CDSショックと総円高 歴史に残る大暴落 まさかここまで

現在、すさまじい勢いで、円高が進んでおります。1年前から指摘していますが、「信用不安が起こる(クレジット・スプレッド増大)と、円高になる」現象を、再現しているようです。

FX投資家は、これまでも○○ショックで円高になる体験をしてきたと思いますが、まさに「まさかここまでの水準にはならないだろう」という円高になっているのです。

USD/JPY 100.90-.00
EUR/JPY 136.20-.30
AUD/JPY 71.55-.65 (NZD/JPYではありません!)
GBP/JPY 175.35-.45
CHF/JPY 88.05-.15

など。AUDにいたっては、1日で10円の下落となっており、標準的なレバレッジ10倍のFX取引でも、わずか1日で元本を吹き飛ばすことになります。

明日には、オーバーシュート分の修正が入ります。しかし、また、円高は来るのです。こうやって、市場の乱高下によって、個人投資家は振り落とされていきます。

1年前の過去の記事にリンクを張っておきますので、今一度、ご確認ください。

なぜ円高になるのか、については

「世界同時株安と円高(5) クレジット・スプレッドと為替レートの関係 「円安貧国、ニッポンの罠」」

ではどうすればいいのか、については

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

を参照ください。
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# by kanconsulting | 2008-10-07 01:48 | 外国為替(FX)

世界金融危機(10) アメリカの覇権はゴールドマンとともに中国に移動 流動性の枯渇と救済

先日の日銀総裁のコメントで、「インターバンク市場においては、流動性が枯渇している」との表現がありました。これは、次の二つの意味を持ちます。

(1)単に、手持ちの自由になる現金がなく、キャッシュのフローが停滞している
(2)手持ちの証券化商品、その他金融資産が換金できない、値がつかない

最近の各国中央銀行による、すさまじい、文字通り洪水のような、ドル資金の供給は、(1)には有効でしょう。それでも、こういった資金供給は、銀行の自己資本の補充に直接つながるものではなく、問題の根本的解決ではない「輸血」であることは、何度も述べました。また、貸し渋り、貸し剥がしは、これからますます起こっていくであろうことは、先日の記事も述べました。

(10/6追記:たとえば、過去の記事から転載します)

「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(3) 日米欧の中央銀行が流動性供給 解決になるのか」

私は、この流動性の供給については、以下のような考えを持っております。

・確かに、資金ショートによる破綻や、連鎖倒産を防ぐような効果はある
・市場のセンチメントを改善する効果もある
・しかし、出血を止めずに輸血するようなものであり、根本的な解決にはなっていない
・流動性は、必要なところに割り当てられるとは限らず、濃淡がある
>たとえば、金融機関に十分な流動性を供給しても、貸しはがしが止まらないこともありうる
・必ずしも、信用収縮をストップし、信用創造倍率アップをもたらすとは限らない
・過剰な流動性は、ゆくゆくは投機資金となり、資産価値の乱高下をもたらす遠因となる

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛」

ここまで巨額の、文字通りジャブジャブの状態になるまでマネーを注ぎ込んでも、本質的な危機の解決にはならないことは、すでに述べているとおりです。あくまで延命措置、ということを忘れてはなりません。これで、リスクはアメリカ政府・FRBに「飛ばされた」ということになります。

これで解決にはなりません。供給した過剰のドルが、ドルそのものの信認を損なうことになるからです。

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「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」(2007.7.26)

このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか。

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「世界同時株安と円高(2) サブプライムショック発の信用収縮はデリバティブ破産へ 世界恐慌の可能性」(2007.8.17)

今回の世界同時株安に関連して、各国の中央銀行は、信用収縮に対応するために、流動性(簡単に言うとマネー)を供給しています。その額は、トータルで30兆円とも言われています。しかし、それにもかかわらず、世界株式市場は、大きく株安となっています。

まさに、サブプライムショック発の信用収縮が、デリバティブ爆弾に着火しようとしているように見えます。最悪の事態(デリバティブ破綻による世界恐慌)も想定しなければならない、と主張します。

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「「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を」(2007.3.31)

アメリカに目を転じれば、サブプライムローン(サブプライムモーゲージ。日本で言う、住宅金融公庫のようなもの)の破綻が影を落とします。アメリカの景気は減速するでしょう。信用創造の縮小によって、50兆ドル(5000兆円)とも言われる巨額のデリバティブ(派生金融商品。非常に簡単に言うと、レバレッジの効いた権利取引)の焦げ付きも懸念されるところです。

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「2006年10大ニュース 国家破綻研究ブログ&国家破産・財政破綻に勝つ資産運用が選ぶ2006年3大ニュース」(2006.12.29)

アマランスの破綻は、他人事ではありません。「デリバティブの焦げ付き」という形で、何度もやってくると考えます。

(転載終了)

それ以上に問題なのが、CDSをはじめとする証券化商品の市場が機能せず、換金できない、値がつかないということです。換金できない・値がつかない証券は、単なる紙クズなのです。

このブログでは、デリバティブ爆弾のリスクを、何度も指摘してきました。その時点では、CDSが火薬庫であることは分かりませんでしたが、CDSに限らず、信用連鎖によりレバレッジを膨らませたデリバティブであれば、適切な起爆剤があれば、容易に崩壊するであろうことは、ある程度は見えていました。

ですが、CDS爆弾の直撃をかろうじて避けたのが、ゴールドマン・サックスです。

FT(ファイナンシャルタイムズ)に、面白い記事が載っていましたので、転載します。

・投資銀行の中では、頂点にいるのはゴールドマンであることは明白
・今回の経済危機には投資銀行が一因
・危機にあたっての、ポールソン氏の手腕、ゴールドマンの資金調達は、いかにも典型的

(ゴールドマン・サックスの経営手腕)
・CDSのウェートが低かった
・リーマンやベア・スターンズと違って、サブプライム・ローンと不動産に対する損切りが速かった
・バランスシートは1兆ドル規模、そのうち非流動資産は280億ドル、サブプライム関連の非流動資産は17億ドル
・ゴールドマンは、バフェットの救済的投資を原資に、不良資産を買い取ることを検討している

(政府とゴールドマンとの関係)
・ゴールドマンの幹部は、自分が金融関係者として働き、その次に公職につくという、二段構えを得意とするが、その両者の立場は基本的には矛盾する
・財務省とFRBの救済で、ゴールドマンは最も得をした中のひとつ
・SECは、空売り禁止によって、結果的に、金融機関を保護
・FRBが、ゴールドマンとモルガン・スタンレーとの、銀行持ち株会社移行を認めたことで、両社は、本格的な銀行になる
・ポールソンの金融安定化法案が議会を通過すれば、ゴールドマンはさらに一儲けするはず
・金融安定化法案の基金が、直接にゴールドマンに資金を流すかもしれないし、ゴールドマン以外の不良資産を買い取っても、ゴールドマンの持つ値が付かなかった不良資産に、間接的に流動性を付与することになる

先日のコメントを転載します。

(転載開始)

Commented by kanconsulting at 2008-10-03 15:14 x
(前略)中国は、ゴールドマンサックスと密接な関係があります。もともとBRICsを言い出したのはGSです。そしてGSとアメリカ政府のつながりも明らかです。ハンク・ポールソン財務長官は、ゴールドマン・サックスの前会長・CEOでもあることなど。そして、ゴールドマンがバフェットによって救済的投資を受けたことで、他の金融機関とは違う存在感を示しています。GSにも、間接的に政府資金が流れることでしょう。
シティやモルガンスタンレーとは大きな違いです。
寄生虫が宿主を渡り歩くように、金融資本にも新しい体が必要です。
中国は、独裁国ですし法律も未整備ですので、そこから金融支配を進めるにはちょうど良いのかもしれません。

(転載終了)

以下、ニュース本文を引用し、機械翻訳も添付します。機械翻訳なので表現がおかしいですが、ないよりはマシでしょう。

(引用開始)

Whatever is good for Goldman ...
By John Gapper

Published: September 24 2008 19:21

A lot of people used to think that Goldman Sachs ran the US economy. Now we know it does.

多くの人々が、以前はよくゴールドマンサックスが米国経済を走らせたと考えていました。 今、私たちは、それがするのを知っています。

On Tuesday morning, Hank Paulson, the US Treasury secretary and former chairman and chief executive of Goldman, testified to Congress about his plan to buy $700bn of mortgage securities. He wants to scoop up these assets as rapidly, and with as little interference, as possible in a manner yet to be fixed.

火曜日の朝、ハンク・ポールソン(ゴールドマンの米国債の秘書、元議長、およびチーフエグゼクティブ)は、7000億ドルの抵当証券を買う彼の計画に関して議会に証言しました。 彼はまだ修理されていない方法で可能であるとしての同じくらい急速、および同じくらい少ない干渉があるこれらの資産をすくい上げたがっています。

On Tuesday evening, Goldman declared that Warren Buffett, the legendary investor, was handing it $5bn of new capital in the form of preference shares and the bank would follow up with a $5bn equity sale. For investment banking rivals that have fallen by the wayside, or had to hunt overseas for funds, it showed who is top of the heap.

火曜日の晩に、ゴールドマンは、ウォレン・バフェット(伝説的な投資家)が優先株の形で50億ドルの新しい資本をそれに渡していたと宣言しました、そして、引き続いて、銀行は50億ドルの株式販売をするでしょう。 路傍のそばで転ばなければならなかったか、または海外で基金を探さなければならなかった投資銀行業務ライバルに関しては、それは、だれが勝者であるかを示しました。

Mr Paulson’s stewardship of the crisis-hit economy – despite the role that investment banks have played in bringing it down – and Goldman’s bravura capital-raising are typical. Goldman partners are not only smarter than the average Wall Street bear, but often turn up in “public service”, running finance ministries and central banks.

危機ヒット経済と#8211年のポールソンさんのスチュワードの職。 投資銀行がそれを降ろす際に果たした役割と#8211、にもかかわらず。 そして、ゴールドマンの勇壮資本調達は典型的です。 ゴールドマンパートナーは平均したウォール街クマより賢いだけではありませんが、「社会奉仕」でしばしば現れてください、財政省と中央銀行を経営していて。

They have been very adept at first making money for themselves and then trading the financier’s life for that of the power broker. Even in a Wall Street-induced crisis, it feels safer to have Mr Paulson at the US Treasury than Paul O’Neill, or John Snow, his Main Street predecessors. His bald pate and manner are scary but he is no ingenue.

彼らは、パワーブローカーのもののために自分たちのためにお金を稼いで、次に、金融家の人生を取り引きしながら、最初に非常に手際でした。 ウォール街によって誘発された危機でさえ、それは米国債にポールソンさんを持つためにポール・オニール、またはジョン・スノーより安全であると感じられます、彼の大通りの前任者。 彼のはげ頭と方法は怖いのですが、彼は純情な少女ではありません。

This Wall Street crash, however, has made the latent conflict of interest between Goldman’s public and private faces uncomfortably real. Mr Paulson insists that, in his current job, he cares only about “the American taxpayer”, yet Goldman has been one of the prime beneficiaries of recent interventions by the Treasury and the Federal Reserve. Even if you accept, as I do, that Mr Paulson is a man of principle who tries his best to put his country first, this is troubling.

しかしながら、このウォール街クラッシュで、ゴールドマンの公共の、そして、個人的な顔の間の潜在している利害の衝突は不愉快に本当になりました。 ポールソンさんは、現在の仕事で単に「アメリカ人の納税者」を心配すると主張します、しかし、ゴールドマンは国家財政委員会と連邦準備制度理事会による最近の介入の一番恩恵を受ける者の1つです。 あなたが私が受け入れるように受け入れても、そのポールソンさんは最初にこれが煩わす彼の国を置くためにベストを尽くす原則の男性です。

It places him in a more awkward spot than Robert Rubin or Steve Friedman, who ran Goldman and went on to become Treasury secretary and director of the White House Economic Council respectively; or Jon Corzine, the former Goldman head who is New Jersey governor, or Mario Draghi, a former Goldman partner who runs the Bank of Italy.

それはそれぞれホワイトハウス経済審議会のゴールドマンを車で送って、昇進して国家財政委員会の秘書になったロバート・ルービンかスティーブ・フリードマンより無器用な場所と指導官に彼を置きます。 または、ジョンCorzine、ニュージャージー知事、またはマリオ・ドラギ(イタリアのBankを走らせる元ゴールドマンパートナー)である元ゴールドマンヘッド。

It might not be so awkward if Goldman had suffered just a little more from the credit crisis. But it has instead emerged, along with Morgan Stanley, in the last pair of large investment banks standing. The Securities and Exchange Commission has protected them and other institutions from short-selling and the Fed has allowed them to become fully fledged banks.

ゴールドマンが金融恐慌にちょうどもう少し悩んだなら、それほどまずくないかもしれません。 しかし、それは代わりにモルガン・スタンレーと共に多額の投資銀行地位の最後の組で現れました。 証券取引委員会は空売りからそれらと他の団体を保護しました、そして、連邦政府はそれらが完全な銀行になるのを許容しました。

Wall Street is widely reviled at the moment, but even Wall Street is bitter about Goldman. Former employees of Lehman Brothers, which was left to fail by the Fed, complain that Mr Paulson and Ben Bernanke, the chairman of the Fed, saved their $700bn (€474bn, £377bn) shot until last week. They pulled out the big gun when it looked as though Goldman and Morgan Stanley were in trouble.

ウォール街は現在、広く悪口を言われますが、ウォール街さえゴールドマンに関して苦いです。 リーマン・ブラザーズの元従業員は、ポールソンさんとベン・バーナンキ(連邦政府の議長)が先週まで彼らの7000億ドル(#8364; 4740億、およびポンド; 3770億)のショットを取っておいたと不平を言います。(リーマン・ブラザーズは、連邦政府で失敗するのが残されました)。 まるでゴールドマンとモルガン・スタンレーが困っているかのように見えたとき、彼らは有力者を引き抜きました。

Now, to compound matters, Goldman could make a bundle if Mr Paulson’s $700bn fund clears Congress. Unlike rivals such as Lehman and Bear Stearns, Goldman marked down its exposures to subprime mortgages and real estate so aggressively that it has only $28bn of illiquid assets, of which a mere $1.7bn related to subprime mortgages, on a $1,000bn balance sheet.

今、件を合成するために、ポールソンさんの7000億ドルの基金が議会をきれいにするなら、ゴールドマンは荒稼ぎするかもしれません。 それには、リーマンやBearスティアンズなどのライバルと異なって、ゴールドマンが非常に積極的に「副-主要」抵当と不動産への露出を記録したので、非流動資産について280億ドルしかありません、1兆ドルの貸借対照表で。(そこでは、わずか17億ドルが「副-主要」抵当に関連しました)。

It would be a bit rich for Goldman to turn round and make a profit by selling this stuff at a higher price to its old boss. But it need not be quite so blatant: even if Mr Paulson’s fund buys comparable assets, Goldman will be able to mark up its own book. Furthermore, it is already thinking of using Mr Buffett’s largesse to buy more distressed securities.

ゴールドマンが高値でこのものを年取ったボスに販売することによって振り向いて、利益を上げるのは、少し豊かでしょう。 しかし、それはそんなにあからさまである必要はありません: ポールソンさんの基金が匹敵する資産を買っても、ゴールドマンはそれ自身の本を値上げできるでしょう。 その上、それは、より困窮している証券を買うのにバフェットさんの気前のよさを使用することを既に考えています。

Goldman can hardly be blamed, of course, for navigating the Wall Street crisis better than others. It did not expose itself so disastrously to one highly leveraged play on the US mortgage market. It hedged against the credit turmoil and cut its losses swiftly rather than crossing its fingers that the market would turn.

もちろんウォール街危機に他のものよりよくナビゲートするのについてゴールドマンをほとんど非難できません。 それはそれほど惨めに米国抵当市場での1つの非常に投機されたプレーにそれ自体を露出しませんでした。 祈るよりむしろ、市場がターンするだろうというのは、クレジット騒ぎについて防護措置を講して、迅速に早めに手を引きました。

Yet Goldman got a helping hand from the authorities and stands to get another one while Lehman was – rightly, in my view – allowed to fail and Bear Stearns’ shareholders were nearly wiped out. Would the Treasury and the Fed ever have allowed Goldman to follow and its partners to lose their wealth? I doubt it.

しかし、ゴールドマンは当局、リーマンが得ましたが、別の1つを得るスタンド、および#8211、から援助の手を得ました。 正しさ、私の視点と#8211で。 失敗するように許容されるのとBearスティアンズの株主はもう少しで疲れ切るところでした。 国家財政委員会と連邦政府は、ゴールドマンが続くのを許容したことがあって、今までに、パートナーが彼らの富を失うのを許容したことがありますか? 私はそれを疑います。

The fact is that Goldman, having started out as a humble commercial paper house in 1869, has worked its way to the heart of the financial and political establishment. It has become the modern-day General Motors by convincing politicians and regulators that what is good for Goldman Sachs is good for the US economy.

実は、1869年に粗末な商業手形商として始めて、ゴールドマンは財政的で政治上の設立の心臓に進んでいました。 ゴールドマンサックスに、良いことが米国経済で良いと政治家と監視委員に納得させることによって、それは現代のゼネラル・モーターズになりました。

It does not hurt that so many Goldman executives become public officials. They no doubt go to the capital with the best of intentions, but they bring with them Goldman’s view of the world. Bear Stearns was “too inter-connected” with markets to be allowed to fail, but Goldman has embedded itself far more deeply in Wall Street and Washington.

とても多くのゴールドマン幹部社員が公務員になるのは痛みません。 間違いなく誠心誠意都へ上りますが、彼らはそれらと共にゴールドマンの世界観をもたらします。 Bearスティアンズは失敗できる市場と共に「あまりインタコネクトされていました」が、ゴールドマンははるかに深くウォール街とワシントンにそれ自体を埋め込みました。

Most of the time, this intermingling is not pernicious. Goldman partners tend to be clever, hard-working people. I also share Goldman’s views on the benefit of free markets and globalisation, and the belief that wealthy institutions and individuals should use their clout and money both for philanthropy and to improve standards of government.

たいてい、この混り合いは有害ではありません。 ゴールドマンパートナーは、賢明で、勤勉な人々である傾向があります。 また、私は、ともに、博愛、政府の規格を改良するために自由市場とグローバル化の利益、および裕福な団体と個人が彼らの勢力とお金を使用するべきであるという信念に関するゴールドマンの意見を共有します。

But, at the moment, Wall Street is embroiled in a crisis of liquidity and credibility. Mr Paulson is due to step down by January as Goldman Sachs’ latest Treasury secretary. The next president should recruit his successor from elsewhere.

しかし、現在、ウォール街は流動性と真実性の危機に巻き込まれます。 ポールソンさんは1月までにゴールドマンサックスの最新の国家財政委員会の秘書を辞任することになっています。 次期社長はほかの場所から彼の後継者を募集するべきです。


(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-06 09:28 | 経済状況

日本の経済状況 日銀短観

あまり注目されていませんが、日銀が発表した9月の企業短期経済観測調査(日銀短観)は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が5年3カ月ぶりのマイナスとなりました。こういったインデックスは、どちらかというと後追いとなることが多いように思いますので、「普通の人の認識に、指数が追いついた」感じです。

(輸出の影響が大きい大企業製造業セグメントより、日本国内で商売をしているであろう中小企業の指数のほうが、一般国民の認識に近いのかもしれません)

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これから、資金繰りに困る企業が、ますます増えそうな感じです。

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画像はNHKホームページより

先日も述べましたが、自前のキャッシュフローが潤沢な企業が、生き残りに近いような感じです。黒字倒産も増えそうです。
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# by kanconsulting | 2008-10-03 18:56 | 経済状況

バフェットがGEに救済的投資 グレアムの投資の安全域 これからの株式投資

このブログでは何度も書いていますが、「株式投資に一番適しているのは、市場に血が流れている時」なのです。市場参加者が悲観的になった今は、実体価値よりも売り込まれているということですので、グレアムの言う「投資の安全域*1」が確保された状態なのです。

バファリンの半分がやさしさで出来ているなら、株価の半分は「希望料」と言えるかもしれません。
(実際には、株式のどの程度がプレミアムかという議論は、半分とか何割と決まっているものではなく、PERなどを踏まえた定量的議論になります。一昔前は、ヨーロッパ株式のPER30程度が普通でした。最近(サブプライム前)までは、PER15が普通だったように思います。)

「投資なんてもうコリゴリだ。株の名前も聞きたくない。」というような人が増えてきた今だから、将来のための投資を考えられると良いと思います。

「何をバカなことを。当分は株式市場は面会謝絶。世界恐慌壊があるかも知れないのに、正気か?」と思われることでしょう。しかしながら、世界恐慌があっても、株式そのものは生き残ります。1929年の世界恐慌でもそうでした。アメリカなどが強権で株式市場を閉鎖することがなければ、「成長性ある市場全体を買う」「将来性あるビジネスの経営権を買う」というスタンスでの投資は、有効なのです。

バフェット神話は、もう神話ではないかもしれませんが、今回の買収は、「(ウォールストリートではなく)メインストリートに投資する」という従来のスタイルに戻ったようで、「いい買い物をしたな」と思います。

・GEの時価総額:現在約2350億ドル
・株価は年初から約34%下落
(バークシャー・ハサウェイ)
・30億ドル相当の優先株
・1株あたり22.25ドルで引き受け 10/1クローズ時点で24.50ドル
・優先株の配当利回り:10%
・3年経過後は、GEへ買い取りを要請できる
・普通株30億ドルを追加取得する権利(ワラント)も獲得
(バークシャー以外)
・最低120億ドル相当の株式を新規公開する計画

以下、過去の記事から、ゴールドマン・サックスへの出資について転載します。

(転載開始)

以下、バークシャーによるゴールドマン出資のニュースです。バフェットは、相当お得な条件で、ゴールドマンを買ったようです。7年ホールドすれば、配当だけで元本が回収できてしまいます。

(バークシャー)
・50億ドルの出資
・永久優先株を引き受け、配当利回りは10%
・50億ドル相当の普通株を1株115ドルで買い取る権利のあるワラントを受け取り
・ワラントの行使期限は5年
(バークシャー以外)
・少なくとも25億ドル相当の普通株発行による公募増資

(転載終了)

では、私たちは、どのような投資を考えれば良いのでしょうか?答えはおのずと明らかです。マーケットを国ごと丸ごと買う、あるいはセクターごとまるごと買う、といった、海外ETF投資です。

ちなみに、私のポートフォリオは、海外ETFのウェートが大きく、いまだにプラスです。

宝くじを買われるくらいなら、売り込まれた優良企業を小額買われると良いと思います。破綻しても知れている額でも、上限は無限です。

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*1 グレアム的投資手法については、以下もご覧ください。

「バフェットが語る「インフレに勝つ株式投資」 究極のファンダメンタル投資 インフレ、ROA、グレアム」

インフレ対策に最も有効な投資対象は天然資源や工場・機械などの有形資産を多く所有する企業であるとしてきました。ところがそうは行きません。有形資産を多く抱える企業は、一般的に低い利益率しか示せず、しばしばインフレによって必要になる追加資本すら生み出すことができず、実質的な成長率、株主への配当金や新規の企業買収のための資金はほとんどありません。
対照的に、インフレ期では、長期的な価値を持つ無形固定資産を持ち、有形固定資産への資本投下が相対的に少なくて済む企業への投資が不釣合いなほど大きな成果を上げてきました。そのような場合には、利益の名目価値は急増し、それがさらなる企業買収に寄与しているわけです。インフレ期における「のれん」は、金の卵を産み続けてくれるニワトリなのです。
「バフェットからの手紙/ローレンス・A・カニンガム」

このようなグレアム的な投資手法によって、バフェットは世界二位(ちなみに1位はビル・ゲイツ、3位はラクシュミ・ミッタル)の富を築いたのです。(当時)

詳しくは、以下の書籍も参考にされてください。
「バフェット流長期投資」
「バフェット投資の王道~株の長期保有で富を築く/ロバート・マイルズ」
「バフェットからの手紙/ローレンス・A・カニンガム」
「バフェット流投資術(CDブック)/ロバート・P・マイルズ」


「2回目の世界同時株安にどう備えるか 「また損をさせられる一般投資家」? 二度ある調整は三度ある(2)」

ファイナンシャル・リテラシーがある「大人の投資家」は、高騰し過熱した相場よりも、下落して落ち着いた相場を好みます。

なぜならば、過熱した相場では
・売らないなら、どこが天井か気になるので、気が休まらない
・一般的には、お祭りになり、距離を置きたくなる
・「洗練された投資家」は、天井で売り抜けることは不可能と知っているので、適当なところで売り抜けて、あとは休憩となる

下落した相場では
・割安なバーゲン品が出るため、「投資の安全域」(ベンジャミン・グレアム)を確保できる
・恐怖心や、過度のリスクを許容できなくなった叩き売りが出る
・つまり、欲しい投資対象を安値で買える、絶好の買い場となる

もっと簡単に言うと、「大人の投資家は、相場が高くなると、売りたくなる。安くなると、買いたくなる」ということです。

ですが、「一般投資家は、相場が高くなると、買いたくなる。安くなると、売りたくなる」というのが、実情ではないでしょうか?

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(引用開始)

米GE、150億ドル増資 バフェット氏が30億ドル引き受け

【ニューヨーク=清水石珠実】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は1日、150億ドル規模の増資をすると発表した。このうち30億ドルの優先株は、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが引き受ける。金融市場混乱の影響を受けて、GEは金融部門を中心に事業環境が悪化しており、バフェット氏からの投資で資金繰りを強化する。
バフェット氏が引き受ける優先株の配当利回りは10%。3年経過後は、GEへ買い取りを要請できる。1株あたり22.25ドルで引き受ける。バフェット氏は「GEは米国産業のシンボル的存在。今後の成長に自信を持っている」と、投資理由を説明した。
同時に、最低120億ドル相当の株式を新規公開する計画も明らかにした。1株当たりの値段は、明日の取引開始前までに公表する。(04:36)

日本経済新聞

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米GE、1兆6000億円増資へ=富豪バフェット氏にも割り当て

【ニューヨーク1日時事】米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)は1日、総額150億ドル(

約1兆6000億円)超の増資計画を発表した。同社収益の約半分を占める金融子会社GEキャピタルをめぐる資金繰り懸念を払しょくするのが狙い。
GEは、120億ドル以上の普通株を新規発行して公募増資するほか、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハサウェイに30億ドル相当の優先株を割り当てる。
また、バークシャーは、普通株30億ドルを追加取得する権利も獲得した。同社は先月24日にも、金融大手ゴールドマン・サックスの増資50億ドルを引き受けており、金融危機を機に金融関連企業への投資を拡大している。(2008/10/02-07:47)

時事通信

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米GEが150億ドル増資へ、バフェット氏30億ドル出資
2008年 10月 2日 04:20 JST

[ボストン 1日 ロイター] 米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)は1日、120億ドルの公募増資と、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ(BRKa.N: 株価, 企業情報, レポート)に対する優先株発行による30億ドルの第三者割り当て増資を実施すると発表した。
GEは2日に市場が開く前に発行条件を決定する見通し。
バフェット氏は声明で「GEは米産業のシンボルだ。同社の事業が今後数年間、これまでと同様に成功することを確信している」と述べた。
GEの時価総額は現在約2350億ドル。金融部門GEキャピタルの業績悪化懸念を背景に、株価は年初から約34%下落した。
GEのイメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「経済環境は不安定な状態が続いている。しかし、2008年のGEの業績は前週示した見通し通りに進んでいる」と語った。

ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-02 20:45 | 経済状況

世界金融危機(9) アメリカの覇権と世界通貨ドルの尊厳死 ニューモンロー主義の予感 住専の遅い救済

「へまをしたウォール街の連中を我々の税金で救いたくはないからね」(ニュージャージー州、保険会社社員(26))
「民主、共和両党は何も決められず、互いに非難ばかりしている。政治には失望した」(コネティカット州、中堅企業役員(49))

法案に反対(法案否決を歓迎)しているアメリカ市民の声 日本経済新聞より

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皆様もご存知のように、金融危機収束の対策であった金融安定化法案が、アメリカ下院(衆議院に相当)で、228対205で否決されました。

私は、「それも潔い。延命治療を拒否するというのも、ひとつの選択肢だ。」と思います。大騒ぎするほどのことはありません。覇権国家アメリカと基軸通貨ドルの尊厳死を、静かに見守りましょう。

(アメリカは税金を投入しないが、日本などに出させよう、という戦略なのかもしれませんが、詳細に見てみると、違うようです。詳しくは否決の分析の項目にて)

歴史上、どんな覇権国家も、永遠に存続することは出来ませんでした。紙幣や国の借用証書が紙クズになったという事例に至っては、文字通り数え切れません。

アメリカは、世界リーダーの重責を十分に果たすことは出来ないとして返上し、アメリカはひとつのローカルな大国として生きていく、というニューモンロー主義の予感もします。

モンロー主義(Monroe Doctrine)とは:アメリカ合衆国がヨーロッパ諸国に対して、アメリカ大陸とヨーロッパ大陸間の相互不干渉を提唱したことを指す。第5代アメリカ合衆国大統領ジェームズ・モンローが、1823年に議会への7番目の年次教書演説で発表した。この教書で示された外交姿勢がその後のアメリカ外交の基本方針となった。
モンロー主義は、アメリカ合衆国の孤立主義政策の代名詞とされ、日本でも行政施策等、団体が行う他と協調しない独自の行為を「**モンロー主義」と称することが多い。
(wikipedia)

さて、

下院の否決内容を州別に見てみると、
・賛成票>反対票:ニューヨーク、カリフォルニア、アーカンソー、マサチューセッツなど10州(1人投票州を除く)
・ニューヨーク州 賛成25、反対4
・カリフォルニア州 賛成29人、反対25
・激戦区を選挙区とする議員で反対票を投じる傾向が強かった
・3分の2以上が反対票を投じた共和党では、ブッシュ大統領の地元テキサス州で反対票が圧倒
・フロリダ州 賛成11人、反対14

ということで、
国民感情としては「ウォール街の連中を救うのに、われわれ一般国民の税金を使ってくれるな。自分の後始末は自分でしろ。」
議員の判断としては「選挙が近い。国民感情に配慮すると、安易な法案賛成は出来ない。」
ということなのでしょう。

(もちろん、アメリカ国民は、問題はウォール街だけにとどまらず、実体経済に強い影響を及ぼしていることは分かっていると思います。であればこそなおさら、税金を投入することは心情的に許せないのでしょう。)

ということで、アメリカの税金は出さずに、日本などに債権を買わせよう、という戦略性は感じませんでした。そういった国家戦略は、政府、FRBなどで意思決定されるものです。

皆様もそうだと思いますが、私も「住専(特定住宅金融専門会社)」を思い出します。不良債権処理のために6850億円の公的資金を導入するかどうかの審議で、野党が税金投入に反発、ピケ戦術などで抗議したという話です。

特定住宅金融専門会社の破綻問題
バブルは崩壊、地価が下落、不動産業者の担保価値の目減りは大きく、土地は売るに売れない状況となり、融資先は元金返済どころか金利の支払いすら滞る事態となった。融資は固定化、塩漬けとなり、不良債権化していった。結果的に1社を除き破綻した。
破綻した住専には農林系金融機関(農林中央金庫、各県の信用農業組合連合会(信連)、全国共済農業協同組合連合会)を中心とした金融機関が貸し込んでおり、これらが貸し倒れ、処理が遅れる事による金融システムの破綻を避けることを目的に住専法が作られた。本来は、特定住専に乱脈融資を行った金融機関が貸し手責任を負うべき物で、実際に破綻処理ではほぼ9割弱について債権放棄に応じたが、それでも住管機構に対し預金保険機構の子会社として7000億円弱の公的資金が投入されることになったため多くの批判があった。
なお、破綻した特定住専は清算され、経営者および親会社である金融機関は民事および刑事で、住管機構及びその後身である整理回収機構によって経営責任や融資紹介責任を追及されている。
(wikipedia)

