長期休暇のご連絡とお詫び

健康上の都合により、心身ともに疲労困憊となり、しばらくお休みをいただいておりましたことをご連絡申し上げ、読者様へのお詫びとさせていただきます。
このような事情のため、頻繁な更新はお約束できませんが、楽しみにした抱いている読者様のために、このブログそのものと関連ページは続けますので、よろしくのご理解とご支援をお願いいたします。

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私は、「国家破綻への対策は、実質上、2006年末が目処。2008年から2012年にかけて、大きな経済上の混乱が起こる可能性があり、2007年は序章となるだろう。」と思っておりました。実際には、2007年には、サブプライムショックに現れた信用収縮と、それを覆い隠すための過剰流動性の供給により、さらなる混乱を示唆する1年となりました。

今後の世界はどうなるのでしょうか?そして、私たち一般国民はどうすれば生き延びることができるのでしょうか?今後のエントリーにて、考えてみたいと思います。
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# by kanconsulting | 2007-11-24 09:53 | 業務連絡

来るべき暗黒の日(1) 世界恐慌かスタグフレーションか

記事の更新が遅くなりまして失礼しております。このエントリーは9/11前後に掲載する予定でしたが、いろいろありまして、時期を逸しております。ですので、それから2~3週間経過した現在では、妥当ではない箇所も見受けられますが、ご容赦ください。

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世界同時株安から、約1ヶ月が経過しました。今後の世界経済はどうなって行くのでしょうか?

過去の記事「世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか」で、次のように述べました。

(転載開始)

さて、各国の中央銀行が、すさまじい量の流動性(資金)を注入して金融不安の沈静化を図ったということは、すでに過去のエントリーで述べたとおりです。
ですが、よく考えてみると、こういったマネーは、めぐりめぐって、さらなる市場の乱高下をもたらす可能性もあるのです。これまでは、ジャブジャブに刷られた日本円が、過剰な流動性の供給源でした。加えて、アメリカや欧州もそうすると言うのです。
アメリカでは、FRBが公定歩合を下げることが織り込まれています。金利が下がり、多量のマネーも供給されるのです。それにより、アメリカ株・世界株は反発することとなりますが、回復の実態を伴ったものではないので、再び暴落といった乱高下という事態が考えられます。

その過程で、株式などは信じられずキャッシュ(現金)だけが頼りだ、という世界恐慌が出現するのか、あるいは、ジャブジャブに供給された通貨が信用を失い、不景気なのにモノが異常に高いというスタグフレーションが出現するのかはわかりません。

(転載終了)


「世界バブル経済終わりの始まり」「アメリカ経済終わりの始まり」で知られる松藤民輔は、テクニカル分析から、「アメリカ市場の暴落があるなら、9月18日の週から10月第1週が最もクリティカル」とコメントしています。1987年の暴落(ブラックマンデー)、1998年の暴落(LTCM破綻)の再来がありうる、という警告です。

「世界バブル経済終わりの始まり」では、「バブル経済の状態では、金利を上げると株式も上がるし、金利を下げることが暴落につながる、という、常識と逆の動きをすることがある」と指摘しています。

こういった暴落を止めるためには、一般的に、誰かが犠牲になってマネーを供給せざるを得ません。信用収縮から回復するには、新規の投資資金が必要なのです。一説によると、1987年のブラックマンデーでは、日本がその一翼を担ったということです。では、今回の信用収縮では、誰がマネーを出すのでしょうか?

アメリカ市場に関連したニュースを転載します。

(引用開始)

◆市場の混乱、87年や98年の状況と酷似=グリーンスパン前議長 9月7日 ロイター

[ニューヨーク 7日 ロイター]7日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)によると、グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は6日夜講演し、現在の市場の混乱は、ブラックマンデーがあった1987年や、大手ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が破たんした98年の状況と多くの点で酷似している、との認識を示した。
前議長は、学術誌ブルッキングス・ペーパーズ・オン・エコノミック・アクティビティ主催の会合で講演し「過去7週間の動きは、多くの点で98年や、87年の株価暴落と酷似している」と発言。
景気の拡大はユーフォリア(高揚感)によって、景気の縮小は恐怖によって促されるとし、「現在は恐怖が原動力になっており、恐怖がはるかに強い力を持っている」と述べた。

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◆米住宅ブーム、グリーンスパン時代の超低金利が煽った=元米財務次官 9月3日 ロイター

[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 1日 ロイター]
元米財務次官で、テーラー・ルールの提唱者である米スタンフォード大学のジョン・テーラー教授は1日、グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長時代の超低金利政策が米住宅ブームとそれに続くバブル崩壊を煽った、と指摘した。
米サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の影響について協議する、カンザスシティー地区連銀主催のシンポジウムで講演した。
テーラー教授は、FRBが当時フェデラルファンド(FF)金利を引き上げていた場合の住宅動向のシミュレーションを行うため自ら設計したモデルを用い、「FF金利がより高く設定されていれば、住宅ブームの大方を避けることができただろう」と説明。「またその結果としての市場の混乱の程度は抑制されていただろう」と述べた。
テーラー教授は、今回の発表について、過去を振り返って批判するのが目的でなく、今後のより良い金融政策運営のために「学んだ教訓」を示した、とロイターに述べた。
米住宅価格は、2004年第4・四半期に10%という過去最大のペースで上昇した。テーラー氏は、住宅市場の活況が、住宅ローンの返済状況の改善に直結したとみている。
 講演では「住宅価格が急ピッチで上昇するなかで、サブプライムローンでも延滞や(物件)差し押さえの割合が低下した」と指摘。
「短期金利が正常な水準に戻るに伴い、住宅需要は急速に減退し、建設や住宅価格の上昇ペースを鈍らせた。延滞や差し押さえの割合も大幅に上昇し、サブプライム市場の崩壊(meltdown)につながった」と述べた。
グリーンスパン前議長は、2004年にFRBが引き締め局面に入った後も米長期金利が低位安定した状況を「謎(conundrum)」と呼んだ。一方、バーナンキ議長は、低位安定の背景には、世界的な貯蓄過剰があり、世界中の余剰資金が米国債に流入し、米国債利回りを押し下げている、と説明した。
しかし、テーラー氏は、世界のGDPに対する貯蓄の比率が1970年代初頭に25%だったのに対し、2003─2005年の間に21%に低下したとする国際通貨基金(IMF)のデータを挙げて、過剰貯蓄は世界的な現象ではないと指摘。
むしろ、FRBの低金利政策が長期にわたったことが、金融市場にFRBのインフレへの政策対応の持続的変化と解釈させたことの結果だと主張した。
「これに関する重要な教訓は、平時の政策ルールから大きく乖離(かいり)することに市場参加者が対応するのは難しく、それ以外の経済状況への反応で予想外の変化が起こり得るということだ」と述べている。

(引用終了)


さらに、中国がアメリカ国債を売り始めているのではないか、という観測もあります。

具体的には、「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」によると、海外では、次のような記事が流されたということです。

(開始)

www.telegraph.co.uk

・NY連銀が発表したデータによると、「海外の中央銀行が、7月末までに、480億ドル分の米国債の持ち高を減らした」。
・中央銀行が、米国債の持ち高を減らしたのは、米国からの資金の流出を示しており、他の通貨への切り替えではなく、おそらくは金への借り換えを意味するだろう、とBNPパリバの通貨部門のチーフ、ハンス・レデッカーは話す。(彼によると、金価格は、最近1オンス=500ユーロの大台を超えた)
・IDEAグローバルのエコノミスト、デヴィッド・パウエルは、「中国は、米国債を売ったか?」というレポートを出している。
・彼は、このレポートの中で、「中国が米国債を売った理由」として、9月にも設立が発表される、中国初のSWF(国家ファンド)の設立(資金規模:3000億ドル、外貨準備は1.34兆ドル)を挙げている。
・中国は、交渉材料(バーゲニング・チップ)として、9000億ドルの外貨準備高を使うだろう。これによって、米議会で進んでいる中国に対する人民元切り上げの圧力を食い止める材料にするつもりだ。もし、無理な圧力を米議会が行なえば、中国は米国債売り崩しを行なうだろう。

(終了)


これまで何度も述べていますが、以前から、アメリカドルの維持可能性を懸念して、ドルの減価がありうると警告しています。特に、アメリカの経常赤字は、日本・中国・産油国などの買い支えによって維持されているようなものであり、中国・産油国が、ドル以外の外貨準備を増強すれば、ドル暴落の準備が整うことになると指摘しています。つまり、アメリカへの資本流入は、永遠には続かないと言っているのです。

中国のアメリカ国債売りは、交渉のカードだと思いますが、実際に本気で売りに来ることも、まったくありえない話ではありません。

以前に転載した「晴耕雨読」から、ポイントのみを抽出して、再度掲載します。

(開始)

・米国政府が、個々の債務証書に書かれた内容ではなく、グロスの債務について日銀やその他の経済主体に返済することはできないと断言する。米国政府は、新しい借り入れで、過去の借り入れの利払いをしたり返済することしかできない。米国政府が返済しないというわけではなく、返済したいとしても、経済論理的に返済することができないのである。
・米国政府が6兆ドルまで積み上がった債務を返済できないという主張は、ある国民経済が長期に渡って必要な労働成果財を自前で充足的に生産できない状態(貿易収支赤字)に陥っていれば、政府部門が“正常”なかたちで対外債務を返済することはできないという経済論理に基づくものである。ここで言う“正常”とは、債権者に債務切り捨てとは感じられない実質価値を維持しながら、記載条件で利息を支払い、償還を完了することである。
・貿易収支と所得収支がともに赤字という状態、とりわけ貿易収支の赤字が厖大な金額で長期化している国民経済は、政府部門が対外債務を返済する能力を失っていると断定できる。
・ある国民経済が対外債務を返済するためには、国民経済総体として労働成果財を余剰に生産して輸出するか、金融取引や直接投資の果実である所得収支の黒字を増やすかして、とにかく経常収支の黒字化を達成しなければならない。対外債務が「経常収支赤字-国内貯蓄」の累積であるならば、その返済は、債務額に相当する「経常収支黒字+国内貯蓄」の累積でのみ可能である。米国については、貿易収支が黒字化することはあり得ない。
・悪意があるかどうかの問題ではなく、米国の対外債務が完済されることは経済論理的に不可能なのである。貯蓄率がほぼ0%という実状に照らせば、経常収支の赤字を埋めるだけの資本収支の黒字、より具体的に言えば、政府債務の利払いと償還に新規財政赤字を合算した額以上のドルが国外から流入する限りにおいて、「米国国債サイクル」を維持することができる。

(終了)
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# by kanconsulting | 2007-09-30 00:28 | 経済状況

閲覧数 9/9

8月も、引き続き、文献調査を行っておりました。参考文献ブログに掲載していますので、ご一読ください。

何度も書きますが、この1年は、国家破綻(このブログでは、財政破綻と同じ意味=国家の財政が立ち行かなくなること、です。国際法では国家の破産法制はありませんので、国家破産、日本国破産、財政破産というのは正しくない表現です。同じく国の倒産も法的にはありえませんので、日本国倒産、国家倒産、なども正しくない表現です)にとって、重要なポイントとなる年です。

繰り返しになりますが、これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。船で言うなら波の荒い海域に入ったということでしょうし、飛行機で言うなら気流の乱れた空域に入ったということでしょう。その中で、遭難や墜落せずに、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

もう少し詳しく言うと、金利、為替、株価、物価といったパラメーターは、いろいろな拮抗する経済的パワーのバランスによって決まる複雑系です。過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。『中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要』なのだと思います。

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※1 円キャリートレードについては、以下の記事、およびそのリンク先を参照ください。

ヘッジファンドの手法 ~ベアリングズ銀行に見る円のキャリートレード・裁定取引とは
円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる

※2 サブプライム(サブプライムローン、サブプライムモーゲージ)については、以下の記事も参照ください。このように、サブプライム発の世界株安を、7月の時点で予見していたことは、特記に値すると思います。経済学を実学として捉えると、「近未来の経済状態を予測する学問」ですので、このブログの記事は、テレビに出ているエコノミストの当たらない予想よりも、価値があるのではないかと思います。

「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を
サブプライムローン破綻(2) アメリカ景気減速 サブプライムショックと世界同時株安 国家破産の遠因か
サブプライムローン破綻(3) サブプライム・ショックは世界同時株安へ 日本国破産の遠因か
サブプライムローン破綻(4) サブプライム・ショックで世界同時株安発生へ 国家破産のトリガーに


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※3 租税法律主義(正しくは租税法定主義)については、参考までに、以下のエントリーも参照ください。

租税法律主義
海外居住と海外銀行
ハリー・ポッター翻訳者と国税局の判断  課税庁の暴走と財産税の足音
今後の税制は? 海外移住(PT)と「属人主義」
「日本国内での資産防衛策は、無いのでは」 ~財務官僚の個人的見解
官製破綻本「税財政の本道」について 元国税局長官が語る「国家破産・財政破綻への対策」とは
黒い鎧の徴税官(貢ぎ取り) 苛政は虎よりも猛し 苛斂誅求 『増税社会・高負担社会』からは逃げられない

【新着の書籍紹介】

(ファイナンシャル・リテラシー)

「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか/吉本佳生」
過剰な金融広告の例を通じて、ダマシを見分ける眼力を身につけましょう。

「投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう/木村剛」
出版から数年を経過していても、良い本は良い本です。1章~3章を繰り返し読んでください。

「最新版 投資戦略の発想法/木村剛」
上の本の改訂版です。

(国際政治と日本の未来)

「奪われる日本/関岡英之」
アメリカの年次改革要望書とは。新書版ですのでお求めやすくなっています。

「幸せを奪われた「働き蟻国家」日本―JAPANシステムの偽装と崩壊/カレル・ヴァン・ウォルフレン、ベンジャミン・フルフォード」
日本を深く知る奇才2人による対談です。コラムも面白いです。

「アメリカに食い尽くされる日本―小泉政治の粉飾決算を暴く/森田実、副島隆彦」
こちらは鬼才でしょうか。

「昭和史からの警告―戦争への道を阻め/船井幸雄、副島隆彦」
太平洋戦争に至った近代史を、冷酷に分析し、現在との政治・経済的な類似から、戦争の可能性を指摘します。ロックフェラー・ロスチャイルド年表が秀逸です。

(陰謀論)

「世界の歴史をカネで動かす男たち/W・クレオン・スクーセン」
英米秘密結社エスタブリッシュメントの世界秩序支配を暴いた大著、「悲劇と希望/キャロル・キグリー(Tragedy & Hope / Carroll Quigley)」を引用し、わかりやすく解説している、普及版です。

「INSIDER―世界統一を謀る恐怖のシナリオ、誰もそれを<陰謀>とは知らない」/G・アレン、L・エブラハム」
古い本ですので、入手が困難です。上の本とあわせて読まれると面白いと思います。

「9.11/ノーム・チョムスキー」
アメリカ人には決して知らされていない、もちろん日本人も知らない、アメリカの裏の姿とは。そしてダブル・スタンダード(自国に都合のいい二重基準)の実態とは。

(アメリカと中国)

「米国か、中国か―これからの世界潮流と日本の選択/吉田春樹」
覇権国の移り変わり(アメリカ・中国)と、世界潮流の大きな変化について、地政学を踏まえながら、展望します。結論に至るまでに、アメリカ・中国問題だけではなく、エネルギー、紛争、東アジア問題、安全保障などの多角的な視点が盛り込まれています。

「SHOWDOWN・ショーダウン 中国が牙をむく日/ジェド・バビン、エドワード・ティムパーレーク」
中国についての、仮想軍事シナリオをもとにした小説です。

「2013年、米中戦争勃発す!/テッド・G・カーペンター」


【著作権について】

(重要)著作権法違反は、懲役刑も課せられる犯罪行為で、懲役刑はもちろん罰金刑でも前科がつきます。前科の記録は、本人が死ぬまで消えることはありません。一生を棒に振ることになりますので、絶対におやめください。

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特に、今年7月から、著作権法違反の刑事罰が、10年以下の懲役刑もしくは1000万円以下の罰金刑、またはこれらの両方が科せられることになりました。

読者様におかれましては、このブログ・関連ホームページ・配布レポートの内容の販売・頒布・オークションへの出品などを見かけられましたら、ご連絡ください。

著作権法119条 (刑事罰)
著作権侵害を行った者は、10年以下の懲役および/または1000万円以下の罰金に処せられる
(法人等の従業員が、その法人等の業務に関し行った場合には、その法人等に罰金)

著作権法114 条・民法709 条 (損害賠償請求)
著作権者は故意又は過失により著作権を侵害した者に対して、侵害行為により生じた損害の賠償を求めることができる
著作権法違反がなくとも、民法の規定による損害賠償を認めるケースがある

民法703 条・704 条 (不当利得返還請求)
不当利得返還請求権に基づき、不当利得の返還を求めることができる

【偽装・偽造電子メール等について】

当方(当ブログ管理人)に対して、第三者や実在しない人物を騙り、または氏名などを偽装して、権利・義務・事実の証明に関する内容の電子メール等を送付される行為は、刑法159条(私文書偽造罪:1年以下の懲役又は罰金)・刑法161条(偽造私文書等行使罪:1年以下の懲役又は罰金、未遂も対象)・刑法161条の2(電磁的記録不正作出及び供用罪:5年以下の懲役又罰金、未遂も対象)に抵触する犯罪行為となる可能性があります。なお、電子メールは、文書に準ずるものとして、民事・刑事における証拠能力を有するとされています。この警告は今後の受信に限られるものではなく、公訴時効である過去3年もしくは5年を遡って適用されます。

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更新やメールの返事が遅くなり、失礼しております。

当方からのメール送信が、エラーなどで返送されてくるケースがたまにあります。メールボックスが一杯でないかどうか、ご確認いただければ幸いです。メールの返答があまりにも遅い場合は、メール配信途中のデータ損失(エラー)の可能性もありますので、お手数ですが、再度ご連絡いただけると幸いです。
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# by kanconsulting | 2007-09-09 18:31 | 閲覧数

世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか

先日、「貞子ちゃんの連れ連れ日記」から、コメント欄に、情報提供をいただきました。

(転載開始)

Commented by 貞子ちゃん at 2007-09-06 00:10 x
(中略)
自分のブログでもアップしたかったのですが、ご参考までに、下記の数値を提供させていただきます。
野村総研の資料より、今年の8月15日から、8月17にかけて、個人のFX取引で ものすごい異変が起きておりまして、これが今回の東京為替市場の急速な円高の究極の「犯人」だったのではないかと思われます。
個人のFX経由での外貨持ち高が、8月15日から8月17日で、下記のように、ほぼ半減しております。
対ドル:1600億円(8/15)→880億円(8/17)
対ユーロ:600億円弱→220億円
対ポンド:600億円強→230億円強
対オージー:600億円弱→220億円
対ニュージーランドドル:520億円→200億円強
対カナダドル:200億円矢印80億円弱。
取り急ぎ、ご報告です。

Commented by kanconsulting at 2007-09-06 00:21 x
貞子ちゃんさん
(中略)
FXの資料ありがとうございます。8/16を中心とする2~3日が、円高のピークでしたが、個人投資家のロスカット(証拠金が維持ラインを下回ったことによる、強制的な損切り)が最終の円高の仕上げとなった、ということだと思います。
たとえばドルで見ますと、投資残高が1/2になっていますが、これは、レバレッジ10倍での5円円高に相当します。8/15の始値は117.55、8/17の最安値は112.00付近ですから、レバレッジ10倍の仮定が相場の変動とマッチします。
実際に、個人投資家のブログを見ますと、数百万円を失ったという記述を簡単に発見することができます。

(転載終了)


このデータを補強するグラフが、週間ダイヤモンドに掲載されていましたので、引用して掲載します。

a0037933_0145075.jpg



取引所(くりっく365)経由のみの数字ですが、7月になってからは、円安の進行によってかどうか、ポジションの残高(株式で言うなら信用買い残)が急増していますので、「イケイケ!ドンドン!」になっていたことが伺えます。しかしながら、トータルで5000億円程度あったポジション残高が、信用収縮に起因するアンワインドによって、一気に2000億円程度まで減らされていることがわかります。

多くの個人投資家が、この急激な変動に巻き込まれて、大損を出していることがわかります。彼らを、後になってから「リスク管理が甘かった」「だから言ったのに」と批判するのはたやすいことです。ですが、加熱した相場のさなかにあって、自分の射幸心をコントロールして冷静に相場を見ることのできる、『落ち着いた、大人の投資家(ソフィスケーテッド・インベスター)』は、どれほどいたのでしょうか?

ではどうすれば良かったのでしょうか?これも、何度も述べていることですので、過去の記事を参照してください。と書きたいところですが、それでは不親切ですので、いくつかリンクを貼りたいと思います。

(開始)

「チャイナ・ショック再び 世界同時株安 二度ある調整は三度ある 一般投資家はまた損をさせられる」

大事なことなので何度も書きますが、このブログをご覧になっている方は、

・カネは、儲かりそうな資産クラスを目掛けて、世界中を駆け巡る
・カネが集まった資産クラスは、ブームとバーストを形成する
・特に、昨今の市場では、カネ余りによる資金が流れ込むことでトレンドを形成する
・一般投資家は、そのトレンドに尻馬で乗り、結局損をさせられることが多い
・イケイケで調子に乗ってはならない。投資のルールに沿って、冷静になる必要がある

ということをご理解いただいていると思います。

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「2回目の世界同時株安にどう備えるか 「また損をさせられる一般投資家」? 二度ある調整は三度ある(2)」

「急落があれば、必ず損切りせよ」と言っているのではありません。非常に簡単に言うと、メンタル面と、資金面の、両方の余力を持って、ポジション操作をしてください、ということなのです。

そのためには、「年に1~2度は、調整があるかも」と考えて、「その時に、どの程度なら耐えられるか」を自問自答することが必要なのです。「調整には耐えられない」と思ったなら、妥当な程度までポジションを落とす(投資額を減らす)ことです。

ファイナンシャル・リテラシーがある「大人の投資家」は、高騰し過熱した相場よりも、下落して落ち着いた相場を好みます。

なぜならば、過熱した相場では
・売らないなら、どこが天井か気になるので、気が休まらない
・一般的には、お祭りになり、距離を置きたくなる
・「洗練された投資家」は、天井で売り抜けることは不可能と知っているので、適当なところで売り抜けて、あとは休憩となる

下落した相場では
・割安なバーゲン品が出るため、「投資の安全域」(ベンジャミン・グレアム)を確保できる
・恐怖心や、過度のリスクを許容できなくなった叩き売りが出る
・つまり、欲しい投資対象を安値で買える、絶好の買い場となる

もっと簡単に言うと、「大人の投資家は、相場が高くなると、売りたくなる。安くなると、買いたくなる」ということです。

ですが、「一般投資家は、相場が高くなると、買いたくなる。安くなると、売りたくなる」というのが、実情ではないでしょうか?その、基本的なところを、根本的に変える事が必要なのです。

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「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

キャリートレード通貨に乗っかって、積極的に為替差益ねらいやスワップかせぎをしようとする場合は、次の点に留意する必要があります。

(共通)
・場帳、玉帳をつけて、変動感覚をやしなうこと
・余裕資金で、少しずつ買っていく(売っていく)こと
・恐怖心や射幸心をほどほどにおさえ、冷静に相場を見ること
・押し目でナンピンし、平均値を有利にすること
・一発狙いはお勧めしません

(為替差益ねらい)
・高レバレッジでもかまわないが、その場合は損きりポイントは必ず入れておくこと
・損きりポイントは、購入時より1~2円 (※値はレバレッジ10倍)
・損きりポイントは、絶対に下げないこと
・逆に、損きりポイントを上げて、利益確定ポイントに変更するのは推奨

(スワップ狙い)
・あらかじめ、過去最高の円高がありうるものとしてレバレッジを低めにすること
・多少の相場変動には動じないこと、デイトレードはしない
・計画的ナンピン推奨、利乗せはほどほどに

この中で重要なものを3つあげるとすると
「変動感覚」
「損きりポイント」
「低レバレッジ」
です。

「変動感覚」は、林輝太郎の本などにくわしく掲載されています。小職は、林輝太郎の本を読む前から、
・大きなポジションをいきなり立てるのは心理的にギャンブル性が高く、うまくいかない
・恐怖心を克服するために、小さなポジションを少しずつ立てることが、精神的に楽
・そうすることで、動揺することなく、「上がった」「下がった」を冷静に受け止めることが出来た
・だから、相場が下げても安心して長期投資が出来る
・有利な場面が来れば少しずつ買い増しが出来る
と思っていました。

皆様にも「変動感覚を身につける」ことをお勧めします。

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「世界同時株安と円高(1) FXで個人投資家破産・ロスカット多数発生 急激な円高の原因と対策は?」

冷酷なことを何度も書きますが、この程度の円高や株安で右往左往しているようでは、これから来るであろう『国家破産の大津波』と『戦時統制経済』を生き延びられるはずがありません。

(もちろん、国家破産・日本国破綻や、戦時・戦争が来ないに越したことはありません。心構え・リスク対策の話とご理解ください。)

大事なことですので、よく考えてください。

(終了)

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さて、このブログでは、以前から、アメリカドルの維持可能性を懸念して、ドルの減価がありうると警告しています。

そもそも、アメリカの経常赤字は、日本や中国の買い支えによって維持されているようなものです。具体的には、「来るべきドルの減価(1) 金価格と原油(WTI)価格 ユーロ建てとドル建て ドルにペグした円は道連れ」を参照ください。

中国や産油国が、ドル以外の外貨準備を増強すれば、ドル暴落の準備が整うことになりかねません。さらに、現在はアメリカが世界の資本(資金)を吸収する流れになっていますが、それが逆流するかも知れません。

では、なぜ、逆流が起こりうるのでしょうか?逆に言うと、アメリカへの資本流入は、永遠には続かないのでしょうか?

その答えを直接述べる代わりに、「晴耕雨読」から引用したいと思います。

これからの数年間は、金融の混乱が引き続き起こるように思います。船で言うなら波の荒い海域に入ったということでしょうし、飛行機で言うなら気流の乱れた空域に入ったということでしょう。その中で、遭難や墜落せずに、ご自身や家族の資産を保全されることは、一筋縄ではいきません。くれぐれも、ご注意ください。

(引用開始)

晴耕雨読 - 米国政府の対外債務返済能力 《米国政府の対外債務返済能力》 下

米国政府が、個々の債務証書に書かれた内容ではなく、グロスの債務について日銀やその他の経済主体に返済することはできないと断言する。米国政府は、新しい借り入れで、過去の借り入れの利払いをしたり返済することしかできない。

米国政府が返済しないというわけではなく、返済したいとしても、経済論理的に返済することができないのである。
(“危険”な表現なので根拠は後で述べるとして結論を先に書いておくと、日銀保有の債権は、米国政府から返済してもらわなくてもかまわないのである。価値を消滅させた通貨の身代わりでしかないのだから、にっこり笑って、「おかげさまで労働価値を高めることができました」と言って債務証書を返却するか焼却すればいいのである)

米国政府が6兆ドルまで積み上がった債務を返済できないという主張は、ある国民経済が長期に渡って必要な労働成果財を自前で充足的に生産できない状態(貿易収支赤字)に陥っていれば、政府部門が“正常”なかたちで対外債務を返済することはできないという経済論理に基づくものである。

ここで言う“正常”とは、債権者に債務切り捨てとは感じられない実質価値を維持しながら、記載条件で利息を支払い、償還を完了することである。

(中略)

(米国の2001年末の「対外純債務残高」は、前年比45.9%増の2兆3091億ドル(約265兆円)であるが、民間部門は債権-債務がプラスだから、それに加えて2兆ドル弱(民間の純対外純債権額相当)の4兆ドル(約460兆円)程度が政府部門の対外債務額と推測できる)

貿易収支と所得収支がともに赤字という状態、とりわけ貿易収支の赤字が厖大な金額で長期化している国民経済は、政府部門が対外債務を返済する能力を失っていると断定できる。
(これも断言するが、戦後国際金融を担ってきた米国政権は、この経済論理的現実を嫌と言うほど認識している。わかりやすく言えば、米国政権は、対外債務を返済できないことをしっかり自覚しているということである)

(中略)

より冷静になれば、米国の対外債務返済能力欠如が目に見えるかたちになり国際的な疑念を生むことは、戦後世界経済構造の終焉を意味するものであることがわかるはずだ。

日本をはじめとした対米輸出依存国民経済(日本のアジア向け輸出も迂回的ではあるが米国依存)は、産業構造を大きく変容させなければならない。(新興産業国民経済である中国は日本とは比較にならないほど深刻な打撃を受けることになる。中国が暴発しないことを切に祈る)

日本の「デフレ不況」や今後予測される「世界同時デフレ不況」も、笑い話になってしまうような世界レベルでの経済的激変である。

米国の過剰対外債務問題をどう処理するかは、余剰通貨問題と並んで、世界が議論(もちろん秘密裏に)しなけれならない緊急かつ最重要の課題なのである。


ある国民経済が対外債務を返済するためには、国民経済総体として労働成果財を余剰に生産して輸出するか、金融取引や直接投資の果実である所得収支の黒字を増やすかして、とにかく経常収支の黒字化を達成しなければならない。

対外債務が「経常収支赤字-国内貯蓄」の累積であるならば、その返済は、債務額に相当する「経常収支黒字+国内貯蓄」の累積でのみ可能である。

米国については、貿易収支が黒字化することはあり得ない。

(中略)

悪意があるかどうかの問題ではなく、米国の対外債務が完済されることは経済論理的に不可能なのである。
貯蓄率がほぼ0%という実状に照らせば、経常収支の赤字を埋めるだけの資本収支の黒字、より具体的に言えば、政府債務の利払いと償還に新規財政赤字を合算した額以上のドルが国外から流入する限りにおいて、「米国国債サイクル」を維持することができる。

クリントン政権後期に連邦財政は3年ほど連続で黒字に転換したが、それでも過去の債務の重みで連邦政府債務は増加し続けたように、利払いだけで3千億円に達している状況では、債務を現状維持するためでも3千億ドル(約35兆円)の財政黒字を達成しなければならない。
クリントン政権の財政黒字は、今となってはバブルであることが明確になった株式市場の活況と高額所得者増税に拠るものである。しかも、「対テロ戦争」体制ではなく、冷戦後の「平和の配当」志向政策が採られていた時期でもある。

ブッシュ政権が減税と戦争体制で一気に1,500億ドル(約17兆円)の財政赤字に転換させたことや株式市場の現状を見れば、そのような財政黒字は夢のまた夢であることがわかる。

このような説明に対しては、FRBが通貨を増発して返済していけばいいという反論も予測される。
まず、米国政府及びFRBは、85年の「プラザ合意」や現在のような「ドル安容認」で、対外債務の軽減化を測ってきたと考えている。
しかし、その結果は、さらなる経常収支の悪化であり政府債務の増加である。

産業資本が活動力を衰退させた国民経済は、自国通貨安になっても、国際競争力を回復させることはできず、国民の生活水準を維持しようとすれば高くなった輸入財を買わざるを得ないため、より貿易収支赤字が増加することになる。これは、より政府債務を増加させることでもある。
米国のインフレがそれでも抑えられたのは、日本などがドル安分をそのまま財の価格に上乗せしなかったからである。後からその分の「労働価値」を上昇させていった。
米国の産業資本は、一部を除けば、政府調達で維持されているとも言える。

そして、FRBが対外債務を履行するためにドル紙幣を増発すれば、ドルが国際商品の価格表示機能を持っていることから国際的にインフレが昂進することになる。(対外支払いなので、米国のインフレは後追い的に進む。これまでも、米ドルが米国以外に滞留していることで米国のインフレ率は低く抑えられていた)
これは、無条件に主要通貨に対するドル安進行につながっていく。ということは、経常収支のさらなる悪化と政府債務のさらなる増加を意味するとともに、金融経済主体が保有しているドル資産が減価することでもある。

(引用終了)

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# by kanconsulting | 2007-09-07 00:53 | 外国為替(FX)

世界同時株安と円高(5) クレジット・スプレッドと為替レートの関係 「円安貧国、ニッポンの罠」

これまでの記事で、「円キャリートレードにより、世界市場の乱高下が生じた。特に、信用不安・世界株安によって、アンワインド(キャリートレードの巻き戻し)が起こり、それがさらなる世界株安と総円高を引き起こした。」ということを、繰り返し述べてきました。本日は、データにより、それを検証したいと思います。

まず、世界市場の乱高下について、先日も述べましたが、信用不安の指標としてクレジット・スプレッド、世界市場の乱高下の指標としてボラティリティ指数を、グラフにまとめてみました。
(データ引用元 クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com、実質実効為替レート:新生銀行)

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さらに、このグラフに、為替レートを加えてみました。

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キャリートレードは、結構前から確認されている現象です。時間をさかのぼるほど微妙ですが、特に最近においては、信用不安が起こる(クレジット・スプレッド増大)と、為替レートでは、円高の影響があるように見えます。

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日経ビジネス(2007/8/20号)の第二特集「円安貧国、ニッポンの罠」においては、次のような記述がありました。

・外為証拠金取引での個人投資家の投資(円売り)残高は6~7兆円(レバレッジ10倍の前提)
・アメリカ商品先物取引所によると、ヘッジファンドなど投機筋の円売り残高は、2兆円(今年6月)
・アメリカだけでなく世界単位では、ヘッジファンドの円売り取引は5~10兆円
・外国銀行が円を調達して行う海外での円建てローンは5~10兆円
・日本人の海外投資(外貨建て投資信託、外債投資、外貨預金など。FXは除く)は48兆円
・日本の国際収支の「その他資本(国際間の銀行の貸し借り・預金など)」の項目は、2006年は20.5兆円の赤字(資本の流出)に転落

この特集では、「貿易などで稼いだ資本を、海外のヘッジファンドなどに流し続ける構図は、金利が上がらない限り変わらない」と結んでいます。

しかし、円の急な利上げは、即時に、国家破産(日本国財政破綻)のトリガーとなりえます。同時に、世界的には、流動性供給にブレーキをかけるため、世界恐慌のトリガーともなりえるのです。簡単に言うと、これまでの繰り返しになりますが、金利は上げられないという縛りがあるのです。

円の価値が毀損されるのを、指をくわえてみているしかない、そのような情景が目に浮かびます。

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では、どうすればいいのでしょうか?

