と会談し、15年度までに社会保障の財源として、消費税の5%程度の引き上げが必要との認識で一致した。政府・与党は12月半ばに税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」をまとめる方針で、消費税の引き上げ幅を明記するかが焦点になりそうだ。
関係者によると、柳沢氏は、15年度に医療、年金、介護などにかかる国の社会保障費の試算を提示。これを賄うには消費税5%相当の引き上げが必要との認識で、与謝野氏や民間議員と一致した。また、消費増税時に食料品などに対して軽減税率を導入することの是非も議論した。
ただ、与党内では解散・総選挙を意識し、中期プログラムで将来の消費税の税率や引き上げの時期を明記することに慎重な意見が多い。中期プログラムで引き上げ幅を盛り込めるかは不透明だ。
政府は10月末にまとめた新総合経済対策で、中期プログラムの策定を打ち出した。諮問会議と党税調でとりまとめの作業を進める。

朝日新聞

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年末越え短期資金、金利が急上昇

短期金融市場で年末を越える期間の資金調達金利が急上昇している。東京銀行間取引金利(TIBOR)3カ月物金利は25日、前週末より0.00693%高い0.84308%となり、10営業日連続で上昇した。9月の米リーマン・ブラザーズ破綻後に短期金融市場は貸し倒れリスクに過敏となり、資金の出し手がほとんどいない状況が続いている。
10月31日に日銀が政策金利を0.3%に下げるとTIBORもいったん低下。だが、資金決済が集中する年末に備え、あらかじめ長めの資金を調達しようとする金融機関は多く、需給が逼迫(ひっぱく)して取引金利は上昇に転じた。日銀は公開市場操作(オペ)で大量に資金を供給しているが、金利上昇に歯止めがかかっていない。(07:00)

日本経済新聞

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10月の貿易収支、7.7%減 639億円の赤字

財務省が20日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出総額は前年同月比7.7%減の6兆9261億円となった。世界的な金融危機が響き、2001年12月以来、約7年ぶりの大幅な減少率を記録した。欧米向けの減少が続き、アジア向けも6年8カ月ぶりのマイナスに転じた。貿易収支は639億円の赤字で、10月としては28年ぶりの赤字となった。
日本の貿易収支は8月に3321億円の赤字となり、1月を除いて約26年ぶりの赤字を記録した。10月は2カ月ぶりの赤字。輸入総額は7.4%増の6兆9901億円だった。
輸出総額の減少は4カ月ぶり。アジア向けは4.0%減った。このうち中国向けは0.9%減と、05年5月以来の減少に転じた。


[11月20日/日本経済新聞 夕刊]

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OECD、日本に警告 09年後半に成長ストップ
2008/11/26

OECD(経済協力開発機構)は25日発表の経済見通しで、2009年の日本経済について、前半は低成長ながらも政府景気対策に下支えされるが、後半には「成長が止まる見通しだ」と述べ、景気息切れの恐れを警告した。
OECDは09年の日本の成長率をマイナス0.1%と予想した。10年は0.6%のプラス成長に回復するとしているが、円高や世界経済の回復の遅れで輸出は10年に入っても伸びは鈍く、景気の足を引っ張り続けると予想した。また、雇用情勢が悪化する中で賃金の伸びが弱く、地価下落が始まる気配も濃厚なことから、09年中に消費者物価が小幅のマイナスに落ち込む公算が大きいと述べ、「デフレ逆戻り」の可能性を指摘した。
一方、OECDは金融危機の震源地、米国の景気見通しについて、既にリセッション(景気後退)入りしたもようで、「今後数四半期は幅広い領域で生産が落ち込む」と予想した。
09年の成長率はマイナス0.9%とした上で、第3四半期から回復が始まるが、資産価格下落などで個人消費は弱く、「過去の景気回復期に比べペースは鈍いだろう」と指摘した。金融危機が去った後には、金融監督・規制の大幅見直しや、財政赤字削減が課題になると述べた。

フジサンケイビジネスアイ

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物価上昇に急ブレーキ 企業向けサービス価格、10月は低下

物価の上昇に急ブレーキがかかっている。原油をはじめとする資源価格の反落が主因で、10月の企業向けサービス価格指数は2年3カ月ぶりに前年同月を下回った。世界的な景気低迷に伴い、モノの動きが鈍っている影響も見逃せない。国内では供給に対して需要が不足する状態が続いており、物価が持続的に下落する「デフレ」の再燃を懸念する声も出てきた。
企業間で取引するモノの価格は上げ幅が縮小しているが、サービスの価格は下がり始めた。日銀が25日発表した10月の企業向けサービス価格指数は前年同月に比べて1.4%低下した。資源や製品を運ぶ海上運賃の値下がりが響き、運輸だけで物価全体を約1.4ポイント押し下げた。(07:00)

日本経済新聞

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10月の全国百貨店売上高、6.8%減――8カ月連続マイナス

日本百貨店協会が18日発表した10月の全国百貨店売上高は、5845億円(既存店ベース)と前年同月比6.8%減った。8カ月連続のマイナスとなり、世界的な金融不安と株安が高額商品不振に拍車をかけた。年末商戦も盛り上がりを欠きそうだ。
減少幅は前月から2.1ポイント拡大し「セール期間のずれなど特殊要因がない月としては過去15年間で最悪」(日本百貨店協会)。地域別でも2カ月続けて全地域で前年割れし、東京は8.4%減と前月から減少幅が3.8ポイント広がった。

[11月19日/日本経済新聞 朝刊]

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-27 21:33 | 経済状況

金融危機に伴う世界の損失額 約5.8兆ドル(約550兆円) さらに損失が増える可能性

これまでに、ゴールドマンサックスによると、金融危機に伴う世界の損失額は、1兆4000億ドルに達する試算と述べました。

また、アメリカ政府などによる、不良債権買取・公的支援・買収などの合計は、すでに明らかになっている数字の合計だけで、約1.5兆ドル(15130億ドル)になることも述べました。

『(アメリカ政府などによる)損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。ところが、それだけの資金の出し手が、ないのです。日本や中国の国家外貨準備は、すでにアメリカ国債などになっているため、新規の投資資金にはなり得ません。ではどうするか?』(FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

ところが、みずほ証券の、もっとシビアな試算によると、約5.8兆ドル(約550兆円)の損失になるということです。

・欧米の不動産ローン、個人・企業向けローン、ローン証券化金融商品の残高:約32兆ドル(約3千兆円)
・損失計約5.8兆ドル(約550兆円)
  うち米国:約4.4兆ドル(約420兆円)
  うち欧州:約1.4兆ドル(約130兆円)
・損失比率:▲17.9%
  サブプライム関連の不動産ローンや証券化商品(米国):▲65~75%
  不動産関連の証券化商品(欧州):▲3割程度
  消費者ローン関連の証券化商品(米国):▲45%

こういった試算では、往々にして、「もっとも悲観的な試算が当たる」のです。逆に、これより甘い数字では、「それは本当か?何かごまかしているのではないか?」という疑心暗鬼が生じるということも、これまで述べてきたとおりです。

文字通り、すさまじい量のマネーが、世界から消えているのです。そして、そのマネーは帰ってくることはありません。なぜならば、それが信用縮小というものだからです。

(このあたりは、バブル崩壊を経験された方ならば、身をもって体験されたことと思います)

そして、その後に来るであろうリスクイベントを予想することも、それほど難しいことではありません。何度も述べていますが、一言で言うと、世界恐慌と、その後に来る通貨崩壊です。
(リスクイベントとは、「そういうリスクがある」という意味であり、必ず来るという主張ではありません)

当分は、リスク資産が値下がりする傾向が続くと思います。しかし、それも通貨の信任があってのこと。最終的には、通貨そのものが価値を失う時が来るのだと思います。

「100年に一度の危機」では、文字通り、「100年続いた何か」が崩壊するのです。それは、アメリカのヘゲモニー(覇権)、ドル機軸通貨システム、その両方なのかも知れません。

(引用開始)

世界の金融損失、550兆円に みずほ証券試算
2008年11月24日16時28分

世界的な金融危機による金融機関などの損失が5.8兆ドル(約550兆円)に達する可能性があることが、みずほ証券の試算で明らかになった。9月中旬の米証券大手リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)後の金融市場の混乱が、大きく影響している。
試算では、国際通貨基金(IMF)や英中央銀行のイングランド銀行(BOE)のデータをもとに、欧米の不動産ローンや個人・企業向けローン、さらにローンを証券化した金融商品の残高を約32兆ドル(約3千兆円)と推定した。
そのうち損失は、米国が約4.4兆ドル(約420兆円)、欧州が約1.4兆ドル(約130兆円)で、計約5.8兆ドル(約550兆円)。損失比率は17.9%に達する。
サブプライム関連の不動産ローンや証券化商品は米国で65~75%も価値が目減りしたとみられ、欧州でも不動産関連の証券化商品は3割程度も目減りした可能性があるという。米国の消費者ローン関連の証券化商品は45%も価値が目減りしたとみられる。
世界の金融機関の損失については、IMFは1.4兆ドル(約130兆円)、BOEは2.8兆ドル(約270兆円)とする試算をそれぞれ10月に公表している。今回の試算がそれを上回ったのは、米金融大手が適用している時価評価をもとに、より厳しく損失を見積もったからだ。
試算した石原哲夫・みずほ証券シニアクレジットアナリストは「米国の金融危機対策はなかなか進んでおらず、さらに損失が増える可能性がある。オバマ次期大統領が就任時に危機対策のビジョンを明確に打ち出すかどうかがカギだ」と話している。(橋本幸雄)

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-26 20:31 | 経済状況

日本はIMFへ1000億ドル出資 ドル基軸通貨体制を支える努力 中国は57兆円を国内投資

これまでのエントリーで、次のように述べました。

(転載開始)

FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

これまで何度も述べていますが、「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金と、その原資となるアメリカ国債を買った投資家に、ツケがまわされるということなのです。

損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。ところが、それだけの資金の出し手が、ないのです。日本や中国の国家外貨準備は、すでにアメリカ国債などになっているため、新規の投資資金にはなり得ません。ではどうするか?たとえば、次のような方法があるでしょう。

・国際協調と称して、日本円を増発
・FRBに差し入れて、ドルと交換
・そのドルを市場に流さず、そのままアメリカ国債を購入
・買ったアメリカ国債は、アメリカ財務省で塩漬けにする
・ある時点で、為替レートと金利上昇による強制調整により、実質の借金を棒引き

このケースにおいては、日本の納税者が、「国際協調のため」として、アメリカの損失をかぶることになります。

先ほどの急激な円高では、「債権国である日本に、資金が逃避した」とされています。このため、外貨建ての債券の価値は急落しました。加えて、この債権者は、アメリカ債券を思う通りに売ることができない、「債務を返してください」とお願いするしかない、弱い存在でもあるのです。

何度も書いていますが、日本からカネを搾り取るための、国際協調がありうるのだ、と指摘します。

(転載終了)

(それにしても、債権国に資金が避難すると、債務国通貨建ての債権が為替調整により減価するため、債権国が損をする、というのは、うまく出来た話だと思います)

このエントリーに限らず、これまでに、次のように述べてきました。

・信用収縮から回復するためには、新規の投資資金が必要
・しかし、アメリカをはじめとする債務国には、その余力がない
・債権国である日本・中国・産油国などが、カネを出すしかない
・債権国が救済出資しなければ、強制的な債務放棄(デフォルト)もありうる

さて、その中国についても、これまでに次のように述べてきました。

・中国は、外貨準備として、アメリカ国債などを多量に保有している
・それを外交カードにしており、アメリカ国債の売り圧力をかけることもありうる
・反面、日本は、アメリカ国債を自由に売ることができないのは明らか

中国は、57兆円の緊急経済対策を発表しました。インフラ整備が主だと言う事です。その財源は、中国の外貨準備から、57兆円相当の米国債やGSE債を売るとされています。しかし、それほどの多額のアメリカ国債を売ることは、市場の混乱(金利は上昇)をもたらします。ですので、「中国の57兆円は本当か?」という疑問も、当然ありうるでしょう。

---

「日本からカネを搾り取るための国際協調」に関連して、日本の外貨準備を、IMFへの融資に充てる、というアイデアは、そこまでIMFに義理立てしなくても良いのでは、とも思います。

(義理立てしているのは、IMFにではなく、アメリカに、なのだと思います。元をただせば、同じなのですが)