法案は通ったものの、資金投入が遅れたために、金融機関のさらなる連鎖破綻を引き起こしたことは、記憶に新しいところです。この過程で必要となった公的資金は、数十兆円という、膨大な額でした。

ということで、「資金を投入するなら、早期に。やらないなら、毒を食らわば皿まで。」ということだと理解しています。

関連したニュースを引用します。『経済恐慌懸念には、早すぎる』とありますが、これだけの金融機関の破綻、取り付け騒ぎ(あまり報道されませんが)、ドルのコール市場が機能していないことなどから、すでに恐慌は始まっているのではないでしょうか。

(引用開始)

エコナビ2008:米国発株安(その1) 金融当局、打つ手なし

米国の金融安定化法案が米下院で否決されたショックが、世界的な株価同時暴落など国際金融市場全体の危機に発展したことに、財務省や日銀など、日本の金融当局は、焦燥感を深めている。危機拡大を防ぐカギは、公的資金投入など、米当局の対応にかかっており、「米政治の動向を見守る以外、打つ手がないのが実情」(日本の財務省筋)だからだ。

 ◇短期市場、金利急騰 協調に限界「米の対応見守る」
「金融安定化法案が否決されるなんて夢にも思わなかった。米議会に法案を通せとも言えないし、日本がやれることは限られている」--。財務省幹部は30日午後、日本やアジアの株価暴落のニュースに苦渋の表情を浮かべた。危機に歯止めを掛けるには、米国の公的資金投入が不可欠。だからこそ、ポールソン米財務長官が最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金投入による不良資産買い取り策を打ち出した直後の22日、先進7カ国財務相・中央銀行総裁(G7)は緊急に電話で協議。「米国が取った異例の措置を強く歓迎する」との共同声明を出し、金融安定化法案が米議会で早期に成立するよう後押しした。
日銀は29日、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などと協調し、金融機関が資金を融通し合う短期金融市場へのドル資金の協調供給を大幅に拡充、欧米金融機関の資金繰りを支え続けた。
だが、30日の東京市場では無担保コール翌日物金利が最高で1%に急上昇し、日銀の誘導目標である0・5%を大幅に上回った。同日のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)のドル建て翌日物も、前日の2・56%から6・87%に急騰、過去最高の上げ幅を記録した。
「(金融危機の背後には)米金融機関の不良資産や資本不足の問題がある。流動性対策だけでは解決しない」(日銀幹部)。米国が本格的な公的支援に乗り出さなければ、市場の動揺は収まらない。
危機感を深めた欧州連合(EU)議長国の仏サルコジ大統領は29日、日米など主要国に危機打開に向けた緊急首脳会議開催を呼びかけた。しかし「仮に日米欧が協調利下げに踏み切っても、金融危機収拾への効果は期待できない」(国際金融筋)状況の中で会議を開いても逆に市場の失望を呼ぶ恐れさえある。来週末には米ワシントンでG7も予定されるが、共同声明作りなど日米欧の事前準備は進まず、「当面は米政治の動向を見守るしかない」(財務省筋)厳しい状況が続く。【須佐美玲子、赤間清広】

 ◇邦銀に影響波及 含み益急減、出資の損失処理も
中間決算の期末だった30日に日米の株価が急落したことは、日本の金融機関にも痛手だ。邦銀は米金融機関に相次いで出資したが、米株価の下落が続けば多額の損失を抱える。大手行は景気後退で業績が伸び悩んでいる。その中で、経営体力が低下すれば、融資に慎重な姿勢を強め、企業倒産増を引き起こしかねない。
30日の日経平均株価の終値は年初来安値の1万1259円。第一生命経済研究所の試算によると、大手行6グループの保有株の含み益は、3月末の3・9兆円から2・8兆円に急減する。経営の健全性を示す自己資本比率の低下は必至だ。
含み益にはまだ余裕があるため、大手行の経営を左右するほどではない。ただ、破綻(はたん)した米リーマン・ブラザーズ向け融資の焦げ付きなどにより大手行全体で総額1300億円の損失が判明した。
さらに、三菱UFJフィナンシャル・グループは、米モルガン・スタンレーに9500億円の出資を決めたが、このうち約3000億円分の普通株の取得価格は25・25ドル。モルガン株は29日、21ドルに下落しており、株価の低迷が続くと、三菱UFJは多額の損失処理を迫られる。
大手行の貸し出し姿勢が慎重になると、体力の弱い中小企業などで倒産が広がる恐れがある。
生保各社でも日本生命保険の9月末の保有株の含み益が3月末比で8000億円減の3兆4000億円となる見通し。朝日生命保険は保有株の含み損が3月末から800億円増えて1100億円となる見通しだ。【斉藤望、辻本貴洋】

 ◇経済恐慌懸念、早すぎる--高尾義一・朝日ライフアセットマネジメント常務執行役員
現状では金融以外の米国産業はそれほど深刻な影響を受けておらず、経済恐慌の懸念を抱くのは早すぎる。ただ、金融危機対応の遅れは実体経済の低迷を招き、金融機関の経営をさらに悪化させる悪循環につながる。そうなれば、比較的堅調な新興国経済も崩れかねない。金融不安が欧州にも広く波及しつつある状況を見ると、もはや米国だけで解決できる問題ではなくなっている。金融機関の不良資産開示▽原因の究明▽経営責任の明確化▽問題解決のための制度改革--をセットにした対策を協調して実施する必要がある。

 ◇景気、さらに打撃の恐れ--翁百合・日本総合研究所理事
本格的な公的資金の活用を盛り込んだ米国の金融安定化法案への期待が高かっただけに、米下院による同法案否決の影響は大きい。市場では信用収縮が進み、米国経済への深刻な影響も懸念される。米政府や議会は一刻も早く公的支援による政策対応を実現すべきだ。短期金融市場などでは信用リスクが高まり、ドル資金調達がさらに逼迫(ひっぱく)する恐れがあり、各国中央銀行は市場への流動性供給での協調を強化する必要もある。対米輸出の一段の落ち込みや、企業の資金調達難などで、悪化している日本の景気がさらに打撃を受ける恐れがある。

毎日新聞 2008年10月1日 東京朝刊

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米金融安定化法案否決 下院、11月選挙の影

【ワシントン=丸谷浩史】米金融安定化法案を否決した下院議員の投票行動は、11月選挙で激戦区を選挙区とする議員で反対票を投じる傾向が強かった。3分の2以上が反対票を投じた共和党では、ブッシュ大統領の地元テキサス州で反対票が圧倒。党幹部の威信が大きく低下している実態も浮き彫りになった。
州別(全50州)にみると、多くの金融機関が本拠を構えるニューヨーク州は25人が賛成し、反対は4人だった。1人だけが投票した州を除けば、賛成票が反対票を上回ったのはアーカンソーやマサチューセッツなど合わせて10州にとどまった。
信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付きが多いとされるカリフォルニア州は賛成が29人で、反対を4人上回った。フロリダ州も賛成11人、反対14人と賛成が反対に迫っており、両州選出の議員は深刻な状況を踏まえた投票行動だったといえる。(01:15)

日本経済新聞

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【主張】金融法案否決 米は震源地の責任果たせ
2008.10.1 03:42

金融危機収束に向けた包括的対策として期待されていた金融安定化法案を、米下院が否決した。大統領選と同時に行われる11月の議会選挙を控え、税金投入による金融機関救済との有権者の反発を恐れた議員らが反対票を投じたようだ。
米政府と議会指導部が大筋で合意していただけに予想外の否決である。このままでは、米国は、サブプライム問題の震源地どころか、金融危機の引き金を引くことにもなりかねない。
なすべきことは明白だ。政府と議会は再度、協議して早急に修正案をまとめるべきだ。
下院での採決は、賛成が205、反対が228で、与党・共和党議員の多数に加えて、議会多数派の民主党の一部も反対に回った。法案は、政府と共和、民主両党の指導部が数日かけてまとめた。金融機関からの不良資産の買い取り制度だけだった当初の政府案に、政府が金融機関の株を取得する権利や救済する金融機関の責任を問う手段などを加え、納税者負担の最小化に向けた対策に知恵を絞ったはずだった。
それでも、議員らの多くが否決に回った。2年ごとに選挙がある下院議員は世論に迎合しがちだ。日本も1990年代、巨額の不良債権を抱えた住宅金融専門会社の破綻(はたん)処理で、6800億円の公的資金の投入が世論の反発を招いた。そのために、金融機関の不良債権処理が遅れ、山一証券や北海道拓殖銀行などが破綻した。
米政府や議会はそうした日本の経験を知らぬわけはあるまい。公的資金投入で早期に不良資産を処理する決断が、最終的に預金者のためになり、不良資産を処理するコストも小さくなる可能性が高いと言葉を尽くして米国民に説明し、理解を得るのが大事だ。
下院の否決を受けて世界中の金融市場では、株安、ドル安が一気に拡大した。株が暴落し、資金繰りに窮した末に、米銀行のワコビアはシティグループに救済買収され、英中堅金融機関の「ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)」なども国有化が決まった。日米欧の中央銀行が協調してドル資金を大量供給して金融システムを支えている。
ブッシュ大統領は法案否決後、すぐに、「前進するための方策を考え出す」と強調した。その言葉通り、金融恐慌を防ぐ、実効性ある方策を早急に示してほしい。

産経新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-10-01 09:49 | 経済状況

閲覧数 9/30 ドルの破綻と戦争の予感

これまでに、次のように述べてきました。

「国家破綻への対策は、実質上、2006年末が目処。2008年から2012年にかけて、大きな経済上の混乱が起こる可能性があり、2007年は序章となるだろう。」と思っておりました。ご存知のように、昨年のサブプライム・ショックを起点とする信用収縮は、今年になって混乱をさらに深めており、金融危機に発展する1年となりました。
過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。実際には、資金を投入しても金融の安定化には程遠く、さらなる市場の乱高下が起こった、という事実があります。
これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。その中で、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

この後に待っているのは、
・アメリカ債券とドル紙幣の押し売り
・海外投資家のマネーの棒引き
・ドルの減価による、不景気なのにモノが高いというスタグフレーション
・強権的ルールによる世界統制経済
・借用証書を焼き払うための政治的暴力(戦争)
のいずれかでしょうか。

ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになります。すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

さて、これも繰り返しになりますが、「2007年の信用収縮を皮切りに、ドルと円が崩壊するだろうという流れは、誰にも止められない。私がブログに何を書いたところで、何も変わるわけがない。」という諦めにも似た気持ちを持っています。ですが、「たとえそうであったとしても、ダメージを最小限に食い止める方法があるのではないか。庶民レベルで生き残る知恵はないのか。ひょっとすれば、崩壊を食い止める奇策があるのではないか。」という思いでいることも、また事実です。

何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。

今後の世界はどうなるのでしょうか?そして、私たち一般国民はどうすれば生き延びることができるのでしょうか?今後のエントリーにて、考えてみたいと思います。

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参考文献ブログも、ご一読ください。

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# by kanconsulting | 2008-09-29 21:26 | 閲覧数

世界金融危機(8)  ヘッジファンドの危機とアメリカの格付け 公的支援は1.5兆ドル(15130億ドル)

※世界金融危機(7)を(8)に訂正しました。

以前の記事で、『次はヘッジファンドに注目が集まることでしょう』、と書きました。本日は、それに関連したニュースを引用したいと思います。

(運用面)
・運用成績を改善するための手段が乏しくなっている
>ヘッジファンドの必須戦術である空売りの禁止

(資金面)
・金融機関による融資先の選別、投資銀行に自己資本規制が課せられるなどで、ヘッジファンド向け融資が細る
・損失拡大で不安に駆られた投資家が資金を引き揚げ

さらに、別の記事で、『「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金で支払う、ということです。本当に、すでに財政支出となった1兆ドル(約100兆円)や、連邦政府の債務上限の10兆ドル(約1000兆円)もの巨額の支払いが、将来のアメリカ国民に可能なのでしょうか?そもそも、その原資となるアメリカ国債を、誰が買うのでしょうか?』、とも書きました。それに関連したニュースも、引用したいと思います。

(90年代後半の日本)
・GDP:500兆円
・不良債権:70兆円

(現在のアメリカ)
・GDP:13兆ドル台
・債務担保証券(CDO)の残高:6~8兆ドル
・CDOの価格は既に80%を超えて減価しており、米住宅市況が回復しなければ、価格はさらにゼロに接近する

「90年代後半の日本と似ていても、より深刻な問題を抱えるアメリカの格付けは、大幅に下げられるのが当然」との内容ですが、私は、

『政治的な判断により、アメリカ国(債)の格付けは、下げられることは無い、もし下げられることはあっても、小幅にとどまり、ポーズに過ぎない』

と指摘します。なぜならば、アメリカ自身の息がかかった格付け会社が、自分の国の債券や紙幣の価値をあえて下げるような、自殺的言動をするメリットがないからです。『格付け会社が米国債をトリプルAに据え置いたとしても、米国が安泰だという話にはならない』のです。

今後も、アメリカ住宅価格はしばらく下落が続くと見られており、財政赤字の急膨張は避けられないとの見通しです。どういうことかというと、

2009会計年度(08年10月―09年9月)の財政赤字は、
・4380億ドルと、過去最大
・米政府系住宅金融機関(GSE)大手2社の支援に伴う支出は含まず

また、金融安定化策として、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良債権を最大7000億ドルの公的資金を投じて買い取ると提案されていますが、住宅価格の下落に歯止めがかからず、米政府による不良債権買取は到底7000億ドルではすまないという見解もあります。

今回の不良債権買い取り案に加えて、
・住宅ローン債務者支援:最大3000億ドル
・GSE2社への支援:2000億ドル
・GSEによる住宅ローン担保証券購入:1440億ドル
・アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の公的管理:850億ドル
・MMF元本保証:500億ドル
・ベアー・スターンズ買収:290億ドル

合計:約1.5兆ドル(15130億ドル)

時価会計の無視、空売りの禁止、モラールの無い資金投入など、『ルールを完全に無視して、急場しのぎの対策に追われる米国が、今後対外的にも何をするかわからない』のでしょう。「対外的にも何をするかわからない」というのは、自国の権益を守るためには、何でもするであろう、という意味だと思います。

ということは、この後に待っているのは、
・アメリカ債券とドル紙幣の押し売り
・海外投資家のマネーの棒引き
・ドルの減価による、不景気なのにモノが高いというスタグフレーション
という選択肢に加えて、
・強権的ルールによる世界統制経済
・借用証書を焼き払うための政治的暴力、
のいずれかでしょうか。

何度も書いていますが、「弱いものから巻き上げるのが、繰り返してきた歴史」なのです。

これも何度も書いているように、「われわれ一般国民は、節度の無い暴力には、無力」なのです。カネを失っても、命があるだけ幸せだった、と思うような日が来るかもしれません。

(引用開始)

焦点:米金融大再編の波、いずれヘッジファンド業界に
2008年 09月 24日 17:26 JST

[ボストン 23日 ロイター] 現段階では銀行や証券より金融危機を上手く克服しているようにみえるヘッジファンド。しかし、新たな規制、投資家の不安が多くのヘッジファンドにとって命取りになる可能性がある。
過去10年で最悪の運用成績、株価下落の犯人と批判されるなど、ヘッジファンド業界には今年、逆風が吹いている。ただ、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)やアマランス・アドバイザーズのような大規模な破たんはまだ起きていない。
リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の経営破たん、メリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)の生き残りをかけた身売り、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)の政府による救済と続いた9月、ヘッジファンド業界では、商品に投資していたオスプレー・マネジメントの「オスプレー・ファンド」が清算に追い込まれた。ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、ヘッジファンドの平均運用成績は約マイナス5%と低迷している。
モーガン・クリーク・キャピタル・マネジメントのマーク・ユスコ最高投資責任者(CIO)は「リーマンやAIGと比べてオスプレーの損失はかなり少なく、ヘッジファンド業界は比較的上手くやっているように見える」と指摘した。
しかし、それが一変する可能性はある。規制が緩く、高パフォーマンスを謳歌(おうか)していたヘッジファンド業界も、長期化する2つの問題に直面している。運用成績を改善するための手段が乏しくなっていること、損失拡大で不安に駆られた投資家の資金引き揚げだ。
ヘッジファンド投資を手がけるアルファ・キャピタル・マネジメントの創設者ブラッド・アルフォード氏は「ヘッジファンド業界にとって未曾有の大再編の年になる」と予想。同氏は現在、一部のポートフォリオについて、申請期限の9月30日を前に解約・償還の手続きに忙しいという。
アルフォード氏のような投資家は、いくつかのファンド・オブ・ファンズから数億ドル単位で資金を引き揚げている。
HFRによると、今年上期に350のヘッジファンドが閉鎖した。投資家は、下期も少なくとも上期と同程度の閉鎖があるとみる
法律事務所モーガン・ルイスでヘッジファンドへの助言を担当するジェド・ワイダー氏は「投資家は、ファンドの見込み、ファンドが保有する証券という観点から自分のエクスポージャーに懸念を強めている。流動性や投資資金回収に関する権利の見極めにかなりの時間をかけている」と述べている。
投資資金の枯渇とともにヘッジファンドが直面している問題は新たな規制、と運用会社や投資家は指摘する。一例は、ヘッジファンドが得意とする戦略である空売りが禁止されたことだ。
ヘネシー・グループでヘッジファンド投資を担当するチャールズ・グラダンテ氏は「投資銀行のゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)とモルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)が銀行持ち株会社になって米連邦準備理事会(FRB)の監督下に入ることにより、2社は新たな自己資本規制が課せられる。これまでほどレバレッジを高めることはできなくなり、ヘッジファンド向け融資も細る」とみている。
米金融機関が融資先の選別を厳しくすればするほど、中小のヘッジファンドは苦しくなる。「大手には影響しないだろうが、小規模ファンドには打撃となり得る」(グラダンテ氏)という。
来年初めにファンドの設定を予定するタクティカス・キャピタルのアンドレー・クレブスキー氏は「資金を集めるのが大変」と述べている。

ロイター

(Svea Herbst-Bayliss 記者;翻訳 武藤邦子)

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急膨張する米財政赤字、米国債のトリプルAは維持可能か
2008年 09月 24日 17:22 JST

[東京 24日 ロイター] 米国政府が次々と金融危機回避策を発表しているが、3月のベアー・スターンズ救済以降、約束した救済資金は既に200兆円規模に達し「バラ撒き財政」の様相を呈している。
今後も米住宅価格の下落が続けば財政赤字の急膨張は不可避で、債務履行能力の「ものさし」である格付けにおいて、米国債が最上級のトリプルA格を維持しうるのか、市場で話題を呼んでいる。
23日のニューヨーク外為市場では、米政府が打ち出した金融市場安定化策が、財政赤字拡大につながるとの懸念からドルがユーロとポンドに対して数週間ぶりの安値まで下落した。「財政赤字拡大で米国債のダウン・グレードという話もでてきている。可能性は否定できない」と岡三証券・外国債券グループ長の相馬勉氏は語る。

 <格付け会社の判断>
米格付け会社フィッチ・レーティングスは5月、米国の外貨建ておよび自国通貨建て長期発行体デフォルト格付けを「AAA」に据え置いたうえで、7月に政府系住宅金融機関(GSE)が米政府の管理下に置かれたとしても、米国のソブリン格付けがリスクにさらされる可能性は低いとの見解を明らかにした。スタンダード・アンド・プアーズも米国債の格付けを「トリプルA」、見通しを「安定的」に据え置いている。
ただ、格付け会社自体に対する市場の信頼も揺らいでいる
米格付け会社が米国債をトリプルAに据え置いたとしても、米国が安泰だという話にはならない。そもそも格付け会社は、モノライン同様、現在では著しく減価している証券化商品に優良格付けを与え続けてきた。(格付け会社に対する)市場の信頼は低下している」と東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は指摘する。 
現在米国が直面する金融危機は90年代の日本に比較して一段と深刻というのが市場の認識だ。90年代後半の日本では500兆円のGDPに対して、70兆円の不良債権が発生した。米国では13兆ドル台のGDPに対して、6―8兆ドル規模の債務担保証券(CDO)の残高がある。CDOの価格は既に80%を超えて減価しており、米住宅市況が回復しなければ、価格はさらにゼロに接近するだろう。
過去を遡れば、1990年代後半に不良債権問題の渦中にあった日本の金融セクター、事業会社、そして日本の国家は、欧米格付け会社による格下げの嵐に見舞われた。
1998年9月、フィッチIBCA(フィッチ・レーティングスの前身)は、日本の金融システムが巨額の不良債権を抱え弱体化していることや、不安定な経済情勢と膨張する公的債務を理由に、日本の外貨建て長期債務をトリプルAから1ランク下のダブルAプラスに引き下げた。同年11月にはムーディーズが日本国債の格下げを行い、2001年2月にはスタンダード・アンド・プアーズが、日本政府が発行・保証する債券の長期格付けをトリプルAからダブルAプラスに引き下げた。
これらの動きは、日本国債の価格にさしたる影響を与えなかったが、円安を誘発し、拍車をかけた。
日本が世界最大の債権国、米国が世界最大の債務国であるという事実をふまえれば、90年代後半の日本と同じ種類で、より深刻な問題を抱える米国の格付けは大幅に下げられるのが自然だろう。

 <市場動向>
トリプルAを維持する米国債の2年物の利回りは2.101%と、米国が追加的危機回避策を発表する以前(16日)の1.779%から急上昇している。
現在の国際金融システムが極めてぜい弱な状態になっているため、米国の危機回避策の裏側では、別の波紋が広がるという事態を引き起こしている」と東海東京証券の斎藤氏は分析する。米国が公的資金注入を決めた後に、石油や金価格が暴騰し、米国債が下落したのは「市場が米国自体のクレジット・リスクを強く意識したためで、ルールを完全に無視して、急場しのぎの対策に追われる米国が、今後対外的にも何をするかわからないと市場が判断したためだ」と同氏は指摘する。
米議会予算局は9日、2009会計年度(08年10月―09年9月)の財政赤字が4380億ドルに上り、過去最大になるとの改定見通しを発表した。だが、同赤字見通しには米政府系住宅金融機関(GSE)大手2社の支援に伴う支出は入っておらず、公的資金の投入額増加で、米国の財政赤字拡大は急速に拡大の一途をたどるだろう。
米政府は21日、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良債権を最大7000億ドルの公的資金を投じて買い取ることなどを盛り込んだ金融安定化策を議会に提出した。
今回提示した不良債権買い取りに加え、住宅ローン債務者支援として最大3000億ドルを用意し、GSE2社への支援に2000億ドル、GSEによる住宅ローン担保証券購入に1440億ドル、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)の公的管理に850億ドル、MMF元本保証に500億ドル、ベアー・スターンズ買収に290億ドルなどを用意した。
市場では、米住宅価格の下落に歯止めがかからない中、米政府による不良債権買取は到底7000億ドルではすまないとの見方が広まっている。
米大統領選で民主党候補に確定しているオバマ上院議員は8月21日、巨大な財政赤字が、米国債発行増とドル安を招いているとの見解を明らかにしている。
米国の経常赤字は昨年7312億ドルと、過去最高だった2006年の7881億ドルから縮小したが、今年は追加米金融セクター救済に絡んだ財政支出で、米国の対外債務は拡大せざるを得ない。対外債務のファイナンスには海外投資家のマネーが不可欠だが、海外投資家は米債売りに傾いている。
米財務省によると、海外投資家による7月の対米長期証券投資(米株式、米社債、米国債、政府機関債)は、GSE2社の経営危機に絡んだ政府機関債の売り越し約500億ドルも手伝って、61億ドルの買い越しとなり、前月534億ドルの買い越しから急減した。

(ロイター日本語ニュース 森佳子 編集 橋本浩)

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-28 15:22 | 経済状況

世界金融危機(7) 投資銀行の終焉 バフェットはゴールドマン 野村はリーマン MUFGはモルガン

何人かの識者が指摘しているように、投資銀行というモデルは、もはや終焉したと見るべきでしょうか。

ベアー・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチという、アメリカ3~5位の投資銀行が、破綻もしくは吸収により消滅するという異常事態は、投資銀行そのものが、急激な信用収縮に対して非常に弱い、場合によっては一撃で撃沈してしまうほどの、脆弱なビジネスであったことの証左だと思います。

クウォンツ(量子物理学者?)やロケットサイエンティスト(宇宙工学博士?)と言われるほどの、数学のエリートを多数投入しておきながら、リスクが上昇し流動性が損なわれた日には、文字通りオフィスをたたんで夜逃げするしかないという投資銀行や証券会社の状況は、まさに、ノーベル賞学者のドリームチームを擁するLTCMの破綻を、そのままなぞっているように思えます。

(なぜ歴史は繰り返すのでしょうね)

ところが、投資銀行の自己資本は、決して薄くはありません。

たとえば、リーマンブラザーズは、6月の増資の影響もありますが、8月末時点では
・株主資本:284億ドル
・長期資本:1430億
・総資産:6000億ドル
・TierⅠ(中核的自己資本)比率:11%
東洋経済オンライン

Lehman's Tier 1 capital ratio, a measure of capital strength, rose 0.3 percentage point 14 the third quarter to 11%. It had $42 billion in liquid assets, including cash and equivalents.
"Huge Lehman Loss On Sour Real Estate Sends It Scrambling"

(参考)
・東京三菱UFJ:7.6%
・みずほ:7.4%
・SMBC:6.9%

と、数字だけ見ると、日本の銀行よりも優れています。

「そんなのはおかしい。何かトリックがあるんじゃないか。」と思われれば、それは優れた直感だと思います。

さて、

皆様もご存知かと思いますが、ウォーレン・バフェットによる、ゴールドマン・サックス(GS)への出資のニュースです。

同じく、ゴールドマン・サックスは
・TierⅠ(中核的自己資本)比率:11.6%

Goldman said its Tier 1 capital ratio at Sept. 30 was 11.6%.
"Goldman, Morgan Become Bank Holding Companies, Ending Era"

となっており、決して自己資本が薄いわけではありません。簡単に言うと、いわゆる資産のうち、借金による水増し部分は、それほど多くない、というわけです。では、なぜでしょうか。

先ほどの「直感」の答えは、非常に簡単に言うと、「自己勘定(自分のリスク)で行う現物やデリバティブの取引に、レバレッジをかけすぎた」となります。と書くと、単純化しすぎているのですが、それほど外してはいないと思います。

リスクコントロールは、普通は逆指値などによる、ロスカット(損失限定)により行います。ですが、流動性が不足していると正常な決済ができないこと、それにより気配値が大きく動き、損失を拡大させてしまうことも、このブログの読者様ならご存知のことと思います。また、もう少し複雑な自動取引システムを組んでいる場合でも、「100年に一度の市場変動」(そう言う割には、5~10年に一度の割合で来ているようですが)に対しては、「プログラムの想定外」となり、システムが機能しなくなってしまうことも、IT技術の進歩の割には変わらないようです。

(もちろん、リスクコントロール技術も進歩しているでしょう。ですが、IT技術の進歩は、「より儲かる」高度なシステム開発に注力されるため、それに見合ったリスクコントロールが追いついていない、という理解のほうが近いのかもしれません。車で言うと、エンジンの研究開発により、加速度・最高速度が飛躍的に向上した、同時にブレーキなども進歩したが、どうしてもエンジンの開発が先行するため、トータルの安全度は変わらないか、むしろ落ちる、という感じでしょう。)

短期間でより儲けるためにレバレッジをかけて、儲かっているときはこの世の春を謳歌するものの、想定外の市場変動で思惑がはずれ、自滅する。「LTCMの轍(わだち)を踏んだ」と言われても仕方ない、という感じです。

こう書くと、まるでレバレッジが悪いようですが、必ずしもそうではありません。少額の手持ち資金で、高額のヘッジを可能とすることは、資産の有効活用、リスクコントロールによる損失の限定、ひいては経済の安定化につながります。少し違いますが、保険で言えば、保険の掛け金が安くなるようなものです。あくまで、「両刃の剣」なのです。

さて、イベントドリブン(出来事を予想して、値動きの方向性に賭ける)にしろ、マーケットニュートラル(裁定取引により、市場のひずみから儲けを出す)にしろ、多くのプレイヤーが同じ考えを実行すれば、儲けは薄くなるのが、自然の摂理です。

となると、次はヘッジファンドに注目が集まることでしょう。

皆様におかれては、「市場が荒れているときは、レバレッジを低く抑える」ことに留意されると良いと思います。

以下、バークシャーによるゴールドマン出資のニュースです。バフェットは、相当お得な条件で、ゴールドマンを買ったようです。7年ホールドすれば、配当だけで元本が回収できてしまいます。ここまで屈辱的?な条件でないと、買っていただけなかった、というほうが本当かもしれません。

(バークシャー)
・50億ドルの出資
・永久優先株を引き受け、配当利回りは10%
・50億ドル相当の普通株を1株115ドルで買い取る権利のあるワラントを受け取り
・ワラントの行使期限は5年
(バークシャー以外)
・少なくとも25億ドル相当の普通株発行による公募増資


(引用開始)

バークシャー、ゴールドマンに50億ドル出資などで合意

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米証券大手ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)は23日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ(NYSE:BRKA)(NYSE:BRKB)から50億ドルの出資を受けることで合意したと発表した。今月に入り信用危機が深刻さを増して以来、金融システムへの信頼感を示す最も大きな動きの1つとなった。
この50億ドルの出資では、バークシャーが永久優先株を引き受ける。配当利回りは10%。
ゴールドマンはこのほか、少なくとも25億ドル相当の普通株発行による公募増資をする。
バークシャーは、さらに50億ドル相当の普通株を1株115ドルで買い取る権利のあるワラントを受け取る。行使期限は5年。
バフェット氏の動きは、世界の有力投資家の1人が、ウォール街で強く求められていた、信頼感を示す行動をとったことを意味する。同氏はこれまで、米金融大手への資金投入を控えてきた。米金融大手のほとんどは、不動産関連の見込み違いで数十億ドルの不良資産を抱え、身動きが取れなくなっている。
リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEHMQ)は15日に米連邦破産法11条の適用を申請したほか、メリルリンチ(NYSE:MER)はバンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)に買収されることで合意した。米政府は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(NYSE:AIG)を政府の管理下に置く代わりに最大850億ドルを融資することで合意した。政府はさらに、ほかの金融各社を支えるために7000億ドル規模の金融安定化策を打ち出したものの、懐疑的な見方もあり、議論が続いている。
ゴールドマンは、リーマンやメリルとは異なり、今のところ住宅ローン関連の大打撃を何とか回避している。信用危機の発生以降も、四半期決算で赤字を出していない。ただ、利益は減少してきており、信用危機と無縁なわけではない。
ゴールドマンはここ1週間、自己資本増強のためのさまざまな選択肢を検討してきた。ロイド・ブランクファイン会長兼最高経営責任者(CEO)は「水泳のオリンピック選手でも小さな子供でも、津波が襲ってきたときに海岸にいればおぼれてしまう」と語っていた。
同氏は23日、声明で「世界で最も称賛され成功している投資家であるに違いないバフェット氏が、われわれの長年の関係を前提に、このような多額の出資を決断してくれたことは喜ばしい。われわれはこのことを、顧客からの高評価と将来の明るい見通しを強く示す証しととらえている」と述べた。
バフェット氏は「ゴールドマンはたぐいまれな企業だ。世界的な評判は並ぶものがない。実績と深い洞察力のある経営陣、知的財産と金融資本は、他社に勝る状態が続くだろう」と語った。
バークシャーによる出資の発表は米株式市場の取引終了後だった。ゴールドマン株の通常取引終値は、前日比4.27ドル(3.54%)高の125.05ドル。その後の時間外取引では一段高となり、終値比7.76%高の134.75ドルで取引されている。