このブログでは、何度も述べていることですので、あらためては述べません。

大事なことですので、よく考えてください。

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(参考)関連する最近の記事

世界同時株安と円高(1) FXで個人投資家破産・ロスカット多数発生 急激な円高の原因と対策は?
世界同時株安と円高(2) サブプライムショック発の信用収縮はデリバティブ破産へ 世界恐慌の可能性
世界同時株安と円高(3) 問題の本質はCDO発の信用創造縮小 クレジット・スプレッドは急拡大
世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか
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# by kanconsulting | 2007-09-05 23:08 | 経済状況

世界同時株安と円高(4) 円高の理由と中央銀行による流動性供給の弊害 世界恐慌かスタグフレーションか

過去のエントリー「世界同時株安と円高(3) 問題の本質はCDO発の信用創造縮小 クレジット・スプレッドは急拡大」にて、問題の本質は、CDO発の信用創造縮小(信用収縮・クレジットクランチ)であることを述べました。また、この事態を収拾するには、以下の事項が必要であることを示唆しました。
・投資銀行・証券会社・ヘッジファンドなどの含み損が明らかになり、それが収拾可能な金額であるとコンセンサス(納得)が得られること
・企業が、社債市場で資金調達することが十分可能になること
・インターバンク間の資金決済がスムーズに行われ、資金ショートしないと了解が得られること

さて、その後はどうなっているでしょうか?先日は、「さらにクレジット・スプレッドが拡大して二番天井を打つ可能性もある」述べました。一言で言うと、8/15近辺の一番底(クレジットスプレッドとしては一番天井)のあと、先週に二番底をつけたと判断しています。

その根拠は、「世界株式場帳」「ボラティリティ指数」です。

私が記録している「世界株式場帳」から受ける印象では、一番底、二番底のあと、回復基調にあると判断しています。ただ、中国株式市場などは回復が速すぎるため、本当に調整が済んだのか(もう底は来ないのか)という点では、多少の疑問は残ります。

※世界株式場帳とは:世界各国の株式市場ETFの終値を毎日記録した帳面。国家破産を生き残るための世界株式投資のために必要であると、kanconsultingが提唱している。場帳の必要性は、林輝太郎の著書(この記事の最後尾にリンクを記載)を参照。

また、ボラティリティ指数(VIX, CBOE VOLATILITY INDEX, Chicago Options)の変動を見ても、8月中旬の一番天井、先週の2番天井のあと、安定降下をしそうな感じです。

※ボラティリティ指数とは:市場のボラティリティ=ブレ幅をあらわす指数(オプション)で、乱高下するほど値が高くなる。恐怖指数とも呼ばれる。もちろん、この指数も場帳に記載している。

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さて、それにしても、なぜ全通貨に対して円高だったのかという疑問が残ります。

その答えを一言で言うと、これまで何度も指摘しているように、
・この急激な円高は、実需によるものではなく、仮需に起因することは明らか
・一因は、円で資金調達をしていた機関投資家が、世界同時株安を目にして、あわててポジションをクローズしてきている、という、アンワインド(巻き戻し、仮需の決済)
・為替のみの純粋な円キャリートレードだけではなく、株式市場・債券市場・商品市場などを対象とした、広範な市場でキャリートレードがあっただろう
ということです。

また、このブログでは、以前から、円ショートのキャリートレードの副作用を指摘してきました。『機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている』と言われているのです。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利」という報道もあります。

しかし、「キャリートレード(の解消)が(今回の円高の)主因であるはずがない」という意見もあります。たとえば、為替王のブログでは、次のような記載もありました。

(引用開始)

円高緊急レポート(8/17)

昨夜、ドル円レートは一時、1ドル=112円00銭台まで円高になりました。・・・このような急激な円高を受けて、「円キャリートレードが解消された結果だ」・・・といった専門家のコメントが見られますが、私はそうは思いません。

今日のポジション(8/17)

私は、“円キャリートレード”によって円安が生じたとは思っていませんが・・・

(引用終了)


為替市場は世界中に分散しており、各国の株式市場のように統制されたものではありません。しかも、基本的には、インターバンクの相対取引で決まるものですので、「誰が、どのくらい、通貨を買った/売ったのか」という正確な統計は、得られません。加えて、為替取引のうち、どの程度が実需で、どの程度が仮需なのかという正確な値も得られません。

しかしながら、これまで、日銀が円をジャブジャブに供給してきたというのも事実です。マネーサプライを見れば、その事実は明らかです。日本企業はこれまで資金需要が弱く、家計(一般家庭)もそれほど借り入れを起こしているわけではありません。では、そのマネーはどこに消えたのでしょうか?インターバンクを通じて、(海外の)機関投資家に流れている部分の寄与が大きいのだと思います。海外の機関投資家としては、今回のサブプライムショックの影の主役である投資銀行(ゴールドマン・サックス、ベアー・スターンズなど)、ヘッジファンド(ベアー・スターンズ傘下など)なども挙げられるでしょう。彼らは、投資効率(ROE)を上げるために、担保(債券など)をテコにして、日本円の借り入れを起こしてレバレッジを効かせてトレードしているのでしょう。

参考までに、円のマネタリーベースのグラフを挙げておきます。

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ヘッジファンドの運用成績を見てみましょう。たとえば、ヘッジファンドの戦略の一つである「マーケット・ニュートラル(市場のサヤ・歪みに着目し、市場の騰落にかかわらず利益を上げる)」の成績を見てみましょう。「ゴールドマンサックス・日本株式マーケット・ニュートラル・オープン」は、8月まで順調に成績を伸ばしてきましたが、成績が急悪化していることがわかります。この一因として、
・市場の急変により、ポジションの損が膨らみ、ポジションの解消を余儀なくされたこと
・信用収縮による資金繰りが悪化で、リスク許容度が低下し、ポジションの解消を余儀なくされたこと
が挙げられるでしょう。「やむなくポジションを解消して、キャッシュ(現金)にすること」は、FX・先物・株式信用取引のロスカットと同じく、強制的な損切りとほぼ同じ意味です。

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この現象は、世界のヘッジファンドでも同じです。HFRX(ヘッジファンドのインデックス)を見ると、この8月の成績は、8つの代表的な戦略(株式マーケットニュートラル、相対価値、CBアービトラージ、合併アービトラージ、イベント分析、破綻証券、株式ロングショート、マクロ)のうち、合併アービトラージを除く全ての戦略平均でマイナスとなっています。

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つまり、似たような戦略を取っているヘッジファンドは、8月にはおおむねマイナスであり、このポジション解消による換金売りが、市場に影響を与えたのでしょう。
まさに、「機関投資家によるジャパンマネーショートのキャリートレードが、めぐりめぐって世界の金融市場の乱高下をもたらしている」のです。

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さて、各国の中央銀行が、すさまじい量の流動性(資金)を注入して金融不安の沈静化を図ったということは、すでに過去のエントリーで述べたとおりです。
ですが、よく考えてみると、こういったマネーは、めぐりめぐって、さらなる市場の乱高下をもたらす可能性もあるのです。これまでは、ジャブジャブに刷られた日本円が、過剰な流動性の供給源でした。加えて、アメリカや欧州もそうすると言うのです。
アメリカでは、FRBが公定歩合を下げることが織り込まれています。金利が下がり、多量のマネーも供給されるのです。それにより、アメリカ株・世界株は反発することとなりますが、回復の実態を伴ったものではないので、再び暴落といった乱高下という事態が考えられます。

その過程で、株式などは信じられずキャッシュ(現金)だけが頼りだ、という世界恐慌が出現するのか、あるいは、ジャブジャブに供給された通貨が信用を失い、不景気なのにモノが異常に高いというスタグフレーションが出現するのかはわかりません。

※恐慌とスタグフレーションについては、下の図を参照ください。

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金利、為替、株価、物価といったパラメーターは、いろいろな拮抗する経済的パワーのバランスによって決まる複雑系です。過剰な流動性が供給されることにより、その振れ幅が大きくなり、予想もつかない事態が出現する可能性があるのです。

まして、ドルそのものも、その信任は自転車操業です。ですが、この話は別の機会に譲ります。

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結論を書きますと、

・今回のサブプライム・ショックに起因する世界株安は、二番底をつけたと判断
・しかし、投資銀行・ヘッジファンドなどの含み損が全て明らかになっておらず、さらに信用収縮が進むという可能性は残る
・各国の中央銀行が流動性を供給しているが、これにより、短期的には社債市場やインターバンク間の資金決済がスムーズに行われるようになる可能性が高いと見ている
・しかし、各国の中央銀行が流動性を供給しているが、これが、中期的にはさらなる市場の乱高下をもたらす可能性があり、注意が必要

ということです。

このような状況の中で、私たち一般国民は、繰り返しになりますが、

・市場の変動に右往左往することなく、冷静に市場(相場)を見ること
・余裕資金で、外貨と、世界株式に、長期積み立てで投資すること
・投資の戦略と戦術を守り、ギャンブルはしないこと
・このような経済混乱の時期は、よい買い場ではあるが、全力投入はしないこと

が必要なのだと思います。

投資ブログ「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」で紹介している参考図書も参照ください。

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関連した記事を、「株式日記と経済展望」から引用します。

(引用開始)

為替市場から見るとドルとユーロの暴落と円の急騰は何を物語っているのだろうか? 円キャリによるドル経済圏とユーロ経済圏にバブルが起きた。世界中が好景気に沸いて株高と不動産バブルに沸いて、日本だけが株安と不景気が長く続いてゼロ金利で資金需要は国内では無く、日本の資金は海外に流失していった。

ユーロ高とヨーロッパの不動産バブルは日本からの資金で起きたのだろう。アメリカではサブプライムで不動産ブームも終わりを迎えましたが、ヨーロッパの不動産バブルもそろそろ終わろうとしている。だから中央銀行の対応を見ると欧州中銀の資金供給が一番大きく、ヨーロッパの不動産バブルが大きかった事を物語っている。

サブプライムだけが問題ならアメリカだけの問題ともいえますが、欧州中銀が資金供給した金額が一番多いということはEUが不動産バブル崩壊の規模が大きい事を示している。さらに世界各地の不動産バブルにも波及して、世界の投機資金は円キャリの逆流によって昨日と今日で7円もの円高になっている。今回の世界同時株安は日銀の金利引き上げによるものではなく、欧米のバブル崩壊によるものだ。

今月の日銀の金利の引き上げは不可能になり、福井総裁が強行すれば世界金融恐慌を起こしかねない。むしろ金利の引き下げで不安定になった世界の金融を落ち着かせる必要がある。エスプレッソダイアリーに書いてある通りに日本のゼロ金利からの金利の引き上げによる金融市場の変調が現れ始めたのだ。

USドルが果たしてきた世界の基軸通貨の交替期が来たのであり、円の役割は世界金融においてますます重要性が高まってきているように思える。それは円ドルチャートやユーロ円チャートを見れば分かるように、世界の投機マネーは大変動があるときは一番強い通貨に集まる傾向にある。つまり円が世界の基軸通貨になることが望まれているのだ。

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夏休みなのに株の暴落が止まりませんが、9月のファンド解約分の払い戻しの為の資金を確保する為に売らざるを得ないのであり、それが15日から出てくるからだ。それが分かっているのだから前もって空売りをかけていれば確実に儲かるのですが、ファンドの方はそんな余裕もないようだ。おそらく公的なところからの買い支えなどもあるのでしょうが、金融株や優良株ほど売られるのは海外からの換金売りなのだ。

「株式日記」を読んでいただいている読者の方は、現在何が起きているのか分かっている事と思いますが、テレビなどでは連日株が大きく下げている事は報じても、サブプライムがどうのこうのと経済記者たちは言っていますが、現在起きているのはクレジットクランチで世界各国の中央銀行は無制限の資金供給をしてパニックを抑えようとしている。

現在の世界で起きていることは80年代に日本で起きていたことであり、80年代の日本企業は財テクと称して本業をほったらかしてマネーゲームにのめり込んでいた。だぶついて金利の安かったユーロダラーを借りて株や土地を買っていたのだ。大衆も銀行から金を借りて住宅やマンションを買ったり株を買っていた。それが90年代に入って株や土地が暴落して、最初に住専などが破綻した。

住専に相当するのがサブプライムローンであり、銀行は焦げ付きかけた住宅ローンを住専に肩代わりさせていたところも多かった。しかしサブプライムだけの焦げ付きだけで済むわけはなく信用不安まで引き起こす状況になっている。欧米のファンドや金融機関はこれからが正念場で、ファンドや銀行の倒産騒ぎが起きてくるだろう。

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自分がファンドマネージャーになったつもりで考えてみたらいい。
私たちのような個人投資家は塩漬け株がいくらあろうが含み損がいくらになろうが誰からも責任を問われない。
しかし、彼らは違う。
顧客から運用を託された資産を増やしていくことが義務づけられているのだ。
つまり、運用している資産の一部に大幅な欠損を抱えれば、それを穴埋めするために利益が出ている資産を処分するだろうし、基準価格の下落により、顧客からファンドの解約を求められればキャッシュを用意するために資産を処分しなくてはならない。
まして全面安の局面が続けば先回りして利益を確保しようというのは誰でも同じだ。

そして、金融用語辞典を見ると、キャリートレード(carry trade)というのは、低金利の通貨を借りて、高金利の通貨などに換えて運用すること、とある。
借金なのである。
例えば、100万円を借りて年利1%とすれば金利は1万円だが、誰が見たって、それはコストなのである。
円安、外国株高のときは、1万円の金利など気にもならないが、これが逆回転し出したら突如としてコストとしての存在価値が増し、たかが1万円と言えども余計なコスト要因は減らしたい、清算しようと思いたくなるのではなかろうか。
これが大きな流れとなれば、突如として雪崩を打ったような外貨売り(円買い)が始まるだろう。
今のところは、「円ローンの繰上げ返済」をやり始めたという段階なのだろうが、今のサブプライム問題が長引くようだと9年前の悪夢の再現となるかもしれない。

今のところサブプライム問題に端を発した株安が中国には飛び火する感じは全くない。
世界中の投資家にとって最後の桃源郷みたいなものだ。
だが、1つだけ懸念がある。
果たして中国政府要人の投資家、あるいは彼らが絡んだ国営企業はサブプライム問題に関係してないのだろうか。
仮に彼らがそのような大ポカをしていても今のところは隠されているかもしれない。
中国株を大量処分することなどまかりならんと政府トップから厳命されているかもしれない。
しかし、そのような事態が隠されているとなると、いずれ背に腹は変えられなくなるヤツが出てくる。
そのときがセリング・クライマックス(selling climax)となるだろう。

円の暴騰か中国市場の暴落、おそらくそのときが今回の株安の大底となろう。
9年前も10月の円暴騰が世界大恐慌が始まると言われた株安の連鎖が終わったときだった。
そこから世界的なITバブルへの道へとつながったのだ。
ポストBRICs投資、私はそこまで待ってみようと思っている。

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サブプライム融資を発端とする米国の不動産バブル破裂が話題となっている。しかし、ブルームバーグの記事によれば、英国の不動産バブルは米国よりも深刻だという。その原因としては、1.不動産価格の上昇が継続していること、 2.金利上昇が継続していること、 3.金融機関の多くが所得証明なしに貸し出しを行うなど、返済能力の評価が不十分であること、等が挙げられている。

現在の世界的な過剰流動性が逆流し始めるならば、英国でも金融機関が貸し出し余力を失い、不動産バブルは急に蛇口を止められて破裂するだろう。更に、国際金融資本の本拠地であるロンドン金融街の繁栄に依存しきった英国経済は大手金融機関の相次ぐ破綻で大打撃を受け、大恐慌に突入する可能性が高いと思われる。

欧州諸国の中で不動産バブルが最も深刻なのはスペインである。ただ、2010年以降に太陽活動の低下に伴って欧州が寒冷化する可能性があり、スペインは寒冷化の打撃を受ける北欧諸国の住民の避難先として住宅需要が下支えされる可能性がある。英国は欧州寒冷化の打撃が最も大きい国の一つであり、住宅需要の下支えは存在しないだろう。

欧州経済で注目すべきことは、ドイツに不動産バブルが存在しないことである。このため、バブル崩壊による内需減少はドイツではほとんど起こらないと想像される。この点は日本も同様である。石油・天然ガスの輸出で蓄積した膨大な対外資産を有し、シベリア開発などの設備投資の高まりも想像されるロシア経済も成長を続けるだろう。近未来の世界では、恐慌の混乱の中でダメージの小さい日本・ドイツ・ロシアが経済的にも政治的にも急速に影響力を拡大すると想像される。英国は既に製造業を失い、北海油田も枯渇寸前であり、唯一繁栄している金融業も破綻がほぼ確実である。近未来の英国は英語だけが資産となり、ラテンアメリカとの言語的繋がりを有するスペインと同じ程度まで国際的影響力を低下させていくことになるだろう。

(引用終了)


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# by kanconsulting | 2007-09-02 21:03 | 経済状況

世界同時株安と円高(3) 問題の本質はCDO発の信用創造縮小 クレジット・スプレッドは急拡大

今回の世界同時株安の本質は、サブプライムではなく、これまで何回も指摘していますが、「信用創造の縮小(信用収縮・クレジットクランチ)」なのです。サブプライムは、起点に過ぎません。

どういうことでしょうか?データを引いて検証してみましょう。

下のグラフは、過去10年間の高金利債券(つまり低格付け)と国債の利回りの差、クレジットスプレッドです。

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(引用開始)
According to Merrill Lynch data, high yield corporate bond spreads tightened for the second day in a row today, and while that doesn't seem like much, it is the first time this month that spreads tightened for two consecutive days. The chart below shows the direction of high yield spreads since 1997 with spikes of 20% or more highlighted in red. With spreads widening by 90% (so far) since their lows on June 1st, this period ranks as the third most severe.
”ThinkB.I.G”
(引用終了:図もここから引用)

赤線が立っているところは、クレジットスプレッドが+20%以上拡大していることを示しています。赤線の箇所と、過去に経済的危機のあった時期は、対応していることがわかると思います。つまり、過去の危機においては、クレジット・スプレッドが大きく拡大して、これも何度も書いていますが「質への逃避」が起こっていたということです。特に、2000~2003年の、世界株式調整期には、スプレッドが大きくなっていたことがわかると思います。

さて、今回のサブプライムショックでは、6/2~8/23近辺までで、90%の拡大となっています。これは、98年のLTCM破綻、00年のITバブル崩壊に続く、3番目の大きな拡大幅となっています。これが、今回の信用収縮の速度が急であったということを表しています。

ですが、クレジットスプレッドの絶対値で見ると、これら過去の最大値に比べて、そこまでの危機的状況ではない、と読み取ることもできます。

1998(LTCM破綻・ロシア危機):700bp程度 bp(ベーシスポイント)=0.01%
2000(ITバブル崩壊):1000bp程度
2002(エンロンなど会計不正):1100bp程度
2007(サブプライムショック):450bp程度

これだけを見ると、すでにスプレッドは天井を打って、安定降下に入っているようにも見えます。しかし、二番天井がある可能性もある、と指摘します。その理由は、別途述べます。

---

さて、問題の起爆剤となったCDOはどうなっているでしょうか。

ABSとは:資産担保証券。ここでは、サブプライムローンなどを証券化したもの
CDOとは:債務担保証券。ABSを含むいろいろな債務などを混ぜてリスクをコントロールした証券。
CDSとは:クレジット・デフォルト・スワップ。信用リスクをお金に換えるデリバティブ。
ABX-HEとは:ABSを対象としたCDOのうち、流動性の高い20銘柄を指標化したもの。信用度に応じて、AAA、AA、A、BBB、・・・と格付けされている。BBB以上が投資適格、BB以下は無格付けのエクイティ(デフォルトリスクが高い)とされる。

参考のために、サブプライムと、CDOなど証券類のカネの流れを示した図を引用します。(「日経金融新聞」(2007.07.12) 「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」より孫引き)

(このスキームの中には、すでにデリバティブが導入されています。一口にデリバティブといってもいろいろあるのですが、今回の危機は、すでにデリバティブに波及しているという見方も可能です。)

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さて、ABXのインデックスを見てみましょう。前回の引用(7/18)から比べて、大きく下落していることがわかると思います。

(グラフ 上からAAA、AA、A、BBB。いずれもシリーズ07、バージョン1)

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このように、AAA格はオーバーシュートの修正が入っていますが、AA格~BBB格は、もはや投資適格債券とは言えない値動きになっていることがわかると思います。

過去のエントリーでも述べましたが、CDOそのものは、サブプライムだけではなく、その他の社債などのまともな債券もミックスされています。なぜここまで忌避されるのでしょうか?

簡単に言うと、次のようになると思います。

これまで人気のなかった味の悪い肉(くず肉)を、ミンチにするという手法で、「安くておいしいミンチ」にすることが可能となりました。
しかし、このくず肉には腐っている肉が混入しているという疑いがあり、見分けのつかない一般人は、ミンチ全般を忌避して、正体のはっきりしているロースに人気が集中してしまいました。ロースの値段は上がったのです。ミンチは、ミンチというだけでどれも買い手がつかなくなり、ミンチ市場は閑古鳥が鳴く状態となりました。
ミンチの製造業者や、くず肉の卸業者は、自分でミンチやくず肉を抱え込み、倒産寸前という事態となりました。また、安物ミンチほど利益が大きいことに目をつけて、高級ミンチと安物ミンチの差で一攫千金をもくろんだテキヤは、大損を抱えることとなりました。
(ミンチのレトリックは、「広がる信用崩壊」を参考にしました)

くず肉:サブプライム、そのABS
ミンチ:CDO
ミンチにする手法:証券化
安くておいしい:高金利なのに格付けが高い
ロース:国債
ミンチ市場:低格付け(高利回り)債券の市場
ミンチの製造業者や、くず肉の卸業者:投資銀行、証券会社
テキヤ:ヘッジファンド

もう少し、データを引いて検証してみましょう。

国債(品質がはっきりしたロース)に人気が集中して値段が上がるということは、長期金利が下がるということです。下に、主要国の長期金利を示しますが、いずれも低下していることがわかります。これが、「質への逃避」が起こっているもうひとつのデータとなります。

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(”ThinkB.I.G”より引用)

投資銀行、証券会社については、今回の信用収縮の裏の主役とも言えますが、いずれも巨額の損失を抱えていると言われています。(GS:ゴールドマンサックス、MS:モルガンスタンレー、LEH:リーマンブラザーズ)

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それだけではありません。「広がる信用崩壊」によると、問題がまだ残っています。
・企業が社債で資金調達することが困難に
・インターバンク間の資金決済の担保が拒否され、資金繰りがショート
・ファンドのプログラミング売買が、信用収縮を加速させた

こういった問題に対して、各国の中央銀行が資金を注入して沈静化を図ったということは、すでに過去のエントリーで述べたとおりです。にもかかわらず、こういった信用収縮に関する問題は、まだ十分に解決されていません。

フィナンシャルタイムス(8/15)
「社債が売れない状態が続くと、企業の資金調達が難しくなり、実体経済への悪影響が広がり、株価も下がる。連銀や日銀など各国の中央銀行が動き出したことで危機が終息過程に入ったと見るのは間違いで、危機の第1幕が終わり、これからもっとひどい2幕目が始まると考えた方が良い。」 (和訳は「広がる信用崩壊」から引用)

エコノミスト(8/16)社説
「市場参加者の全員が売りたい状況なので、資産価値の下落がどこまで、どんな速さで続くのか、誰にも想像がつかない」
「今回の危機は(証券化という)金融界の新構造に深く根ざしているので深刻だ。もう危機は終わったと言っている人々は、馬鹿か、自分の利害を守るためにでたらめを言っているだけだ」 (和訳は同上)

だから、「さらにクレジット・スプレッドが拡大して二番天井を打つ可能性もある」と述べているのです。

くれぐれもご注意ください。
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# by kanconsulting | 2007-08-25 03:26 | 経済状況

世界同時株安と円高(2) サブプライムショック発の信用収縮はデリバティブ破産へ 世界恐慌の可能性

今回の世界同時株安に関連して、各国の中央銀行は、信用収縮に対応するために、流動性(簡単に言うとマネー)を供給しています。その額は、トータルで30兆円とも言われています。しかし、それにもかかわらず、世界株式市場は、大きく株安となっています。アメリカだけではなくイギリスの不動産バブル崩壊の可能性も指摘されており、これ以上の信用収縮には、世界経済はギブアップとなることもありえます。

過去のエントリーで、
『信用創造の縮小によって、50兆ドル(5000兆円)とも言われる巨額のデリバティブ(派生金融商品。非常に簡単に言うと、レバレッジの効いた権利取引)の焦げ付きも懸念されるところです(「「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を」)』
『このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか(「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」)』
と書きましたが、まさに、サブプライムショック発の信用収縮が、デリバティブ爆弾に着火しようとしているように見えます。ですが、長期金利が上がっていないことから、不発に終わる可能性もあると見ています。

LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の破綻を思い出された方もおられると思います。あの時も、質への逃避が起きました。今回も、主要通貨の長期金利は上がっていません。

ただの、中規模の世界株式調整であって欲しいが、最悪の事態(デリバティブ破綻による世界恐慌)も想定しなければならない、と主張します。また、デリバティブ破綻が起こらなくても、この調整は、グズグズと数ヶ月続く可能性がある、とも指摘します。

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さて、以下は、主にニュースを貼り付けて紹介するためのものです。世界同時株安(サブプライム・ショック)の見通しについては、別途エントリーを掲載します。

(引用開始)

主要国中銀、市場安定化へ3営業日連続で資金供給2007年08月14日08時35分

[ニューヨーク/フランクフルト 13日 ロイター] 主要国の中央銀行は13日、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 問題に端を発した信用収縮懸念で不安定になった市場を落ち着かせる目的で3営業日連続となる資金供給を実施した。
ただ、投資家の不安が和らぐ兆しが出てきており、13日の資金供給は、それまでの2日間より少ない規模となった。
欧州中央銀行(ECB)は、オーバーナイトのオペを実施し、476億7000万ユーロ(652億9000万ドル)を供給した。欧州の銀行がサブプライムモーゲージ(住宅ローン証券)にかなり投資していることへの不安から貸出金利が急上昇した前週9日以来、最も小規模となった。
米連邦準備理事会(FRB)は公開市場操作で20億ドルを供給した。これも2001年9月19日以来、最大規模となった10日の380億ドルを大きく下回る水準。
ECBは、市場が正常な状態に戻り始めている、とし、FRBは必要に応じて金融システムに資金を供給する用意がある、との姿勢をあらためて示した。これが、米国を含む各国の株式市場の不安を和らげた。
米投資銀行大手ゴールドマン・サックス・グループが、市場の混乱で運用が悪化している傘下のヘッジファンドに外部の投資家とともに30億ドルを注入することになったことも、株式市場を好感させた。
アナリストは、これまでのところ世界規模の信用収縮は回避できているが、米サブプライムモーゲージ市場に関連した損失がすべて判明するまで、市場の不安は続くと予想。
ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ロウ・クランダール氏は「今回の特殊な事象は収束しつつあるようだが、収束しつつあるという兆候であって、サブプライム関連の損失がどこにあるか、われわれに分からないという根本的な問題は残っている」と指摘。「流動性に関するこの種の問題に対するシステムの不安定さは、依然続いている」と述べた。
米フェデラル・ファンド(FF)金利は13日午後の段階で5.12%と、FRBの誘導目標である5.25%を大きく下回っている。前週は、6%まで上昇したが、10日のFRBの大量資金供給後に1%割れまで低下していた。
欧州短期市場でも、9日に4.6%を付けていた翌日物金利が、13日午後の取引で3.90%まで低下し、ECBの政策金利の一つである短期買いオペ金利の4.00%を下回った。
カナダ中銀も13日に市場に引き続き資金を供給したが、規模は6億7000万カナダドル(6億3800万米ドル)と10日の16億8500万カナダドルから大幅に縮小した。
前週後半以降、主要国の中央銀行が協調して大量の資金を市場に供給してきたが、それらは翌日物が中心で、供給された資金の大半はすでに市場から吸収されている。

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2007/08/10-09:14 欧米当局、流動性確保に全力=大規模資金供給で協調姿勢

【ニューヨーク9日時事】米国の住宅金融問題をきっかけに信用収縮に対する不安が強まり、金融市場で短期資金の需給が逼迫(ひっぱく)したため、欧米の金融当局は9日、緊急措置として潤沢な資金を供給するオペレーション(公開市場操作)を実施した。リスク回避で資金の出し手が現れなければ、資金繰りが悪化した金融機関が連鎖破綻(はたん)する金融危機につながる恐れもあり、当局が歩調を合わせて流動性確保に全力を挙げる姿勢を打ち出した。

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米FRB、公開市場操作を通じ必要な流動性を供給=声明2007年08月11日08時45分

[ワシントン 10日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は10日、クレジット市場の問題拡大を阻止し投資家の懸念を和らげるため、金融市場の秩序だった機能を維持するよう流動性を供給している、との声明を発表した。
FRBがこのような声明を出すのは異例であり、現在のクレジット市場の混乱を深刻に受け止めていることを反映している。FRBが前回このような声明を発表したのは、2001年9月11日の同時多発テロ後だった。
FRBは、株式市場の通常取引開始直前に発表した声明で「FRBは、金融市場が秩序だった機能をするよう流動性を供給している」と指摘。「フェデラル・ファンド(FF)金利が市場で米連邦公開市場委員会(FOMC)が設定した誘導目標である5.25%に近い水準になるよう、公開市場操作を通じて必要な資金を供給していく」と述べた。
理由については「現在、短期金融市場やクレジット市場の混乱により、金融機関は異例の資金需要に直面している」ためとし「いつものように、FRBの割引窓口(discount window)を活用して資金を調達することができる」とした。信用の枯渇を回避するため、あらゆる措置を実施していくとも表明した。
声明発表に先立ち、通常のオペ発表より早い時間に、期間3日のオペ(公開市場操作)で190億ドルの資金を供給すると発表。その後160億ドルを追加供給した。この日の供給額は計350億ドル、1週間では845億ドルとなった。

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流動性供給の実施、ECBの市場注視を示す─トリシェ総裁=仏紙2007年08月11日08時45分