ニュースを引用します。注意すべき点として、

(1)国際通貨基金(IMF)に対し、外国為替資金特別会計から、最大1000億ドル(約10兆円)の資金融通
(2)日本はドル基軸通貨体制を支える
(3)基軸通貨国アメリカを支えるためには、世界中から資本流入させ、アメリカの赤字をファイナンスしなければならない
(4)IMFは約2000億ドルの余剰資金を抱え、ただちに資金難に陥る恐れはない
(5)日本の外貨準備高は10月末現在で9777億ドル程度、中国に次いで世界第2位

まず、

(1)に関して、外為特会の積立金は、元をただせば、国民の税金であることを忘れてはならないと思います。バラマキの可否は置くとして、バラマキの金額は2兆円と比べると、その大きさが良く分かると思います。
「融通だから、そのうちカネは帰ってくるのではないか」と思われる方がいたとしたら、「そもそも、アメリカに貸したカネも、満足に帰ってきていないではありませんか」と指摘します。何度も書きますが、返してもらえない借用証書は、ただの紙切れなのです。

(外為特会の資金は、国内に回したほうが、結局は良いのではないかとも思います)
(そもそも、バラマキの財源である『埋蔵金』で、国債の償還をしたほうが、結果としては良いようにも思います)

(2)に関しては、過去のエントリーで散々述べていますので、繰り返しません。(重要ではないから繰り返さないのではありません)
同じく、(3)についても、世界中を巻き添えにして、アメリカと心中するという意思表明にも聞こえます。

(4)に関しても、「それは本当か?」と思います。
まず、余剰資金は本当に「余剰」な余裕資金なのでしょうか?すでに何かの債券になっているということはないのでしょうか。もし自由資金であったとしても、2000億ドル(20兆円)では、中型の危機が来れば一発で使い切ってしまい、大型の危機には焼け石に水であることは明白です。

(5)については、何度も書きますが、外貨準備はほとんどがアメリカ国債のため、額の大きさにはあまり意味がありません。
外貨準備第一位である中国の緊急経済対策は、57兆円分、農村、鉄道・高速道路、港湾整備などのインフラ整備ということです。「国内で使い切りたいので、IMFに回す分はありません」と言っているようにも聞こえます。

こういったことは、過去のエントリーで何度か述べています。

(引用開始)

[東京 14日 ロイター] 政府は、14日からワシントンで開催される緊急首脳会議(金融サミット)で、麻生太郎首相が提言する金融危機克服に向けた提案の概容を発表した。
国際通貨基金(IMF)に対し、外国為替資金特別会計から最大1000億ドルの資金融通を行う用意があることを正式表明し、IMFの新興国向け融資を側面支援する。金融危機防止策として、IMFの市場監視機能や早期警戒機能を向上させる必要性も提言する。
一方、市場の一部で懸念されるドル基軸通貨体制維持に対して、ドル基軸通貨体制を支える努力を払うべきと強調。今回の金融危機の根底にグローバルな不均衡の問題があることをあらためて喚起し、ドル基軸通貨体制を支える努力として、各国が構造改善を推進する必要があると訴える。 

 <危機の根底にはグローバルな不均衡問題> 
麻生首相は提言で、まず今回の金融危機の根底に「グローバルなインバランスの問題があり、基軸通貨国アメリカへの世界中からの資本流入という形でアメリカの赤字がファイナンスされているという根本があることを忘れてはならない」と指摘。資本移動が瞬時に起こり得る現状では、金融危機防止のためには、「各国の様々な政策努力を収れんさせ、いかに協調した行動をとるかが不可避の課題だ」と世界的な政策協調を訴える。 

 <外準活用の新興国支援策では、他の追随も呼びかけ> 
そのうえで短期・中期・長期に分けて政策を提言。短期の金融市場安定化策では、90年代に日本が金融危機を乗り越えた教訓を踏まえ、資本注入策や企業再生の取り組みの重要性などを示す。
金融危機防止のための中期的課題として、まずマクロ経済運営で「過剰消費・借入依存の国における過剰消費抑制策と、外需依存度の大きな国における自律的な内需主導型成長モデルへの転換」を主張。各国が世界経済の減速に対応する重要性を強調すると同時に、日本では10月30日に追加経済対策をまとめ取り組みを進めていることを表明する。
また、金融危機を未然に防ぐとともに支援体制を強化する狙いから、国際金融システムの機能強化を提言。具体的には、(1)IMFの市場モニタリング機能や早期警戒機能の向上、(2)世界の成長のけん引役を期待される新興国に対しIMFが必要な支援を行うための増資の必要性──などIMFの機能強化を求める。
IMFは約2000億ドルの余剰資金を抱え、ただちに資金難に陥る恐れはない。しかし、政治的な駆け引きがからむ増資には時間がかかることから、麻生首相は増資が実現するまでの当面の対応として、新興国支援などでIMFが資金不足に陥った場合、IMFからの要請を前提に、外貨準備から最大1000億ドルの融資を行う方針を表明する。
日本の外貨準備高は10月末現在で9777億ドル程度で、中国に次ぐ世界第2位の規模。関係者によると、他の潤沢な外貨準備の国にも追随を呼びかける。
また、金融危機の影響で民間資金の流入が細る一方で資金需要が高まった結果、融資余力が少なくなったアジア開発銀行に関して、早急な一般増資を提言する。 

 <FSFの機能強化> 
今回の金融危機発生には、新たな金融商品の登場に対して各国の監督・規制が追いつかなかった問題を踏まえ、会議では、各国の金融監督や格付け、会計基準のあり方も議題になる見通し。これに対して麻生首相は金融監督では、「各国の金融監督局、財政当局、中央銀行の合議体である金融安定化フォーラム(FSF)」を、銀行、証券、保険監督をつなぐ上位組織として位置づけ、IMFとの協働を通じて機能を強化すべきと提言する。さらに、加盟国に偏りがあることから、「新興国をメンバーに加え再構成」する必要性も示す。
会計基準のあり方では、国際会計基準審議会に行政当局や企業、投資家の参画を提言し、時価会計主義偏重からバランスのとれた議論を模索する。また、格付けの問題では、証券監督者国際機構(IOSCO)を中心に格付け機関の自主ルールが強化されてきたが、法的権限をもたせる方向の議論も提案する。 

 <長期的な通貨体制、ドル基軸通貨体制を支える努力> 
市場では、世界最大の債務国である米国のドル基軸通貨体制が今後とも安定的に持続するか懸念が存在する。この懸念に対して麻生首相は「ドル基軸通貨体制を支える努力を払うべき」と提言し、各国に構造改善努力を訴える。
麻生首相提言は金融危機克服に向けた日本政府のスタンスを総括するものだが、金融サミットでは時間の制約から全てを提示出来ない場合も想定されている。

ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-17 21:13 | 経済状況

ジョージ・ソロスのコメント 次の金融帝国は中国

ジョージ・ソロスらが、金融危機の「元凶」であるヘッジファンドの責任者として、米政府公聴会に呼び出されて証言をする模様です。

・ジョージ・ソロス(ソロス・ファンド・マネジメント)
・フィリップ・ファルコン(ハービンジャー・キャピタル・パートナーズ・ファンド)
・ジョン・ポールソン(ポールソン・アンド・カンパニー)
・ジェームズ・シモンズ(ルネサンス・テクノロジーズ)
・ケネス・グリフィン氏(シタデル・インベストメント・グループ)

(引用開始)

深刻な米景気後退は不可避、恐慌の可能性も=投資家ソロス氏
2008年 11月 14日 05:04 JST

[ワシントン/ボストン 13日 ロイター] ソロス・ファンド・マネジメントを率いる著名投資家ジョージ・ソロス氏は13日、深刻な米景気後退は不可避との見方を明らかにした。
同氏は米下院監督・政府改革委員会公聴会での証言原稿で「深刻な景気後退は今や避けられず、恐慌の可能性も排除できない」と述べた。
また、ヘッジファンドはポートフォリオの50─75%縮小を余儀なくされるとの見方を示した。

ロイター

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米政府公聴会、金融危機の「元凶」ソロス氏ら4人招集
2008/11/13(木) 10:35

米国政府は13日公聴会を開き、昨今の金融危機の「元凶」とも指摘されることがある米ヘッジファンド・マネージャーのジョージ・ソロス氏ほか4人を招集し、ヘッジファンドが実体経済に与える影響などについて追求する。東方早報(中国)が外電を引用して伝えた。
それによると、米国政府が金融危機の「元凶」として公聴会に招集したのは、ジョージ・ソロス氏のほか、フィリップ・ファルコン氏(ハービンジャー・キャピタル・パートナーズ・ファンド)、ジョン・ポールソン氏(ポールソン・アンド・カンパニー)、ジェームズ・シモンズ氏(ルネサンス・テクノロジーズ)、ケネス・グリフィン氏(シタデル・インベストメント・グループ)の計5人。いずれも、アルファ誌の収益別統計で上位5位に入ったヘッジファンド・マネージャーばかりだ。
公聴会では、ヘッジファンドの規模が金融システムの安定性を脅かすようになった原因を究明し、ファンドマネージャーに対する巨額の報酬が、リスクヘッジ機能を低減させた可能性などの問題が取り上げられる見込み。(編集担当:金田知子)

サーチナ

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ソロス氏ら5人、米下院で13日に証言へ
2008年 11月 12日 18:51 JST

[12日 ロイター] 米著名投資家ジョージ・ソロス氏やフィリップ・ファルコン氏を含む5人のヘッジファンド・マネージャーが13日に開かれる米下院監督・政府改革委員会の公聴会に出席し、ヘッジファンドの活動が実体経済に及ぼす影響などについて証言する。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が伝えた。
他に証言するのは、ポールソン・アンド・カンパニーのジョン・ポールソン氏、ルネサンス・テクノロジーズのジェームズ・シモンズ氏、シタデル・インベストメント・グループのケネス・グリフィン氏。
FT紙は5人が公聴会に呼ばれるのは、ヘッジファンド・マネージャーとしてトップ5位の利益を上げているためとしている。5人は昨年それぞれ10億ドル以上の利益を上げたとされる。
ロイターの取材に対し、5人からはいずれもコメントは得られていない。
FT紙によると、公聴会の最大の焦点は、ヘッジファンドが金融システムの安定を脅かすほどに大きな影響力を持つようになった要因。これに関連して、各ヘッジファンドが取り入れている報酬制度が危険なリスクを伴う取引を助長させているのではないかとの問題も取り上げられる。信用取引についても議論される見通し。
FT紙は、この公聴会がさらなる規制強化のきっかけになる可能性もあるとするヘッジファンド関係者らのコメントを伝えている。

ロイター

(引用終了)

ジョージ・ソロスの最近のコメントがいくつか見つかりましたので、転載しておきます。
ソロス自身は、市場原理主義やグローバリズムに対して批判的な立場を取っています。ヘッジファンドは、カネ至上主義の亡者であって、グローバリズムを旗印に新興国を荒らしまわっているイメージを持っている方には、意外に聞こえるかもしれません。

「中国、産油国は米ドル貯蓄や米国国債で潤った」から、「今後さらに多くの富を手にするだろう」には、少し飛躍があるように思います。それは、「この底値で投資するならば」という隠れた前提があるのだと思います。

(引用開始)

ソロス氏インタビュー発言「次の金融帝国は中国だ」
2008/11/12(水) 12:13

ロシア共産党機関紙「プラウダ」によると、米著名投資家のジョージ・ソロス氏は、中国が現在金融危機をしのいだ「最大の勝ち組」となり、今後は国有銀行や巨額債務を抱える欧米諸国をおさえ、新たな世界の金融帝国になるとの予測を述べた。人民網がこのほど伝えた。
氏の発言は、ドイツ「ディ・ ヴェルト(Die Welt)」紙のインタビューでのもの。金融危機の原因やサブプライムローンについての自身の見解を述べた。「現在は1930年代以来の金融危機。金融体制に問題がある」と言及、金融市場はすでに求心力を失っていると指摘した。
欧米は今後、国有銀行や巨額債務を負うことになると予想し、中国が「金融帝国」として台頭する可能性も示唆した。「米国の影響力は過去25年間の赤字続きで、すでに弱まっている。一方中国や産油国は黒字が目立つ。米国は生産を上回る消費をしすぎたことで債務が蓄積しているが、中国、産油国は米ドル貯蓄や米国国債で潤った。今後さらに多くの富を手にするだろう」としている。(編集担当:金田知子)

サーチナ

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ソロス氏「金融危機はピークも、各種問題はこれから」
2008/11/12(水) 16:51