日本経済新聞

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米ゴールドマン:75億ドル増資 25億ドルは公募

【ワシントン斉藤信宏】米証券大手ゴールドマン・サックス(GS)は23日、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が経営する投資会社バークシャー・ハザウェー社などを引受先とする75億ドル(約8000億円)の増資計画を発表した。バークシャー社が優先株50億ドルを購入するほか、GSが普通株25億ドルの公募増資を実施し、銀行の持ち株会社への移行に伴って資本不足に陥るとの見方が高まる中、市場の懸念をぬぐい去る。これとは別に、バークシャー社は1株あたり115ドルで最大50億ドル分の普通株を購入する権利を取得した。
GSは、証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)をきっかけにした米金融システム危機で、今月に入って株価が急落、18日までの10日間で約35%も値下がりするなど市場の不信感が増幅していた。米証券大手5社の中では、今年3月にベア・スターンズが事実上破綻し、JPモルガン・チェースに救済合併されたほか、メリルリンチもリーマンの破綻と同日にバンク・オブ・アメリカに買収されており、存続しているのは既にGSとモルガン・スタンレーの2社だけ。モルガン・スタンレーは22日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)から最大9000億円の出資を受けると発表しており、残されたGSの動向に注目が集まっていた。
GSは、モルガン・スタンレーとともに証券専業としての存続を断念、今後は銀行持ち株会社として米連邦準備制度理事会(FRB)の監督下で経営安定化を図ることが決まっている。

毎日新聞 2008年9月24日 11時16分(最終更新 9月24日 12時23分)

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ゴールドマン、8千億円超増資へ 著名投資家ら引き受け
2008年9月24日10時24分

【ニューヨーク=都留悦史】米金融大手ゴールドマン・サックスは23日、総額75億ドル(約8千億円)を上回る規模の増資計画を発表した。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが50億ドル分の優先株を引き受け、少なくとも25億ドル分の普通株を一般投資家向けに新規発行する。
これとは別にバフェット氏側は、5年間の期限付きながら50億ドル分の普通株をいつでも買うことができる権利(ワラント)も手にする。 サブプライム危機で米証券大手の経営は急速に悪化。大手5社のうち下位3社は破綻(はたん)などで姿を消し、最大手のゴールドマンと2位のモルガン・スタンレーは21日、銀行持ち株会社への業態転換を発表した。銀行は証券会社より厚めの資本が必要で、すでにモルガンが三菱UFJフィナンシャル・グループと最大9千億円超の出資受け入れで合意したことから、ゴールドマンの動向が注目されていた。
サブプライム危機が表面化した当初こそ好調だったゴールドマンも、最近は業績が低迷している。08年6~8月期決算は不動産関連の資産に絡んで損失を計上したため、当期利益は前年同期比70%減と大きく落ち込んでいた。

朝日新聞

(引用終了)

次は、野村によるリーマンのアジア部門買収のニュースです。

「野村はリーマンのアジア業務をアセットベースで約2億2500万ドル(約238億円、106円で換算)と見込んでおり、これに加えて人材流出を防ぐ人件費(リテンションフィー)が上乗せになる見込みで、買収総額は総額500億円を超える可能性がある」とのことです。

リーマンの入れ物だけを買っても、あまり意味がありません。特に、金融技術を有する人材がないと、どんなシステムもただの箱です。野村は、これまでも海外事業展開に失敗を重ねており、今回も二の舞、という予感もします。

(ロックフェラーセンター買収のように、変な条文が入っていないでしょうね)

バフェットの買い叩きと比べると、まだまだ交渉が下手、という印象を受けたニュースでした。

(引用開始)

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欧米大手 射程圏内
野村、リーマン部門買収 中東、欧州に足がかり

国内証券最大手の野村ホールディングスが、経営破綻(はたん)した米リーマン・ブラザーズからアジア太平洋部門に続いて欧州・中東部門も買収することは、野村にとって欧米の大手金融機関と肩を並べるという悲願に大きく近づいたことになる。ただ、リーマンの米国本体から切り離された各部門をどこまで生かしていけるかなど、課題も多い。国内では、野村の積極策をきっかけに証券業界の新たな再編圧力が高まるのも必至だ。(東直人)
野村の渡部賢一社長は9月初旬の読売新聞のインタビューで、リーマンを含む海外証券会社への出資や買収を検討していることを明らかにしていた。「野村は日本株に関する能力は高いが、インドやロシアなど外国株には強くない」と述べていた。リーマンの部門買収は、正にその弱点を補完できることになる。
野村が日本からアジア、中東を経て欧州に至るリーマンのネットワークを足場に世界市場で台頭できれば、これまで米国勢が席巻してきた世界の証券業界に大きなくさびを打ち込むことになる。
野村と、今回買収するリーマンのアジア太平洋、欧州・中東両部門を単純に合算すると、2007年度の営業収益(売上高)は約2兆6000億円。国内2位の大和証券グループ本社とは約3倍の開きとなる。
野村の渡部賢一社長は9月初旬の読売新聞のインタビューで、リーマンを含む海外証券会社への出資や買収を検討していることを明らかにしていた。「野村は日本株に関する能力は高いが、インドやロシアなど外国株には強くない」と述べていた。リーマンの部門買収は、正にその弱点を補完できることになる。
野村が日本からアジア、中東を経て欧州に至るリーマンのネットワークを足場に世界市場で台頭できれば、これまで米国勢が席巻してきた世界の証券業界に大きなくさびを打ち込むことになる。
野村と、今回買収するリーマンのアジア太平洋、欧州・中東両部門を単純に合算すると、2007年度の営業収益(売上高)は約2兆6000億円。国内2位の大和証券グループ本社とは約3倍の開きとなる。
しかし、証券界には「リーマンの米本社から切り離された部門を買収しても、うまく機能しない。優秀な人材もアメリカに帰国してしまう」(大手幹部)といった疑問の声もある。高度な技能を持ち、「自尊心も報酬も高い」(業界関係者)と言われる外国の人材を野村がコントロールしきれるかどうかが、買収の成否のカギを握るというのが一致した見方だ。
さらに、野村は海外事業で何度も辛酸をなめた歴史を持つ。米国では1998年と2007年に巨額損失を出し、そのたびに事業の縮小・一部撤退に追い込まれた。今回の買収で、野村が国内の「ガリバー」から、渡部社長が口にする「ワールドクラス」に脱皮するのは容易ではない。
一方、国内では、これまでの「3大証券」時代から、野村が1強体制を強めると見られる。野村が、リーマンのノウハウを駆使した魅力的な投資商品を国内で投入できれば、シェア(市場占有率)争いが激化し、大和証券グループ本社や日興シティホールディングスなどライバルの危機感が高まりそうだ。
欧米で急展開している業界再編が、日本に飛び火することも現実味を帯びる。

(2008年9月24日 読売新聞)

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三井住友、最大3000億円出資へ 米ゴールドマンの要請受け
2008年9月24日 中日新聞夕刊

三井住友フィナンシャルグループが、関係の深い米証券最大手のゴールドマン・サックスに1000億-3000億円程度出資する方針を固めたことが24日、明らかになった。
米金融危機で経営環境が悪化したゴールドマンが実施する資本増強策に応じることで、国内外の投資銀行業務などを強化するのが狙いだ。
米証券大手に対しては、三菱UFJフィナンシャル・グループもモルガン・スタンレーに約9000億円を出資し、筆頭株主になる。損失拡大や資金調達に不安を抱える欧米金融機関に比べ比較的に傷の浅い邦銀勢が、国際金融市場で一段と存在感を強めそうだ。
三井住友はゴールドマンから非公式に出資の打診を受けているもようで、正式要請を受け次第、機関決定する見通し。具体的な出資額などは今後詰めるが、規模は数%程度になる見込みだ。
三井住友は、成長戦略の中核として海外事業の強化を位置付けている。今年夏には英大手銀バークレイズに約2%出資。ゴールドマンとは、M&A(企業の合併・買収)事業や企業の株式公開、資金調達関連など投資銀行部門で提携関係を深める方針だ。
三井住友の前身の住友銀行は、株式上場前のゴールドマンに出資。2003年には、不良債権処理に苦しむ三井住友が発行した優先株をゴールドマンが約1500億円で引き受けた。

【ゴールドマン・サックス】 1869年設立の米証券最大手。投資銀行や証券、資産運用業務を米国、欧州、アジアなどで展開する。米サブプライム住宅ローン問題では、関連の証券化商品をいち早く売却して損失を最小限に抑えた。2007年11月期決算は純利益が前期比21・6%増の115億9900万ドルと過去最高を更新。従業員数は約3万人。ポールソン米財務長官のほか、ルービン元財務長官など米政府要人を輩出した。日本には1974年に進出。

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米ゴールドマン・サックス:1000億円規模出資、三井住友も検討

GSの増資に関連して、三井住友フィナンシャルグループも1000億円規模の出資を検討していることが分かった。三井住友幹部は24日朝「要請があれば前向きに検討したい」と話した。
旧住友銀が86年にGSに775億円を出資し、三井住友は02年までに全株を売却。03年には逆にGSが不良債権処理で資本が傷ついた三井住友に優先株で1500億円を出資するなど親密な関係が続いている。
三井住友は6月、英銀大手のバークレイズに1000億円を出資したが、GSとは投資銀行業務で提携関係を続けるとしている。【斉藤望】

毎日新聞 2008年9月24日 東京夕刊

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米ゴールドマンへ出資検討=1000億円超-三井住友FG

三井住友フィナンシャルグループが米金融大手ゴールドマン・サックスへの出資を検討していることが24日、明らかになった。非公式な打診を受けているもようで、詳細は正式な要請を受けてから詰める方針だが、出資額は1000億円を超える規模となる見通し。
日本の大手金融機関は、三菱UFJフィナンシャル・グループが米モルガン・スタンレーへの出資を決め、野村ホールディングスが経営破綻(はたん)した米リーマン・ブラザーズのアジア、欧州・中東部門の買収を決定するなど、米証券界の再編で攻勢に出ている。(2008/09/24-13:02)

時事通信

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訂正:野村がリーマンアジア部門を買収、総額500億円越す可能性
2008年 09月 24日 16:24 JST

[東京 23日 ロイター] 野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)は22日、経営破たんした米リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の日本を含むアジア・パシフィック地域部門を買収することで同社と基本合意した、と発表した。アジアにおける投資銀行部門の拡大やITプラットフォームの吸収が狙い。最終的な買収金額はまだ確定していないが、関係筋によると、野村はリーマンのアジア業務をアセットベースで約2億2500万ドル(約238億円、106円で換算)と見込んでおり、これに加えて人材流出を防ぐ人件費(リテンションフィー)が上乗せになる見込みで、買収総額は総額500億円を超える可能性がある。
野村は、リーマンのアジアにおける株式、債券、投資銀行部門の3部門を買収し、3000人超の雇用や事業インフラを引き継ぐ。ただ、リーマンのトレーディングに関連する資産と負債は買収しない。
アジアで業務の拡大を目指している野村は、アセットマネジメント業務では商品開発力の向上や販売網の確保が進んでいるものの、投資銀行部門では欧米の金融機関に先行を許している。野村の渡部賢一社長は、信用収縮を背景に欧米の金融機関が事業縮小期に入った局面をビジネス拡大のチャンスととらえており、人材の獲得や買収に前向きな方針を示していた。今年春に野村は約6000億円を調達し、こうした買収に備えてきた。
リーマンは現在、世界の各地域ごとに事業売却を進めており、北米事業は英大手銀行バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)が約17億5000万ドル(約1855億円)で買収することが決まった。残る欧州部門の売却作業も進んでおり、バークレイズ、野村はともに、欧州部門の買収をめぐって競合している。*本文中の「約2億2500億円」を「約2億2500万ドル」に訂正します。

ロイター

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野村HD、リーマン・欧州部門も買収 MUFGはモルガンに出資
2008/9/24

国内証券最大手の野村ホールディングスは、経営破たんした米リーマン・ブラザーズのアジア・太平洋部門に続き、欧州・中東地域部門も買収することで基本合意したと2008年9月23日に発表した。
買収価格は非公表。リーマンが英国やドイツ、ロシア、アラブ首長国連邦などで展開してきた株式売買やM&Aの助言などの投資銀行部門の事業を継承する。しかし、トレーディング部門の資産と負債は継承しない。これにより野村HDは、アジア・太平洋部門の社員3000人超とあわせて5500人超の雇用を継承することになる。
一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は9月22日、米証券大手のモルガン・スタンレーの第三者割当増資に応じ、20%を上限に出資すると発表した。最大約9000億円になり、海外金融機関への出資額としては過去最大級になる。

J-CAST

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-25 02:15 | 経済状況

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(6) まとめ 終わりの只中に

今月は、激動の1ヶ月(まだ終わっていませんが)だったと思います。

そこで、リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊に関する最近の記事をとりまとめて、振り返ってみたいと思います。

(転載開始)

「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円」

次のステージは、「(政府・公的機関による)不良債権の買取」ですが、これは、政府やFRBが、「貸し手」から「買い手」になることを意味します。何度も言っていますが、これは、リスクの移転、つまり「飛ばし」をやる、ということなのです。

「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金で支払う、ということです。本当に、すでに財政支出となった1兆ドル(約100兆円)や、連邦政府の債務上限の10兆ドル(約1000兆円)もの巨額の支払いが、将来のアメリカ国民に可能なのでしょうか?そもそも、その原資となるアメリカ国債を、誰が買うのでしょうか?

ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになるからです。すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛」

この協調供給の本質を一言で言いますと、基軸通貨USドルを防衛する、ということだと思います。いみじくも、伊吹文明財務相が、「アメリカ(FRB)の要請による、米ドルの信認低下を防ぐ措置」と言っているとおりです。

ここまで巨額の、文字通りジャブジャブの状態になるまでマネーを注ぎ込んでも、本質的な危機の解決にはならないことは、すでに述べているとおりです。あくまで延命措置、ということを忘れてはなりません。これで、リスクはアメリカ政府・FRBに「飛ばされた」ということになります。これで解決にはなりません。供給した過剰のドルが、ドルそのものの信認を損なうことになるからです。延命措置のタイムリミットは、半年といったところでしょう。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(3) 日米欧の中央銀行が流動性供給 解決になるのか」

この流動性の供給については、

・出血を止めずに輸血するようなものであり、根本的な解決にはなっていない
・流動性は、必要なところに割り当てられるとは限らず、濃淡がある
>たとえば、金融機関に十分な流動性を供給しても、貸しはがしが止まらないこともありうる
・必ずしも、信用収縮をストップし、信用創造倍率アップをもたらすとは限らない
・過剰な流動性は、ゆくゆくは投機資金となり、資産価値の乱高下をもたらす遠因となる

「金融危機の最悪期はこれから訪れ、問題に直面する主要金融機関が今後数カ月でさらに増える可能性がある」(IMF ストロスカーン専務理事)

(リーマン・ブラザーズ破たんの前週末の)時点で、リーマン・AIGなどに関するリスクシナリオについて、(日本銀行と各国中央銀行・政府との)通貨防衛に関する協議は終わっていた、ということでしょう。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(2) なぜリーマンは見捨てられAIGは救済されたか」

世界全体のデリバティブの残高は、正確な数字は不明ですが、50兆ドル(2005年当時)と言われていました(過去の記事を参照)。現在では、さらに大きな数字となっていることでしょう。

(デリバティブの一部である)CDSの発行残高は、4500兆円とも、6500兆円とも、言われています。日本の1990年代の、バブル崩壊、金融危機、とは比べ物にならない、大きな危機が来ているのだと思います。

双子の赤字を抱えるアメリカで、このような信用収縮が起こり、信用崩壊に発展したことは、決して偶然ではありません。アメリカ国債が売れなくなる日は、そこまで来ています。そして、物価(インフレ)、金利、為替、のいずれか、あるいは全部、によって、「ドルの減価」がありうるのだと思います。

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「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(1) 流血の日曜日 来るべき終わりの只中」

金融収縮が、実体経済に危機を及ぼす「信用崩壊」のステージに進行したことが決定付けられた、印象深いニュースでした。もちろん、その次のステージは、「ドルシステムの瓦解」です。

・CDSなどのデリバティブは、誰も引き受け手がなくなり、市場が崩壊する
・実体経済に強い影響が及び、実物資産(不動産など)の相場はさらに下落する

もちろん、連鎖倒産も、ありうるでしょう。

ドルシステムは、日本や中国などがカネを出さなければ、瓦解をまぬかれないといったところです。もちろん、日本も・・・相当の資金供出を覚悟する必要があるでしょう。

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「日本・アメリカ・ヨーロッパがドル防衛の秘密協定 やはりドルは基軸通貨なのか」

アメリカドルの防衛に関する秘密協定があったようです。・・・このような重要な秘密協定が、アメリカの従属国である日本からリークされるということは、単なる偶然ではなく、「日本はドルシステムを死守します」という宣言なのかも知れません。

(この秘密協定の会談に、アメリカ財務省の上級事務官が出席していたことから)政治的な決断ということができると思います。

(転載終了)

最近発売の書籍を紹介してみたいと思います。

「恐慌前夜/副島隆彦」
「連鎖する大暴落―静かに恐慌化する世界/副島隆彦」
「時代を見通す力/副島隆彦」

「ソロスは警告する 超バブル崩壊・悪夢のシナリオ/ジョージ・ソロス、松藤民輔」
「日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方/リチャード・クー」
「わが友、恐慌──これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由/松藤民輔」
「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」/松藤民輔」

「ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表/アンドリュー・ヒッチコック、太田龍」
「ロスチャイルドの密謀/ジョン・コールマン、太田龍」
「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った/安部芳裕」
「ドル崩壊!/三橋貴明、渡邉哲也」
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編/橘玲」
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券会社編/橘玲」
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術/橘玲」

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# by kanconsulting | 2008-09-24 09:14 | 経済状況

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(5) 公的資金を75兆円投入 米国の財政支出は100兆円

「事実上の国有化になったAIGが、公的管理の最後ではない。これはスタートに過ぎない」
「アメリカ政府がどのくらいの規模の公的資金を注入したら金融不安が沈静化するのか、誰にもわからない」
「FRBは、最後の貸し手から最後の買い手になってしまった。これから米国の財政出動がどこまで進むのかわからない」(以上、外資系証券の関係者)

「市場には、すでに米国の財政支出が1兆ドル程度になるとの試算も出ている」(信州大学・経済学部 真壁昭夫教授)

ロイターニュース

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先日の記事「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛」で、日本・アメリカ(FRB)・ユーロ(ECB)・イギリス・カナダ・スイスの中央銀行が、FRBと「スワップ協定」を締結・枠拡大協調して、「USドル」を市場に供給することになった、と記載しました。

次のステージは、「(政府・公的機関による)不良債権の買取」ですが、これは、政府やFRBが、「貸し手」から「買い手」になることを意味します。何度も言っていますが、これは、リスクの移転、つまり「飛ばし」をやる、ということなのです。

冒頭でもコメントを引用しましたが、アメリカ政府(FRB)がどのくらいの規模の公的資金を注入したら、金融不安が沈静化するのか、誰にも分からず、疑心暗鬼になっているのです。USドルとアメリカ国債への信認は、CDS市場での、アメリカ国債のプレミアム*にも現れています。現在のところ、国際的なドル買い協調介入の合意があるため、かろうじて、USドルとアメリカ国債の暴落が延期されているといったところでしょう。

* 『9月17日には、米国債に対するリスクを示す指標が悪化した。債券のリスクはCDS(債券破綻保険)の価格(リスク・プレミアム。上乗せ利率)で示されるが、10年もの米国債のCDSは30ベーシスポイントにはね上がり、13ベーシスのドイツ国債、20ベーシスのフランス国債よりも高くなった。米国債は、ドイツ国債の2倍以上のリスクがあるとみなされるようになった。』田中宇の国際ニュース解説 2008年9月20日

関連したデータとしては、おなじみの、High Yield Spreads(ジャンクボンドと国債の利回りのスプレッド)と VIX(ボラティリティインデックス)を見てみましょう。スプレッドが900ベーシスポイント以上に急拡大していますが、これは、ジャンクボンドのリスクプレミアムが昨年夏以降3倍近くになっていることになります。また、ボラティリティインデックス(別名:恐怖指数)も、35と大きな値になっています。

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Merrill Lynch Index of High Yield Bonds
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VIX Volatility Index
(チャートはThinkBIGより)

各国の国債は、それぞれの国民の将来の税金を担保にしているという解釈が可能です。「劣化した金融機関の資産のアメリカ政府による買取」は、アメリカ国民の税金で支払う、ということです。本当に、すでに財政支出となった1兆ドル(約100兆円)や、連邦政府の債務上限の10兆ドル(約1000兆円)もの巨額の支払いが、将来のアメリカ国民に可能なのでしょうか?そもそも、その原資となるアメリカ国債を、誰が買うのでしょうか?

ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、

WASHINGTON - The next issue for concern in the battered economy is whether there are going to be buyers for the nation's billions in debt, Mayor Bloomberg said yesterday.
Speaking to students at Georgetown University, Bloomberg pointed out that Wall Street convulsions are being felt around the globe.
"Who's buying our debt? It's these overseas funds, these sovereign-wealth funds, these overseas hedge funds. They are in trouble now. So it's not clear who is going to be buying" US Treasury bills, he said.

「誰が、アメリカ国債を買うというのか。これまで国債を買っていた、外国のSWF(政府投資基金)やヘッジファンドは、損失を抱えているのだから、米国債を買わないだろう。米国債を買ってくれる投資家がいるかどうか、疑問だ。」(9月18日の講演)田中宇の国際ニュース解説
と述べています。

また、金価格は、いったん下げた後、急上昇しています。いったんの下げは、金融機関とファンドの換金売りでしょう。
その後の上げは、1日の上げ幅としては、1980年1月の85ドルを上回る、過去最大の88.55ドルとなりました。上げの要因としては、安全資産である金への逃避と同時に、アメリカ国債の信認低下というセンチメントもあるようです。

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チャートはbullionvaultより

このブログでは、開始後まもなくから、アメリカとドルの信認は安泰ではない、円とドルは一蓮托生だ、と訴え続けてきました。その当時は、「ドルは強い。そんな心配よりも、日本(円)の心配をするべき」などと言われてきましたが、今となっては、どちらが正しかったなどは、どうでもいいように思えます。なぜならば、ドルの破綻は、文字通り、現在の貨幣経済システムの死刑執行であり、システムに組み込まれているすべての人が路頭に迷うことになるからです。

すべての証拠を吹き飛ばし、借用証書を焼き払うための、戦争の予感がします。

(引用開始)

米政府、不良資産買い取りに公的資金75兆円投入を提案
2008年 09月 21日 10:33 JST

[ワシントン 20日 ロイター] 米政府は20日、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良資産について、最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で買い取る計画を議会に提案した。大恐慌以来最悪の金融危機に対応するため。
上下両院は数日以内の法案化を目指しており、共和・民主両党議員の補佐官らが週末にかけて同提案内容についての詳細な検討を行う見通し。
計画では銀行など金融機関のバランスシートから回収困難な住宅ローン関連負債を切り離し、政府の管理下に組み入れることとなっており、米財務省には異例の権限が与えられることにもなる。ロイターが入した財務省草案によると、不良資産買い取りに関する財務長官の判断は裁判所の審査を一切受けない
また、同計画に対応するため、連邦政府の債務上限は現行の10兆6150億ドルから、11兆3150億ドルに引き上げられることになる。

ロイター

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米国:金融対策、公的資金を最大75兆円 信用不安、懸念消えず 財政悪化も必至

【ワシントン斉藤信宏】米政府が金融危機対策の柱として検討している不良資産の買い取り組織に、最大75兆円規模の公的資金投入を検討していることが20日明らかになった。米株式市場は19日、危機対策の発表を受けて株価が前日に続き急伸。ダウ平均は2日間で770ドル超も上昇し、ほぼ前週末の水準を回復した。危機対策は、ペロシ下院議長(民主党)が「迅速に超党派で行動する」と述べるなど米議会も関連法案の早期成立に協力する姿勢を見せている。
米経済の先行きを見通すと、米政府が実施した所得税還付減税は、今月以降、急速に効果が剥落(はくらく)すると見られる。年末商戦に向け活発に動き出すはずの家計の痛みが深刻なだけに、例年通りの個人消費の盛り上がりは期待できそうにない。しかも、住宅や金融業界を中心にリストラが本格化しており、雇用の一段の悪化は避けられない情勢だ。
米政府が検討している不良資産の買い取り組織は、89年に設立された整理信託公社(RTC)がモデル。最大75兆円という巨額の買い取り額が検討されているが、「実際の買い取り価格が低ければ、金融機関は多額の損失処理を迫られることになる」(米エコノミスト)との不安の声もある。また、これにより米政府の財政が悪化し、他の政策運営への影響も指摘される
米政府は金融株の空売り禁止など政策を駆使して金融危機を乗り切る構えだが、信用不安再燃の恐れはなお残されている。

◇米の金融危機対策
・不良資産を公的資金で買い取る組織を設立。買い取り規模は最大75兆円
・金融機関の株式の空売りを禁止
・元本割れが相次いだ投資信託MMFの払い戻しを保証。5兆4000億円の基金を払い戻しに充てる
・政府管理下の住宅金融会社による住宅ローン担保証券の買い取り枠拡大

■ことば
◇整理信託公社(RTC)
80年代後半に米国で貯蓄貸付組合の不良債権処理に活用された。89年に設立され、公的資金を原資に95年末の業務終了までに4600億ドル(約50兆円)の不良債権を買い取った。だが、不良債権の売却時に損失が出て、約1200億ドルの財政資金が投入され、大半が国民負担になった。

毎日新聞 2008年9月21日 東京朝刊

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米国:不良債権処理機関の設立検討 資産劣化防止狙う

【ワシントン斉藤信宏】米政府は18日、経営破綻(はたん)した金融機関から不良債権を買い取って処理する整理信託公社(RTC)型の公的機関を設立する方向で検討に入った。複数の米メディアが議会関係者の話として伝えた。
報道によると、ポールソン米財務長官と米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、既にブッシュ大統領との協議を終えている模様。同日夜にも、米議会幹部に組織の設立に向けた構想を説明する見通しという。
RTCは80~90年代に相次いで破綻した貯蓄貸付組合(S&L)の不良債権処理のため、89年に時限的に設立された。市場動向を見ながら時間をかけて不良債権を売却したため、経営状態の健全な金融機関の資産が劣化するのを防ぐ上で効力を発揮した。日本の不良債権処理の参考にもなった組織で、90年代の不動産バブル崩壊後に設立された整理回収機構のモデル。
RTC型の組織についてはこれまで、議会の一部で設立を求める声が上がっていたほか、米紙ウォールストリート・ジャーナルが社説で必要性を主張するなど設立の機運が盛り上がっていた。

毎日新聞

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米政府、金融救済へ新機関検討 不良債権買い取り案も
2008年9月19日11時48分

【ワシントン=西崎香】米政府は、銀行や証券会社などの不良資産問題を解決する総合対策の検討に入った。政府が公的資金を投じ、不良債権を買い取る救済策などが有力だ。専門の機関設立も視野にある。政府の肩代わりという劇薬で金融機関の財務基盤を強化し、世界を揺るがす金融危機を鎮める狙いだ。
ポールソン財務長官と連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が18日夜、議会指導者らと緊急会談した。終了後、長官は「金融機関の貸借対照表(バランスシート)に計上されている現金化が難しい資産の問題で、総合的な処理策について協議した」と述べた。
大きく値下がりした資産を買い取ったり、経営危機の銀行に特別融資したりする案が検討される見通しだ。そのための新機関の設置案も浮上しているが、即効性を重視して政府・金融当局に買い取り権限を与える可能性もある。
ペロシ下院議長(民主党)は「早急に対応したい」と、超党派で取り組む姿勢を表明。公的資金の投入には、関連法案の成立が必要なため、議会側と今週末に向けて最終調整する。難航も予想されるが、決着すれば来週にも採決が期待されるという。
国民負担が膨れあがる危険性があるが、米国内では金融システムの機能回復と景気の下支えに必要なコストとの指摘が出始めている。米国は、80年代後半~90年代前半の貯蓄貸付組合(S&L)危機のときに不良資産を買い取る整理信託公社(RTC)を設立。国民負担は総額約1300億ドル(約14兆円)にのぼったといわれる
米国の金融機関は、サブプライム危機の表面化で保有する住宅ローン担保証券(MBS)などが暴落。四半期決算の度に巨額の損失を出し、資金調達も難しくなっている。不良資産を新機関に売れば、売却損が確定するため、将来の不安が減り、身軽になった分、融資などが出来るようになるとみられる。
また、十分な対策なしで金融機関が破綻(はたん)した場合に、資産が一気に売却されて値下がりに拍車をかける可能性がある。新機関が買い取った証券を時間をかけて売却することにすれば、証券価格も安定し、他の金融機関も資産価値が分かって財務不安が和らぐ効果が期待される。
総合対策では、国債などで運用する投資商品「マネー・マーケット・ファンド(MMF)」にも、連邦政府が一定限度で払い戻しする保険の導入を検討する。銀行破綻時に10万ドルまで保証される普通預金と同様の扱いをする案だ。市場混乱でMMFの運用会社も経営危機が懸念されるようになり、一般投資家にも不安がでていた。
市場の混乱が収まるまで、株式の「空売り」を全面的に禁止する案も浮上。金融機関の経営難をめぐる風説の取り締まりも強化する

朝日新聞

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【米金融危機】不良債権処理の包括案 処理機構設立が柱 財務長官ら提案 
2008.9.19 10:22

【ワシントン=渡辺浩生】ポールソン米財務長官とバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は18日夜(日本時間19日午前)、議会でペロシ下院議長ら議会指導者と米国発の金融危機の解決策をめぐって協議し、金融機関が抱える不良債権を処理する包括的な枠組みを提案した。不良債権処理機関の設立が柱になるとみられる。
会談後、ポールソン長官は記者団に対して、「金融市場の混乱とシステミックリスク(連鎖破(は)綻(たん)の危険)に対処するため、立法措置が伴う包括的なアプローチを話し合った」と述べたうえで、不動産価格の下落などで劣化している金融機関の住宅関連資産などを処理する方策を提案したことを明らかにした。
バーナンキ議長は「危機の解決に向けて議会と一緒に取り組むことを待ち望んでいる」と述べ、ペロシ議長も「われわれには解決策が必要」と述べ、政府と協調する姿勢を示した。
政府側の提案の詳細は不明だが、1980~90年代の貯蓄貸付組合(S&L)危機の際には、整理信託公社(RTC)が設立され、S&Lから不良債権を買い取って処理した実績がある。米メディアによると、RTCをモデルにした不良債権処理機関の設立が柱となるとみられる。
低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発したこの金融危機では、住宅ローンの焦げ付きが多発し、サブプライム関連の金融商品の信用が劣化。市場での売却ができなくなり、金融機関の損失が拡大した。米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻など金融システム不安を招く原因にもなった。
ボルガー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長ら有識者からも、RTC現代版の設立を求める声が上がっており、同構想の政府検討の報道を好感して18日の米株式市場は反発した。

産経新聞

(引用終了)

安全確実と見られていたMMF(マネーマケットファンド)の元本割れで、対策も打ち出されているようです。問題は、ABCPでした。

(引用開始)