[パリ 10日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、ウエスト・フランス紙とのインタビューで、ECBは8月初旬に金融市場を注視していくと表明しており、流動性供給の実施はそのことを示していると語った。
総裁は「8月2日に(ECB)理事会の声明読み上げで、今後も引き続き市場動向を注視していくと語った」とし「(市場を注視していることは)それ以降にわれわれが実施していることで、適切な流動性を市場に供給することを通じて行っていることだ」と語った。

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ECBとFRBの資金供給は迅速な対応=ポルトガル財務相2007年08月15日07時45分

[リスボン 14日 ロイター] 欧州連合(EU)議長国のポルトガルは14日、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備理事会(FRB)が、資金供給を通じてクレジット市場の混乱抑制に迅速に対応したとの認識を示した。
ポルトガルのドスサントス財務相は、地元ラジオに出演し「米国、ユーロ圏の金融当局はともに必要な流動性を市場に供給することを通じて迅速に対応した」と指摘。
中銀の資金供給が、米国の不動産部門の混乱が流動性の混乱につながる事態を回避するだろうとの見方を示した。
当局は資本市場の動向に注意する必要があるとした上で、「住宅融資部門の問題に直面しながらも、資本市場には既に信用と平静が回復している兆しがある」と述べた。

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カナダ中銀、流動性拡大に向け6.7億カナダドル供給

【オタワ 13日 ロイター】 カナダ銀行(中銀)は13日、6億7000万カナダドル(6億3800万米ドル)を市場操作を通じて供給したことを明らかにした。翌日物金利を目標水準に低下させ、流動性を拡大するため実施した。
カナダ中銀は前週9日、米サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン)市場の問題で流動性が懸念される事態が生じたことを受け、各国中銀と連絡をとっているとのコメントを発表、必要に応じて資金供給を実施するとしていた。
9日には16億4000万カナダドル、10日には2回の供給で計16億8500万カナダドルの資金供給を実施した。

(引用終了)

関連した記事を引用します。

(引用開始)

低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンがらみの信用不安による資金繰り難から、ヘッジファンドなどに資金を提供していた金融会社や米住宅金融会社が、投資家への配当の凍結や先送りをすると相次いで表明。信用不安問題への懸念がさらに強まった。さらに大型小売店ウォルマート・ストアーズの決算が市場予測に届かなかったことも、米景気を支えてきた個人消費の先行き懸念につながった。

東京新聞2007年8月15日 夕刊

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国際金融市場では米国の非優良住宅担保融資(サブプライムモーゲージ)の不正に触発された金融危機を打開するために各国中央銀行が資金を無制限供給すると打って出た。問題はサブプライムモーゲージの不正とそれによる信用の梗塞が、実は2003年以後、世界的に進行された過剰流動性の結果だという点だ。流動性を増やしすぎたあまり、不正の危険が大きな不動産融資にまでお金が回り、融資を返すことができない事態が起こったのだ。すると金利が跳ね上がって、融資元利金を返すのはさらに難しくなる悪循環がもたらされている。お金がたくさん回った結果、市中の金脈が乾いてしまったのだ。中央銀行などは過剰流動性の問題を解決するために流動性をもっと増やすほかない逆説的状況に処してしまった。

中央日報

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2001年以降に始まった世界的な利下げ、金融緩和。米国は2004年後半から、ユーロ圏は2005年末から緩やかな金利引き上げに転じましたが、世界的なカネ余り状況が続き、過剰流動性が資産価格を上昇させ続けていました。とくに、ゼロ金利を長期間続けた日本はいまでも超低金利により、過剰流動性の供給源になっていると批判されています。

米国は景気浮揚のための住宅政策をとってきたこともあり、住宅価格の値上がり→買い替えを前提にした住宅融資が続けられてきました。しかし、これがもはや限界に達し、昨年からとくに、低所得者層、いわゆるサブプライム層をターゲットにした融資で貸倒率が急速に高まり、住宅ローン専業業者が相次いで破綻しています。サブプライム融資を可能にしたのが、多くの投資家の参加を可能にする住宅ローンの証券化であり、さらに、証券化商品であるMBSから派生するCDO(債務担保証券)。6月後半になって、米大手証券会社ベア・スターンズの2つのヘッジファンドがサブプライムMBS投資で大きな損失を出したことが報じられ(7月に入りほとんど無価値となったことが判明)、欧米の大手金融機関の損失やさらには年金基金の損失がどこまで拡大するのか懸念されています。

サブプライム問題の金融・証券市場への影響としては、大きく2つのルートによる波及が考えられます。1つは、住宅市場を冷え込ませることによる米国景気への影響。もう1つがMBS、さらにはCDO市場での大手金融機関や機関投資家の損失により、リスク商品からの資金引き上げ、いわゆる“質への逃避”が起きる形での影響です。後者については、影響は大きいとする見方と限定的とする見方が拮抗していますが、前者については悲観的な見方が広がっています。

会社四季報

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-08-17 01:50 | 経済状況

世界同時株安と円高(1) FXで個人投資家破産・ロスカット多数発生 急激な円高の原因と対策は?

現在、すさまじい勢いで円高が進行しています。下のチャートをご覧ください。上からいずれも対円で、USD(ドル)、EUR(ユーロ)、AUD(豪ドル)、GBP(ポンド)、CHF(スイスフラン)となっています。このような急激な円高は、実需によるものではなく、仮需に起因することは明らかです。

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この一因は、円で資金調達をしていた機関投資家が、世界同時株安を目にして、あわててポジションをクローズしてきている、という、アンワインド(巻き戻し、仮需の決済)でしょう。為替のみの純粋な円キャリートレードだけではないと考えています。キャリートレードやアンワインドについては、過去の記事を引用しますので参照ください。

(開始)

「円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる」

さて、キャリートレードは仮需ですので、必ず「反対売買・決済」を迎えます。これを、巻き戻し(アンワインド)と言います。大きなアンワインドが起こると、仮需で膨らんだ市場が縮小(シュリンク)します。それは、「本来の状態に戻っただけ」なのですが、イケイケになってしまった市場参加者は困ってしまうわけなのです。いきおい、他の資産クラスを処分するなど、経済全体に影響が出ることになります。

(終了)

さて、今回の円高で、多くのFX投資家が、大きな損を出しているようです。日本国財政破綻Safety Netの書き込みを引用します。

(引用開始)

Commented by ジンです! at 2007-08-16 20:21 x
こんばんは!
今回の円高(FX)で約300万ぐらいなくしました。FXは非常に危険であるということが身にしみました。現在ノ-ポジ。FXはやらないか、一部の遊び感覚でやるかのどちらかです。300万取り返そうという気はありません。今まで夢を見てました。

Commented by kanconsulting at 2007-08-16 22:41 x
ジンさん
今回の円高では、とあるFX会社では顧客の4割に、ロスカット(強制損切)が発動したというまことしとやかな噂もあります。真偽はわかりませんが、FXが市民権を得てきた現状では、ありそうな話です。
今回の円高で300万ロスしたということは、対円で平均3円円高と仮定して、100枚(1枚=1万ドル等)でしょうか。くれぐれも、高レバレッジにはご注意ください。せめてレバ5倍、可能なら3倍。そして、ポジションは必ず時期を分散して建てること。ならば、今回クラスの円高には十分耐えられます。これは、私は昔から主張していることです。
そして、これからもっとえげつない時期が来る可能性もあります。

(引用終了)

「あれ?どこかで聞いたような話だな?」と思われた方は、以下の話を思い出されているのでしょうか。過去の記事から転載します。

(開始)

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

Commented by 高レバ at 2005-12-17 08:21 x
最大限の高レバのせいで、追証・追証、それでも間に合わず最後に強制決済されました。
ドルならまだまし。NZ・豪ドルで運用していた為一瞬でした。
+200万が、-200万へ・・・。自己資金じゃない分、余計いたし。他の評価損益を合計すると1500万は溶けた、地獄の2週間でした・・・。立ち直れん・・・

(終了)

さて、現在の相場は、オーバーシュート(行き過ぎ)の可能性があると見ています。ですが、「だったら全力で買いだ!」というのも、リスクが高い行為です。

なぜならば、このような暴落に近い相場の調整は、短くとも1週間(そのうちすでに数日は経過していますが)、長ければ数ヶ月続くのが普通だからです。海外の機関投資家はバケーションであることも多く、しばらくは、ダラダラとした投げ(ポジションのクローズ)が続くものと見ています。誰かが投げ終わるまで、相場は戻らないのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

私は、数年間、ずっと同じことを書いています。ブレがありません。そして、ブレがないこの姿勢が、これまでの度重なる円高や世界株安を生き延びてきた秘訣なのです。

冷酷なことを何度も書きますが、この程度の円高や株安で右往左往しているようでは、これから来るであろう『国家破産の大津波』と『戦時統制経済』を生き延びられるはずがありません。

(もちろん、国家破産・日本国破綻や、戦時・戦争が来ないに越したことはありません。心構え・リスク対策の話とご理解ください。)

大事なことですので、よく考えてください。

過去の記事から転載します。

(開始)

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

キャリートレード通貨に乗っかって、積極的に為替差益ねらいやスワップかせぎをしようとする場合は、次の点に留意する必要があります。

(共通)
・場帳、玉帳をつけて、変動感覚をやしなうこと
・余裕資金で、少しずつ買っていく(売っていく)こと
・恐怖心や射幸心をほどほどにおさえ、冷静に相場を見ること
・押し目でナンピンし、平均値を有利にすること
・一発狙いはお勧めしません

(為替差益ねらい)
・高レバレッジでもかまわないが、その場合は損切りポイントは必ず入れておくこと
・損切りポイントは、購入時より1~2円 (レバレッジによって、復活が可能なポイントに設定)
・損切りポイントは、絶対に下げないこと
・逆に、損きりポイントを上げて、利益確定ポイントに変更するのは推奨

(スワップ狙い)
・あらかじめ、過去最高の円高がありうるものとしてレバレッジを低めにすること (2~3倍)
・多少の相場変動には動じないこと、デイトレードはしない
・計画的ナンピン推奨、利乗せはほどほどに

この中で重要なものを3つあげるとすると
「変動感覚」
「損切りポイント」
「低レバレッジ」
です。

「変動感覚」は、林輝太郎の本などにくわしく掲載されています。小職は、林輝太郎の本を読む前から、
・大きなポジションをいきなり立てるのは心理的にギャンブル性が高く、うまくいかない
・恐怖心を克服するために、小さなポジションを少しずつ立てることが、精神的に楽
・そうすることで、動揺することなく、「上がった」「下がった」を冷静に受け止めることが出来た
・だから、相場が下げても安心して長期投資が出来る
・有利な場面が来れば少しずつ買い増しが出来る
と思っていました。

皆様にも「変動感覚を身につける」ことをお勧めします。「変動感覚・リスク管理のない、当て物や一発勝負」は、大きな損失への片道切符です。くれぐれもご注意ください。

(「変動感覚」についての参考書籍)
以前から紹介しています株式投資の本ですが、基本精神はFXにも通じるものと思います。リンクの張ってあるものは、アマゾンから購入可能です。アマゾンで購入すれば、3000円以上は送料無料です。

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「FX(外国為替取引)~ドボンしないために(2) 情報商材にはご注意」

①高レバレッジの危険性

これについては、何度も何度も繰り返し述べており、再度述べません。中長期の資産形成には、レバレッジ2~3倍で十分です。利乗せの時期でもレバレッジ5倍が上限でしょう。普通の皆様はレバレッジ10倍程度だと思いますが、くれぐれもご注意ください。レバレッジ50倍などは、狂気の沙汰です。

②分散投資の有効性検証

資金を分散させ、リスクが減るような組み合わせ(ポートフォリオ)を考えることで、資産保全を行うこいうことについて述べます。ここで注意しなければならないのは、
・何でもいいから分散すればいいと言うものではない
・組み合わせが、リスクを低減できるような、逆相関(ヘッジ)あるいは無相関になっていることが重要

一般的に、FXのそれぞれの通貨同士の相関度は、株式よりも高いようです。それに、通貨ペアといっても、通貨自体がそんなに多くないですから、「無相関の通貨ペア」を探し出すのも一苦労でしょう。相関度の解析を行わずに、無相関と仮定するのは、センスがないと思われても仕方が無いですね。しかも、「従来の相関の度合い」は、必ずしも今後の相関をも規定するものではありませんし、当然バラツキもあるわけですので、相関係数が絶対というものでもないのです。では、どうすればいいのでしょうか。

③安全なスワップ取引

複数の通貨ペアを導入することで、思ったほどではなくても、それなりにリスクが減少することは事実です。

個人的運用では、USD/JPY>EUR/JPY>CHF/JPY>AUD/JPY>GBP/JPY>CAD/JPY>NZD/JPYの7ペアのロングを長期保有しています。ポジションを立てる時期も選んでいますし、そもそも3倍程度の低レバレッジにおさえていますので、今月の円高の時期も安心して寝られていました。

「ポジションを立てる時期」として、具体的には、USDは今年の2~4月、EURは今年の2~6月、GBPはイギリスでテロがあった時期など、「安値つかみ」を心がけています。

---

「ドル高一服、反転ドル安に調整」

最近FXを始められて、「ドルを買い損ねた!まだまだ行ける!買い増しだ!」と、高いレバレッジでドルのロングポジションを立てていた方は、強制決済にかかってしまった方もおいでなのではないでしょうか?

本日のこの動きは、小職にとっては「損きりの動き」のように感じました。これまでも「購買力平価と為替レートの関係~キャリートレードのブームとバースト」などの記事で何回か書いていますが、ドル円のようなキャリートレードの関係にある通貨ペアは、じわじわと高金利通貨が買われ、機関投資家の利益確定が呼び水となってポジションをふくらませた投資家の狼狽売りを誘発し、一気に高金利通貨売りに反転することが特徴です。

「『まだ』は『もう』なり、『もう』は『まだ』なり」
「人の行く 裏に道あり 花の道」

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「FX(外国為替取引)の記事 為替の予測は短期ほど不可能 満玉張らない・相場の動きを感じる」

その中で、「為替の予測を当てることは、短期になるほど不可能」につきまして、その通りと思います。外貨の買いは、あくまでも、日本円に対するリスクヘッジですので、円高リスクがあらかじめ許容できるレベルにとめておくのが上手なやりかたです。そのためには、

・余裕資金を持つ (満玉張らない、全力投球をしない)
・相場の動きを感じる

ことが重要です。

---

「山崎元が語る「売買を分割したくなる心理について」 分割売買は非合理的で言い訳がましい? 戦略と戦術」

結論から言いますと、「投資の戦術においては、自分のメンタル面である『恐怖心、射幸心』『興奮、絶望、思い上がり』をコントロールすることが、とても重要」であるということです。これは、言い訳や自慢とは全く異なる種類の「心理的効果」なのです。市場の流れや、いろいろな情報、それに乱高下がもたらす興奮や絶望によって、勝手に市場から退場してしまう個人投資家がなんと多いことでしょうか。そして、「(プロの)分割売買は、自分の心理面をコントロールするという面でも有効」ということは、このブログで何度も言及しているところでもあります。

これも何度も書いていることですが、自分の心理面をコントロールできない(しようとしない)方が、今後ありうる経済的動乱を生き抜くことは難しいのではないでしょうか?大事なことなので、よく考えてください。

・・・そして、このブログでは何度も指摘しているように、大きな戦略としては、『今後の日本の経済を見通したときに、海外株式投資を主力にせざるを得ないことは自明』なのです。

戦術として、「フルインベスト(手持ち資金を使い切って投資すること、全力投資)」は、必ずしも適切ではありません。何度も繰り返し書きますが、「満玉張るな」なのです。たとえば、日本の証券会社が販売する投資信託は、「設定日から数日間で、集めた資金のほとんどを使い切ってしまうので、相場観もなにもあったものではない」という指摘もあります。「思い立ったが吉日なので、フルインベスト」では、資産運用のプロと称するには嘆かわしい限りです。

以前も書きましたが、『戦略と戦術の両方が重要』なのです。


(終了)
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# by kanconsulting | 2007-08-17 00:32 | 外国為替(FX)

閲覧数 8/5

7月は、世界政治についての文献調査を行っておりました。一言で言いますと、世の中の大きなお金の動き(世界経済)は、一握りの人々の意向(世界政治)によって大きく影響を受ける、ということです。ややもすると「陰謀論」などと揶揄される考え方ですが、大きくはその通りなのです。

何度も書きますが、この1年は、国家破綻(このブログでは、財政破綻と同じ意味=国家の財政が立ち行かなくなること、です。国際法では国家の破産法制はありませんので、国家破産、日本国破産、財政破産というのは正しくない表現です。同じく国の倒産も法的にはありえませんので、日本国倒産、国家倒産、なども正しくない表現です)にとって、重要なポイントとなる年です。

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※1 租税法律主義(正しくは租税法定主義)については、参考までに、以下のエントリーも参照ください。
租税法律主義
海外居住と海外銀行
ハリー・ポッター翻訳者と国税局の判断  課税庁の暴走と財産税の足音
今後の税制は? 海外移住(PT)と「属人主義」
「日本国内での資産防衛策は、無いのでは」 ~財務官僚の個人的見解
官製破綻本「税財政の本道」について 元国税局長官が語る「国家破産・財政破綻への対策」とは
黒い鎧の徴税官(貢ぎ取り) 苛政は虎よりも猛し 苛斂誅求 『増税社会・高負担社会』からは逃げられない

【新着の書籍紹介】

「マンション崩壊 あなたの街が廃墟になる日/山岡淳一郎」
マンション購入を考えられている方に、そして将来買うことになるかもしれないと思っている方に、ぜひ一読をお勧めしたい一冊です。

「超・格差社会アメリカの真実/小林由美」
言わずとと知れた、アメリカのバックグラウンドまで含めた格差社会の理解と、日本の格差社会との比較についての秀逸な一冊です。

「生命保険入門/出口治明」
生命保険についての暴き系のような一冊です。

「2011年 金利敗戦/森木亮」
財政史・森木亮の新刊です。2008年IMF占領と同じ出版社からの出版です。

「日本は破産する―ある財政史家の告白/森木亮」
これまでの著作の総集編であり、財政史家としての半生記のようになっています。

「最高支配層だけが知っている日本の真実/副島隆彦」
「暴き系」副島隆彦の、論文集のようになっています。近代史の解釈が秀逸です。

「富の未来(上)(下)/アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー」
これからの世界経済のうねりを見抜く上で、欠かせない一冊です。

「やっぱりあぶない、投資信託―あなたの「虎の子」の増やし方・使い方/水沢溪」
なかなか面白い本です。

「スゴ腕証券マンが明かす株式市場「客ゴロシ」の新手口!/伊藤歩・他」
証券会社(の営業)が客を殺すという真実は、いつの時代も変わらないようです。

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# by kanconsulting | 2007-08-06 01:34 | 閲覧数

サブプライムローン破綻(4) サブプライム・ショックで世界同時株安発生へ 国家破産のトリガーに

何度もこのテーマに触れていますので、「しつこい。」と思われる方もいると思います。しかし、今後の経済情勢を大きく左右するテーマですので、もう少しお付き合いください。

簡単に言いますと、これまで警告してきたように、「世界同時株安」が来たと見ています。

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同時に、ほとんどすべての通貨に対して円高の傾向を示しています。

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ですが、逆に言いますと、海外投資のウェートを上げる好機なのだと提案します。

現在の調整は、2~3月の世界同時株安(ファーストインパクト)に引き続く、セカンドインパクトという意見もあります。今回の調整は、過度の加熱に対する良い調整であり、どちらかというと一過性のものと見ています。簡単に言うと、海外投資には良いチャンスだと思います。

何度も同じことを書きますが、海外投資は、年に一度や二度の調整は当たり前です。「また調整か。そこまでディスカウントするなら、少し買ってやろうか。」ぐらいの気持ちでいる、落ち着いた「大人の投資家」になることが、資産を保全する近道なのだと思います。

ですが、来るべき「金利上昇を伴うサードインパクト」には、日本経済は持ちこたえられないのではないかとも、考えています。それが、国家破産へのトリガーとなるでしょう。

「貞子ちゃんのつれづれ日記」から、私のコメントを転載します。

(開始)

・マネーの話では、成長性あるものへの海外投資が、日本国民の生き残る道
・その中でも、海外株式へのETF・直接投資が望ましい
・海外投資によって、日本国のリスクと、自分の人生のリスクを切り分けることが重要
・アメリカ・新興国の成長性は認めるが、調整があるので、マクロトレンドとタイミングを見ることが必要
・サブプライムについては、現在オーバーシュート気味であり、そろそろ買い場が来るのではないか
・円高になれば、海外投資を始める良いチャンスとなる
・長期的に見ると、為替リスクは、キャピタルゲイン・インカムゲインで帳消しになるので、あまり気にしなくて良い
・世界株安になれば、絶好の買い場となるので、実は楽しみにしている

円キャリーについては、私は、「普通の国民ももっと円キャリーをやればよい。」と主張しています。ただし、日本国民はトレンドの尻馬に乗って損をさせられる傾向があるようなので、自分の意思でリスクを取ってコントロールできるようになるような投資教育が必要と思っております。

(終了)

関連したニュースを掲載します。

(引用開始)

世界同時株安セカンドインパクト、調整は限定的か

[東京 27日 ロイター] 米株急落を起点に、欧州や日本、エマージング市場に株安が連鎖し、円キャリートレードの巻き戻しも発生。世界の金融市場は2月末に起こった世界同時株安の再来を想起させる状況だ。中国株安をきっかけとした2月末とは状況が異なり、国際市場の中心である米国発だけに問題の長期化も懸念される。
ただ世界経済が依然堅調であるため2月末と同様、調整は限定的になるとの見方が多い。

<米国発だけに2月末よりも問題は深刻>
2月末に発生した世界同時株安は中国株の急落がきっかけだった。米国株安に連鎖したため日本、アジアなど新興国の株式市場が軒並み下落。低金利の円などを借りて新興市場株式や高金利通貨に投資していたキャリートレードの巻き戻しが起きるとの思惑から為替も大きく変動した。
当時、市場参加者からは中国株安はきっかけにすぎず、米国株が急落したことで世界の市場に大きく波及したとの指摘が多かった。
今回は、その米国が震源地。26日の米国株式市場で住宅市場の一段の減速を示す指標や、企業の買収資金調達環境の悪化を背景に、ダウは300ドル以上急落した。世界経済へのインパクトを考えると今回の米国発株安の方が深刻ともいえるが、市場関係者の間にはファーストインパクトを経験した分だけ、やや余裕があるようにみえる。
「今後長期的に米国のファンダメンタルズを屈折させるような状況にはならないとみている。基本的に世界経済がまだ強いためだ。今晩、米国の4─6月期国内総生産(GDP)が発表されるが、1─3月期のプラス0.7%に対して、予想はプラス3.2%。景気回復は続いているという安堵感が広がる可能性が高い」(三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)。

<堅調な世界経済や金利低下が下支え>
2月末の世界同時株安時も堅調な世界経済が下支え要因となり、日本株を除き、世界の株価は高値を次々と奪回した。今回も世界経済は依然堅調であり、マーケットは大崩れしないとの見方が多数となっている。「米経済は企業収益が堅調なうえ、年後半は輸出企業の設備投資が回復する見通しであり状況は悪くない。投資家のリスク許容度の低下に伴い株価が調整する可能性はあるが、それとファンダメンタルズに基づく部分は分けて考えるべきだろう」(クレディスイス証券東京支店エコノミストの小笠原悟氏)。
金利低下も株価を支える要因だ。26日の米10年債金利は4.79%に低下。「質への逃避」から債券市場に資金が流入している。現在の過剰流動性相場を支えているキーファクターのひとつが米金利であり、「米金利が低下している状況下ではリスクマネーの急速な収縮が起こる可能性は低い」(大手証券ストラテジスト)という。
UBS証券チーフストラテジストの平川昇二氏は「米国には政策金利の引き下げ余地があり、問題解決の手段を持っている。米国にとって怖いのはインフレとそれに伴う利上げであり、インフレが米経済に最も厳しい状態をもたらす。今回の下げはむしろ良質な調整といえる。米国市場ではトリプル安とはならず、長期債が買われ長期金利が低下している。長期金利の低下は株式のバリューを下支えするだろう」と述べている。

<異なるのはサブプライム問題の顕在化>
ただ2月末時点と大きく異なるのはサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 問題が顕在化していることだ。傘下のヘッジファンドがサブプライム問題で損失を出したベアー・スターンズだけでなく、欧州の大手銀行も第2・四半期決算で巨額のトレーディング損失を計上するとの観測が出ているなど、サブプライム問題は金融機関の実損という形で影響を与え始めている。
市場では損失はまだ氷山の一角に過ぎず「0.5%しか明らかになっていなかったものが、ようやく5%明らかになった程度」(ユナイテッド投信投資顧問シニアファンドマネージャーの高塚孝一氏)との指摘もある。「住宅市場が米国の個人消費に大きな影響を与えてはおらず、もし経済実態面で影響が出れば利下げもできる。ファンダメンタルズの屈折には至らないのではないか」(国内証券投資情報部)との意見もあるが、実態が不明なだけに、市場の不安感はしばらく残る可能性が大きい。
また2月末の世界同時株安は2月21日の日銀の利上げがひとつの背景になっていたとの指摘もある。「世界の過剰流動性を生み出しているのは日本の超低金利ともいえ、日銀が利上げするたびにマネー収縮の懸念が浮上する可能性がある」(国内投信ファンドマネージャー)。市場関係者の間では8月22─23日の決定会合に日銀が追加利上げするとの見方も多く、利上げ観測とともに、その影響について注目を集めることになる。

アサヒコム2007年07月27日

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米サブプライムショック 株安・円高・物価安の三重苦 日銀8月利上げ混沌

株安・円高・物価安の“三重苦”が、日銀の第3次利下げに重くのしかかってきた。27日の東京市場で、米サブプライムローン問題を背景に、大幅な株安、円高が進行。同日総務省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)も5カ月連続のマイナスとなった。市場でも、これまでは既定路線だった8月利上げの観測が急速に後退しており、8月22、23日の金融政策決定会合に向け、日銀はギリギリの判断を迫られそうだ。
27日の債券市場では、長期金利が1・780%と1・8%台を割り込み、6月初め以来の低水準を記録した。株安を受け、リスクの低い国債に資金が流入したことが理由だが、利下げ観測の後退を反映した動きとの見方は強い。
利上げの大きな障害となる株安、円高の引き金となったサブプライムローン問題について、日銀の福井俊彦総裁は「米国経済に対する影響は限定的」と説明してきた。
これに対し、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「同時株安は、世界経済がサブプライム問題に慎重になっていることが背景にあり、先行きのリスクになる可能性がある」と指摘する。住宅市場の悪化で米国経済のソフトランディング(軟着陸)シナリオが崩れれば、緩やかな拡大を続ける国内景気への波及も懸念される。
また、日銀が利上げに踏み切った場合、日米の金利差が縮小し、さらなる円高を招きかねない。円高が輸出企業の業績を直撃し、株価がさらに下がるという負の連鎖も予想されるだけに、日銀の手足は大きくしばられることになる。
一方、総務省が27日発表した6月の全国の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年同月比0・1%下落し、5カ月連続のマイナスとなった。
日銀の福井俊彦総裁は「消費者物価指数が多少のマイナスという場合でも十分利上げは可能だ」と強気の姿勢をみせてきたが、賃金の改善の遅れを背景に今後も物価は弱含み、CPIがプラスに転じるのは今年後半以降との見方が大勢だ。
円高で企業業績が減速すれば、賃金改善がさらに遅れ、物価の下落圧力も高まる。
参院選の結果次第では、利上げを牽制(けんせい)する政治圧力が高まる可能性もあり、日銀が意欲をみせる8月利上げの行方は混とんとしてきた。

FujiSankei Business i. 2007/7/28

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株安、円高が連鎖 米サブプライムショック日本直撃

米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題が株式、外国為替市場を直撃した。27日の東京株式市場では、前日の米国株の急落を受け、全面安の展開となり、日経平均株価は一時505円以上値下がりし、5月上旬以来約3カ月ぶりに1万7300円を割り込んだ。終値は前日比418円28銭安の1万7283円81銭と3日続落。上海やシンガポールなどのアジア株も急落しており、今年2月末の世界同時株安の再来の様相を呈している。
東京外国為替市場でも、ドルが大きく売り込まれ、急激な円高・ドル安が進行し、4月下旬以来約3カ月ぶりに一時1ドル=118円台をつけた。午後5時現在は前日比1円30銭円高・ドル安の1ドル=119円06~07銭。
市場では29日の参院選での与党大敗による政治の不安定化に加え、これまで日本経済を支えてきた円安局面が円高局面へと転換し、企業業績が失速するとの懸念を背景に、円高と株安が連鎖した。

≪株式≫
■国内要因重なり下げ止まらず
東京株式市場の日経平均株価は終値でも400円以上の急落となり、株安に歯止めがかからなかった。発信源は、米国だが、円高による企業業績の失速や参院選後の政局不安という日本固有の要因もからみ、下値のめどがみえなくなってきた。
市場では、これまで1ドル=120~125円で推移していた円安に伴う企業業績の上方修正期待が株価を下支えしてきただけに、急激な円高で失望感が一気に広がり、輸出関連銘柄を中心に一方的に売られる展開となった。
国内景気は底堅い動きが続いているが、個人消費に力強さはなく、依然、外需依存の状態にある。牽引(けんいん)役である企業業績が失速すれば、賃金や雇用の回復がさらにもたつく懸念があり、株式市場には大きな打撃となる。このため、「米国の先行きが見極めきれない以上、東京市場で株安を食い止めるのは難しい」(準大手証券)との悲観的な見方が出ている。
参院選をめぐっても、買いの主役だった外国人投資家について、「相対的な割安感による消極的な買いで、政権の不安定化で構造改革が停滞することがあれば、簡単に日本株投資のウエートを下げる」(欧州系証券)との声も聞かれる。
ただ、本格化している大手企業の2007年4~6月期決算は、これまでの円安の貯金がものを言い好業績が相次いでいるほか、参院選の与党大敗もほとんど織り込み済みのため、「これ以上の下げは限定的。押し目買いのチャンスをうかがう向きも多い」(中堅証券)との楽観的な見方もある。
浜銀総合研究所調査部の北田英治部長も「米金融当局はサブプライム問題が終息しないようであれば株価上昇を促す利下げなどの手を打つはず。米市場に反発要素があるだけに日経平均は1万7000円台前半で下げ止まるのでは」とみている。
市場の関心は、米国株がどこで下げ止まるかに集中しており、今後も、米国の株価の動きに大きく左右される不安定な相場が続くことになりそうだ。

≪外為≫
■業績への影響114円が分岐点
27日の東京外国為替市場で一時、3カ月ぶりに1ドル=118円台まで円が上昇し、さらなる円高が進行するとの見方も出てきた。
これまで日米の金利差を背景に、低金利の円を調達し高金利通貨に換えて運用する「円キャリー取引」が活発化して円安が進んできたが、米国や新興市場も含めた株価の先行き不透明感が広がり、「欧米のヘッジファンドを中心に、円キャリー取引を解消して円を買い戻す動きが出ている」(大手銀行ディーラー)ためだ。
日米の金利差は依然大きく、金利差に着目してドルを買い戻す動きが出れば、一時的に円安方向に戻る可能性もあるが、サブプライム問題など米国景気の先行き不透明感から、今後も「ドルの上値は重い展開」(みずほ総合研究所の吉田健一郎シニアエコノミスト)との見方は多い。
「年後半に米国は利下げする」(民間エコノミスト)との観測もあり、日銀が8月以降に利上げすれば日米の金利差は確実に縮まる。このため、市場では「年末にかけて1ドル=115円程度まで円高が進む」(みずほ総研の吉田氏)という指摘もある。
円高は輸出企業にとって業績にマイナスの影響を与える。26日に4~6月期連結業績を発表したソニーは、円安によって営業利益を257億円押し上げた。同時に、今期の想定為替レートを当初より2円ほど円安の1ドル=117円に修正した。ソニーの場合、1円の円高によって「営業利益で60億円のマイナス」となるだけに、一層の円高が進めばこれまでの為替差益が帳消しになる局面も想定される。
ただ、6月の日銀短観(企業短期経済観測調査)によると、大企業製造業の2007年度の想定為替レートは1ドル=114円40銭としており、この水準を上回る円高でなければ打撃は小さいといえる。一方で、円高になれば輸入原材料の価格を押し下げる効果も期待できるため、「小幅な円高であれば企業業績に対する影響は限定的」(民間エコノミスト)との指摘もある。

FujiSankei Business i. 2007/7/28

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東証、一時500円超下落 世界同時株安の懸念再燃

27日の東京株式市場は、前日のニューヨーク株式市場でのダウ工業株30種平均の急落を受けて世界同時株安への懸念が再燃し、全面安の展開となった。日経平均株価(225種)の下げ幅は午後に入ってじりじりと広がり一時、500円を上回って、1万7200円台を割り込んだ。
終値は、前日比418円28銭安の1万7283円81銭となり、約3カ月ぶりの低水準となった。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も、37・47ポイント安の1699・71と下げた。出来高は約25億500万株。
米国で、信用力の低い個人向けの住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付きが問題化。米国景気への先行き不安感が東京市場だけでなくアジアの主要市場にも飛び火し、株価が下落。
東京市場では、参院選を控えた先行き不透明感から、買いが手控えられる一方で、投資リスクを嫌った売りが加速。値下がり銘柄は東証1部の約9割に達した。

東京新聞2007年7月27日

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-28 09:10 | 経済状況

東京電力柏崎刈羽原発(2) 炉心溶融(融解)の危機? ジャパン・シンドローム 冷却水漏出?