ジョージ・ソロス氏はエストニアのメディアの取材を受け、「全世界の信用危機について、すでにピークに達している。現在、金融システムはすでに自浄作用を発揮、回復を始めている」と指摘したという。中国のファイナンス系のウェブメディア中金在線が伝えた。
中金在線は毎日経済新聞の報道を引用して、ソロス氏が「リーマン・ブラザーズの破たん以来、機能を停止していた金融システムが再び動き出した」と指摘したことを紹介。一方で、「危機によって生じた大量の失業問題、及び企業経営の困難さを増す各種経済問題はむしろ今後激しさを増すだろう」とも語った。
「前代未聞の、最大の危機」と今回の金融危機を表現するソロス氏。「これは自分の生涯でもまれに見る危機であり、今までこのような危機を見たこともなく、また今後見ることもないだろう」と、今回の金融危機の深刻さを改めて強調したという。
中金在線は、いち早く米株買いを宣言したウォーレン・バフェット氏同様、ソロス氏も逆張りの動きを見せ始めていると指摘、同氏がモーリタニアの鉄鋼山プロジェクトに参画している豪Sphere Investments社の5%の株式を買い入れていることを紹介している。(編集担当:鈴木義純)

サーチナ

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-14 21:46 | 経済状況

金融危機に伴う世界の損失額1兆4000億ドル これから6000億ドルが消失 20万人以上のリストラ

ゴールドマンサックスによると、

・金融危機に伴う世界の損失額は、1兆4000億ドルに達する
・そのうち、実現損は8000億ドル
・つまり、6000億ドルはこれから損失が表面化する

ということです。

フィナンシャル・タイムズによると、世界の金融業界全体では、既に推計15万人がリストラ・失職しており、これからアメリカ金融業界だけでもさらに7万人が人員削減の対象となる可能性があるとのことです。

金融危機のダメージが小さいゴールドマン・サックスであっても、全従業員(3万2500人)の約10%削減に着手したということです。

とりわけ金融機関にとっては、厳しい冬となりそうです。

(引用開始)

金融危機に伴う世界の損失額は1.4兆ドルに達する見通し=ゴールドマン
2008年 11月 11日 09:05 JST

[ニューヨーク 10日 ロイター] ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジャン・ハツィス氏は10日、金融危機に伴う世界の損失額が1兆4000億ドルに達するとの見通しを示した。そのうち実現損は8000億ドルに過ぎないという。
金融機関と実体経済全体にとって今後さらに痛みが発生することを意味するもので、深刻な景気減速を回避するため、追加的な財政刺激策が必要になると指摘した。
同氏は金融業界の会合で「大規模な景気刺激策が求められる」と述べた。

ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-12 08:55 | 経済状況

国の借金843兆円 

国の債務残高が、若干ではありますが、減少したというニュースです。

何度も書いていますが、各国の中央銀行は、潤沢に流動性を供給し、それにとどまらず不良債権を買い入れ、金融機関などに出資(資金注入)しています。その元をただせば、新規に発行される国債の信用をもとに創造されるマネーなのです。

来年にかけて、国の借金は増えざるを得ないでしょう。国の財政再建と、信用創造の回復は、見かけ上トレードオフですが、国民生活の回復なくして、国家財政への信任の回復もないのかも知れません。とはいえ、巨額すぎる借金は、いろいろな方法で棒引きされてきたのが、歴史の常です。

財政再建と、新発国債による流動性の供給のバランスについては、引き続き考えて行きたいと思います。

(引用開始)

国の借金843兆円に減少 それでも1人当たり660万円

財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高(借金)が08年9月末時点で843兆2794億円になったと発表した。過去最高だった今年3月末時点に比べ5兆9602億円減少した。1人当たりの借金は、10月1日時点の人口推計1億2771万人で計算すると約660万円となる。財務省は国の借金残高を3カ月ごとに公表しており、今回は国債の新規発行抑制を受け、借金残高増加傾向が一段落した。

共同通信

(引用終了)

継続してウォッチしていきたいと思います。
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# by kanconsulting | 2008-11-11 20:47 | 経済状況

FRBのバランスシート アメリカの損失の飛ばし アメリカと日本の納税者にツケ

これまでのエントリーで、次のように述べました。

(転載開始)

バラマキ・ヘリマネはどのような結果をもたらすか 3年後の消費税アップ

日本に限らず、アメリカも、ユーロ圏も、景気対策としてバラマキをやることになるでしょう。加えて、金融危機対策のための「低金利」と「量的緩和」もセットです。

実は、バラマキをやるにしても、金融危機対策で資本注入をやるにしても、それほど原資がないのです。この問題は、別のエントリーで述べます。

その結果、何が起きるでしょうか?インフレ(景気悪化と併発すればスタグフレーション)です。

(転載終了)

また、銀行などの金融機関の保有する評価損を国・中央銀行にリスク移転させる「飛ばし」についても、これまで次のように指摘してきました。

(転載開始)

信用危機は警報ゾーン スターリン暴落を超えた第二の暴落 毎日がブラックマンデー(地獄)です

何度も書いていますが、「国を巻き込んだリスクの飛ばし」を見透かしたような、値動きです。これに対抗して、日銀がジャブジャブに資金を流し込むことで、かろうじて長期金利の上昇を押さえ込んでいるような感触です。

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怒涛のような無制限ドル供給 文字通りの青天井 時価会計の停止とダブルスタンダード

FRBを中心とする各国の中央銀行による流動性(おもにドル資金)の供給は、文字通りジャブジャブに行われてきました。その上、限度額を外して、無制限に供給するとは、まさに、なりふりかまわない、緊急対策といえるでしょう。
何度も書きますが、リスクは、それぞれの国に飛ばされたことになります。
さらに、アメリカが中心として進めてきた「時価会計」を、「不良債権を持つ金融機関にとって都合が悪い」として、時価会計の緩和や一部停止が行われています。日本がバブル崩壊後、不良債権の査定を厳しく行わざるを得なかったことと、対照的です。まさに、「ダブル・スタンダード」と言えるでしょう。

しかし、このような「先送り」「飛ばし」をやらない限り、冗談ではなく、世界恐慌になってしまうという、瀬戸際にあるのでしょう。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円」

次のステージは、「(政府・公的機関による)不良債権の買取」ですが、これは、政府やFRBが、「貸し手」から「買い手」になることを意味します。何度も言っていますが、これは、リスクの移転、つまり「飛ばし」をやる、ということなのです。

「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金で支払う、ということです。本当に、すでに財政支出となった1兆ドル(約100兆円)や、連邦政府の債務上限の10兆ドル(約1000兆円)もの巨額の支払いが、将来のアメリカ国民に可能なのでしょうか?そもそも、その原資となるアメリカ国債を、誰が買うのでしょうか?

ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになるからです。すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛」

この協調供給の本質を一言で言いますと、基軸通貨USドルを防衛する、ということだと思います。いみじくも、伊吹文明財務相が、「アメリカ(FRB)の要請による、米ドルの信認低下を防ぐ措置」と言っているとおりです。

ここまで巨額の、文字通りジャブジャブの状態になるまでマネーを注ぎ込んでも、本質的な危機の解決にはならないことは、すでに述べているとおりです。あくまで延命措置、ということを忘れてはなりません。これで、リスクはアメリカ政府・FRBに「飛ばされた」ということになります。これで解決にはなりません。供給した過剰のドルが、ドルそのものの信認を損なうことになるからです。

(転載終了)

具体的に、どの程度の財政支出が必要かについては、議論がありますが、ニュースによる数字を合計すると、次のようになります。

(転載開始)

世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)

財政赤字の急膨張は避けられないとの見通しです。どういうことかというと、

2009会計年度(08年10月―09年9月)の財政赤字は、
・4380億ドルと、過去最大
・米政府系住宅金融機関(GSE)大手2社の支援に伴う支出は含まず

また、金融安定化策として、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良債権を最大7000億ドルの公的資金を投じて買い取ると提案されていますが、住宅価格の下落に歯止めがかからず、米政府による不良債権買取は到底7000億ドルではすまないという見解もあります。

今回の不良債権買い取り案に加えて、

・住宅ローン債務者支援:最大3000億ドル
・GSE2社への支援:2000億ドル
・GSEによる住宅ローン担保証券購入:1440億ドル
・アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の公的管理:850億ドル
・MMF元本保証:500億ドル
・ベアー・スターンズ買収:290億ドル

(不良債権買取・公的支援・買収などの)合計:約1.5兆ドル(15130億ドル)

(転載終了)

と、単年度にもかかわらず、すさまじい公的支出があることがわかります。

FRBの内実について、ビジネス知識源が、FRBの貸借対照表(B/S)を検討していましたので、引用して解説したいと思います。

(引用開始)

【(1)2007年8月6日のFRB:金融危機勃発の直前】

左側が、FRBが保有する証券(債券)、右側が、その証券を買ったときの、原資です。普通の企業の貸借対照表と、同じ構造です。

全米の、8つの連銀の合計(連結)です。勘定科目はまとめ、単純化しています。まず、米国の金融危機がサブプライムローン危機から勃発する直前のものです。

 【保有資産】          【負債と資本】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●米国短期国債 28兆円   ●$紙幣発行高     77兆円
●米国長期国債 51兆円   海外の中銀からの借入金  2兆円
短期貸付金    2兆円   米国政府からの預金   0.5兆円
通貨スワップ   6兆円   当座預金預かり     0.5兆円
              資本          3.4兆円
               その他資本       2.8兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
資産合計    87兆円   負債・資本合計     87兆円

(中略)

【(1)2008年10月1日:金融危機勃発後の悪化】

 【保有資産】             【負債と資本】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米国短期国債 2兆円(-26兆  $紙幣発行 80兆円(+3兆)
米国長期国債 46兆円(-5兆) 海外中銀借入 7兆円(+7兆)
短期貸付金  8兆円(+6兆)  証券会社借入2兆円(+2兆)
●TAF   15兆円(+15兆) ●当座預金  9兆円(+9兆)
●銀行向けプライマリー     政府預金  0.5兆円
   貸付金 5兆円(+5兆)  ●米財務省からの
●証券会社向けの          借入金 34兆円(+34兆)
  貸付金 15兆円(+15兆)  FRB資本  4兆円
●MMF向けの         ●その他  14兆円(+11兆)
  貸付金 15兆円(+15兆)
●ベアスターンズ向けの
   貸付金  3兆円(+3兆)
●AIG向けの
   貸付金  6兆円(+6兆)
●日銀及びECBとの
 通貨スワップ 34兆円(+28兆)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【資産合計 150兆円(+73兆)】 【資産・負債 150兆円】

以上は、08年9月15日にリーマン・ブラザーズが倒産して2週間後の、貸借対照表(10月1日時点)です。(括弧)内は、昨年の8月6日時点に比べた、各勘定の増減を示しています。

(引用終了)

このように、FRBの資産が急速に劣化していることが分かります。この記事(表)によると、昨年に比べて、約100兆円分です。

TAF(15兆円)+プライマリー貸付(5兆円)+証券会社向けの借入金(15兆円)+MMF向けの貸し出し(15兆円)+ベアスターンズとAIG向けの貸出(合計9兆円)+通貨スワップ(34兆円)=103兆円

何度も述べているように、これらの劣化債券や劣化資産のリスクが、FRBに「飛ばされた」という、国家単位の壮大な「飛ばし」となっているのです。

加えて、この記事(表)によると、FRBは、主にアメリカ国債の信用により、資金を捻出(ねんしゅつ)し、約100兆円の信用を想像したのです。

米国短期国債売却(26兆円)+同長期国債(5兆円)+日銀・ECBから借り入れ(7兆円)+当座預金(9兆円)+証券会社から預かり(2兆円)+米国財務省からの国債の預かり(34兆円)+その他の受け入れ(14兆円)+ドル札印刷(3兆円)=100兆円

---

これまで何度も述べていますが、「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金と、その原資となるアメリカ国債を買った投資家に、ツケがまわされるということなのです。

損失補てんは、当然のことながら、今明らかになっている100兆円ではすまないでしょう。その2倍(200兆円)、3倍(300兆円)、ひょっとして5倍(500兆円)も、ありうる話です。ところが、それだけの資金の出し手が、ないのです。日本や中国の国家外貨準備は、すでにアメリカ国債などになっているため、新規の投資資金にはなり得ません。ではどうするか?たとえば、次のような方法があるでしょう。

・国際協調と称して、日本円を増発
・FRBに差し入れて、ドルと交換
・そのドルを市場に流さず、そのままアメリカ国債を購入
・買ったアメリカ国債は、アメリカ財務省で塩漬けにする
・ある時点で、為替レートと金利上昇による強制調整により、実質の借金を棒引き

このケースにおいては、日本の納税者が、「国際協調のため」として、アメリカの損失をかぶることになります。

先ほどの急激な円高では、「債権国である日本に、資金が逃避した」とされています。このため、外貨建ての債券の価値は急落しました。加えて、この債権者は、アメリカ債券を思う通りに売ることができない、「債務を返してください」とお願いするしかない、弱い存在でもあるのです。

