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海外口座の有効性について

下のような質問を頂きましたので、個人的な見解を述べさせていただきます。

>私も香港HSBC口座を開設しました。その狙いは
>①日本は増税も支出削減もできずインフレになると思っています。海外口座で米ドルやユーロ、スイスフランの形で持っていれば保全される。又預金封鎖にも有る程度有効と思っています

インフレになるかどうかは、まだ確定的なことは言えませんが、今年は「(程度はともかくとして)インフレへのトレンド転換」を迎えると思います。マイルドなインフレであれば経済成長をもたらす可能性も高いのですが、さて。。。

海外口座に限らず、米ドルやユーロ、スイスフランの形で持っていれば、日本円のインフレに対しては保全されるでしょうね。ただ世界的な金利上昇局面ですので、どの程度有効かは難しいところでしょう。根本的にインフレに対抗するのには、現物(貴金属、不動産・・・)かその派生商品(先物、REIT・・・)を所有するしかありません。

※先物はレバレッジが高く期限付きですので、基本的にお勧めはしません。

>②日本においていても金利もつかない。だったら海外においていても同じ。又シロウトが下手に手を出すと損するから儲けない従って脱税とは無関係。

日本円を海外で預金すれば金利もつかないですね。しかし米ドルやユーロを預金すればそれなりの金利がつきますし、年20万円以上の金利収入があれば、申告も必要です。これを怠ると、脱税になります。
また、一定額以上(1000万円だったと思います)を海外に保有する場合には、当局(財務大臣だったと思います)への申請が必要だったと記憶しています。また調べておきますね。

>③日本で引き出しできなくなったら現地にいって引き出し現地で日本円に両替し、日本に帰る。

一定額以上の現金をハンドキャリーで入出国することは、日本とその国の法律の規制にかかります。日本では、一人当たり100万円以上は申告するようになっていると思います。申告漏れは空港税関による調査の対象になるかと思います。

>かんさんのコメントに引き出しができなくなると述べられていますが

これは私の書いた
「国家の調査をかいくぐるための海外口座開設は、残念ながら難しいですし、お勧めできるものでもありません。日本に戻せないお金となってしまいます。」
についてのコメントと存じます。この趣旨は、

・日本から海外への送金は200万円以上が国への報告対象ですが、現在すべて記録されていると思ったほうがいいです。
・その調査をかいくぐることは、危ない橋ですし、法律に抵触してまでやるべきことではありません。
・もし仮にそのような資金を日本に戻そうとした場合にも、出所を追及されることは必至です。
・結論から言うと、すべてオープンかつ合法にするのが、もっともトラブルが少ないと思います。

アングラな手法を取ってしまうと、なんらかのトラブルの際に救出できないお金になってしまいます。それなら税金を払ったほうがマシだという考えです。日本国を生活の拠点とする限り、通貨の網、税金の網、法律の網から完全に逃れられることはできません。
by kanconsulting | 2005-02-12 01:31 | Q&A
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