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読者様のメールの転載(4)

読者様から、ご質問のメールを頂きました。関心をもたれている方が多いと思いますので、ブログ上にて記事にさせていただきます。

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>ところで、いくつかご質問があります。もし、差し支えなければ教えていただけますと幸いです。

>1.KANさんは預金封鎖が起こるのをいつ頃と予測されていますか?

最近は、いわゆる預金封鎖が起こる可能性は低いのではないかと思っています。それは、預金封鎖には大きな社会的コストが発生するために、それを上回るメリットが無い限り、簡単には実行できないだろうということです。

もしあるとすれば、戦乱・テロ、大災害などに伴うものでしょう。預金封鎖ではないですが、アメリカもNYテロの際に株式市場を1週間クローズしました。

国家破綻自体の時期は、専門家の間でも意見の分かれるところです。陰謀論などを離れて冷静にデータを検証しても、いつ破綻するのかよく分からないのです。物理的に国公債の元利払いが不可能になるには、あと20年は必要とする意見もあります。

経済動向・将来予測は非常に難しいです。危機感をあおるだけの破綻本は証拠が少ないですので基本的にはあまり参考にならないと思っています。

>2.KANさんのプログで紹介されている浅井氏の書籍などを購入しましたが、MAN社のファンドは長期保全の場合、安全性が高いのでしょうか。

小職のブログやホームページでは、浅井本は紹介しておりません。アマゾンの自動広告で表示されたのかも知れません。
さて、MAN社のファンの安全性は、他のヘッジファンドより多少信用できるという程度かと思います。そもそもヘッジファンドは、株式投資などと比べて、投資リスクが最高レベルに位置づけられます。海外投資に慣れた、リスクを許容できる投資家が投資すべきと考えられています。
比較的安全な外貨建てファンドとしては、たとえば債券ファンドがありますね。この場合は金利上昇や債券発行元のデフォルトには対抗できません。

ヘッジファンドについては、メインページの「ヘッジファンド編」を参照ください。

>3.浅井氏のいう外貨建ての場合、NZドルも視野に入れたほうがよいという理由が今ひとつ納得行きませんでした。KANさんは、外貨建て及び金保有について、外貨の分散及び金保有のあり方に関するリスクとメリットについて教えていただけましたら幸いです。

確かに、NZドルは通貨分散の対象としては、ウェイトを置くべきではないですね。マーケットが小さいことと、通貨としての厚みが不足していることによります。オセアニア系の通貨であれば、オーストラリアドルを優先するほうがいいでしょうね。オーストラリアドルも、あくまで「おかず」程度に考えるべきです。

通貨分散は、USドル、ユーロを基本として、補助的にヨーロッパマイナー通貨(イギリスポンド・スイスフラン)、オセアニア系通貨(オーストラリアドル)に分散するのが普通ですね。

分散した通貨で株式投資をしようと考える場合、USドルが圧倒的に有利です。ユーロなどでもできなくはないのですが、ヨーロッパ系の証券会社を使うことになるなど制限があります。逆に、スイスの銀行などで証券投資をされる場合には、ユーロ・スイスフランをメインにされてもいいかと思います。

>4.今の時期に不動産購入へ動くのが適切なのかどうかという点です。
   
「資産価値があるかどうか、つまり、毎月の家賃収入などのカタチで、お金を生み出してくれるかどうか」を基準に、資産と負債とをリストアップされることをお勧めします。意外と資産が無いことに気づかれると思います。

普通に考えますと、土地や家は資産のような気がしますが、自分が住んでいるなら家賃収入はありませんし、逆に固定資産税で持ち出しとなります。農地の場合は、ご自分が農業労働を厭わないなら、いい選択なのかもしれません。

固定資産税を考えた場合、土地の評価額の5%を超える収益を上げると言うのは、簡単なようで難しいかもしれません。課税基準となる土地の評価額も、マーケットの価格と連動しているわけではなく、税務署の意向も汲んで決まっているようです。

>5.デフレはいつまで続くと予想されますか。原油高でインフレ懸念が見え始め、増税のこともあり、今年もしくは今年度までがぎりぎりのデフレ期かと思っています。

デフレにもインフレにも複数の原因があり、簡単に「デフレだ」「インフレだ」と割り切れないのですが、簡単に言いますと、「需要が増えることで商品価格が高くなるインフレ」期を迎えていると認識しています。

>6.SONYについて、客観的にどう思われますか?株が現在安いわけですが、今購入する方がいいのかどうか悩みます。SONYは確かにブランド力のある大企業であり、SONYの生産拠点が倒産する時は日本がほとんど駄目になっているときだろうと思いますが、どのようにお考えなのか、ご意見をお聞かせください。
  
ソニーについては、確かに日本を代表する大企業ですが、将来性という意味で考えると、よく言えば成熟企業、逆に言えば大きな成長は見込めないと思います。1970年代のソニーのような「成長余力」は小さいと考えます。数値的には、PERが20倍以上と割高感がある上に、今後もROEが4~6%、ROAが1~2%と低い値が予想されます。

ソニーに関しては、巨大企業で技術力もありますが、資産を生かしきれておらず、収益性も低いという点にM&Aのウマミがあるかもしれません。日本の企業は概してPBRが低いですので、特に株式交換による買収は比較的簡単なのではないでしょうか。

ただ、外資に買われたニッサン、新生銀行などを見る限り、それなりに生まれ変わっているようですので、従業員から見た場合はともかく、株主にとっては一概に悪いことだらけとは言えないのかもしれません。

※ROEの意味については、前回のエントリーを参照ください。

>7.SONY株を購入して、SONYが外資にM&Aされた場合、SONYの株券はパーになるのでしょうか?事例と過程を教えてください。

M&Aで有る限り、お持ちの株式は少し良い条件で買い取られるか、買収企業の株式と交換になります。いずれにしても、被買収企業株主の了解を得るために、良い条件が提示されます。無価値になることはありません。
  
>8.ある●●の人と話をしていて、財政破綻待望論があり、それを意図的に流しているだけという謀略説を聞きました。それで、財政破綻をしても、国民が食べられなくなるようなことにはならないのでは。。。。と言われました。危機を謀略としてあおっているだけでは。。。。と

国家破綻謀略説も、確かに仮説として成り立ちます。市販の破綻本を読んで根拠の薄さにそう思う人がいても仕方ないですね。また、いったんクラッシュさせてそこを安く買い叩きたい勢力がいるかも知れないですね。

ロシア・アルゼンチン型の財政破綻、アジア通貨危機などを見ますと、経済の混乱は2~3年は続くようです。ただし、文字通り食べられなくなって大勢の餓死者が出るといった事態ではなかったようですね。

ただし、為替レートの変動による購買力減少、資産の含み益減少により、生活レベルが落ちることは避けられないようです。

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by kanconsulting | 2005-09-25 22:00 | Q&A
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