何度も書いていますが、日本からカネを搾り取るための、国際協調がありうるのだ、と指摘します。
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# by kanconsulting | 2008-11-10 19:54 | 経済状況

(再掲)国家破綻に至る6ステージ CDS・LIBOR・VIXの動向 GMの破綻は不可避か

「我々は破綻を避けるために、すべての資金調達手段を利用する(つまり、政府による資金支援に期待を寄せている)」
(ゼネラル・モーターズ(GM)のリチャード・ワゴナー会長兼CEO)

皆様ご存知のように、赤字決算を受けてGMの株価が急落を始めており、決済のためのキャッシュフローが尽きる見通しであるなど、ストック・フローともに、文字通りの破綻に直面する非常事態となっています。

日本においても、貸し渋り・貸し剥がしによる、「黒字倒産(利益が出ているのに、決済のためのキャッシュフローが尽きたため、やむなく倒産してしまうこと)」が続出しそうな感じです。

現在のところ、以下の指数を見る限り、フローが改善したために少し破綻が遠のいた印象です。しかし、本質的な解決にはなっておらず、フローが悪化すれば、再び破綻に直面するような感じです。たとえば、これから年末にかけて、さらなる投資資金の引き上げ、信用不全・決済不能による企業の連鎖倒産、金融弱国の取り付け騒ぎ、ヘッジファンドによる売り浴びせ、などにより、まだまだ予断を許さないところです。

・CDSの動向:まだ高レベルにあり、予断は許しません。国で言うとトルコ、企業で言うとGMの金融子会社などが、グロス大となっており、危険な状態となっています。
・LIBORの動向:峠は越した印象で、フローについては小康状態になっていると判断しています。
・VIXの変化:三尊天井をつけた状態で、高レベルなのでまだ予断は許さないものの、ひとまず安定に向かうと期待しています。

今後の見通しについて、先日掲載した「国家破綻に至る6ステージ」を再掲したいと思います。現在は、日米欧でステージ3、一部新興国・金融弱国でリスクシナリオ4に突入しそうな感じです。

今の段階で、リスクシナリオを警戒されるなら、ゴールドを押し目買いされることをお勧めします。

「え?これからデフレなのにゴールド?」と思われる方は、現金ホールドでも良いかと思います。しかし、デフレはインフレの準備です。ゴールドが高騰するということは、通貨の信認が失われることと表裏一体ですので、そのリスクをヘッジされるのも悪くないと思います。

(※投資は余裕資金で、最終判断は自己責任でお願いします。)

---

「国家破綻に至る6ステージ」

(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~ 進行中】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 兆し有り?】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)
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# by kanconsulting | 2008-11-10 00:41 | 経済状況

経済指標 何をどのように見れば良いのか ガイドブック紹介

先日のコメントで、「いろいろな指標があるが、何を見れば、未来が分かるのか、知りたい」「確実な先行指標が知りたい」と言ったような、コメントがあったように思います。

まず、当たり前のことですが、「確実な先行指標はない」ということを、再確認したいと思います。その上で、市場の値動きを冷静に受け止めることが必要なのだと、述べたいと思います。

ですが、それだけでは、あまりに色気がありません。ですので、いくつか、参考になりそうな書籍を挙げたいと思います。

(1)経済指標を網羅的に勉強したい

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

以下の本をお勧めします。カラー版のムック(大き目のサイズ、見開きメイン、絵・グラフなどを多用した、見やすい作りの本)ですので、初心者の方にもお勧めします。

もともと高い本ではありませんが、今ですとさらに安価で入手できると思います。

こういった経済指標に振り回されるのは得策ではありませんが、「月1回」「年1回」などといったチェック頻度の目安も掲載されています。何度も繰り返しますが、確実な先行指標はないことにはご留意いただき、指標に振り回されないよう、冷静な受けとめをお願いします。

「「格差社会」を生き抜くための 図説 数字がものを言う本!/相沢幸悦」

(2)指標にとどまらず、グローバルなお金の流れを知りたい

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

さまざまな資産クラスを行き来するマネー。私は、このブログの当初から、「カネは、儲かりそうな資産クラスをめがけて常に移動する。その動きを見抜くことができれば、少なくとも生活に困ることはない」と指摘してきました。(*1)

その、グローバルなマネーフローを分かりやすく紹介しているムックです。

本書の表紙には、「2008年後半のキーワードは、過剰流動性の終焉」とあるように、ある程度の信用収縮を予見していたと言えるかもしれません。

「図解 世界のお金の動きが一目でわかる本/山下知志」

【追記】このブログにおいては、当初から、過剰流動性が、キャリートレードなどを通じて、市場の乱高下をもたらすことを指摘してきました。関連するエントリーを記載します。(*2)

---

*1

では、どのファンドがいいのか(1) 実需と仮需

「どの資産クラスが、価値が減るのか」
「どの資産クラスが、価値が増すのか」
ということは、事前には分からないのです。

世界に存在する資金の量は有限です。その流れを読むことが出来れば、どの資産クラスが値上がりするか分かりますので、誰もが富豪になることが出来ます。

では、どのファンドがいいのか(2) ポートフォリオ

資金が流入することで特定の資産クラスの価値が膨れ上がること、そしてその資金の流れのうちで「実需」「仮需」があり、「仮需」が大きな役割を占める場合もあることを述べました。そして、その流れを読むことは難しいことも述べました。

大きく言いますと
・資金の流れを読むことは、普通の情報では不可能
・「株ブーム」「不動産ブーム」などブームが形成されるのは、まず最初の資金が流入するからであり、大きな儲けはブームの前に投資した場合のみである
・一般投資家は、ブームが形成された後に投資するので、儲けが薄く、場合によってはその後のバースト(急落)に巻き込まれて損をする

では、どのファンドがいいのか(4) 収益環境指数

これまでに、
・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
と述べました。

---

*2

チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる

またしても、エマージングを引き金にした、世界株式の急落(調整)がありました。

チャイナ・インドといえば、日本からのファンドによる投資もあり、そうでなくても低金利の円に遠くは由来する過剰流動性で膨れていた状態です。これが調整したということは、非常に簡単に言うと、『一般投資家は、トレンドに尻馬で乗って、結局損をさせられた』ということになります。ですので、『イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある』のです。

何度も同じことを書きますが、BRICSは、あくまでもエマージングであり、それ相応のリスクを背負った投資になります。年に一度や二度の調整(急落)は当たり前です。今回の調整は、キャリートレードの解消などによる投売りが一巡するまでは、続くものと思います。FAI投資法で知られる株式投資のプロは、次のように言います。『結局誰かが投げないと、相場は上がらないんだよ。』

世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか

また、このブログでは、以前から、円ショートのキャリートレードの副作用を指摘してきました。『機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている』と言われているのです。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利」という報道もあります。

量的緩和の解除 ゼロ金利からの脱出?(2006.2.18)

機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレード(だぶついた日本円を使った裁定取引)が、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている

NZドルのリスク

ニュージーランドは・・・昨今のジャパンマネーの流入などで、実体経済以上の通貨高を招いた
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# by kanconsulting | 2008-11-07 09:47 | 資産保全一般

マックス・ウェーバーとバラク・オバマ 「アメリカに変革の時が到来した」

『新大陸アメリカは、営利に最も自由な地域であり、営利活動は、宗教的・倫理的な意味を取り去られ、精神のない専門人、心情のない享楽人たちが、ひたすらマクロ経済の拡張や市場原理の有効性を主張している。このようなスポーツのような性格を帯びた近代資本主義は、遠からず袋小路に到達するであろう。』 マックス・ウェーバー (20世紀初頭)

『アメリカに変革の時が到来した』 バラク・オバマ (21世紀初頭)

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皆様ご存知のように、アメリカ大統領選挙ですが、民主党のバラク・オバマ上院議員(47)が、共和党のジョン・マケイン候補(72)を大差で破り、当選が決まりました。この結果は、昨年から決定付けられていたようにも、見えます。

マックス・ウェーバーから約100年、アメリカは、大きな転機を迎えています。

民主党になったから共和党と比べてどうだ、大きな政府だからバラマキがどうだ、中国と日本のウェートがどうだ、といったレベルの話ではありません。そういった話は、もっと大きな変化の中での、ひとつの結果に過ぎないのです。

今、アメリカは、覇権国として、『終わりの真っ只中』にいるのです。ひとつのヘゲモニーが終わる、ある意味での世紀末と言えるでしょう。そして、その意味するところは、明白です。

今後の世界政治と世界経済について、よくよく注視されることをお勧めします。

(引用開始)

オバマ次期政権、格差是正を重視 財政赤字が最大の障壁
2008年11月5日20時31分

オバマ米次期政権は与党民主党が議会で議席を増やしたことを追い風に、経済の立て直しに急いで着手する。これまでの「小さな政府」から「大きな政府」へかじを切り、格差是正や雇用拡大を図るとみられるが、最大の制約要因は、過去最悪の1兆ドル(約100兆円)を超しそうな財政赤字だ。
オバマ氏は近く、次期財務長官を選んで経済政策チームを立ち上げるとの観測がある。長官候補にはニューヨーク連邦準備銀行のガイトナー総裁やサマーズ元財務長官らが浮上。すでに財務省は次期政権スタッフが使える部屋を用意しており、来年1月20日の政権発足を待たずに現政権と連携できるよう準備態勢を整えている。
オバマ氏が重視するのは格差の是正。顧問役のエコノミスト、ジェラッド・バーンスタイン氏らは「労働生産性は00年から07年まで約20%上昇したが、勤労世代の中流家庭の実質所得は3%低下した」と指摘。ブッシュ政権時代に広がった格差を是正するため、勤労世帯向けの減税や所得補助だけでなく、企業内で労働組合の結成を容易にする法改正などで賃上げしやすいようにする計画だ。
失業者対策では、インフラ整備の公共事業も積極化。主要道路や橋、港湾、空港などの社会投資を増やし「最大200万人の新規雇用を実現する」(オバマ氏)。ミネソタ州ミネアポリスの橋が崩壊して13人が死亡する事故が昨年起きるなどしており、インフラ強化への社会的な要望も強い。
政府の役割拡大は産業界にも及びそうだ。エネルギー対策を充実し、インフラ整備とともに競争力強化を狙う。代替エネルギーの技術開発など、環境対策を兼ねた「グリーン雇用」を500万人つくるため、今後10年間で1500億ドル(約15兆円)を投資する。
自動車業界の救済もその一環。税負担の軽減や政府保証の融資などで40億ドル(約4千億円)を供給する計画だ。「エネルギー効率の優れた車を日本や韓国ではなく、米国で開発して作ることが極めて重要」と主張するオバマ氏は、自動車大手各社の首脳や組合幹部と会談し、対策づくりに着手するという。
「大きな政府」路線の障壁になりそうなのが財政赤字だ。今年度の赤字額は金融危機対策などで、過去最大だった前年度の2.5倍の「約1.2兆ドル(約120兆円)に急膨張。国内総生産(GDP)比も3.2%から過去最高の8.2%に上昇する可能性がある」(金融大手UBS)との予想もある。長期金利は0.5%幅ほど押し上げられ、景気回復にマイナス影響を与える恐れがある。
オバマ氏の公約を実施すれば、減税だけで赤字要因は4年間で1兆ドル近く増えると試算される。目を引く歳出削減は示しておらず、一層の財政悪化が懸念される。同氏の経済政策に大きな影響力を持つルービン元財務長官は「短期的には大きな財政刺激が必要」との認識だが、長期的な赤字は「我々の通貨(ドル)や経済の将来にとって、深刻な脅威となる」と警告する。
4日のメディアによる投票所の出口調査では、オバマ氏が当選したら増税になるとの回答が7割を占めた。有権者はすでに財政難の現実を見透かしているようだ。

朝日新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-05 22:04 | 経済状況

世界のREITの時価総額は7割減 REITはゴミ捨て場

このブログでは、REITについては否定的な見方をしてきました。(*1(3年以上前から警告してきたことにご留意ください))

その理由は、

・「国債よりも利回りが良い」などというセールストークが、おかしい(債券とREITはまったく異なる)
・日本は人口減少国で、土地の高度利用による意味合いが薄く、不動産投資のリスクが高い(安定ではない)
・そもそも、日本のREITは、系列の不動産会社やデベロッパーのゴミ捨て場的な性格があることを否定できない

などでした。

日本のREITについては、本当に名目上の資産価値があるのかきちんと査定できているのかという指摘や、どうしようもないゴミ物件を系列のREITに押し付けたり、良い物件はそのままREITに行くのではなく、上流でツバを付けられた上で、いろいろ転がされてREITに押し付けられているという指摘もありました。小口の投資家をバカにしていると言わざるを得ないでしょう。