一部の海外メディアは、今回の柏崎刈羽原発の事故を指して、「今回の日本の巨大地震は、すんでのところで、深刻な事故(たとえば、メルトダウン。炉心溶融、炉心融解)を引き起こし、数百万人が死亡する大惨事となるところだった。」と述べています。

名づけて、炉心融解を扱った原発映画「チャイナ・シンドローム」をもじって、「ジャパン・シンドローム」だそうです。

(日本から地球の裏側はブラジルですので、ブラジル・シンドロームになりそうな気もしますが、あまりにも分かりにくいのでそうならなかったのでしょうか。実際は、炉心融解によって圧力隔壁が破壊されれば、拡散により核分裂反応は停止、あるいは周囲の水と反応して水蒸気爆発を起こしますので、地球の反対側に到達することはありません)

さて、「ニュースでは、炉心融解の危機はなかったということになっている。ジャパン・シンドロームは言い過ぎだ。」と思われる方もいるかも知れません。炉心については、地震による損傷が懸念されていますが、本当のところは、炉心を開けて点検してみないとわからないのではないでしょうか?原子炉炉心の損傷の有無を確かめる点検作業の開始は9月以降、炉心の状況を含む被害の全容確認は早くとも秋以降になるということですが、すでにある程度はわかっている事柄があると推察しています。

たとえば、前回の記事の写真をみていたたくとわかるのですが、なぜ、多量の水蒸気が放出されたのでしょうか?今回のタイプの沸騰水型の原発は、、核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水(いわゆる水)を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出し、タービン発電機によって発電させたのち、回収して再循環させています。この蒸気は、もちろん放射能を帯びています。写真の水蒸気は、炉心冷却水ではないのでしょうか?

今中哲二准教授(京都大原子炉実験所)は、以下のように指摘しています。
・(放射性)ヨウ素が大気中に放出されていることから、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される
・配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される可能性もある

この放射性ヨウ素は、半減期が短いため、「炉心冷却水」が漏れたことを示唆しています。

CNNは、"A Japanese nuclear power plant ... leaked water containing radioactive materials from a reactor, according to the company running the facility."として、「反応容器から水が漏れた」と明記しています。

(引用開始)

Meltdown: The Japan Syndrome
Saturday, 21 July 2007
by Harvey Wasserman

The massive earthquake that shook Japan this week nearly killed millions in a nuclear apocalypse.

It also produced one of the most terrifying sentences ever buried in a newspaper. As reported deep in the New York Times, the Tokyo Electric Company has admitted that, “the force of the shaking caused by the earthquake had exceeded the design limits of the reactors, suggesting that the plant’s builders had underestimated the strength of possible earthquakes in the region.”
There are 55 reactors in Japan. Virtually all of them are on or near major earthquake faults. Kashiwazaki alone hosts seven, four of which were forced into the dangerous SCRAM mode to narrowly avoid meltdowns. At least 50 separate serious problems have been so far identified, including fire and the spillage of barrels filled with radioactive wastes.
There are four active reactors in California on or near major earthquake faults, as are the two at Indian Point north of New York City. On January 31, 1986, an earthquake struck the Perry reactor east of Cleveland, knocking out roads and bridges, as well as pipes within the plant, which (thankfully) was not operating at the time. The governor of Ohio, then Richard Celeste, sued to keep Perry shut, but lost in federal court.
The fault that hit Perry is an off-shoot of the powerful New Madrid line that runs through the Mississippi River Valley, threatening numerous reactors. The Beyond Nuclear Project reports that in August, 2004, a quake hit the Dresden reactor in Illinois, resulting in a leak of radioactive tritium. Nevada’s Yucca Mountain, slated as the nation’s high-level radioactive waste dump, has a visible fault line running through it.
More than 400 atomic reactors are on-line worldwide. How many are vulnerable to seismic shocks we can only shudder to guess. But one-eighth of them sit in one of the world’s richest, most technologically advanced, most densely populated industrial nations, which has now admitted its reactor designs cannot match the power an earthquake that has just happened.

In whatever language it’s said, that translates into the unmistakable warning that the world’s atomic reactors constitute a multiple, ticking seismic time bomb. Talk of building more can only be classified as suicidal irresponsibility.

Tokyo Electric’s behavior since the quake defines the industry’s credibility. For three consecutive days (with more undoubtedly to come) the utility has been forced to issue public apologies for erroneous statements about the severity of the damage done to the reactors, the size and lethality of radioactive spills into the air and water, the on-going danger to the public, and much more.

Once again, the only thing reactor owners can be trusted to do is to lie.


Prior to the March 28, 1979 disaster at Three Mile Island, the industry for years assured the public that the kind of accident that did happen was “impossible.”
Then the utility repeatedly assured the public there had been no melt-down of fuel and no danger of further catastrophe. Nine years later a robotic camera showed that nearly all the fuel had melted, and that avoiding a full-blown catastrophe was little short of a miracle.
The industry continues to say no one was killed at TMI. But it does not know how much radiation was released, where it went or who it might have harmed. Since 1979 its allies in the courts have denied 2400 central Pennsylvania families the right to test their belief that they and their loved ones have been killed and maimed en masse.

Prior to its April 26, 1986, explosion, Soviet Life Magazine ran a major feature extolling the virtually “accident-proof design” of Chernobyl Unit Four.

Then the former Soviet Union of Mikhail Gorbachev kept secret the gargantuan radiation releases that have killed thousands and yielded a horrific plague of cancers, leukemia, birth defects and more throughout the region, and among the more than 800,000 drafted “jumpers” who were forced to run through the plant to clean it up.
Since the terror attacks of September 11, 2001, the industry has claimed its reactors can withstand the effects of a jet crash, and are immune to sabotage. The claims are as patently absurd as the lies about TMI and Chernobyl.
So, too, the endless, dogged assurances from Japan that no earthquake could do to Kashiwazaki what has just happened.
Yet today and into the future, expensive ads will flood the US and global airwaves, full of nonsense about the “need” for new nukes.
There is only one thing we know for certain about this advertising: it is a lie.
Atomic reactors contribute to global warming rather than abating it. In construction, in the mining, milling and enriching of the fuel, in on-going “normal” releases of heat and radioactivity, in dismantling and decommissioning, in managing radioactive wastes, in future terror attacks, in proliferation of nuke weapons, and much much more, atomic energy is an unmitigated eco-disaster.
To this list we must now add additional tangible evidence that reactors allegedly built to withstand “worst case” earthquakes in fact cannot. And when they go down, the investment is lost, and power shortages arise (as is now happening in Japan) that are filled by the burning of fossil fuels.
It costs up to ten times as much to produce energy from a nuke as to save it with efficiency. Advances in wind, solar and other green “Solartopian” technologies mean atomic energy simply cannot compete without massive subsidies, loan guarantees and government insurance to protect it from catastrophes to come.
This latest “impossible” earthquake has not merely shattered the alleged safeguards of Japan’s reactor fleet. It has blown apart — yet again — any possible argument for building more reactors anywhere on this beleaguered Earth.

(引用終了)

関連するニュースを掲載します。

(引用開始)

【関連】『危険性を過小評価』 燃料棒破損の疑いも

新潟県中越沖地震を受け、柏崎刈羽原発の直下に断層がある可能性を認めた東京電力。広報部は「設計時に今回の規模の地震は想定していなかった」と説明するが、専門家からは「国や東電の見立ては甘い」と指摘する声が上がる。東海地震の想定震源域の真上に立つ浜岡原発(静岡県御前崎市)を運転する中部電力は「安全性は確保されている」としている。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「今回の事故で、国の安全審査や(断層は地震の原因にならないとした)東京高裁の判断は、危険性を過小に評価していたことが証明された」と指摘。「耐震設計にできるだけ費用を掛けたくないのが電力会社側の論理。そこに危険性を過小に見積もる余地がある」と話す。
今中助教は「今回はヨウ素が大気中に放出されており、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される。配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される恐れもある」と分析する。

東京新聞2007年7月18日 夕刊
U.S. FrontLine News

(引用終了)

http://gijutsu.exblog.jp/tb/5892412
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# by kanconsulting | 2007-07-27 09:11 | 経済状況

サブプライムローン破綻(3) サブプライム・ショックは世界同時株安へ 日本国破産の遠因か

サブプライムローン破綻に関連して、以前の記事で次のように述べました。

(用語解説)
サブプライム・モーゲージ、サブプライム・ローンとは:信用度の低い個人を対象にした、高金利の住宅融資
ABSとは:資産担保証券。ここでは、サブプライムローンなどを証券化したもの
CDOとは:債務担保証券。ABSを含むいろいろな債務などを混ぜてリスクをコントロールした証券。
CDSとは:クレジット・デフォルト・スワップ。信用リスクをお金に換えるデリバティブ。
ABX-HEとは:ABSを対象としたCDOのうち、流動性の高い20銘柄を指標化したもの。信用度に応じて、AAA、AA、A、BBB、・・・と格付けされている。BBB以上が投資適格、BB以下はデフォルトリスクが高いとされる。

(開始)

「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」

サブプライムの規模は、以下のように推定されています。
・米国の住宅ローン残高は約10兆ドル(約1200兆円)
・このうち、サブプライム向けは約10%=約1兆ドル(約120兆円)
・このうち、焦げ付きにつながる延滞率は15%程度=約1500億ドル(約18兆円)

(中略)この勢いで、現在の延滞率に相当する約1500億ドル(約18兆円)のマネーが消えると、どうなるでしょうか?世界景気の減速は避けられず、世界同時株安を再び見ることになるでしょう。

(中略)このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか。

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「サブプライムローン破綻(2) アメリカ景気減速 サブプライムショックと世界同時株安 国家破産の遠因か」

現在では、シングルA格付けのABXの急落が見られており、AA(ダブルA)クラスにまで波及してきています。AAA(トリプルA)も安泰とは言えません。では、今後はどうなるのでしょうか?

① 上の記事で述べたのとは逆に延滞率は膨らまず、ABXは収束する。
②-1 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げるが、投資銀行などの担保差し入れにより、株式市場には影響しない。
②-2 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げ、ヘッジファンドを火種として、投資銀行・機関投資家の株式投売りを誘い、世界株安となる。

今後1~2週間の株価の見通しについては、ご指摘のとおりだと思います。
私が着目しているのは、今後1~2年の見通しです。なぜならば、いわゆる「ゆとりローン」により、今後1年ほどかけて、延滞が増加していくことは避けられないと見ています。ですので、②のどちらかの可能性が高いと見ています。

(終了)

さて、最近になって、次のようなニュースが出てきています。

・サブプライムモーゲージ市場の影響が、米クレジット市場に波及
・高利回り債券(いわゆるジャンク債)市場における「突然の流動性危機」が発生
・ジャンク債発行に対する融資やバックアップ市場が休止状態に
・資金調達コストの上昇により、米経済全体に影響を及ぼす可能性

また、日本の銀行や証券会社にも影響が出始めています。

・国内大手銀行グループの投融資残高は1兆円を若干超える程度。簿価から10%下落として1000億円余りの損失
・ただし、ほとんどの投資対象はAAA格
・関連するヘッジファンドへの投資は、CDOへの投資残高ほどの規模ではない
・野村ホールディングスは、今年上半期で726億円の損失、米住宅ローン関連事業からの撤退へ

今後は、これまでも述べたとおり、ゆとりローン問題により、延滞率のさらなる増加は避けられません。

・ARM型サブプライムローンは、固定金利期間が終わって変動金利に移行することで、最大6%ポイント金利が上昇するケースもある
・今後1年以内に固定金利期間が終わるARM型サブプライムローンは、総額3350億ドル
・一定期間元本返済を行わず利息だけを支払うインタレスト・オンリー(IO)型ローンも、元本返済の免除期間終了が迫っている

JPモルガン・セキュリティーズのABS調査責任者は、以下のように指摘しています。
「(ABS指数の低下、構成証券のスプレッド拡大で)新規のサブプライムローン担保証券の発行は事実上停止状態にある」と指摘。
「固定金利期間の終了前に借り換えができない住宅ローンの借り手は、全体の約40%にのぼる可能性がある」

その影響を織り込んで、アメリカ株式市場、金利市場、為替市場への影響が出てきています。特に、リスクが比較的高い金融資産から、長期間のアメリカ国債への資金逃避により、長期金利が下がってきています。また、米ドル以外への通貨への逃避も見られているようです。

市場のセンチメントにより、オーバーシュートしている感もありますが、全力で買うにも早い気がします。実物資産の中では住宅関連は水物(流動性が低いために気分に左右されやすい)ですので、くれぐれもご注意ください。

関連するニュースを掲載します。

(引用開始)

米サブプライム問題、ジャンク債市場に波及=ピムコ

[ニューヨーク 24日 ロイター] 米債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のビル・グロース最高投資責任者(CIO)は、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)市場での債務不履行急増の影響が米クレジット市場に波及しており、高利回り債券市場における「突然の流動性危機」を生み出している、との見方を示した。
グロース氏は8月の投資見通し報告で、投資家心理の悪化で、レバレッジド・バイアウトでの主な資金調達法であるジャンク債発行に対する融資やバックアップ市場が休業状態にあると指摘。これが最終的に米経済に影響を及ぼす可能性がある、との見方を示した。
「信頼感低下により、高利回り債券発行市場の今後の融資やバックアップは凍結され、何も動いていない状況」と指摘。貸し手・借り手ともに、許容範囲を上回る資金で消化不良を起こしているような状態とした上で、これはプライベートエクイティにとって好ましくない状況、と語った。
また、資金調達コストの上昇が米経済を圧迫する可能性を指摘。「高利回り債券市場の突然の流動性危機は、全ての市場を結ぶ連鎖があり、最終的に(高利回り債券市場の)価格と利回りが米経済に影響することを示す兆候のひとつにすぎない」と語った。

アサヒ・コム 2007年07月25日

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米サブプライム問題再燃、リスクヘッジでCDS急激にワイド化

[東京 25日 ロイター] 米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題が再燃したことから、信用リスクに敏感になってワイド化した海外クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場の影響を受けて、国内CDSでも企業の信用力に対する警戒感が一層強まっている。サブプライムローンを組み込んだ証券化商品の損失が拡大するとの懸念が広がっており、国内CDSでもリスクヘッジ(信用リスクを回避)の需要が高まっている。 

<海外CDSがワイド化、サブプライムローン問題長期化を懸念>  
24日の米債券市場は、米住宅市場をめぐる懸念から株価が大幅に下落したことで、リスク回避のための運用資金が流入した。米10年債利回りは7週間ぶりの低水準をつけた。住宅金融大手のカントリーワイド・フィナンシャルの第2・四半期決算が33%の減益となるなど企業決算が予想より弱い内容となったことがきっかけとなり、住宅市場問題の影響が拡大するとの見方が強まった。住宅市場問題の影響が幅広い企業の決算に表れたことから、企業利益と経済の健全性に対する懸念が高まっている。 
相場が波乱となる中、サブプライムローン問題が深刻化するとの見方が強まり、米国・欧州のCDSがワイドニング。インデックスの推移をみると、米Hivol(ビッド)は20日に136.5bp、23日に141.75bp、24日に145bpと、前週末から8.5bpもワイド化。欧州の信用力の低い指数クロスオーバーも20日の343bpから24日の363bpと、20bpワイドニング。海外CDSに関して、新生証券・債券調査部シニアアナリストの松本康宏氏は「落ち着きどころがみえない状況にあり、当面はワイド化基調をたどろう」とみている。
サブプライムローン問題の見通しについて、みずほ証券・クレジット調査部シニアクレジットアナリストの石原哲夫氏は「債務免除や金利減免などのローン条件の修正がなかなか進まないことから、この問題は少なくとも1年以上、収まりそうにない」とみている。多くのローンが当初固定金利、以降を変動金利という条件で設定されているだけに、金利が上昇すれば借り手の返済額が跳ね上がり、返済不能に陥るケースが増加しかねない。貸し手側の影響も大きく、サブプライムローン融資に積極的だった金融機関だけでなく、「サブプライムローンを組み込んだ証券化商品を組成した投資銀行、証券化商品を購入したヘッジファンドなどが大きな損失を出す可能性がある。裏付けとなる資産価値が予想以上に低下すれば、ファンドの解散もあり得る」(ある大手証券の起債担当者)との見方もでている。
マーケットが住宅市場に対し神経質になっていることから、25日発表の6月米中古住宅販売、26日発表の6月米新築1戸建て住宅販売など米住宅関連指標に注目が集まっている。「とくに、米中古住宅販売が弱い数値となれば、米国では株安、債券高、CDSのワイド化の動きがより強まる」(ある外資系証券のアナリスト)との指摘があった。
ロイター調査によると、6月の米中古住宅販売戸数は、借り入れコストの上昇や貸し出し基準の厳格化の結果、前月から減少する見通し。エコノミスト69人の予想中央値は年率587万戸と、5月の599万戸から2%の減少を予想している。

(中略)

<国内SB、信用力に不安のある銘柄が売り対象> 
サブプライムローン問題の影響から、国内でも信用リスクを意識した投資家が増え始め、国内普通社債(SB)でも売り物が目立つようになった。投資家動向について「米ベアー・スターンズ傘下のヘッジファンドが損失を出したことをきっかけに、4─6月まで残高を積み増してきた投資家が信用力で劣る銘柄を中心にポートフォリオから外し出した」(ある大手証券のアナリスト)との指摘があった。
アイフルのSBをみると、スプレッド(気配)は残存期間5年で、前週に90bp程度とタイトな動きをしていたが、現在100bp台前半にまでワイド化。マーケットでは、消費者金融セクターに代表されるように、信用力に不安のある銘柄が売られやすくなったとみている。新生証券の松本氏は「債務担保証券(CDO)で損失を出した内外投資家が国内SBで利益の出ている銘柄を対象に利益確定の売りを行っている」と指摘。
サムライ債(円建て外債)についても、ベアー・スターンズ、米リーマン・ブラザーズなどのスプレッドはワイドなままだ。残存期間4年のベアー・スターンズは、6月初めに20bp台前半で推移していたが、現在74bp程度。リーマン・ブラザーズも起債した5月24日のスプレッドから22bpワイドの45bp程度で推移している。 

アサヒ・コム 2007年07月25日

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変動金利型サブプライム証券、事実上の発行停止状態に

[ニューヨーク 24日 ロイター] 米国で変動金利(ARM)型サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)を担保とする証券の発行が、事実上停止状態に陥っている。ローンの延滞率上昇が続いていることや、格付け会社による格下げが相次いでいることが背景。
米国では住宅平均価格が下落、住宅ローンの実行も伸び悩んでおり、他の金融市場や景気全体に影響が波及する可能性も指摘されている。
問題の中心には、ARM型サブプライムローンの借り手の債務不履行がある。このローンでは、固定金利期間が終わり、変動金利に移行することで、最大6%ポイント金利が上昇するケースもあり、借り手にとって「返済ショック」の様相を呈している。
米債券運用会社PIMCOのビル・グロース氏は24日、「ムーディーズとスタンダード&プアーズ(S&P)がようやく本腰を入れて、サブプライム関連銘柄の格下げに乗り出した。今後こうした動きがさらに広がる可能性がある」と指摘した。
JPモルガンによると、7月第1─3週に発行されたARM型サブプライムローン担保証券はわずか2銘柄。6月は最後のの1週間だけで、少なくとも12銘柄が発行されている。
7月に同証券を発行したのは、非上場のC─BASSとベイビュー・フィナンシャル。発行額は比較的小規模だった。
フィッチ・レーティングスやローン・パフォーマンスのデータによると、今後1年以内に固定金利期間が終わるARM型サブプライムローンは、総額3350億ドル。
一定期間元本返済を行わず利息だけを支払うインタレスト・オンリー(IO)型ローンも、元本返済の免除期間終了が迫っている。
エバーグリーン・インベストメントのダーシー・モリソン氏は「変動金利に切り替わり、元本の返済免除期間が終わって、なにかよいことがあるだろうか。市場が一種の凍結状態にあるのはこのためだ」と述べた。
JPモルガンによると、大半がサブプライムローンであるホーム・エクイティ・ローン(HEL、住宅価格の値上がり分を担保にした住宅ローン)担保証券の発行額は7月20日時点で1990億ドル。前年同期の水準を約37%下回っている。
サブプライムローン担保証券の取引価格は、記録的な低水準にある。もっとも信用度が高い銘柄で構成する「ABX─HE・AAA・07─1」指数は、今月に入り99.5から95前後に低下。
モリソン氏は「格下げで投資家の注目が集まった。AAA格でも格下げのリスクがあることが意識された」と指摘している。
ドイツ銀行によると、米格付け会社が今年格下げしたサブプライムローン担保証券は662銘柄、総額236億ドル。このうち47億ドル相当は投資適格級から投機的等級(ジャンク債)に格下げされた。
サブプライムやオルトA(信用力が中間程度の住宅ローン)を担保とする証券が格下げされたことで、さまざまなリスクのクレジット商品に投資する債務担保証券(CDO)の需要も減少している。
格付けの低いサブプライムローン担保証券で構成するABX指数は、今年5割以上値下がりしている。
JPモルガン・セキュリティーズの資産担保証券(ABS)調査責任者、クリストファー・フラナガン氏は「(ABS指数の低下、構成証券のスプレッド拡大で)新規のサブプライムローン担保証券の発行は事実上停止状態にある」と指摘。
アナリストによると、大手金融機関もサブプライムローンの組成や取引でここ数年多額の利益をあげており、影響はこうした大手金融機関に及ぶ可能性もある。
住宅ローン大手のカントリーワイド・フィナンシャルやウェルズ・ファーゴは、一部のARM型サブプライムローンの提供を中止。フラナガン氏は、固定金利期間の終了前に借り換えができない住宅ローンの借り手は、全体の約40%にのぼる可能性がある、と指摘している。
カントリーワイドは24日、業績予想を下方修正。住宅市場の低迷を印象づけた。同社のモジロ最高経営責任者(CEO)は、住宅市場の回復は2009年以降になると指摘。住宅建設大手のKBホームも先週、同様の見通しを示している。

アサヒ・コム

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サブプライムローンの呪縛

先週、市場の米ドルに対する不信感をご紹介したが、それ以降もこの流れは一層加速している。特に英ポンド、豪ドル、NZドルなどに対する米ドル下落が非常に目立つ。この3つの通貨は、直近に発表された消費者物価指数が市場予想を上回っていたことによって利上げ観測が広がっているという面もあるが、対円でも121円台まで下落してきていることを考えると、やはり米ドルは全体的にも下落しているということになる。
さて、先週は米国のプレゼンスの低下という少し大局的な要因を紹介したが、現在の急激なドル安の直接的な原因となっているのが、サブプライムローンの問題である。
では、この「サブプライムローン問題」がどうしてこれほど問題視されているのであろうか。その背景には、このローンを活用とした投資商品の存在がある。
サブプライムローンは低所得者や信用力の低い人向けに作られた住宅ローンであるが、通常の住宅ローンに比べて2%程度金利が高い。こうした高金利のローンを担保とした証券を金融機関が作り、それを投資家に販売している。
サブプライムローンは通常のローンに比べて金利が高めに設定されていることに加えて、2004年からの米連邦準備理事会(FRB)の利上げによって市場金利も上昇したために、2006年には表面金利はかなり高くなっていた。それに加えて住宅価格も上昇していたため、借り入れ金額も当然増加してきた。
その結果、比較的最近になってこうしたローンを活用して住宅を購入した人たちは、金利も含めたローンの支払い金額がかなり増えてしまった。支払い金額が増えると返済の負担が増大し、中には返済が困難になってくる者も増えてきたために延滞率が増加した。延滞率が増加すると、そのローンを担保にしている証券の価値は減価するために価格が下落した。そんな環境下で、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やムーディズ・インベスターズ・サービスなどがこうした証券の格付けを引き下げたので、市場価格が更に下落することとなった。
現在、米国のヘッジファンド、年金基金などを代表に世界中の多くの機関投資家がこうした証券を大量に購入している。先日、米大手証券ベアスターンズ傘下のヘッジファンドがこうした証券への投資で大きな損失を計上し、親会社が救済に回るという出来事があった。だが市場関係者の間では、これは氷山の一角で、実際にこうしたケースはまだまだ潜在的に残っていると考えられている。
問題は、全体でどれぐらいの損失が出るのかが全く読めない点にある。そのため、市場関係者の間に漠然として不安感が残り、為替市場でも米ドル離れが起きているのである。
先日、バーナンキFRB議長は、議会証言の中でサブプライム問題はかなり深刻であるという見解を示した。通貨当局の要人が、公式の場でこうした発言をするのはかなり異例のことであり、それだけ当局もこの問題に対して神経質になっていることを示している。
当面、ドルにはさらなる下落圧力がかかりそうだ。(FXマーケットウオッチ)

ニッケイネット

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サブプライム関連投融資、邦銀の残高は1兆円程度=UBS

[東京 24日 ロイター] UBS証券は、米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)に関連した国内大手銀行グループの投融資残高は1兆円を若干超える程度になるとの推計をまとめた。これによる含み損は、証券化商品の価格が簿価から10%下落したとしても、全体で1000億円余りの損失にとどまる計算。
UBS証券の大槻奈那アナリストが18日付けのリポートで発表した。これによると、大槻アナリストは国内の大手金融9グループに対し、1)サブプライムローンを資産とする証券化商品への投資残高、2)これらの資産を含むヘッジファンドへの投資残高、3)サブプライムローンの貸し手に対する投融資――についてヒアリングを行った。
ヒアリングの対象は、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、住友信託銀行<8403.T>、三井トラスト・ホールディングス<8309.T>、りそなホールディングス<8308.T>、新生銀行<8303.T>、あおぞら銀行<8304.T>、農林中央金庫──の9グループ。
これによると、投融資残高は合計で1兆円を超えるレベルで、証券化商品への投資が最大。ただ、ほとんどの投資対象はトリプルA格で、今後、多少の格下げがあったとしても価格の下落幅は限定される。また、ヘッジファンドへの投資は、証券化商品への投資残高ほどの規模ではないとみられるという。
大槻アナリストは「各行の投資額に濃淡はあり、運用方針にも格差はあるようだが、各グループの損失は、今期の業績予想の範囲内に収まる」として、影響は限定的との見方を示している。

アサヒ・コム2007年07月24日

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野村HDが損失726億円、米住宅ローン絡みで

証券最大手の野村ホールディングスは25日、米国での住宅ローン債権を担保にした証券事業で、1月から6月までの半年間に726億円の損失を出したと発表した。
大半が低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」に絡む損失で、野村は住宅ローン関連事業からの撤退など、米国での大幅な事業見直しを検討する。
日本の金融機関が同ローンの焦げ付きでの損失額を公表したのは初めてだ。
野村は、米国で住宅ローン会社からローン債権を買い取り、投資商品に組み替えて機関投資家に販売している。05年8月からサブプライムローン関連商品を手がけていた。昨年からサブプライムローンに焦げ付きが大量発生し、価値が下落したため、大幅な評価損と売却損を計上した。1~3月期に414億円、4~6月期に312億円の損失を計上した。ただ、4~6月期決算では、投資信託事業の好調などで税引き後利益は前年同期の3・8倍の767億円とし大幅な増益だった。
野村は昨年秋にローン債権の購入をやめ、保有分の転売などで残高を減らし始めたが、「住宅ローン債権の市場が想定を上回るペースで悪化」(仲田正史執行役)して損失が拡大した。
一方、日本の他の主要証券のほとんどは同ビジネスに参入しておらず、日本の証券業界への影響は限定的との見方が多い。

2007年7月25日読売新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-26 12:07 | 経済状況

東京電力柏崎刈羽原発 海外メディアは隠蔽体質と批判 活断層の上に立つ世界最大の原発

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(写真1)多量に放出される冷却水の水蒸気と、変電設備火災の黒煙
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(写真2)重要設備の至近にまで迫った、路面のひび割れ

写真はCNNより

今回の新潟県中越沖地震によって、世界最大の原子力発電所である東京電力柏崎刈羽原発では、放射能を含んだ水が海に流れ込むとともに、火災が発生するなど、大きな問題が発生しています。海外のメディアは、地震に対する原発の安全性に加えて、問題の公表に関する隠蔽体質を批判しています。

これは、原発に関する世論の反発を懸念して、大きな事故のニュースを小出しにしている、と思われても仕方ない、ということでしょう。本来であれば、このような国と国民の安全に関する一大事においては、主権者である国民に対して、速やかで正確な情報の開示こそが必要なはずです。それとは逆に、国際的な観点からは、隠蔽にしか見えない、というのが日本の現状のようです。

(独り言:国民の重要な権利にかかわる事柄を隠蔽して、可能な限り先送りし続ける・・・あれ?どこかで聞いたような話ですね?)

ワシントン・ポスト
「放射能を含んだ水があふれた使用済み核燃料プールは、地震で損傷したのではないか」
「日本の原発業界はトラブルを隠蔽してきた歴史がある」

ニューヨーク・タイムズ
「東電は当初、放射能漏れはなかったと説明していた」
「放射能を含んだ水が海に流れ込んだ報告が遅れた理由の説明がなかった」

RBCデイリー
「毎月のように新たな事故と、それを隠蔽しようとしていた事実が明らかになっている」

引用元 アサヒ・コム

また、下に引用しているウォール・ストリート・ジャーナルでは、転倒した放射性廃棄物入りドラム缶の数を100本程度から400本に追加したこと、フタが開いて中身が出たのは実際には十数個だったと修正したこと、環境に排出された放射性物質の量が1.5倍に訂正されたこと、さらにはこの原発が活断層の上に立っている可能性まで指摘されたことを揶揄して、「日本の原発事故でわかった潜在的リスク」と表しています。

(引用開始)

The Wall Street Journal Online

Potentially Risky Trickle Of Bad Nuclear News
July 19, 2007 7:05 a.m.

For the fourth straight day, authorities revealed fresh news of a radioactive leak at a Japanese nuclear power plant following Monday's earthquake, potentially exacerbating a development that could set back a nascent revival of atomic-energy projects.

Inspectors from the Nuclear and Industrial Safety Agency found that radioactive iodine had leaked from an exhaust pipe at Tokyo Electric Power Co.'s Kashiwazaki-Kariwa plant in Japan's northwest, the Associated Press reports, citing the Kyodo news agency. This followed yesterday's revision of the number of upended barrels of radioactive waste to "several hundred" from the 100 reported earlier in the week -- including "a few dozen" with lids that opened -- and revised judgment about the 317 gallons of water that leaked into the Sea of Japan, which was 50% more radioactive than first announced, as the New York Times reports. The inspectors concluded the leak revealed today was too small to harm public health or the environment. But officials from another agency, the Nuclear Safety Commission, today slammed Tepco's response as they were touring the plant and especially the lack of equipment for dealing with a chemical fire that broke out. Yasuhisa Shiozaki, Japan's chief cabinet secretary, urged operators of the country's other 54 reactors to accelerate assessment of their facilities' earthquake resistance.