米FRB、MMF保有のABCP買い取り資金を金融機関に融資へ
2008年 09月 20日 08:17 JST

[ワシントン 19日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は19日、市場安定化に向けた新たな措置を発表した。マネー・マーケット・ファンド(MMF)から資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を購入するための資金を金融機関向けに貸し出す。
FRBは声明で「イニシアチブの一つは、公定歩合でノンリコースローンを米預金取扱機関や銀行持ち株会社に拡大し、MMFから質の高いABCPを買い取るための資金を提供するものだ」と述べた。
「これにより、こうしたCPを保有するMMFが投資家の解約要求に応じることを支援し、ABCP市場や短期金融市場全般の流動性を促進する」と説明した。
FRBはまた、「市場の機能をさらに支援するために、プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)から連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)、連邦住宅貸付銀行(FHLB)が発行した短期債を購入する計画だ」と表明した。
あるFRB高官は、MMFが保有するABCPは2340億ドルと推定され、資産全体の約12%に相当するとの見方を示した。MMFによる米政府系住宅金融機関(GSE)関連債券の保有額は690億ドルと推定した。
FRBは融資の規模については明らかにしていない。

ロイター

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-21 20:51 | 経済状況

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(4) 日米欧による「USドル」供給 基軸通貨ドルの防衛

日本・アメリカ(FRB)・ユーロ(ECB)・イギリス・カナダ・スイスの中央銀行が、協調して「USドル」を市場に供給することが決まりました。日本銀行が、円ではなくドルを供給するのは、初めてのことだということです。

・FRBは各国中銀と、通貨を交換し合う形でドルを一時的に貸し出す「スワップ協定」を、締結・枠拡大
・スワップ協定(既存含む)の総額は、2470億ドル(約25兆8000億円)
・FRBが、5中銀のために用意したドルは合計1800億ドル(約18兆8000億円)
・協調策は2009年1月30日までの措置
・日銀は、総額600億ドル(約6兆3000億円)分の円とドルの交換協定を締結
・このうち最大500億(約5兆円)ドルを市場に供給
・ECBは、短期金融市場に400億ドル(約4兆1800億円)を緊急供給
・FRBは、1050億ドル(約11兆円)の資金を供給

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(図は読売新聞より引用)

(スワップ協定で、アメリカに預けられた巨額の「円」は、どうなるのでしょうね)

先日の記事でも述べましたが、短期金融市場での翌日物ドル金利が一時8%になるなど、どの金融機関もキャッシュを離したがらず、ドルでの資金調達が難しくなってきているようです。特に、(日本から見て)外資系金融機関は、自己資本が毀損していると見られており(事実だと思いますが)、短期であっても貸し手がないというような感じなのでしょう。

ただ、この協調供給の本質を一言で言いますと、基軸通貨USドルを防衛する、ということだと思います。いみじくも、伊吹文明財務相が、「アメリカ(FRB)の要請による、米ドルの信認低下を防ぐ措置」と言っているとおりです。

ここまで巨額の、文字通りジャブジャブの状態になるまでマネーを注ぎ込んでも、本質的な危機の解決にはならないことは、すでに述べているとおりです。あくまで延命措置、ということを忘れてはなりません。これで、リスクはアメリカ政府・FRBに「飛ばされた」ということになります。

これで解決にはなりません。供給した過剰のドルが、ドルそのものの信認を損なうことになるからです。延命措置のタイムリミットは、半年といったところでしょう。

(引用開始)

日米欧協調 ドル供給 18兆円規模 金融機関支援

【ワシントン=矢田俊彦】米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行、欧州中央銀行(ECB)など日米欧の中央銀行6行は18日、金融市場に総額18兆円規模に上るドル資金を供給する協調策をまとめて発表した。具体的には、FRBが日銀などと、通貨を交換し合う形でドルを一時的に貸し出す「スワップ協定」を結んだ。金融不安の拡大で、民間の金融機関がドル資金を借り入れることが難しくなっているため、世界の主要中央銀行が同時にドル資金の供給に乗り出すことで、効果的に市場の安定化を図るのが狙いだ。
日銀は、FRBから借りたドルを原資に、東京市場で金融機関にドル資金を貸し付ける。日銀が市場に自国通貨の円でなく、ドルを供給するのは初めてだ。
協調策は2009年1月30日までの措置。FRBが他の5中銀に貸し出すため用意したドルは合計1800億ドル(約18兆8000億円)で、日本銀行とは600億ドル(約6兆3000億円)の枠を設けた。5中銀のうちECB、スイス国民銀行(SNB)とすでに結んでいた協定の分を含めると、総額は2470億ドル(約25兆8000億円)となる。

米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)などで、欧米の金融機関の間では、互いの経営内容についての不信感が高まり、ドル資金の貸し借りがしにくくなっている。
このため、これまでも市場にドルを供給してきたFRBやECBに加え、日銀も含めた主要な中央銀行がそろって、「最後の貸し手」として金融機関にドルを貸し出すことにした。

米欧まず15兆円
欧州中央銀行は18日、短期金融市場にドル資金400億ドル(約4兆1800億円)を緊急供給した。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は同日、ニューヨーク連邦準備銀行を通じて市場に1050億ドル(約11兆円)の資金を供給した。(フランス中部ディジョン 是枝智、ニューヨーク 山本正実)

(2008年9月19日 読売新聞)

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FRB、11兆円供給 米政府も緊急対応強化へ
2008年9月19日3時20分

【ワシントン=西崎香】米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融機関の資金繰りを助けるため、総額1050億ドル(約11兆円)の資金を市場に供給した。FRBなど米金融当局と政府・議会は、金融システムを安定させる緊急対応を強化する。危機が深刻化すれば、利下げや景気刺激策、ドル安定策など「すべての持ち駒」(当局関係者)を検討する姿勢だ
FRBは資金供給で昨夏以来、最大級の流動性を供給した。ブッシュ大統領も同日、アラバマ州などでの日程を取りやめ、ワシントンで金融当局と協議することを決定。ホワイトハウスで「金融市場を強め、安定させる対策を続ける」との声明を読み上げた。
FRBは16日の定期会合では利下げを見送ったが、関係者は「金融システムの機能が危険なほど損なわれれば、緊急利下げも検討せざるをえない」と語る。
「ドル防衛」の姿勢も強めている。現時点ではドル相場は急落していないが、米金融機関への不安からドル離れが再び加速しかねない。
日米欧の中央銀行が今回のスワップ協定を締結した際も米当局者はドル安定の市場介入も視野に入れて「監視を続ける」との認識を示したという。
東南アジア諸国などの通貨不安も注視している。
一方、米議会は総額500億ドル(約5兆円)の第2次景気刺激策の法案を審議する準備を開始した。既に実施された所得税減税の効果が薄れ、年末に向け実質国内総生産(GDP)成長率がマイナスに転じる恐れがあるからだ。

朝日新聞

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財務相「ある種のドル防衛策」 6中央銀行の協調行動で

伊吹文明財務相は18日、日銀など6カ国・地域の中央銀行が合意したドル資金供給の協調行動について「国際通貨であるドルに対し、全世界的にある種の防衛策を講じたということだ」と述べ、金融機関の破たん・再編で揺らいでいる米ドルの信認低下を防ぐ措置だとの認識を示した。財務省内で記者団に語った。
財務相は、今回の協調行動が米連邦準備制度理事会(FRB)からの要請に基づく措置だとした上で「(為替)市場に介入するためのお金とは全く違う」として、介入目的の対策ではないと明言。ドル資金の供給態勢が整えば「信用収縮を防ぐために歓迎すべきことだ」と語った。
与謝野馨経済財政担当相も同日、記者団に対し「タイムリーで正しい決断だ」述べ、歓迎する考えを示した。

2008/09/18 18:30 【共同通信】

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日米欧の6中央銀行 大量のドル供給は危機感の表れ
2008.9.19 00:03

日米欧の6中央銀行が18日に打ち出した大量のドル資金供給は、市場参加者の疑心暗鬼でお金の出し手がいなくなる「信用収縮」に歯止めをかけなければ、破綻(はたん)の連鎖を招きかねないという強い危機感の表れだ。ただ、資金供給は傷ついた金融機関に“輸血”するだけの対症療法にすぎない。多額の損失処理に伴う自己資本不足を解消する抜本的な対策が急務だ。
日銀の白川方明総裁は同日の会見で「邦銀の外貨資金繰りに懸念を持っていない」と語り、ドル資金供給には、欧米金融機関を支援する狙いがあることを示唆した。
昨年12月以降、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)、スイス中央銀行がドル資金供給で協調したことがあるが、6中銀が特定の通貨の供給で足並みをそろえるのは異例だ。
金融システムは「信用(クレジット)」によって成り立っている。参加者が誰も信用できなくなり、お金を出さなくなれば、「信用収縮(クレジット・クランチ)」が起き、システムは機能不全に陥る。
日本では平成9、10年に信用収縮が深刻化し、山一証券や北海道拓殖銀行などが資金繰りに行き詰まり、次々に破綻した。破綻の連鎖を回避するには、中央銀行が「信用」を補完し大量の資金を出すしかない。
ただ、「最後の貸し手」による救いの手は、民間金融機関の甘えを呼び、「モラルハザード(倫理の欠如)」を招くリスクがある。かつての日銀が行った大量の資金供給を続ける量的緩和も、その効果を疑問視する声が多かった。
欧米金融機関は損失処理で資本が棄損し、貸し渋りを強めている。白川総裁も「最終的には金融機関の自己資本への対応がない限り、問題解決はない」と指摘する。資本不足を解消するための公的資金投入に踏み切るかが、今後の焦点となる。(本田誠)

産経新聞

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日米欧6中銀がドルを協調供給
2008.9.18 20:21

米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)、日銀など6カ国・地域の中央銀行は18日、米国発の金融危機に対応し、金融機関が資金をやり取りをする各国の短期金融市場に大量のドル資金を供給する協調行動を行うと発表した。市場では、米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)などによる信用不安から資金の出し手が不在となり、欧米金融機関が必要なドル資金を調達できなくなっている。“最後の貸し手”である中央銀行が資金を供給し、資金繰りの行き詰まりによる連鎖破綻を回避するのが狙いだ。
FRBは日銀、英、カナダとの間で、ドル資金を提供するため、相互の通貨を交換するスワップ協定を締結。すでに協定を結んでいるECB、スイスとは交換枠を拡大した。
日銀は総額600億ドル(約6兆3000億円)分の円とドルの交換協定を締結。このうち最大500億(約5兆円)ドルを市場に供給する。日銀がドル資金を供給するのは初めて。
供給先としては国内金融機関のほか、外資系金融機関55社を想定。
低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)関連の損失で資金繰りが悪化している欧米金融機関が、日本市場でドル資金を調達できるようにする。
ECBなどの他の中央銀行も自国市場でドル資金を供給する。各行は、母国通貨で資金を供給しているが、危機の沈静化には調達が難しくなっているドル資金を協調して供給する必要があると判断した。
18日に緊急会見した日銀の白川方明(まさあき)総裁は「ドルの短期金融市場では資金調達の不安感が高まっている。ドル市場の緊張感の高まりは各国通貨建ての市場にも影響を及ぼしている」と述べ、協調活動の狙いを説明した。
世界の金融市場では、リーマンが破綻する一方、保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が救済されたが、「次に破綻するのはどこ」という疑心暗鬼が広がり、資金の出し手がいなくなる「信用収縮」が深刻化している。

産経新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-19 22:27 | 経済状況

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(3) 日米欧の中央銀行が流動性供給 解決になるのか

日本・アメリカ・ヨーロッパの中央銀行は、これまでも市場に流動性の供給を行っていますが、その規模を拡大する模様です。

・白川総裁:「システミックリスク(金融危機)に直面した中央銀行がまず求められるのは(金融市場への)流動性の供給だ」「日銀としても円滑な資金決済と金融市場の安定確保に努めていく」
・日米欧の金融当局:協調して、16日までに計約36兆円の大規模な資金供給
・日銀:17日にも短期金融市場に3兆円の臨時の資金供給を実施、16日分と合わせて計5兆5千億円を市場に供給

(「日銀、さらに3兆円供給 AIG救済のFRBを評価」 朝日新聞

私は、この流動性の供給については、以下のような考えを持っております。

・確かに、資金ショートによる破綻や、連鎖倒産を防ぐような効果はある
・市場のセンチメントを改善する効果もある
・しかし、出血を止めずに輸血するようなものであり、根本的な解決にはなっていない
・流動性は、必要なところに割り当てられるとは限らず、濃淡がある
>たとえば、金融機関に十分な流動性を供給しても、貸しはがしが止まらないこともありうる
・必ずしも、信用収縮をストップし、信用創造倍率アップをもたらすとは限らない
・過剰な流動性は、ゆくゆくは投機資金となり、資産価値の乱高下をもたらす遠因となる

さて、以下のニュースを読むと、次のような記述が見られます。それについて、私のコメントを付記したいと思います。

・17日の市場では、翌日物ドル金利が一時8%に
>インターバンクのコール市場での年率換算金利と思いますが、どこの銀行も資金を出したがらず、資金の貸し手がないことで、リスクプレミアムがついた状態です

・国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は、『金融危機の最悪期はこれから訪れ、問題に直面する主要金融機関が今後数カ月でさらに増える可能性がある』と述べた。
>信用収縮は終わっておらず、まだまだ底を打つのは先だという見解でしょう。

・ 白川総裁によると、すでにリーマン・ブラザーズ破たんの前週末に、総裁はじめ資金調節担当レベルで他の中央銀行と情報を交換しながら、対応していたという。
>この時点で、リーマン・AIGなどに関するリスクシナリオについて、通貨防衛に関する協議は終わっていた、ということでしょう。足並みのそろった流動性の供給があったのも、頷けるところです。

(引用開始)

焦点:日銀総裁は米金融問題の長期化に言及
2008年 09月 18日 06:28 JST

〔東京 17日 ロイター〕 白川方明日銀総裁は17日の記者会見で、米国金融機関をめぐる情勢について、損失処理にめどが立たず長期化するとの見通しを示した。
米連邦準備理事会(FRB)がAIG(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)救済のため異例の措置に踏み込んだことに対し、総裁はぎりぎりの決断だったと理解を示したが、17日の市場では翌日物ドル金利が一時8%まで跳ね上がったほか、金融市場で信用不安は沈静化していない。
日銀でもこうした厳しい状況を認識し、システミックリスクへの警戒感を持って市場を注視している。白川総裁は国際金融市場の不安定さが日本の景気回復時期に影響する可能性にも及した。

 <米金融問題に厳しい見方、日本経済にも影響>
白川総裁は米金融機関の損失処理について、めどが立たない状況だとして「依然として問題解決に向けて険しい道のりが続いていると判断する」との厳しい見方を示した。何よりも米住宅価格の下落という根本問題があると指摘。金融市場の不安が長期化する可能性が高まり、日本経済についても「回復時期も含めて下振れリスクに注意が必要」だと述べた。 欧米での信用不安は企業金融にも影響を与え、経済活動を減速させるという金融不安と実体経済のスパイラルが予想されるためだ。
金融政策決定会合後に公表された日銀声明文でも、リスク要因として「国際金融資本市場は不安定さを増している」との認識が示された上で、世界経済についても、前月までの米国経済の下振れリスクを念頭に置いていた部分が、世界経済全体の減速を懸念する表現に置き換わった。
資源価格が下落に転じ、これまで景気悪化の要因だった交易条件悪化が改善するプラス要因があるものの、資源価格下落の背景にはマネーフローの変化だけではなく、世界経済の相当な減速があると見る日銀幹部も多く、日本の輸出減速の影響が大きくなれば、国内景気の回復は相当先にならざるを得ないとの声もある。

 <AIG救済策、信用不安の歯止めにならず>
白川総裁が米金融機関問題に対して厳しい見方を示した背景の1つには、AIGの公的管理が発表された後も、市場の信用不安に収まる気配が見えないことがあるようだ。FRBは最大850億ドルの有担保融資を実施し、米政府がAIG株の79.9%を受け取る救済案を発表、金融市場でも安心感からいったんは「質への逃避」の巻き戻しが起こった。
しかし、17日の欧州インターバンク(銀行間取引)市場では、翌日物ドル金利が一時、8%まで急上昇し、ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)も高止まっている。 
今回のAIGに対するFRBの対応は、通常の流動性供給を超え踏み込んだ内容となった。AIGの資産を担保とした資金供給という形をとり、貸し出しレートもLIBORプラス850bpと、スプレッドも大幅な上乗せ幅となり、ペナルティとして厳しい条件付きで融資を実行する。だが、FRBの融資で破たんを回避させるという、通常の中央銀行としての対応から大幅にかい離した手を打つことになった。
白川総裁もこうした対応について「システミック・リスクに直面した場合の公的当局の対応のあり方は、中銀については流動性の供給であり、資本不足の問題は国民の税金をどう使うのかという問題なので、政府・議会が決定すべき事項であるというのが概念的な整理」と指摘。FRBの対応が異例だったとの見方を示している。
FRBの踏み込んだ救済策にもかかわらず、市場ではむしろ救済される金融機関と破たんに追い込まれる金融機関の明確な区別の基準がないとして、疑心暗鬼から信用不安が増幅した状況になっている。日銀でもそうしたマーケットの情勢を認識している。
国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は17日、訪問先のジッダで、金融危機の最悪期はこれから訪れ、問題に直面する主要金融機関が今後数カ月でさらに増える可能性があると述べた。
日銀も当面、主要国中央銀行と連絡を緊密にしながら、金融市場の動向を注意深くみていく方針だ。破たんしたリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)やAIGの取引ポジションの行方がどう処理されていくのか、世界の金融機関がカウンターパティーリスクに敏感になり始め、価格形成やリスクプレミアムにどのような影響が出るか、日銀では注意をはらっていく方針だ。
また、資金の抱え込みが強まる中で、外国金融機関はこれまで円キャリー取引やサムライ債の発行で調達していたが、日本の金融機関が資金の出し手としてどう対応していくのか、様子を見ていくことも必要だとしている。
白川総裁によると、すでにリーマン・ブラザーズ破たんの前週末に、総裁はじめ資金調節担当レベルで他の中央銀行と情報を交換しながら、対応していたという。今後、外国中央銀行への資金供給に際して、クロスボーダー担保を受け入れるかどうかも、中央銀行間で検討することをこの日の会見で明らかにした。

 (ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

(引用終了)

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関連する最近の記事も参照ください。

「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(2) なぜリーマンは見捨てられAIGは救済されたか」

「世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(1) 流血の日曜日 来るべき終わりの只中」

「日本・アメリカ・ヨーロッパがドル防衛の秘密協定 やはりドルは基軸通貨なのか」
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# by kanconsulting | 2008-09-19 09:34 | 経済状況

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(2) なぜリーマンは見捨てられAIGは救済されたか

日々刻々と変化する、世界経済の情勢に、皆様も固唾を飲んで注目されていることと拝察します。

さて、ご存知のように、アメリカ政府とFRBが、AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ。130カ国で事業展開する世界最大級の保険会社、本体の資産規模は1兆ドル)の救済に乗り出しました。FRBと財務省は、民間金融機関への協力要請を拒否されたことから、監督権限のない保険会社に対する、異例の支援を決断したようです。

・アメリカ政府とFRBは、850億ドルを上限につなぎ融資を提供
・融資期間は24カ月、金利はLIBOR(3カ月物)を基準
・AIGの資産と子会社株式を担保に
・アメリカ政府が79.9%の株式を取得
・事実上政府管理下で再建を図る
・AIGは、資産売却を通じ融資を返済

AIGが破綻すれば、全世界を巻き込んだ信用崩壊、すなわち「世界恐慌」になるのは、目に見えていました。ですが、「全面救済」と言うわけではなく、「安楽死」という表現になっています。「2年の間に、資産を整理して、会社をたたみなさい」というニュアンスに近いようです。

さて、アメリカ政府は、リーマン・ブラザーズには、モラルハザードを理由に、政府資金の投入を拒否したこともご存知と思います。なぜ、リーマンブラザーズは見捨てられ、AIGは(一応)救済されたのでしょうか?

一般的な見方としては、

AIGは、
・大きすぎて、つぶせない
・もし倒産すれば、世界的な大恐慌になる
・金融機関への保険を引き受けていることから、世界の金融システムからは必要不可欠

リーマンは、
・モラルハザードを重視
・猶予期間があったにもかかわらず、対応し切れなかった経営責任
・投資銀行的な証券会社であり、ベアスターンズのような独占的金融技術もないため、倒産しても、影響は限定的

本当にそれだけでしょうか?私は、「ドル防衛とヘッジファンドに対する、政治的な判断」があったのではないか、と指摘します。

まず、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の話です。このブログでも、1年以上前から、CDS問題を指摘してきましたが、AIGのとりあえずの最大の問題も、CDSです。

※クレジット・デフォルト・スワップとは : 文字通りでは、手持ちのお金と、将来の不履行可能性を、交換することです。保険料を支払い、何かトラブルがあったときに支払いを受けるという、保険のイメージが近いですが、オプションのようなデリバティブです。具体的には、ある債券が不履行になった場合にでも、CDSによる保証があれば、債券投資家は元利の支払いを受けられます。「債権者(投資家)」「債務者(債券発行者、金融機関や一般の会社など)」「保証者(CDS引き受け)」「保険者(CDSの代金支払い)」の4者の関係となります。非常に簡単に言うと、保証人は、CDSを引き受けることで、保険者から、現在のキャッシュを手にします。何もなければ良いのですが、債務不履行においては、決められた金額を支払う義務が発生します。CDSのみを切り離しで取引することも可能です。CDSは、オプションですので値段の決定が難しく、高等の金融工学が必要とされます。ベアスターンズが救済された理由として、CDSの値付けがベアにしかできなかったから、と言われています。

AIGの子会社のひとつに、AIGFPがあります。保険を証券化商品として取引させるために、非公開のCDS市場を取り仕切っています。もともと、CDSには公開された市場がなく、相対取引が前提となっています。AIGFPが仲介することで、流動性を付与できていたというところでしょう。非常に簡単に言うと、「倒産リスクを、見栄えが良いように切り分けて、販売仲介していた」という感じです。

AIGそのものは、保険会社としては優良な企業であったように思います。しかし、CDSに深く立ち入りすぎたために、どの程度のリスクがあるのか誰にもわからなくなり、民間金融機関による救済ができなかった、というところでしょう。これまでも指摘しているのと同様の、「大きなリスクが残っているという疑心暗鬼」だと思います。

かたや、リーマンには、そのような仲介役的な貢献はなく、レバレッジをかけた金融商品の運用により、市場の乱高下を促した、という判断なのかもしれません。ライブドアのMSCBを引き受けたというような、どちらかというとダークな一面も見え隠れします。

「レバレッジを効かせて、資産価値変動の波に乗っておいしい汁を吸い、巨額の報酬を得て、その割りにオフショアスキームを活用して税金は納めず、損失が出て分が悪くなったら、国民の税金で救済してほしい」という話には、アメリカ政府は乗らなかった、というところでしょう。今後は、すべてのヘッジファンドがそうだという意味ではありませんが、ヘッジの意味を失ったヘッジファンドには、逆風が待っているのだと思います。ジョージソロスがイギリスポンドを売り崩した話は有名ですが、アメリカはそれを許さない、ということなのだと思います。

ちなみに、リーマンは計7000億ドル超のデリバティブ(金融派生商品)の取引残高を持つと見られています。日本の国家財政規模に匹敵する程度の巨額ですが、のちほど述べる、世界全体のデリバティブ残高からすると、微々たる額と判断された、ということでしょう。

さて、世界全体のデリバティブの残高は、正確な数字は不明ですが、50兆ドル(2005年当時)と言われていました(過去の記事を参照)。現在では、さらに大きな数字となっていることでしょう。

日本銀行が把握しているところでは、商品デリバティブに金利先物などを含めたデリバティブ取引の全体の残高(想定元本ベース)は、約36.4兆ドル
・OTC(取引所外)取引:27兆5000億ドル(前期比10.1%増)
・取引所取引:8兆9000ドル(同37.4%増)
(2008年8月29日発表、デリバティブ取引における定例市場報告
となっています。一国の経済を吹き飛ばすのには十分大きな額なのですが、日本銀行がまだまだ把握し切れていない分があるはずで、この程度の額に収まっているはずがありません。なぜならば、デリバティブの一部であるCDSの推定残高が、軽く36兆ドルを上回るからです。

CDSの発行残高は、4500兆円とも、6500兆円とも、言われています。日本の1990年代の、バブル崩壊、金融危機、とは比べ物にならない、大きな危機が来ているのだと思います。

双子の赤字を抱えるアメリカで、このような信用収縮が起こり、信用崩壊に発展したことは、決して偶然ではありません。アメリカ国債が売れなくなる日は、そこまで来ています。そして、物価(インフレ)、金利、為替、のいずれか、あるいは全部、によって、「ドルの減価」がありうるのだと思います。

(引用開始)

米国発金融危機 最悪の事態回避 AIG救済 不安解消には時間

FujiSankei Business i. 2008/9/18

米連邦準備制度理事会(FRB)がアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対し850億ドル(約9兆円)の融資を承認したのは、取引先や顧客を世界中に抱える巨大保険会社の破綻(はたん)は金融システムを揺るがす事態に発展すると判断したためだ。
FRBによる融資期間は24カ月、金利はロンドン銀行間出し手金利(LIBOR)の3カ月物をベースとする。AIGの資産と子会社株式を担保にし、AIGは資産売却を通じ融資を返済する。政府は融資する代わりに同社の発行済み株式の79・9%を所有する権利を取得。事実上、金融当局管理下で再建を図ることになる。
AIGは、サブプライム(高金利型)住宅ローン関連損失で資本不足に陥り、16日は株価が一時1・25ドルまで急落。資金繰りも窮迫していた。FRBと財務省は民間金融機関にも協力を要請したが拒否され、監督権限のない保険会社に対する異例の支援を決断した。
AIG救済が決まったことで、リーマン・ブラザーズの破綻以降、信用不安が深刻化していた内外の金融市場には安心感が広がっている。大手金融機関の破綻が相次ぐ「負の連鎖」やドル暴落という最悪の事態はひとまず回避されたとの見方が強い。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「世界各国で消費者に身近な保険商品を取り扱うAIGが破綻すれば、その影響はリーマンとは比べものにならなかった。米当局の決断は市場には相当のプラスになる」と評価する。
米証券大手メリルリンチが米銀大手バンク・オブ・カリフォルニアに救済されたのに続き、英銀大手バークレイズがリーマンの北米投資銀行部門などの買収を発表し、重苦しいムードが漂っていた市場にも「ようやくあく抜け感が出てきた」(メガバンク幹部)という。FRBの決定でドルにも買い安心感が広がり、大和総研の亀岡裕次シニアエコノミストは「協調介入観測も遠のく」とみている。
一方で、FRBによる救済対象の線引きがあいまいな上、全米の地銀や貯蓄金融機関の経営問題もくすぶり、先行きはなお流動的だ。亀岡氏は「当局による破綻処理の線引きが明確でなく、“次のリーマン”探しを続ける市場の疑心暗鬼は解消されていない」とも指摘する。
米金融界や金融市場では今、ワシントン・ミューチュアルなど複数の大手貯蓄機関や地銀で経営不安がささやかれている。白川氏は「破綻連鎖が次のラウンドに向かう懸念がある。公的資金注入も含めた米当局の機敏な対応が必要」と話した。(ワシントン 渡辺浩生、柿内公輔)

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金融崩壊:リーマン・ショック/中(その1) AIG処理、「2年で」最後通告

米証券4位、リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)で世界の金融市場で大混乱が続いた16日夜、米当局は米保険大手AIGに緊急融資し、政府管理下に置くことを決めた。
この措置は、AIG救済というよりも、安楽死を迎えるよう猶予期間を設けたという色合いが強い。米連邦準備制度理事会(FRB)はAIGに最大850億ドル(約9兆円)を融資するが、期間は24カ月。「2年間は事業継続に必要な運転資金を融資する。その間に資産売却や縮小を完了し、処理を終えよ」という最後通告でもある。
AIGは生命保険、損害保険の契約者など多くの顧客を抱える。投資銀行のリーマンはウォールストリートなど金融のプロを取引相手とするのに対し、130以上の国・地域に進出するAIGは「主要都市のメーンストリート」に事務所を構え、一般人も顧客に持つ。「突然死」させれば、影響は計り知れない。しかし徐々に整理・縮小していけば影響を最小限に抑える形で処理ができる。
米政府が突然の破綻を恐れた理由はほかにもある。AIGは企業向け融資や証券化商品が焦げ付いた際損失を肩代わりする「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)市場を主導する立場にあった。CDSは世界の大手金融機関や投資家の間で取引が急増、総額は60兆~80兆ドル(約6000兆~8000兆円)ともいわれる。市場での取引が滞れば、世界の金融市場は大混乱を飛び越し、大恐慌に陥る恐れがあった。

毎日新聞 2008年9月18日 東京朝刊

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AIG救済 目前の危機は避けたが
2008年9月18日

米当局が信用不安に陥っていた保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済を決めた。とりあえず危機は回避できたが、住宅価格の下落が続く。警戒を緩められない。
米当局は証券大手リーマン・ブラザーズに対する厳しい姿勢から一転し、AIG救済に動いた。
連邦準備制度理事会(FRB)が最大八百五十億ドル(約九兆円)の融資枠を設定する一方、政府が約80%の株式取得権をもって、普通株や優先株への配当支払いを拒否する権利も保有する、という。
FRBと政府が役割分担した合わせ技による事実上の「国有化」といえる。「税金による民間企業の救済」と納税者の反発を招かぬよう、政府の介入をぎりぎりの線にとどめる救済策になった。
AIGの顧客には個人客が多く、破たんすれば世界中の消費者に打撃が大きい。日本でもアリコジャパンなど関連会社が生命保険やがん保険を販売し、生保三社の契約件数は国内大手に迫る規模だ。「私の保険はどうなるのか」という家計の心配も、今回の措置でひとまず和らぐはずだ。
加えて、保険会社は他の金融機関相互の取引も保証しており、証券単体がつぶれた場合よりも、悪影響は連鎖的に拡大しかねなかった。経済全体への打撃を避ける点で妥当な判断といえる。
ただ、ポールソン財務長官は証券最大手ゴールドマン・サックスの前会長兼最高経営責任者(CEO)だ。金融市場では「証券も保険も同じ民間。昔のライバルに厳しかった」という声もある。
AIGの救済を受けて、株式市場は反発し、為替市場もドル高に戻った。AIGはここでひと息つくことなく、経営責任を明確にして、不良資産の売却など経営再建に全力を挙げる必要がある。
これで金融危機が去ったともいえない。危機の根源にある米住宅市場は依然、値下がりを続けている。住宅価格が下げ止まらない限り、金融機関は新たな不良債権を抱えてしまう。
グリーンスパン前FRB議長は現状を「百年に一度の危機」と表現した。壮大な住宅バブルのつけを処理して、金融界が安定するまで、なお時間がかかるだろう。
米当局は日本の教訓に学びつつ「迅速処理が傷を小さくする」という米国流の荒療治も取り入れ、ケースごとの果断な対応を目指しているようだ。日本の当局も欧米と連携プレーが求められる。

中日新聞

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焦点:日銀総裁は米金融問題の長期化に言及
2008年 09月 18日 06:28 JST

〔東京 17日 ロイター〕 白川方明日銀総裁は17日の記者会見で、米国金融機関をめぐる情勢について、損失処理にめどが立たず長期化するとの見通しを示した。
米連邦準備理事会(FRB)がAIG(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)救済のため異例の措置に踏み込んだことに対し、総裁はぎりぎりの決断だったと理解を示したが、17日の市場では翌日物ドル金利が一時8%まで跳ね上がったほか、金融市場で信用不安は沈静化していない。
日銀でもこうした厳しい状況を認識し、システミックリスクへの警戒感を持って市場を注視している。白川総裁は国際金融市場の不安定さが日本の景気回復時期に影響する可能性にも言及した。