(そもそも、日本における株式投資信託は、ゴミ捨て場的な性格を帯びていることを、これまでも言及してきたと思います)

ですが、査定のしっかりしている欧米のREITについては、将来の成長性があるという前提で、底練りで買われるのも悪くないかも知れません。

---

*1

では、どのファンドがいいのか(2) ポートフォリオ
(2005.2.27)

ここで注意しなければならないのは、
・何でもいいから分散すればいいと言うものではない
・特に、今ブームが来ている物への投資は、注意が必要
・たとえば、REIT(リート)、中国株、商品先物(ゴールド、原油)、ユーロ、グローバルソブリン

では、どのファンドがいいのか(3) 不動産投資信託

このように、「右肩上がり」で「儲かりそう」な商品は、基本的には「賞味期限」があることを忘れてはなりません。それは
・初期からの投資家が、利食いをする水準・時期に来ていること
・そのような投資家が利食いをすることで、バーストが形成されること
を指摘します。

「今後、インフレになるから、REITは有望なのではないですか?」
と指摘する方もおられると思います。しかし、必ずしもそうとは言えません。

---

(引用開始)

世界のREIT、時価総額7割減 07年5月のピーク時比

世界の不動産投資信託(REIT)市場が急速に縮小している。日米欧など主要国のREITの時価総額は合計で約30兆円と、昨年5月末のピークから7割近く減った。急速な円高もあり、金融危機が深刻化した10月だけで25兆円分が消失した計算。不動産市場への投資マネーの流入減が不動産価格の下落に拍車をかける恐れもある。
REITは株式に相当する投資口を各国の証券取引所に上場しており、投資家は市場で売買できる。大和総研によると日米英など世界主要8カ国のREITの時価総額は昨年5月末には94兆円まで膨らんだが、米住宅ローン問題の深刻化で大幅に縮小。「信用収縮で現金を手元に確保したい投資家の換金売りが多い」(みずほ証券)(03日 07:00)

日本経済新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-11-04 21:49 | 資産保全一般

バラマキ・ヘリマネはどのような結果をもたらすか 3年後の消費税アップ

景気対策として、減税(広義のバラマキ)やヘリマネ(ヘリコプター・マネー。直接的なキャッシュのバラマキ。以前の地域振興券(*1)もこれに相当するでしょうか)が注目されています。ですが、これは本当に意味のある対策になっているのでしょうか?少し考えてみたいと思います。

まず、確実なのは、

(バラマキをしている間は)
・フローは増えるため、所得や支出は増えるだろう
・雇用も増える(失業は減る)だろう
・ただし、バラマキが終わった後(将来の増税や景気悪化など)を懸念する人が多いと、貯蓄に回り支出は増えにくいだろう

(しかし、バラマキを止めれば)
・所得や支出は戻ってしまうだろう
・水増し分の雇用は減るだろう
・つまり、永続的な効果はないだろう

*1 1999年当時、地域振興券は6194億円、配布されました。しかし、追加の消費増加につながったのは2025億円と、GDP個人消費をわずか0.1%だけ増加させました。残りの7割は生活必需品の購入にあてられ、浮いた分は貯蓄にまわったと見られています。(2008/10/30 WBS)

つまり、バラマキは、単発の「水物」であり、本質的に景気を回復させるような「資産効果」はないということです。当然といえば当然でしょう。

加えて、今回の財源は、赤字国債増発ではなく、財政投融資特別会計の積立金など、いわゆる「霞が関の埋蔵金」ということですが、「3年後に消費税率引き上げをお願いしたい」とも述べています。

増税についてはこちらも参照ください。)

(増税をする場合に、消費税増税がいいのかどうかという問題については、ここでは触れません。おおかた、法人税増税はできない(逆に法人税減税をやりたい)ということでしょう。それにしても、国を代表するような大会社が潤うことで、国民全体が潤う、という、トリクルダウン効果(おこぼれ効果)は、少なくとも世界規模では否定されていますので、その正当性は疑わしいところです。過去の消費税に関するエントリーも参照ください)

これまで何度も述べていますように、現在の減税やバラマキは、将来の増税を織り込むなら、そのための貯蓄にまわるため、その効果はプラスマイナスゼロだ、ということです。リカード・バーローの中立命題として、知られています。今回は、消費税の増税を予定していますので、バラマキの効果は減殺されてしまうでしょう。

(引用開始)

追加経済対策決定 総事業費26兆9000億円 消費税率、3年後に引き上げ
2008/10/31

政府・与党は30日、事業総額26兆9000億円の追加経済対策を決定し、麻生太郎首相が同日夜に記者会見して発表した。国の財政支出は5兆円に上る。家計の緊急支援を目的に、2兆円規模の給付金を全世帯に支給するのが柱で、給付は「4人家族で6万円程度になる」(麻生首相)。世界金融危機で景気低迷の懸念が高まり、追加経済対策の一部を先行実施するため、給付金などは2008年度第2次補正予算案に盛り込み、開会中の臨時国会に提出される見通し。
生活対策や市場安定化、中小企業支援、地域活性化、雇用の安全網などの政策を総動員した追加経済対策の事業規模は、8月にまとめた総合経済対策の事業規模約11.7兆円の2倍以上になった。国の財政支出額も、8月の約2兆円を大幅に上回り、財政負担が拡大した。
赤字国債は増発せずに、財政投融資特別会計の積立金など、「霞が関の埋蔵金」を活用して財源を捻出(ねんしゅつ)する。その上で、社会保障の安定財源を確保する必要から、麻生首相は会見で、「3年後に消費税率引き上げをお願いしたい」と述べ、年末に税制改革の中期プログラムをまとめ、増税の道筋をはっきり示す考えを表明した。首相が消費税率の時期を明言するのは異例だ。
追加対策は、中小企業向けの融資や保証枠を21兆円規模で追加した。8月の総合経済対策で実施した9兆円と合わせ、30兆円規模に拡大し、資金繰りに万全を期す。雇用保険の料率も、現在の1.2%から、09年度に限り最大0.4ポイント引き下げる。
住宅ローン減税は最大控除額を過去最高の600万円に拡充し、延長する。道路特定財源の一般財源化に伴い、1兆円を地方の実情に応じ使える新たな仕組みを設ける。自治体が社会資本整備などに使える臨時交付金6000億円も支給する。
麻生首相は、追加経済対策の重要性を繰り返し強調しているが、どこまで消費が刺激され、景気回復につながるかが注目される。

                   ◇

【予報図】
 ■見えない未来の成長ビジョン
「今、世界は『100年に1度』とも呼ばれる金融危機の中にあります」-30日朝発信された麻生太郎首相の官邸メールマガジンは、こんな出だしで始まった。
そして、「家計のやりくりにご苦労されている家庭の皆さん、さらに、不安定な雇用にお悩みの皆さん、子育てにご苦労されているお父さんお母さん、住宅資金にお困りの方々にきめ細かく対応します」と、意気込んだ。
この言葉の通り、追加対策のメニューには、住宅ローン減税や高速道路料金の引き下げなど、暮らしに直結した政策がずらりと並ぶ。「生活対策」と位置付けただけあって、家計の財布を暖めるのは事実だ。企業業績の悪化で賃金抑制に拍車がかかろうとする中、国からの「定額給付金」はまさに“ボーナス”だ。
とはいえ、そこには、麻生内閣が目指す経済成長シナリオはみえない。原油価格の高止まりに対応した総合経済対策と今回の追加対策をあわせても、景気への影響は限定的とみるエコノミストは多い。
みずほ証券金融市場調査部の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「金融危機を日本の政策対応で抜本的に変えるのは困難だ」と指摘し、「社会政策と割り切って、中低所得者層など必要な人に集中して使ったほうがいいのでは」と語る。
野村證券金融経済研究所の野木森稔エコノミストは、GDP(国内総生産)の押し上げ度合いを「0.4ポイント前後」とみる。効果が疑問視される中、対策が手をさしのべようとする先は誰なのか。それは、所得の目減りに不安を感じる家庭や中小・零細企業、活力に乏しい地方にほかならない。与党の大きな支持基盤とも重なる。
そもそも追加対策は、年内解散を想定し、与党のマニフェスト(公約)への盛り込みを視野に入れつつ、自民、公明両党の幹部が中心にとりまとめを進めた経緯がある。解散・総選挙のタイミングをうががう選挙対策色が透ける。「『お金をくれる』、『有料道路を走ったら安かった』というのはやっぱり(有権者に)効くだろう。国民に直結するとなるとどうしてもバラマキになっちゃう」。与党のある地方組織幹部はこう吐露した。
「全治3年」(麻生首相)という景気後退からいかに抜け出すのか。中期的な財政再建の後に描く、構造改革の姿とは-。「金融危機」の旗のもとで作られた追加対策には未来の成長ビジョンはない。足元の不安を緩和する一方で、財政負担のツケを増税でまかなうシナリオだけが先行している。(比嘉一隆)

フジサンケイビジネスアイ

(引用終了)

さて、

日本に限らず、アメリカも、ユーロ圏も、景気対策としてバラマキをやることになるでしょう。加えて、金融危機対策のための「低金利」と「量的緩和」もセットです。

(実は、バラマキをやるにしても、金融危機対策で資本注入をやるにしても、それほど原資がないのです。この問題は、別のエントリーで述べます。)

その結果、何が起きるでしょうか?インフレ(景気悪化と併発すればスタグフレーション)です。具体的には、次のような事態が予想されます。

・借金が目減りする(国が一番トクをしますね!)
・インフレを織り込んで、長期金利が上がる
>金利が上がらなければ、マネーが国外に避難する
>金利が上がった場合は、マネーが流れ込み、通貨高になる
>複数の通貨がいずれもインフレになれば、ゴールドなど現物資産に避難が起きる
・インフレになっても、おそらく、給与は伸びない

常識で考えると、「あなただけの儲かる話」や「ノーリスクで儲かる話」はないのです。これを、資本主義社会ではフリーランチはない、と言います。加えて、現代史的な考察からは、バラマキはその時は良くても、競争力を損なってきたという事実があります。社会福祉ではない、単なるバラマキは、社会の発展に寄与しない、と言ってもよさそうです。

この程度のことは、政府や官僚も知っているでしょう。バラマキを言いだしたのは、景気対策以上に、選挙のことを念頭に置いているに違いありません。

短期的なバラマキの効果は否定しません。どうしてもバラマキをやりたいなら、少なくとも、
不効率なところ(ムダな公共事業、天下り、既得権益など)にバラマキをしてはならない
・特に、バラマキによる企業救済は、本来の目的に反する
・必要なところ(貧困層、リストラ失職、子供や介護など弱者など)に厚く配分する
・将来の成長性を高めるための投資に配分する

バラマキ(財政出動)と増税・歳出節減のバランスにおいては、次の事項に注意しなければなりません。

・バラマキは、ムダな領域に厚く配分されるリスクがある
・増税は、国民生活から、ムダな領域への所得移転となるリスクがある
・歳出節減は、ムダな領域が温存され、国民にとって必要な領域からカットされるリスクがある

以上
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# by kanconsulting | 2008-10-31 09:23 | 経済状況

バブル後最安値更新 アイスランドの国家破綻(はたん) 金融恐慌宣言

私は当て物屋(予想屋)ではありませんが、先週末には、「日経平均の相場の値動きから受ける印象では、底を打ってはいないという印象です。買いポジションの投げが一巡するまでは、下げるでしょうし、ましてや安値と見た個人の買いが出ているうちは、まだまだです」と思っていました。

本日、残念ながら、日経平均株価が、終値でも、バブル経済崩壊後の最安値(7607円)を下回ってしまいました。

アイスランドの最大の銀行であるカウプシング銀行は、国有化されていますので、それがデフォルトを起こしたということは、アイスランド政府の政府保証がなくなり、政府がデフォルトを起こしたのと似た状態になっています。普通の受け止め方をすれば、「アイスランドは実質的にデフォルトを起こした」ということになるでしょう。

こういった、円の金利が安いことに着目した円建ての外債は、円の価値が高くなる(円高・現地通貨安)ことによって、ローンの実質額が増えていますので、支払いがきつくなったことの一因でしょう。

(引用開始)