It was only this week that officials made public findings that show the Kashiwazaki-Kariwa plant could lie directly on top of the fault line responsible for Monday's 6.8-magnitude temblor, as The Wall Street Journal reports. That was a much stronger quake than the reactor was built to withstand, and nuclear experts elsewhere in the world are watching to see how it performed, the Journal adds. This daily release of bad news comes at a time when concerns about fossil fuels' contribution to global warming has diminished resistance to the construction of new atomic-power plants. But it doesn't bode well for a source of power that became frightful in the public imagination following a series of high-profile accidents in the late 1970s and early '80s, or in a country that suffered the only two atomic-weapon attacks in history.

Regardless of whether the radioactive leaks caused any damage, recurrent updates that paint a bleaker picture can undermine a company or government's credibility during a potential health crisis, as the Japanese learned in recent decades with Mad Cow disease, an outbreak of life-threatening milk contamination and even misreported safety violations at Tepco reactors.

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BBC News

Japanese fears over nuclear power

As Japan admits that radioactive material leaked from a nuclear power plant during Monday's powerful earthquake, the former BBC Tokyo correspondent Jonathan Head looks at why Japan has stuck with nuclear power despite the risks.

Japan is the only country to have suffered a full-scale nuclear attack, and the only country to have suffered massive casualties from radioactive fallout.
It seems odd, then, that it is so addicted to nuclear energy, operating more reactors than any other country after the United States and France.
And it seems especially odd in view of the country's vulnerability to natural disasters like earthquakes.
Despite the acute public sensitivity to nuclear power following the attacks on Hiroshima and Nagasaki, Japan has long been concerned over another vulnerability - its lack of indigenous energy resources.
Aside from some small-scale geothermal power projects, the country has no other significant sources of energy - no oil, and very little coal.
Indeed it was Japan's hunger for reliable energy supplies that, in part, drove its military expansion into Asia in the 1930s and 40s.
So when the US began promoting nuclear technology in the 1950s under the slogan "Atoms for Peace", Japan - by now a close Cold War ally - eagerly signed up.
The construction of power plants reached its peak in the 1970s and 80s, at a time when Japan's export-driven and energy-hungry industries were also expanding at their fastest.
Concern over nuclear safety was not widespread back then, and the Japanese were accustomed to placing great faith in their engineers, who had learned to build skyscrapers, roads, bridges and sea walls that could withstand earthquakes.
Large-scale construction projects like nuclear power plants also fitted into the Japanese model of spending heavily on infrastructure to boost development in the regions.
They also benefited industrial champions like Toshiba and Mitsubishi, which manufactured much of the technology that went into the nuclear facilities.
This was a time when Japan's powerful bureaucrats laid down the blueprint for the country's development, with little dissent from most of its citizens.

Safety concerns

The nuclear accidents at Three Mile Island in the US in 1979, and Chernobyl in the Soviet Union in 1986, prompted more Japanese to question their own nuclear industry, but they remained a tiny and powerless minority.
The real catalyst for the growth of the anti-nuclear movement in Japan has been a string of accidents, safety lapses and cover-ups which have led to a collapse of public confidence in the way the industry is run.
In 1999 two workers were killed and hundreds of homes had to be evacuated after an uncontrolled nuclear reaction took place at the Tokaimura plant north of Tokyo.
It turned out that the workers had been mixing dangerous quantities of uranium in an open tank, in clear defiance of safety regulations. They were Japan's first nuclear casualties since 1945.
Three and a half years later Tepco, Tokyo's electricity provider, had to shut down all 17 of its reactors after admitting it falsified its inspection reports.
And Japan's worst accident at a nuclear facility took place at Mihama, on the west coast, in March 2004, when five workers were killed by scalding steam from a corroded pipe. The pipe had not been inspected for eight years.
After every incident Japan's nuclear operators have promised to improve safety procedures, but only this year all 12 power companies admitted to thousands of irregularities in reporting past problems.
As a result, residents across Japan have started resisting the construction of new nuclear facilities, and in some cases have taken legal action to suspend operation in existing plants.
The courts now appear to be more inclined than they were in the past to act against the nuclear industry.
A pervasive culture of secrecy that is commonplace in corporate Japan, and traditional hostility to whistleblowers, make it hard for the industry to change.

Withstanding tremors

Then there is the question of resistance to earthquakes.
Existing regulations require nuclear power plants to be able to withstand an earthquake of magnitude 6.5, although the government now wants to raise that to 6.9.
But in most of Japan, potential earthquakes could be a lot stronger than that.
One plant I visited two years ago, in Hamaoka, on the coast south of Tokyo, is built directly on top of a major fault line. Just offshore, in the Pacific Ocean, three of the planet's main tectonic plates rub against each other.
A shortage of suitable land - most of Japan is very mountainous - forces the power companies to build in places like Hamaoka.
The reactors there could well be the strongest anywhere in the world - they sit in massively-reinforced concrete bunkers, supposedly able to withstand a quake up to 8.5 in magnitude.
Hamaoka's operator says this encompasses every conceivable tremor in Japan - but the earthquake that triggered the 2004 Indian Ocean tsunami was measured at more than 9.0.

'Human error' fears

Proponents of nuclear power argue that there have been remarkably few serious accidents around the world, considering the number of reactors in service and the five decades or so they have now been operating.
They point out that during the great Hanshin earthquake of 1995, which flattened the city of Kobe and killed more than 6,000 people, none of the nuclear power plants in the area were badly damaged.
But Japan's record suggests that future accidents are more likely to arise from human error than natural disasters.
Opponents of nuclear power also worry that Japan might use its civilian industry as the basis for developing nuclear weapons, in response to the threat from North Korea, although the constitution currently bars such a move.
The urgent need to reduce carbon emissions in the world's second-largest economy will probably eclipse all these concerns, and Japan is certain to continue relying on nuclear power for the foreseeable future.
Its citizens can only pray that it does so with a more entrenched culture of safety than it has shown in the past.

JAPAN'S NUCLEAR SETBACKS
1999 - Two workers killed in explosion at Tokaimura plant
2003 - 17 Tepco plants shut down over falsified safety records
2004 - Five workers killed by steam from corroded pipe at Mihama
2007 - Damage inflicted on Kashiwazaki plant from earthquake

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-20 00:53 | 経済状況

サブプライムローン破綻(2) アメリカ景気減速 サブプライムショックと世界同時株安 国家破産の遠因か

ABSを対象としたCDOのインデックスであるABXを見ていますと、2~3週間前よりも、ひどい状況になってきているようです。特に、最近発行されたシリーズのABXのAAA格付けは、今年2月のサブプライムショックでも下落が限定的だったのですが、この1週間で急落したことが目を引きます。

(グラフ 上からAAA、AA、A、BBB。いずれもシリーズ07、バージョン1)

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データ:http://www.markit.com ABX Indices

ABS:資産担保証券。ここでは、サブプライムローンなどを証券化したもの
CDO:債務担保証券。ABSを含むいろいろな債務などを混ぜてリスクをコントロールした証券。
CDS:クレジット・デフォルト・スワップ。信用リスクをお金に換えるデリバティブ。
ABX:正確にはABX-HE。ABSを対象としたCDSのうち、流動性の高い20銘柄を指標化したもの。信用度に応じて、AAA、AA、A、BBB、・・・と格付けされている。BBB以上が投資適格、BB以下はデフォルトリスクが高いとされる。

「日経金融新聞」(2007.07.12)の、資金の流れを示したスキームを転載します。(「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」より孫引き)

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過去の記事「アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か」のコメント欄から転載します。

(開始)

Commented by welpal at 2007-07-15 10:33 x
もし、サブプライムローン問題をきっかけとした株価暴落(ひょっとして債権も?)が起きるとしたら、ここ1~2週間が一つの要注意期間になると思っています。
実は、この週末にでも大きな動きが出ると見ていたのですが、はずれました。^^;

私がこの問題で今注目しているのは、markitのABX-HE指数で、特にBBBとBBB-です。(HEとは、Home Equityの略だそうです。ABX-HEについては、http://www.doblog.com/weblog/myblog/72014/163#163 で簡単に説明されています。)
この指数では、比較的優良なAAA~Aもここ数日で急激な下げを見せていますが、カンさんはこの辺りの動きをどう見られていますか?

私が今思うことは、
ここ1ヶ月間に、ニュースで頻繁にサブプライム問題が取り上げたり、相場が荒れることが急に多くなり、市場関係者はみんな警戒するようになったと思います。
ABX-HE指数を見れば、この1~2週間で株価暴落は起きるかもしれません。
逆に、この指数が急落した現段階で何も起こらなければ、この問題はうまくソフトランディング処理ができるような気もします。つまり、みんなが神経質になっているからこそ、徐々にリスクから手が引かれ、株価暴落は起きない。

Commented by kanconsulting at 2007-07-16 20:49 x
welpalさん
コメントありがとうございます。ABX(ABSのインデックス。ABSについては本文中を参照ください)に着目されているとは、慧眼だと思います。さて、格付けの高いABSやCDOでも値が下がっている理由は、以下のとおりと考えます。
・ABSやCDOは非上場債券であり、市場外取引となる
・それらを担保にレバレッジを効かせてトレードしているヘッジファンドは、一定以上の担保価値毀損により、ポジションを解消せざるを得ない
・そのため多量の売り物が出たが、流動性が低いため、理論価格より低い価格でしか売却できない
・つまり、格付けの高いCDO(ABS)でも、多量処分により、暴落することがある

Commented by kanconsulting at 2007-07-16 21:06 x
現在では、シングルA格付けのABXの急落が見られており、AA(ダブルA)クラスにはで波及してきています。AAA(トリプルA)も安泰とは言えません。では、今後はどうなるのでしょうか?

① 上の記事で述べたのとは逆に延滞率は膨らまず、ABXは収束する。
②-1 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げるが、投資銀行などの担保差し入れにより、株式市場には影響しない。
②-2 延滞の増加により損失は膨らみ、ABXはとことん下げ、ヘッジファンドを火種として、投資銀行・機関投資家の株式投売りを誘い、世界株安となる。

Commented by kanconsulting at 2007-07-16 21:12 x
今後1~2週間の株価の見通しについては、ご指摘のとおりだと思います。
私が着目しているのは、今後1~2年の見通しです。なぜならば、いわゆる「ゆとりローン」により、今後1年ほどかけて、延滞が増加していくことは避けられないと見ています。ですので、②のどちらかの可能性が高いと見ています。
その途中で、エクイティ部門の含み益などで、ABSやCDOの含み損をカバーできたなら、②-1の可能性が高くなるでしょう。1~2年という長いスパンですので、損失をうまくカバーできる可能性もあると思いますが、そうできなければ、②-2です。

(終了)

関連したブログ記事を引用します。

(引用開始)

「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」 なぜPEブームが終わると騒がれているか?(図解)

このように、Subprime securitiesを組み込んだ、CDO(Collateral Debt Obligation)債務担保証券に、PEファンドは多くを投資しているという。このCDOはモーゲージ債券を裏付けにしているので、モーゲージ債券の格付けが下がったりすると影響を受ける。マージン・コール(追い証追加)におびえるのは、CDOを裏付けにして買収資金を借りているPEファンドの投資家達である、ということらしい。要するに、CDOは80年代の買収ブームに使われた、ジャンク・ボンドと同じようなものらしい。あまりにも仕組みが込み入っており、日進月歩でさらに様々なヘッジ商品が登場するので、正直さっぱり分からない。だれもどこにリスクが存在するのか分かっていないのではないかと思う。CDOにせよCDSにせよ、要するにDerivativesの一種らしいことは、FTのGilien Tettの記事から何となく分かった。デリヴァテイヴが危ないというのはそういう意味なのだろう。

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-18 09:11 | 経済状況

少子化と国家破産 人口減少による日本国消滅の危機 経済同友会の予測 債務負担増・経済縮小税収減

このブログでは何度も述べていますが、少子高齢化・人口減少により、日本の経済成長を達成することは年を追うごとに困難になっていきます。この問題は根深く、10年単位で日本の没落を確実なものとしていきます。もちろん、年金などは満足に支給されるはずもありません。

さて、今年4月に経済同友会からリリースされた「日本の未来は本当に大丈夫か―改めて問う少子化対策―」においては、以下のように指摘されています。

(開始)

諸々の改革が十分に実施されず、政治、経済、社会の諸要素の趨勢が上方に大きく屈折しない場合(自然体ケース)には、以下のような諸問題が発生もしくは深刻化する恐れがある。(以下の諸数値は昨年度時点の実績、および予測に基づくものである。)

(1)人口減少に連動した経済力低下の恐れ
日本の総人口は2050 年には9,600 万人程度まで減少する。年平均でみれば、毎年68 万人ずつ人口が減ることとなる。また、経済成長の重要な要素である生産年齢人口(15-64歳人口)は、2050 年までに約40%減少する。したがって、生産性が相当に高まらない限り、経済力の低下は免れない。
(2)食料・エネルギー等の輸入購買力の低下、調達不能の恐れ
日本の現在の食料自給率(40%)、エネルギー自給率(20%)は主要先進国の中で最低レベルにある。他方、世界人口は今後も膨張を続け、世界的な資源不足、価格高騰の恐れがある。このような環境下で、経済力が低下すれば輸入購買力を確保できず、最悪の場合、調達不能の恐れもある。
(3)社会保障、防衛、治安、国土保全、教育等社会インフラのための支出に耐えられなくなる恐れ
生産年齢人口と老年人口の比率は、現時点では3.4:1であるが、2050 年には1.4:1になる。つまり、お年寄り1人を現役世代1.4 人で支えなければならない。このような状況下で、経済規模が縮小すれば、社会保障のみならず、その他の社会インフラの支出にも耐えられなくなる恐れがある。
(4)国・地方の財政破綻の恐れ
「債務負担の増勢」と「経済縮小に伴う税収減」が同時進行すれば、財政再建が困難になるだけでなく、最悪の場合、財政破綻に陥る恐れがある。

(5)基礎的社会サービス(上下水道・学校・消防・医療等)の提供が困難な地域が拡大する恐れ
人口の減少スピードは全国一律ではない。地方においては「過疎」の問題がさらに深刻化し、財政力の脆弱さと相俟って、諸々の基礎的社会サービスの提供が困難な地域が拡大する恐れがある。
(6)社会の活力が大幅に低下する恐れ
生産性の伸び悩み等から国民一人当たりの実質所得がマイナスに転じる恐れがある。また、社会保障負担の在り方によっては世代間対立が表面化し、現役世代の労働意欲が減退するなど、社会の活力が低下する恐れがある。
(7)世界における存在感が大幅に低下する恐れ、特に中国・インドとの経済的地位の逆転の影響
経済力の低下に伴い、世界の中での存在感が低下する恐れがある。とりわけ、中国とは経済的地位が大幅に逆転する恐れがある。現在の中国のGDPは日本の4割程度であるが、2050 年には日本の6~7倍に達するとの予測もある。

(中略)

自然体ケース(中位~下位):政治、経済、社会の諸要素の趨勢が上方に大きく屈折しないという前提の自然体で伸ばした姿
改革ケース(上位~中位):人口減少から発するマイナス面克服に向けた諸々の改革・施策が実施され、効果を上げる姿

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自然体ケースでは、労働力の減少に加え、全要素生産性の伸び悩み、高齢化の進展に起因する貯蓄率の低下による資本ストックへの下押し圧力等により、早ければ2010 年代後半、遅くとも2020 年代後半には、潜在成長率がマイナスに転じると予想される。国民一人当たりの実質GDPも予測期間後半にはその伸びがマイナスに陥る可能性が高い。政府のプライマリーバランスはおおむね赤字のまま推移し、予測期間後半では赤字幅が拡大する。その結果、政府債務残高も増加の一途を辿る。
改革ケースでは、国民一人当たりの実質GDPの伸びはプラスを維持できると考えられるが、一国全体で考えた場合の潜在成長率はマイナス幅こそ大きくないものの、予測期間後半にはマイナスに転じると予想される。プライマリーバランスについては、消費税率引き上げ等により、一旦は黒字化すると考えられるが、高齢化の進展に伴う社会保障費の増大から、予測期間後半には再び赤字に陥る可能性がある。
以上のように、わが国は、自然体ケースでは危機的状況に陥ることとなり、改革ケースですら安泰とはいえない状況となる。

(中略)

出生率が改善した場合の人口の前提としては、・・・最も出生率が高い前提(2040 年時点で1.75)の「国民の希望がすべて実現した場合(ケースⅠ)」を用いることとした。ただし、このケースの実現には極めて高いハードルがあると我々は認識している。・・・この出生率改善シナリオによる試算結果は、少子化対策を含めたすべての改革が効果を表した場合の上限値と位置づけることができる。

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少子化対策以外の改革を最大限に行った上で、出生率の改善が見込まれれば、図表12の出生率改善ケースのとおり、潜在成長率のマイナスを回避することが可能となる。これは図表14 と図表15 を比較すれば分かるとおり、出生率の改善によって、2030 年代以降の労働力の下押し圧力が緩和されることによるものである。ただし、これは少子化対策以外の改革が最大限に効果を表した場合であることに留意いただきたい。図表13 のとおり、出生率が改善されれば財政面での負担も軽くなり、プライマリーバランスは大きく改善する。

以上の結果から、わが国が持続的な成長を実現していくためには、人口減少を前提とした諸々の改革に加え、出生率の改善に向け少子化対策を行うことが必要不可欠といえる。

(終了)

つまり、以下の条件が2つとも満たされた場合に、日本の没落は避けられるが、いずれか1つだけ、あるいは両方とも満たされない場合は、日本国の衰退と財政破産は不可避である、ということです。
・人口減少のマイナス面に対する改革・施策が実施されて効果を上げること
・出生率が1.75(2040年)と、想定内で最も高い数値に回復すること

産経新聞の連載記事は、『経済が縮小すれば、税収の低下、高齢化による社会保障費の増大で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字はやがて臨界点に達する。国債価格は暴落。その先はまさに“日本沈没”のシナリオである』と述べています。

こういった見通しは、現在の円安(対ドルを除く)と物価上昇による『円という通貨の減価』に、その兆候は出ていると考えています。

人口減少・少子高齢化に関する過去のエントリーから抜粋して掲載します。

(開始)

「国家予算作成ゲーム「財務大臣になって予算を作ろう!」について」

実際は、これまでに述べているように、少子高齢社会を迎えますので、医療・福祉は減らすことが困難です。地方交付金の減額は、地方税の増税につながりますので、国民にとってはトータルでは変わらないと言う見方も出来ます。そして、このような「縮小均衡」が、活力ある社会を生み出すとは、ちょっと思えないというのがホンネです。

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「下げのきついときに、投資を考える」

日本の将来は、どうなるとお考えですか?
・このブログやメインページでかねてより指摘していますように、増大する巨額の公的長期債務が、国民経済を減速させる可能性は高い。
・少子化が進む。労働力、需要、担税力の低下につながり、将来の経済の発展が望み薄になる。

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「格差社会とその対策 資本の自己増殖と給与の上方硬直化 長期グローバル投資を(2)」

格差社会は、少子高齢化とあいまって、日本全体の経済成長力・担税力を損なうため、国家財政破綻のリスクを高める。財政破綻にならなくても、増える低所得者層にとっては、実質的なハイパーインフレにも似た過酷な国家となる。

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「人口動態について」

「まもなく日本の人口は減少を始め、労働人口の減少、とりわけ若い労働力の縮小と消費市場の縮小による経済への影響が懸念されます。また高齢化が進むことで年金、医療、介護などの社会保障費が増加して、国民の負担が増大することも懸念されています。
ただし、経済や生活は人口だけで決まるものではないので、そうした懸念を実現させないための工夫を国、自治体、企業をはじめ国民全体が協力して築いて行けるかどうかが重要な点です。」

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「日本国債格付け 改革なければ日本国債格下げ(S&P)」

・日本では急速な少子化によって現役世代が減る
・今後10年間で医療や介護、年金などの公的サービスへの需要が高まり、大きな財政圧迫要因になる
・制度改革がなければ、社会保障費や国債利払い費などが雪だるま式に膨らみ、一般政府歳出の対GDP(国内総生産)比は、2050年には現在の水準から約30ポイント上昇して65%になる

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「富田俊基氏の語る「総選挙と財政再建」」

(政権交代ついて)
・政権が交代しても、中長期的には財政再建重視とならざるを得ない
・それは、歳出削減でも国債残高は増加しており、将来的には利払い費も増加するためである
・将来の人口減少と貯蓄率低下に備えて、財政の健全化と国債の信用回復が必要だ

(財政再建について)
・大きな政府を維持する選択肢は、事実上ありえない
・海外の財政再建事例では、増税よりも、歳出削減を重視したほうが成功しやすい
・成功事例では、公共事業削減に加え、社会保障・公務員給与をGDP比で引き下げている
・日本では少子高齢化を迎えるので、社会保障費の大幅カットは難しい。GDP比横ばいを目指すべき

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「日本株式投資の真実」

・日本株式は、人口動態などから、今後長期での成長が期待できない。

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「増税なき財政再建は可能か? 法人税・企業業績・経済成長・自然増徴? プライマリーバランス達成可能?」

・人口が減少していく国で、経済成長を遂げるのは、高付加価値産業にシフトするしかないが、現状そうなっていない

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「人口統計に基づいた未来予測~自治体破綻 経済状況の発展段階説(3)」

さて、人口統計に基づいた未来予測は、一般的な予測より精度が高いとされています。ですので、エコノミストの株価予測・為替予測を読むよりは、人口動態をチェックするほうがはるかに実入りがあるというべきでしょう。

そこから予測される項目としては、これまでも紹介していますように、
・現行制度のままでは所得税収・住民税収は減少する
・医療・福祉に関する支出は減らすことが困難
・税負担や保険負担を増加し、高負担社会とせざるを得ない
です。

(終了)

問題の記事を引用して掲載します。

(引用開始)

【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(2)500年後は縄文並み人口15万

「限界集落」。高齢者が半数を超え、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落を指す。大半は早晩消滅の道をたどるほかない。
国土交通省の調査などによれば、こうした集落は全国ですでに3000近くになる。図1は人口5000人未満の過疎町村を現在と50年後とで日本地図に記した分布図である。過疎化を示す赤色が急ピッチで全国に広がる様子が分かる。「消えゆく明延」は日本全体の象徴ともいえる。
図2も衝撃的だ。官民共同のシンクタンク「総合研究開発機構」(NIRA)が最新の人口推計などをもとに、出生率が現状の1.32のまま推移することを前提にして作成したものである。
日本の人口は、1億3000万人をピークにほぼ一直線に急下降を続け、わずか500年後には15万人まで落ち込むとしている。これは縄文時代の人口水準に匹敵する。推計とはいえ現実に起こりうることだ。数字にはあぜんとするほかない。
繁栄の思い出に浸っている間にも次々消えていく集落。少子高齢化と人口減少問題は、遠い将来に目配りして初めて、深刻さが見えてくる。だが、確実にこの“見えざる敵”は日本を消滅の淵(ふち)に追い込みつつある。

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少子高齢化は先進国に共通した現象だ。だが、「問題は、日本ではそのスピードがあまりに急激すぎることだ」。法政大学大学院の小峰隆夫教授はそう指摘する。
経済同友会は今年4月、深刻な人口減少社会の到来に警鐘を鳴らす緊急提言を発表した。
このまま手をこまぬけば、日本は労働力減少と生産性の伸び悩みで潜在成長率は2010年代後半にもマイナスに転じるとする提言は、危機感にあふれている。
経済が縮小すれば、税収の低下、高齢化による社会保障費の増大で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字はやがて臨界点に達する。国債価格は暴落。その先はまさに“日本沈没”のシナリオである。
すでにその兆候は出ている。
国内総生産(GDP)で世界第2位の経済大国・日本の座も、実際の通貨の実力で換算する購買力平価では既に中国に明け渡している。2050年には、経済規模で中国の10分の1程度まで水をあけられるとする予測もある。
少子高齢化は、働く世代と年金受給の高齢者との世代間対立も拡大させかねない。若者は老人にますます敬意を払わなくなり、社会は荒廃していく。将来社会への不安が募れば出生率はさらに低下する。人口減が人口減を呼ぶ構図だ。

産経新聞

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-16 23:07 | 経済状況

アメリカ景気減速か サブプライムローン破綻 世界景気減速・世界同時株安ふたたび? 日本国破産の遠因か

4ヶ月ほど前の記事で、次のように述べました。

(開始)

「「2011年金利敗戦」とサブプライムローン・デリバティブ破綻 国家破産のための保険を」

そして、アメリカに目を転じれば、サブプライムローン(サブプライムモーゲージ。日本で言う、住宅金融公庫のようなもの)の破綻が影を落とします。アメリカの景気は減速するでしょう。信用創造の縮小によって、50兆ドル(5000兆円)とも言われる巨額のデリバティブ(派生金融商品。非常に簡単に言うと、レバレッジの効いた権利取引)の焦げ付きも懸念されるところです。

このように、世界経済と日本の財政も、来年が見えない状態になってきています。

(終了)

サブプライムモーゲージ、サブプライム・ローンとは、簡単に言うと、信用度の低い個人(借り手)を対象にした高金利の住宅融資のことです。現在、アメリカでは、金利上昇を背景に、サブプライムローンの延滞や差し押さえが急増しているということです。そういった状況の中、アメリカの格付け会社であるS&Pとムーディーズは、「サブプライムローンを担保にした証券」を、大量に格下げすることとなりました。

「サブプライムローンを担保にした証券」とは、資産担保証券(ABS)ということです。サブプライムローンだけではなく、その他のローンや債券と混ぜ合わせることで、計算上はそれら単体よりもリスクは減少するということで、格付けが高い証券にできていたのです。

サブプライムの規模は、以下のように推定されています。
・米国の住宅ローン残高は約10兆ドル(約1200兆円)
・このうち、サブプライム向けは約10%=約1兆ドル(約120兆円)
・このうち、焦げ付きにつながる延滞率は15%程度=約1500億ドル(約18兆円)

金額的には、それほど巨額というわけではありませんが、問題点はいくつかあります。
・そういった証券を多量に購入しているヘッジファンドの信用不安・経営悪化
・こうしたヘッジファンドを通じて、世界的に影響を及ぼす可能性
・もちろん、米住宅市場の減速を招く可能性
・普通で考えて、金利上昇期には高金利ローンの延滞率は上がり、それによる投売りが住宅価格の下げ圧力となることから、さらに損失は膨らむ可能性

一例として、サブプライムモーゲージ証券投資で損失をだしたヘッジファンドに、ベアー・スターンズ投資銀行が32億ドルの融資(といえば聞こえはいいが、実質上の救済)をすることになっています。LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)と同規模の損失補てんとなっています。

この勢いで、現在の延滞率に相当する約1500億ドル(約18兆円)のマネーが消えると、どうなるでしょうか?世界景気の減速は避けられず、世界同時株安を再び見ることになるでしょう。

さて、ウォーシュFRB理事は、以下のような見解を示しています。
・サブプライムモーゲージ問題は、連鎖的破綻・金融危機などのシステミックリスクにつながらない
・しかしながら、サブプライムモーゲージ問題に起因する、さらなる損失があることは確実
・サブプライムモーゲージ問題は、まだ底打ちしていない可能性がある

FRBのメンバーが「連鎖的破綻・金融危機が起こる」というと、それは自己実現型予言になってしまいますので、口が裂けても言えないはずです。ですので、「連鎖的破綻・金融危機はない」というのは、安心のためのポジショントークですので、それを100%真に受けることはできません。

また、アメリカは危機に際しては、挙国一致して対処に当たるという特徴があります。ですので、どんな手を使っても、たとえば日本からカネを引っ張ってでも、この穴を埋めにくるかもしれません。

現実問題として、金額的には、サブプライム・モーゲージ問題は、直接には金融危機にはつながりにくいと思います。ですが、このような信用創造の縮小は、過熱気味の世界景気に、ボディーブローのように効いてきます。それを先送りするかのようにジャブジャブに供給される円とドルですが、それとてもある一定の臨界点を超えると、巨額のデリバティブの焦げ付きもありうるのではないでしょうか。

今後とも注視が必要だと思います。

(引用開始)

サブプライム担保証券、米で大量格下げ・ヘッジファンドに打撃

【ニューヨーク=山下茂行】米格付け大手は10日、信用力の低い個人(サブプライム)向け高金利型住宅ローンを担保にした証券の大量格下げに動き始めた。サブプライムローンの延滞や差し押さえが急増しているためで、同証券に投資するヘッジファンドの経営悪化や米住宅市場の一段の減速を招く可能性もある。
格下げ対象はサブプライムローンの元利金を投資家に支払う証券化商品で「住宅ローン担保証券(RMBS)」の一種。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは当初発行額で52億ドル相当の格付けを引き下げた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も120億ドル相当を格下げする方向で見直す。

日本経済新聞

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S&P、120億ドル相当のサブプライムRMBSを格下げ方向に

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)サブプライムローン(信用度の低い借り手への融資)市場の危機拡大が、米2大格付け会社を巻き込んでいる。
スタンダード&プアーズ(S&P)は10日、米国のサブプライムローンが担保となっている、総額約120億7800万ドル相当の住宅ローン担保証券(RMBS)の信用格付けについて、格下げの可能性があることを示す「クレジットウオッチ・ネガティブ」に指定したと発表した。対象となるRMBSのクラスは612に上る。
S&Pはクレジットウオッチに指定した理由として、担保となっているサブプライムローンの債務不履行が膨らんでいることを挙げている。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスも10日、399のRMBSを格下げしたと発表。さらに32のRMBSについて格下げの方向で見直すとした。担保となっているローンの不履行率が予想を上回っていることを理由として挙げた。
これらの発表を受け、米住宅市場の低迷はさらに深刻化し、回復には少なくとも数カ月かかるとの見方が広がった。株式や格付けの低い債券を売る動きがみられ、米株式市場のダウ工業株30種平均は10日、前日比148ドル27セント(1.09%)安の1万3501ドル70セントで引けた。

日本経済新聞

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サブプライムローン  米焦げ付き続発 ファンドに信用不安/「日本への影響限定的」

米格付け会社が高金利型(サブプライム)住宅ローンを担保とした債券の格付けを引き下げると発表したことで10日のニューヨーク株式市場は大幅に下落しました。サブプライムローンの焦げ付き問題が再燃したことにより、関連の投資ファンドが経営危機に陥り解散を余儀なくされたり、金融当局が監視を強めているとの情報もあります。問題の根源はどこにあり、なぜ今再燃しているのでしょうか。
サブプライムローンは、所得や信用力の低い人向けの消費者金融の一種で、自動車や住宅などを担保に年率20~30%の高金利で貸し出すものです。米国では総世帯の約4割が年収2万5000ドル以下で、サブプライムの対象になるといわれ、市場が非常に大きいのは確かです。
問題となっているのは住宅担保融資ですが、米国の失業率は歴史的な低水準にあり、景気も悪くないなかで、借り手が返済不能に陥るケースがそれほど多く発生するのは腑に落ちません。
実は、サブプライムローンは、低所得者の住宅購入だけに使われているわけではありません。将来の値上がりを期待して、高級リゾートホテルや別荘を買いあさる個人投資家の利用も多いという実態があります。米国は住宅バブルが続き、こうしたリスクの高い投資に多くの個人が参入していたわけです。住宅価格の上昇率が鈍っただけで、これら“にわか投資家”が返済不能に陥っているのです。
サブプライム問題は、実際どの程度の規模なのでしょうか。米国の住宅ローン残高は約10兆ドルで、このうちサブプライム向けは約10%とみられ、焦げ付きにつながる延滞率はその中の15%程度といわれています。金額的なリスク規模は意外に小さい可能性があります。また、住宅価格が下落したわけではなく、上昇率が鈍化した程度です。このため、3月には問題が沈静化していました。
ここにきて再燃したのは、サブプライムローン債権を証券化した金融商品の購入先に対する不安からです。これら金融商品の格付けが大幅に引き下げられたこともあり、多くを購入しているヘッジファンドなどに信用不安が広がったわけです。ファンドには世界中の金融機関、投資家が資金を拠出しており、影響が国際的な広がりを見せる可能性もあります。
日本にも波及するのでしょうか。大和総研の近藤智也エコノミストによると「サブプライムローン債権を1割程度組み込んだ金融商品を購入している機関投資家は一定数存在する」といいます。ただし、サブプライムローン債権だけで運用しているわけではなく、「日本への影響は限定的」とみています。(高山豊司)

FujiSankei Business i. 2007/7/12

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米サブプライム問題に揺れる市場、損失表面化には時間

[東京 12日 ロイター] 米国のサブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手への住宅融資)問題の再燃で、国内外の金融市場は不安定な動きにさらされている。米金融当局者は同問題がシステミックリスクにつながることはない、との立場をとっているが、今後、関連したファンドの損失が表面化する可能性もあり、市場は依然リスク要因とみている。
足元で好調な成績を出すヘッジファンドの中にも先々、パフォーマンスが低下するところも出てくることも考えられる。

<ヘッジFのパフォーマンスは良好、住宅セクターに空売りも>
米サブプライムモーゲージ問題を抱えながら、ヘッジファンドのパフォーマンスは、実は良好に推移している。ヘッジファンドの運用成績を地域別にデータ化しているユーリカヘッジの地域別ヘッジファンド指数は、12日現在、ユーリカヘッジ・グローバル・インデックスをはじめ、全ての地域で年初来プラスになっている。
最もパフォーマンスが高いのは新興国市場で15.63%、次いで東欧・ロシアの13.70%と、新興国市場がけん引している格好だ。
また、クレディ・スイス/トレモント・ヘッジファンド・インデックスによると、同指数のパフォーマンスは年初来で7.86%。戦略別では、デディケイテッド・ショート・バイアス戦略(マイナス3.31%)を除き、全てがプラスになっている。イベント・ドリブン(同10%)や同マルチストラテジー(11.73%)、株式のロング・ショート(9.25%)を筆頭にパフォーマンスは良い。
あるヘッジファンド関係者は「米国サブプライムモーゲージ問題が噴き出す中で、住宅セクターに空売りをかけるようなファンドは高いパフォーマンスをたたき出している」と話す。

<サブプライム絡み、今後損失の表面化も>
ヘッジファンドの破たん危機などが伝えられているが、総じてヘッジファンドのパフォーマンスが良好な背景には「サブプライム絡みのものに投資する戦略は限られている」(前出のヘッジファンド関係者)ためだ。
一方、春先から米サブプライム問題でヘッジファンドの破たんを指摘していたマネックス・オルタナティブ・インベストメンツのマネージング・ディレクター、白木信一郎氏は「ハイ・イールド債に投資するファンドの中には(サブプライム絡みが)一部入っているものもあるかもしれない。一部で損失が明らかになっているように(サブプライム絡みの保有では)レバレッジをかけるなど偏りが大きかった」と話す。
保有資産にはマーケットバリューがつかないこともあり、かつ、ファンドのバリュエーションは独自で行い、頻度が少ないところもある。こうした場合はバリュエーション上の減価が行われるまでに時間がかかることもあり、減損部分が表面化していないものも多いのではないかという。同氏は、今後、一部の投資戦略でパフォーマンスの低下につながる可能性もあるとみている。

<リスク要因吸収し、個人マネーは海外資産へ>
他方で、足元の国内投信マネーは海外市場のリスク要因を踏まえながら、海外資産への投資を加速させている。
野村総合研究所(NRI)が算出している国内投信の資金流出入状況(設定額マイナス解約額、新規ファンド分は3カ月目から算入)によると、海外資産に投資するファンドのカテゴリー(海外株式型、海外債券型、海外ハイブリッド型)に、7月は10日までの7営業日で4446億円が流入。6月の同営業日ベースの流入額3450億円をほぼ1000億円上回るペースで資金が流入した。
1日平均約600億円を超える資金が投信を介して国内外の金融市場に流入している計算だ。同じベースで計算した6月の月間流入額は1兆1731億円で、1日あたりの流入額は約559億円。足元の流入額は着実に膨らんでいる。
新規ファンドへの資金流入などを加味すれば、海外資産への投資額は更に膨らむ見通しで、一大投資家となった個人マネーの「円売り/外貨買い」の傾向に今のところ大きな変化はみられない。春先から話題に上った米国のサブプライムモーゲージ市場をめぐる問題で、個人マネーの海外資産選好に歯止めがかかるのではとの見方も一部にはあったが、現状では海外リスク要因をものともしない個人マネーの姿が浮かび上がった。

アサヒコム・ロイター 2007年07月12日

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-13 01:58 | 経済状況

骨太の方針2007 成長重視路線の政策レベルが低い 財政改革では後退 国家財政の行く末は?