 <米金融問題に厳しい見方、日本経済にも影響>
白川総裁は米金融機関の損失処理について、めどが立たない状況だとして「依然として問題解決に向けて険しい道のりが続いていると判断する」との厳しい見方を示した。何よりも米住宅価格の下落という根本問題があると指摘。金融市場の不安が長期化する可能性が高まり、日本経済についても「回復時期も含めて下振れリスクに注意が必要」だと述べた。 欧米での信用不安は企業金融にも影響を与え、経済活動を減速させるという金融不安と実体経済のスパイラルが予想されるためだ。
金融政策決定会合後に公表された日銀声明文でも、リスク要因として「国際金融資本市場は不安定さを増している」との認識が示された上で、世界経済についても、前月までの米国経済の下振れリスクを念頭に置いていた部分が、世界経済全体の減速を懸念する表現に置き換わった。
資源価格が下落に転じ、これまで景気悪化の要因だった交易条件悪化が改善するプラス要因があるものの、資源価格下落の背景にはマネーフローの変化だけではなく、世界経済の相当な減速があると見る日銀幹部も多く、日本の輸出減速の影響が大きくなれば、国内景気の回復は相当先にならざるを得ないとの声もある。

 <AIG救済策、信用不安の歯止めにならず>
白川総裁が米金融機関問題に対して厳しい見方を示した背景の1つには、AIGの公的管理が発表された後も、市場の信用不安に収まる気配が見えないことがあるようだ。FRBは最大850億ドルの有担保融資を実施し、米政府がAIG株の79.9%を受け取る救済案を発表、金融市場でも安心感からいったんは「質への逃避」の巻き戻しが起こった。
しかし、17日の欧州インターバンク(銀行間取引)市場では、翌日物ドル金利が一時、8%まで急上昇し、ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)も高止まっている。 
今回のAIGに対するFRBの対応は、通常の流動性供給を超え踏み込んだ内容となった。AIGの資産を担保とした資金供給という形をとり、貸し出しレートもLIBORプラス850bpと、スプレッドも大幅な上乗せ幅となり、ペナルティとして厳しい条件付きで融資を実行する。だが、FRBの融資で破たんを回避させるという、通常の中央銀行としての対応から大幅にかい離した手を打つことになった。
白川総裁もこうした対応について「システミック・リスクに直面した場合の公的当局の対応のあり方は、中銀については流動性の供給であり、資本不足の問題は国民の税金をどう使うのかという問題なので、政府・議会が決定すべき事項であるというのが概念的な整理」と指摘。FRBの対応が異例だったとの見方を示している。
FRBの踏み込んだ救済策にもかかわらず、市場ではむしろ救済される金融機関と破たんに追い込まれる金融機関の明確な区別の基準がないとして、疑心暗鬼から信用不安が増幅した状況になっている。日銀でもそうしたマーケットの情勢を認識している。
国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は17日、訪問先のジッダで、金融危機の最悪期はこれから訪れ、問題に直面する主要金融機関が今後数カ月でさらに増える可能性があると述べた。
日銀も当面、主要国中央銀行と連絡を緊密にしながら、金融市場の動向を注意深くみていく方針だ。破たんしたリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)やAIGの取引ポジションの行方がどう処理されていくのか、世界の金融機関がカウンターパティーリスクに敏感になり始め、価格形成やリスクプレミアムにどのような影響が出るか、日銀では注意をはらっていく方針だ。
また、資金の抱え込みが強まる中で、外国金融機関はこれまで円キャリー取引やサムライ債の発行で調達していたが、日本の金融機関が資金の出し手としてどう対応していくのか、様子を見ていくことも必要だとしている。
白川総裁によると、すでにリーマン・ブラザーズ破たんの前週末に、総裁はじめ資金調節担当レベルで他の中央銀行と情報を交換しながら、対応していたという。今後、外国中央銀行への資金供給に際して、クロスボーダー担保を受け入れるかどうかも、中央銀行間で検討することをこの日の会見で明らかにした。

 (ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-18 17:19 | 経済状況

世界金融危機 リーマンブラザーズ破綻と信用崩壊(1) 流血の日曜日 来るべき終わりの只中

来るべき時が、今、来つつあるのだと思います。

つい先日、リーマンブラザーズの分離処理(不良債権を切り離して、優良部門は売却。残りカスは、公的資金や金融業界で、奉加帳形式で処理。)の話が出ていましたので、「リーマンの飛ばしも、最終段階に入った。そろそろだな。」と思っていました。そして、とうとう(やはり)、リーマンブラザーズの破綻が決定的となったという次第です。

アメリカの公的機関が、公的資金の投入を拒否したところで、将棋で言う「詰み」となったのです。アメリカ政府やFRBには、潤沢な資金(印刷するだけですから)がありますので、「無い袖は振れない」という理由ではないでしょう。もともとリーマンには黒い噂があったようですし、「この時期に、リーマンをつぶしてやろう。それで死肉をあさって、損失は各方面に飛ばし、本体のドルシステムは生き延びよう」という意図も、あったのかも知れません。

金融収縮が、単なるバランス(オフバランス含め)の損失にとどまらず、実体経済に危機を及ぼす「信用崩壊」のステージに進行したことが決定付けられた、印象深いニュースでした。もちろん、その次のステージは、「ドルシステムの瓦解」です。

このブログは、データに基づいた未来予測をしますが、未来予言ブログではありませんので、「リーマンがヤバイ」などとは書きませんでした(書きたくても書けません)。同じ理由で、「次は、○○だ」とも、書きません。(○○には、好きな文字を入れてください。)

今後、いくつか、確実なことがあります。

・リーマンが保障していた債券の保障が外れるため、それら債券の価値は急落する
・リーマン自体が発行した債券は、紙クズ(不履行)になる
・リーマンが発行した債券の保障をしていた銀行などは、保証金の支払いを求められる
・CDSなどのデリバティブは、誰も引き受け手がなくなり、市場が崩壊する
・実体経済に強い影響が及び、実物資産(不動産など)の相場はさらに下落する

もちろん、連鎖倒産も、ありうるでしょう。

以前から書いていますように、信用収縮は、デリバディブの「レバレッジ」により増幅されて、信用崩壊につながるのです。増大したリスクをコントロールできずに、金融工学が実物経済を台無しにしてしまうのでしょう。

そして、最終的には、金融力と軍事力により裏付けられていたドルシステムは、(日本や中国などがカネを出さなければ)瓦解をまぬかれないといったところです。

もちろん、日本も無傷ではいられません。かなりの延焼、場合によっては緊急避難、そして相当の資金供出、を覚悟する必要があるでしょう。

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

【米金融危機】「流血の日曜日」 リーマン連邦破産法申請へ
2008.9.15 19:55

14日、ニューヨーク・マンハッタンのリーマン・ブラザーズ本社(ロイター=共同) 【ニューヨーク支局】経営危機に陥っていた米証券4位のリーマン・ブラザーズは15日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると発表した。一方、リーマン救済を模索した米銀2位のバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は同日、証券3位のメリルリンチを500億ドル(約5・3兆円)で買収すると発表した。さらに、米保険首位のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も経営不安が拡大、米連邦準備制度理事会(FRB)に400億ドル(約4・2兆円)の短期融資を要請したことが表面化した。サブプライムローン問題に端を発した米金融市場の動揺は、大手金融機関の連鎖不安に発展して金融危機の様相を帯びており、米メディアは「流血の日曜日」と報じた。
リーマンをめぐる救済策は、金融当局と民間金融機関がニューヨーク連銀で12日夜から協議を続けた。民間側は将来の損失回避に政府の支援を求めて交渉は難航。最後はバンカメと英銀大手バークレイズによる買収が検討されたが、米政府は公的資金注入を拒否して頓挫した。
一方、バンカメは、サブプライム問題の関連損失で経営不安が続くメリル救済の交渉の鉾先を変え、金融市場の混乱回避のため救済合併で合意した。証券大手の危機がリーマンからメリルに及ぶのを抑えたい意向から、金融当局が後押しに動いたとの見方もある。

株主総会や独禁当局の承認を得て、2009年1~3月期までに統合を完了する予定。統合後のバンカメの資産規模は約2・5兆ドル(約260兆円)となり、シティグループを抜いて全米最大の金融機関となる見込み。
バンカメのケネス・ルイス会長兼最高経営責任者(CEO)は「相乗効果により企業価値が高まる」とのコメントを発表。幅広い顧客層をもち個人取引に強いバンカメと、企業取引や富裕層に基盤をもつメリルの組み合わせが、より強みを発揮できると強調した。
米金融業界では今年3月、5位のベアー・スターンズが米銀3位のJPモルガンチェースに救済合併されるなど、サブプライム問題に伴う巨額損失を抱えた大手金融機関への信用不安に発展した。
傷みが激しい金融機関は資産売却や人員整理に加え、自力で巨額の増資を募るなどリストラに奔走している。この日はまた、保険最大手のAIGもFRBに巨額のつなぎ融資を要請していたと米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じるなど、危機の連鎖に歯止めがかからない状態だ。

リーマン・ブラザーズ 米証券4位。リーマン3兄弟が1850年に創業。本社はニューヨーク。ニューヨーク、ロンドン、東京を3大拠点と位置付け、20数カ国に展開。東京支店は1986年に開設。従業員は世界で約2万5千人。2008年6~8月期決算見通しは最終損失が39億2700万ドル。赤字は2四半期連続で、1994年の株式上場以来最大。(ニューヨーク 共同)

産経新聞

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リーマン、破産法の適用申請…バンカメはメリル合併発表

【ニューヨーク=山本正実】経営難から身売り交渉を進めてきた米証券4位のリーマン・ブラザーズは15日、自主再建を断念し、連邦破産法11章に基づく会社更生手続きの適用を申請した。
一方、米銀行2位のバンク・オブ・アメリカは同日、米証券3位のメリルリンチを救済合併することで合意したと発表した。
低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題に伴う昨年夏以降の混乱は、米金融業界の大型再編に発展した。
リーマンは14日、身売り先として最後まで有力視されていた英バークレイズから、買収を断念したと通告された。バンク・オブ・アメリカも一時、リーマン買収を検討したが、公的資金投入など米政府による支援が得られなかったため、メリルの買収に方針を転換した。
バンク・オブ・アメリカとバークレイズの両行が買収交渉から退いた結果、リーマンは法的整理に追い込まれた。
バンク・オブ・アメリカによるメリルリンチの買収総額は約500億ドル(約5兆3000億円)。2009年3月までに合併を完了させる予定だ。
メリルは4~6月期まで4四半期連続で赤字を計上し、今回のリーマンの経営危機に連鎖し、株価が急落していた。このため、バンク・オブ・アメリカに救済してもらう形になる。
米大手銀行・証券が破産法の適用を申請するのは異例だ。身売り先が見つからず、自主廃業を迫られた日本の山一証券と似た状況と言える。3月に事実上、破たんした米証券5位のベア・スターンズに続き、半年間で3社の大手証券が淘汰(とうた)にさらされる異常な事態となった。

(2008年9月15日15時59分 読売新聞)

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金融庁、リーマン証券に資産保有命令 国外流出防ぐ狙い
2008年9月15日18時25分

米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)を受けて、金融庁は15日、日本法人であるリーマン・ブラザーズ証券に対し、金融商品取引法に基づき資産の日本国内での保有命令と業務改善命令を出した。
同社の資産が国外の関連会社などに流出し、日本の債権者や投資家の利益が害されるのを防ぐのが狙い。日本国内の資産を正確に把握し、投資家から預託を受けた資産の保全を命じたほか、会社の財産を不当に使うことがないよう命じた。
金融庁によると、同社の預かり資産は、法人の機関投資家や個人の富裕層の合計で約1兆2000億円にのぼる。

朝日新聞

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UPDATE1: 金融庁がリーマン・ブラザーズ日本法人に資産の国内保有命令、投資家保護で業務改善命令も
2008年 09月 15日 18:44 JST

[東京 15日 ロイター] 金融庁は15日、米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)が連邦破産法第11条の適用を申請したことを受けて、日本法人のリーマン・ブラザーズ証券に対し、資産の国内保有命令と業務改善命令を出したと発表した。米国の親会社の経営破たんによって、日本の投資家や顧客の利益が害される事態が生じない措置を講じる必要があると判断した。日本法人の資産が海外の関連会社に流出するのを防ぐほか、日本の証券会社として投資家保護を徹底するよう命じた。
資産の国内保有命令は、金商法56条の3に基づく。金融庁は、リーマン日本法人の海外向けの債務を除く資産を日本国内に置いて保有するよう命じた。
また、業務改善命令は、金商法51条の規定に基づき発動。法令違反がない場合でも、投資家保護のために必要と判断すれば発動される改善命令で、金融庁はリーマンに対し、1)投資家の資産の正確な把握、2)顧客資産の保全、3)投資家保護に万全の措置、4)投資家の資産の保全についての周知徹底――の措置を命じた。

ロイター

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http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080915/22697.html

バンカメ、メリルを500億ドルで買収へ
2008年09月15日 15:05更新

14日夕、大手金融機関各社によりリーマンなど経営困難に陥っている金融機関へ総額700億ドルの資金を拠出する計画が発表された。
これは世界金融市場の混乱を回避するために行われるもので、リーマンに対し、バンクオブアメリカ、バークレイズ、シティバンク、クレディスイス、ドイツ銀行、ゴールドマンサックス、JPモルガン、メリルリンチ、モルガン・スタンレーおよびUBSが、市場の流動性を高め、予期せぬ市場の乱高下を回避するためにそれぞれ70億ドルずつ拠出することになるという。また米連邦準備理事会(FRB)投資銀行各社への緊急融資プログラムを拡大していく予定であるという。
市場では、リーマン不良債権資産買い取りに関する先行き不透明感を受け、14日ダウ工業株30種平均の電子取引では300ドル以上下げ、アジア各市場でも株価の下落が目立っている。
なお、リーマンと同様住宅ローンの評価損などの危機に苦しんでいる米メリルリンチもバンクオブアメリカ(バンカメ)に一株29ドルで買収されることで合意したことが明らかになった。バンカメとメリルリンチが合併することでシティグループに匹敵するグローバル金融グループができることになる。
バンカメのメリルリンチ買収については、アナリストの多くが一定の評価を下している。メリルを買収することで、バンカメの窓口業務をメリルの抱える莫大な顧客に対して展開することができる。バンカメはこれまでも投資銀行部門を抱えていたが、それほど力強いものではなかった。一方で、両社の合併にともない、多くの従業員が削減される懸念も生じている。メリル、バンカメ両社ともに過去1年間で数千人の従業員を解雇している。
米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も信用収縮の影響に苦しんでおり、15日までに航空機リース事業など保有資産の処分などのリストラ策を発表すると報じられている。
米投資家らは米金融機関の健全性に神経をとがらせている。国際通貨基金(IMF)は今年度初めに信用収縮による世界金融機関損失額は合計でほぼ1兆ドルに達するだろうと予測した。これまでのところ、世界金融機関の今年度損失額は3,500億ドルにとどまっている。

(引用終了)

関連した過去の記事も参照ください。

(転載開始)

世界同時株安と円高(3) 問題の本質はCDO発の信用創造縮小 クレジット・スプレッドは急拡大

投資銀行、証券会社については、今回の信用収縮の裏の主役とも言えますが、いずれも巨額の損失を抱えていると言われています。(GS:ゴールドマンサックス、MS:モルガンスタンレー、LEH:リーマンブラザーズ

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サブプライムローン破綻(3) サブプライム・ショックは世界同時株安へ 日本国破産の遠因か

サムライ債(円建て外債)についても、ベアー・スターンズ、米リーマン・ブラザーズなどのスプレッドはワイドなままだ。

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アメリカの経済状況は引き続き低調 ストックとフローの悪化 オスプレー・ファンドのクローズと資源価格

資産運用会社オスプレー・マネジメントは2日、傘下の「オスプレー・ファンド」の閉鎖計画を明らかにした。同ファンドにはリーマン・ブラザーズが出資していたことも話題を呼んだ。・・・市場を左右するのは引き続き海外要因だ。9月半ばからのリーマンやゴールドマン・サックスの決算については、すでにアナリストによる下方修正が相次いでいる。

(転載終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-15 22:05 | 経済状況

健康保険組合解散相次ぐ 医療制度改革で負担増 日本の健康保険制度そのものの維持可能性

皆様もニュースでご存知のように、京樽の健康保険組合が解散、加入者は国が運営する政府管掌健康保険組合に移行したということです。

そもそも、健康保険とは、日本の公的医療保険制度であり、社会保障のうち社会保険(医療保険)に分類されます。健康保険に加入する被保険者が、医療の必要な状態になったとき、医療費を保険者が一部負担する制度のことです。日本では、生活保護の受給者などの一部を除く日本国内に住所を有する全国民(および日本に1年以上在留資格のある外国人)が、何らかの形で健康保険に加入するように定められています(国民皆保険)。(wikipedia)

健康保険の種類としては
(1)被用者保険
・政府管掌健康保険(政管健保)
・組合管掌健康保険(組合健保)
・船員保険
・共済組合
(2)国民健康保険
・国民健康保険(国保)
・国民健康保険組合

さて、健康保険組合解散相次いでいる原因としては、医療制度改革に伴う負担増とされています。もう少し詳しく見てみると、今年度からの医療制度の見直しにより、高齢者医療拠出金の負担が増えたことが原因ということです。先月は、西濃運輸の健康保険組合も解散しており、今後同様の動きが広がると指摘されています。

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(図表は、「健康保険財政の長期推計~少子高齢社会における新制度の持続可能性~」 JRI news release ビジネス環境レポート No.2006-12 から引用。以下同じ)

実は、今年4月以降の半年で13組合が解散しており、すでに昨年度(12組合)を上回っています。厚生労働省によれば、来年4月までに解散したいとの相談が4組合からあり、今後も解散の増加が見込まれます。

西濃運輸の健保の高齢者医療制度への拠出金は、36億円(前年度。保険料は月収の8.1%に相当)から58億円(今年度)と、約22億円増加。京樽の健保も医療費負担が2倍以上になりました。負担増分を保険料(労使折半)で賄うとなると10%以上になり、政管健保の保険料8.2%を超過するため、独自の健保を維持するメリットはなくなり、解散したい、となるわけです。(健保の平均保険料は7・3%)

本当に、そんな簡単な問題でしょうか?もう少し考えてみたいと思います。

後期高齢者医療費
支出:11兆円
収入:1兆円(窓口負担)、1兆円(老人保険料)、4兆円(健康保険拠出金)、5兆円(税金)

このように、約4割が、現役世代の健康保険からの拠出金で賄われています。実は、健康保険の種別によっても負担の差異がありまして、

・国民健康保険 保険負担50%、国庫補助50%
・政府管掌健康保険 保険負担87%、国庫補助13%*
・健康保険組合 保険負担100%、国庫補助0%

*政管健保の国庫補助率は、16.4%から20%の間と、健康保険法に規定されています。しかし、財政の黒字を理由に1992年、暫定的に補助率が13%となり、これが現在まで続いています。

となっています。

前期高齢者医療費
支出:5.1兆円
収入:そのうち0.2兆円(健康保険拠出金)

今年度は、現役世代の健康保険からの拠出金が、0.2兆円から1.1兆円へと増額されることとなっています。なぜでしょうか?昨年度までは、退職者医療制度として、支出が健保の旧加入者の医療費に限られていました。しかし、今年度からは、前期高齢者の多くが加入する国民健康保険への支出へと、範囲が拡大されたためです。

厚労省の調べでは、約1500の健保全体で、
・後期高齢者医療制度:700億円の負担増
・前期高齢者医療制度:3200億円の負担増
・合計:3900億円の負担増

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(図は、赤旗から引用)

この負担増は、保険料アップとして、労働者も負担することになります。たとえば、人材派遣健康保険組合の公表した数字によると、月収24万円の派遣労働者だと、7320円/月(6.1%)から9120円/月(7.6%)になります。

今後は、どのようになっていくのでしょうか?

まず、国民医療費の将来推計を見てみましょう。
『後期高齢者人口は、05 年度の1,157 万人から30 年度の2,097 万人まで一貫して増え続け、いったん僅かに減少するものの再び増加に転じ、50 年度には2,162 万人に達する見通しである。加えて、1 人当たりの医療費の伸び率を、本稿は政府推計の前提同様、70 歳未満および70 歳以上について、それぞれ2.1%、3.2%と仮定している。そのため、70 歳以上の1 人当たり医療費と70 歳未満の1 人当たり医療費の乖離幅が時間の経過とともに大きくなっていく。』

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(図、文とも、JRI news release ビジネス環境レポート)

次に、健康保険財政の将来推計を見てみましょう。
『組合健保(注13)の08 年度の支出5.8 兆円に占める医療給付費と支援金等は、それぞれ55%の3.2 兆円、45%の2.6 兆円となっている。15 年度になると、医療給付費と支援金等は、それぞれ3.6 兆円、3.5 兆円とほぼ等しくなる。以降、政府推計がない期間についてみていくと、支援金等が医療給付費を上回り、その幅も大きくなる。例えば、25 年度には、医療給付費4.2 兆円に対し支援金等は0.5 兆円上回る4.7 兆円、50 年度には、医療給付費5.5 兆円に対し支援金等は4.1 兆円上回る9.6 兆円となる。支援金等のうち、増加が著しいのは、後期高齢者支援金であり、2008 年度には支援金等2.6 兆円のうち約半分の1.2 兆円であったものが、50 年度には同9.6 兆円のうち6.5 兆円になる。このように、組合健保が、企業と被用者から健康保険料を集めるのは、加入者へ医療給付を行うためという組合健保本来の目的よりも、支援金等を支払うためという、いわば主客転倒した姿になることを推計結果は示している。
政管健保も、タイミングこそ組合健保より遅いものの、支援金等が医療給付費を上回る。』

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(JRI news release ビジネス環境レポート)

同時に、高齢者医療制度が、すさまじい規模となることとなっています。

このレポート健康保険財政の長期推計~少子高齢社会における新制度の持続可能性~」では、必要な支出は保険料によって必ず賄われるという仮定に基づいていますが、実際には、

(組合健保と政管健保)
・加入者数の抑制、企業による正規雇用の抑制 (以前から進行中)
・組合健保そのものの解散 (今ここ)
・政管健保の不正な適用逃れ (今後)

(国保)
・納付率のさらなる悪化 (以前から進行中)

によって、制度の持続可能性があるとは言えない、と指摘しています。

簡単に言うと、高齢者医療制度問題は氷山の一角であり、日本の健康保険制度そのものが成り立たなくなる日が、すぐそこまで来ている、ということです。

(引用開始)

京樽健保組合が解散 高齢者医療の負担重く政管健保に移管

吉野家ホールディングス傘下で持ち帰りすしチェーンを展開する京樽の健康保険組合が、高齢者医療制度への拠出負担増などにより9月1日付で解散したことが9日わかった。社員とその家族など約3500人の加入者は全員、国が運営する政府管掌健康保険(政管健保)に移った。8月の西濃運輸健保組合の解散に続く動きで、健保組合に依存する医療制度の持続性にも影響を与えそうだ。
京樽によると、今年4月の医療保険制度改革に伴い、高齢者医療制度への拠出など前年度比2億円強の負担増が見込まれ、現行8.2%の保険料率を10%以上に引き上げる必要性が生じた。このため、健保組合を解散し、保険料率の面でも有利な政管健保に移ることを決めたという。
政管健保の財源の一部は国庫負担によって支えられているため、今後も健保組合の解散が相次いで政管健保に移行すれば、国民負担の増大につながる恐れもある。

日本経済新聞

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持ち帰りすし「京樽」の健保も解散 政管健保に移行
2008年9月9日12時31分

持ち帰りすしのチェーンを展開する京樽の健康保険組合が1日付で解散し、国が運営する政府管掌健康保険に移行していたことが9日分かった。高齢者の医療制度の見直しで負担が増し、運営が困難になったという。
京樽は牛丼チェーン吉野家ホールディングスの子会社で、京樽健保(89年設立)の加入者は扶養家族も含めて3500人。同社によると、08年度は前年度比2億円の負担増が見込まれ、「自助努力では、負担できないため」と、政管健保への移行理由を説明している。解散のための厚生労働相認可は8月8日に出ていた。
先月には運輸大手・西濃運輸グループの健保組合が解散している。高齢者の医療費をまかなう拠出金の負担増で、健保組合の解散が続く可能性がある。

朝日新聞

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中小企業の新健保、10月発足 財政基盤の強化急務

中小企業の社員らが加入する政府管掌健康保険(政管健保)を引き継ぐ全国健康保険協会(協会けんぽ)が、10月1日に発足する。政管健保は医療費の増大などから2007年度に赤字に転落。保険料率を引き上げなければ、財政の安定のために積み立ててきた「事業運営安定資金」が09年度に枯渇する。財政基盤に不安を抱えた新健保は発足当初から厳しい運営を迫られる。
高齢化で医療費が膨らんでいることに高齢者医療制度への拠出などが加わり、健保財政の悪化は構造的な問題になっている。安定資金の積立残高は07年度末に3690億円あったが、08年度末には1800億円に減少する見通し。保険料率を引き上げなかった場合、09年度の単年度収支は2700億円の赤字が見込まれ、安定資金は差し引き約900億円のマイナスに陥る。(07:00)

日本経済新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-14 17:38 | 経済状況

天下りはリトマス試験紙 ムダ・利権の温存とご都合型歳出削減 単純に天下りを無くせば良いわけではない

先日の記事で、次のように記載しました。

(転載開始)

「自民党総裁選 財政再建派と上げ潮派の出来レース 結局国民にツケを回すことに」

具体的には、今後の総選挙を考えた場合に、消費税増税をメインにすると票が取れない危惧があるため、「歳出削減」と「国債で負担を先送り」をミックスさせることになると思います。ですが、この流れで言うと、歳出削減は、国のムダ・利権を温存し、ある程度のバラマキの財源を握ったまま、弱いものからの収奪は相変わらずの、「ご都合型歳出削減」となる可能性があるのです。

弱いものからの収奪とは、自己責任の名の下に、たとえば健康保険、老人保険(名前が変わりましたが)、生活保護などを含めた社会保障のカット、があるでしょう。

加えて言うと、ドルの信用を中心とした金融システムの死守のために、いくらでもカネをつぎ込めるフリーハンドを手放さずに握りこんでおくことです。

もちろん、日本経済そのものを成長させることで国家財政状況を改善させること、一般会計・特別会計を含めた政府支出のムダをカットすることは、必要なことです。ですが、見せ掛けの議論にだまされないように、しっかりと監視していく必要があるのだ、と主張します。

(転載終了)

「政府(自民党)は、本気でムダをはぶき、アメリカにも意見を言い、日本と国民のための政策を考えているのか」というのリトマス試験紙として、先日の記事では、
・予算執行調査によるムダの指摘と節約額は、一般会計から見ると微々たるものであり、単なるポーズといわれても仕方ないこと
・会計検査院の機能強化が必要であるのに遅々として進んでいないこと
を挙げました。

本日は、天下りについても、ニュースから転載したいと思います。

・中央官庁出身の天下り理事を抱えていたのは、国が所管する公益法人6720法人のうち、3054法人(45%)
・公益法人の全理事14万4482人のうち、国家公務員出身の理事は6・4%の9288人
・うち8割以上の7584人が所管官庁からの天下り
・天下りが多いのは、国土交通省(2230人)、厚生労働省(1325人)、経済産業省(1160人)

(引用開始)

公益法人白書:45%に天下り理事

増田寛也総務相は9日午前の閣議で、08年度公益法人白書を報告した。国が所管する6720法人のうち、国家公務員出身の理事がいるのは約半数の3350法人。所管官庁から天下りした理事がいる法人は3054法人で、全体の45・4%を占めた。公益法人の全理事14万4482人のうち、国家公務員出身の理事は6・4%の9288人。うち8割以上の7584人が所管官庁からの天下りだった。
所管官庁から天下りした常勤役員のいる1918法人について平均年間報酬額をみると、▽400万~800万円未満=578法人▽800万~1200万円未満=483法人▽1200万~1600万円未満=448法人。2000万円以上も10法人あった。

毎日新聞 2008年9月9日 東京夕刊

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依然45%に天下り理事 国の公益法人、改善に遅れ '08/9/9

国が所管する公益法人(社団、財団法人)の45・4%に当たる三千五十四法人に、業務を所管する中央省庁出身の理事七千五百八十四人が天下っていることが九日、総務省が〇七年十月現在で集計した「二〇〇八年度公益法人に関する年次報告」(公益法人白書)で分かった。
前年同期の調査より、一年間で天下り理事は四百七十人減ったが、天下り先は五法人増えており、改善には程遠い状況がうかがえる。
省庁別の天下り理事数は、最多が国土交通省の二千二百三十人で、厚生労働省の千三百二十五人、経済産業省の千百六十人が続いている。
一方、無駄遣いの温床などと批判される、国所管法人に支出された中央省庁からの補助金や委託費などの〇六年度総額は、前年度より二百五十三億円減って三千五百二十四億円。支出先の法人数は三十三増えて九百六十三となった。
支出先の法人数が増えたことについて総務省は「政府の随意契約の見直しで、発注先が多様化した影響ではないか」と指摘している。

中国新聞

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08年度公益法人白書 45%に「天下り理事」

総務省は9日、2008年度の「公益法人に関する年次報告」(公益法人白書)を公表した。昨年10月1日時点で、国が所管する公益法人(社団、財団法人)6720法人のうち中央官庁出身の「天下り理事」を抱えていたのは45%にあたる3054法人。天下りの人数は7584人に上った。天下り理事は国土交通省(2230人)、厚生労働省(1325人)などが多かった。
政府は「所管官庁出身の理事数を3分の1以下」にする方針を示しているが、基準を上回った公益法人が160あった。今年8月14日時点では、3分の1超の法人はなくなったとしている。(09日 11:06)

日本経済新聞

(引用終了)

天下りによる、税金というリソースの無駄遣いは、厳しく指摘されるべきものです。

しかしながら、「天下りを根絶しても、結局は仕事が発生するために民間に外注しなければならず、民間としても利益を見込んだ対価を請求するために、それほどの人件費の節約にはならない」という意見もあります。

だからといって、税金というリソースを裁量の大きな状態で使い続けてよいとか、既得権益なので誰にも文句は言わせないといった思い込みは、間違っていることは言を待ちません。

一説によると、「国のために尽くした上級公務員には、天下りによって、1億円程度の報奨金を与えることになっている」と言われています。これまでの報道などから、給与の高い天下りポストに数年ついたり、天下りをいくつか転々とすると、おおむね1億円程度にはなるという状況証拠はありますが、もちろん、そのような規定はありません。

その可能性を否定できないのが悲しいところなのですが、まず、税金の使い方について、根本から考え方を改めていただく必要がありそうです。

先日の記事で、『歳出削減は、国のムダ・利権を温存し、ある程度のバラマキの財源を握ったまま、弱いものからの収奪は相変わらずの、「ご都合型歳出削減」となる可能性があるのです』
と書きました。国民に痛みを求める前に、国が、ムダ・利権をいったん全部手放し、バラマキの財源を手放す必要があるのだと思います。

こう書いていながらも、いろいろな国内の利権と圧力に翻弄され、国際経済のマネーの流れに飲み込まれ、そして、ドルシステムの胴元アメリカからの命令に抗いきれない、今の日本があるのだ、と思います。まず、こういった現状を認識することが必要なのでしょう。

たとえば、天下りを根絶したならば、その跡地に生えるのは、国際金融資本の息がかかった業者となるでしょう。税金が国内に還流せず、よりひどい事態になるのが見えています。単純に「天下りをなくせば良いではないか」という、簡単な問題ではないのです。

本当に日本の国の将来を考えたときに、暗澹なる気持ちになるのは、私だけではないと思います。
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# by kanconsulting | 2008-09-10 15:55 | 経済状況

フレディーマックとファニーメイ やはり日本が負担か

次の英文記事をご覧ください。

(引用開始)

Reuters Business Summary

Monday, September 8, 2008; 5:22 AM

China and Japan hail U.S. mortgage rescue as doubts linger

TOKYO/BASEL (Reuters) - China and Japan, the biggest buyers of Freddie Mac and Fannie Mae bonds, praised Washington for its rescue of the ailing mortgage giants, but investors had no illusions the bailout would end the global credit market misery. As battered financial stocks rallied and investors sold safe-haven bonds, analysts cautioned that the plan announced on Sunday was more a sign of the perilous state of the global financial system than of an imminent recovery.