日経平均26年ぶり安値、銀行株が下げ主導 香港株も急落

世界の金融・証券市場の動揺が続いている。27日の東京株式市場では日経平均株価が終値でも2003年4月に付けたバブル経済崩壊後の最安値(7607円)を下回った。為替市場で円が独歩高となり、輸出関連株や銀行株を中心に日本株売りに歯止めがかからない。アジアでは香港ハンセン指数が同日、12.7%下落し、欧州主要国の株価指数も軒並み下落して始まった。金融危機の広がりを背景に世界同時不況への警戒感が高まっている。
日経平均の終値は前週末比486円18銭(6.36%)安の7162円90銭。1982年10月7日(7114円64銭)以来、26年ぶりの水準となった。 (21:57)

日本経済新聞

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アイスランド最大手銀、円建て外債不履行の状態

アイスランドの最大手銀行カウプシング銀行が発行した円建て外債(サムライ債)が27日、債務不履行(デフォルト)条件に該当したことがわかった。債券の元利払いの代理人である三井住友銀行が、利払い猶予期間の最終日である同日までに利息が支払われなかったことを認めた。発行企業側が債務不履行を宣言すれば、米証券大手リーマン・ブラザーズに続き今年2件目で、海外企業の起債が相次いでいた日本のサムライ債市場に影響を与えそうだ
対象の債券はカウプシング銀が2006年10月に発行した500億円。償還期限は3年で、主に機関投資家や企業が購入した。昨年7月にも3本で合計280億円のサムライ債を発行しており、これらも債務不履行になる可能性がある。
同行は世界的な金融危機で経営が行き詰まり、今月9日にアイスランド政府の管理下に入った。20日の利払い日に利息を支払えず、27日まで7日間の猶予を与えられていた。危機は同国全体にも広がっており、国際通貨基金(IMF)から最大21億ドルの緊急融資を受けることで暫定合意している。(21:56)

日本経済新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-27 22:25 | 経済状況

為替に関するニュース 為替介入は非現実的 FX投資家はロスカットの日々 LIBORの動きに注意

以下、為替に関するニュースを転載します。

「為替介入再開に現実味」とありますが、介入原資が確保できない状態でしょうから、そんなことをするくらいなら国内景気を重視せよという声のほうが強いでしょう。帝国通貨ドルではなく、ユーロの場合は、それほどの義理も無い、という感じもありそうです。

ですが、日本の将来を考えたときには、ユーロ債券(インフレ連動)を買うというのも、ありでしょう。日本円は、ジャブジャブに刷られた通貨から逃げるための、単に逃避先として買われているだけの状態ですので、何も日本の経済システムが優れているという結論にはなりません。

為替は、基本的には需給で決まります。ドル円の金利差の縮小に加えて、ドルの発行スピードに比例してその信認が失われるため、さらに円高になる可能性があると見ています。つまり、ドル崩壊は、ドル円に関しては円高という結末でしょう。ユーロも、ジャブジャブに垂れ流すということですので、似た結論にならなければ良いのですが。

FX投資家の悲痛については、何度も述べています通りですので、繰り返しません。

今後の見通しについてですが、流動性不安については、LIBORをひとつの指標として見ています。

a0037933_1231779.jpg



チャートを見る限り、ひとまず、流動性不安は落ち着いたという印象ですが、これは、次のステージに視線が集まるということも意味します。(先日の「破綻に至る6ステージ」もご覧ください。)

(引用開始)

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200810250034a.nwc

政府・日銀 為替介入再開に現実味
2008/10/25

外国為替市場で一時1ドル=90円台を記録するなど急ピッチで円高ドル安が進み、政府・日銀が、4年7カ月間封印してきた為替介入を再開する可能性が強まってきた。市場操作につながる為替介入には欧米のアレルギーが強いが、急激なドル安、ユーロ安に欧米の通貨当局が日本の介入に容認姿勢を示すことも考えられ、市場関係者は為替の動向を注視している。
日本が最後に為替介入に踏み切ったのは2004年3月。それから4年以上が経つが、為替介入は行われていない。米国が「強いドル」政策を掲げてドル安を防止する姿勢を示してきたほか、日本の超低金利を背景に円安傾向が続いてきたからだ。
今年3月、12年ぶりに1ドル=100円を突破した時も政府・日銀は介入を踏みとどまった。円の総合的な価値を示す「実効為替レート」の水準が低く、業績への影響も産業界が懸念するより小さいと判断したためだ。だが、今回は円独歩高が、産業界への影響を深刻化させており、産業界の要請が介入を後押しする可能性もある。

---

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200810250074a.nwc

「下げ異常」「損切りの日々」 FX投資家、円急騰に悲痛
2008/10/25

欧州市場で1ドル=90円台の円高となったことを示す外国為替取引会社のモニター=24日、東京・東新橋の外為どっとコム
激変する外為相場を背景に、外為証拠金取引(FX)が注目されているとはいえ、24日に欧州市場で1ドル=90円台に突入した円高相場は、FX市場を翻弄(ほんろう)している。予想を超える円高の進行が、取引参加者にロスカット(損切り)や証拠金の追加を迫り、多額の損失を被る個人投資家も相次いでいるようだ

「(外貨の)下げが異常…」
「FXを始めて半年。8月以降の大きな動きに対応できず、ロスカットの日々です」

FX投資家向けのウェブサイトは悲痛な書き込みがあふれている。対ユーロでも1ユーロ=113円台と円高が進み、「100円を割っていた時代もある。(今後も)ないとはいえない」と、疑心暗鬼は広がるばかりだ
FXは証拠金を預けると、その数倍から数百倍の金額で為替取引できるハイリスク・ハイリターンが魅力だが、損失も膨らみやすい。FX業者は、損失が証拠金の一定割合に達した時点で取引をいったん停止し、損失を確定するロスカットか、証拠金の追加を求める。
最大手の外為どっとコムによると、5年ほど前にFX取引がブームとなって以降は、おおむね1ドル=105~125円で推移。しかし、現在の円高水準では外貨を買った人の多くが損失拡大に直面しているとみられる。
対ドルの急激な円高は、サブプライムローン問題が表面化した昨年8月や、米証券大手ベアー・スターンズが救済された今年3月にも起きた。ただ、今回は「あらゆる通貨に対して円高」(外為どっとコムの上田剛資金為替部長)で、円建てで利益を出すことは極めて難しい。
このため、FX業者は証拠金に比べて為替取引の額をあまり高くしないよう、サイトやメールで注意喚起を徹底。土日を挟んだ相場の急変や、小国の通貨が取引不能や債務不履行に陥るリスクの周知にも努めている。
ただ、過去の円高局面を教訓として投資ノウハウも向上。「こまめに売り買いし、利食いを狙う個人投資家も増えている」(NTTスマートトレードの工藤隆営業企画部長)という。(上野嘉之)

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http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34488120081023

ドルLIBORが概ね上昇、スプレッドはドルが縮小・ユーロは拡大
2008年 10月 23日 23:03 JST

[ロンドン 23日 ロイター]23日の欧州インターバンク市場で、ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が1カ月物と3カ月物を除き小幅上昇。ユーロとポンドのLIBORはおおむね低下した。
このところ見られたLIBORの低下傾向は、景気後退懸念や新興国市場の経済不安を背景に鈍化した。
3カ月物LIBORとOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)のスプレッドは、ドルが縮小、ポンドはほぼ変わらず。一方、ユーロは拡大した。

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-26 17:32

世界恐慌 株安と円高で損失を出された読者様へのメッセージ 最悪のリスクシナリオへの6つのステージ

損失を出された読者の皆様へ

このたびの株式暴落と総円高については、相当の損失を出された方も多いと思います。ですが、ここで精神的に参っている時間的余裕はありません。

過去は過去として反省して、次につなげれば良い話です。将来を見通せる賢人はいないのです、ましてや一般人の予想が当たるはずもありません。予想だにしない事態が次々と出現する、だから「恐慌」なのです。

間違っても、自殺されようなどと思ってはなりません。命あってのモノダネです。生きていれば、何らかの方法でキャッシュフローも確保できますし、おそらく次の投資機会もあるでしょう。

力強く生きる、そのことだけを、今は考えられることをお勧めします。

取り急ぎ

kanconsulting

---

これまで、何度も、「信用不安がおきると、結果的に円高になる」ことを述べてきました。しかし、ユーロバブルの崩壊については、私はそこまでは読みきれませんでした。現在は、恐怖が先行する「逆バブル」なのかと思います。準基軸通貨として期待されていた欧州統一通貨ユーロは、過去何年かこれといった逆境(急落)を経験しておらず、「ユーロは大丈夫だ」と、ドルをヘッジするという期待分のプレミアムが、予想以上に大きかったことに加えて、ユーロを自国通貨として所有している現地投資家の資産逃避もあるのだということです。

「○○は大丈夫だ」という見えない思い込みは、崩れると速いものです。

金持ちは、こういった「恐怖」の発生する前に逃げ、皆が逃げ終わる直前に買いを入れて行きます。天才的トレーダーなら、空売りをしかけて売り崩しに加担するでしょう。ましてや、現在のような信用不安の中では、商いが薄く、一方的な値動きになりやすいものです。

さて

信用不安の発生と対処について、これまでに私は次のように予想していました。これまで何度も書いていることですので、個々の内容に特に目新しさはありませんが(少なくともこのブログの読者様にとっては)、こうやってまとめたものを一般の読者様にお見せするのは初めてかもしれません。

(現象) →(公的な対策) ⇒(事前の、一般国民の可能な対策)

(1)デリバティブ破綻による信用危機・流動性不安 【2007/8 サブプライムショック】
 → 中央銀行による流動性供給
 ⇒ 高リスク・高レバレッジ投資の決済、安定資産(国債)との金利差だけで買われていた債券や高分配だけを売りにした金融証券の処分、金利差に着目したキャリートレードの決済、流動性不安に弱い業種の株式処分、銀行株の処分、キャッシュポジションを高める、ステージ2への準備

(2)不良債権による銀行などの自己資本毀損 【2008/3~ ベア・リーマン・AIGなどの破綻】
 → 公的資金注入
 ⇒ 流動性の高い資産(各国外貨MMFなど)に分散避難、キャッシュポジションを高める、キャッシュフローを生まなくなりそうな不動産投資からの撤退、傷が浅いなら金融株の買い戻し、ステージ3への準備

(3)逆資産効果と銀行の貸し渋り・貸しはがしによる実体経済悪化 【2008/夏~ 進行中】
 → 国などによる不良債権の強制買取、国による特定企業の救済
 ⇒ スキルアップ・リストラされないための工夫、副業などによるキャッシュフロールートの確保、不況不景気でも自力でキャッシュを確保できる会社の株式投資、中央銀行から放出された貴金属を押し目買い、以下のリスクシナリオ4~5への準備

(4)リスクシナリオ:キャッシュ以外は何も信じられないという恐慌に突入 【2008/10~? 兆し有り?】
 → 国とIMFによる際限の無い資金投入、IMF管理下に入る国も、(場合によっては)株式市場の封鎖
 ⇒ 各国キャッシュと貴金属現物で金融疎開、リスクシナリオ5への準備

(5)悪いリスクシナリオ:恐慌後、通貨そのものが信認を失うスタグフレーション 【?】
 → 金利急上昇と為替レートによる強制調整、国の徴税権の発動、預金封鎖、新通貨切り替え、貴金属徴発
 ⇒ 自給自足農業と地域での助け合い、地域通貨による物々交換、田舎への疎開、食料・燃料・医薬品の確保

(6)最悪のリスクシナリオ:戦争による大規模景気対策と資産の収奪 【?】
 → 国家非常事態宣言・戒厳令、国の徴兵権の発動、国民資産の強制徴用
 ⇒ 残念ながら打つ手はありません、(国外脱出)
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# by kanconsulting | 2008-10-25 12:04 | 資産保全一般

閲覧数 10/19 恐慌とスタグフレーション グレアムの安全域とゼロ成長時代の投資

繰り返しになりますが、

「国家破綻への対策は、実質上、2006年末が目処。2008年から2012年にかけて、大きな経済上の混乱が起こる可能性があり、2007年は序章となるだろう。」と思っておりました。ご存知のように、昨年のサブプライム・ショックを起点とする信用収縮は、今年になって混乱をさらに深めており、金融危機に発展する1年となりました。
過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。実際には、資金を投入しても金融の安定化には程遠く、さらなる市場の乱高下が起こった、という事実があります。
これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。その中で、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

この後に待っているのは、
・アメリカ債券とドル紙幣の押し売り
・海外投資家のマネーの棒引き
・ドルの減価による、不景気なのにモノが高いというスタグフレーション
・強権的ルールによる世界統制経済
・借用証書を焼き払うための政治的暴力(戦争)
のいずれかでしょうか。

何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。そして、「一般国民は、節度の無い暴力には、無力」というのも、歴史的事実だと思います。