先日、「骨太の方針2007」が発表されました。

いろいろ問題点はありそうですが、最大の問題は、「(1)成長重視路線を言う割には、政策レベルが低い。かつ、(2)財政改革では後退している」ということになりそうです。

(1)成長重視路線の政策レベルが低い

「一人当たりの労働生産性の伸びを「五年間で五割増」との目標を掲げた」とありますが、需要が伸びないままに労働生産性を上げると、単位時間の労働コストが下がるか、失業が増えることは避けられません。この「五年間で生産性50%増」は、年間に換算すると、8~9%アップとなります。それだけの需要増加に見合ったものでないならば、大きなデフレ圧力となることは自明でしょう。それを言うなら、「生産性向上ではなく、付加価値アップ」が本筋でしょうね。

また、「最低賃金の引き上げ」は、格差緩和を狙ったものと推察しますが、それだけでは、格差社会の根本的な解決にはなりません。なぜならば、実物経済の裏づけがなく日本の人件費があがるなら、生産設備(機械)で代替するか、より安い人件費を求めて、海外へのアウトソーシング、外国進出・外国人労働者の活用にシフトするだろうからです。その結果、逆に最低賃金層の雇用が減少するかもしれません。

以前の記事「経団連・法人税と格差社会 グローバリズムとトリクルダウン効果 ホワイトカラー・エグゼンプション(3)」で、「格差社会のトップが富むことで、底辺がおこぼれにあずかることができるという『トリクルダウン効果』は、実際には否定されている」と述べました。日本でも同じです。富裕層がますます富んでも、格差の底辺にはまったく恩恵がないのです。

(2)財政改革では後退

今年は、「公共事業費の削減」は、見送られています。参院選を前にして、「地方経済への配慮=バラマキ」が必要だ、ということなのでしょう。公共事業費は、日本では、地方経済に円を還流させる、一種のヘリマネとして機能してきた面があります。それをまたやりたい、ということなのでしょう。このブログでは何度も指摘していますが(※)、「国の生産性への寄与が乏しい」公共投資を、「景気刺激のため」と称して続けてきたことが、どれほど国全体にとってマイナスになったことか、うかがい知れません。

なぜ歳出削減が必要なのでしょうか?一言で言うと、大きな政府のもとでは、国民は限りなく貧乏になっていくからです。国民の監視の行き届かない「大きな政府」が必ず腐敗することは、歴史が証明しています。そのツケは、国民が払うことになっているのです。

※過去のエントリーも参照ください。

「増税なき財政再建は可能か? 法人税・企業業績・経済成長・自然増徴? プライマリーバランス達成可能?」

なぜならば、税金・特別会計・その他公金へのタカリの存在(タックス・イーター、レント・シーカー)が、巨額の財政赤字を作った一因でもあるからです。これら、ムダ飯食らいを一掃処分しないことには、日本に未来はないのだと、厳しく指摘します。(中略)こういった「国の生産性への寄与が乏しい」公共投資を、「景気刺激のため」と称して続けてきたことが、どれほど国全体にとってマイナスになったことか、うかがい知れません。

「「ワイロ・カルテル・談合」はなぜ悪いのか? ~日本の「公共事業支出/GDP比」は他国の2倍~」

これまで、このブログでは、「国家予算(一般会計+特別会計+地方)がGDPの半分に到達しており、正常な財政運営とは言えない」「日本の公共投資は、投資に見合ったリターンが得られておらず、ムダが多すぎる」「予算を使い切ることが目的となっており、国民の税金を扱っているというモラールが崩壊している」などと指摘してきました。(中略)小職はこのブログにおいて、「単に穴を掘って埋めるだけでも、乗数効果がある」とするケインジアン的発想を、「もはやそのような時代ではない」と厳しく否定してきました。なぜならば、そのような「統制経済」の行き着く先は、国全体の終焉であるからです。そのことは、ソビエト連邦を含む共産圏諸国のたどってきた道、あるいは北朝鮮の現状を見ればわかるはずです。

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以下、関連したニュースを掲載します。

(開始)

骨太の方針2007 “百花繚乱”で改革路線後退

政府が19日決定した経済財政運営の基本方針「骨太の方針2007」。目前に迫った参院選を強く意識した結果、安倍晋三首相が掲げる政策理念や国民の耳に聞こえのよい項目を羅列した“百花繚乱”の内容になった。一方で、自民党などの抵抗勢力が暗躍し、“消えた年金”ならぬ“消えた項目”も多く、小泉純一郎政権が掲げた「構造改革路線」の後退を懸念する声が高まっている。(中山忠夫、那須慎一)
安倍首相が初めてまとめた骨太の方針は、A4判サイズで52ページ。最少で27ページに収まったこともある小泉政権時代に比べると2倍以上に膨れあがった。「安倍内閣で初めての骨太でもあり、ある程度広範にわたることはやむを得ない。(ページ数が増えたのは)項目ごとに見やすくするためで、余白も多くある」原案を決定した今月12日の会見で、大田弘子経済財政担当相は、「総花的」との批判に、苦しい弁明に終始した。

◆小泉改革「揺り戻し」
今回の方針の最大の特徴が成長力の強化。労働生産性の向上や地域経済の活性化を盛り込んだ「成長力加速プログラム」を目玉と位置づけている。国民に痛みを求めた小泉改革からの「揺り戻し」(自民党幹部)もあり、安倍政権は発足当初から、成長重視を掲げてきた。財政再建でも成長による税収増に軸足を置いており、その姿勢が方針にも反映された。国際競争力強化のための生産性向上では、5年間で伸び率を50%引き上げるという「数少ない明確な数値目標」(民間エコノミスト)が明記された。グローバルな市場間競争を勝ち抜くため、「金融・資本市場競争力強化プラン」を年内に策定し、証券や商品先物などを総合的に扱う取引所の検討や銀行と証券の垣根規制の緩和も打ち出した。小泉改革の「弊害」と指摘され、年金問題が浮上する以前は参院選の最大の争点になるはずだった「格差問題」にも力を入れた。人材や資金を集中的に投入し地域経済の再生を図る「地域力再生機構」の創設もその一つだ。
だが、一方で先送りされたり、消えていった政策も少なくない。一定の条件を満たした社員を労働時間規制の対象外とする「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」。経済財政諮問会議の民間議員は労働生産性の向上で国際競争力を高める“労働ビッグバン”政策の柱に位置付け、導入を迫った。ところが、「残業代ゼロ制度」との批判が各方面から噴出。安倍首相は参院選への影響に配慮し1月には早々と今国会への関連法案の提出見送りを決めた。国際線の便数や就航する航空会社の決定に政府が介入せず、民間の自由な判断に委ねる「オープンスカイ」構想。5月16日の最終報告では、海外から乗り入れ要望が多い羽田、成田の両空港について、「将来課題」と表現するにとどまった。「発着枠が満杯」というのが表向きの理由だが、航空交渉の権益を手放したくない国土交通省や運輸族議員が猛反発したことが影響した。焦点だった羽田の国際化、24時間化も「早朝・夜間の国際チャーター便拡大」と大幅に後退した。

◆「3%削減」見送る
極め付きが、歳出削減の象徴である「公共事業費」だ。小泉政権の5年間で約4分の3の水準にまで大幅削減され、昨年度の骨太の方針では、11年度まで「毎年1~3%減らす」との数値目標が決まっていた。今年も民間議員が素案に「3%削減」の明記を求めたが、結局、見送られた。参院選を前に「地方経済への配慮」を求める与党議員らの意向が強く働いたためだ。「昨年決めた方針を守っていくのは想像以上に難しい」大田経済財政相は12日の会見でこう本音を漏らした。骨太の方針を取りまとめる経済財政会議は小泉政権時代、首相官邸主導で郵政民営化などの構造改革を推進する原動力となった。だが、今回は、「役所が予算獲得のため、提案を競い、お墨付きをもらうための会議に成り下がった」(関係者)。かつての“ばらまき予算”への回帰も懸念されるなか、安倍首相の指導力が問われている。

≪エコノミストの採点≫
□BNPパリバ証券 河野龍太郎氏
■メリハリが重要だが
【50点】
労働力が減少するなかで、日本の労働生産性の伸び率を5年間で5割増にすることを、年限を決めて目標として掲げたことは評価できる。ただ、安倍内閣初の基本計画ということで、多くの項目が盛り込まれているのはやむを得ないといえるが、今年の諮問会議を見る限り、各省での審議会での決定事項を各大臣が読み上げる場になってしまったように思う。
すべての項目を実現するために、財政再建が滞る事態になるとは思わない。しかし、本来は、重点項目を決めて、必要な政策には十分の予算を配分し、メリハリをつけることが重要だが、結果的に一律で抑制されるということになりかねないと懸念している。

□第一生命経済研究所 熊野英生氏
■ぼやける格差是正策
【65点】
景気回復の恩恵を受けられずにいる若年フリーターや中小企業、地方などへの配慮を打ち出した。参院選対策との批判もあるが、経済成長の果実を弱者にも配分しなければ、国民の暮らしが本当に豊かになるとは言い難い。
ただ、「ジョブカード」や「ふるさと納税」などは耳に聞こえがいいだけで、構造的な問題の解決にどれだけインパクトがあるのか未知数だ。格差是正という本来の目的を矮小(わいしよう)化しかねない。経済が正常化しつつある現在では政策の絞り込みも難しく総花的に映るのはやむを得ないが、全般的に官僚主導との印象が否めない。官から民への改革を逆行させないためにも、首相の強い指導力が求められる。

FujiSankei Business i. 2007/6/20

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社説 骨太の方針*存在問われる諮問会議(6月20日)

良くも悪くも「改革のエンジン」といわれてきた経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は変質してしまったのか。政府の「骨太の方針二○○七」を読んでの率直な印象だ。首相が掲げる「戦後レジームからの脱却」「美しい国」という言葉ばかりが目立ち、喫緊の課題である財政再建や少子高齢化などにどう取り組むかの意欲が感じられないのだ。
たとえば歳出・歳入一体改革や社会保障改革、公務員人件費改革については、小泉純一郎前政権の方針を踏襲しているだけで、新たな方向性をほとんど示していない。
これでは諮問会議の役割を十分に果たしたとはいえず、その存在意義を問われることになる。確かに諮問会議の発足した○一年当時は、金融機関の不良債権問題など経済危機をいかに乗り切るかが最大の課題だった。郵政民営化というもうひとつの目標もあった。それに比べいまは景気拡大が続いていることもあって目標を絞りづらいのは分かる。だが、だからこそ諮問会議で何が経済運営の重点なのかを明らかにすべきだった。今回の骨太が最重要課題に掲げた「人口減少下における成長の実現」では、漠然としていてどこに力点が置かれているのかさっぱり分からない。結果的には参院選を意識して地域活性化から環境立国、教育再生まであれこれ盛り込んだのだろうが、かえって焦点がぼけてしまった。これまでの諮問会議は既得権を守ろうとする族議員や官僚などとのあつれきを乗り越え骨太を作り上げてきたが、最近はそうした話もすっかり聞かなくなった。むしろ骨太に盛り込まれれば予算要求に有利になるとばかりに、各省庁は躍起になっている。「各方面からの歳出増圧力はすさまじかった」(大田弘子経済財政担当相)という。骨太が予算のバラマキにつながるようなことがあっては困る。概算要求のたんなる前倒しではないのだ。前政権下の諮問会議の強権的ともいえる手法には異論もあるだろうし、改革そのものにも賛否はあるだろう。ただ、予算編成を官邸主導に切り替え、中期的な歳出削減の目標を設定したことは評価していい。諮問会議はこの基本姿勢を堅持し、さらに踏み込んだ対策を打ち出す必要がある。首相は骨太の正式名称を「経済財政運営と構造改革の基本方針」から「経済財政改革の基本方針」に改めた。前政権との違いをアピールしたいのかもしれない。だが、いま求められているのは名称の変更ではなく、諮問会議の議論を活発化し、日本経済の将来像を明確に示すことだ。

北海道日報

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【政治】
年金対応策も明記 骨太の方針閣議決定 構造改革は先送り

政府は十九日、経済財政諮問会議で経済財政改革の基本方針「骨太の方針2007」をまとめ、その後の臨時閣議で決定した。安倍晋三首相にとって初となる今回の方針は、経済成長力の強化や行財政改革に加え、政権が重視する環境立国戦略、教育再生を優先課題として「安倍カラー」を押し出した。年金記録不備問題の対応策も記述した。一方で、参院選を控え、消費税の議論を秋以降に持ち越したほか、公共事業費の削減幅を明記しないなど構造改革を先送りした。
安倍首相は「人口減少というこれまで経験したことのない状況の中で、経済成長を持続させるための改革に本格的に取り組む」との談話を発表した。
方針は、就労者一人が一定時間に働いて生み出す国内総生産(GDP)を示す「労働生産性」の伸び率を五年間で50%増とする目標を明記した。
個人住民税の一部を出身自治体に納めるなど「ふるさと納税」構想については具体化に向けて検討を進める方針を示した。地域の活性化策として、地方版の産業再生機構といえる「地域力再生機構」の創設をうたった。
このほか、米国、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)締結を将来課題に位置づけ、政権が重視する公務員制度改革や独立行政法人の整理合理化などを推進すると力説した。
年金記録不備問題については「加入者・受給者全員が、本来受け取ることができるはずの年金を全額間違いなく受け取ることができるようにし、信頼を確立する」と強調。相談態勢の強化や新たな年金記録管理システムの構築も挙げた。
政府は骨太方針の正式名称を「経済財政運営と構造改革の基本方針」から「経済財政改革の基本方針」に改めた。

東京日報2007年6月20日 朝刊

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【社説】
年金で増税も消える? 週のはじめに考える

国会が事実上閉幕しました。骨太の方針をみても、政策課題は山積みですが、国民の関心は年金問題に集中しています。財政再建論議にも影響は避けられません。「これは、国による振り込め詐欺だよ」。友人が“消えた年金”について、憤まんやるかたない表情で訴えます。なるほど、その通り。
つい、この間まで「国民年金の保険料をきちんと納めて」と大宣伝していたのに、肝心の年金を払う段になったら「あなたの記録はありません」とか「領収書を見せてください」とか言うんですから。国民が怒るのも当たり前です。単に、役所の不始末と言うには、あまりにコトが重大すぎる。表立っては言わないがこれが、どれほど深刻か。
政策課題が重要であればあるほど、年金記録不備問題の解決なしには、もはや議論は一歩も前に進まないのではないか、と思えるほどです。たとえば、財政再建も。
政府も与野党も、巨額債務を抱えた財政の危機を訴え、再建論議を重ねてきました。政府・与党は昨年、二〇一一年度までの五年間に一一・四兆円から最大一四・三兆円の歳出を削減する方針を決めて、ことしの骨太方針も追認しています。
基本的には、無駄や非効率をなくして歳出を最大限に切り詰めていく。それでも残る不足分については増税を検討する、という考え方です。政府はこの秋から、消費税の増税を視野に入れて、抜本的な税制改革論議を始める予定でした。
国民を直撃した年金問題の衝撃は計り知れず、そんな「増税シナリオ」を吹き飛ばしてしまいそうな勢いです。財務省はもとより、永田町や霞が関のだれも表立っては言いませんが「いまや、とても増税を言い出せるような情勢ではない」というのが、政策立案者のほぼ一致した見方です。それはそうでしょう。

未払いでは納得しない
「私が払った保険料さえ、きちんと記録をつけられないのに、なにが増税だ。とんでもない」。多くの国民が、そう感じるはずです。
増税するには、国民が納得できる理由がなければならない。そこで「増税分は年金財源に充てる」という考えが有力視されていました。
基礎年金の国庫負担割合は〇九年度までに、三分の一から二分の一に引き上げる方針が決まっています。その財源に消費税の増税を、という皮算用だったのです。
自民党の津島雄二税制調査会長をはじめ有力者の多くは、消費税の使途を社会保障に限る「消費税目的税化」にも賛意を示していました。
しかし、年金記録がいいかげんなままでは、そんな議論に説得力はありません。給付金の未払いが多数、残っているのに「年金財源に増税を」と訴えても、だれも納得するはずがないからです。
「発覚前」と「発覚後」では、まさに議論の前提が根底から崩れてしまった。政府に対する信頼が大きく揺らいでいるのです。
では、どうするのか。残念ながら、妙策はありません。何千万件あるのか知りませんが、不明分を調査するのはもちろん、年金加入者全員に記録を通知して照合する。社会保険庁の労働組合はボーナス返上に応じるようですが、夏休みも返上して、取り組んでもらいたい。
さて、年金問題を一段落させたとして、ほかの課題はどうなのか。先の骨太方針をみると、成長力強化や二十一世紀型行財政システムの構築、持続的で安心できる社会の実現といった章立ての下、環境立国や教育再生、少子化対策などの項目が並んでいます。
どれも重要には違いないのですが、総花的すぎる。あえて、課題を絞ってみます。まず、経済成長をしっかりと実現する。景気が上向き、企業は雇用を増やし始めました。一方で、物価はまだ下落しています。日銀は利上げを急がず、デフレ脱却に全力を挙げる必要があります。
改革は「隗(かい)より始めよ」。政府自身が公務員の身分格差をなくし、中央省庁の局長など幹部に民間人を登用する。有能な人材を公募し、特別スタッフ職として優遇する。政治任用も大幅拡大してはどうか。
地方自治体を含めて、行政サービスの電子化を徹底する。情報技術(IT)の利用者と最大のサービス産業は政府自身です。行政の生産性を高める工夫に取り組むべきです。
ただし、注意点が一つ。コンピューター業界にぼろもうけさせる必要はありません。一部には年金記録の検証を「絶好の特需」とみて、うごめく向きもあるようです。効率化はカネをかければいい、というものではないはず。

役所仕事に監視の目を地方分権と行政のスリム化は、最重要課題です。福祉や教育、環境、農業、まちづくりなど広範な分野で、国と都道府県、市町村の二重行政が指摘されています。「お役所仕事」の無駄と非効率を改める。
しっかり監視しないと、役人はいかにでたらめをするか。私たちも「失敗の教訓」を学ばねば…。

中日新聞2007年7月1日

---

「構造改革」消えた 骨太の方針、閣議決定

政府は19日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が取りまとめた国の経済財政政策の基本計画である「骨太の方針2007」を閣議決定した。今回が7回目で、安倍政権では初の方針となる。併せて、安倍首相は、同方針の正式名称を従来の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」から、「経済財政改革の基本方針~『美しい国』へのシナリオ~」に変更すると発表した。

■成長に軸足
小泉純一郎前政権の“看板”であった「構造改革」の文言を無くす一方で、昨年9月の自民党総裁選際に安倍首相が政権公約として掲げた「美しい国」を副題として掲げた。
諮問会議後に会見した大田弘子経済財政担当相は「安倍内閣の課題は、人口が減る中で成長を実現することや官主導の行財政システムを根本から変えることにある。具体的課題を盛り込むことができた」と、方針の狙いを説明した。
方針には、(1)「成長力加速プログラム」による労働生産性の伸び率の50%向上(2)世界的な競争に打ち勝つための日本経済のオープン化推進(3)歳出・歳入一体改革プログラムの確実な実行による財政健全化(4)社会保障のサービスの質向上と効率化-などを柱に盛り込んだ。
今回の方針は安倍政権が掲げた成長重視路線を鮮明に打ち出したのが最大の特徴。一方で、財政改革では踏み込み不足や後退が目立った。
08年度予算編成については「最大限の歳出削減を行う」としながらも、諮問会議の民間議員が主張した公共事業の「3%削減」の明記が見送られるなど、具体的な削減策は明確に打ち出せなかった。
税制改革に関しても2年ぶりに言及したが、「秋以降に消費税を含む本格的な議論を行う」との表現にとどまり、具体的な方向性を示すことを避けた。
一方で、年金不信に対応し急遽(きゆうきよ)、「加入者、受給者全員が本来受け取れるはずの年金を全額間違いなく受け取る」と明記した。

■参院選を意識
7月参院選が目前に迫るなか、痛みを伴う改革を先送りする一方で、選挙対策的な項目を多数盛り込むなど、“票”を強く意識した内容となった。
これに対し、大田担当相は、多数の項目が並び“総花的”との批判に対し、「教育な
ら教育でどこに重点を置くのか、メリハリをしっかりと効かせた」と反論。また、選挙を意識し財政改革に踏み込めなかったとの指摘に対しても、「歳出増の圧力は非常にあったが、首相の発言や指示でしっかりと押さえ込むことができた」と強調した。

                   ◇

≪骨太の方針2007に盛り込まれた主な項目≫

【歳出】
・08年度予算は最大限の歳出削減を行う

【税制】
・秋以降、消費税を含む税制改革の本格的な議論を行う

【地方】
・ふるさとへの貢献が可能となる税制(ふるさと納税)の実現
・地域の企業再生を支援する「地域力再生機構」の創設

【労働】
・フリーターや新卒者への就労支援
・職業訓練の履修や資格を記録し求職に役立てる「ジョブカード」の交付
・最低賃金の引き上げ

【国際化】

・羽田空港の国際チャーター便拡大。大都市圏国際空港の24時間利用推進
・株式や商品先物を扱う「総合取引所」を検討
・米欧とのEPA(経済連携協定)交渉の取り組み強化

【環境】
・温室効果ガス排出量を2050年までに半減
・サマータイムの早期実施を検討

【行政改革】
・すべての独立行政法人を民営化や廃止に向けて見直し

【教育】
・国立大学法人への運営交付金の配分を見直し

FujiSankei Business i. 2007/6/20
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# by kanconsulting | 2007-07-11 02:47 | 経済状況

個人向け国債 広告費10億円 販売額は7兆円 問題の本質は「個人向け国債」ではない

個人向け国債の売れ行きが、財務省の思うように伸びてはいないようです。
・国債は売りたい、売れてくれないと困る
・でも、「貯蓄から投資へ」ということで、株式市場にも個人マネーが流れ込んでほしい
ですが、個人資産に限りがある以上、そのどちらも、というのは無理な話です。

では、実際の数字はどうなっているのでしょうか?個人向け国債の販売高を見てみましょう。

a0037933_195461.jpg

データ:財務省

このように、ここ3年間の実績は、7兆円前後の販売額のようです。
H16 6.8兆円
H17 7.3兆円
H18 7.1兆円

次に、個人向け国債は、国債発行額の中で、どのような位置づけになっているのでしょうか?

a0037933_1232147.jpg

データ:財務省

このように、中期債・長期債で、その7割を占めています。個人向け国債は、わずか3%前後となっています。

H18 内訳(%)
15年変動      5.9%
10年物価連動   0.8%
超長期債(10年超)12.0%
長期債(10年)   42.4%
中期債(2~6年)  29.2%
短期債(1年以下) 6.2%
個人向け国債    3.5%

将来的にも、5~10%で推移する計画となっています。確かに7兆円は巨額ですが、借換え債※を含めて年間140兆円以上にもなる国債の安定消化には心もとない数字です。さすがに国も、あまりに巨額の国債を個人に押し付けることは不可能だ、と思っているようです。

※2007年度の実績 (地方などは含まず)
借換え債         99.8兆円
新規財源債       25.4兆円
財投債(経過措置分) 7.6兆円
財投債(市中発行分) 11.0兆円
合計            143.8兆円

a0037933_1363764.jpg


国債問題の本質は、「個人向け国債(が売れないこと)」ではありません。ではそれは何でしょうか?