(機械翻訳)

疑問が絶えないとき、中国と日本は米国の抵当救出を歓迎します。

バーゼル東京/(ロイター)--中国と日本(フレディーMacとファニー・メイ債券の最も大きい買い手)は患っている抵当巨人の救出のためにワシントンを称賛しましたが、投資家には、企業救済がグローバルな金融市場災いを終わらせるだろうという幻想が全くありませんでした。 強打された金融株が結集されて、投資家が緊急避難先債券を売却したとき、アナリストは、日曜日に発表されたプランがグローバルな金融システムの危険な状態の差し迫っている回復より多くのサインであると警告しました。

(引用終了)

中国と日本は、話題の抵当証券(のようなもの)の、最大のお客様のようです。ドル資産を運用する上において、アメリカ国債よりも利回りが良くて信用度がそれなりに高いもの、という位置づけだったのかも知れません。

投資家にとっては、(この程度の)救済措置で信用危機が収まるなどとは幻想だ、との記述もありますが、まさにそのとおりだと思います。救済するなら、膿を出し切った上で、とことん救済するのでなければ、「まだ損失が隠されているのではないか」という疑念が消えません。

そして、日本の持っている資金で穴埋めをする、というのが、ありそうなストーリーです。

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

米国発の世界危機防ぐ 米史上最大の企業救済劇
2008.9.8 01:28

【ワシントン=渡辺浩生】米政府が「米史上最大の企業救済劇」となる政府系住宅金融2社の公的管理を決断したのは、米国発の世界的な金融危機を未然に防ぐためだ。両社が発行する債券や住宅ローン担保証券は米内外の多数の金融機関が保有する。両社の経営危機は、損失を世界に拡散させて国際金融市場を混乱に陥れるのは必至だった。
両社は住宅ローン買い取りや債券発行を通じ、米住宅市場への主要な資金供給役を担ってきた。サブプライム問題の深刻化に伴い、ここ数カ月は両社の保有・保証ローンの割合が全体の70%にも上っていた。
しかし、株価は昨年のピーク時から90%も下落。資産劣化は著しく、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は今年4~6月期に、資産をすべて時価評価した場合に約56億ドルの債務超過が判明したほどだ。両社の経営危機で住宅ローン金利が急騰すれば、住宅市場の底割れも懸念された。
7月に成立した新法で公的資金注入の権限を得た財務省だが、大統領選を11月4日に控えて経済問題が最大の争点となる中、景気後退を防ぐためにも、これ以上の事態悪化は容認できないと判断したといえる。
今回の救済措置に、共和、民主両党の大統領候補は「株主や経営陣の救済でなれば、支持する」(民主党のオバマ上院議員)と条件付きで容認しているが、両社の今後については「分割民営化や規模縮小を伴う抜本的な改革が焦点」(エコノミスト)となる。

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米住宅金融2社救済、20億ドル注入
2008.9.8 08:52

【ワシントン=渡辺浩生】米政府は7日、経営危機に直面している米政府系住宅金融2社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディ・マック)の2社を国の公的管理下に置くと発表した。公的資金で両社へまず10億ドル(約1080億円)ずつ、計20億ドル(約2160億円)を資本注入する。2社の再建に政府が直接介入することで国際的な金融危機を阻止するとともに、米景気の一段の悪化を防ぐ狙い。
両社の監督機関として新設された連邦住宅金融局(FHFA)が両社を管理下に置き、経営責任を明確にするため、両社の最高経営責任者(CEO)を退任させ、再建を担う新経営トップを指名する。
公的資金注入の枠組みは最大1000億ドル(10兆8000億円)ずつ設定され、両社が発行した住宅ローン担保証券(MBS)買い取りも盛り込まれた。
会見したポールソン長官は「両社の経営破綻は米国や世界の金融市場の混乱を引き起こす」と強調し、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長も声明で「今回の措置は住宅・金融市場の安定に不可欠」と支持する声明を発表した。
両社は、米住宅ローン残高の半数に上る5兆ドル(約540兆円)超を保有または保証し、両社の発行する債券は世界中の中央銀行や金融機関が保有している。両社の経営破綻を回避するため、7月に公的資金注入策を盛り込んだ住宅関連法が成立していた。

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米住宅金融の優先株格下げ 「投機的水準」に
2008.9.8 12:31

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は7日、米政府系住宅金融大手、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の優先株の格付けを、ともに「トリプルBマイナス」からに「C」に引き下げたと発表した。
政府の管理下に置かれるため投機的要素が高いとされる水準となった。2社の債券は債務履行の可能性が高いとする格付けを維持した。ムーディーズ・インベスターズ・サービスも同日、優先株について同程度の格下げを実施した。(共同)

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情報BOX:米政府によるGSE救済策のキーポイント
2008年9月8日

[ワシントン 7日 ロイター] 米政府は7日、政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を政府管理下に置き、低迷する住宅市場と経済の支援に乗り出した。今回のGSE救済策は、米国の歴史上最大規模となる可能性もある。
救済策のキーポイントは以下の通り。

 ●米連邦住宅金融局(FHFA)が経営を引き継ぎ
ファニーメイとフレディマックは公的管理下に置かれ、監督当局であるFHFAが暫定的に経営を引き継ぐ。ファニーメイの新最高経営責任者(CEO)にはかつてメリルリンチと年金基金TIAA‐Crefのトップを務めたハーブ・アリソン氏が就任し、マッドCEOは退任する。フレディマックの新CEOには元USバンコープ幹部のデビッド・モフェット氏が就任する。
月曜日の朝、業務は通常通り開始される。両社のMBS、シニア債、劣後債の保有者にとってはより強い後ろ盾を得た形になる。 

 ●米財務省が最大1000億ドルまで優先株購入
米財務省は両GSEの資本維持、上級・劣後の債券保有者の保護、GSEのMBS市場安定のため上位優先株をそれぞれ購入する。
上級優先株は他のあらゆる優先株、普通株、両GSEが発行するその他の資本に対して優先される。毎年20億ドル以上の資本確保のため、既存の普通株と優先株の配当は停止される。劣後債の金利と元本支払いは継続される。
普通株と優先株の株主が損失を被ることはない。
財務省はまずそれぞれの上位優先株10億ドルを購入。同株は配当利回り10%で毎四半期に配当が支払われる。
政発行済株式の79.9%に相当する普通株の購入権が政府に付与される。2010年からは両GSEから四半期毎に手数料が支払われる。
財務省は最大でそれぞれ1000億ドルまでの上位優先株の購入が可能。この金額は、現在のGSEの財務状況の分析とは関連がない。
FHFAが債務超過と判断した場合、財務省は資産と債務の差額の資金を投入する。
上位優先株は投票権が付与されない。公的管理下では、すべての株主の投票権は管理人(政府)に帰属する。 

 ●財務省が市場経由で両GSEのMBSを購入
財務省は、市場の安定促進と住宅購入希望者の資金調達を容易にするため、市場経由でMBSを購入する。
来月中にも両GSEから50億ドル相当を購入する見込みで、適切と判断されれば追加購入する。 

 ●両公社と連邦住宅貸付銀行(FHLB)向けの新たな資金供給プログラムを創設
必要に応じて資金を供給する新たなプログラムを創設。これにより、両GSEとFHLB12行は2009年12月31日まで融資による資金調達が可能となる。
資金供給はニューヨーク連銀経由で財務省から直接実施される。金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に0.5%上乗せした水準に基づくが、納税者保護の観点から財務長官の裁量で決定され、変更の可能性がある。

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米住宅金融2社に分割論 2010年から資産削減へ

【ワシントン7日共同】ポールソン米財務長官は7日、政府管理の下で経営再建を進める政府系住宅金融大手2社について、2010年から年10%ずつ資産規模を削減する方針を示した。巨大金融機関が存続し続けることによるリスクを減らし、金融危機再発を防ぐためだが、将来の分割・解体を求める意見も強まっている。
長官は声明で、2社は09年末まではローン担保証券の買い取りを緩やかに拡大する考えを示した。住宅ローン担保証券の市場を安定させるとともに、ローン金利の上昇を防ぎ住宅購入やローン借り換えを促すためだ。
一方で住宅危機が克服され経営体力が回復した後の将来像については、長期的に業務を大幅縮小したり分割・再民営化するなどの再編が必要との声が噴出している。

2008/09/08 07:27 【共同通信】

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-09 12:37 | 経済状況

自民党総裁選 財政再建派と上げ潮派の出来レース 結局国民にツケを回すことに

まず、自民党の総裁選に関するニュースをご覧ください。

(引用開始)

自民4氏、経済政策で違い鮮明…景気・財政再建・税制
福田退陣・総裁選

自民党総裁選への出馬を4日に表明した与謝野経済財政相は、「財政再建論者」として知られる。
財政再建より景気対策を優先すべきだとする麻生幹事長との対立軸が鮮明となってきた。
小池百合子元防衛相や石原伸晃元政調会長を含め、税財政をめぐる立場や主張が異なる候補の選挙戦となり、選挙結果によって経済財政運営のありようが大きく左右されそうだ。
与謝野氏はかねて、消費税について「数%の税率引き上げが必要だ。歳入を確保しないともうやっていけない」と主張するなど、財政規律の維持を強く唱え続けてきた。
小池氏は、増税ではなく経済成長による税収増で財政再建を図る「上げ潮派」とされる。ただ、最近は、景気減速に伴う税収減が鮮明になり、「上げ潮」のシナリオは説得力に乏しい。このため、小池氏は小泉内閣の構造改革路線を維持すべきだとの主張を前面に押し出してくる模様だ。
石原氏も消費税率引き上げや安易な財政支出には反対の立場を取っている。政府・与党が8月にまとめた総合経済対策について、石原氏は4日、「福田首相は赤字国債を発行しない形で1兆8000億円の補正予算を準備した。非常にリーズナブル(理にかなう)」と記者団に語った。
これに対し、麻生氏は「財政の健全化はやらなければならないが、いつ、どうやってやるかは別の話だ」として、足元の景気対策を重視する姿勢を示してきた。2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するとの政府目標の先送りも唱えている。

意見の違う候補者たちが争う総裁選の勝敗は、今後の税財政の在り方を方向づける意味を持つ。政府・与党がまとめた総合経済対策も、新総裁の考え次第で修正される可能性がある。
仮に麻生氏が総裁になれば、年内にも予想される次期衆院選に向け、財政支出を拡大する形で対策を上積みする公算が大きい。その場合は08年度補正予算の規模が膨らみ、09年度予算編成も「歳出削減方針が見直され、歳出拡大路線に向かう」(財務省幹部)との見方が強い。
与謝野氏が総裁に就けば、経済対策に盛り込まれた定額減税の規模を抑えるほか、予算編成では、福田政権で掲げた歳出削減方針の堅持を図ると見られる。
消費税については、与謝野氏でも、衆院選を意識して早期引き上げを主張できず、将来の税率引き上げをにらんだ論点整理などを、党や財務省に指示するだけにとどまる可能性がある。

(2008年9月5日00時50分 読売新聞)

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http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2008090400954

3年で「日本経済復活」=財政黒字化目標凍結-自民・麻生氏が政権構想 

自民党総裁選への出馬を決めている麻生太郎幹事長の政権構想の骨格が4日、固まった。今後3年間を「日本経済復活重点期間」と位置付け、先に政府・与党で合意した所得税・住民税の定額減税や規制緩和策の推進を盛り込んだ。8日の出馬会見で発表する。
麻生氏の構想は、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を2011年度に黒字化する政府目標を事実上凍結するもので、4日出馬表明した「財政再建派」の与謝野馨経済財政担当相らとの間で経済政策をめぐる論争が活発化しそうだ。
今後3年間の重点政策には、住宅ローン減税のほか設備投資減税など成長力強化のための政策減税も盛り込む方向だ。(2008/09/04-22:04)

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日本経済を悲観的にみるのは間違い=与謝野担当相
2008年9月5日

[東京 5日 ロイター] 
与謝野馨経済財政担当相は5日、閣議後の会見で、けさ発表された4─6月期法人企業統計で企業収益や設備投資が悪化したことについて、原油・資源価格高の影響や米国・欧州・東南アジア経済の減速の影響を受けたものだとし、日本経済を悲観的にみるのは間違いだとの認識を示した。
2008年4─6月期法人企業統計では、設備投資(ソフトウエアを含む)は全産業で前年比6.5%減となり5四半期連続減少した。経常利益も前年比5.2%減で4四半期連続の減少となった。
与謝野担当相は「原油高や資源高などの価格上昇が大きく響いている。同時に、米国や欧州、東南アジアも必ずしも外需として十分な状況にない」ことを映していると説明。外需の弱さが、欧州や東南アジアにも広がっているとの認識を示した。
そのうえで、日本経済の先行きについては「企業収益の悪化や設備投資のスピードが鈍った状況は、時間の経過とともに、諸外国の経済が好転するにつれて自然と戻る。それを待つしかない。来年、諸外国の経済が好転するのを待たなければならない側面が強い」と述べたが、「日本経済を悲観的にみるのは間違いだ」と語った。

 <非ケインジアン政策が小泉改革の最大の功績>
与謝野担当相は4日、一転して自民党総裁選に立候補する意思を表明した。立候補を決意した理由について与謝野担当相は「党の存在が問われるような政治の危機がわれわれを襲っている。福田総理がやられたその後、体制を立て直して国民の期待に応えていくためには、古い形の派閥的選挙や政策抜きの談合的な総裁選びは避けなければならない」と語った。さらに「政治論議をきちんとするためには、私と同じような考えをしている方が党内外にたくさんいることを考えると総裁選に出馬して、私の考えを前面に出して、党の政策として実現するよう努力することが自分の責任だと思った」と説明した。
そのうえで政策論議では「経済政策、財政政策、税制、社会保障、安全保障、教育など、幅広く論じられなければならない」と語り、持論の財政政策のみに特化した政策論議ではないことを強調。
立候補を表明している麻生太郎自民党幹事長が財政積極論者であることに関しては論評を避けたが、「小泉改革の本質は非ケインジアンであって、非ケインジアンの考え方が小泉内閣が残した最大の構造改革で、最大の功績と考える」と述べ、暗に批判した。
正式な立候補表明は、政権構想を固めてあらためて行うという。自らの健康問題に関しては「不安はない。医師からも注意は一切ない」と語った。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)

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(画像も読売新聞より)

(引用終了)

さて、この記事を読まれた皆様は、どのようにお考えでしょうか。

「いろいろな政策を議論するのは、良いことでは」
「しっかりと議論して、日本のために良い総裁(首相)を選んで欲しい」
「今の日本が直面している問題について、ちゃんと考える、良い機会ではないか」
「景気回復優先なのか、財政再建優先なのか、よく考えて欲しい」

などと思われていることと拝察します。

また、読者の皆様も、「このブログでも、財政再建優先を支持するのだろう」などと思われているのではないでしょうか。私は、今の総裁選は、そのような簡単な構図ではない、と指摘します。
どういうことでしょうか?もう一度、麻生幹事長と、与謝野相のコメントをご覧ください。

麻生太郎 幹事長
・景気がそこそこいくようになってから財政再建
・消費税率を10%にして、基礎年金を税方式に
・11年度にプライマリバランス黒字化目標を先送りもありうる

与謝野馨 経済財政相
・日本の財政は持続可能ではない
・消費税を社会保障税にして、10%程度に引き上げ
・11年度にプライマリバランス黒字化目標はこだわる

「だから何だ。別にこれまでと同じではないか。 財政再建派と上げ潮派との議論は、今に始まったことではないではないか。」と思われるでしょうか。

「マジシャンズ・チョイス」という言葉をご存知でしょうか。観客が自分の意思で、選択肢の中からひとつ(トランプのカードなど)を選んだとしても、それはあらかじめ決めたカードを選ばされていたり、あるいは、何を選んでも結果は同じになるという、マジックの手法です。アメリカの二大政党制でも、どちらの政党から大統領が出ても、国民不在のシステムは温存され、国民生活は改善されない、という状況も、似ていると言えるでしょうか。

同じく、この総裁選のための議論は、ある一定の流れに沿って、仕組まれたものなのだと思います。もっというと、「国民生活のためを思って、議論していますよ」というポーズだということです。

自民党にとって、最大限避けなければならないのは、「野党になり、政権を失うこと」です。そのために、自民党は、民主党などの対立政策を取り込む形で、「財政健全化に留意しています。増税や歳出削減もやります」ということと、「景気回復に配慮します。ある程度のバラマキもやります」という、一見、矛盾したメッセージを送る必要があるのです。こうなると、他の野党との違いが、わかりにくくなります。変な話ですが、相反する二大政策メニューが自民党だけでそろう、ワンストップ政党、と言えるかもしれません。

私の読みでは、出来レースにおいては、魅力的な敵役を設定し、ギリギリのところで逆転勝ちを演出するか、に見せ所があるように思います。つまり、
・魅力的な適役=国民の嫌う増税もきちんと見据えた政策
・ギリギリのところで=与党内でギリギリまで議論を重ねて、○○派が勝つ
・マスメディアを使い、「政府は国の将来を考えて、よく議論した。」と評価させる

具体的には、今後の総選挙を考えた場合に、消費税増税をメインにすると票が取れない危惧があるため、「歳出削減」と「国債で負担を先送り」をミックスさせることになると思います。ですが、この流れで言うと、歳出削減は、国のムダ・利権を温存し、ある程度のバラマキの財源を握ったまま、弱いものからの収奪は相変わらずの、「ご都合型歳出削減」となる可能性があるのです。

弱いものからの収奪とは、自己責任の名の下に、たとえば健康保険、老人保険(名前が変わりましたが)、生活保護などを含めた社会保障のカット、があるでしょう。

加えて言うと、ドルの信用を中心とした金融システムの死守のために、いくらでもカネをつぎ込めるフリーハンドを手放さずに握りこんでおくことです。

もちろん、日本経済そのものを成長させることで国家財政状況を改善させること、一般会計・特別会計を含めた政府支出のムダをカットすることは、必要なことです。ですが、見せ掛けの議論にだまされないように、しっかりと監視していく必要があるのだ、と主張します。

ひとつ例を挙げましょう。下に引用した記事では、「予算執行調査は、予算査定担当者らが各事業の現場へ出掛け、無駄遣いがないか検証する・・・。08年度予算では調査で判明した無駄を見直した結果、約340億円の歳出削減につながった。」とあるように、節約額は微々たるものであり、単なるポーズであることが明白です。

また、会計検査院の機能強化が必要であることは、故石井こうき議員も指摘していましたが、遅々として進んでいません。こういったポイントを見ることで、「政府与党は、本気でムダをはぶき、アメリカにも意見を言い、日本と国民のための政策を考えているのか」という、リトマス試験紙になるのだと思います。

今後も注視していきたいと思います。

(引用開始)


http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080908AT3S0502I07092008.html

「無駄遣い排除」主計官を新設 財務省、09年度にも

財務省は国の予算の無駄遣いに国民の批判が強まっていることを受け、無駄遣いをチェックする「予算執行調査」担当の主計官を来年度にも新設する。主計官は予算づくりを仕切る課長級の花形ポスト。これまで執行調査は同省の内部調査的な色合いが強かったが、予算づくりの主力業務と位置付け、強化する。消費税引き上げも視野に入る中で無駄遣いの排除に積極的に取り組む姿勢をアピールする狙いもありそうだ。
予算執行調査は予算査定担当者らが各事業の現場へ出掛け、無駄遣いがないか検証するもので、2002年度から導入した。08年度予算では調査で判明した無駄を見直した結果、約340億円の歳出削減につながった。ただ節約額は約80兆円の一般会計予算からみれば微々たるもの。無駄遣い批判は強まるばかりで、調査の機能強化が課題となっている。(09:40)

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-08 19:47 | 経済状況

アメリカの経済状況は引き続き低調 ストックとフローの悪化 オスプレー・ファンドのクローズと資源価格

アメリカの経済状況についてですが、次のような報告があるようです。

・経済活動は引き続き低調な状態との判断
・住宅市場の不振が長期化
・個人消費の低迷
・原油高騰や食料価格の上昇を受けたインフレ圧力の高まり

住宅価格のようなストック(資産価値)が低く、失業やインフレによるフローの悪化のダブルパンチにより、個人消費の低迷は当然のことと言えるでしょうし、そこからの回復もなかなか難しそうです。加えて、信用収縮により住宅ローンの借り入れも難しく、住宅需要はまだ回復しないと見ています。

アメリカにおける自動車の販売台数も、芳しくないようです。同じく、庶民の手持ちの資産価値が減少し、失業の増加によりキャッシュフローが減少しているのに、借り入れを起こして車を買うような余力はありません。引用記事中には「もう底のはずだ」のような記載もありますが、希望的観測(ポジショントーク)でしょうね。まだ先のように思います。

ロイターの記事にもありますが、アメリカ経済は、景気後退(リセッション)に入ったも同然です。景気支援策は短期的な刺激に過ぎないですので、本格的な回復はまだまだ先、と言えそうです。

となると、気になるのが、原油などの動向です。世界景気減速による需要減は、資源価格の低下を引き起こしました。もともとの価格形成に、仮需によるゲタがありましたので、その上げ底がなくなるとともに、オーバーシュートするであろう、といったところです。
これにより、商品に投資していたファンドの破綻(本来の意味はクローズですが、実質的には破綻でしょう。ただしクローズの場合は、資金は戻ってきます)が出てきています。たとえば、クローズを発表した「オスプレー・ファンド」は、エネルギー・鉱山・資源株の損失により大きなマイナスとなっています。
ファンドの投げが一巡することで、オーバーシュートは終わるのだと思います。

このような状況がいつまで続くのか、分かりません。ですが、世界経済の成長性を考えたときには、今からじっくり投資を考える時期なのだと思います。

(引用開始)

FRB:「経済活動は低調な状態」--米地区連銀報告

【ワシントン斉藤信宏】米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、全米12地区の景気情勢を示す地区連銀報告を公表し、7月下旬から9月初めにかけての米国経済について「経済活動は引き続き低調な状態」との判断を示した。ほとんどの地区で住宅市場の不振が長期化しており、個人消費の低迷を指摘する地区も大半を占めた。ほぼすべての地区で原油高騰や食料価格の上昇を受けたインフレ圧力の高まりが見られた。
景気は多くの地区で「悪化している」と報告されたが、クリーブランドとセントルイスは「やや軟化」にとどまり、ボストン、ニューヨークは「安定の兆しが見られる」と報告。カンザスシティーはやや改善と報告した。

毎日新聞 2008年9月4日 東京夕刊

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大半の地区で経済活動ペースが低調=米ベージュブック
2008年 09月 4日 07:46 JST

[ワシントン 3日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が3日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、大半の地区で8月下旬までに経済活動のペースが低調となり、一部で商品・エネルギー価格の下落がみられた。
8月25日までの報告書は「経済活動のペースは大半の地区で低調となった」とした。
ほぼ全ての地区で、高エネルギー・食品・商品価格の物価圧力がみられたと指摘。ただ、一部の地域で、複数の鉱工業商品・エネルギー価格が下落、もしくは上昇ペースが減速したと述べた。
さらに、投入コスト高を背景に、多岐にわたる企業が販売価格を引き上げた。同時に、雇用が全般的に減速するなか、大半の地区で賃金圧力が穏やかとなった。
また、複数の地区で輸出が製造業活動を促進したことが指摘された。ただ、一部の製造業者は最近、輸出の伸びが鈍化しているとした。
報告書は、企業活動は「弱い」「軟調」もしくは「抑制されている」と指摘。
個人消費は大半の地域で軟調で、購買活動は主として生活必需品に集中している、としている。
住居用不動産の状況は全地域で弱まったか、もしくは依然軟調だった。ただ、カンザスシティー地区のみ小幅改善がみられた。
米経済は住宅市場低迷やクレジットひっ迫で景気後退入りの瀬戸際にあるが、政府の景気支援策などもあり、第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値伸び率は年率換算で前期比3.3%となった。ただ、多くのアナリストは、景気刺激策の効果が薄れるほか、ドル上昇や世界的な需要減退で輸出が低迷することから、下半期の成長は鈍化するとの見方を示している。

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「米経済は引き続き鈍化」FRBが連銀景況報告

【ワシントン=矢田俊彦】米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、7月下旬から8月下旬にかけての米景気を分析した地区連銀景況報告(ベージュブック)を発表した。
この中で、「経済活動は引き続き鈍化した」との総括判断を示し、前回報告(7月)に続いて景気減速が続いているとの認識を示した。
全米12の地区連銀別では、多くの地区が景気は「軟化」や「弱い」としたが、カンザスシティーが「わずかに改善」となったほか、ボストンとニューヨークは「安定の兆し」がみられると報告し、地域間での景況感の違いもみられた。
インフレについては、エネルギーや食料品価格の高騰で、ほぼすべての地区が「物価上昇圧力は続いている」と報告した。
消費動向は、家計の節約から買い物が生活必需品に集中し、ほぼ全地区で低調だった。特に、自動車販売の落ち込みが指摘された。住宅市場は、ほぼ全域で低調なままで、銀行融資も、住宅ローンや消費者ローンで需要が落ちた。
報告は、FRBが16日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)の参考資料となる。

(2008年9月4日10時26分 読売新聞)

(引用終了)

以下、自動車関連のニュースです。

(引用開始)

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCJC2249.html

8月の米新車販売台数は大幅減少、底入れ近いとの声も

デトロイト(ウォール・ストリート・ジャーナル)8月の米新車販売はまたも大幅減を記録した。だが、ガソリンの値下がりや新たな景気改善の兆候から、業界は底入れが近いと期待を膨らませている。
オートデータのまとめによると、8月の米新車販売台数は約125万台と、前年同月(約148万台)に比べて15.5%減少した。注目の集まる季節調整済み、年率換算ベースの販売台数は1370万台と、前月(1255万台)を上回ったが、前年同月(1630万台)は下回った。
米フォード・モーター(NYSE:F)のエコノミスト、エレン・ヒューズクロムウィック氏は、アナリストと記者団との電話会見で「これらは情勢がやや改善しつつあることを示す初期の兆し」と語った。その上で、ガソリン価格が1ガロン当たり約40セント低下したことや、米消費者信頼感指数の改善、米政府による4-6月期の実質国内総生産(GDP)伸び率の上方修正などに言及した。
別の電話会見で、米ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)の幹部らは、業界が「底入れしたか、底入れに近い」ことを示す兆候がみられる、と語った。GMの首席販売アナリスト、マイケル・ディジョバンニ氏は、消費者の「信頼感が改善している」とコメントした。
市場がこれ以上悪化しないとの業界の期待とは裏腹に、幹部らは、回復の兆候が表れるまでには依然として数カ月、あるいは数四半期を要する可能性もあると指摘する。
フォードのヒューズクロムウィック氏は、住宅・信用市場が持ち直すには「あと数カ月」かかる見込み、とした。また、GMのディジョバンニ氏は「経済が危機を脱したと勝利を宣言するにはかなり時期尚早」とした。
8月のGMの新車販売台数は30万7285台と、前年同月比20.3%減少したものの、ディジョバンニ氏によると、市場シェアは今年に入り最も好調だった。
8月のフォードの新車販売台数は同26.5%減の15万5117台。米3大自動車メーカー(ビッグスリー)に比べて善戦しているトヨタ自動車(NYSE:TM)(7203.TO)とホンダ(NYSE:HMC)(7267.TO)も大幅減となった。トヨタは同9.4%減の21万1533台、ホンダは同7.3%減の14万6855台。米クライスラーは同34.5%減の11万0235台と、減少率が最も大きかった。

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米新車販売台数:15.5%減 ビッグ3は2割超減--8月・前年比

【ワシントン斉藤信宏】米調査会社オートデータが3日まとめた8月の米新車販売台数によると、業界全体の販売台数は、前年同月比15・5%減の124万9532台と10カ月連続で前年実績を下回った。ガソリン価格が落ち着きを取り戻しつつある中でも伸びず、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に伴う景気後退への懸念から消費者が買い控え傾向を一段と強めていることが裏付けられた。
特にスポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップトラックなど小型トラック部門の落ち込みが深刻で、同22・1%の大幅減となった。
首位のゼネラル・モーターズ(GM)は同20・1%減の30万5782台(欧州ブランド車を除く)、3位のフォード・モーターも同25・5%減の15万448台(同)といずれも2割超の大幅減。ビッグ3の販売減に歯止めはかかっておらず、経営不安は解消されそうにない。日本勢では、トヨタ自動車(2位)が同9・4%減の21万1533台、ホンダ(4位)も同7・3%減の14万6855台といずれも低迷した。日産自動車(6位)は同13・6%増の10万8493台と好調を維持し、5位のクライスラー(同34・5%減、11万235台)に迫った。
7月は日本車メーカー8社の販売シェアがビッグ3のシェアを初めて上回り国別の月間トップに躍り出たが、8月はビッグ3が45・3%と日本車(42%)を上回り、再逆転した。

毎日新聞 2008年9月4日 東京夕刊

(引用終了)

以下、オスプレーのヘッジファンド閉鎖に関連したニュースです。

(引用開始)

http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200809040051.html

オスプレーのファンド閉鎖は序幕、さらなるファンドが続く公算も
2008年9月4日

[ロンドン 3日 ロイター] 米資産運用会社オスプレー・マネジメントによる旗艦ヘッジファンドの閉鎖は、今後、同種のファンドの閉鎖が続く可能性を示唆するものだ。商品相場の下落と金融関連株の急伸は、非流動性ポジションを持つファンドを窮地に陥れている。
5年間続いた商品相場の高騰は、投資機会を探っていた投資家の資産と多くのヘッジファンドを勢い付かせた。
しかし、経済成長ペースの減速に伴い資源需要の減少懸念が強まるなか、商品相場とエネルギー価格が下落に転じ、多くのファンドマネジャーは相当の打撃を被った。
投資家は可能な限り早期の資金の引き揚げを模索しており、非流動性ポジションを保有するマネジャーらは多大な困難に直面している。
あるファンド・オブ・ヘッジファンドのマネジャーは「さらなる困難に見舞われるだろう」とし、「非流動性ポジションを持つヘッジファンドは、四半期の償還が問題だ」と述べた。
オスプレーは2日、資産の20%は非流動性であり、投資家に分配するまで最長3年を要する可能性があると述べた。
RABキャピタルのヘッジファンド、RABスペシャル・シチュエーションズは、すでにパフォーマンスに問題があらわれている。このファンドの投資対象である小型資源株は、大型株に比べて売却が難しい。
同ファンドの価値は年初から8月21日までに38.1%下落した。
商品相場の下落が中長期的なものになれば、問題は深刻化する公算が大きい。
スタンダード&プアーズ(S&P)ファンド・サービシズのファンド調査ディレクター、ランダル・ゴールドスミス氏は「前年下期は一方向への賭けだった」とし、「商品相場は現在、急速に修正している。これにより、相当なダメージが及ぶ可能性がある」と述べた。
その上で「商品にまとまったポジションを持つヘッジファンドが存在する。実際に弱気相場になれば、多くのヘッジファンドが困難に陥るだろう」と述べた。 
とりわけ、商品相場の上昇と金融関連株の下落の双方に賭けていたヘッジファンドのダメージは大きい。
この数年間、大幅に上昇していたFTSEの鉱山株指数は6月末から9月1日までに21.7%下落した。一方、銀行株指数は投資家の安値拾いが入り、12.4%上昇している。 