これも繰り返しになりますが、「2007年の信用収縮を皮切りに、ドル、もしくは円、あるいはその両方が崩壊するだろうという流れは、誰にも止められない。私がブログに何を書いたところで、何も変わるわけがない。たとえそうであったとしても、ダメージを最小限に食い止める方法があるのではないか。庶民レベルで生き残る知恵はないのか。ひょっとすれば、崩壊を食い止める奇策があるのではないか。」という思いでいることも、また事実です。

今後の世界はどうなるのでしょうか?そして、私たち一般国民はどうすれば生き延びることができるのでしょうか?今後のエントリーにて、考えてみたいと思います。

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参考文献ブログも、ご一読ください。

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「日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方/リチャード・クー」

「わが友、恐慌──これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由/松藤民輔」
「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」/松藤民輔」


「ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表/アンドリュー・ヒッチコック、太田龍」
「ロスチャイルドの密謀/ジョン・コールマン、太田龍」
「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った/安部芳裕」

「ドル崩壊!/三橋貴明、渡邉哲也」

「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編/橘玲」
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# by kanconsulting | 2008-10-19 21:53 | 閲覧数

信用危機は警報ゾーン スターリン暴落を超えた第二の暴落 毎日がブラックマンデー(地獄)です

まず、おなじみとなりました、信用スプレッドをご覧ください。

a0037933_19202763.jpg

(グラフはThinkBIGより)

US株式のマーケットが急回復(10/13時点)したにもかかわらず、クレジット・スプレッドは、1538ベーシスポイント(約15%に相当)という、過去10年で未体験の領域に突入しています。つまり、国債以外の債券は信用できないという「信用崩壊」を表しています。文字通り、恐慌が来ているのだと思います。

これが第一の警報です。

さらに、国債そのものも信用を失いつつあります。こういった混乱においては、国債への「質への逃避」により、長期金利は下がるものです。逆に、日本の国債市場の長期金利は、上がっているのです。ロイター(10/15)によると、「国債先物の中心限月12月限の前引けは、前日終値より10銭高い136円20銭。10年最長期国債利回りは1ベーシスポイント高い1.585%」。

何度も書いていますが、「国を巻き込んだリスクの飛ばし」を見透かしたような、値動きです。これに対抗して、日銀がジャブジャブに資金を流し込むことで、かろうじて長期金利の上昇を押さえ込んでいるような感触です。

アメリカにおいても、財政赤字が過去最大(2008年度4550億ドル)と、想定を上回る数字になってきており、国債の信任にレッドアラートが点灯したと思います。2009年度は一段と歳出超過が悪化する恐れがあるり、財政赤字が2兆ドルにまで拡大する可能性があると予想するエコノミストもいます。

これが第二の警報です。

そして、最後の警報は、株式の暴落による、実質的な恐慌宣言です。スターリン暴落を上回るインパクトです。

スターリン暴落とは
1953年3月5日に旧ソ連の最高指導者ヨシフ・スターリンの死去を契機に起こった株価暴落のこと。スターリン・ショックとも言われる。
1952年末の時点で、日本では朝鮮特需による戦後復興と株式市場のバブルに沸いていた。1953年3月1日、ソ連の指導者ヨシフ・スターリンはラヴレンチー・ベリヤ、ゲオルギー・マレンコフ、ニコライ・ブルガーニン、ニキータ・フルシチョフら側近と会食後、寝室で脳卒中の発作で倒れた。4日後の1953年3月5日には危篤状態に陥り、73歳で死去した。スターリンの死は社会主義陣営各国に大きな衝撃を与えた。日本では3月4日にスターリン重体のニュースが伝わり、翌5日の朝刊で死去が報じられた。当日の日経平均株価は、前日比37円80銭安、下落率10.00%の大幅下落となる344円41銭となった。政治体制が異なる日本でこの下落が起こったのは、朝鮮戦争の終結が早まり、当時日本経済の急速な復興を支えた朝鮮特需が終結することが予想され、主力株や軍需関連株を中心に売りが殺到したことが原因となっている。また、下落率10.00%は当時最大であり、1987年のブラックマンデーまで34年間破られることはなかった。2008年10月現在では戦後3番目の下落率である。
(wikipedia)

何度も書きますが、流動性を供給しても、経済実態の回復を伴ったものではありませんので、市場はやすやすと息を吹き返しません。過剰流動性を得て、相場は乱高下しながら、逃げ遅れた一般市民と企業に、とどめの一撃を準備しているのだと思います。

九州に「地獄めぐり」がありますが、そのお土産に「地獄に行って来ましたまんじゅう」や、「毎日が地獄ですTシャツ」があると聞きます。近日の一連の暴落は、個人や機関の株式投資家にとって、「毎日がブラックマンデーです」「毎日が地獄です」といった日々になっているのだと思います。

(引用開始)

世界同時株安:再び 東証一時995円安、NY733ドル暴落--景気減速懸念

日本、アジアの株式市場は16日、前日の欧米市場での株価急落を受けて大幅に下落、再び世界同時株安の様相となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が15日の講演で、景気の先行きに警告を発したため悲観的な見方が強まった。米欧諸国が金融機関への公的資金投入に踏み切り落ち着きを取り戻したかに見えた市場は、景気悪化懸念の高まりを背景に下げ止まる見通しが立たない深刻な事態に陥っている。
16日の東京株式市場は、取引開始直後から全面安の展開となった。日経平均株価は3営業日ぶりに反落、一時、前日終値比995円68銭安の8551円79銭まで下落し、取引時間中としては2日ぶりに9000円を割り込んだ。下落率は一時、10%以上となり、終値ベースの比較では、87年10月20日のブラックマンデー(14・90%)に次ぐ過去2番目の水準となった。
午後1時15分現在は同965円56銭安の8581円91銭。TOPIX(東証株価指数)は続落し、同77・24ポイント安の878・27と2日ぶりに900を割り込んだ。
世界的な景気後退懸念が強まったことで、「輸出依存度の高い日本企業の業績下方修正が相次ぐ可能性は高い」(大手証券)との見方が広がった。また、外国為替市場の円相場で円高が進行していることも嫌気された。鉄鋼、海運、自動車、電機、証券、不動産など幅広い業種が大きく値を下げている。
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「市場は、金融危機から、企業業績の悪化に対する不安を強めている」と指摘している。
アジア市場でも主要な株価指数が軒並み値を下げた。上海総合指数は一時、前日終値比で4%以上急落。香港ハンセン指数や韓国総合指数も一時、同8%前後、値を下げたほか、台湾加権指数も同3%以上、下落している。【野原大輔】

 ◇9000ドル割る
【ワシントン斉藤信宏】15日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、前日終値比733・08ドル安の8577・91ドルと9000ドルの大台を大幅に割り込んで取引を終えた。1日の下落幅としては9月29日の777・68ドル安に次ぐ過去2番目で、下落率(7・87%安)も87年10月のブラックマンデー直後の8・04%安以来、約21年ぶりの暴落となった。米欧各国の金融危機対策の効果は薄れており、2日間で13日の上昇分の85%超を帳消しにした。ハイテク銘柄主体のナスダック総合指数も急落、終値は同150・68ポイント安の1628・33と、03年6月以来、約5年3カ月ぶりの低水準となった。
取引開始前に発表された9月の小売売上高が前月比1・2%減と、92年に統計を取り始めて以来初めて3カ月連続減少するなど個人消費の弱さが裏付けられ午前中から300ドル超下落。午後に入ると、FRBのバーナンキ議長が講演で、景気の先行きに慎重な見通しを強調したため、一気に拍車がかかった。
中南米各地の株式市場も全面安となり、ブラジル・サンパウロ証取のボベスパ指数は前日終値比11・39%安。アルゼンチン・ブエノスアイレス証取のメルバル指数も12・14%安と大きく値を下げた。

 ◇欧州も軒並み
【ロンドン藤好陽太郎】15日の欧州の株式市場も急落した。ロンドン市場のFT100種指数は、前日終値比7・16%安の4079・59で終わった。独フランクフルト市場のDAX指数は同6・49%低い4861・63、パリ市場のCAC40指数が同6・82%下落し、3381・07となった。
欧州域外では、ロシアの主要指数が9・3%安、南アフリカが約7%下落した。

毎日新聞 2008年10月16日 東京夕刊

そして、ポジショントークだとも思いますが、ユーロ弱気説も載せておきます。円が相対的に好まれるということです。

(引用開始)

ユーロ、対円で年内に13%下落も
2008/10/16

シティグループ・グローバル・マーケッツによれば、ユーロは円に対し、年末までに13%下落する可能性がある。貸し渋りの解消に向け、米欧の当局が合計で最大3兆ドルの公的資金枠を用意したにもかかわらず、世界の信用市場が引き続き圧迫されるとの見方が背景。投資家が相対的に安全とみられる円を選好し、年内に1ユーロ=120円まで下落する可能性があると指摘。

フジサンケイ・ビジネスアイ

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-16 20:02 | 経済状況

怒涛のような無制限ドル供給 文字通りの青天井 時価会計の停止とダブルスタンダード

流動性供給で、最後の切り札が出たようです。文字通り無制限、青天井の、ドル資金供給です。

一般的な信用収縮の解決には、とりあえず、

・金融機関への資本注入(あるいは、不良債権の国などによる買取)
・金融機関への十分な流動性供給
・会計ルールの見直し

が必要と考えています。

その中で、FRBを中心とする各国の中央銀行による流動性(おもにドル資金)の供給は、文字通りジャブジャブに行われてきました。その上、限度額を外して、無制限に供給するとは、まさに、なりふりかまわない、緊急対策といえるでしょう。

何度も書きますが、リスクは、それぞれの国に飛ばされたことになります。

さらに、アメリカが中心として進めてきた「時価会計」を、「不良債権を持つ金融機関にとって都合が悪い」として、時価会計の緩和や一部停止が行われています。日本がバブル崩壊後、不良債権の査定を厳しく行わざるを得なかったことと、対照的です。まさに、「ダブル・スタンダード」と言えるでしょう。

しかし、このような「先送り」「飛ばし」をやらない限り、冗談ではなく、世界恐慌になってしまうという、瀬戸際にあるのでしょう。

最後には、金融機関への、資本注入が来るのだと思います。そもそも、銀行は信用創造を担う公的インフラであり、銀行の私的所有は、本来許されざることなのかも知れません。

(ということは、FRBの私的所有も許されざることなのかもしれませんね)

以下、関連ニュースです。

(引用開始)

金融対策:日米欧がドル資金供給の上限を事実上撤廃

日銀など日米欧の5中央銀行は13日、金融機関が資金を融通し合う短期金融市場へのドル資金の協調供給を大幅に拡大すると発表した。ドル資金供給額の上限(6200億ドル=約63兆円)を事実上撤廃し、金融機関が必要とする資金の全額を供給する。まず欧州3中銀が実施し、日銀も追随する方向で検討を進めている。
米国発の金融危機で資金調達が困難になっている金融機関を支援する狙い。ワシントンで先週末開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の中央銀行の協調行動の第一弾で、異例の措置に踏み切ることで市場の不安沈静化を図る。
ドル資金の供給拡大を先行実施するのは、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行、スイス国民銀行。中央銀行が事前に提示した固定金利で、金融機関が差し出す担保の範囲内なら希望するドル資金を全額確保できるようにする。米連邦準備制度理事会(FRB)は、欧州3中銀とのドルスワップ(交換)協定の上限額を撤廃し、欧州の中銀が市場に放出するドル資金を無制限で供給する。
米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した9月15日以降、短期金融市場では焦げ付きを恐れて、ドル資金の出し手がほとんどいなくなり、資金がひっ迫していた。日米欧の中央銀行は18日にドル資金の協調供給を発表、さらに供給枠を6200億ドル(約63兆円)に拡大したが、短期金融市場は機能マヒ状態が続いていた。【坂井隆之】

毎日新聞

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IASBも時価会計を緩和
2008.10.14 07:50

国際会計基準審議会(IASB)は13日、金融市場の混乱で公正な価値の算出が困難になっているとして、有価証券や証券化商品を時価で評価する会計基準の適用を緩和すると発表した。
緩和措置は7月1日にさかのぼって適用することから、金融機関は7~9月期決算で損失計上を抑制できる可能性もある。ただ、銀行の不良資産処理の先送りにつながる恐れもありそうだ。
米証券取引委員会(SEC)が9月30日に同様の緩和措置を発表。国際会計基準を採用する企業が不利になるとして欧州主要国が対応を求めていた。IASBは100カ国以上が採用する国際会計基準の設定機関。(共同)

産経新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-16 08:55 | 経済状況

ヘッジファンド指数に見る運用状況 ヘッジファンドへの逆風 未曾有の大再編の年 マンとスーパーファンド

これまで、何度か、ヘッジファンドの危機について言及してきました。

(転載開始)