一言で言うと、これまでも何度も言っていることですが※、「巨額の国債を発行して需要を喚起したことは、将来の税金の先食いなので、かならずツケが回ってくる」ということです。本来であれば、身の丈に応じた財政運営が必要だったのですが、それを回避しておいしいところだけをつまみ食い、しかも増税は受けが悪くて断行できなかった、という過去の放漫財政にありそうです。

※過去のエントリーなども参照ください。(開始)

国債も同じです。つまりは需要の先食いですので、短期的には使えても、長期的には使えない手段なのです。長期的には、全体の財政規模のパイが大きくなることしか、財政規模をキープさせる方法はありません。
「公的長期債務の原因」

---

バーロウの中立公題に言うように、「国債は、結局は国民に対する税金なのである」なのでしょう。
「日本国破産・国家財政破綻宣告」

(終了)

関連したニュースを掲載します。

(引用開始)

財務省、個人向け国債の販促に躍起

財務省は8日、個人向け国債の販売実績が高い金融機関と「国債トップリテーラー会議」の初会合を開いた。個人マネーが定期預金や投資信託などに流れ、国債の販売が低迷していることから、販売促進策を協議する目的だ。財務省は既に様々なてこ入れ策に着手しており、まずは13日から募集が始まる7月債でその効果が試される。(小野田徹史、宮崎誠)

中つり広告、ランキング…
会議では、金融機関の累積販売額のランキングが示された。大手銀行グループでは、みずほ銀行の1兆2080億円がダントツの首位で、三菱東京UFJ銀行の4392億円、埼玉りそな銀行の2701億円、三井住友銀行の2505億円が続く。財務省はランキングをインターネットで公表し、金融機関同士の競争を促す考えだ。
国債の広報予算も、2007年度は9億8800万円と06年度より2億円近くも増やした。9日以降、全国7都市の電車の中つり広告をジャックするほか、テレビCMを増やす。金融機関の店頭には、購入経験者の声を載せたパンフレットを並べている。
財務省が販売促進に躍起になるのは、最近の販売実績が低迷しているからだ。07年4月債の販売額は「固定金利型5年満期」「変動金利型10年満期」を合わせて1兆1805億円で、06年7月債(計2兆2243億円)の約半分に落ち込んだ。
個人向け国債は、日本銀行のゼロ金利政策で銀行の預金金利が0%近辺に張り付いていたころ、少しでも有利な運用先を求める個人の人気を集めた。しかし、06年7月のゼロ金利解除で市場環境は逆風に転じた。
景気回復を受けて長期金利がこの先上昇(債券価格は下落)するとの期待が高まり、今、国債を買うことの有利性は薄れた。
個人マネーは、国債に代わり投資信託などに流れ始めた。日銀によると、金融機関の保有分を除いた投信残高(元本のみ)は1月以降、前年同月比20%以上の高い伸びが続いている。
投信人気を受け、大手行は、投信や外貨預金とセットで定期預金に預け入れると、当初3か月の定期預金金利を年率換算で4~5%に優遇するサービスを展開している。07年4月債(変動金利10年)の年0・87%という金利にはかつてほどの注目を集める力がなかった。
郵政公社は07年度の投信の販売目標を1兆1000億円と06年度実績(5954億円)の約2倍に引き上げた。一方、07年4月債については、3100億円の販売計画に対し、実績は約6割の1953億円にとどまる。投信の販売手数料は約200円で個人向け国債の約4倍だ。より多い手数料収入が見込める投信の販売に軸足を移したとの見方がある。

個人向け国債
購入者を個人に限定した国債で1万円から買える。金利は直近の10年固定利付国債の市場金利に連動する。2003年の3月債から発売され、その後は毎年度4月債、7月債、10月債、1月債の年4回発売されている。「変動金利型10年満期」と「固定金利型5年満期」の2種類がある。

2007年6月9日 読売新聞

---



個人向け国債、元本割れ解消へ


個人向け国債について、最終的な手取り額が払込額を下回る「元本割れ」を来年4月以降なくす措置を財務省が講じる。売れ行きが伸び悩む個人向けの販売促進に向け、買い手に安心感を与えるのが目的だ。1万円単位で解約でき、元本割れリスクがなくなることで銀行の定期預金の商品性に一歩近づく。
具体的には、満期前に換金する際の条件を見直す。個人向け国債は、変動金利型の10年物と固定金利の5年物の2種類あり、10年物は発行から1年間、5年物は2年間は換金できない。その後に途中換金すると、10年物は税引き前利息の直近1年分、5年物は直近2年分を「中途換金調整額」として差し引かれる。換金した人が実際に受け取れる利息は税引き後(税額は利息の20%)の金額なので、早期に換金すると元本割れが生じる場合があった。
この「調整額」を税引き後の利息額にすることで、元本割れをなくす。これに伴い、取り扱い金融機関のコンピューターシステムを修正する必要があるため、新制度は来年4月以降の中途換金から適用する。

アサヒコム 2007年06月09

---

10億円かけ個人向け国債PR 全国で車内「広告ジャック」 財務省

財務省が個人向け国債のPR強化に乗り出した。より幅広い層への浸透を目指すため、2007年度は過去最大となる約10億円を広告予算に計上。電車や地下鉄など公共交通機関の車内を独占する「広告ジャック」といわれる新手法の大規模広告も近くお目見えする予定だ。
同省はこれまでも電車の中づり広告を出していたが、今回はこれを大幅に拡充。9日の札幌、福岡を手始めに、全国7都市で「広告ジャック」を展開する。都内では17日から、この手法を取り入れた車両がJR山手線を走る。
新たな車内広告に合わせたテレビCMも9日から始める。サラリーマン、主婦、団塊世代の夫婦が登場する3種類を作成。1回の放送時間をこれまでの30秒から15秒に短縮することで、放送回数を増やす。また、パンフレットの内容も購入者の体験談を加えるなどして充実させる。
財務省がPRに力を注ぐ背景には、国債の安定消化に欠かせない個人保有の比率を拡大したいからだ。しかし、直近の4月分の販売実績は1兆1805億円と、ピークの05年4月からほぼ半減。「国債より高利回りが期待できる投資信託の販売に金融機関が力を入れているのが響いている」(理財局)という。
このため同省は、さらに個人が国債を購入しやすくなるよう、08年4月から償還前に途中換金しても、元本割れしない新たな仕組みを導入する方針だ。

FujiSankei Business i. 2007/6/6

---

個人向け国債販売てこ入れ財務省 上位金融機関公表へ

財務省は8日から、個人向け国債の販売額上位の金融機関をホームページ上で公表する。個人向け国債の販売額は、競合する定期預金の金利が上がってきたため減少傾向だ。あまり熱心に個人向け国債を売っていない機関に販売努力を促す狙いもある。
「同じ業態で同じような規模の金融機関で販売額に100倍もの差がついた事例もある」と財務省幹部。証券会社や銀行、信用金庫といった業態ごとに、原則として直近2回の販売額が多かった1~数社を、半年に1回公表する。次回は今年9月ごろの予定。
個人向け国債は03年3月に登場。超低金利で預金金利がほとんどつかない状況を追い風に、販売はおおむね好調だった。だが、日本銀行による利上げに伴い預金金利が上がり始めると販売額は減り、今年4月発行分は1兆1805億円とピークだった05年4月分に比べほぼ半減。金融機関側も、投資信託を販売して得られる手数料の方が手厚いため、販売努力をシフトさせているという。
今年度末の国債発行残高は547兆円に膨らむ見通し。財務省は国債の買い手を広げようと、国内の個人や海外投資家への販売に力を入れている。


asahi.com 2007年06月05日

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-07-03 01:46 | 経済状況

閲覧数 7/1

6月中は、文献調査のため、更新が滞っておりました。なぜかと言いますと、この2007年は、国家破綻(財政破綻、国家破産、日本国倒産、財政破産などとも言われますが)にとって、重要なポイントとなる年です。個別のニュースのみに流されていては、その本質を見落とす可能性もあります。より高い視点から、本質を見極めるべく作業を行っていたという次第です。

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※1 租税法律主義(正しくは租税法定主義)については、参考までに、以下のエントリーも参照ください。
租税法律主義
海外居住と海外銀行
ハリー・ポッター翻訳者と国税局の判断  課税庁の暴走と財産税の足音
今後の税制は? 海外移住(PT)と「属人主義」
「日本国内での資産防衛策は、無いのでは」 ~財務官僚の個人的見解
官製破綻本「税財政の本道」について 元国税局長官が語る「国家破産・財政破綻への対策」とは
黒い鎧の徴税官(貢ぎ取り) 苛政は虎よりも猛し 苛斂誅求 『増税社会・高負担社会』からは逃げられない

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# by kanconsulting | 2007-07-01 23:09 | 閲覧数

来るべきドルの減価(1) 金価格と原油(WTI)価格 ユーロ建てとドル建て ドルにペグした円は道連れ

このブログでは、以前から、
「通貨の減価は、貨幣経済において不可避である。」
「円とドルの減価がありうる。注意しなければならない。」
と、述べてきました。

その、ドルの減価の日が、近づいているように思います。

---

「ビジネス知識源」に、つぎのような記事が掲載されました。

(引用開始)

■2.秘密は「ドル安(=円安)」だった

・・・ここ数年、NYの物価は、感覚ではすべてが50%は高い。ふと気が付いたのですが、米ドルは、2000年以降の7年で、ユーロに対し50%~60%も下げています。これは、当たり前のことの実感です。
2000年以降は「50%から60%のユーロ高(=ドル安・円安・元安)」でした。
為替の交換レートは相対的です。ユーロの実質価値(=購買力)を一定と見れば、米ドル側が価値を減らしたことになります。日本と中国は、経常収支の黒字で、米ドルを買っているので、ドルと連れて安くなっています。
あぁ、そうだ。「モノとの関係では、ドルが50%安くなった」
米ドルに連れ、円の国際的な実質価値、言い換えれば「海外での購買力」が低下した。
(中略)
ユーロ高ではなく、本当は、ドル安・円安だったと実感しました。そのため、資源・エネルギー価格も、大きく上がったように見える。
ユーロを中心に見れば、50%の資源価格の高騰分が、ゼロになります。もっと言えば、2倍になったゴールド〔金〕の価格を基準にすれば、世界の資源も、米国の物価もさほど上げていません。
国際商品(貿易対象になる商品)の価格が、実質的な価値(購買力)下げた米ドルで表示されるから、円で見ると高くなったように見える。円とドルはほぼ同じ動きをしています。
(中略)
世界経済の実体は、以下のような関係でしょう。
・ユーロ=購買力が一定
・米ドル=購買力が50%低下
       →NYのホテルの料金や物価は50%高騰
・日本円=米ドルに連れ国際的な購買力が50%低下
       →NYの諸物価が高く見える
(中略)
2000年代に1年で8%~10%も上がり、7年で約2倍になっているからです。(1.1の7乗≒2倍) 住宅価格も、年10%で上げています。

■3.貨幣錯覚
(中略)
ドルの価値(購買力)が下落した理由は、ドル債券の増発のためです。1年に約100兆円分、世界に向かって増刷されています。
肝心な点は、ドルの通貨の増発でなく、$債券(国債・社債・株)の増発である点です。国債・社債・株も、換金性の高い通貨の一種です。
過去の通貨のようにM1やM2(預金統計)で計ることはできない。預金ではなく、それに加えるべき債券(国債・株・社債・ファンド)の総額をみなければならない。経済統計が遅れているのです。
例えば、世界の不動産価格と資源価格は、元本で200兆円を超え、レバレッジ(信用借り)でその数倍(600兆円)に膨らんで投機するヘッジファンドの動きで見なければならない。
これは預金統計には含まれない、事実上の通貨です。世界の預金+債券総額(国債・社債・株・ファンド)は1京5000兆円を超え、世界のGDP(4400兆円)の4倍にもなっています。
今、史上空前の、債券バブルがある。大会社の数兆円のM&Aが起こる理由でもある。株式交換ですから現金は要らない。企業の発行する株券が現金と同等に扱われます。

(引用終了)

直感的にはそうですが、少しデータで検証してみることにしましょう。

たとえば、金価格を見てみると、円・ドル建てと、ユーロ建てでは、景色が違って見えることが分かると思います。(グラフは三井物産フューチャーズより)

a0037933_1224014.jpg



また、原油(WTI)価格においても、ドル建てWTIと、EUR/USDはここ数年同じような動きを見せており、ユーロ建てのWTIは、あまり変動していないことを表しています。(グラフは三菱UFJより)

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もちろん、ユーロだからといって、すべてが磐石というわけではありません。この本質は、
・ドル(債権)を刷りすぎた
・実質的にドルにペグした円も、道連れ
ということです。

参考までに、2006年の、各国のアメリカ国債券の所有残高を示します。

a0037933_1365866.jpg



ドルの減価に関連した、過去の記事を転載します。

(転載開始)

「では、どのファンドがいいのか(8) 最後に」

・日本円は刷りすぎた。インフレを警戒し、円貯金と国公債からは距離を置く。
・円の減価はありうる。実物資産をポートフォリオに組み入れる。
・ドルの減価もありうる。多様な外貨ベースで運用する。

---

「ブッシュ再選」

アメリカの輸出品の中でもっとも利益率が高いのは「USドル」です。アメリカの強大な軍事力・豊かな資源・広い国土などを背景にした信認があるため、ドルは世界中で通用する紙幣です。国際決済に使う限りにおいてはいくら刷っても通貨減価(インフレ)にはなりにくいと考えられています。つまり「借りた金は返さなくてもいい」のです。さすがにドルが紙切れになるとは考えにくいのですが、価値の修正はあるかもしれません。

---

「読者様のメールの転載(1)」

じゃあアメリカ(ドル)は大丈夫なのか?と言われますと、アメリカも決して安心はできない赤字債務国です。ドルの減価があってもなんら不思議ではありません。

(転載終了)
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# by kanconsulting | 2007-06-05 01:40 | 経済状況

株式売り出し1兆円 「銀行等保有株式取得機構」などが主体 株価下落圧力 意思決定は公正・独立か?

少し古いニュースですが、日本株式の需給バランスは、「売り」に圧力があるように思います。もちろん、株式の売買は、売り買いが同数となりますが、こういった圧力は、株価にとって、下げエネルギーとなります。

では、そもそも、政府の「銀行等保有株式取得機構」は、どれほどの株式を保有していたのでしょうか?ニュースからは、以下のように読み取れます。

簿価ベース 2兆円
含み益    1.8兆円
時価ベース 3.8兆円

さて、各国の株式市場の時価総額を見てみましょう。

日本 東証一部      564.8兆円(2007/4)
アメリカ NYSE      18.7兆ドル(2006/03)
中国 上海・深セン市場 1.78兆ドル(2007/4)
    香港市場      1.77兆ドル(2007/4)

「500兆円以上の時価総額にとって、1兆円の売り出しは、大した圧力とはいえないのではないか?」と思われるでしょうか。一言で言いますと、「1兆円の売りに買い向かうのは、大変だ」ということですが、タイミング、銘柄、売り方などに左右されますので、なんともいえないというところです。

さて、この「銀行等保有株式取得機構」は、設立の目的やいきさつに、いろいろ問題があったように思います。本日は、それも済んだこととして、深く追及しないこととします。

それ以上に問題なのは、「日銀は株式の売却にあたって、・・・野村証券に助言や調査を委託している」というくだりです。野村證券にとっては、「日銀に、どのタイミングで、どれくらい、株式を売らせるか」という意思決定に関与できそうな立場にあるとも、読み取れます。また、銀行等保有株式取得機構の、売却に関する意思決定が、どんな金融機関からも独立した、秘密の保たれた行為であったかどうかについても、ここからは読み取れません。逆に言いますと、こういった「大型の売り」を事前に知ることができれば、空売りで儲けることができるのです。それによって失われるのは国民の税金、つまり、損をかぶるのは国民なのです。

何度も指摘しているように、日本の株式市場には、何か公正ではない存在がいます。今後も注視が必要なニュースだと思います。

関連した過去の記事を転載します。

(転載開始)

「「日興コーディアル証券」東証上場維持の闇 ライブドアと比較 粉飾決算を推奨? あからさまな圧力とは」

それは、日本株式市場には、恣意的な判断でルールが捻じ曲げられるリスクがあるので、信用してはならないということです。もっと言うと、「恣意的な判断、何でもあり、俺がルールだ」というような株式市場に投資することは、政情が不安定な国や、法制度が未整備な国への投資と変わりありません。

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「日本株式投資の真実」

このように、日本株式は、「投資家への還元姿勢が弱い上に、投資家を損させる」のです。

---

「会計監査のはらむリスク ~日本市場にひそむ悪」

「資本市場の取引は企業の経営内容の正しい開示が前提」なのです。この前提が裏切られている以上、「財務諸表を信じない」「日本株では長期株式投資をしない」というのが、適切な自己防衛です。

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「ライブドアショック ~すべての皆様に」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(2)」
「「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(3)」
「投資本の9割はクズ~「儲かる株の本」「儲かる外貨取引の本」にはご注意(4)」

(転載終了)

関連したニュースを引用します。

(引用開始)

株式売り出し1兆円に迫る、取得機構が「主役」

株式市場での上場企業株の売り出し総額が、2006年度に9987億円となり、1兆円に迫った。前の年度に比べて4%増加、2年連続で増えた。政府の銀行等保有株式取得機構が06年度から売却を始めたことや、金融機関が保有株を売り出したことが主因。バブル崩壊後の株価下落で長年“凍結”されてきた持ち合い株式が、株高を背景に市場に放出されているようだ。
新興市場上場銘柄と金融株を除く全上場銘柄を対象に売り出された株式を集計、新規株式公開に伴うものは除いた。売り出しは発行済み株式数が変わらないが、市場に流通する株式数が増え、需給悪化要因となる。 (17:38)

日本経済新聞

---

日銀 10月から保有株売却を本格化 含み益1兆8000億円

金融システム不安の回避や株式の持ち合い解消を目的に金融機関の保有株式を買い取ってきた日銀が、今年10月から株式売却を本格化させる。株価が低迷していた2002年から買い取りを始めており、その後の株価回復で含み益は約1兆8000億円に達しているとみられる。株式相場に悪影響が出ないよう市場動向を慎重に見極めながら、今後10年以内に売却を終える方針だ。
日銀の買い取りは、金融システム再生に一定の役割を果たす一方で、結果として、売却により多額の売却益をもたらす可能性が高い。売却益は大半が最終的に国庫に納付されるとみられる。02年11月から04年9月までに日銀が当時の市場価格で買い取った株式は、簿価ベースで2兆円に上る。買い取り当初の日経平均株価は1万円を割り込んでおり、その後の株価上昇で、多額の含み益が発生している。第一生命経済研究所の試算によると、平均株価が1万7287円となった今年3月末現在、時価から簿価を差し引いた含み益は、約1兆8000億円に達しているようだ。日銀は株式の売却にあたって、具体的な指針を近く詰める方針で、指針策定について、野村証券に助言や調査を委託している。日本の金融機関は当時、企業との株式持ち合いにより大量の株式を保有しており、株価下落による多額の含み損の発生が、金融システム危機につながることが、懸念されていた。また、さらなる損失拡大を避けるため、銀行が株式をこぞって売却し、一段の株価下落を招くという悪循環に陥っていた。株価下落のリスクを排除するため、日銀以外にも、政府が02年に、金融機関だけでなく一般企業の保有株の受け皿となる「銀行等保有株式取得機構」を設立。02年2月~06年4月に約1兆6000億円分を取得した。今年度から株式放出を本格化させたが、含み益は約1兆円弱とみられている。
株式市場では、日銀の買い取りについて、「中央銀行がリスクのある株式を買い取るのは異例の措置で、銀行救済との批判に加え、中央銀行としての信頼低下が懸念されたが、結果として日本発の金融危機を回避する上での緊急避難措置として一定の効果はあった」と評価する声が多い。

FujiSankei Business i.

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-05-27 22:36 | 経済状況

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# by kanconsulting | 2007-05-21 00:08 | 閲覧数

「夜逃げの町」宮崎県・綾町 総務省の論理と自治体 レント・シーカーと利権 国家破産と地方自治(2)

皆様は、宮崎県の綾町(あやちょう)をご存知でしょうか?

『綾町(あやちょう)は、宮崎県の中西部に位置する町で、東諸県郡に属する。「有機農業の町」、「照葉樹林都市」などをスローガンとする町おこしの成功例として知られ、自然の中での人間らしい生活を求める全国各地からの移住者が後を絶たない。 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『綾町は宮崎県の中央に位置し、町の面積の78%が山林、そのほとんどが国有林、公(県)有林だった。そのため、山の仕事を主な産業とすることは考えられなかった。また、農地は河原の状態で、野菜は全部宮崎市の市場から買ってくるような生活だった。
1960(昭和35)年に綾川総合開発事業が終わるとこれを境に、営林署の仕事の機械化とモータリゼーションが進み、町民自身が「夜逃げの町・人の住めない町・若者が出稼ぎに行く町」と呼ぶほど過疎化がすすんだ。ピーク時人口11,500人がついには7,300人を割ったこともある。
その町が県内外から人が押しかけ、徐々に活気をとりもどし、今では何と年間120万人もの観光客が訪れており、人口も昭和55年以降徐々に増加し、現在人口7,500人以(2003.11.1調べ)、過疎振興地域の指定を外れたという。これは、日本の中央に位置する愛知県は常滑市の観光スポット、「焼き物散歩道」に訪れる観光客が年間33万人というから、驚きの数字ではないでしょうか。「宮崎県 綾町(あやちょう)に学ぶ」

『綾町は主要産業だった林業の衰退で、「夜逃げの町」と呼ばれていました。町内から診療所がなくなり、学校の身体検査も自前では出来ないほどでした。1966年に、国内最大規模の照葉樹林(国有林)の伐採計画に反対したことをきっかけに、澄んだ水と土壌を生かした有機農業に力を入れ、全国から注目されるようになりましたが、当初は国有林の伐採で一時的に雇用が増えることから、伐採賛成の空気が強かったそうです。当時の町長、郷田實氏(故人)が第二次大戦従軍中に生への執念をかきたてた故郷の山河への思い、木工を町おこしの核にしようとしていたのに肝心の山林を丸裸にされることへの反発などから、町内を説得。無農薬有機栽培の作物だけを対象にした「価格補償制度」などの施策で、有機農業を普及させました。今では人口約7500人の町に、年間120万人の観光客が訪れるそうです。「毎日新聞」

ですが、このケースについても、「これも、ラッキーな小規模町村のケースであり、大多数の地方自治体には当てはまらないのでは?」という方もいるでしょう。

私は、「そうではない。地方自治のトップが地方自治の本旨を十分に理解して、レント・シーカー(税金へのタカリ、無駄飯食らい)、利権、ムダ、不要な慣行を排除して、住民の理解と協力を得ることができれば、基本的にはどの自治体も、緊張感ある自立した地方自治が可能である」と指摘します。

レント・シーカー たとえば、多すぎる公務員、準公務員が相当するでしょう
利権 たとえば、業者との癒着や、不必要な公共工事がどれほどあったでしょうか?
ムダ たとえば、ムダな工事は、年度末には多く見られますね
不要な慣行 たとえば、なぜ税金を単年度ごとに使い切るのでしょうか?

以前も指摘しましたが、総務省の論理では、人口1人当たりの地方交付税・補助金の比重が大きい小規模な自治体を合併させることで、自治体の行財政能力を高め、国の財政赤字を減らすことができると考えているようです。つまり、「合併は日本を救う切り札」ということなのかも知れません。

しかし、これは、住民不在の、言わば机上の論理に過ぎません。考えますと、自治体の規模を大きくすれば、中心地以外では逆に過疎化が進み、生活環境・自然環境が劣化するというのが普通でしょう。そもそも、国には財政余力がない中で、起債によって合併の優遇措置をするということには違和感があるでしょう。

これまで見てきたように、自治体の行政サービスは、自治体の覚悟と努力により、自主財源の範囲内に納めることが十分可能なのです。それ以上に税金が必要なのだとするならば、それは、レント・シーカー(税金のタカリ、無駄飯食らい)、利権、ムダ、不要な慣行による、「消えていく税金」なのでしょう。

「日本を救う切り札」は、住民の足元から、地方自治のあり方を見直してアクションを起こしていくことなのでしょう。ですが、地方に比べても国の負債はあまりに大きく、その程度のアクションでは焼け石に水だというのが、普通の理解でしょう。

---

では、私は、なぜしつこく「交付税に頼らない、持続可能性のある地方自治」にこだわるのでしょうか?このブログのテーマである「国家破綻(国家財政破綻、日本国破産)」と、こういった地方自治はどのように関連するのでしょうか?

端的にいいますと、
・国家財政破綻という緊急時においては、コミュニティの地域住民で助け合って生きていくしかない(アルゼンチンのケース)
・そこまで行かなくても、通貨や資産の価値が大きく失われる金融混乱を想定した場合には、否応なく「国の補助金・税金・年金に頼らない生活」を強いられることとなる(ロシアのケース)
・小規模の自治体のほうが自分たちのコミュニティを支えようという気持ちが強く、万が一の混乱にも力強く生きていくことができる
・国家財政破産がなくても、これからの増税・高負担社会を想定した場合に、負担が小さく生活しやすい地方自治には大きなプラスの価値がある

「俺たちは俺たちのやりたいように生きていく。税金を無駄遣いばかりするような政府には、大切な生活をジャマされたくない。」という方々にとっては、華美ではないコンパクトな生活は、魅力的に写るのではないでしょうか。

仮に今日、国家財政が破綻しても、現実問題として、私たちは、明日も明後日も食べて生きていかなくてはならないのです。仮にその時が来るとするならば、どのような生き方を選ばれますか?

以前の記事も参照ください。

(転載開始)

合併しない宣言 福島県矢祭町 小規模町村の維持可能性 行政コストと自主財源 国家破綻と地方自治(1)

【総務省】 国の財政赤字を考えて、人口1人当たりの地方交付税や補助金の比重が大きい小規模な自治体をなくしたい。合併が自治体の行財政能力を高める有効な方策であり、「合併は日本を救う切り札」と思っている。統計数字から弾き出した、いわば机上の論理だ。

【矢祭町】 自治体の規模を大きくすれば、中心地以外のほとんどの地域は過疎化が進み、やがて地域は生活環境も自然環境も劣化して崩壊して行く。小規模の方が自分たちの地域を支えようという愛着心が強い。「そもそも国は1000兆円を超える借金を抱えてカネがないといっているのに、また膨大な借金をして合併の優遇措置につぎ込もうということがおかしいんだ。そんなカネをもらったって、たった10年間の夢まぼろし、手切れ金みたいなものですよ」「カネは窮屈な方が自立の気持ちが起こる。財政的には厳しくても、耐え忍んでも自立することが大事なんだ。自立の精神こそが日本の国力を伸ばす、日本の将来によほど大きな力になる」

---

「自治体の財政悪化指標 「夕張ショック」の後に」

「そもそも自治体自身が倒産することはありません」とは、倒産処理の法制が無いから倒産できないだけで、倒産しないという本質的理由が明示されていません。「地方自治体が破綻した場合、国が直接保証する」とは書かれておらず、あくまで間接的な表現なのです。

交付金・補助金が減額される中で、本当に「地方債の元利償還に必要な財源を国が保障」することができるのでしょうか?「自らの課税権に基づいて」とありますが、本当に「課税権」だけでまかなったら住民は逃げ出すのではないでしょうか?また、将来的には、誰が地方債を引き受けるのでしょうか?(中略)

平均的な「自治体の財源に占める自主財源収入の割合」は約38%で、残りは依存財源(中央政府から支出されるお金、市町村の場合には都道府県からのお金を含む)です。そもそも、経済成長が期待できない自治体が、身の丈に見合った財政運営をせずに、過度に借金(地方債)に依存してきたということ自体が間違っているのではないでしょうか。

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「財政再建~富田俊基と木村剛が語るイタリアの事例」

「強烈だったのは97年度予算でした。【歳出面】では
①地方自治体に課税自主権を付与する代わりに 国からの支援を大幅に削除し、 
(中略)
このような財政再建のためにさまざまな努力を毎年積み重ね、それが実を結んで、ようやくイタリアは財政危機を脱することができたのです。

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「地方財政・地方債の状況について」

①(中略)本筋を言えば、
・赤字債ではなく、支出の切り詰めと資産の売却
・地方債の、債務カット・金利減免・リスケジュールの法制化
・つまり、住民と債権投資家にもリスク負担を求める
でしょうか。

②全市町村の財政の健全性は国を上回るといいますが、これは表現が間違っています。
『全市町村の財政の健全性は悪いが、国の財政はさらに悪い。』が正しい表現です。

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「裏金を燃やす 地方自治の本質とは?」

『このような裏金作りは、中央官庁や地方公共団体といった公共機関でも、世間の目が厳しくなるまでは大々的にやられていたようです。警察や、法務省等でもやっていたようです。過去の中央官庁や地方公共団体の裏金事件では、関係者は殆ど刑事責任を問われないで、事件の幕引きがされました。岐阜県の裏金事件もそうなるのでしょうか。』

(中略)現状は次のようなのではないでしょうか。

・国民の税金は、官公庁がムダ遣いしてもよく、万が一発覚しても、上層部は責任を取らなくても良い。
・役所の仕事は、役所の決めた内部ルールが国民の利益に優先するので、国民に監視をさせてはならない。
・そのためには、情報をできるだけ公開せず、やむなく公開する場合でも内容を制限してわかりにくい公開が前提。

岐阜県という、さして大きくない県で、17億円の裏金(現在までに発覚している分だけ)です。国では、どれほどの裏金、リベート、キャッシュバックがあったのでしょうか。

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「「大阪破産/吉富有治」と国家破綻(国家破産・日本破綻・日本破産・財政破綻・財政破産・国家倒産)」

「地方自治体は、結局は国が支えるから大丈夫」との意見もあるかと思います。ですが、なかなかそうは思えないというのが大阪の実情です。このように地方から徐々に財政崩壊が進行してくるのだと思うと、暗澹たる思いになります。(中略)

大阪市のような巨大な自治体を、果たして国が支えることができるのでしょうか。それは、困難といわざるを得ませんね。もはや国にも財政余力が残されていないためです。(中略)

そして、国の財政破綻国家破綻(国家破産・日本破綻・日本破産・財政破綻・財政破産・国家倒産・日本国倒産)においては、国民にツケがまわるというのも、既定路線と考えます。

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「夕張市破綻 国は責任を負わない 地方債の債務は免除しない 次はどの自治体かそれとも日本国か」

(4)国はどうなるのか

「国の危機のほうが根深い中で、地方だけが財政規律について考えることはむなしい」というご意見があります。もちろん、地方の放漫経営は許されるべきことではないのですが、額的には、地方の債務よりも国の債務のほうがはるかに大きく、毒(国の債務)を食らわば皿(地方の債務)とも言えるでしょう。

また、地方が破綻したからとって必ずしも日本全体もそうなるとは言い切れないのですが、それは「地方の破綻を債権放棄で処理してもらう」か「日本全体として地方の負債を処理する体力がある」場合です。

「地方の破綻を債権放棄で処理できず」「日本全体として地方の負債を処理する体力もない」場合には、地方を引き金とした、国家的な危機があっても仕方ありません。

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「「貸付金」とは何か? 貸付金に関する記事 国の資産としての貸付金は不良債権か?」

さて、これまで見てきたように、地方自治体はおおむね財政状況が厳しく、昔から3割自治と言われるように、自主財源だけでは運営できない状況が続いています。その中で、地方自治体への貸付金は、実質的な補助金であり、ロールオーバー有りの無期限貸付と考えることができます。なぜならば、国と地方自治体は、日本国全体で見れば連結ベースで親会社と子会社のようなものであり、交付税と貸付金はその中でのキャッチボールのようなものでしかないためです。

夕張市のような事例を見るにつけ、「貸付金が不良債権となっている割合が大きいのではないか?」という疑問に、「夕張市は特殊事例であり、そのほかの地方自治体はすべて健全経営であり、貸付金の焦げ付きは100%存在しない」と答えられる人はいないのではないでしょうか?

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「人口統計に基づいた未来予測~自治体破綻 経済状況の発展段階説(3)」

東京のベッドタウンである多摩市は、少子高齢化による労働人口と税収の減少、公務員の大量退職による多額の退職金の支払い、公的施設の老朽化など、複数の要因によって、近い将来の自治体財政破綻の可能性が極めて高いと予測されているとのことです。このうち、公務員退職金については、そのための特別債を起債するほか無いだろうとの識者のコメントが紹介されていました。

さて、人口統計に基づいた未来予測は、一般的な予測より精度が高いとされています。(中略)そこから予測される項目としては、これまでも紹介していますように、
・現行制度のままでは所得税収・住民税収は減少する
・医療・福祉に関する支出は減らすことが困難
・税負担や保険負担を増加し、高負担社会とせざるを得ない
です。

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「増税なき財政再建は可能か? 法人税・企業業績・経済成長・自然増徴? プライマリーバランス達成可能?」

なぜならば、税金・特別会計・その他公金へのタカリの存在(タックス・イーター、レント・シーカー)が、巨額の財政赤字を作った一因でもあるからです。これら、ムダ飯食らいを一掃処分しないことには、日本に未来はないのだと、厳しく指摘します。

(中略)こういった「国の生産性への寄与が乏しい」公共投資を、「景気刺激のため」と称して続けてきたことが、どれほど国全体にとってマイナスになったことか、うかがい知れません。

(転載終了)
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# by kanconsulting | 2007-05-08 23:16 | 経済状況

新着書籍紹介 「マンション崩壊」・「超・格差社会アメリカの真実」・「生命保険入門」

皆様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。

新着の書籍を紹介します。知は力といいます。そして、これからの時代は(もうすでに)情報格差で、今後の生活の質が左右されかねないという時代です。読者の皆様は、大半が読書をされると思いますが、読書の習慣がない方にも、「自分の人生が左右されるかもしれない」情報については、知って置かれることをお勧めします。

「マンション崩壊 あなたの街が廃墟になる日/山岡淳一郎」

マンション購入を考えられている方に、そして将来買うことになるかもしれないと思っている方に、ぜひ一読をお勧めしたい一冊です。すでにマンションを買ってしまった人には、事実を直視する精神力をお持ちの方のみにお勧めします。

「超・格差社会アメリカの真実/小林由美」

言わずとと知れた、アメリカとその格差社会についての秀逸な一冊です。

「生命保険入門/出口治明」

生命保険についての暴き系のような一冊です。日本人と保険は切っても切れない関係ですが、ではその「生命保険」について、どれだけの人が、その真相を知っているのでしょうか。
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# by kanconsulting | 2007-05-06 19:33 | 資産保全一般

三角合併解禁と株式交換 グローバルマネーによる収奪 外資と年次改革要望書 グローバリズムに立ち向かう

本日(2007年5月1日)より、改正会社法の一部が施行され、いわゆる「三角合併(さんかくがっぺい)」が解禁となります。

三角合併とは、存続会社の親会社の株式を、被合併会社の株主に交付することによって行う、会社の吸収合併です。外見上は株式交換に近いのですが、実質的には合併に近いとされています。

これまでも述べているとおり、資本への投資(直接投資と株式投資)が、富を生み出すのだと思います。逆に、資本を抑えられるというのは、経営権・将来利益の分け前を握られるということであり、簡単に言うと生殺与奪を握られるということでもあります。

「だから何だ。何か問題があるのか。規制緩和で資本の流動化を加速させ、外資も呼び込むことで、日本経済の活性化につながるのではないのか。外資を全部悪者のように言うな。」と思われる方もいるかも知れません。

確かに、すべての外資を排除すべきとは思いませんし、日本の経済発展に寄与することとなる外資導入も当然ありえるでしょう。私は、決して外資アレルギーではありません。むしろ、その金融能力を高く評価しているのです。アメリカ系金融機関の、貪欲ともいえる富の創造能力は、日本人をはるかに超えています。日本人の仕手筋などは可愛いものだと思います。

ですが、その裏側にある、強欲思想・拝金主義(ラチオ、レイシオの思想。合理主義とも)は、「いかにして合法的に収奪するか。どうすれば周辺国から上げる利益を最大化できるか。」という考え方も生み出します。日本人は、こういった強欲思想に向かい合うにしては、あまりにもピュアすぎるのです。

以下のような意見もあります。

>「上げるのも、下げるのも、資本を国際政治の権力であるというスタイルの人々の考え次第、スキャンダルと戦争を使って大きく上下できる以上はそのようになると考えてそう伝えました。上下がわかっていれば簡単に利益をあげることができます。」
>「小泉改革はデフレで株価を下げ、外資に低金利でそれを買わせる。株価は上昇する。次に三角合併によって、100%に整理する。そして、転売。そのように既に決まっていたように考えています。理由は同じようなことがIMF韓国で行われたからです。」

グローバルマネーは、国際政治の武器です。問題なのは、グローバリズムが国際政治・経済と結託して、すべてを収奪して飲み込まないと気がすまないことです。後にはペンペン草も生えません。

本日から三角合併が解禁されますが、すでに第一弾の仕込みは済んでいるものと見ています。そして、資本(三角合併の解禁)、労働(労働契約法制・ホワイトカラーエグゼンプション)、郵政においては、「年次改革要望書(規制改革要望書・対日年次要求書)」どおりに、日本はすでに堀を埋められました。後に残る堀はどこですか?

