郵便局の投資信託

郵便局で、数種類の投資信託の販売が開始されて、ほぼ1ヶ月が経過しました。初めての元本割れリスクがある金融商品の販売ということもあり、売れ行きによっては、今後もリスク商品のラインアップが増えていくでしょう。

(引用開始)
日本郵政公社は3日、全国の575の郵便局で投資信託の販売を始める。元本割れリスクのある金融商品を郵便局が扱うのは初めてで、顧客への十分な説明が求められている。収益の柱である郵便貯金の流出に歯止めがかからないため、投信をその受け皿にして販売手数料を稼ぐ戦略だが公社には税の減免など官業ならではの特典がある。
(引用終了 日本経済融新聞10月3日)

これらの投資信託は、
・日経平均株価連動型のインデックスファンド「大和ストックインデックス225ファンド」
・TOPIXをベンチマークとするエンハンスド・インデックスファンド「GS日本株式インデックス・プラス」
・「野村世界6資産分散投信(安定コース、分配コース、成長コース)」6つの資産に分散投資するバランス型ファンド
ですが、大きく分けて「インデックスファンド」「投資信託」の2種類です。

(インデックスファンド系)

インデックスファンド「大和ストックインデックス225ファンド」は、ベンチマークとの完全な連動を目指すファンドです。ここでのベンチマークとしては、「日経平均」です。機械的に日経平均に連動させるファンドですので、パッシブファンドです。

エンハンスド・インデックスファンド「GS日本株式インデックス・プラス」は、ベンチマークであるTOPIXとの完全な連動を目指すのではなく、少しだけ上をねらう運用です。インデックスといいながらも、アクティブな運用をするファンドです。日本ではあまり見ませんが、米国などでは人気があるそうです。

エンハンスド・インデックスファンドは、アクティブ運用です。普通のインデックスファンドよりもリスクを取って運用をしているので、当然、下回る可能性もあるのです。さらに、アクティブ運用ですので当然なのですが、手数料が高いというデメリットがあります。

パッシブ運用とアクティブ運用の違い、その手数料の効果については、過去のエントリーを参照してください。
「ファンドの手数料」
「では、どのファンドがいいのか(4) 収益環境指数」

これらの2本のファンドの比較をしてみましょう。

       ベンチマーク 運用    手数料
大和225:日経平均   パッシブ  2.1%(購入時)、0.546%(毎年)
GSプラス:TOPIX    アクティブ 2.625%(購入時)、1.05%(毎年)

(バランス型ファンド)

日本債券・海外債券・日本株式・海外株式という4資産組み合わせのバランスファンドは良く見ますが、これに日本REIT(不動産投資信託)・海外REIT(不動産投資信託)をあわせた6資産に分散するバランス型ファンドです。最近のREIT人気を反映した設計でしょうね。

バランスという観点で言うと、「フリーランチ投資家になろう/岡崎良介」でも紹介がありましたように、日本株式30%+外国債券70%というポートフォリオを意識した設計になっているようです。

ただし、具体的な割合を見ますと、「安定コース」「分配コース」「成長コース」では、全く異なった金融商品と言っても良いくらい、リスクと期待リターンが異なります。

(注意点)

皆様は、資産と負債のバランスを考えた上で投資をされていると思います。たとえば、住宅ローンを抱えた上でのヘソクリや、半年後の結婚資金などを、こういったファンドにつぎ込むことは当然されないと思います。

ところが、金融商品を売る側(銀行・証券・郵便局)は、収益を上げてノルマを達成するために売るのです。具体的には、手数料の高い商品や、頻繁な売買を薦めるというのが考えられます。

本来であれば、個人ごとにアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)をするべきなのです。それが、資産運用の基本なのです。ALMを間違えてしまうと、ファンドの成績が多少どうであっても、後悔する結果になってしまいます。これは、「戦略を間違えてしまうと、戦術では取り返しが付かない」ことと同じです。

銀行・証券・郵便局の窓口では、ALMは期待できません。であれば、個人でALMができるように、「ファイナンシャル・リテラシー」を身に付けるしかありません。
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by kanconsulting | 2005-10-29 16:34 | 資産保全一般
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