「アメリカの経済状況は引き続き低調 ストックとフローの悪化 オスプレー・ファンドのクローズと資源価格」

『あるファンド・オブ・ヘッジファンドのマネジャーは「さらなる困難に見舞われるだろう」とし、「非流動性ポジションを持つヘッジファンドは、四半期の償還が問題だ」と述べた。
・・・「商品にまとまったポジションを持つヘッジファンドが存在する。実際に弱気相場になれば、多くのヘッジファンドが困難に陥るだろう」と述べた。 
とりわけ、商品相場の上昇と金融関連株の下落の双方に賭けていたヘッジファンドのダメージは大きい。
・・・「多くのヘッジファンドの今年の運用成績がマイナスだ。これを皮切りにファンドの閉鎖が続くだろう」』

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(2) なぜリーマンは見捨てられAIGは救済されたか」

「レバレッジを効かせて、資産価値変動の波に乗っておいしい汁を吸い、巨額の報酬を得て、その割りにオフショアスキームを活用して税金は納めず、損失が出て分が悪くなったら、国民の税金で救済してほしい」という話には、アメリカ政府は乗らなかった、というところでしょう。今後は、すべてのヘッジファンドがそうだという意味ではありませんが、ヘッジの意味を失ったヘッジファンドには、逆風が待っているのだと思います。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円」

ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、
『これまで国債を買っていた、外国のSWF(政府投資基金)やヘッジファンドは、損失を抱えているのだから、米国債を買わないだろう。』

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「世界金融危機(7) 投資銀行の終焉 バフェットはゴールドマン 野村はリーマン MUFGはモルガン」

短期間でより儲けるためにレバレッジをかけて、儲かっているときはこの世の春を謳歌するものの、想定外の市場変動で思惑がはずれ、自滅する。「LTCMの轍(わだち)を踏んだ」と言われても仕方ない、という感じです。
・・・となると、次はヘッジファンドに注目が集まることでしょう。

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「世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)」

(ヘッジファンドの運用面)
・運用成績を改善するための手段が乏しくなっている
>ヘッジファンドの必須戦術である空売りの禁止

(ヘッジファンドの資金面)
・金融機関による融資先の選別、投資銀行に自己資本規制が課せられるなどで、ヘッジファンド向け融資が細る
・損失拡大で不安に駆られた投資家が資金を引き揚げ

『現段階では銀行や証券より金融危機を上手く克服しているようにみえるヘッジファンド。しかし、新たな規制、投資家の不安が多くのヘッジファンドにとって命取りになる可能性がある。・・・ヘッジファンド投資を手がけるアルファ・キャピタル・マネジメントの創設者ブラッド・アルフォード氏は「ヘッジファンド業界にとって未曾有の大再編の年になる」と予想。』

(転載終了)

本日は、ヘッジファンド指数HFRXを引用して、運用状況を見てみたいと思います。この指数は、代表的なヘッジファンドの成績から平均して作られるもので、ヘッジファンドにおけるベンチマークとなっています。
(昨年のヘッジファンド指数は、過去の記事「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」を参照ください)

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(表:ヘッジファンドリサーチ)

代表的な4つのグローバルカテゴリは、すべて年初来マイナスとなっています。その中でも、Absolute Return(市場変動にかかわらず利益追及)の被害が軽微ですんでいるのは、まだ救いがあると言えるでしょうか。

また、8つのストラテジーカテゴリは、マクロを除き、ほとんどすべてで年初来マイナスとなっています。
特に、Convertible Arbitrage(M&Aに伴う転換社債の裁定取引)、Relative Value Arbitrage(M&Aに伴う株式の裁定取引)、Equity Hedge(空売りを含む株式の裁定取引)、Event Driven(出来事を予想して市場変動の方向性に賭ける)などの、下落が大きいように見えます。
Equity Market Neutral(市場変動の影響を受けにくい、株式裁定取引)は、プラスマイナスゼロで済んでいるのは、この市場変動からすると、名実が一致していると言えるかもしれません。

(この大変動をヘッジして、儲けに変えることは、容易ではないようです)

ということで、ヘッジファンドも、万能ではないということができるでしょう。

ところで、2大ヘッジファンドである、マンとスーパーファンド(昔のクアドリガ)はどうなっているのでしょうか。いずれも複数のファンドがランチされていますが、マンからはAHLのうちのひとつ、クワドリガは歴史のあるAGを見てみましょう。

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(マン・インベストメント)
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(スーパーファンド)

2大ヘッジファンドであれば大丈夫と保証するわけではありませんが、CDSショックの影響は比較的小さいように見えます。もちろん、運用面と資金繰りの面について、今後とも注視する必要があります。

(ヘッジファンドへの投資は、最高レベルのリスク許容度が必要とされます。投資の判断は、各人の責任にお任せいたします)
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# by kanconsulting | 2008-10-13 23:26 | ヘッジファンド

CDSショックと総円高(3) USD・EUR・AUDとJPY CDS爆弾の連鎖反応 中央銀行の過剰流動性と相場の乱高下

先日の記事のコメントで、次のように記載しました。

(転載開始)

確かに、日本の銀行は損失が軽いです。買収余力もあるでしょう。しかし、信用不安は世界中に伝播しますので、

・フロー(短期資金の融通ができるか、金利がきちんと入ってくるかどうか)
・ストック(所有している資産価値の下落、債券のデフォルト)

のいずれにも問題があるように思います。特に、日本の構造的な問題なのか、アメリカの景気悪化を本国以上に受けやすい(つまり、ショックがおきると、相対的に日本の資産価値が海外に流れる(ようにも見える))のは、今に始まったことではないと思います。

AUDは、短期的には、キャリートレードの解消と見ています。ジャブジャブにすり散らかされたドルが、悪さをしたのでしょう。AUD買いの前提条件であった、資産価値の高騰は、仮需分が剥げたので、その分割引となります。
短期的には、リスクマネーが減少していますので、その影響を受けます。ファンダメンタルを割り込む状況が続くでしょう。
長期的には、オーストラリアが信用不安を受けにくいという前提で、ファンダメンタルに従って、回復すると見ています。

(転載終了)

これまでも

『各国の中央銀行が流動性を供給しているが、これが、中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要です』
『こういったマネー(FRBなどが供給した過剰流動性)は、めぐりめぐって、さらなる市場の乱高下をもたらす可能性もあるのです』
『アメリカでは、・・・多量のマネーも供給されるのです。それにより、アメリカ株・世界株は反発することとなりますが、回復の実態を伴ったものではないので、再び暴落といった乱高下という事態が考えられます』

と、警告を述べて来ましたが、まさにそのような事態になっているのだと思います。

もう少し詳しく述べると、FRBなどが救済目的で供給した過剰なドルが、金融機関にとっては低金利で調達できるのをいいことに、一部が短期投資に回り、アンワインドで暴落を引き起こす。まさに、「過剰流動性の引き起こした乱高下」なのだと思います。

さらに、CDS爆弾は、信用不安の連鎖反応を引き起こすため、まさに「暴落」というにふさわしい、底なしの、急激な変動を引き起こすのでしょう。

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先日の、「クレジットスプレッド・恐怖指数・為替レート」の複合グラフに、EUR(ユーロ)とAUD(豪ドル)を追加しました。為替レートは、普通と逆(上が円高)になっています。

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(データ クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com)

また、為替レートについて、GBP(英ポンド)を加えて、5年前を100とした比較の図も入れてみました。為替レートは、普通(下が円高)になっています。

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(データ 同じ)

USDについては、これまでも「日本円とアメリカドルは実質的にペグしているようなもの」と述べてきましたが、その通り、変動幅としては比較的小さいものとなっていることが分かります。

逆に、AUDやGBPなどの高金利通貨の下落が激しく、機関投資家が、これら通貨に関連するリスク案件をアンワインドしていることが伺えます。

株式に目を転じると、コメントにも記載しましたが、ダウ、日経平均ともに、恐ろしい数字となっています。ファンダメンタルズを割り込んでいるのは明白ですが、リスク資産をキャッシュに換えて、手持ちのキャッシュを抱え込み、誰もリスク資産に手を出そうとしないのです。
何年か前に書きましたが、「キャッシュ(現金)以外は信じられないという状況」が来ているのだと思います。すなわち、マイルドであっても、恐慌です。

同じく、コメントにも記載しましたが、ソフィスケイテッド・インベスター(洗練された大人の投資家)は、こういった状況で、細心に選択した資産クラスと銘柄に、買いを入れていきます。
J-REITは、ゴミ箱だとの指摘も多かったのですが、これからは破綻も続くでしょう。不動産投資をされるなら、直接物件を当たられたほうが良いかと思います。
グロソブも、買いだとは思えません。こちらも、ご自分で海外債券や外貨MMFを買われたほうが、かなりマシです。

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このような状況の中で、私たち一般国民は、繰り返しになりますが、

・市場の変動に右往左往することなく、冷静に市場(相場)を見ること
・余裕資金で、外貨と、世界株式に、長期積み立てで投資すること
・投資の戦略と戦術を守り、ギャンブルはしないこと
・このような経済混乱の時期は、よい買い場ではあるが、全力投入はしないこと

が必要なのだと思います。

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。
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# by kanconsulting | 2008-10-11 23:11 | 経済状況

CDSショックと総円高(2) クレジットスプレッド・恐怖指数・為替レート 韓国とアイスランドの財政破綻

これまでも、何度か、「信用不安が起こると、円高になる」ことを指摘してきました。本日も、データにより、それを検証したいと思います。

信用不安の指標としてクレジット・スプレッド(High Yield Credit Spreads)、世界市場の乱高下の指標としてボラティリティ指数(VIX:VOLATILITY INDEX)、円ドル為替レート(通常と異なり逆数になっていますので、グラフの上に行くほど円高となります)を、グラフにまとめてみました。
(データ クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com)

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先日の記事では、『明日には、オーバーシュート分の修正が入ります。しかし、また、円高は来るのです。こうやって、市場の乱高下によって、個人投資家は振り落とされていきます』と述べました。事実、ドルは103円まで戻した後、しっかりと90円台に突入していきました。ブログには書いていませんでしたが、私の周囲には、「現在は二段下げの最中。オーバーシュートの修正で、101円から103円まで戻す。そこからダイレクトに円安に戻るとは考えにくい。三段下げを想定して、97円程度まで下げる。」と述べていました。

また、AUDに至っては、一時63.8円という、60円台前半にまで突入しています。

言及しようと思いながら延び延びになっていた韓国経済の実質国家破綻と、アイスランドの国家破産(*1)もあり、機関投資家が、急激にリスク案件をアンワインドしていることが伺えます。

*1 アイスランドは、「国家財政が破綻しかねない」(ハーデ首相)として、非常事態を宣言、すべての銀行の国有化を緊急実施したということです。誰が、「アイスランドと日本は、規模も体力も違う。日本は絶対に大丈夫。」と言えるでしょうか?誰もが絶対に大丈夫と思っていた保険会社AIGが実質倒産、一世を風靡した巨大投資銀行リーマンブラザーズが破綻、各種の仕組み債券が紙クズ同然となった今、「絶対安全は存在しない」ことを、あらためて知る必要があります。

さて、グローバル・ソブリン(いわゆるグロソブ)のリスクについては、このブログでも、何度か言及してきた通りです。それに加えて、為替レートによる減価、信用不安による債券の元本割れなどにより、文字通り「見ていられない」結果となっています。

文字通り、金融恐慌が来ているのだと思います。

「は?どこが恐慌?」と思われる方は、平和です。世の中には、知らないほうが幸せなことが、たくさんあるのでしょう。

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1年前の過去の記事にリンクを張っておきますので、今一度、ご確認ください。

なぜ円高になるのか、については

「世界同時株安と円高(5) クレジット・スプレッドと為替レートの関係 「円安貧国、ニッポンの罠」」

ではどうすればいいのか、については

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

を参照ください。

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皆様が、今後激しさを増すであろうこの『金融情勢の混乱』と、ありうるリスクシナリオ『ドル覇権の崩壊に伴う現代金融システムの瓦解』、そして可能性が高まりつつある『国家破綻』の大津波を、無事に乗りきることができますよう、ご多幸をお祈りしております。

この期に及んで、「一般人を恐怖させるようなことを書くな。悲観的に書きすぎだ。煽りも大概にしろ。」と思われる方がいらしたら、私は、あえて反論せず、そっとしておこうと思います。ここまで危機が迫った今、果たしてどちらが正しいかなどということは、どうでも良いことだからです。
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# by kanconsulting | 2008-10-09 00:49 | 経済状況