(Laurence Fletcher記者;翻訳 山口 肇)

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http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK018187020080903

〔クロスマーケットアイ〕原油急落で資金フローに変化か、ファンド破たんでポジション繰りに影響
2008年 09月 3日 14:47 JST

[東京 3日 ロイター] 3日の東京市場は株式、債券ともに様子見気分が強い中で目立った動きはみられない。市場では、昨日、大きな値動きをみせた原油価格CLc1と米ダウ平均株価.DJIについて、新たな材料が出たわけではなく短期筋のポジション繰りが一因との見方が出ており、参加者は予想外の値動きに身構えている。商品に投資していたファンドが破たんしたことで、さらなるファンド破たんによるポジション閉鎖が予期しない相場の動きを演出しかねない、との警戒感も広がっている。原油下落がマネーフローに与える影響に目を凝らす展開がしばらく続きそうだ。

 <ドルと円を一斉に買い戻し>
為替市場では午後に入って、ユーロや豪ドル、NZドルなどが一斉に売られた。ドルや円を買い戻す流れが強まった。
ユーロ/ドルは一時1.4426ドルまで下落、7カ月ぶりの安値を更新した。米原油先物価格が一段安となっていることや、ドルの全面高の流れを受けた。英ポンドやNZドルにも売りがでたことから、対ユーロでもドルの強さが際立ったという。ドル指数.DXYは78.310を上回り、10カ月ぶりの高水準となった。ユーロ/円は3月期末の終値水準だった157円前半を下回ってきたことで一段と売りが強まる可能性を指摘する声が出ている。期末安値を下回ると国内投資家などを中心に「一段の円高対策としてヘッジをかける動きが出やすくなり、結果として売り圧力がさらに強まる」(外銀)という。
豪ドルも一時0.8251ドルまで下落し約1年ぶりの安値を更新した。短期筋とみられる参加者から豪ドルにまとまった売りが出たとの観測がある。対円では一時89.71円まで下落し、約半年ぶりの安値をつけた。
午後になって動きが激しくなったが、特段、新規材料は出ていないという。市場参加者によると、昨日、値幅が大きかった原油やダウ平均などと同様、短期筋がポジションを閉じる動きを強めたことが背景、という。

 <見えないポジション繰りへの不安>
ポジションクローズのきっかけとして、市場で話題になっていたのは商品に投資していたファンドの破たんだ。資産運用会社オスプレー・マネジメントは2日、傘下の「オスプレー・ファンド」の閉鎖計画を明らかにした。同ファンドの8月の運用成績は、エネルギーや鉱山、資源株に損失が発生したことでマイナス27%となった。同ファンドにはリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)が出資していたことも話題を呼んだ。
ある関係者によると、同ファンドの8月1日時点の投資額は28億ドル。オスプレー・マネジメントは同ファンドの他にも特別目的ファンドなど総額40億ドル以上の資産を運用している、という。
ペイデン&ライジェルの株式ストラテジー責任者、クリス・オーンドーフ氏は「多くのヘッジファンドの今年の運用成績がマイナスだ。これを皮切りにファンドの閉鎖が続くだろう」と話している。

 <国内株、ミューチュアルファンドの解約懸念も>
株式市場では日経平均.N225が小反発。相変わらず様子見気分が強いが、ドル/円が108円台後半の円安水準に振れたことや、原油価格の下落を好感した買いが入った。原油安メリットを受ける紙・パルプ、電力などのセクターの上昇が目立っている。
「海外勢の一部からは9月中間期末の配当取りを狙う資金も入っているが、10月以降はミューチュアルファンドの解約懸念などもあり、海外勢の買いが本格的に膨らむ環境ではない」(東海東京証券エクイティ部長の倉持宏朗氏)という。
ハリケーン「グスタフ」によるエネルギー産業への被害が限定的との見方から、原油価格は5カ月ぶりの水準に下落したが、ハリケーンの影響に関する懸念が後退するにつれ、景気減速によるエネルギー需要の減退という原油安の別の側面が意識されている。「目先は米雇用環境に不安が残る。5日の米雇用統計発表を控え、週後半にかけて手控えムードが強まりそうだ」(大手証券)との声もある。
大和住銀投信投資顧問チーフストラテジストの門司総一郎氏は「国内の政局に関心が集まってはいるが、市場を左右するのは引き続き海外要因だ。9月半ばからのリーマンやゴールドマン・サックスの決算については、すでにアナリストによる下方修正が相次いでいる。これらの決算を受けて悪材料出尽くし感から反発するのか、弱気センチメントが10月のメリルリンチやシティの決算発表まで続くのか注視したい」と話す。

 <円債市場では戸惑いも>
円債市場も小じっかり。前日の10年債入札を無難に終えた安心感や米債高の流れを受け、朝方は買いが先行。先物は138円46銭まで上昇した。しかし一段の買いを手がけるには材料不足で、上値が重いとみる向きの戻り売りもあり徐々に上昇幅を縮めた。
現物市場は長期ゾーンを中心にしっかり。国債大量償還や下期の残高積み増しに向けた買いを支えに、10年最長期国債利回り(長期金利)は4.0bp低い1.450%まで低下したが、その後はもみあい。
国内証券筋は「株高と債券高が同時に起こったり、日米の金利差が縮まっているのになかなかドル/円が円高に振れないなど、これまでとは違う資金のフローとなっている。債券市場でも株価動向や金利差、またはインフレといったテーマから目線が離れてきているが、一方で何をメーンテーマにしたらいいのかをつかめず、参加者としてはなかなかポジションを傾けられない状況だ」と話す。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:宮崎 大)

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33588020080904

原油下落でも株に資金流入せず、世界的な景気後退に焦点
2008年 09月 4日 15:59 JST

[東京 4日 ロイター] 原油価格が下落している中で、世界の主要市場で株価がさえない。原油価格下落による経済へのメリットよりも、世界経済の後退危機にマーケットの関心が集まってきているからだ。
対照的にマネーが流入している債券市場は堅調。その中で4日の円債市場だけが商品投資顧問業者(CTA)の国債先物売りに影響され、長期金利が1.5%台へと上昇している。

<米欧株安、日本にも波及>
米原油先物は4日、ハリケーン「アイク」がカテゴリー4へと勢力を強めたことで1バレル=109ドル後半に上昇しているものの、最高値の148.13ドルから約25%も下落した水準で推移している。原油高によるコスト上昇に悩まされた先進各国にとって、原油価格の下落は「朗報」のはずだが、マーケットの反応は単純ではなかった。
3日の米株式市場は、ダウだけは前日比15.96ドル上昇の1万1532.88ドルと上がったものの、ナスダックは同15.51ポイント安の2333.73ポイント、S&P総合指数も同2.60ポイント安の1274.98ポイントへと下げた。
4日の日経平均も反落し、午後は1万2600円台を割り込んだ水準で取引されている。

 <原油安は新興国の景気後退が要因との声>
市場では、内外の景気動向や米金融システムなど懸念材料が多い中で「商社、鉄鋼などに大口のバスケット売りが出た。商品市況の下落などを受けて資金繰りが悪化した海外ファンド勢がポジション調整売りを出している」(大手証券エクイティ部)との見方が出ていた。一部には米系年金の売りも出ているとの声もあった。
「多少含み益を持っていた実需筋の投資家が、先物の仕掛け的な売りをきっかけにロスカットの売りを加速させている可能性がある。市場は原油など商品価格の下落に対し、新興国を中心とした世界的な景気悪化が要因になっているととらえているようだ」(明和証券・シニア・マーケットアナリストの矢野正義氏)との指摘もある。
ある外資系証券の関係者は「本来なら原油安は格好の株買い材料だが、マーケットはしばらく前から世界的な景気後退リスクに目が向き始めた。原油安はこの先の世界的な景気後退の先触れとの見方が広がっている」と話す。
邦銀関係者の1人は「原油安で株にマネーが来ると見ていた向きは、あてが外れた格好だ。しばらく海外勢のマネーも日本株には入ってこないだろう」とみている。

 <米金融への不安感も株売りに>
海外勢の売り一巡後は急速に下げ渋ったが、今月半ばから始まるリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)、ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)など米投資銀行の決算を控えて警戒感は強い。
4日の株式市場では、英タイムズ紙が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の三菱東京UFJ銀行について、米証券大手リーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)への出資に関心を示していると伝えたこともネガティブ材料にされた。「長期的にみれば海外展開への足がかりをつかむいい投資機会だが、目先はリーマンの財務状況がつかみにくく不安心理につながりやすい」(中堅証券)との声が出ている。

 <CTAの投げ、日本国債現物・先物とも急落> 
一方、世界的にマネーは国債にシフトする傾向をみせ、3日の米債市場では10年米国債利回りは3.7027%と4カ月ぶりの水準に低下した。そうした中で、4日の円債市場だけが大幅な国債利回りの上昇に直面した。国債先物9月限は一時、前日比1円を超す下落となって137円33銭まで急落。長期金利も一時、1.515%まで上昇した。
市場では、国内普通社債(SB)や地方債、財投機関債などの起債が相次いだことから需給に対する不安感が浮上。「スワップ市場で銀行などからヘッジ(損失回避)目的の払いが出たことがきっかけ」(邦銀)になったとの見方が出ている。
また「現物中期ゾーンに銀行勢からまとまった売りが出たのではないか」(国内証券)との声も聞かれた。
複数の市場筋によると、9月10日の売買最終日を控えて割高な状況が続いていた国債先物に対し、ロングポジションを積み増してきた商品投資顧問業者(CTA)がポジション解消を急いでいたという。
別の邦銀関係者は「円債市場の動きは、CTAのポジションに絡んだ特殊な振れだ。世界的には原油やその他の商品売り/ドル買い、株売り/債券買いの動きがこの先も続きそうだ。豪州の景気後退や利下げは、そうした見方が正しかったとマーケットでは受け止められている」と述べている。 

(ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 内田 慎一)

(引用終了)

以上
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# by kanconsulting | 2008-09-04 22:02 | 経済状況

福田首相退陣表明 その意図は?

本日はこのニュースでもちきりですが、福田首相が退陣を表明しました。突然の表明に、「これは、何かがあったのだな。」と思ったしだいです。

政治の世界の発表事は、すべて出来レース。言葉が悪ければ、事前に計画されたものだと思います。

詳細は、今後調査したいと思っております。

【9/2追記】

副島隆彦の学問道場から引用します。

(引用開始)

http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi

「967」 福田首相の辞任の報を受けて冒頭に加筆します。副島隆彦 2008.9.2   

2008年秋の「囲む会」自力主催講演会のお知らせ。 政治と金融の最新情勢について歴史ある、三宅坂の社会文化会館で語ります。2008.8.28

副島隆彦です。今日は、2008年9月2日です。 冒頭に加筆します。 福田康夫首相が、昨晩、9時ごろ辞任しました。10時ごろに記者会見がって、辞任の表明をしました。 町村信孝官房長官は、憮然として、麻生太郎・自民党幹事長との三者会談の席を立ち、会議室から出たところの映像では、「首相が勝手に決めたのだから、それでいいでしょう」と不愉快そうであった。
私は、福田首相という人は、立派な人だと思う。政治家として、一度も国民におかしなことをしない、誠実な人間だと分かっていた。今もこの考えに変わりはない。直接、お話したことはないが、政治家の資金集めのパーティとかで、近くから演説している様子をじっと見ていて、そのまじめさがよく伝わってきた。

(中略)

福田首相のような生来の善人で、誠実な人柄で、そう長いことは、政権を維持できないことは私は分かっていた。そして、今の首相(総理大臣)は、きっかり一年ずつの、交替制の国家になってしまっているのが、今の日本だ。 6年間も居座った悪人(更には、悪魔にまでなった)で、アメリカの手先だった、小泉純一郎が例外となる。 次は麻生太郎だろうが、彼は、おぼっちゃんで、誰でも見ていたら分かるとおり、「頭が軽い」人だから、年内に総選挙(衆議院選挙)をやって、それで、負けて退場するために使われるだけの人だ。
私は、日本国民にとって、一番大事なことは、政権交代だとずっと思ってきた。このことは、考え深い日本人で、地道に生きてきた人なら、誰でも分かることだ。 なんとしても、自民党を政権から引き釣り降ろして、民主党の政権に代えなければならない。
そうしないと、日本国が危ない。迫り来る、アメリカ発の、アメリカの金融崩れから起きる世界恐慌に国家として立ち向かう準備が出来ない。

今の日本の悪の集団である、官僚(高級公務員、およびそのOBの天下りたち) たちによる支配を叩きつぶすためには、政権を変えなければいけない。今の民主党の若い、経験のない、ひ弱な政治家たちでは、政治は大混乱になるだろう。それでも構わない。
あくまで、私たちは、何があろうが、小沢一郎が率いる、民主党を、今は、応援して、自民党政治(官僚どもと、アメリカがあやつり放題だ) を終わらせなければならない。 

(中略)

福田首相は、昨晩の最後の記者会見で、「私は、(あなたたち新聞記者たちとは違って)先が見通せる人間なんですよ」と、気色(きしょく)ばんで、反論したそうだ。私は、この福田康夫の気持ちと考えが手に取るように分かる。福田首相は、自民党はもう終わりなのだ、終わりにすべきなのだ、日本国民のために、自民党(と官僚たち)という古い政治支配のしくみを壊さないといけないのだ、と、長年、現場にいて、知り抜いている人だ。

(引用終了)

福田首相が善人(政治家に善人というのはありえるのでしょうか?)であったかどうかは、私には分かりません。ただ、あの一種独特の皮肉は、苦悩の表現だったのかもしれない、ほとんどアメリカの言いなりにはなりながらも、最後の最後で屈服しなかったのかも知れない、とも思います。金目のものは全部出せ、さもなくば、辞めるか、退場させられるか(病気、自殺)、といった、すさまじい圧力がかかっていたのだと思います。

この後、「福田首相は、何に屈服し、何に屈服しなかったのか」という全貌が、少しずつ明らかになっていくのだ、と思います。具体的には、ドルシステムを防衛するために、日本の資金をどの程度貢ぐのか、という話です。

こう書くと、「またアメリカ陰謀論か。」と思われるかもしれません。しかし、これまでに何度も書いていますように、金融システムが信用収縮から回復するのには、どこかからお金を引っ張ってくる必要があるのです。そして、「弱いものから巻き上げる」のが、一番手っ取り早いというのも、歴史が教えてくれるところです。

ドルシステム=ドル基軸通貨による金融資本主義が崩壊すると、日本も道連れです。先日に記事にしましたが、「ドル防衛に関する日・米・欧の秘密協定」がこの時期にリークされたのも、偶然ではないと思います。日本の財務大臣や次官が、電話で呼びつけられて、これくらいは出せるか、どの程度なら出せるのか、と怒鳴りつけられている情景が目に浮かぶようです。

副島隆彦は、『アメリカからの激しい、金融崩れで、アメリカは、日本が貸し込んでいる 600兆円(5兆ドル)のお金を一円も返さないつもりだ。・・・厚生年金も、国民年金も、共済年金も、それらの資金の運用先をアメリカにしてあるので、「元本吹き飛ばし」にあって、まず、3分の1ずつに削られて、それだけしかもらえなくなる。』と書いています。さもありそうな話です。

関連するニュースを引用します。

(引用開始)

福田退陣ドキュメント…官邸から一斉電話、自民幹部も絶句

突然の退陣表明だった。
1日午後8時過ぎ、与党幹部や閣僚らに、首相官邸から一斉に電話連絡が入った。「福田首相が9時半から記者会見をします。内容は分かりません」
電話を受けた茂木行政改革相は「突然の記者会見なら、いい話でも悪い話でも、すごい内容だろう。悪い話のほうなら、それは一閣僚のことではない」と、辞意表明が頭をよぎった。だが、日中の災害対策本部会議では普段とまったく変わらない様子だった。
「安倍前首相の時は予兆があったが……」。半信半疑で記者会見を待った。
午後8時50分、首相のそば近く仕える「身内」の岩城光英官房副長官は、表情をこわばらせて官邸に駆けつけた。
「一度官邸を出たが、『急いで戻ってくるように』と言われた。(記者会見の)内容は分からない」
8月に就任したばかりの塩谷立官房副長官は、地元・静岡県から急きょ上京したが、記者会見には間に合わなかった。
自民党本部にも、午後10時過ぎから幹部が続々と集まった。
首相と同じ群馬県出身の笹川総務会長は、「自分の理想通り、国会を運営したいというところもあったのだろう。なかなか国会召集一つにしても、首相の思うようにはいかなかったからなあ」と首相の心情をおもんぱかった。
大島理森国会対策委員長は、「国対委員長として十分な仕事を……。貢献できなかったことに……」と繰り返し絶句し、「ともかく、無念至極でございます」と続けた。
ただ、安倍前首相を思い起こさせる突然の辞任が国民の反発を招くのではないか、との不安も消えない。特に、首相が「私自身は自分を客観的に見ることができる。あなた(記者)とは違う」と言い放った態度は、強烈な印象を与えた。
「あの記者会見は、今後、尾を引くぞ。国民を敵に回したんじゃないか。逆切れ辞職じゃないか」。自民党幹部はうめいた。
民主党は、次期衆院選という“決戦の場”を前に首相が自ら政権を投げ出す形となったことを、「好機到来」と歓迎している。山岡賢次国会対策委員長はBS番組に出演し、「倒れた人にむち打つようだが、はるかに攻めやすい。政権としての体をなしていない。直ちに政権交代して頂いたほうが、自民党を立て直すためにもいい」と冗談交じりに話した。
記者会見を終えた首相は、官邸から首相公邸に歩いて引き揚げた。記者団から、「政権を投げ出したという批判もありますが」と問いかけられたが、目もくれず無言のまま立ち去った。

(2008年9月2日02時13分 読売新聞)

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UPDATE1: 自民党総裁選への立候補、何も考えていない=与謝野経済財政担当相
2008年 09月 2日 12:21 JST

 [東京 2日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は2日の閣議後会見で、福田康夫首相の突然の辞任表明を受けて近く行われる自民党総裁選への出馬について「私自身は何も考えていない」と述べた。衆議院議員に初当選してから「一度も考えたことはない。今もそういう状況が続いている」とも語り、出馬に否定的な考えを示した。 

 <麻生幹事長、財政健全化目標年度先送り発言は軌道修正>
最有力とみられる麻生太郎自民幹事長については「立派な総裁候補者であると思う」と評価。麻生幹事長が一時、基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年度先送りに言及していたことに関しては「麻生幹事長も若干の軌道修正をしていると思う。(発言は)先送りできないかとの疑問符付きの発言で、今は(先送り)できないとわかっておられる」と述べ、財政健全化のスタンスは堅持されているとの見方を示した。
そのうえで新しい首相には(1)財政再建の道筋をつける、(2)社会保障制度を持続可能にする。そのための国民的理解を得る、(3)原油高などへの激変緩和措置の実行、(4)国際競争力強化、(5)食料自給率50%を目指す──ことなどを期待するとした。 

 <放り出したのではなく、内閣の寿命>
首相の辞任表明については「相当びっくりした」としながらも「一晩明けてみると危機感があって、淡々と受け止めてやっていかなければならない。平らな気持ちになっている」との心境を語った。また、局面展開で国政の進展を狙った福田首相の辞意表明に理解を示した。
政権放棄との批判には「内閣は生き物と一緒で、ある日パタッと命がなくなることがありえる。放り出すというより、内閣としての寿命がきたと私は思う」と弁護した。
新しい総理総裁でも国会のねじれ現象は変わらず国会運営の厳しさは変わらないが、与謝野担当相は「民主党次第だ。(民主党が)どんな話にも応じない古典的な抵抗政党の政治手法をとっている限り、政治はこう着状態に陥る」と述べ野党の動きをけん制した。 

 <補正予算の早期成立に期待>
政治空白が生じることによる景気への影響については「民主党はもともと29日まで審議に応じないとしていた。政治空白を最初に発生させたのは民主党だ」と反論。
先週末策定した総合経済対策や、実行のための補正予算案の臨時国会での成立について「日本経済、国民生活にとって大変重要だ」と述べ、早期の補正予算の成立に期待を示した。
そのうえで、衆院解散・総選挙が現実味を帯びることで懸念される歳出圧力にも「選挙に勝つために歳出増を求めることは、良識ある自民党にはない」と語った。

ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)

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陳謝に追われる自民党議員、“ポスト福田”動き本格化

福田首相の突然の辞意表明から一夜明けた2日、自民党議員は国民への陳謝に追われる一方、「ポスト福田」選びに走り出した。
菅義偉・前総務相は2日朝、横浜市内で街頭演説し、「心からおわびします。政治空白を最小限にとどめて、開かれた総裁選を行い、新しい総裁のもとで信頼回復に努めます」と述べ、通行人に頭を下げた。
河野太郎衆院議員はTBS番組で、「景気対策をしっかりやらなければならないのに、首相がさっさと逃げるのはあまりにも無責任だ。2代続けて、こんな風に投げ出すことになって、本当に申し訳ない」と、陳謝を繰り返した。
一方、福田氏後継の最有力候補と目される麻生幹事長は2日朝、硬い表情のまま、都内の自宅を出て、無言で公用車に乗り込み、自民党本部へ向かった。
小池百合子・元防衛相は2日朝、都内の自宅前で待ち受ける記者団に「おはようございます」。出馬の意向を問われ、「日本の危機」を強調した。
昨年の前回総裁選で麻生氏を支持した鳩山邦夫・前法相はテレビ朝日番組で、「21世紀、22世紀の日本はかくあるべしという理念が聞かれるような総裁選にしなければならない。麻生氏が楽勝するような選挙であってはいけないが、いろんな議論が出て、その結果、麻生太郎が勝つのがベストだ」と述べ、麻生総裁が望ましいと強調した。
一方、麻生氏に批判的な自民党有力者は都内で記者団に「小泉改革の継承者を誰か出さないといけない」と語り、麻生氏の対抗馬擁立を目指す考えを示した。
自民党の各派閥は幹部が集まり、対応を協議した。
町村派幹部は都内で記者団に「今回は自主投票になるだろう」と語った。麻生派は都内の事務所で幹部らが断続的に協議し、麻生氏を支えていくことを確認した。津島派は都内の派閥事務所に額賀福志郎会長代理ら幹部が集まり、協議を続けた。
ただ、党内には「福田氏の無様な辞め方を打ち消すため、開かれた総裁選を派手にやった方がいい」(若手)との声が強まっている。
甘利明・前経済産業相は2日朝、都内で記者団に「派閥次元で拘束をかけて決めるというような戦いをしていたら、自民党は再生しない。自分が信ずる人、日本の将来を託せる人を心のままに皆が応援するという選挙にしないといけない」と指摘した。
福田首相が辞任の一因としてあげた民主党の国会対応を批判する声も上がった。
伊吹財務相は2日朝、都内の自宅前で記者団に「民主党も福田氏の気持ちを少しはくんで、(参院で)審議せずに60日間引っ張るということだけはやめてほしい」と語気を強めた。
公明党は2日朝、党本部で臨時役員会を開き、総裁選の行方を見守る方針を確認した。

(2008年9月2日11時30分 読売新聞)

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2008-09-02 02:34 | 経済状況

日本・アメリカ・ヨーロッパがドル防衛の秘密協定 やはりドルは基軸通貨なのか

コメント欄にも指摘がありましたが、アメリカドル(以下、単にドル)の防衛に関する秘密協定があったようです。

(引用開始)

日本経済新聞

日米欧、ドル防衛で秘密合意 3月の金融危機時

米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけにした米金融不安でドルが急落した今年3月、米国、欧州、日本の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密合意していたことが明らかになった。ドル暴落で世界経済に大きな混乱が広がるのを回避するためで、為替市場の安定に向けた緊急共同声明も検討された。米ブッシュ政権はかねて介入に慎重姿勢を貫いてきたが、深刻なドル離れで方針転換を余儀なくされた格好だ。米国主導のドル防衛策は過去にほとんど例がない。米住宅公社の経営問題などでドル不安はなおくすぶっており、各国当局が再び連携を探る可能性がある。
複数の国際金融筋によると、各国当局がドル防衛策の詰めの作業に入ったのは、米証券大手ベアー・スターンズの経営危機が表面化した3月中旬。金融システムの動揺が収まらず、世界的なドル安、株安に歯止めがきかなくなっていた。(07:00)

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朝日新聞・ロイター

協調介入の秘密合意との報道については「ノーコメント」=篠原財務官
2008年8月28日

[東京 28日 ロイター] 篠原尚之財務官は28日、財務省で記者団に対し、日米欧当局が3月にドル防衛のため、協調介入で秘密合意したとする一部報道について「ノーコメント」とした。
そのうえで財務官は、日本の為替政策に変更はないとの認識を示した。
28日付の日経新聞朝刊は、米金融不安でドルが急落した今年3月、米国、欧州、日本の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密合意していたことが明らかになった、と報じた。
同紙は、複数の国際金融筋の話として、ベアー・スターンズの経営危機が表面化した3月中旬、ドル安に歯止めがきかなくなっていたため、米国の意向を踏まえて3月15、16日の週末を使って、為替政策を担当する米・日両国の財務省、欧州中央銀行(ECB)などの当局者が断続的に電話で緊急協議を実施し、ドル買い協調介入の進め方などを協議したとしている。

(引用終了)

一般的に、政治・経済のニュースは、世論を誘導したり、反応を見ようとする意図で流されるものです。ごく一部のニュースを除けば、真に語るべき内容を持っていないと言えるでしょう。

ちなみに、「ノーコメント」とは、「大人の事情で言えないが、汲んでください。(≒その通りです)」という意味であることは、ご存知と思います。

さて、今回のニュースの裏を取って見ましょう。CNBCでは、次のようになっています。

(引用開始)

US, Europe, Japan Planned Dollar Rescue: Report

The United States, Europe and Japan planned joint intervention to rescue the dollar when it was plunging in March at the time U.S. investment bank Bear Stearns collapsed, the Nikkei business newspaper reported.

Officials from the U.S. Treasury Department, Japan's Finance Ministry and the European Central Bank reportedly drew up a currency contingency plan over the weekend of March 15-16, the Nikkei said, citing sources familiar with the situation.

An international financial source with knowledge of the discussions told Reuters that foreign exchange authorities from the three were in close contact at the time and discussed joint intervention if the dollar's fall intensified.

Analysts said even though a rescue never took place, any such agreement on intervention would be important in the future if the dollar were to tumble again or other exchange rates move very sharply.

(引用終了)

このように、日本の日経が第一報とのことです。このような重要な秘密協定が、アメリカの従属国である日本からリークされるということは、単なる偶然ではなく、「日本はドルシステムを死守します」という宣言なのかも知れません。

ちなみに参加者は、
Officials from
・the U.S. Treasury Department
・Japan's Finance Ministry
・the European Central Bank
ということになっています。たぶんに政治的な決断ということができると思います。

ついでに、contingency planとは、緊急事態への対応策、といったニュアンスです。
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# by kanconsulting | 2008-09-01 07:48 | 経済状況

2009年予算概算要求 国債費は過去最高に 国債発行はどの程度か

来年度予算の概算要求は、要求額としては過去2番目の規模となった。国債費(利払い費を含む)の増加が主要因といったところです。国債費は、過去最高の22兆4400億円ということですが、今後決まるであろう国債発行額との整合性が気になるところです。

もちろん、特別会計についても、「飛ばし」があるかどうか、ウォッチしていきたいところです。

【追記】本日のニュースによると、総合経済対策(中小企業の資金繰り対策や高速道路料金の引き下げなど、事業規模は約11兆円)は、1兆8000億円程度の2008年度補正予算によるとのことです。その財源は、赤字国債の発行ではなく、08年度予備費や07年度決算の剰余金などということです。景気(対策)をどのように扱うつもりなのか、財政健全化への姿勢がどの程度か、今後も注視していきたいと思います。【追記終わり】

(転載開始)

09年度概算要求 一般会計86兆1300億円 3兆700億円増

FujiSankei Business i. 2008/8/29

 ■国債費が過去最高
2009年度予算の概算要求の大枠が28日固まり、財政規模を示す一般会計の総額が86兆1300億円程度となる見通しとなった。08年度当初予算(83兆613億円)に比べ3兆700億円(3・7%)程度膨らみ、要求額としては過去2番目の規模となった。利払い費の増加などで国債費が過去最高の22兆4400億円程度になることなどが背景だ。厳しい財政状況の中、省庁からの要求は強気のままで、財政再建は大きな正念場に立たされている。
国から地方に配分する地方交付税などは15兆8500億円程度。08年度当初予算比で2400億円程度増えた。国の借金である国債の償還と利払いに充てる国債費は、2兆2800億円程度増加。将来の金利上昇の可能性を踏まえ、長期金利の想定を2・7%に設定した。
公共事業費や防衛費など政策的経費である一般歳出の上限は47兆8400億円で、約5600億円増加する。概算要求基準(シーリング)では、医師不足対策などの緊急性や政策効果の高い事業に予算を重点配分するため、3300億円の「重要課題推進枠」が設けられた。各省庁は予算を優先的に獲得するため、推進枠を狙った施策を提案した。だが、狙い通り効果を発揮できるかどうか首をかしげるような施策も目立っているのが実情だ。
財政状況は厳しさを増しており、財務省は徹底した無駄の排除で財源を捻出(ねんしゆつ)する構えだ。各省庁からの要求は今月末で要求が締め切られ、財務省は年末に向けて査定作業を本格化させるが、財政再建路線を維持するためにもこれまで以上にメリハリをつけた査定ができるかどうかが課題となる。
一方、財務省は同日、特殊法人や自治体に融資する財政投融資計画の09年度要求額見通しも公表し、08年度計画比1・4%減の13兆6700億円程度となった。要求額は10年連続のマイナス。また、民間企業の社債に当たる財投機関債は22機関が5兆5000億円(08年度は26機関2319億円)程度を発行することを想定している。

---

【追記】

総合経済対策で08年度補正1.8兆円、赤字国債は発行せず
2008年 08月 29日 17:29 JST

[東京 29日 ロイター] 政府・与党は29日、原材料や食料価格の高騰など物価高対策を盛り込んだ総合経済対策を決定した。中小企業の資金繰り対策や高速道路料金の引き下げなど事業規模は約11兆円となり、1兆8000億円程度の2008年度補正予算を編成する。
福田康夫首相は対策に関する政府・与党会議・経済対策閣僚会議合同会議で、補正予算の財源について「赤字国債の発行は行わない」と明言した。 
対策には、与党の公明党が強く主張していた低所得者に対する定額減税の2008年度内の実施も盛り込んだ。定額減税をめぐっては、財政健全化を掲げ、効果を疑問視する政府・自民党と公明党との間でギリギリまで調整が行われきたが、最後は公明党への配慮が色濃い決着となった。
政府は対策決定を受け、9月12日に召集される臨時国会に1.8兆円規模の08年度補正予算案を提出する。財源については、08年度予備費や07年度決算の剰余金などを活用し、赤字国債の追加発行は行わない方向。伊吹文明財務相は記者団に対し、福田首相の指示を受け、「特例公債は出さないかたちで処理したい」と語った。いわゆる「霞が関埋蔵金」の活用に関しては、町村信孝官房長官が「全て今後の検討課題」と明言を避けている。
ただ、定額減税は、規模や実施方式などについて年末の抜本税制改革時に検討するため、今回決定した対策の事業・予算規模には含まれない。
伊吹財務相は、第2次補正予算編成の可能性を問われ、「可能性としてはあり得る」と明言。理由として、定額減税の規模がある程度のものになれば「当然、2度(の補正)ということになる」とし、その際の財源に関しては「(内容が)決まっていない。慌てて答えると間違える」と語った。 
(ロイター日本語ニュース)

【追記終わり】

(転載終了)

モバイルからの更新となりますが、キーボードが小さいことや、ポインタが暴走(笑)するなどありますが、思ったよりも快適です。リハビリということで、記事の更新をメインにしたく思いますので、コメントの返答が遅くなることがありますが、ご容赦ください。
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# by kanconsulting | 2008-08-29 09:39 | 経済状況

長らくの休止のお詫び

読者の皆様

長らくの休止状態が続いてしまい、読者の皆様にはご心配をおかけしております。
この半年の間、世界経済は大きな変化を顕にしました。長い間更新しなかった理由のひとつは、来るべきときが来たので、騒いでも仕方がない、といった一種の諦観でもあります。

本日のNHK「ニュースウォッチ9」で、日本国の借金(単純に国債の額として表していましたが)と、その対応策について議論していましたので、ご覧になった方もおられると思います。こういった問題を、国民一人一人の生活というミクロの視点と、国そのものの信用や持続可能性というマクロの視点の両方から、考えていきたいと思っております。
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# by kanconsulting | 2008-07-04 00:13 | 業務連絡

政府系ファンドはアメリカの金融危機の穴埋めに FRBの金利引下げの意味は?