そう、憲法9条です。

関連した過去のエントリーも参照ください。

「経団連・法人税と格差社会 グローバリズムとトリクルダウン効果 ホワイトカラー・エグゼンプション(3)」

「ジョセフ・スティグリッツと内橋克人の「グローバリズムと格差社会」 経済財政諮問会議と労働ビッグバン」

「アメリカ民主党と共和党 日本経済クラッシュによる米国債の棒引き 「二つのアメリカの世界戦略/深田匠」」

「バブル崩壊の見破り方(2) 吉岡元忠・関岡英之が語る1990年の株価崩壊の口火」

「書籍紹介 国内の構造的問題と、国際関係・アメリカ問題 ~特別会計と年次改革要望書」



(引用開始)

三角合併解禁、買われる日本企業の条件は?

来る5月1日、外国企業による三角合併を用いた日本企業買収が解禁される。さて、どの程度のインパクトがあるのだろうか。
正直なところ、これで日本企業が、どんどん外資に買収されるような事態になるとは思えない。三角合併自体は、買収される側が買収に合意した後の手続きの選択肢が、1つ増えただけだ。
また、東証一部の平均PER(株価収益率)が22倍強になる日本企業の株価は、必ずしも安いとは言えないし、買収の際には、大体3割くらいの上乗せ価格(「コントロール・プレミアム」と呼ばれる)が必要だから、単純に日本企業を買って連結しても、妙味がない。外国の大企業の時価総額がいかに大きいとはいっても、彼らとて買収後に、資本効率が下がるような企業買収をやりたくはないはずだ。よほどの「お買い得」株価の企業が残っていれば別だが、日本企業を買収するにあたっては、何らかの「魅力的なストーリー」が必要だ。
どんな業種の企業が買収対象になるかを考えてみよう。
食品や薬品などは、日本企業の時価総額が世界の大企業に対して小さく、業界再編が必要なので、外資の買収対象になりやすいと巷間言われている。確かにグローバルな市場での競争を考えると、研究開発や広告などのマーケティング費用、原料の調達などにあって、ある程度の規模を確保しないと、競争力のある独特の製品を持っているのでないと、対抗しがたいという面はある。
ただし、こうした業種の日本企業の側に、規模拡大の必要性があるとしても、買う側から見るとどうなのか。日本市場での販路の確保などに魅力がある場合を除くと、株価が十分安いということでなければ、それほどの魅力は無いかも知れない。想像力をたくましくするなら、例えば日本のビール会社を外国の酒メーカーが買って、ビール会社の保有不動産などを売却して買収コストを確保し、酒類販売の販路を安く手に入れるといった戦略は、あるかも知れない。
世界的な再編が進んでいる鉄鋼はどうか。実は、三角合併の解禁を1年延ばした理由を、その1年間に起こったことから推測すると、買収対抗策に特に熱心だったように見えるのが大手鉄鋼メーカーである。1つの仮説だが、財界への影響力が大きな鉄鋼メーカーが、買収防衛策のために時間稼ぎをしたかったのではないか。
世界の鉄鋼業界再編の中心にいるミタル・スチールなどは、まだ日本の鉄鋼メーカーを買いたいと思っているのかも知れないが、現在のような調子で、素材需要が続くのかということが気になる。目下業績は絶好調なのだが、それゆえに個人的には、魅力を感じない。
ところで企業が巨大化すると、売り手・買い手両面で価格交渉力が強まるが、これによって発生する利益は独占利潤そのものだ。世界市場での独占・寡占という問題をどう考えるのかは、今後の世界経済にとって大きな問題だ。
買収が功を奏するためには、買う前と買った後とで、買収対象となるビジネスの価値が、大きく変化することが必要だ。そう考えると、豊富な潜在力を持ちながら、これが現在十分に活かされていないような会社に魅力がある。逆説的に聞こえるかも知れないが、現在、経営がまずい会社こそが、支配目的で買収するにはいい会社といえるだろう。
たとえば、いくらか意表を突く狙いとして、「重電」あるいは「総合電機」と呼ばれるような業種はどうだろうか。特許を含めて豊富な技術を持っているし、技術系の優秀な人材を多数抱えている。加えて、不動産などの資産も多い。
しかし、プロダクトのデザインやマーケティングが洗練されていないおかげで、消費者向けの市場でもう一つ伸び悩んでいる。また、多数の事業部門、あるいは子会社を持っているが、この状況はちょうど「選択と集中」の逆を行っており、非効率的だ。PBR(株価純資産倍率)から見ても、株価は安い。
はっきり言って、最大の弱点は経営にある。事業ポートフォリオの再編と、プロダクト・デザインやマネジメントの方法の変更で、すっかり生まれ変わる可能性があるのではないか。大手であっても時価総額は2~3兆円と、世界企業にとっては、買えないサイズではない。テレビ番組の提供の表示などで、こうした会社が持つ子会社・関連会社の名前が延々と流れる様子を見ると、総合電機のグループ企業を再編すると面白いだろうなあ、と思わずにはいられない。
随分前の花形産業で、数年前にはすっかり斜陽産業の印象だった鉄鋼、造船、海運などが、華々しく復活し、株価も高い。かつて「ハイテク株」として名を馳せた総合電機が、大ブレイク(株価が3倍くらいになるような!)する可能性は、ないものだろうか。
総合電機に限らず、実際に買収されなくても、外資に買収されたつもりで経営改革が出来る会社は、面白い(出来ないから今の株価なのかも知れないが)。

読売新聞

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三角合併、国内企業の46%「懸念」 帝国データ調査

5月に解禁される三角合併について民間信用調査会社の帝国データバンクがまとめた国内企業の意識調査で、2社に1社が「期待よりも懸念の方が大きい」と考えていることが分かった。外資からの買収攻勢を受けるような事態に警戒感を強めているようだ。
調査は全国約2万社を対象に実施し、9736社から回答を得た。
「懸念が大きい」と答えた企業は46.4%、逆に「期待が大きい」と答えたのは7.9%。具体的な懸念としては、「大企業による寡占化」(52.4%)、「外国資本による買収攻勢」(45.9%)をあげる企業が多かった。ほかには「技術流出」(23.2%)、「雇用の合理化」(19.8%)という声もあった。
自社が属する業界の再編が加速するかどうかについては、「加速する」(34.7%)、「加速するとは思わない」(29.2%)に見方は割れた。小売業や金融業では「加速する」と見る企業が過半数を占めた。
三角合併は、外国企業が自らの株式を買収先の日本企業の株式と交換できるようにすることで企業買収をしやすくする仕組み。帝国データバンクは「解禁をきっかけに国内競争がより激しくなることにも不安感があるようだ」と分析している。

朝日新聞2007年04月23日

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「M&A(ジャングル)資本主義/小倉正男(東洋経済新報社・1785円)」

■株主重視で外資襲来防衛

2007年5月-。敵対的買収の始まりに続き、「三角合併」がいよいよ解禁される。つまり、外資企業による株式交換での日本企業買収が始まるのだ。三角合併成功の決め手は時価総額。外国企業は生き残りをかけて、M&A(企業の合併・買収)をテコに業界再編を繰り返し、トップ企業の時価総額は巨額化、日本企業を圧倒する。日本のM&A市場を一時期跋扈(ばっこ)した“ホリエモン”らとはスケールが違う。ということは、狙われたら最後、飲み込まれるしかない。
襲来する外資から逃れるにはどうする?「株主に顔を向けた経営こそが最大のM&A防衛策」と著者はいう。一般的にいわれるM&A防衛策であるホワイトナイトやポイズンピルではなく、株主、株価を意識した経営で時価総額を引き上げる、言い換えるとIR(投資家向け広報)活動を基本に安定株主を増やすしかないというわけだ。IRがうまいとか下手とかは単なるテクニカルな問題でしかない。増配、自社株買いに前向きで、あらゆる利害関係者にしっかりと説明する経営姿勢が重要と指摘する。

FujiSankei Business i. 2007/4/23

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-05-01 07:44 | 経済状況

特殊法人の事業の失敗などで積み上がった損失12兆円 政府が穴埋め 独立法人移行時 税金による損失補てん

皆様もご存知だと思いますが、特殊法人の12兆円の欠損金を広義の税金で穴埋め(欠損金と出資金の相殺)していたことが、報道されました。この12兆円という金額は、ほぼ、1年間の消費税額に相当します。

私の知る限り、このニュースを報道したのは「日経」だけで、朝日・読売・毎日などの全国紙は全く報道していませんし、テレビニュースも確認していません(少なくとも、大きな扱いにはなっていません)。いったいなぜでしょうか?

この54の特殊法人のトータルの損失総額は12兆円ですが、それは事業の失敗などで積み上げた損失とされています。独立行政法人に再編した時に、その累積損失を、「政府出資金」で穴埋めしたということです。このケースにおいては、穴埋めに使われたのは「政府出資金」ですが、その出資金には建設国債などをあてており、「広義の税金」と言えます。

一般的な会計の考え方からは、
・当期純利益・・・次年度の資本金に繰り入れ
・当期純損失・・・次年度の資本金から持ち出し(繰越損失金)
ですが、実際には、非日常的かつ多額の費用・損失は、特別損失として扱うケースも多いようです。

さて、この問題の本質は何でしょうか?

それは、「主権者であり、納税者であり、最終責任負担者である『国民』が不在」だということではないでしょうか?真の民主主義とは、政府(国)が、正確で判断に足るデータを、都合の良いものも悪いものも含めて国民に開示・説明し、政策についての合意・納得を得ることではないのでしょうか?

「単なる会計上の処理であり、結局返ってこないカネを処理したまで。国民不在とまでは言えないのでは?」という方がおられるとしたら、私は次のように厳しく指摘します。

「過去に、国の税金を投入して救済した政府系機関、準公的機関、金融機関は多いが、そのうちどれだけのトップが、『国民の税金を食いつぶして申し訳ありませんでした。責任を取ります。』として、私財をなげうって責任を取ったのでしょうか?マシなところで引責辞任であり、その他多くのケースにおいては、トップの責任者は退職金を満額支給されているのではないのでしょうか?こういった個々のケースにおける責任・倫理観の不在が、つまるところ、1000兆円もの長期公的債務の一因なのではないのですか?一言で言うと、国民の税金を、あまりにもバカにしているのではないのですか?」

「結局返ってこないカネを処理したまで」というご意見に対しては、
「公的長期債務は返せません。仕方がありません。つきましては、皆様の税金で返済します。」と似たようなロジックであり、「仕方がないから許されるという考えは誤りだ」と指摘します。

このブログでは、一貫して次のように述べてきました。

(転載開始)

日本円の信認は、日本国債の信認と表裏一体です。日本国が「公的長期債務についての考え方」をしっかり主権者であり、かつ最終負担者である国民に説明して、信認を得る必要があるのですが、どうも本気で説明する気はなさそうです。(中略)政権が国民に国の財政状況について説明するのは、憲法に定められた事項です。もっと説明責任を果たしていただきたいと思います。

公的債務は、将来の国民の税金で返済することが予定されており、国民への潜在的負担と考えることができる。巨額の公的債務により国家財政の維持可能性を損なったこと、潜在的国民負担を増大させたことに対する、国から国民への「納得できる説明」がない。

本来の民主主義とは、国が国民にデータを開示し、その批判に耐えることです。つまり、国民一人一人が無駄遣いを許さないように監視の目を光らせることが、健全な民主主義には必要なのです。

(転載終了)

大事なことなので、繰り返します。

・国の税金を投入して救済した(準)公的機関・金融機関において、筋論においては、トップは私財をなげうって責任を取るべきである
・こういった責任感・倫理観の不在が、税金の無駄遣いを生み出し、1000兆円もの長期公的債務の一因となった
・国(政府)は、主権者であり最終責任者である国民に対して、説明責任を果たすべきである

(引用開始)

政府、欠損12兆円穴埋め・特殊法人の独立法人移行時

政府が2003年度以降、雇用・能力開発機構、宇宙開発事業団など54の特殊法人を49の独立行政法人に移行する過程で、総額12兆円の繰越欠損金などを政府出資金で穴埋めしていたことがわかった。新法人に移行する際、過去の損失を民間企業の資本金にあたる政府出資金で相殺し、減資した。明確な説明をしないまま巨額の政府出資金を消した形で、政府の説明責任が問われそうだ。
特殊法人や独立行政法人は貸借対照表の「資本の部」に政府出資金を計上しており、これが民間企業の資本金にあたる。損失は特殊法人の事業の失敗などで積み上がり、総額で12兆円あった。2003年度から2005年度にかけて特殊法人を独立行政法人に再編した際、政府は累積損失を出資金で相殺。その結果、38兆円あった政府出資金は26兆円に減った。(07:01)

ニッケイネット

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お手盛り?!独立行政法人

【PJ 2007年04月26日】- 4月25日の日経新聞によると、政府は2003年度以降、雇用・能力開発機構など54の特殊法人を49の独立行政法人に移行する過程で、総額12兆円の繰越欠損金などを政府出資金で穴埋めしていたことがわかった。
そもそも“政府出資金”とは何か?これは民間企業でいえば、“資本金”にあたるものだ。民間の企業では会社を設立するときに株主から出資金をつのって“資本金”を確保する。それに対し“政府出資金”は建設国債の発行などで賄っているので、実質は国民が出資していることになる。特殊法人は事業の失敗などで損失を積み上げ、損失総額は12兆円にのぼった。その損失を、特殊法人を独立行政法人に再編した際、累積損失を“政府出資金”で相殺したというものだ。
このような損失補填を民間の会社でするには、いわゆる“減資”(資本金額を減らす)という処理をするが、それには大変複雑な手続きを必要とする。“減資”には“有償減資”(株主に財産を払い戻す)と“無償減資”(資本金の計上額を減らして剰余金の計上額を増やす会計上の操作にすぎない)がある。今回の穴埋めは、欠損金補填のための“無償減資”にあたる。しかもその金額は1990年代の金融危機で政府が大手銀行などに資本注入した公的資金とほぼ同額ということだ。
独立行政法人は実質上、国民が出資者であるから、国民の承諾を得た上でこの“減資”を行うべきであった。それをも行わず、政府機関内で勝手に処理してしまったのだから、これは“お手盛り”と言われてもしようがない。そもそも公共と民間の中間にある独立行政法人自体が、両方の甘い汁を吸って成り立っているのだから、不公平感が生じる。民間の企業と同等の厳しい法体制を築くべき時にきているのではないか?【了】

ライブドア・ニュース

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-04-30 14:48 | 経済状況

合併しない宣言 福島県矢祭町 小規模町村の維持可能性 行政コストと自主財源 国家破産と地方自治(1)

(引用開始)

総務省は国の財政赤字を考えて、人口1人当たりの地方交付税や補助金の比重が大きい小規模な自治体をなくしたい。合併が自治体の行財政能力を高める有効な方策であり、「合併は日本を救う切り札」と思っている。統計数字から弾き出した、いわば机上の論理だ。

一方、根本町長の発想は・・・自治体の規模を大きくすれば、中心地以外のほとんどの地域は過疎化が進み、やがて地域は生活環境も自然環境も劣化して崩壊して行く。小規模の方が自分たちの地域を支えようという愛着心が強い。・・・「そもそも国は1000兆円を超える借金を抱えてカネがないといっているのに、また膨大な借金をして合併の優遇措置につぎ込もうということがおかしいんだ。そんなカネをもらったって、たった10年間の夢まぼろし、手切れ金みたいなものですよ」「カネは窮屈な方が自立の気持ちが起こる。財政的には厳しくても、耐え忍んでも自立することが大事なんだ。自立の精神こそが日本の国力を伸ばす、日本の将来によほど大きな力になる」

「コラム・Samurai Mayors」

(引用終了)

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皆様もご存知だと思いますが、「合併しない宣言」で知られる福島県矢祭町・根本町長が引退しました。根本町長は昭和58年に初当選、6期を務めました。平成13年に「合併しない宣言」を町議会が決議、町長は行財政改革の推進など自立した町づくりを進めたといいます。

「合併しない宣言」で全国の注目を浴び、それをきっかけに、職員の中にも「自立」の気概が生まれ、合併しないで町が自立するために、徹底した行政コスト削減を行ったのです。そして、町役場のリストラ、議員定数削減を進めて財政調整基金を大幅に増やしたにもかかわらず、年中無休で住民票・印鑑証明の発行を行うなどサービスも向上させました。簡単に言うと、自治体の住民にとって必要な自治体の役割を考えて、それが自主財源の範囲内に収めるようにマネジメントを行ったのです。その結果、人件費を税収の範囲内に抑えることに成功し、地方交付税に依存しない財政的自立を可能にしました。「やればできる」を実現して見せた好例となっています。

このケースが示しているのは、自治体の行政サービスは、自治体の覚悟と努力により、自主財源の範囲内に納めることが十分可能である、ということです。

日本経済新聞(3/26)から、町長の発言を転載したいと思います。

「(町役場のリストラ、議員定数削減について)当たり前のことをやっているだけ。みんな(他の自治体)のほうが異常だ。」
「ごみ焼却施設のために合併した自治体もあると聞く。何をねぼけたことを言っているのか。・・・合併特例債などで国がはやし立てると、日本の国づくりを危うくする」
「夕張の破綻は決まっていた。人口が12万人いたころと同じ数の職員がいたのだから。でも夕張は変わるよ。ふんぞり返っていた連中がガサッとやめたから」

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ポイントをまとめると、次のようになります。

・自治体が持続可能性を確保し、自立するためには、コスト削減が必須 
・その最重要ポイントは、人件費を税収の範囲内に抑て、地方交付税に依存しないこと
・財源を、住民にとって必要な分野(このケースでは子育て環境の整備)に集中する 
・自立した小規模町村は、住民の利益にもかなっている

ですが、「それは、ラッキーな小規模町村のケースであり、大多数の地方自治体には当てはまらないのではないか?」という考えもあるでしょう。私は、「そうではない。ぬるま湯を卒業し、レント・シーカー、利権、ムダ、不要な慣行を排除して、住民の理解と協力を得ることができれば、基本的にはどの自治体も、緊張感ある自立した地方自治が可能である」と指摘します。

「それぞれの自治体が、自治体は何のためにあるのかということをしっかりと認識する」という基本に立ち戻って、地方自治について考えていただければと思います。

(引用開始)

この1週間(3月1日~7日)で16の新しい市町が誕生し、今日(3月8日)現在の市町村数は2688(726市、1561町、401村)になった。さらに、一区切りになる4月1日までに107の合併が予定されており、この時点での市町村数は2399(739市、1320町、340村)になる見込みだ。
さて、いったい、全国の市町村数はどのぐらいのところに落ちつくのだろうか。昨年5月の合併特例法改正で合併特例債などの優遇措置を受けられる期限が実質1年延長され「今年度中の申請、来年度末までの合併」となったため、まさに今月中が正念場。これまでに総務大臣協議を終えて確定している合併だけを加えて計算すると、06年3月31日の市町村数は2286(743市、1223町、320村)。いま法定協議会で協議中の市町村数が949、法定協議会の数は374。つまり、協議中の合併話がすべて破談になれば2286のまま、すべてがまとまれば2286-(949-374)=1711ということになる。いずれにしても、1711~2286の間の数になるわけで、麻生太郎・総務相は「2000前後か」という。
“平成の大合併”の起点になる99年度末の市町村数は3232(670市、1994町、568村)。政府・与党は目標を「1000」と定めた。つまり市町村数を3分の1にするというのが当初の目標だが、それからすると、期間を1年延ばして、ようやく半分に達するかどうか、といった状況にある。
そこで政府は昨年5月、現行合併特例法の優遇措置を1年延長する改正とともに、“強制合併”の色彩を一層濃くする合併新法を用意した。今年3月末までの申請が間に合わなかった市町村に対しては、この新法を適用して合併を迫る構えだ。
合併新法は、総務相が定める基本指針に基づいて、都道府県知事が市町村合併の構想を策定し、合併協議会の設置や協議の推進を勧告したり、市町村合併調整委員を任命してあっせん、調停することにしている。知事の勧告対象にするのはどの程度の小規模自治体なのか。その点は総務相の基本指針で示されることになるが、麻生総務相は国会審議のなかで、合併構想の対象となる町村として「おおむね1万人」を目安とすることを明らかにしており、「人口1万人未満」の町村が今後の合併の焦点になる。
合併特例債、地方交付税、議員の定数特例などの「アメ」と、地方交付税の削減などの「ムチ」で進めてきた“平成の大合併”は、今年4月からは「人口1万人未満」の町村をなくしたい国の意思を受けた知事による“勧告”という新段階に入る。従わない小規模町村に対しては、交付税の削減ばかりでなく、自治体としての権限を制約し、近隣市や都道府県が代行する制度導入まで匂わせている。恫喝的、強制的な合併がどこまで功を奏するか、新たな合併戦争が起こりかねない状況だ。
じつは最初の戦争は東北の一寒村から起こった。2001年10月31日、福島県矢祭町矢祭町議会が全会一致で採択した「市町村合併をしない矢祭町宣言」(次ページ参照)は当事者たちが想像もしていなかった大きな反響を全国に引き起こした。「国の目的は小規模自治体をなくし、国の財政再建に役立てようとする意図が明確」「矢祭町は今日まで『合併』を前提とした町づくりはしてきていない」「大領土主義は決して町民の幸福にはつながらない」――宣言文に盛り込まれた率直な文言は、国の強制的な合併政策に疑問を抱きながらも「アメとムチ」の前に意思表示を逡巡していた市町村長や議員たちの喝采を博することになった。
合併反対の波及を心配した総務省は職員(高島茂樹・自治行政局市町村課行政体制整備室長)を矢祭町役場に派遣した。根本良一町長や町議会の議員を前に「21世紀は住民の多様なニーズにこたえられる行財政能力が必要」と合併による自治体の規模拡大を訴えて翻意を促した。根本町長は「国の合併に反対するなんて言っていない。うちは『合併しない』といっているだけだ」と宣言の立場を説明したうえで、「財政の厳しさは認識しているが、なにからなにまで行政がやる時代ではない。自立することが必要だ。町議会が全会一致で可決した決議は住民の意見を反映したもので、撤回する意思は毛頭ない」と突っぱねた。
総務省と根本町長の間には基本的な考え方の違いがある。総務省は国の財政赤字を考えて、人口1人当たりの地方交付税や補助金の比重が大きい小規模な自治体をなくしたい。合併が自治体の行財政能力を高める有効な方策であり、「合併は日本を救う切り札」と思っている。統計数字から弾き出した、いわば机上の論理だ。
一方、根本町長の発想は地域に根ざしている。「昭和の大合併」の経験から見ても、自治体の規模を大きくすれば、中心地以外のほとんどの地域は過疎化が進み、やがて地域は生活環境も自然環境も劣化して崩壊して行く。小規模の方が自分たちの地域を支えようという愛着心が強い。「薄い水と薄い水を合わせても濃くはならない」が根本氏の持論だ。
根本町長はいう。「そもそも国は1000兆円を超える借金を抱えてカネがないといっているのに、また膨大な借金をして合併の優遇措置につぎ込もうということがおかしいんだ。そんなカネをもらったって、たった10年間の夢まぼろし、手切れ金みたいなものですよ」「カネは窮屈な方が自立の気持ちが起こる。財政的には厳しくても、耐え忍んでも自立することが大事なんだ。自立の精神こそが日本の国力を伸ばす、日本の将来によほど大きな力になる」
矢祭町の「町勢要覧」は表紙のタイトルに「小さいからこそ輝く町 Small is Beautiful」とある。根本町長らが呼び掛け人になって、小規模町村の存在意義を謳う「小さくても輝く自治体フォーラム」が長野県栄村(03年2月、全国から45町村長が参加)で開かれ、その後も同じ趣旨のフォーラム開催が各地に伝播した。政府・与党の目指した合併がまだ目標の半分に留まっている一因は、「小さくても輝く自治体」からの反乱にあったとみて間違いない。
これからはそんな「小さいからこその輝き」を確信している町村と、「1万人以下はシャーベットにしてしまえ」とスケールメリットに固執する国・都道府県の連合軍が対峙することになる。シャーベットになるのは「アメ」に飛びついた依存派か、「ムチ」を覚悟して自立の道を選んだ独立派か。

「コラム・Samurai Mayors」

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-04-22 10:33 | 経済状況

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# by kanconsulting | 2007-04-22 10:30 | 閲覧数

夕張市が財政再建団体入り 18年間で赤字解消目指す

皆様ご存知のように、夕張市が財政再建団体入りを果たしました。18年間で赤字解消を目指すということです。

関連した過去のエントリーも参照ください。

(開始)

夕張市破綻 国は責任を負わない 地方債の債務は免除しない 次はどの自治体かそれとも日本国か

(1)夕張市は、破綻処理に耐えて再生できるのか?

(中略)増税と住民負担増だけでは、破綻処理に耐えて再生することは、普通で考えて極めて厳しいです。(中略)

(2)そもそも、地方の見通しについて

(中略)将来の地方は、インフラを維持するコストを負担できません。地方は体力のあるうちに、インフラを廃棄しなければ、持続可能性はありません。(中略)

(3)では誰が負担するのか

(中略)夕張市の借金は、踏み倒すことはできないと思いますが、北海道には支える体力がありません。国は責任を持たないと言っていますが、結局は、実質的な国税投入になるのでしょうね。(中略)

(4)国はどうなるのか

(中略)「地方の破綻を債権放棄で処理できず」「日本全体として地方の負債を処理する体力もない」場合には、地方を引き金とした、国家的な危機があっても仕方ありません。(中略)

---

夕張市20年再建計画 20年後の人口は現在の半分程度

負債は、20年かけて返済するといいます。(中略)加えて、夕張市の20年後の人口は、約6000人と現在の半分程度にまで減少すると見られています。この数字には、「破綻によるサービス低下と税負担増を嫌気した住民減」は含まれていません。いったい、誰が負債を返済するというのでしょうか。その赤字のカネはどこに消えたのでしょうか?

---

自治体の財政悪化指標 「夕張ショック」の後に

「そもそも自治体自身が倒産することはありません」とは、倒産処理の法制が無いから倒産できないだけで、倒産しないという本質的理由が明示されていません。「地方自治体が破綻した場合、国が直接保証する」とは書かれておらず、あくまで間接的な表現なのです。

交付金・補助金が減額される中で、本当に「地方債の元利償還に必要な財源を国が保障」することができるのでしょうか?「自らの課税権に基づいて」とありますが、本当に「課税権」だけでまかなったら住民は逃げ出すのではないでしょうか?

また、将来的には、誰が地方債を引き受けるのでしょうか?政府の引き受けが減ると予想した場合に、民間の引き受けが増えるのでしょうか?「政府保証も明確には付いていないし、こんな危ない自治体の債券は、かなりのリスクプレミアムを上乗せしてくれないと買えないなあ。」と思うのではないでしょうか。

平均的な「自治体の財源に占める自主財源収入の割合」は約38%で、残りは依存財源(中央政府から支出されるお金、市町村の場合には都道府県からのお金を含む)です。そもそも、経済成長が期待できない自治体が、身の丈に見合った財政運営をせずに、過度に借金(地方債)に依存してきたということ自体が間違っているのではないでしょうか。

まさに、借金スパイラルなのではないでしょうか。

---

地方財政・地方債の状況について

本筋を言えば、
・赤字債ではなく、支出の切り詰めと資産の売却
・地方債の、債務カット・金利減免・リスケジュールの法制化
・つまり、住民と債権投資家にもリスク負担を求める
でしょうか。

---

「貸付金」とは何か? 貸付金に関する記事 国の資産としての貸付金は不良債権か?

これまでも指摘しているように、「国などの体力が残っている間は、結局は税金で地方自治体を救済することになる」となるようです。ただし、直接的な責任は道が負担し、国としては「道が支援するなら国もそれを間接的に支援しないわけではない」と、少し距離をおいたスタンスとなっています。(中略)

夕張市のような事例を見るにつけ、「貸付金が不良債権となっている割合が大きいのではないか?」という疑問に、「夕張市は特殊事例であり、そのほかの地方自治体はすべて健全経営であり、貸付金の焦げ付きは100%存在しない」と答えられる人はいないのではないでしょうか?

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黒い鎧の徴税官(貢ぎ取り) 苛政は虎よりも猛し 苛斂誅求 『増税社会・高負担社会』からは逃げられない

夕張市民の場合は、札幌などのその他の都市に移住して仕事を見つけることが可能でしょう。ですが、日本全体がそうなった場合に、「自分だけが安全な」逃げ場はありません。


(終了)

関連したニュースもご覧ください。

(引用開始)

夕張市が財政再建団体入り 18年間で赤字解消目指す

菅義偉総務相は6日、財政破綻(はたん)した北海道夕張市の「財政再建団体」移行を認め、国会内で後藤健二市長に同意書を手渡した。今後、夕張市は国の管理・指導の下、平成36年度までの18年間で353億円の赤字解消を目指す計画に沿って財政再建を進めていく。財政再建団体への移行は4年の福岡県赤池町(現福智町)以来。
夕張市はかつて「炭鉱の街」として栄えたが、炭鉱の閉山で人口が激減し、市財政も悪化。その後、観光振興などで地域の活性化を目指したが、外部からは見えにくい金融機関からの一時借り入れを繰り返すことなどにより、最終的に600億円を超える実質債務を抱えて財政破綻した。
市の財政再建計画によると、職員数の削減や給与の全国最低水準への引き下げなどで人件費を大幅に削減。また、増税や公共料金値上げなどによる歳入確保に加え、行政サービスを徹底してスリム化するため病院の縮小、小中学校の統廃合を進めるなど、住民にも大きな負担を求める。

産経新聞2007/03/06

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夕張市、財政再建団体に移行

菅義偉総務相は6日朝、財政破綻した北海道夕張市の財政再建計画に正式同意し、夕張市は正式に国の管理下で再建を進める財政再建団体に移行した。計画は353億円に上る赤字を2024年度までの約18年間で解消する内容で、市役所の大幅な縮小と住民負担増を伴う厳しい再建計画が動きだす。
菅総務相が国会内で高橋はるみ道知事の立ち会いの下、後藤健二市長に再建計画への同意書を手渡した。後藤市長は「きょうからが再建計画のスタート。市民と力を合わせて頑張っていきたい」と表明。菅総務相は「全国が注目しており、将来に希望を持って再建してほしい」と応じ、国の支援策について「他省庁を含めできることを手伝いたい」と語った。
再建団体への移行は1992年2月の福岡県・旧赤池町(現福智町)以来、15年ぶり。同町の財政再建は2001年1月で完了している。

日本経済新聞

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夕張市が正式に再建団体 18年間で赤字350億解消

菅総務相は6日朝、財政破たんした北海道夕張市の後藤市長、高橋道知事と国会内で会い、夕張市が申請していた財政再建計画への同意を伝えた。
地方財政再建促進特別措置法に基づく手続きをすべて終え、夕張市は同日から正式に再建団体に移行。約353億円の赤字を2024年度末までの18年間で解消する再建計画がスタートする。再建団体への移行は、1992年の福岡県赤池町以来15年ぶり。
再建計画では、昨年4月時点で269人いた職員を10年度に103人まで減らし、給与も平均30%カットするなど、人件費を大幅に削減。
歳入確保策として07年度から住民税や固定資産税、施設使用料などを引き上げる。図書館や美術館などの施設は廃止、小中学校も統廃合する計画だ。
ただ、高齢者や子ども関連では一定の負担軽減措置も盛り込んだ。当初、値上げを予定していた保育料を3年間据え置くほか、廃止予定だった高齢者のバス利用補助も割引額を減らした上で存続させる。(共同)

東京日報2007年03月06日

(引用終了)
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# by kanconsulting | 2007-04-09 01:29 | 経済状況