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【詐欺にご注意】「株でもFXでもない海外投資で日5-10%の利益を出す」というハイプ(HYIP)に潜む甘い罠

前回のエントリー「【詐欺にご注意】 「株でもFXでもない海外投資で日5-10%の利益を出すしかも何もしなくてもいい」とは?」にて、ハイプ(HYIP)は、およそ投資とは言えないと注意を喚起しました。

本日は、さらに詳しく検討したいと思います。

「株でもFXでもない海外投資で日5-10%の利益を出す」というのは、ハイプ(HYIP)と言うようです。インターネット上の「英語圏によくある、個人が資金を募集して投資し、利益を還元するという、私製投資プログラム」を指します。

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図は、サイトバナーの一例です。予定利率が信じられないほど高いことがわかると思います。
①1日経過後135%、2日経過後140%、3日経過後145%、4日経過後150%
②1日経過後110%、2日経過後120~150%、4日経過後160~250%
③3日間毎日40%、3日経過後130%、5日間毎日30%
④1日経過後120~150%、2日経過後150~210%、3日経過後180~270%

たとえば、日本で言うところの、
「俺に5000円貸してくれたら、競馬とパチンコで1週間後には倍にして返してやるぜ」
を、インターネット上で展開しているような感じです。資金が帰ってくる場合もあるでしょうが、直感的にほとんど帰ってこないことは想像がつきますね。

特徴は

・普通の個人(外国人)が運営している場合がほとんど
・きちんと運用しているかどうかチェックする仕組みが無い
・小額から投資を受け付けることが多い
・運用方法は、FX・その他金融取引、競馬などのギャンブル、宝くじが多い
・各国政府による許認可とはほとんど無関係(無許可)
・投資家を信用させるために、最初は払い戻しに応じることが多い
・しかし、運用に困ったり、新規顧客が途絶えると、断りなくクローズ(夜逃げ)する
・投資家保護の制度が全く存在しない、保証は全く無い
・取り込み詐欺との区別がつかない場合が多い
・ねずみ講との区別がつかない場合が多い
・トラブルにおいては、資金は帰ってこない
・資金が帰ってこない場合は、基本的には泣き寝入り

ですので、投資ではなく、マネーゲーム・ギャンブルなのです。

短期的ならば少し儲かることもあるようですが、長期的に安定して儲けることは不可能のようです。なぜならば、

・そもそも、設定利率に無理がある
・きちんと運用していない可能性が高い
・ポンジースキーム(ねずみ講)の可能性が高い
・信用させるために、最初は払い戻しに応じることが多い
・しかし、設定利率に無理があるため、遅かれ早かれ破綻する
・あるいは、破綻を前提にプログラムを運用している
・したがって、短期間でクローズする

からです。

プログラムやサイトの危険度を毎日判断し、資金を移動させる手間、そしてクローズにおける英語での対応の面倒くささ、資金が帰ってこない場合のストレスなどを考えると、ちょっと儲かる可能性があっても、全く割に合わないと考えていいと思います。

であれば、リスク・リターンのバランスが適正な「正しい投資」をして、夜も安心して寝られるほうが、格段にラクなのではないですか?元本保証が無い株式・債券・ファンドでも、「少なくとも知らない間に消滅していることは無い」のです。

考えてみてください。

一日に5%の利益というのは、FXでいうと300倍のレバレッジでキャリートレードをすることに相当します。この場合ですと確かにスワップ金利は証拠金に対して5%/日ですが、0.33円の円高で証拠金の全てが消滅します。
遠慮気味に一日に1%の利益としても、60倍のレバレッジでキャリートレードをすることに相当します。この場合は、1.66円の円高で証拠金の全てが消滅します。
破産への片道切符を買っているようなものです。

競馬やギャンブルの場合においては、言うまでもないでしょう。自分でやっても簡単に儲からないものが、他人にやってもらって、コンスタントに儲かるわけがありません。

ファイナンシャルリテラシーの重要な項目に、
「理解できるものに投資をする = 理解できないものに投資をしてはならない」
「リスクとリターンを比較し、冷静に判断する。投資しないのも判断のうち」
があります。

世の中には、
「一日5%!?仕組みがどうであっても、やりたい!一発当てたい!!」
と、リターンに目がくらみ、過度のリスクを背負ってしまう方が多くいらっしゃいます。 そして、リスクの判断を誤り、「正しい投資」の道を踏み外す方がとても多いのです。

最悪なケースは、こういったマネーゲームで少し儲かってしまうことです。「正しい投資」が、まどろっこしく、遅々として儲からないと思い込み、腹が立ってしまうのです。こうなってしまうと、「正しい投資からの脱落」が決定的となります。

リターンが過度に大きい場合は、
・なぜリターンが大きいのか
・儲けを生み出す仕組みは何か、詐欺的ではないのか
・それに見合ったリスクか
を十分に考える必要があります。

結論を言いますと、
・ハイプ(HYIP)で、コンスタントに利益を得る(生活費を稼ぐ)ことは不可能です
・もちろん、国家破産(財政破綻)対策には、なりません
・時間と手間をかけるなら、正しい投資をお願いします
・最優先で、ファイナンシャル・リテラシーを磨くことです

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ファイナンシャル・リテラシーの教科書については、以下のリンクをご覧ください
「国家財政破綻研究ページ」
「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」
by kanconsulting | 2006-07-27 00:38 | 海外投資
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