皆様は、「奉加帳」をご存知でしょうか?本来は、寺院・神社などに寄進を行った事項を書き連ねた帳面のことですが、転じて、一般の行事の寄付についても、寄付者と内容を記載する(した)帳面も指します。

そこから、付き合いで金銭を負担させられることを、「奉加帳方式」と言います。建て前では、強制ではなく自由意思ですが、実際には、「空気が読めないと言われる」「村八分にされる」「暗黙のルールになっている」などといった、半強制といったケースもあるようです。

さて、以前のブログで次のように記しました。

(転載開始)

「来るべき暗黒の日(1) 世界恐慌かスタグフレーションか」

こういった暴落を止めるためには、一般的に、誰かが犠牲になってマネーを供給せざるを得ません。信用収縮から回復するには、新規の投資資金が必要なのです。一説によると、1987年のブラックマンデーでは、日本がその一翼を担ったということです。では、今回の信用収縮では、誰がマネーを出すのでしょうか?

(転載終了)

時間がないので、簡潔に記しますと、今回のアメリカ金融危機では、「ドルを持っている、産油国、日本に、奉加帳が回ってくる」ということです。ですから、日本では、今、政府系ファンド(SWF)が、話題になっている(話題にさせられている)のだと思います。

つくづく、毟られる存在なのだと思います。

新東京銀行への追加出資は、泥棒に追い銭だ(なので、追加出資せずにとっとと清算しろ)、という意見があります。ですが、アメリカ(の金融機関)への追加出資を断れば、ドルそのものが底抜けるリスクもあるのです。正確には、そういったリスクがあると称して、また巻き上げられるというのが真相に近いでしょう。

現在、FRBは、ドルの利下げを強行して、ジャブジャブに資金を供給することで、銀行の突然死を防ぎ、金融危機を回避しているようです。ですが、それは、ドルの価値を希薄化し、インフレを加熱させることも意味します。FRBは、金融危機とインフレのトレードオフにおいて、金融危機対策を採りました。このように、通貨が過剰になるインフレにおいては、通貨を回収しなければなりません。その一番簡単な方法が、「他の国に外貨準備として蓄積されたドルを、アメリカが吸収して無効化してしまう」ということです。

さて、半年前に、次のように書きました。

(転載開始)

「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」

その過程で、株式などは信じられずキャッシュ(現金)だけが頼りだ、という世界恐慌が出現するのか、あるいは、ジャブジャブに供給された通貨が信用を失い、不景気なのにモノが異常に高いというスタグフレーションが出現するのかはわかりません。

(転載終了)

個人的には、スタグフレーションを経て、恐慌に至るような気がします。

しかし、その後が、本当の再スタート、焼け野原からの出直しになるのだと思います。
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# by kanconsulting | 2008-03-21 02:29 | 経済状況

ドル安・資源高 信用不安とスタグフレーション

皆様

おはようございます。

健康上の理由で、勝手ながら、半年ほどお休みをいただいておりました。

その間、世界経済と世界政治には、大きな出来事がありました。(個別の出来事については、また日を改めたいと思います。)

また、国内の投資に目を向けると、この半年の間の、日本株下落と、円高のダブルパンチには、多くの個人投資家が苦しめられたかと思います。

この半年の間、私は、為替と株のポジションには、まったく手をつけていません。「ああ、来るべきときが来たか。」と、涼しい顔をして、見ていたのです。

さて、何度も繰り返しますが、私は、「破綻が来るぞ!」といって安易な恐怖をあおっているのではありません。逆に、「射幸心(欲のこと)と恐怖心をコントロールすべき」と言っているのです。

---

上げ相場は、信用拡大を産みます。手持ちの資産である、株価(株式の時価総額)は、「実際に生むであろう利益を受け取る権利」という本来価値をはるかに超えて、将来への期待で簡単に膨らみます。また、不動産も、ローンでレバレッジが効きますので、信用創造サイクルに乗れば、簡単にパンパンに膨らみます。商品市場においても、継続的に資金が流入する(そういった期待が形成される)ことで、高値に膠着した相場が形成されていることも、ご存知だと思います。このように、信用創造は、銀行の貸し出しだけではなく、市場あるところならどこにでも存在するのです。教科書的な信用創造サイクルは、実需のみで書かれていることが多いのですが、実際には、投機的資金、つまり仮需が重要な役割を果たしていると見ています。(欠けていた部分を3/21追記)
これが、何度も言っていますが、

実需と仮需

なのです。そして、相場は必ずといっていいほど、オーバーシュート(行き過ぎること)します。上げすぎた相場は、いち早く売り抜けた一部の投資家により、反転します。イケイケドンドンの温度が高いほど、その恐怖は大きくなるのです。ブランコに乗って遊んでいたのはいいけれど、スピードが出すぎて怖くなった状態、といえば近いでしょうか?そして待っているのは、「バランスを崩して転倒する」ということです。

これが、「ブーム(とバースト)」現象の、非常に簡単な説明です。

では、今後はどうなって行くのでしょうか?

本来であれば、データを紐解きながら、冷静に書くところなのですが、時間がないこともあり、ラフなスケッチでご容赦ください。

・USドルについては、目先はドル安の底だが、将来的にはやはり徐々に減価していく
・原料(原油・貴金属などの実物資産)は、「ドル建て」では、それに対応して、名目上高くなっていく
・実物資産を持っている人間・国は、損をしないようになっている
・日本円は、ドルペグ通貨であり、今後もそうだろう
・日本円は、流動性の供給源だったが、それが逆流したのが、円高と株安の主因
・それも、テクニカル的には、目先は底と見ている
・しかし、どうやら原料高のサイクルに火が点いてしまった(意図的に点けられた)
・次の円安サイクルでは、日本は経常赤字(=貿易赤字)国になる可能性も
・人口動態や国としての成長力を考えると、対ドルはともかく、他通貨に対しては、減価していかざるを得ない

取り急ぎ
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# by kanconsulting | 2008-03-17 06:14 | 経済状況

閲覧数 2/11

ご無沙汰しております。

昨年(2007年)は、国家破綻(このブログでは、財政破綻と同じ意味=国家の財政が立ち行かなくなること、です。国際法では国家の破産法制はありませんので、国家破産、日本国破産、財政破産というのは正しくない表現です。同じく国の倒産も法的にはありえませんので、日本国倒産、国家倒産、なども正しくない表現です)にとって、重要なポイントとなった年でした。

繰り返しになりますが、「国家破綻への対策は、実質上、2006年末が目処。2008年から2012年にかけて、大きな経済上の混乱が起こる可能性があり、2007年は序章となるだろう。」と思っておりました。実際には、昨年2007年は、サブプライム・ショックの信用収縮と、それを覆い隠すための過剰流動性の供給により、今後の混乱を示唆する1年となりました。

もう少し詳しく言うと、金利、為替、株価、物価といったパラメーターは、いろいろな拮抗する経済的パワーのバランスによって決まる複雑系です。過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要なのだと思います。

さて、

更新が滞っておりましたのは、私のプライベートな事情もありますが、それ以上に、「2007年の信用収縮を皮切りに、ドルと円が崩壊するだろうという流れは、誰にも止められない。私がブログに何を書いたところで、何も変わるわけがない。」という諦めにも似た気持ちからでもありました。

ですが、「たとえそうであったとしても、ダメージを最小限に食い止める方法があるのではないか。庶民レベルで生き残る知恵はないのか。ひょっとすれば、崩壊を食い止める奇策があるのではないか。」という思いでいることも、また事実です。

繰り返しになりますが、これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。その中で、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

今後の世界はどうなるのでしょうか?そして、私たち一般国民はどうすれば生き延びることができるのでしょうか?今後のエントリーにて、考えてみたいと思います。

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参考文献ブログも、ご一読ください。

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著作権法119条 (刑事罰)
著作権侵害を行った者は、10年以下の懲役および/または1000万円以下の罰金に処せられる
(法人等の従業員が、その法人等の業務に関し行った場合には、その法人等に罰金)

著作権法114 条・民法709 条 (損害賠償請求)
著作権者は故意又は過失により著作権を侵害した者に対して、侵害行為により生じた損害の賠償を求めることができる
著作権法違反がなくとも、民法の規定による損害賠償を認めるケースがある

民法703 条・704 条 (不当利得返還請求)
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# by kanconsulting | 2008-01-26 11:51 | 業務連絡

日本の外貨準備高は5934億SDR(9545億ドル) IMF国際通貨はすでに存在する? 日本円のプレゼンス低下

以下のニュースをご覧ください。

国際通貨基金(IMF)が発表した7月末の外貨準備は、
1位 中国で9066億SDR
2位 日本5934億SDR
3位 ロシア2666億SDR・・・
となっています。

これまでも述べたとおり、日本の外貨準備は、ほぼドルで占められています。また、日本と中国が、外貨準備としてドルを買い支えているというのも、これまでと変わらない傾向となっています。

(引用開始)

10月末の外貨準備高は9544.84億ドル、過去最高=財務省

財務省が7日発表した10月末の外貨準備高は9544億8400万ドルとなり、過去最高となった。前月末から88億8300万ドル増加した。
外貨準備の増加は5カ月連続で、これまで過去最高だった9月末の9456億0100万ドルを上回った。過去最高を更新するのは4カ月連続。
外準の増加は、保有する債券や預金の金利収入のほか、海外金利の低下に伴う保有債券の時価評価額の上昇、ユーロ相場の上昇によるドル換算でのユーロ資産の増加が要因。10月末の米10年債利回りは4.475%と、9月末の4.590%から低下。10月末のユーロ/ドル相場は1.4487ドルと9月末の1.4267ドルから上昇した。
国際通貨基金(IMF)が発表した7月末の外貨準備は、1位が中国で9066億SDR。以下、日本5934億SDR、ロシア2666億SDR、台湾、韓国、ユーロ圏、インド、ブラジル、シンガポール、香港の順。
SDR(特別引出権)は、IMFが主要国通貨のバスケットに基づいて算出している。5月末は、1SDR=1.53122ドル。

2007年11月7日[東京 7日 ロイター

(引用終了)


さて、
「あれ?財務省発表の外貨準備はドル建てなのに、IMF発表の外貨準備は、SDR建てという変な単位になっているぞ。」
とお気づきでしょうか。このSDRとは、何でしょうか。

(引用開始)

1969年、IMFは加盟国の既存の準備資産(公的金保有、外貨、IMFのリサーブポジション)を補完するために外貨準備資産としてのSDRを創設しました。SDRの価値は主要国通貨のバスケットに基づいて決められ、IMFほか多数の国際機関における会計単位として使われています。

SDR創設の理由

ブレトン・ウッズの固定為替相場システムは1960年代に困難に陥りました。世界貿易の拡大と金融発展をまかなうために必要とされる準備資産の成長を調節するメカニズムがなかったことによります。当時、金と米ドルが2つの主要準備資産でしたが、金の生産は準備資産の供給源として不十分かつ信頼性を欠くものでした。また、米ドル準備資産の継続的増加によって米国の国際収支が絶えず赤字となり、そのこと自体が米ドル価値への脅威となりました。こうしてIMF主導による新しい外貨準備資産の創設が決定されたのです。

SDRの創設からわずか2-3年後にブレトン・ウッズ・システムは崩壊しましたが、主要通貨は変動為替相場体制へと移行しました。こうした展開は国際資本市場の成長が信用できる政府の借入を助長したこともありSDRの必要性を低下させました。

今日、準備資産としてのSDRの役割は限られたものになっています。2002年4月末まで、SDRはIMF加盟国の金以外の資産の1.25%以下でした。いくつかの民間の金融証書がSDR表示になっているものの、個人取引での利用を促進しようという努力はあまり報われていません。そのためIMFや他の国際機関の会計単位として使われることがSDRの主な機能となっています。このようにSDRはIMFと加盟国間の取引にほぼ限られた形で使用されています。

SDRとは?

SDRは通貨ではなく、またIMFに対する請求権でもありません。むしろ、潜在的には加盟国の通貨を自由に使用できるという権利を持ち、保有国はSDRを外貨と交換できるようになっています。準備資産としてのSDRの価値はSDRを保有し、受け入れ、SDRシステムの運用についての様々な義務を果たすという加盟国の確約に基づいています。自由に使用できる通貨に対するSDRの請求権は以下の2つの方法によって与えられることをIMFは保証しています。強い対外収支ポジションにある加盟国を指名し、弱いポジションにある加盟国からSDRを買い取る方法、あるいは、管理された市場において参加国間での自主的な交換の取り決めにより行なう方法です。

IMFホームページ

(引用終了)


「米ドル準備資産の継続的増加によって米国の国際収支が絶えず赤字となり、そのこと自体が米ドル価値への脅威となりました」とあるように、基軸通貨は、かならず経常収支赤字となり、そのこと自体が、基軸通貨への信認を失わせるというのは、皮肉なことに、IMFの想定範囲内でもありました。逆に、経常収支を改善しようとすれば、世界全体が通貨不足に陥るというジレンマもあります。アメリカという一国の財政と、世界経済をリンクさせることに、そもそも無理があったのかもしれません。

「SDRは通貨ではない」とあるものの、「個人取引での利用を促進しようという努力」という記載があるように、通貨バスケットで国際決済を行わせ、基軸通貨ドルの代替をしようとしたという形跡が見られます。機軸通貨の重責を、ほかの通貨にも背負ってもらうことで、世界経済が安定化するなら、儲けものです。

IMFは、International Monetary Fundの頭文字です。マネタリーをすることが目的の機関です。通貨コントロールは、自分たちの武器ですので、簡単にそれを手放すはずもないと思いますが、いかがでしょうか。

本日のSDRの為替?レートはこちら

さて、SDRの裏づけは、通貨バスケットとなっています。その内訳はどうなっているのでしょうか?

        2006 2001 1996
米ドル    44   45   39
ユーロ    34   29   --
ドイツマルク --   --   21
仏フラン   --   --   11
日本円   11   15   18
英ポンド   11   11   11

このように、ユーロのプレゼンスが高まるとともに、日本円の価値が低くなってきています。特に、2001年3月から2006年3月までは、日銀の量的緩和政策により、ジャブジャブに日本円が刷り散らかされて、流動性の供給源になっていた時期にもかかわらず、通貨バスケットにおける日本円の責任は小さくなっていることに注目したいところです。

関連した過去のエントリーも参照ください。

(転載開始)

「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」

さて、このブログでは、以前から、アメリカドルの維持可能性を懸念して、ドルの減価がありうると警告しています。
そもそも、アメリカの経常赤字は、日本や中国の買い支えによって維持されているようなものです。中国や産油国が、ドル以外の外貨準備を増強すれば、ドル暴落の準備が整うことになりかねません。さらに、現在はアメリカが世界の資本(資金)を吸収する流れになっていますが、それが逆流するかも知れません。
では、なぜ、逆流が起こりうるのでしょうか?逆に言うと、アメリカへの資本流入は、永遠には続かないのでしょうか?

---

「来るべきドルの減価(1) 金価格と原油(WTI)価格 ユーロ建てとドル建て ドルにペグした円は道連れ」

このブログでは、以前から、
「通貨の減価は、貨幣経済において不可避である。」
「円とドルの減価がありうる。注意しなければならない。」
と、述べてきました。
その、ドルの減価の日が、近づいているように思います。

---

「来るべき暗黒の日(1) 世界恐慌かスタグフレーションか」

これまで何度も述べていますが、以前から、アメリカドルの維持可能性を懸念して、ドルの減価がありうると警告しています。特に、アメリカの経常赤字は、日本・中国・産油国などの買い支えによって維持されているようなものであり、中国・産油国が、ドル以外の外貨準備を増強すれば、ドル暴落の準備が整うことになると指摘しています。つまり、アメリカへの資本流入は、永遠には続かないと言っているのです。
中国のアメリカ国債売りは、交渉のカードだと思いますが、実際に本気で売りに来ることも、まったくありえない話ではありません。

---

「来るべき暗黒の日(2) 世界株安と円高再び フレディーマック・ファニーメイ・RMBSとナイトの不確実性」

1990年代のアメリカは、ドル高政策によって、世界から投資資金を呼び込みました。株高と過剰消費によって好景気となった反面、膨大な経常収支の赤字が累積し、いびつな構造となってきた背景があります。その帰結として、基軸通貨ドルを発行する世界覇権国アメリカは、3兆ドルの対外純債務と、8000億ドルの経常収支赤字を抱えるまでになってしまいました。ドルの信認がなくなれば、ドル安・債権安(長期金利高)となり、世界経済の危機に直結するので、「恐怖の担保効果」によって、世界(日本や中国)はドル買い・アメリカ国債買いを行ってドルを買い支えているとされています。ドルの垂れ流しは、アメリカによる世界需要の喚起と読み替えることも可能です。経常収支赤字がどこまで可能なのかは不明ですが、ドルの買い手がいる以上、アメリカの国際収支はバランスします。ドルの信認がなくなり、価値の大幅な調整があれば、世界の投資家が大きな為替差損をこうむり、各国のドル建ての外貨準備は大きく目減りします。日本の外貨準備は9089億ドル(2007年3月)ですが、含み損は数十兆円あるとも指摘されており、売るに売れない状態です(参考文献)

(転載終了)
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# by kanconsulting | 2007-12-03 23:55 | 経済状況

閲覧数 12/1

参考文献ブログも、ご一読ください。

何度も書きますが、この1年は、国家破綻(このブログでは、財政破綻と同じ意味=国家の財政が立ち行かなくなること、です。国際法では国家の破産法制はありませんので、国家破産、日本国破産、財政破産というのは正しくない表現です。同じく国の倒産も法的にはありえませんので、日本国倒産、国家倒産、なども正しくない表現です)にとって、重要なポイントとなる年です。

繰り返しになりますが、これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。船で言うなら波の荒い海域に入ったということでしょうし、飛行機で言うなら気流の乱れた空域に入ったということでしょう。その中で、遭難や墜落せずに、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

もう少し詳しく言うと、金利、為替、株価、物価といったパラメーターは、いろいろな拮抗する経済的パワーのバランスによって決まる複雑系です。過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。『中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要』なのだと思います。

繰り返しになりますが、「国家破綻への対策は、実質上、2006年末が目処。2008年から2012年にかけて、大きな経済上の混乱が起こる可能性があり、2007年は序章となるだろう。」と思っておりました。実際には、2007年には、サブプライムショックに現れた信用収縮と、それを覆い隠すための過剰流動性の供給により、さらなる混乱を示唆する1年となりました。

今後の世界はどうなるのでしょうか?そして、私たち一般国民はどうすれば生き延びることができるのでしょうか?今後のエントリーにて、考えてみたいと思います。

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ヘッジファンドの手法 ~ベアリングズ銀行に見る円のキャリートレード・裁定取引とは
円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる

・サブプライム(サブプライムローン、サブプライムモーゲージ)については、以下の記事も参照ください。
「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を
サブプライムローン破綻(2) アメリカ景気減速 サブプライムショックと世界同時株安 国家破産の遠因か
サブプライムローン破綻(3) サブプライム・ショックは世界同時株安へ 日本国破産の遠因か
サブプライムローン破綻(4) サブプライム・ショックで世界同時株安発生へ 国家破産のトリガーに

・租税法律主義(正しくは租税法定主義)については、参考までに、以下のエントリーも参照ください。
租税法律主義
海外居住と海外銀行
ハリー・ポッター翻訳者と国税局の判断  課税庁の暴走と財産税の足音
今後の税制は? 海外移住(PT)と「属人主義」
「日本国内での資産防衛策は、無いのでは」 ~財務官僚の個人的見解
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「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか/吉本佳生」
過剰な金融広告の例を通じて、ダマシを見分ける眼力を身につけましょう。

「投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう/木村剛」
出版から数年を経過していても、良い本は良い本です。1章~3章を繰り返し読んでください。

「最新版 投資戦略の発想法/木村剛」
上の本の改訂版です。

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「奪われる日本/関岡英之」
アメリカの年次改革要望書とは。新書版ですのでお求めやすくなっています。

「幸せを奪われた「働き蟻国家」日本―JAPANシステムの偽装と崩壊/カレル・ヴァン・ウォルフレン、ベンジャミン・フルフォード」
日本を深く知る奇才2人による対談です。コラムも面白いです。

「アメリカに食い尽くされる日本―小泉政治の粉飾決算を暴く/森田実、副島隆彦」
こちらは鬼才でしょうか。

「昭和史からの警告―戦争への道を阻め/船井幸雄、副島隆彦」
太平洋戦争に至った近代史を、冷酷に分析し、現在との政治・経済的な類似から、戦争の可能性を指摘します。ロックフェラー・ロスチャイルド年表が秀逸です。

(陰謀論)

「世界の歴史をカネで動かす男たち/W・クレオン・スクーセン」
英米秘密結社エスタブリッシュメントの世界秩序支配を暴いた大著、「悲劇と希望/キャロル・キグリー(Tragedy & Hope / Carroll Quigley)」を引用し、わかりやすく解説している、普及版です。

「INSIDER―世界統一を謀る恐怖のシナリオ、誰もそれを<陰謀>とは知らない」/G・アレン、L・エブラハム」
古い本ですので、入手が困難です。上の本とあわせて読まれると面白いと思います。

「9.11/ノーム・チョムスキー」
アメリカ人には決して知らされていない、もちろん日本人も知らない、アメリカの裏の姿とは。そしてダブル・スタンダード(自国に都合のいい二重基準)の実態とは。

(アメリカと中国)

「米国か、中国か―これからの世界潮流と日本の選択/吉田春樹」
覇権国の移り変わり(アメリカ・中国)と、世界潮流の大きな変化について、地政学を踏まえながら、展望します。結論に至るまでに、アメリカ・中国問題だけではなく、エネルギー、紛争、東アジア問題、安全保障などの多角的な視点が盛り込まれています。

「SHOWDOWN・ショーダウン 中国が牙をむく日/ジェド・バビン、エドワード・ティムパーレーク」
中国についての、仮想軍事シナリオをもとにした小説です。

「2013年、米中戦争勃発す!/テッド・G・カーペンター」


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# by kanconsulting | 2007-12-01 23:45 | 閲覧数

来るべき暗黒の日(2) 世界株安と円高再び フレディーマック・ファニーメイ・RMBSとナイトの不確実性

世界株式市場は、8月の信用収縮から本格的な回復を見せず、大きな2番底を形成するような展開です。

また、各通貨に対してドル安が進行し、1ドル107円台になっています。多くのFX投資家は、8月の総円高で致命傷を負った模様で、今回の大幅な円高では、もはやため息すら聞かれないといったところです。

今回の下落の原因は、アメリカのフレディマック(Freddie Mac)・ファニーメイ(Fannie Mae)の破綻懸念と言われています。政府機関に準じる巨大な規模を誇り、ローン債権を証券化したMBS(住宅ローン担保証券)の発行機関・元利金支払いの保証機関であるとともに、それらを保有する機関投資家でもあります。MBSのマーケットは大きく、約6兆ドルと言われていますが、その大半がフレデイマック・ファニーメィが発行したものと言われています。さらに、例に漏れずMBSは各種の金融商品にも組み込まれており、その影響はアメリカ国内にとどまりません。このように、もしフレディーマック・ファニーメーが破綻すればインパクトが大きいため、信用不安を引き起こしたというところです。

このような信用不安を背景に、さらなる政策金利低下が見込まれており、ドルの下落圧力となっています。

以前のエントリーで、次のように述べました。

(引用開始)

「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」

さて、各国の中央銀行が、すさまじい量の流動性(資金)を注入して金融不安の沈静化を図ったということは、すでに過去のエントリーで述べたとおりです。
ですが、よく考えてみると、こういったマネーは、めぐりめぐって、さらなる市場の乱高下をもたらす可能性もあるのです。これまでは、ジャブジャブに刷られた日本円が、過剰な流動性の供給源でした。加えて、アメリカや欧州もそうすると言うのです。
アメリカでは、FRBが公定歩合を下げることが織り込まれています。金利が下がり、多量のマネーも供給されるのです。それにより、アメリカ株・世界株は反発することとなりますが、回復の実態を伴ったものではないので、再び暴落といった乱高下という事態が考えられます。

その過程で、株式などは信じられずキャッシュ(現金)だけが頼りだ、という世界恐慌が出現するのか、あるいは、ジャブジャブに供給された通貨が信用を失い、不景気なのにモノが異常に高いというスタグフレーションが出現するのかはわかりません。

(引用終了)


さて、ナイトの不確実性という概念があります。ナイトは、リスクと不確実性を区別し、経済活動では不確実性を排除することはできず、経営は不確実性に対処することで利潤が得られるなど、経済活動にとって不確実性が本質的だとしたことで知られています。

リスク:確率によって予測できる。値動きがランダム・ウォークで正規分布に従う。デリバティブでヘッジ可能。
不確実性:確率的事象ではない。分布関数の存在しない突発的なショック。事前に予測できない。

ブラック=ショールズが想定したような正規分布に従うリスクは、理論的には、オプションや保険などのデリバティブ(金融派生商品)でヘッジできます。しかし、不確実性は、そもそも完全なヘッジが不可能であり、社会にパニックを引き起こす性質があります。たとえば、ロシア危機・LTCM破綻では、理論と異なり、パニックになった投資家はリスクのないアメリカ国債に殺到し、全世界的な質(流動性)への逃避が起きたことはよく知られています。

今回の、サブプライム発の信用収縮においても、このような質(流動性)への逃避が起こっています。リスクのある資産(ABS、CDO、ABCP)を売って、リスクのない国債・現金を買うため、リスク資産の価格が下落し、質への逃避を加速するという悪循環になっているのでしょう。いったん底を打ったように見えても、市場参加者の疑心暗鬼が消えないため、まだまだ先の見えない状態になっています。

では、このような「不確実性」には、どのような対処が有効なのでしょうか?

(引用開始)

このように不確実性に対する人々の反応は定型化されているので、対策も明らかだ。第一に、流動性を供給して銀行の破綻を防ぎ、30年代のような取り付け騒ぎを起こさないことである。この点では、世界の中央銀行が協調行動をただちにとった。そして問題は、疑心暗鬼が広がって特定の金融機関の危機が金融市場全体の「システム的危機」と混同されることなので、破綻した金融機関はすみやかに破綻処理(もちろん預金者は保護)し、損失は正直に計上させる。この点では、メリルリンチやシティが巨額の損失を計上したことは、ある意味でいいニュースだ。

池田信夫 blog

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今度のサブプライム騒動への対応をみると、欧米の当局はナイトの不確実性に対応する危機管理の手法を身につけたように思われる。何が起こったかわからないときは、とりあえず流動性を大量に供給して「失血死」を防いで時間を稼ぎ、その間に問題の元凶を破綻処理するという手法だ。

池田信夫 blog

(引用終了)


簡単に言うと、「政府・中央銀行がすさまじい量の流動性(資金)を注入することが、唯一の対症療法だ」ということです。

ですが、アジア通貨危機・ロシア危機で注入された過剰流動性はどこに消えたのでしょうか?よく考える必要があります。たとえば、竹森俊平は、著書「1997年 世界を変えた金融危機」の中で、「(そういった流動性の供給は、)アジア諸国の過剰な外貨準備・世界的な貯蓄過剰をもたらし、その反面としてアメリカの経常赤字は拡大し、その流れでサブプライム危機が起きた」と指摘しています。

そもそも、1990年代のアメリカは、ドル高政策によって、世界から投資資金を呼び込みました。株高と過剰消費によって好景気となった反面、膨大な経常収支の赤字が累積し、いびつな構造となってきた背景があります。その帰結として、基軸通貨ドルを発行する世界覇権国アメリカは、3兆ドルの対外純債務と、8000億ドルの経常収支赤字を抱えるまでになってしまいました。ドルの信認がなくなれば、ドル安・債権安(長期金利高)となり、世界経済の危機に直結するので、「恐怖の担保効果」によって、世界(日本や中国)はドル買い・アメリカ国債買いを行ってドルを買い支えているとされています。ドルの垂れ流しは、アメリカによる世界需要の喚起と読み替えることも可能です。経常収支赤字がどこまで可能なのかは不明ですが、ドルの買い手がいる以上、アメリカの国際収支はバランスします。ドルの信認がなくなり、価値の大幅な調整があれば、世界の投資家が大きな為替差損をこうむり、各国のドル建ての外貨準備は大きく目減りします。日本の外貨準備は9089億ドル(2007年3月)ですが、含み損は数十兆円あるとも指摘されており、売るに売れない状態です。(参考:「図説数字がものを言う本!/相沢幸悦」

アメリカ国外で流通する過剰なドルは、古くからユーロダラー(アメリカを離れて取引される無国籍ドル)として知られていますが、現在では各国の年金基金・オイルマネー・それらの受け皿となる投資信託が、無国籍の過剰流動性の主役です。

(引用開始)

ユーロダラー

ユーロと付くところから、欧州における取引を連想させるが、現在は必ずしも欧州とは限らない。これは、当初西ヨーロッパ諸国で運用されていた外国通貨を、このように呼んだ名残である。
1971年のニクソンショックまでにおいてはドルは金とリンクしており、発行には限界が存在した。しかし、国内の完全雇用と財政政策を支えるための、金融政策緩和を望んだ当時の政権により、ドルは発行の制約から解き放たれ膨張することになった。
こうしてユーロダラーが生まれたが、ドルは、本来アメリカ国内の貨幣であり、米国内の貨幣需要を十分満たすドルが米国内に存在する。ユーロダラーはそれと別に存在し、世界金融市場を移動し続けているため、特定の国に著しい過剰流動性をもたらし、金融市場の混乱を招く元になっている。

(引用終了)


流動性を供給しなければ即座に信用不安で取り付け騒ぎ。流動性を供給すればバブルやインフレ、最終的には信任の限界でドル暴落が来るという、抜き差しならぬ状況が近づいています。

くれぐれも、ご注意ください。
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# by kanconsulting | 2007-11-28 00:23 | 経済状況